高齢者を取り巻く現状
1
人口の推移と将来予測
2
要支援・要介護認定者の状況
3
介護保険給付額の状況
4
有料老人ホームの給付額等
5
介護人材を取り巻く状況
6
高齢者のいる世帯の状況
7
認知症高齢者の状況
本市の人口は、昭和 50(1975)年以降、緩やかな増加傾向にありましたが、近年の総 人口はほぼ横ばいの状況です。年齢3区分(年少人口、生産年齢人口、高齢者人口)ごと の構成では、昭和 60(1985)年以降、年少人口(0~14 歳)が減少し続け、また、高 齢者人口(65 歳以上)が加速的に増加しています。平成 12(2000)年の国勢調査にお いて、初めて高齢者人口が年少人口を上回り、平成 27(2015)年には高齢者人口の割合
が 25%を超え、4人に1人以上が 65 歳以上となっています(図1)。
図1 宮崎市の人口構成の推移
資料)国勢調査(各 10 月1日現在)。なお、総数には年齢不詳者を含むため、各年齢区分の計とは一致しな い場合がある。
1970年 1975年 1980年
1985年 1990年 1995年
2000年 2005年 2010年
2015年
0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000
総 数
生産年齢人口(15~64歳)
年少人口(0~14歳)
高齢者人口(65歳以上)
人
1 人口の推移と将来予測
1970年 245,210 60,158 24.5% 167,778 68.4% 17,274 7.0% 1975年 279,392 68,502 24.5% 189,845 67.9% 20,978 7.5% 1980年 315,223 77,980 24.7% 211,131 67.0% 26,007 8.3% 1985年 332,836 78,980 23.7% 222,536 66.9% 31,225 9.4% 1990年 342,573 70,929 20.7% 232,165 67.8% 38,526 11.2% 1995年 357,264 63,790 17.9% 244,596 68.5% 48,852 13.7% 2000年 363,423 58,996 16.2% 244,130 67.2% 59,900 16.5% 2005年 366,897 55,420 15.1% 241,146 65.7% 70,101 19.1% 2010年 400,583 58,326 14.6% 254,185 63.5% 85,048 21.2% 2015年 401,138 57,184 14.3% 241,893 60.3% 102,061 25.4%
年次 総数 年少人口
0~14歳
生産年齢人口 15~64歳
本市の高齢者人口は平成 57(2045)年まで増加を続け、その後、減少する見込みです。 しかし、総人口は平成 28 年には減少を始めており、総人口に占める高齢者人口の割合は
平成 62(2050)年には 38.4%まで上昇することが見込まれます(図2)。また、高齢者
人口のうち 75 歳以上は平成 67(2055)年まで増加し続け、総人口に占める割合は、平
成 72(2060)年には 26.4%まで上昇することが見込まれます(図3)。
図2 宮崎市の人口構成の推計
図3 65 歳以上、75 歳以上の人口と総人口に占める割合
2015年 401,138 57,184 14.3% 241,893 60.3% 102,061 25.4% 2020年 397,251 53,288 13.4% 229,865 57.9% 114,098 28.7% 2025年 390,250 48,337 12.4% 221,807 56.8% 120,106 30.8% 2030年 380,966 43,774 11.5% 213,946 56.2% 123,246 32.4% 2035年 369,682 41,464 11.2% 203,260 55.0% 124,958 33.8% 2040年 356,468 39,784 11.2% 187,921 52.7% 128,762 36.1% 2045年 341,857 37,980 11.1% 175,025 51.2% 128,852 37.7% 2050年 326,423 35,669 10.9% 165,482 50.7% 125,271 38.4% 2055年 310,423 33,072 10.7% 158,578 51.1% 118,773 38.3% 2060年 293,966 30,512 10.4% 151,982 51.7% 111,471 37.9%
年次 総数
年少人口 生産年齢人口 高齢者人口
2015年 2020年 2025年
2030年 2035年 2040年
2045年 2050年 2055年 2060年
0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000 450,000
