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幼児の質問力を触発する保育実践の試み

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Academic year: 2021

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幼児の質問力を触発する保育実践の試み

前 田 志津子

A Practice in Cultivating Children’s Ability to Ask Questions

Shizuko Maeda

Young children have the ability of asking questions, such as “what” “why” and “how” about various things and events around them. However, not only elementary school children but also college students rare ask questions. I think that their ability of questioning is not cultivated. It’s important to raise the ability of questioning at early age when children develop the base their language development. By asking questions children can learn many things. In this practical study, I tried to make an environment and stimulate their ability of questioning and answering. Through this practice, I examined whether children developed their ability of questioning or not.

1 はじめに

 広辞苑によると、質問とは「疑問または理由を問いただすこと。」とある。幼児は、発達のかな り早い時期から母親など大人に対して、様々な発話形式で質問をするようになる。例えば、大久保 愛(1967)によると、「なに」という質問は、発達的にみると、第1期と第2期があり、第1期は 1歳7ヶ月から2歳1・2ヶ月頃で、事物の名称を知ろうとしてしきりと質問する時期、これに対 して第2期の「なに」はことばの意味を相手に聞くもので、大体4歳から5歳にかけて使われると いう。また、「どうして」も2歳5ケ月頃から3歳頃までの第1期と4歳から6歳頃までの第2期 があり、第1期は単純な理由を聞くのに対し、第2期の「どうして」は「知識を得ようとして原因・

理由を聞く」ものであるという。こうした事実は、幼児は、早い時期から周囲にあるものを感じ取 り、問いかける力、すなわち質問力をもっている、ということを示唆している。

 ところが、最近は小学生中学生はもちろん、大学生でも積極的に質問するということが極めて少 なくなっている。例えば、アメリカのジャーナリスト、ジョナサン・ラウチ(1992)は、その著「ジ・

アウトネーション」のなかで「私が訪れた日本の学校では、幼稚園から大学生に至るまで、生徒が 質問するところを一度として見なかった。」と述べている。筆者の場合、授業の終わりには必ず「何 か質問ありますか?」と意識して問いかけているが、質問が返ってくることはほとんどない。また、

少人数のゼミのなかでも友達の発表に対する積極的反応、質問もまた出てこない。大久保淳子(2010)

も、「幼児教育を専攻する学生のコミュニケーション能力の育成について」という論文の中で、学 生の現状について桜美林大学の荒木晶子(1997)の次の言葉を引用している。「大学で授業をして 思うのだが、何か学生に意見や質問を求めても学生が自発的に答えてくれることはあまりない。あ てられれば答えはするが、その消え入るような小さな声とおびえたような、まるで自分が被害者で もあるかのような話し方を見ていて気の毒なほどである。」

 なぜだろうか。それは、可能性としては、質問する力、すなわち質問力を子どもがもっていても それを引き出し、育てる環境が欠けているからではないかと推測される。質問力を育てるには、子 どもが単に教師や友達の話を聞く、聞いて理解するに止まらず、もっと知りたい、分かりたいとい う気持ちをもち、さらに心を込めて聞きたいという意欲を育てることが必要である。

(2)

 そこで筆者は活発に質問する気持ちを触発する環境づくりが幼児期には大事であると考え、その ための保育実践に取り組むこととした。具体的には「誕生日のインタビュー」活動により質疑・応 答の機会を継続的、積極的につくることを通して幼児の質問力を高めることを考えた。これが、本 実践研究の目的である。

2 研究の方法

2−1 対象

 F県F幼稚園は、大学の附属幼稚園である。地方都市の住宅地にあり、大学のキャンパスと隣接 している。入園は、保護者による送り迎えが30分以内でできることが条件である。入園に際しては、

知的能力や生活能力をみるような特別な選考は一切行っていない。入園希望者が定員を超える場合 は、抽選により入園の可否を決定した。園庭は豊かな自然環境に恵まれ起伏のある広場や木々を利 用した遊び空間がある。

 子ども達は季節の草花や虫を身近に感じ、それらを利用した遊びの楽しさを体験することが日常 的にできる。子ども達は、園庭での戸外遊びでは非常に活発であった。しかし、室内での課題的活 動、クラス集会等では、友達や教師の話を聞くことが苦手である。

 4歳児クラス(24名)〜5歳児クラス(27名)の2年間。筆者は、この子ども達にかかわった。

2−2 記録方法

 実践の記録方法は、質疑応答する場面をつくり、それらについてビデオによる記録と記述による 記録を行う。

3 指導の原則

 筆者は、日々の保育実践にあたって次のことを心がけた。

①自発的な活動の重視

 指示されたことだけではなく、年齢相応に自分で考え、自分で判断し、自分で行動することがで きるようにすること。

②コミュニケーション力の重視

 教師や友達の話をしっかり聞くことができると同時に自分の気持ち、自分の考え、自分の疑問を 積極的に表現できるようにすること。

③友達関係の広がりの重視

 遊びや様々な活動を通して友達と体験を共有し、積極的に豊かな友達関係をもつことができるよ うにすること。

④創造的に思考する力の重視

 思考力や創造力の素地を伸ばすとともに、知的好奇心を育み探究心を深めるようにすること。

4 実践

 日常保育の朝のクラス集会時「誕生日のインタビュー」活動を計画することとした。「誕生日の インタビュー」活動では、誕生日を迎えた子どもにできるだけ誕生日のその日にみんなでお祝いし、

質問の時間をつくった。「誕生日のインタビュー」活動18事例。以下、そのリストを表示する。な お1学期は教師が質問方法のモデルを子ども達に示す、2学期からは子どもが質問する、この時質 問者は手を挙げた子どもの中から教師が指名する、さらに3学期から質問者を誕生児が指名する方 法を考えた。リストは、質問者を子どもに委ねた2学期からの記録を掲載する。

(3)

表1「誕生日のインタビュー」活動リスト

①から⑫は4歳児 ⑬から⑱は進級しての5歳児

4−1 「誕生日のインタビュー」活動の実施計画

 「誕生日のインタビュー」活動意図は、誕生日を迎えた子どもがみんなの前でインタビューを受 ける、そのことにより友達の話を聞く機会が得られること。また、誕生児についてよく知ろうとす るために質問し、質問したことについての話を聞くことができ、ここで質問する意味を幼児が理解 し、その力は触発されると考えた。

 環境構成では、円形に椅子を並べて、全員の顔が見える状況をつくる。準備するものは、事前に 教師によって壁面に貼られた誕生児の自画像に付ける冠とワッペンである。

 ⑴ 活動概要

  ねらい:誕生日を迎えた喜びを伝え合う。

      周囲の人とかかわり、愛情や信頼感をもつ。

  内 容:誕生日を迎えた友達に親しみをもって質問したり、答えを聞いたりする。

      友達とかかわりながら、誕生日を喜び共感し合う。

内容選択の理由:誕生日を迎えた子どもがみんなの前で、友達からのインタビューを受けるこ と、友達は誕生児に質問し、誕生児の話を聞くことができ、質疑応答が体験 できる。

