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雑誌名 奈良教育大学教育工学センター研究報告

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Academic year: 2021

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パーソナルコンピューターへのTV・ビデオ画像入 力装置の開発 −CAI教材開発支援用−

著者 六田 嘉明, 細川 治雄

雑誌名 奈良教育大学教育工学センター研究報告

巻 7

ページ 11‑20

発行年 1984‑03‑16

その他のタイトル Development of a Compact Video Image Digitizer for Use in Personal Computer Assisted

Instruction

URL http://hdl.handle.net/10105/4593

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パーソナルコンピューターへのTV・ビデオ

画像入力装置の開発

‑CA I教材開発支援用‑

六 田 嘉 明・細 川 治 雄

(技術教室)

Development of a Compact Video Image Digitizer for Use in Personal Computer Assisted Instruction

by

YOSHIAKI MUDA and HARUO HOsOKAWA

(Department of Technology, Nara University of Education) Nara Japan

Abstract

A compact video‑image digitizer has been developed that is capable of high speed dig‑

itization with fine resolution for color images. It is made of a Z‑80A CPU, Z‑80A DMA, Z‑80A CTC, 96KB Dynamic Memory, 8KB ROM, 4KB Static RAM, 8251A SIO and LM361 high‑

speed comparators・ This digitizer can be used either in high resolution mode or in medium resolution mode. In the high resolution mode, one frame is digitized into 640 x 400 dots in 1/4 sec, 8 colors for each dot. In the medium resolution mode, one frame is digitized into 320 x 200 picture‑cells in 1/16 sec, 64 colors for each picture‑cell. To avoid horizontal jitters on digital image, a method of syncronization of image sampling with the horizontal syncronization signal of the input video signals has been developed.

Key words: Video Image Digitizer, CAI.

I 研究目的

現在、文字や絵や図形等のような画像情報をディジタル化してコンピューターに入力するには 大変な労力を必要とする。このため、 CAIのようなコンピュータ‑利用の分野においては、画 像情報が文字や直線や円のような簡単な図形のみで構成されているのが現状である。このため、

画面はどうしても単調になりがちであり、面白さに欠けるきらいがある。

そこで、簡単に画像情報をディジタル化してコンピューターに入力できる装置、特にTV放送 の画面やビデオカメラで撮らえた画面を入力する装置を開発することにした。

TVやビデオカメラからの画像入力装置としては、今までに文献1, 2)のようなものが発表さ れているが、これらのものは、画像の取り込み時間が遅く(d)では544秒、 (2)では2秒程度)静

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止画像しか取り込めない、そして解像度が低く((1)では128×128、(2)では256×128)、また白 黒である。またそれとは別に、超音波診断装置のような工業計測用の画像入力装置の研究、開発

も行なわれているが、これは非常に高価でかつ汎用性があるとは言えない。

このため今回は、CAIへの利用を前提とし、出来るだけ多くのパーソナルコンピューターと 接続出来る装置を開発することにした。そして、今までの画像入力装置の質を大きく改良するた

め、高速取り込み、高解像度、カラー化を重点に研究を行なった。

このような画像入力装置は、CAIへの応用の他にも、文字認識、図形認識等の分野にも応用 できよう。

Ⅱ 装置構成(ハードウェア)

図1に本装置(写真1)のブロックダイヤ グラムを示す。

TVからの画像情報は、A/D変換され、

Direct Memory Access(DMA)によって画 像メモリに格納される。格納された画像情報 はCPUによって、パーソナルコンピュータ ーに送り出される。

本装置への入力は、RGB(光の三原色)

の映像信号及び水平周期パルス(H−SYNC)

と垂直同期パルス(Ⅴ−SYNC)である。今

写真1画像入力装置の外観

図1本装置のブロックダイヤグラム。(鎖線内)

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パーソナルコンピューターへのTV・ビデオ画像入力装置の開発

回はこれらの信号をカラービデオモニタTV(シャープ製CZ800D)内にバッファを設けて取 り出している。

取り出された映像信号は先ず、高速コンパレ,ターLM361(tpd最大20ns)によってA/D 変換される。この際、A/D変換の仕方として表1に示す高解像度モードと中解像度モードの2 種類のモードを用意した。

モ       ー       ド 高 解 像 度 モ ー ド 中解 像 度 モ ー ド 解     像     度 640 × 400 ド ッ ト 320 × 200 ドッ ト

1 ドッ ト当 りの

輝   度   階   調 R G B 各 2 階 調 R G B 各 4 階 調

表 現 で き る 色 8  色 6 4 色

L  特     徴 くっ き り した 画 面 明 る さの度 合 が わ か る画面 表1高解像度モードと中解像モードの主な違い

サンプリングは、高解像度モードでは、水平1ラインにつき640点行う。そのために、先ず、

DMAコントローラー(Zr80A DMA)を連続モードで2クロック/1転送サイクルで動かす。

ここで、1転送サイクルを、2¢=571.43〔ns〕に選ぶと、1ライン(45.714〔〃S〕、図4参照)