総 数
生産年齢人口(15~64歳)
年少人口(0~14歳)
高齢者人口(65歳以上)
人
102,061 114,098
120,106 123,246 124,958
128,762 128,852 125,271
118,773 111,471
77,647 81,007 80,800 77,933 78,557 78,626 76,211 68,736 56,666 49,297
37.9% 38.3% 38.4% 37.7% 36.1% 33.8% 32.4% 30.8% 28.7%
25.4% 26.1% 26.4% 24.8%
22.8% 22.0% 21.3% 20.0% 17.6% 14.3% 12.3%
20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000
5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0% 45.0%
本市の平成 28(2016)年度の要支援・要介護度別の認定者数は、要介護1が最も多
く、要支援と合わせた認定者数は 9,503 人で、認定者数全体の 54%を占めています(図4)。
また、65 歳以上の高齢者に対する認定者数を表す認定率を要介護度別に全国平均と比較す ると、要介護1が高く、要介護2~4が低い傾向にあり、全国平均に比べて、要介護1ま
での軽度者の割合が高いことが分かります(図5)。
一般的に要支援や要介護1は、要介護2以上と比較すると、自立支援による機能回復の 可能性が高く、在宅生活の継続につながることが考えられることから、要介護度の改善や 要支援からの自立に向けた取組みを推進することが重要になります。
図4 要支援・要介護認定者数の推移
2 要支援・要介護認定者の状況
1 ,1 3 1 1 ,0 9 2 1 ,2 1 2 1 ,3 5 2 1 ,7 0 0 2 ,1 0 6 2 ,2 3 6 2 ,2 5 7
1,366 1,556 1,804
2,112 2,280
2,398 2,474 2,571 3,304 3,613
3,830
4,222
4,272
4,502 4,608 4,675 2,220
2,349
2,440
2,621
2,612
2,622 2,582
2,683
1,850
1,968
1,977
2,036
2,011
1,935 2,027
2,046
1,220
1,382
1,430
1,486
1,472
1,413 1,464
1,599
1,635
1,787
1,837
1,830
1,802
1,835 1,889
1,822
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 年度
人
要介護5 要介護4 要介護3 要介護2 要介護1 要支援2 要支援1
図5 要支援・要介護度別の認定率の比較(2016 年)
資料)厚生労働省「地域包括ケア見える化システム」
1.7 4.4
2.5 2.6
3.1
2.4
2.2 3.6
2.1
1.5 1.9
2.5
1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5
要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
全国 宮崎市 大分市 鹿児島市 要介護1の認定率が全国平均 を大きく上回っている
(1)介護保険サービスに係る給付費
介護保険サービスの給付額は、高齢者の増加等に伴い年々増加しています。平成 25 (2013)年度と平成 28(2016)年度の給付額を比較すると、約 256 億円から約
274 億円に増加し、増加率は約 7.1%となっています(表1)。また、介護サービス別に
見ると、居宅療養管理指導、訪問介護、福祉用具貸与で給付額の増加が顕著となってい る一方で、福祉用具購入、訪問リハビリテーション、短期入所生活介護で給付額の減少 が顕著となっています。
年齢階級別の認定者数と認定率を見ると、75 歳を超えるあたりから、大きく伸びてお
り(図6)、平成 67 年(2055 年)まで 75 歳以上の人口が増え続けることが見込まれ
る本市では、介護保険サービスの給付額は増加し続けることが予想されます。 表1 介護サービス別給付額の推移
図6 年齢階級別の認定者数と認定率
3 介護保険給付額の状況
順位 順位
訪問介護 3,578,341,041 ③ 4,020,275,222 4,266,024,659 4,432,343,238 ② 123.9
訪問入浴介護 70,986,663 76,722,255 68,784,375 75,174,219 105.9
訪問看護 423,417,465 454,500,355 462,152,869 481,299,567 113.7