 ⑵ 実施計画

評価の観点:幼児は、誕生日を迎えた友達に親しみをもって質問したり話を聞いたりしたか。

教師は、幼児が誕生児に聞きたいことの質問が生じる援助をしたか。

 ⑶ 実践記録

  以下、①から⑱の実践記録と結果を記す。

時間 環境の構成 幼児の姿 教師の援助

9:30 ・話し合いができる落ち 着いた雰囲気をつくる。

・教師の話を聞いて友達の誕生日がき たことを知る。

・誕生児に質問すべく手を挙る幼児。

・質問者を指名する幼児。

・質問者の話を聞く幼児。

・誕生児の話を聞く幼児。

・友達の誕生日がきたことを知らせ る。

・質問が出てこない場合は、少しの 時間待ったり促したりする。

№ 誕生児 実施日

① K児 9月25日

4歳児

② C児 9月26日

③ Ab児 10月5日

④ A児 10月11日

⑤ B児 10月17日

⑥ Q児 11月9日

⑦ N児 12月13日

⑧ M児 1月11日

⑨ H児 1月23日

⑩ R児 2月13日

⑪ S児 2月23日

⑫ F児 3月16日

⑬ E児 4月20日

5歳児

⑭ L児 5月10日

⑮ G児 5月22日

⑯ Y児 5月24日

⑰ I児 6月7日

⑱ U児 6月13日

(4)

4−2 「誕生日のインタビュー」活動の実際 リスト① 9月25日K児への誕生日のインタビュー

 結果:子ども同士の相互作用を引き出す意図で質問者を幼児に委ねた。その最初である今回は、

3名の幼児が質問した。L児の「ケーキは食べましたか?」の質問を受けて、関連する「どんなケー キでしたか?」と質問する幼児がいた。関連の質問が出ることは、その前の友達の質問を聞いてい たからである。

 幼児は、誕生日を迎えた友達に親しみをもって質問し、話を聞いたかについて、インタビューの 要領を子ども達が理解しようとするところが精一杯で、活発な対話はみられなかった。しかしプレ ゼントに関する質問とケーキに関する質問によって、十分ではなかったが、誕生日を迎えた喜びを 伝え合っていた。教師は誕生児の反応を待ったり、見守ったりすることを通して幼児が誕生児に聞 きたいことの質問が生じる援助をした。今後も急がず一つ一つ取り組んでいくことを大切にしたい。

リスト② 9月26日C児への誕生日のインタビュー

時間 発話(●は、教師の発話) 行動(●は教師の行動) 解釈 9:30

9:40

●「今日は何日ですか?」

「25日。」 「K君の誕生日。」

●「K君の誕生日のインタビュー を始めます。K君に聞きたいこと がある人は、手を挙げて質問して ください。」

●「G君お願いします。」

G「プレゼントはありました か。」 K「うん」と頷く。

●「Dちゃんどうぞ。」

D「何のプレゼント?」

K「ママからいろいろな色のペ ン。」

L「ケーキは食べましたか?」

「どんなケーキでしたか?」

K「イチゴがいっぱいでした。」

●「誕生日のインタビューを終わ ります。」

K児は前に立つ。

みんなで「K君たんじょうびお めでとう。」と言って、歌を歌う。

保育室前方の壁面にある たん じょうびおめでとう のK児の自 画像に冠を付ける。

壁面飾りのK児の顔に冠が付い たらみんなで拍手をする。

質問する子どもは手を挙げる。

質問することを考える。

●手を挙げているG児を指名する。

●手を挙げているK児の反応を待 つ。

●手を挙げているD児を指名する。

●K児の対応を見守る。

●他に手が挙がっていないことを 確認する。

休みの間にK君の誕生日がきたこと を知る。

K児は「うん」と頷くだけで、具体 的に聞いてはいなかった。そこでD児 は、プレゼントの関連から「何のプレ ゼント?」と質問したと思われる。

子ども同士に質疑応答の方法が分 かったのか、L児は指名を待たずその まま質問している。

L児の質問を聞いていた他の子ども が、「どんなケーキでしたか。」とケー キの関連質問をする。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師の行動) 解釈 9:30

9:40

●「今日は、C君の誕生日がきま した。」

子ども達「C君誕生日おめでと う。」

●「誕生日のインタビューを始め ます。」

●「C君に聞きたいことがある人 は手を挙げて質問してください。」

●「はいK君」

K「どんなお花が好きですか?」

C「さくらの花。」

●「はい、L君。」

L「?」発言がない。

●「L君質問考えたら教えてね。」

●「Qちゃん。」

Q「?」

●「質問ありますか?」

Q「今考え中。」

「誕生日おめでとう」の歌を歌う。

C児は前に出て誕生日おめでと うの歌を聞く。

● たんじょうびおめでとう の 壁面のC児の自画像に冠を付ける。

壁面の顔に冠が付いたら、子ど も達は拍手をする。

質問することを考える。

●手を挙げていたので、L児を指 名する。

●L児の反応を待つ。

●Q児が手を挙げたので指名する。

●少し待つ。

K児は前日誕生児として、質問を受 けている。その体験から、最初の質問 をしたと思われる。

L児とQ児は手を挙げたが、質問は でなかった。そのことから、子ども達 は、質問しようとして、手を挙げるこ とが精一杯のようである。

「今考え中。」は、心理的葛藤が働 いているようだ。

(5)

 結果:前日に誕生日のインタビューを受けたK児が最初に質問する。このことは、誕生日を迎え た友達に親しみをもって聞こうとする姿である。また、この日質問したのは、K児だけであった。

そのことから、質問することは、質問を受ける体験も必要であると思われる。誕生児のC児は、K 児の質問を聞いて答えるのみに止まった。L児、Q児は手を挙げるが、教師が指名しても何を質問 したらよいか分らなかったようである。教師の援助は、L児に対しての反応がなかったので、「質 問考えたら教えてね。」と言っていることから、最後その確認があれば質問が出ていたかも知れない。

もう一歩の問いかけをすることが、今後の実践の工夫点でもある。

リスト③ 10月5日Abへの誕生日のインタビュー

 結果:S児は指名されるが質問が出なかった。Ab児は、本日が誕生日であり、「お誕生日何もら いましたか。」とか「ケーキは。」と質問されてもお家に帰ってからのことになる。またQ児が聞き たかったことも「おいわいしましたか?」と言うと、これからのできごととなるので、答えに困っ たようだ。前回のインタビューで手を挙げるが、質問ができなかったり、「今考え中。」と答えた、

L児、Q児は質問していた。Q児は「おみまい」という言葉で質問をしたが、F児、K児がその言 葉を聞いて、おみまいではないことを感じ、修正をしたい気持ちを表したが「おいわい」という言 葉は出なかった。「大きくなったら何になりたいですか?」という質問のなかに誕生日を迎えた喜 びを伝え合っている。この場合教師の援助は、「おみまい」ではなく「おいわい」という正しい言 葉を子ども達に伝えた。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30

