• 検索結果がありません。

第二次審査(論文公開審査)結果の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "第二次審査(論文公開審査)結果の要旨"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

第二次審査(論文公開審査)結果の要旨

Neutralizing antibodies for Helicobacter pylori urease inhibit bacterial colonization in the murine stomach in vivo

ピロリ菌ウレアーゼに対する中和抗体によるマウス胃へのピロリ菌感染予防

日本医科大学大学院医学研究科 小児・思春期医学分野 大学院生 竹下 輝 Biomedical Research, volume 40, number 2, 2019掲載予定

ピロリ菌は胃粘膜に持続感染し、慢性胃炎や胃がんの原因となるばかりでなく、特発性血 小板減少性紫斑病や関節リウマチなどの自己免疫疾患との関連も指摘されている。ピロリ 菌感染者ではピロリ菌に対する抗体は産生されるが、持続感染を抑制する効果はない。一 方、ピロリ菌菌体毒素であるウレアーゼは胃液中の尿素を分解してアンモニアを産生する ことで胃酸を中和し、持続感染を成立させる必須の蛋白である。すでに申請者らのグルー プはこのウレアーゼの活性中心に相当する 19 アミノ酸からなるペプチドUB-33を同定し、

UB-33抗体がウレアーゼ活性の中和抗体であることを報告している。そこで本研究の目

的は、UB-33ペプチドでマウスを免疫することにより、ピロリ菌の胃粘膜への生着、持続

感染を抑制する可能性を検討することである。

6週齢の雌性BALB/cマウスに、UB-33ペプチド、精製ピロリ菌ウレアーゼ、あるいは PBSを完全フロイントアジュバントと共に腹腔内接種し、さらに2週後に不完全フロイン トアジュバントと共にブーストした。初回投与から4週後にUB-33あるいはウレアーゼに 対する抗体産生を確認し、その後 48 時間ごとにピロリ菌(SS-1株)を3回胃内投与した。

4週後に胃内ピロリ菌数、血液および胃液内の抗体活性を比較した。また、ピロリ菌ウレ アーゼに対する免疫応答はTLR-2を介して惹起されることから、同様の実験をTLR-2欠損 マウスに対しても行なっている。研究の結果、UB-33免疫群ではウレアーゼ中和活性を有

するUB-33特異的IgG抗体が産生されており、胃液内からも検出された。ウレアーゼ免疫

群でもウレアーゼに対するIgG抗体が産生されていたが、中和活性はなかった。どちらの 群でもIgA抗体は産生されていなかった。ピロリ菌菌体数はUB-33免疫群で有意に抑制さ れていたが、ウレアーゼ免疫群では限定的であった。これらの現象はTLR-2欠損マウスで は観察されなかった。

これまでピロリ菌に対するワクチン開発への研究は多数報告されているが、ウレアーゼ 活性中心を標的とした研究はこの報告が初である。ピロリ菌感染者がピロリ菌抗体を産生

(2)

しながらも持続感染が成立いている事実からもわかるように、ワクチンの開発は容易では ないと言える。しかし、今回得られた知見は、ウレアーゼの活性中心に対する免疫で持続 感染を抑制できる可能性を初めて明らかにしたもので、今後のピロリ菌に対する予防ワク チンの開発に道を開くものであると言える。

第二次審査における議論として、1)IgAクラスの抗体が誘導されない理由について、2)

ワクチン開発の今後の方向性について、3) 統計・検定法の選択について、4)ワクチンば かりでなく抗体療法としての可能性について、5) 胃液内の IgG 抗体の持続性について、

などの質疑がなされ、いずれも適切な回答が得られた。

以上より、本論文は学位論文として価値あるものと認定した。

参照

関連したドキュメント

近年、本課題を解決するべく、 その細胞傷害性を完全に排除した無毒化 HSV ベクターJΔNI5 が開発された。ただし、本ベクターは

日本医科大学大学院医学研究科 精神・行動医学分野 大学院生 増岡 孝浩 Psychiatry Research: Neuroimaging, volume 301,202 掲載

2009 年から 2012 年に日本医科大学多摩永山病院に入院した 60 歳以上の脳血栓性脳梗塞 の患者 186 人から、同検査を実施できた 75 人(男性 52

Ⅲa 多様性による Tmab と NK 細胞の Fcγ receptor の結合親和性に着目し、抗 CD137 抗体添 加後の Tmab による Panc-1 に対する

前立腺癌細胞株(PC3 と LNCaP)における抗原発現の確認と細胞捕捉実験の後、未治療 転移性前立腺癌患者 14 名より末梢血 2mL

法による検討では、PDZRN3 に存在する PDZ ドメインのうちドメイン1のみが SMCT1 と の結合を認めた。機能評価実験では、 SMCT1 野生型とともに

優位な波形の形状は保たれたまま周波数が漸減していた。これは拍動回数が減少し、なお

次に tolerogenic DC に与える α-GalCer の効果を検討した。Hepa1-6-1 細胞との共培養によ り tolerogenic 化した DC を α-GalCer 存在下で培養したところ、 DC 上の CD80