訪問リハビリテーション 57,294,432 50,006,367 47,240,952 47,148,153 82.3
居宅療養管理指導 114,557,431 136,769,301 152,996,592 188,092,982 164.2
通所介護(地域密着含む) 5,365,992,712 ① 5,677,292,568 5,780,524,925 6,189,212,612 ① 115.3
通所リハビリテーション 1,527,715,058 1,517,053,678 1,461,563,522 1,465,019,523 95.9
短期入所生活介護 515,713,777 476,833,221 431,185,766 429,278,438 83.2
短期入所療養介護(老健) 114,303,627 104,680,917 105,500,073 116,051,780 101.5
福祉用具貸与 563,806,692 639,006,174 696,998,237 754,140,113 133.8
福祉用具購入費 49,901,346 42,796,937 40,562,163 43,516,392 87.2
住宅改修費 125,945,504 121,312,331 120,888,269 115,048,194 91.3
特定施設入居者生活介護 1,257,326,684 1,261,242,513 1,225,772,692 1,193,811,479 94.9
介護予防支援・居宅介護支援 1,261,263,798 1,313,918,494 1,388,297,673 1,424,347,408 112.9
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 0 2,939,580 18,303,897 21,476,870
-夜間対応型訪問介護 0 0 837,108 1,149,246
-認知症対応型通所介護 130,002,876 127,850,256 134,521,468 132,181,415 101.7
小規模多機能型居宅介護 958,994,330 936,212,085 956,601,017 963,715,255 100.5
認知症対応型共同生活介護 1,810,427,130 ⑤ 1,875,445,614 1,915,477,646 1,901,228,608 ⑤ 105.0
地域密着型特定施設入居者生活介護 0 0 0 0
-地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 65,840,607 65,675,187 63,044,148 59,854,000 90.9
複合型サービス 0 44,907,489 58,117,797 53,100,169
-介護老人福祉施設 3,947,581,887 ② 3,979,642,313 3,930,258,475 3,791,594,880 ③ 96.0
介護老人保健施設 2,760,353,216 ④ 2,830,703,433 2,864,584,603 2,881,042,196 ④ 104.4
介護療養型医療施設 883,536,035 863,481,105 753,541,614 639,547,321 72.4
合計 25,583,302,311 26,619,267,395 26,943,780,540 27,399,374,058 107.1
増減 2013→
2016 2015年
2014年 2016年
2013年
(円) (%)
2 1 , 3 9 6
1 8 ,8 4 2
1 5 , 6 2 6
1 0 , 0 8 6
6 ,6 3 9 3 2 ,7 8 0
8 6 3 1 , 1 0 7 2 ,1 1 4
3 , 8 4 3 4 , 7 3 9 4 , 8 7 8 2 .6 % 5 .2 %
1 1 . 2 %
2 4 . 6 %
4 7 . 0 %
7 3 . 5 %
-5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000
6 5 ~6 9 歳 7 0 ~7 4 歳 7 5 ~7 9 歳 8 0 ~8 4 歳 8 5 ~8 9 歳 9 0 歳以上
年齢階級
人 口
0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0
%
(2)「施設サービス」「居住系サービス」「在宅サービス」における一人当たり給付月額
厚生労働省が提供している「地域包括ケア見える化システム」によると、本市の「施 設サービス」及び「居住系サービス」における一人当たりの給付月額は、平成 23(2011)
年度以降減少に転じ、全国平均を下回る状況が続いています(図7)。
一方で、「在宅サービス」における一人当たり給付月額は、上昇傾向にあり、全国平均