9:42

●「今日は、Ab児の誕生日です。」

子ども達「Abちゃん、誕生日 おめでとう。」

Ab「ありがとう。」

●「では誕生日のインタビューを 始めます。」「誕生日を迎えたAb さんに何か聞きたいことあります か?質問はありますか?」

●「ではL君。」

L「大きくなったら何になりた いですか?」

Ab「ケーキやさんになりたい です。」

●「次はSちゃん。」 S「?」

●「考えていてね、考えたら教え てね。」

●「はいC君。」

C「お誕生日何もらいました か?」

Ab「?」

●「今日がお誕生日だから、お家 に帰ってからの楽しみね。」

R「ケーキは何味がいいです か?」

●「ケーキも楽しみだね。」

Q「そうだ、私わかった。おみ まいしましたか?」

●「おみまい?」

F「おみまいは、病気のときよ。」

K「ちがうちがうそれはね。」

●「それは、おいわいではないか な?」

子ども達「そうそう。」

●「おいわいだよね。」

Q「うん。」

●「おいわい、楽しみだね。」

●集会時に、Ab児におめでとう のワッペンを付ける。

● たんじょうびおめでとう の壁 面のAb児の自画像に冠を付ける。

壁面の自画像に冠が付いたら、

みんなが拍手をする。

みんなで「誕生日おめでとう」

の歌を歌う。

Ab児は前に出て「誕生日おめ でとう」の歌を聞く。

Ab頷く。

●手を挙げているL児を指名する。

●手を挙げているS児を指名する。

●手を挙げているC児を指名する。

Ab児は、首を傾げる。 Ab児が戸惑ったのは、「お誕生日何 もらいましたか?」の質問である。考 えられることは、もらったという過去 のことであれば、「(プレゼントを)も らいました。」と答えられるかも知れ ない。また同様にお祝いのケーキを食 べていれば、ケーキの味が答えられた かもしれない。

K児は「ちがうちがうそれはね。」

と言いながらおみまいではないことを 感じている。

Q児は「おいわいしましたか?」と 質問したかったようだ。

幼児は、今現在のこと、これからの こと、と使い分けることがまだ困難の ようだ。

(6)

リスト④ 10月11日A児への誕生日のインタビュー

 結果:K児の「おもちゃはもらいましたか?」の質問を聞いて「おもちゃは、何でしたか?」と いうように関連する質問をするR児の姿が見られた。

D児やS児のように手を挙げるが、「わかりません」「わすれた」と言う幼児がまだいる。誕生児に 親しみをもって質問しようとしているが、友達の質問を聞きながら、自分でも聞きたいことを考え るまでには至っていないようである。E児の「ケーキの味は、何でしたか?」の質問を聞いて「い ちごのケーキ。」と答えるのではなく、「いちごとりんごの味」と答えていた。

リスト⑤ 10月17日B児への誕生日のインタビュー

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30

9:42

●昨日は、A児の誕生日であった ことを知らせる。

「Aちゃん、誕生日おめでとう。」

とみんなで言う。

A「ありがとう。」

●「では、誕生日のインタビュー を始めます。誕生日を迎えたAさ んに何か聞きたいことあります か?質問はありますか?」

N「ケーキ何食べましたか?」

A「私の顔のケーキ。」

●「お母さんがAちゃんの顔の ケーキをつくってくれたんだ、よ かったね。」

K「おもちゃもらいましたか?」

R「おもちゃは何でしたか?」

A「プリンセスの指輪とかピン とか腕輪とかネックレスとか。」

●「Sちゃん質問ありますか?」

●「わからなくなったかな?わか りませんと言ってもいいんだよ。」

S「わかりません。」

L「大きくなったら何になりた いですか?」

A「お花やさんです。」

●「Dちゃんに質問どうぞ」

D「わすれた。」

E「ケーキの味は、何でした か?」

A「いちごとりんご味。」

●「これで誕生日のインタビュー を終わります。」

●集会時に、A児におめでとうの ワッペンを付ける。

● たんじょうびおめでとう の 壁面のA児の自画像に冠を付ける。

壁面の自画像に冠が付いたら、

みんなが拍手をする。

みんなで「誕生日おめでとう」

の歌を歌う。

A児は前に出て「誕生日おめで とう」の歌を聞く。

●手が挙がったので、N児を指名 する。

●手を挙げたR児を指名する。

●手を挙げていたS児を指名する。

S児は考えている。

●しばらく待つ。

●手を挙げたL児を指名する。

●手を挙げたD児を指名する。

●D児の質問が出ないのでしばら く待つ。

●手を挙げたE児を指名する。

●質問者が出ないのを見届ける。

N児が初めて質問している。「何の ケーキでしたか。」ではなく、「ケーキ は何食べましたか?」という聞き方で 質問している。昨日が誕生日だったの で、「しましたか?」という過去のこ ととして聞いている。

K児は質問することに自信をもって きている。

幼児自身が質問することを考えてい る姿であろう。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30 ●「誕生日のインタビューを始め

ます。」

●「お誕生日のB君に聞きたいこ とがある人は、手を挙げて質問し てください。」

F「ケーキ食べましたか?」

B「まだ食べていません。」

N「大きくなったら何になりた いですか?」

B「仮面ライダーになりたい。」

●「どうして仮面ライダーになり たいですか。」

Q「かっこいいからじゃない。」

質問をしたい幼児は手を挙げる。

●手を挙げたFを指名する。

●手を挙げたN児を指名する。

B児は首を傾げている。

「まだ食べていません。」これから のことと分かってはっきり答えている。

N児は、前回ケーキについての質問 をしていたが、今回は大きくなったら、

というように質問内容が変わっている。

Q児の発言を受けてか、B児は「かっ

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 結果:B児は、「ケーキは食べましたか。」の質問に対して「まだ食べていません。」とはっきり 答えている。これは、B児の誕生日が本日なので、家庭でのお祝いは降園後になるからであろう。

M児は、指名されて立ち上がってはいても、質問が出てこなかった。教師は、手を挙げることも質 問したいという思いを受け止めたい。手が挙がらない時点でインタビューを終わった。教師の援助 として、M児へ質問がないかの確認が必要だったかもしれない。