当り、80点サンプリングできる。そこで、1ライン当り640点サンプリングするために、図2の ような、2¢を8等分した8相クロック(CKO〜CK7)を用意する。このサンプリングパル スを、A/D変換器に供給し、同一ラインについて、位相をづらせて8回サンプルすることによ

り、1ライン640点のサンプリングを行うことにした。図3における8ビット・フリップフロッ プ(I C64)とワンショットマルチバイブレーター(I C50の2)によって、8相クロックパル スが作られている。

まず、CK Oを選択し、テレビ画像の1フレームについて水平1ラインにつき80点、合計200 ラインを、DMAの1動作によって画像メモリに取り込む。さらに、次の(飛び越し走査)フレ ームについても、同様にサンプリングを行なう。この2つの動作で、横80×縦400ドットの取り 込みが行なわれる。次に、CKl〜CK7について、同様のことを繰返えす。こうして、8×2 二16フレームにわたってサンプリングすることにより、640×400ドットの画面を得る。従って、

1画面の取り込み時間は、笛幸吉〔秒〕であり、早い動きのある画面でない限り、十分静止し てとらえることができる。

次に、映像信号側の水平同期パルス(H−SYNC)と装置内のシステムクロックが非同期のた めに起こる画面の横方向のジッタの解消法について述べる。

今までの装置1・2)では、解像度が低かったので、サンプリングクロックを速く(100乃S Or50 乃S)することによりジッタは兢画素以下に抑えられていた。しかし、その方法で、ジッタを兢画 素に抑えて水平640点のサンプリングを行なうには、サンプリングクロック周期を、45.7÷640

÷2〔〟S〕≒35〔〝S〕以下にしなければならない。しかしその時には、変換時間が35〔乃S〕以下 の高速A/D変換器、アクセスタイム70〔ns〕以下の高速メモリ、サイクルタイム70〔ns〕以下 のDMA回路を必要とする0これはほぼ不服に近い上、±÷画素分のジッタは残ることになる。

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_√サンプリング・タイミング

図2 DMAl転送サイクルと8相サンプリングクロックパルス(CKO〜7)との関係

そこで、今回は汎用DMAコントローラーを用いて、640×400ドットの高解像度で完全にジ ッターレスで高速取り込みをする、全く新しい方法を開発した。

それは、システムロック(原発振)を、DMA転送時には、水平同期ノヾルス(H,SYNC)に 同期させ、水平の取り込み開始位置と終了位置をこのシステムクロックのカウントにより決定す るという方法である。図3に、その回路を示す。

先ず、原発振を水平同期パルスに同期させる方法を示す。先ず、図4に示す如く、水平同期パ ルス(H−SYNC)の立ち上がりで1.6fLS(≫2¢=570ns)長のワンショットパルスを発生 する。次に、そのノヾルスがアクティブで、かつ2の、¢、一極¢がそれぞれ、L、L、Hとなったと

き、LS38(IC69−1)の「L」出力によって、原発振を強制的にL、L、Hの状態でHoldす る。(図4参照)。そのあとワンショットパルスが非アクティブとなった時点で、LS38(IC69

−1)の出力はオープンとなり、再び発振を開始する。以上で、水平同期パルスに同期した原発 振が得られる。

次に、一水平ラインのサンプリング開始タイミングは、CTCによるトリガ・パルス(2¢)

のカウントによって決定している(図3及び図5参照)。トリガ・パルス(2¢)が水平同期パル スに同期しているため、この方法で、水平同期パルスの立ち上がりから、サンプリング開始位置 までの時間間隔がそろうことになる。

また、一水平ラインにつき、80点サンプリングした後は(これも、2¢の計数によって定める)、

DMAのRDY入力線を非アクティブとし、次の水平ライン取り込み再開時に再びアクティブと

し、サンプリングを再開する。

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H−SYNC

ワンショットパルス

(IC51の2の出力)

!′′iO

e

2◎

[ns]    とっている期間

図4 システムクロック 1/2の、¢、2¢のタイミング

63.5/lS

H−SYNC(TVより)

IC51の2  Q   (出力)

Z80CrC−CLK/TRG2(入力)

ZC/TO2  (出力)

CLK/TRGO(入力)

zc/TOO  (出力)

Z80DMA−RDY  (入力)

サンプリング開始 終了

図5 サンプリング開始/終了タイミング(DMA・RDY信号の作製)

Ⅲ 制御プログラム(ソフトウエア)

本機の制御プログラムは大きく分けると、映像信号の画像メモリへの取り込みと、画像メモリ に蓄えられた画像情報をパーソナルコンピューターが扱い易い形に変換して送り出すことの2つ の部分から成っている。