を上回っている状況が続いています(図8)。
図7 「施設サービス」及び「居住系サービス」における一人当たり給付月額(2016 年 7 月)
図8 「在宅サービス」における一人当たり給付月額(2016 年 7 月)
資料)厚生労働省「地域包括ケア見える化システム」
○施設サービス・・・介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、 介護療養型医療施設
○居住系サービス・・・特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者 生活介護
○在宅サービス・・・訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、 通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、福祉用具貸与
10,221
9,103
10,539 10,710
10,985 11,159
10,837
10,395
9,734
9,322
8,740 10,334
10,247 10,002 10,037
9,961
10,699
11,217
10,531
10,032
9,597 9,799
9,329 9,373 9,200
9,913 9,795
9,920 9,915 9,971
8,000 8,500 9,000 9,500 10,000 10,500 11,000 11,500
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
宮崎市 宮崎県 全国
円
11,000
7,988
8,311
8,853 9,615
10,770 11,748
12,623 12,915
13,176 13,160
7,598 7,806
8,279 9,042
10,027
11,800
12,289 12,639 12,704
9,128 8,139
8,307
8,546
9,793 10,217
10,65710,949 11,225 11,305
7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000 13,000 14,000
2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
宮崎市 宮崎県 全国
64,908 81,507 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000
全
国
宮
崎
県
宮
崎
市
函
館
市
旭
川
市
青
森
市
盛
岡
市
八
戸
市
秋
田
市
い
わ
き
市
郡
山
市
宇
都
宮
市
前
橋
市
高
崎
市
川
越
市
越
谷
市
船
橋
市
柏
市
八
王
子
市
横
須
賀
市
富
山
市
金
沢
市
長
野
市
岐
阜
市
豊
橋
市
岡
崎
市
豊
田
市
大
津
市
豊
中
市
高
槻
市
枚
方
市
東
大
阪
市
姫
路
市
尼
崎
市
西
宮
市
奈
良
市
和
歌
山
市
倉
敷
市
呉
市
福
山
市
下
関
市
高
松
市
松
山
市
高
知
市
久
留
米
市
長
崎
市
佐
世
保
市
大
分
市
鹿
児
島
市
那
覇
市
円
52,166 72,925 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000
全
国
宮
崎
県
宮
崎
市
函
館
市
旭
川
市
青
森
市
盛
岡
市
八
戸
市
秋
田
市
い
わ
き
市
郡
山
市
宇
都
宮
市
前
橋
市
高
崎
市
川
越
市
越
谷
市
船
橋
市
柏
市
八
王
子
市
横
須
賀
市
富
山
市
金
沢
市
長
野
市
岐
阜
市
豊
橋
市
岡
崎
市
豊
田
市
大
津
市
豊
中
市
高
槻
市
枚
方
市
東
大
阪
市
姫
路
市
尼
崎
市
西
宮
市
奈
良
市
和
歌
山
市
倉
敷
市
呉
市
福
山
市
下
関
市
高
松
市
松
山
市
高
知
市
久
留
米
市
長
崎
市
佐
世
保
市
大
分
市
鹿
児
島
市
那
覇
市
円
(3)介護サービス別の受給者一人当たり給付月額
本市における介護サービス別の一人当たり給付月額を全国平均や中核市と比較すると、 訪問介護や通所介護、短期入所生活介護において特徴的な傾向があります。
訪問介護では、一人当たり給付月額が 96,374 円で、全国平均 52,166 円を大きく
上回り、他の中核市 47 市と比較しても最も高い額となっています(図9)。
また、通所介護では、一人当たり給付月額が 80,481 円で、全国平均 64,908 円を
上回り、中核市の中で5番目に高い額となっています(図10)。
一方、短期入所生活介護では、一人当たり給付月額が 67,464 円で、全国平均 91,594