リスト⑥ 11月9日Q児誕生日のインタビュー

 結果:前回手を挙げるが質問が出なかったM児が今回質問することができた。K児が「どんなケー

9:43

C「お誕生何もらいましたか?」

B「リュウケンドウの剣です。」

●「Mちゃん。」

M「?」

●「考えたら教えてね。」

●「誕生日のインタビュー終わり ます。」

●手が挙がっていたC児を指名す る。

●M児の手が挙がったので、M児 を指名する。

M児は、立ち上がって考えてい る。●M児の質問を待つ。

●手が挙がらないのを見届ける。

こいいからです。」と答える。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30

9:55

●今日は、だれの誕生日でしょう か?」

子ども達「Qちゃん。」

子ども達「Qちゃん、誕生日お めでとう。」

Q「ありがとう。」

●「誕生日のインタビューを始め ます。」

●「誕生日を迎えたQちゃんに聞 きたいことありますか?質問はあ りますか?」

M「どんなお花がすきですか?」

Q「チュウリップが好きです」

●「Jちゃん。」

J「ケーキは食べましたか」

Q「ケーキはまだ食べていませ ん。」

●「L君。」

L「大きくなったら何になりた いですか?」

Q「看護士さんです。」

●「F君。」

F「?」

●「質問あったら教えてね。」

●「K君。」

K「どんなケーキが好きです か?」

Q「チョコレートケーキが好き です。」

●「Rちゃん。」

R「どんな味が好きですか?」

E「今言ってたよ。」

E「チュウリップの何の色が好 きですか。」

Q「赤が好きです。」

●「Dちゃん。」

D「わすれた。」

B「誕生日のおもちゃは、何を 買いましたか?」

Q「シナモンドールの自転車を 買いました。」

●「今日の誕生日のインタビュー を終わります。」

Q児は前に立つ。

●手が挙がったので、M児を指名 する。

●手を挙げたJ児を指名する。

●手を挙げたL児を指名する。

●手を挙げたFを指名する。

●しばらく待つ。

●手を挙げたK児を指名する。

●手を挙げたR児を指名する。

●手を挙げたE児を指名する。

●手を挙げたD児を指名する。

D児はしばらく考える。

●手を挙げたB児を指名する。

●手が挙がっていないことを確認 する。

前回M児は指名されて立ち上がるが 質問が出なかった。しかし今回最初に 質問している。そのことは前回の経験 から質問する要領を自分で学びとった のではないだろうか。

R児の質問に対してそのまますすめ てしまったが、R児は納得しているの かどうか分らない。」E児の発言にそ のまま指名してしまったことは反省で ある。

10月11日のインタビューでも「わす れた。」と答えている場面がある。質 問する気持ちはもっているが何を聞い たらよいのか分らないようだ。

(8)

キが好きですか。」と質問し誕生児が「チョコレートケーキが好きです。」と答えている後に、「ど んな味が好きですか。」と質問したR児に対して、E児は「今言ってたよ。」と伝えた。それは、チョ コレートケーキとチョコレート味を同一に理解している姿であった。また、少し前の質問の答え

「チュウリップが好きです。」に関連して、「チュウリップの何の色が好きですか。」と質問している。

これらのことから、E児は友だちの質問をよく聞いていることが分かる。

リスト⑦ 12月13日N児への誕生日のインタビュー

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:56 ●「N君のお誕生日がきました。N

君に質問がある人。」

●「では、Oちゃん。N君に聞きた いこと質問を言ってください。」

O「?」

E「考えてから手を挙げるとよ。」

●「では、Oちゃん考えていてね。」

●「では、F君質問してください。」

F「?」

Q「ほら。」

F「ケーキは食べましたか。」と 質問。

Q「『ケーキたべましたか』と言っ たよ。」

N「食べた」

●「ではRちゃん。」

R「ケーキはどんな味だったです か。」

N「クリーム」

Q「クリームだって。」

●「B君。」

B「どんなものを買ってもらいま したか。」

U「まだ買ってないやろう。」

N「まだ買ってないです。」

Q「静かにしとかんと。」

N「ズボンは買ってもらった。」

●「Jちゃん。」

J「?」

Q「考えてから言って。」

「考えてから手を挙げて言って。」

J「どんな色が好きですか?」

Q「どんな色ってクレヨンの色。」

「ケーキの色。」 N「しろ」

●「さっきから手が挙がっています Aちゃん質問してください。」

A「何になりたい?」

N「野球選手です。」

●「V君が質問します。」

V「どんなものを買ってもらうの ですか。」

U「それB君が言った。」

D「B君が言った。」

V「どんなものを買ってもらうの ですか。」

Q「もうズボンって言ったやん。」

E「そんなに怒らんでもっていい じゃない。」

「そうよ。」

●「V君、みんなが言っていること 分かりましたか。」

V「うん。」

Q「私ね、いつも手を挙げている の、他の人ばっかりでね、私全然質 問できん。」

「はい。」と言って手を挙げる。

●手を挙げたO児を指名する。

●手を挙げたF児を指名する。

●手を挙げたR児を指名する。

●手を挙げたB児を指名する。

●「プレゼント?」

少し騒がしくなる。

●「N君何か言っているよ。」

●手を挙げたJ児を指名。

●A児を指名する。

●V児を指名する。

E児の促しが読み取れる。

Q児は、指名されて考えているF児 を急かしているようだ。

F児は急かされてか頑張って質問し ている。

Q児はF児を急かしてしまったこと からか、「F君は言ったよ。」とみんな に伝えている。

Q児は自ら律している。

N児は答えたことに対して付け加え ている。

ここでまた発言しないJ児に注意を 促している。J児は考えて質問するこ とができた。

Q児は次々に自分の思いを発言して いる。

Q児が発言したいのであることがよ く分かる。

(9)

 結果:教師から指名されて立ち上がるが、O児、F児、J児は、質問することが直ぐに出なかっ たので、周りの子ども達から、「考えてから手を挙げるとよ。」と教えられたり、「ほら、だめ。」と、

質問するように急かされる状況がみられた。F児、J児はしばらく考えて質問したが、O児は、そ の後も質問は出なかった。Q児は、「ほら、だめ。」と質問しようとする友だちを急かしたり、「(そ の質問は)さっき言ったやん。」と強い口調になるため、E児から 「そんなに怒って言わんでもい いじゃない。」と注意される場面があった。またQ児は、「私、ずっと手を挙げているのに。」と教 師に訴え、最後に「Qちゃんお願いします。」と指名されたが、質問ができなかった。M児の「誕 生日どこかにいきましたか。」という質問は、これまでなかった内容であった。

リスト⑧ 1月11日M児への誕生日のインタビュー

10:07

●「Qちゃんは、質問があるのです か。質問がある人は手を挙げてくだ さい。」「そうなの。手挙げてなかっ たよ。」Q「ん、もう。」と否定する。

●「では、Eちゃんに聞いていい。」

●「Qちゃん、Eちゃんの質問聞い ていい?」

E「どんなお花が好きですか?」

N「ブルー」

●「ブルーの花ってどんな花がある かな。」

E「お花の名前を言ってくださ い。」

N「バラの花」

●「では、最後にQちゃんお願いし ます。」Q「?」

M「誕生日どこかに行きました か?」

N「行きませんでした。」

●E児を指名する。

●Q児の質問が出ないので手を 挙げたM児を指名する。

どんなお花と聞かれたが、花の色を 言っている。

E児が具体的な答えを要求している。

N児は、花とその色を一致させて答 えているのだろうかよく分らない。

Q児は指名してほしかったようだが、

いざ指名されると質問が出てこなかっ た。このことはよくあることだと思う。

時間 発話(●は教師) 行動(●は教師) 解釈

9:30 ●「冬休みの間にお誕生日がきた Mちゃん誕生日のインタビューを 始めます。」

●「Mちゃんあなたがお友達に質 問をお願いしてください。」

M「V君。」

V「オモチャはもらえました?」

M「もらいました」

Q「もらったから、何もらった の?」

M「(無回答)」

M「Jちゃん」

J「ケーキは食べましたか?」

M「食べました」

M「Hちゃん」

H「どんな色がすきですか?」

M「きいろ」

H「きいろですか。分かりまし た。」

●「 H ち ゃ ん が、『 分 か り ま し た。』って自分の質問したことに 対して返事していたね」

M「Uちゃん」

U「どんなケーキが好きです か?」

M「チーズケーキです。」

M「Aちゃん」

A「どんなお花の色が好きです か」

M「ピンクです。」

Mは手を挙げた子どものなかか らV児を指名する。

M児は、J児を指名する。

M児はH児を指名する。

U児が初めて挙手をする。

M児はU児を指名する。

M児はA児を指名する。

Q児は、指名されていないし手も挙 げていなかったのであるが、Q児に対 して周囲の子どもたちの態度を見守り ながらM児に委ねる。結局M児は、Q 児の質問には答えていないことになる。