前者のフローチャートを図6に示す。先ず、垂直同期パルスをソフトで検出すると、新しい画

像フレームが偶数番目か奇数番目(飛び越し走査)かを、図7及び写真2に示すHSYNCの形状

の違いから判断して、偶数番目のフレームであれば、次に述べる画像メモリへの叡り込み動作に

入る。

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パーソナルコンピューターへのTV・ビデオ画像入力装置の開発

図7 新しいフレームが偶数番目フレームか奇数番目フレームかの判定タイミング

そこでは、垂直同期パルス後25本の水平同期 パルスをソフトで読みとばした後、バンク指定、

8相サンプリングパルスの初めの1つ(CKO)

の選択、DMAコントローラーの初期化を行な い、28本目に入る前に、DMAに制御を渡す。

DMAコントローラーは、1フレームについ て、80×200点のデータを取り終えると、CPU に制御を返す。

続いて、次の(奇数番目の飛び越し走査)フ レームについて同様のことを行ない、80×400 点の取り込みを完了する。以上のサイクルを、

図2に示した8相クロックの総てについて行な 写真2 V−SYNC(上段)とH−SYNC(下段)

との関係(横l Ei盛は100〃S)

い、一画面の取り込みを完了する。

DMAコントローラーの初期化では、Z80A−DMAを連続モード、2Clock/1転送Cycle に設定し、かつ画像メモリの64KDRAMにプリチャージ時間を与えるために、RD及びMREQ の立上がりを兢Clock早めるように指定する。

なお連続モードにおいてDMAは指定ブロック長(16K)分の転送が終わるまでCPUに制御 を返さず、RDY入力の状態によって転送するか否かを決定する。本装置ではⅡ章で述べたよう に、外部回路を設けて、RDY入力の状態をコントロールしている。(図3、図5参照)

次に、パーソナルコンピューターへの画像情報の転送ルーチンについて述べる。

高解像度モードでは、画像メモリ内のデーターをそのままパーソナルコンピューターへ送り出 している。

中解像度モードでは、1画素の輝度を4階調で表現しているため、ノヾ−ソナルコンピューター へ送るときは、図8に示すように一画素を2×2のドットマトリックスで表現したデータ一にな おして転送している。

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図6 画像情報の取り込みプログラムのフローチャート 輝度レベル

■はBlank 団は馳d 国は Gre。。

団はBlue

1

1ドットを表わす。

図8 中解像度モードにおける2×2ドットマトリクスによる輝度表現

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パーソナルコンピューターへのTV・ビデオ画像入力装置の開発

Ⅳ 結果と検討

本装置を使って入力したTV画像のサンプルを写真3、4に示す。写真3は高解像度モード、

写真4は中解像度モードのサンプル例である。写真は白黒であるが、実際はカラーである。取り 込まれた画像の横方向ジッタは、ほゞ解消することができた。

なお、中解像度モードの2×2ドット・マトリックスによる輝度表現(図8参照)は、自然な 輝度の表現からみると不満を残すが、輝度の2値(有/無)表現しか行こなわないコンピュータ ーのディスプレイ画面に表示しようとする限り、仕方のない事である。すなわち、2値化された ドットを用いて、輝度を表現するには、ドット・マトリクスを用いるしかなく、その場合、画面 の精細度を下げないためには、マトリクスを2×2以上に大きくすることはできないからである。

結局、本機における中解像度モードの結果は、パーソナルコンピューターのグラフィックディス プレイを用いて、輝度の変化をもつ画面を表現しようとした場合のはぼ限界を示していると考え られる。

なお2×2のドット・マトリクスでは最大5階調まで表現できるが、5階調を表現するには3 ビット必要で、R・G・B合わせて9ビット必要になり、8ビットCPUとの整合が非常に複雑 になることから、4階調表現にとどめた。

またビデオカメラで撮った画面は特にぼやけて入力される。これはビデオカメラの分解能が本 装置の解像度(構方向640ドット)よりも低いために起こるもので、ビデオカメラの高性能化が 待たれる。

写真3 高解像モードで入力したサンプル例

(アニメ「母をたずねて三千里」のマルコ)

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写真4 中解像度モードで入力したサンプル例(左)とテレビの画面(右)

(日本シリーズでの一場面)

Ⅴ ま とめ

本装置はTV画像の、高速取り込み、高解像度化、カラー化(高解像度モードでは 640×400 ドット、8色、取り込み時可敵中解像度トドでは320×200ドット、64色・五秒)を汎 用LSI(Zr80Aシリーズ、64KDRAM等)を使って実現した。

従来、画像の横方向のずれ(ジッタ)は、ある程度避け得ないものであったが、本装置では、

ビデオ入力信号の水平同期パルスに同期させて画像をサンプリングする方法を開発したことによ り、ほヾジッタを取ることに成功し、高品質な画像の入力が出来るようになった。

参考文献

1)木下:インターフェース1980年7月号pp.178〜181.

2)高橋:トランジスタ技術1983年2月号pp.375−388.

参照

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