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Academic year: 2021

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論文内容の要旨

Endocan, a New Invasion and Angiogenesis Marker of Pituitary Adenomas

下垂体腺腫における腫瘍浸潤、血管新生とEndocanの発現

日本医科大学大学院医学研究科 脳神経外科分野

大学院生 亦野 文宏

Journal of Neuro-Oncology に平成26年掲載予定

(2)

血管新生は下垂体腺腫を含む多くの腫瘍増大、腫瘍浸潤の重要な因子である。近年、

Endocanは様々な臓器の癌細胞の血管内皮に発現する新しいマーカーとして報告されてい

る。今回我々は、下垂体腺腫における腫瘍浸潤、血管新生とEndocanの発現の関係を研究 した。

研究対象は2009年から2012年に当院で腫瘍摘出術を施行した70症例を用いた。男性 31例、女性39例、平均年齢は53.3歳、49症例が非機能性腺腫、10症例がGH産生腺腫、

6症例がPRL産生腺腫、4症例がACTH産生腺腫、1症例がTSH産生腺腫であった。い ずれも術前にホルモン治療、化学療法や放射線治療を施行したものはなかった。ブロッキ ングを行ったのちEndocan,CD34の一次抗体、二次抗体を反応させ二重染色を施行、血管 内皮細胞におけるEndocanの発現レベルを、蛍光免疫染色を行いimage analysis

software(Image Pro-Plus, version 6.3)を用いて解析を行った。

CD34陽性血管内皮の90%以上にEndocanの発現を認め、CD34の発現の上昇に伴い Endocanの発現上昇を認めた。(linear regression analysis; slope, 1.200; r^2, 0.268; F value, 23.08; p< 0.0001)また、CD34陽性におけるEndocanの発現率はKnosp gradingと有意な 相関を認めた。(Spearman’s r-value, 0.651; p<0.0001)MacroadenomaではMicroadenoma と比較して有意にEndocanの発現は増加していた。(p=0.0133) 腫瘍サブタイプ、年齢、性 別とEndocanの発現は相関を認めなかった。

Endocan、endothelial cell-specific molecule-1(ESM-1)は血管内皮から分泌、発現するプロ テオグリカンであり炎症や低酸素といった敗血症や腫瘍増大といった病態において報告が されている。特に、血管新生因子であるVEGFや炎症サイトカインのTNFによりregulate され、腫瘍領域の低酸素と密接な関係があると報告されている。

一方、下垂体腺腫は造影MRIでもless enhancementなことからわかるように正常下垂体よ り血管に乏しく、その酸素レベルも低いことが報告されており、このような状況下で

Endocanは、下垂体腺腫の血管新生を反映すると考えられた。

今回の我々の研究では下垂体腫瘍において、Endocanの発現は腫瘍の浸潤に相関するこ とが明らかになり、腫瘍浸潤の新しいパラメーターであると考えられた。

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