U児は12月のインタビューで友達に 注意の促しを言っていることがあった。

(10)

 結果:インタビューの指名権を幼児に委ねることにより、教師がその都度指名することがなくなっ た。今回初めて手を挙げて質問をするU児の姿が見られた。そのことは、これまでの「誕生日のイ ンタビュー」活動を通して、友達の質問を聞くなかで、自分の考えがもてるようになってきている と考えられる。Q児が、M児の話の途中で手を挙げたので、「手を下げりー」と、話を聞くように と子ども同士の促し合いが見られた。

リスト⑨ 1月23日H児への誕生日のインタビュー

9:42

E「手を下げり」

E「そんなに怒っていわんでも いいじゃない」

M「Eちゃん」

E「プレゼントはどんなプレゼ ントでしたか?」

M「絵本です」

M「絵本をもらいました」と再 度まわりを見渡しながらいう。

M「L君」と指名。

L「大きくなって何になりたい ですか」

M「ケーキ屋さんです」

●「F君まず聞いてね、Qちゃん もね。」と注意を促す。

M「F君」

F「もうちょっと大きくなった ら何になりたいですか」

「それさっき聞いたじゃない」

「後すこし、ね」との声が上が る。

●「さっきのは大きくなって、っ て言って、F君は、もうちょっと 大きくなったら何になりたいって いったんよね」

M「小学生になります。」

●「質問ありがとうといおうかね」

M「ありがとう」

Q児はM児が答えている最中に 手を挙げる。

E児は話を聞くようQ児に促す Q児はそれを拒否する。

E児はM児の答えを待ってから 手を挙げる。

M児はL児を指名する。

F児がQ児同様、話の途中声を 出し、手を挙げた。M児はL児を 指名する。

この後は手が挙がらなかった

L児の質問は、10月のインタビュー の質問内容と変わってはいない。

「大きくなったら何になりたいです か。」という質問があったことからで あろう。よく聞いていることが分かる。

時間 発話を(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:41 ●「今日はHちゃんの誕生日です。Hちゃ

んに誕生日のインタビューをしましょう。

質問がある人は手を挙げてください。」

●「何でもいいよ。質問したいこと。」

V「何でもいいの。」

●「Hちゃんが手を挙げている人にお願 いしていいのよ。」「誰にお願いする。」

H「Oちゃんお願いします。」

O「どんなお花が好きですか。」

E「おお、いいね。」

F「おお、いいな。」

H「バラとチュウリップが好きです。」

O「はい、わかりました。」

H「Bちゃんお願いします。」

O「わかりました。」

●「わかりましたね。」

B「どんなプレゼントをもらいました か。」

F「おお、いいな。」

H「ウエディングドレスをもらいまし た。」

H「Dちゃんお願いします。」

D「ケーキは食べましたか?」

H「まだです。」

H児はO児を指名する。

H児はB児を指名する。

H児はB児を指名する。

H児はD児を指名する。

E児は、O児の質問を聞いて共感を 示していると思われる。

F児もO児の質問を聞いて共感を示 していると思われる。

O児が質問したことを「はいわかり ました。」と確認する発言が見られた。

それは、前回H児が示したことによる と考えられる。

(11)

 結果:友だちの質問に対して「おお、いいね。」と共感を示す幼児の姿が見られた。また、質問 した幼児は、誕生児の答えに対して「はい、わかりました。」と応答していた。インタビューの質 問を聞きながらその質問が何番目になるのかの回数を意識している幼児の姿も見られ、教師は、時 間が長引くことを考慮して教師が手を挙げている4人にしぼったので、あと何人で終わるのかを意 識していた。

 M児の質問が聞こえなかったようで、H児は「聞こえません。」と返すことで、今度は少し声を 大きく聞こえるように質問していた。「大きくなったら何になりたいですか。」の質問に「看護師さ ん。」と答えたことから、Q児は自分と同じであることを喜び共感する発言もみられた。

リスト⑩ 2月13日R児への誕生日のインタビュー

9:50

D「わかりました。」

「4番目。」

H「Mちゃんお願いします。」

M「大きくなったら何になりたいです か。」

H「聞こえません。」

M「大きくなったら何になりたいです か。」

H「看護師さんです。」

M「はい、わかりました。」

Q「同じやん。私と同じやね。」

H「Aちゃんお願いします。」

●「たくさん手が挙がっているね。」

A「どんな色が好きですか。」

F「何の色って。」

H「白。」

F「白か。」

H「Eちゃんお願いします。」

E「どんなケーキが好きですか。」

H「ショートケーキです。」

K「どんなお花の色がすきですか。」

H「赤です。」

●「4人手が挙がっているね。」

H「Dちゃんお願いします。」

D「どんな遊びが好きですか。」

H「ままごとが好きです。」

D「わかりました。」

U「あとふたり。」

A「V君が手を挙げている。」

H「V君お願いします。」

V「どんな食べ物が好きですか。」

H「りんごです。」

N「葉っぱの色は、どんな色が好きで すか。」 H「緑です。」

●「たくさん質問してくれたね。」

H「ありがとう」

H児はM児を指名する。

H児はA児を指名する。

H児はE児を指名する。

H児はD児を指名する。

H児はV児を指名する。

ここでもD児が質問したことを確認 する言葉が聞かれた。

質問回数を数えている幼児がいる。

Q児は自分の思いと同じであること を喜んでいる。

D児今回は質問することができた。

「4人手が挙がっているね。」と教 師が言ったことを聞いて質問回数を数 えている。

・質問してくれたことに対して「あり がとう。」と答えインタビューを締め くくる。

時間 発話(●は教師) 行動(●は教師) 解釈

9:30 ●「Rさんの誕生日がきました。Rさん に質問がある人は、手を挙げて聞きま しょう。」

R「Eちゃんお願いします。」

E「プレゼントはもらいましたか。」

R「はい、もらいました。」

子どもたち「はい、わかりました。」

R「Wちゃんお願いします。」

W「好きなお花は、何ですか。」

R「バラです。」

子どもたち「はい、わかりました。」

R「Uちゃんお願いします。」

U「どんな色が好きですか。」

10名の幼児が手を挙げる。

「はい、はい」言わないで 静かに手を挙げる。

R児はE児を指名する。

R児はW児を指名する。

R児はU児を指名する。

これまでは、質問者が「わかりまし た。」と確認していたが、聞いていた 周囲の幼児も同様に「わかりました。」

と確認する姿から質問者のみに限らず 周囲の幼児も聞いていることになる。

(12)

 結果:今回のインタビューでは、「はい、わかりました。」と質問者のみが確認するに止まらず、

聞いていた子ども達の応答する姿が見られた。V児は、指名されて「わすれました。」と言ったが、

友達の質問を聞いているうちに「思い出した。」と言って質問していた。

    同じ質問があると、「さっき聞いたよ。」と子ども達同士教え合う姿もみられた。また「ケーキは もらいましたか。」と質問したP児に「ケーキは食べましたかやろう。」と指摘していた。これらは 友達と対話し、誕生日を喜び共感し合う姿である。

9:45

R「にじ色です。」

子ども達「はいわかりました。」

R「P君お願いします。」

P「ケーキはもらいましたか。」

A「ケーキは食べましたやろう。」と 指摘。

P児頷く。

●「P君『ケーキは食べましたか』でい いですか。」

R「食べました。」と答える。

R「Hちゃんお願いします。」

H「何ケーキでしたか。」

R「ショートケーキです。」

子ども達「はい、わかりました。」

R「Jちゃんお願いします。」

J「大きくなったら何になりたいです か。」

R「ケーキやさん。」

子ども達「はい、わかりました。」

R「Aちゃんお願いします。」

A「プレゼントは、何もらいましたか。」

R「絵本です。」

子ども達「はい、わかりました。」

R「Dちゃんお願いします。」

D「ケーキは何ケーキが好きですか。」

子ども達「さっき聞いたよ。」と指摘 する。

R「ショートケーキです。」

D「聞き方が違うやん。」と反論。

R「Mちゃんお願いします。

M「どんな色のお花が好きですか。」

R「ピンクです。」

子どもたち「はい、わかりました。」

R「V君お願いします。」

V「わすれました。」

R「N君お願いします。」

N「どんな葉っぱの色が好きですか。」

D「みどりって決まっているじゃな い。」

R「あかです。」

V「思い出した。」

R「V君お願いします。」

V児、少しの間考えて「ケーキは何色 のケーキが好きですか。」

R「しろです。」

R「Mちゃんお願いします。」

M「もうちょっと大きくなったら何に なりたいですか。」

R「わかりません。」

D「中学生になるんじゃない。」

R「Qちゃんお願いします。」

Q「お花の色は、何が好きですか。」

E「ピンクって答えたよ。」

R児は頷く。

R児はP児を指名する。

R児はH児を指名する。

R児はJ児を指名する。

R児はA児を指名する。

R児はD児を指名する。

R児はM児を指名する。

R児はV児を指名する。

R児はN児を指名する。

・R児はV児を指名する。

R児はM児を指名する。

R児はQ児を指名する。

R 児 は 初 め て 質 問 す る。 イ ン タ ビューの要領を理解したようだ。

P児が「ケーキはもらいましたか。」

の質問の意味はもらって食べました か。」ということであろう。

D児は反論している。

H児とD児の質問内容は確かに違っ ている。

V児「わすれました。」と言った後 ずっと考えていたようだ。

(13)

リスト⑪ 2月23日S児への誕生日のインタビュー

時間 発話(●は教師) 行動(●は教師) 解釈

13:05 ●「Sさんの誕生日がきました。Sさん に質問がある人は、手を挙げて聞きま しょう。」

S「Mちゃんお願いします。」

M「何の色が好きですか。」

S「黄色です。」

子ども達「はい、わかりました。」

S「Aちゃんお願いします。」

A「どんなお花が好きですか。」

S「赤いお花。」

A「バラですか。」

S「そうです。」

A「わかりました。」

S「Dちゃんお願いします。」

D「プレゼントはもらいましたか。」

B「何もらいましたか。」

G児は、B児に「まだよ、頼まれてか らよ(指名されてからよ)。」と注意する。

S「Hちゃんお願いします。」

H「何をもらいましたか。」

S「リカちゃん人形です。」

S「Eちゃんお願いします。」

E「クレヨンの色は何が好きですか。」

S「水色です。」

E「はい、わかりました。」

S「Iちゃんお願いします。」

I「何のケーキが好きですか。」

S「ショートケーキです。」

子ども達「はい、わかりました。

S「Dちゃんお願いします。」

D「大きくなったら何になりたいです か。」

S「本屋さんです。」

D「うん。」

●「質問した人、今の分かりましたか。」

S「Aちゃんお願いします。」

A「ケーキは、食べましたか。」

S「ケーキは食べていません。」

子ども達「はい、わかりました。」

S「U君お願いします。」

U「どんな色・・」「忘れた。」

●「忘れたの。」「きっとね、どんな色・・っ て誰かが言ったかなと思って、止めたの かな。」

T児頷く。

子ども達が手を挙げる。

S児はM児を指名する。

S児はA児を指名する。

S児はD児を指名する。

S児はH児を指名する。

S児はE児を指名する。

S児はI児を指名する。

S児はD児を指名する。

S児はA児を指名する。

S児はU児を指名する。

S児は具体的に花の名前を聞きた かったようだ。

B児は直ぐに、質問したが、指名さ れてからよと注意される。

H児はB児が質問したことを自分で も聞きたかったようだ。

さっき言った質問と同じになると 思ったようだ。

S「Wちゃんお願いします。」

W「色は何色が好きですか。」

G「「言ったよ、水色って言ったよ。」

E「そうよ。」

U「クレヨンの色やろ、それ。」

G「他の人がね、どんな色が好きです かって聞いたよ。」

B「そういうのも一緒だよ、『水色』っ て言ったよ。」

G「一緒ではないよ。」

E「一緒よ。」

●「じゃあ聞いてみよう、B君の考えを 言ってみてください。」

B「色は、色でも一緒だけれどクレヨ ンになるとちょっと色が違うのじゃあな い。」

●「そうなの?」

B「言い方が違うだけだと思う。」

●「言い方が違うだけですか。」

S児はW児を指名する。

子ども達意見を言い合う。

S児の答えを予測する。

予測していることで少し騒がしくな り、V児が注意を促す。

U児は質問途中で諦めたが、参加し て聞いている。

(14)

Q「だけど色は…。」

●「何が同じ。」

B「あのね、クレヨンの色と色は一緒 なんだけどね、言い方が違うだけ。」

●「色のことを聞いているのは同じ事、

それでいい。」

B「そういうわけと思う。」

G「えっとね、もしかしたらね、違う 色かもしれんやろ。」

S「Mちゃんお願いします。」

M「もうちょっと大きくなったら何を したいですか。」

●「難しいね、もうちょっとってどのく らいですか。」

E「もうちょっとってね、小学生くら い。」

●「Sちゃん質問されたことがわからな いときはその人に質問してもいいよ。今 さMちゃんは、もうちょっと大きくなっ たら何になりたいですか、と質問したけ れど、先生はねもうちょっと、ってどれ くらい先のことかなと考えちゃった。」

Q「違う、もうちょっと大きくなれん のよ。大人たちはねもう大きくなれんの よ。もう大人になったらね、もうずっと なれんと。」

G「そういうことじゃない。」

●「Mちゃん、もうちょっとはどれくら いかわかるように説明してもらいたい な。」

●「Mさん何と言っていましたか。」

M「ぽぷら組(年長組)ぐらい。」

E「難しかったら難しいですって。」「何 もいうことがなかったら何も言うことあ りませんって。」

子ども達が自分の意見を言 い始める。

S児はM児を指名する。

これくらい両手を広げて 説明する。

子ども達が意見を言い合 う。

S児考え込む。

聞くことに終わらず意見が加わる。

適切さを求めている。

●「わからなかったら、『わかりません』

と答えていいと思うけれど。」

Q「早くしたいです。」

●「そうですね。」

Q「何もいうやつがありません。」

●「何もいうことがありません。」(やつ という言い方を訂正して伝える。)

●「もういいですか。」(長くなってしまっ たので、この辺で終わりにしようと思っ た。)

Q「はい、私(質問)ある。」

S「Tちゃんお願いします。

T「どんな結び方が好きですか。」

S「三つ編みが好きです。」

T「はいわかりました。」

S「Rちゃんお願いします。」

Q「まだ言いたいことあるのに。」

R「何の洋服が好きですか。」

●「何の洋服か。」「難しいね。」

●「Rちゃんもう一度言おうね。」

R「スカートとズボンはどちらが好き ですか。」

S「スカートです。」

子ども達「はい、わかりました。」

S「Wちゃんお願いします。」

W「何色のお洋服が好きですか。」

S「ピンクが好きです。」

W「はい、わかりました。」

●「では、最後にMちゃんに聞いてみて ね。」

M「どんな遊びが好きですか。」

S「ブランコです。」

Q児は、待てない様子。

●言い方の言葉を訂正する。

S児は、手を挙げている T児を指名する。

まだまだ手を挙げる幼児 がいる。

S児はR児を指名する。

●R児に他の言い方を小声 でアドバイスをする。

S児はW児を指名する。

S児はM児を指名する。

長くなってきたので、待てない幼児 がいる。

T児の質問は初めてである。インタ ビューの要領を理解した。さらに新し い内容を考えた質問である。

(15)

 結果:子どもたちが意見を出し合う場面が、「もうちょっと大きくなったら。」のもうちょっとに ついて、や洋服とスカートの違いについて等、適切な言葉を求める姿が見られた。インタビューが 時間的に長くなり、少し騒がしくなってきた最後のとき、V児が「ちょっと静かにしてよ。」と注 意を促していた。大きくなったら、「もうちょっと大きくなったら。」「もうちょっとって小学生く らい。」「年長児くらい。」などと、各自の主張が高まってきた。

リスト⑫ 3月16日F児への誕生日のインタビュー

13:28

子ども達「はい、わかりました。」

●「Dちゃん何を聞きたいの。」

G「もう最後って先生が言いました。」

U「Mちゃんで最後。」

Q「いや、まだあるの、私も。」

D「何色のスカートが好きですか。」

Q「だめ。」

●「どうしてだめ。」

Q「だって今さっき誰かが言った。」

数名の子ども達「言ってないよ、違う よ。」

E「『スカートとズボンは、どちらが 好きですか』っていったとよ。」

U「お洋服。」

G「お洋服とスカートは違います。」

●「違いますか?」●「Qちゃんの質問 聞いてみよう。」

Q「他にはもらいましたか。」

S「もらいませんでした。」

子ども達「はい、わかりました。」

V「滑り台とブランコはどちらが好き ですか。」

V「ちょっと静かにしてよ。」

S「どっちもすきです。」

V「はい、わかりました。」

S「質問ありがとう。」

子ども達「どういたしまして。」

まだ、Q児、D児、V児 の3人が手を挙げている。

子どもたちが意見を出し 合う。

子ども達がS児の答えを 思い思いに予測して言い合 う。

Q児は指名されるまで待てない。

衣服に対する関心が出てきた。

時間 発話(●教師) 行動(●は教師) 解釈

9:30 ●「F君の誕生日がもうすぐです。3月 29日ですが、春休みになりますので、今 日みんなでお祝いをしましょう。」「誕生 日のインタビューです。」

F「C君」

C「ケーキは食べましたか?」

F「まだ食べていません。」

F「Mちゃん。」

M「大きくなったら何になりたいです か。」

F「しょうぼうしゃやさんです。」

Q「しょうぼうしょの人。」「しょうぼ うしょの。」「しょうぼうし。」

●「そうですね。」

F児頷く。

F「K君」

K「どんな色のお花が好きですか?」

F「みずいろ。」

F「Oちゃん」

O「虹色のすべり台にのってみたいで すか?」

F「のってみたいです。」

O「はいわかりました。」

F「V君」

V「F君の好きな遊ぶところはどこで すか?」

F「砂場です。」

F児はC児を指名する。

F児は、M児を指名する。

F児はK児を指名する。

F児はO児を指名する。

F児はV児を指名する。

F児は言葉の知識を学んでいる。

(16)

 結果:C児が初めて質問した。M児もよく質問するようになってきた。F児が「しょうぼうしゃ やさん。」と答えたことから、「しょうぼうしょの人」「しょうぼうし」と、言葉としての知識を幼 児同士学ぶ姿がみられた。A児は「どんなお花ですか。」と質問し「あかいお花。」との答えに「バ ラですか。」と再度質問している。Q児が、「お花ですごく好きな名前は何ですか。」と質問し、F 児が「名前はキララ。」と聞いて、キララというお花が本当にあるのか疑問をもっているようで、

わかりましたとは返事してはいない。

リスト⑬ 4月20日E児への誕生日のインタビュー

9:43

V「はいわかりました。」

F「Aちゃん」

A「F君の好きな遊びは何ですか?」

F「すべり台が大好きです。」

F「Hちゃん」

H「虹色のブランコにはのってみたい ですか?」

F「のってみたいです。」

F「Qちゃん」

Q「お花ですごく好きな名前は何です か。」

F「名前はキララ。」

Q「キララっていうお花ある?」

F「F君のお家にある。」

F「Dちゃん」

D「もうすぐ誕生日がきてうれしいで すか?」

F「うれしいです。」

F「K君」

K「にじ色は好きですか?」

F「大好きです。」

K「わかりました。」

F「おはなしありがとうございまし た。」

F児はA児を指名する。

F児はH児を指名する。

F児はQ児を指名する。

F児はD児を指名する。

F児はK児を指名する。

感情面の質問である。

一問一答が続いたので「おはなしあ りがとうございました。」とF児自分 で終わる。

時間 発話(●は教師) 行動(●は教師) 解釈

9:30 ●「今日は、Eちゃんのお誕生日です。

今からお誕生日のインタビューをしま す。Eちゃんに質問がある人は手を挙げ て言ってください。」「Eちゃんがお願い してください。」

「はい。」

E「Aちゃんお願いします。」

A「ブランコは好きですか。」

E「大好きです。」

A「はい、わかりました。」

E「Qちゃん。」

Q「ロープウエーは好きですか。」

A「大好きです。」

Q「はい、わかりました。」

E「Sちゃん。」

S「何の食べ物が好きですか。」

E「食べ物はみんな好きです。」

新入園児のZ児が手を挙げる。

E「Zちゃん。」

Z「わからん。」

●「わかんない。」「何でもいいよ、Eちゃ んに質問したいことがあったら聞いてい いよ。何を聞こうかな」

Z「ブランコが好きですか。」(小声で)

●「さっきAちゃんが聞いていたみたい よ。」他のことで質問したいことある?」

Z「大きなクスノキすきですか。」

手を挙げる。

E児はA児を指名する。

E児はQ児を指名する。

E児はS児を指名する。

Z児笑顔で立ち上がる、

そして教師の顔を見る。

何を質問するのか教師に頼る依存し ようとする。

(17)

 結果:年長クラスになっての最初の誕生日のインタビューである。(子どもが質問する方法は、

年中児の2学期からスタートしている。)新入園児にとっては、初めての体験である。Z児が、E 児に指名されて、立ち上がってはいるが、教師の顔をみて、援助を求めているようであったので、

「何でもいいよ、Eちゃんに聞きたいことあったら質問していいよ。」 と援助する。すると、前にA 児が質問したことと同じだったので、「さっきAちゃんが質問していたみたいよ。」と伝えると、自 分で考えて「大きなクスノキ好きですか。」と質問した。自信なく小声であったため、H児が同じ ように代弁したので、納得していた。質問の内容に深まりが感じられたので、途中で教師が質問し た。例えば「幼稚園のどんなところが好きですか。」この質問は、友達のことや遊びの内容につい て考えてほしいとの意図であったが、どんなところという場所に止まってしまった。

リスト⑭ 5月10日L児への誕生日のインタビュー

9:43

H「大きなクスノキすきですか。」と 代弁する。

E「たけのいえ?」「クスノキの隣に あるたけのいえかと思う。」

Z「大きなクスノキ。」

E「大好きです。」

J「どんな色が好きですか。」

E「いっぱいあるよ私なら。」

E「ピンクと水色と虹色と青。」

K「幼稚園は好きですか。」

E「大好きです。」

K「わかりました。」

●「幼稚園のどんなところが好きです か。」

E「たけのいえです。」

●「たけのいえでどんなことをして遊ぶ のが好きですか。」

E「ままごとです。」

Q「ままごとして家族ごっこして、私 も仲間入ってする。」

M「病院ごっことか五つ子とかね。」

R「誕生日がきてよかったですね。」

E「よかったです。」

H児は代弁する。

Z児クスノキの方を指さ す。

●発問する。

小声であったのでE児に聞こえな かったようである。

E児は質問に対してクスノキの近く にある たけのいえ か確認する。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30 ●「L君の誕生日のインタビューを始め

ます。」

L「Hちゃん。」

H「大きくなったら何になりたいです か?」

L「大工さんです。」

H「はい、わかりました。」

L「Bちゃん。」

B「お誕生日のプレゼントは何を買っ てもらいましたか?」

L「まだ買っていません。」

L「Qちゃん。」

Q「ケーキは食べましたか?」

L「まだ、食べていません。」

L「Eちゃん。」

E「今まで言ったことないのでいい?」

E「L君のお家はどこですか?」

L「日本のむなかた6丁目。」

Q「たぶんアニメス?」

H「アメニスよ。」

「ぼくは、むなかた、一番近いのは、

Jちゃん」

●「Jちゃんのおうちはどこですか?」

J「ひかりヶ丘だから、同じ。」

L児はH児を指名する。

L児はB児を指名する。

L児はQ児を指名する。

L児はE児を指名する。

●頷く

住んでいる場所への興味が表れる。

(18)

 結果:Q児は、自分の言いたいことが先行し、友だちの話を最後まで聞くことが困難であったが、

この日のインタビューでは、話を最後まで聞くことができた。また指名されてから質問していた。

 E児は、これまで聞いた質問とは違う質問を考えて発言していた。E児が「お家はどこですか?」

と質問したことから、L児、Q児、H児、J児との会話が見られた。このことは、友達に親しみを もって聞いたり話したりしている姿である。

 L児は、花について質問されたとき、「全然花の名前知らんもん。」と言いながらも「花」と聞き 返して自分で考えながら知っている花の名前を言った。

リスト⑮ 5月22日G児への誕生日のインタビュー

9:40

L「うん。」

L「Jちゃん。」

J「どんなお花が好きですか?」

L「全然お花の名前知らないもん。」

L「アジサイとかヒマワリ」

L児はJ児を指名する。

時間 発話(●は教師の発話) 行動(●は教師) 解釈 9:30 ●「G君の誕生日がきました。G君のイ

ンタビューを始めます。G君に質問があ る人は、手を挙げて質問しましょう。」

G「Aちゃんおねがいします。」

A「大きくなったら何になりたいです か?」

G「野球選手です。」

A「はい、わかりました。」

G「Zちゃんお願いします。

Z「ブランコはすきですか?」

G「好きです。」

Z「はい、わかりました。」

G「Mちゃんお願いします。」

M「好きな色は、何ですか?」

G「青です。」

M「はい、わかりました。」

G「N君お願いします。」

N「ケーキは食べましたか?」

G「食べました。」

G「Eちゃんお願いします。

E「幼稚園は好きですか?」

G「好きです。」

E「はいわかりました。」

G「Hちゃんお願いします。」

H「好きな色は・・」「好きなお花は、

何ですか?」

G「(しばらく考えて)わかりません。」

H「はいわかりました。」

G「Sちゃんお願いします。」

S「ケーキは好きですか?」

G「好きです。」

G「はい、わかりました。」

G「N君お願いします。」

N「すべり台はすきですか?」

G「すきです。」

N「はい、わかりました。」

G「Dちゃんおねがいします。」

D「ケーキは、何ケーキをたべました か?」

G「チョコレートケーキです。」

G「K君お願いします。」

K「どんな葉っぱがすきですか?」

子ども達「葉っぱよ」

E児「葉っぱ、ムシでもいいもんね。」

と。

G児「だったら手を挙げて言い。」

・G児はA児を指名する。

・G児はZ児を指名する。

・G児はM児を指名する。

・G児はN児を指名する。

・G児はE児を指名する。

・G児はH児を指名する。

・G児はS児を指名する。

・G児はN児を指名する。

・G児はD児を指名する。

・G児はK児を指名する。

H児はこの質問は、さっき誰かが質 問したことを思い出して、自分で言い 直す。

G児は「どんな葉っぱ。」と聞いて 戸惑う。

聞いていた周囲の子ども達も答える 難しさを感じている。

E児が呟いているのでG児が促す。

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