円を大きく下回り、中核市の中で5番目に低い額となっています(図11)。
図9 訪問介護 受給者一人当たり給付月額(2016 年 7 月)
図10 通所介護 受給者一人当たり給付月額(2016 年 7 月)
96,374
一人当たり利用回数も月35.9回で 中核市トップ(全国平均は16.8回)
80,481
91,594 79,170 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000
全
国
宮
崎
県
宮
崎
市
函
館
市
旭
川
市
青
森
市
盛
岡
市
八
戸
市
秋
田
市
い
わ
き
市
郡
山
市
宇
都
宮
市
前
橋
市
高
崎
市
川
越
市
越
谷
市
船
橋
市
柏
市
八
王
子
市
横
須
賀
市
富
山
市
金
沢
市
長
野
市
岐
阜
市
豊
橋
市
岡
崎
市
豊
田
市
大
津
市
豊
中
市
高
槻
市
枚
方
市
東
大
阪
市
姫
路
市
尼
崎
市
西
宮
市
奈
良
市
和
歌
山
市
倉
敷
市
呉
市
福
山
市
下
関
市
高
松
市
松
山
市
高
知
市
久
留
米
市
長
崎
市
佐
世
保
市
大
分
市
鹿
児
島
市
那
覇
市
円
13,725 17,272 21,660 25,293 20,977 6,396 3,272 22,292 24,617 3,099 21,832 17,160
31 ,5 6 7
6,986 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000
要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
全国 宮崎市 大分市 鹿児島市 長崎市 円
図11 短期入所生活介護 受給者一人当たり給付月額(2016 年 7 月)
資料)厚生労働省「地域包括ケア見える化システム」
(4)在宅サービスの受給者一人当たりの給付月額
受給者一人当たりの給付月額を要介護度別に見ると、本市では、要介護1と要介護 5で特徴的な傾向が見られます。要介護1では本市が 31,567 円で全国平均 20,977 円を大きく上回り、要介護5でも本市が 21,832 円で全国平均 13,725 円を大きく
上回っています(図12)。他の要介護度では全国平均の額に近い傾向であり、要介護1
及び5の給付月額が特に際立っています。
図12 在宅サービスの受給者一人当たりの給付月額(2016 年 7 月)
資料)厚生労働省「地域包括ケア見える化システム」
中核市で5番目に低い
67,464
(1)有料老人ホームの施設数及び定員と運営法人
本市では、有料老人ホームの施設数が年々増加しており、他の中核市と比較すると、
施設数、定員ともに最も多くなっています(図13)。運営する法人の種別を見ると、本市
では、株式会社等の民間企業が運営しているケースが多くなっています(表2)。
有料老人ホームは、介護保険施設に比べると、人員基準や設備基準が厳格ではなく、 運営は運営する法人の裁量が大きいこと等もあり、利用者本位ではない介護サービスの 提供が行われていることを指摘する声があがっています。
図13 有料老人ホームの施設数及び定員比較(中核市)
資料)厚生労働省「社会福祉施設等調査(平成28年度)」
表2 有料老人ホームを運営する法人種別と施設数(2017 年5月)
※ 同一法人も含むため、重複のカウントあり
※ 未届けの有料老人ホームも含む
4 有料老人ホームの給付額等
法人種別 施設数
株式会社
96
有限会社
56
合同会社
11
社会福祉法人
8
医療法人
8
企業組合
7
生活協同組合
2
NPO法人
1
総計
189
3,231 2,928
2,599 2,499
2,214 2,136
2,039 2,027 2,016 3,873
2,079 3,798
2,049 2,080
2,108 155
29
43 42 36 51 38 124
55 52 112
99 133
68 79
1,000 2,000 3,000 4,000
宮
崎
市
大
分
市
旭
川
市
青
森
市
鹿
児
島
市
八
王
子
市
金
沢
市
松
山
市
東
大
阪
市
船
橋
市
和
歌
山
市
枚
方
市
倉
敷
市
前
橋
市
豊
中
市
0 50 100 150 200 定員 施設数
(2)宮崎市の有料老人ホームにおける給付額
本市の有料老人ホーム入居者とそれ以外の在宅等生活者における通所介護と訪問介 護の一人当たり給付額(平成 29 年2月分)を比較すると、いずれも有料老人ホーム
が高く、通所介護で 23,357 円(1.25 倍)、訪問介護で 50,937 円(1.54 倍)の差
となっています(図14)。
さらに、要介護度別に比較すると、要介護1と要介護5で顕著な差が出ており、有 料老人ホーム入居者の給付額がそれ以外の在宅等生活者の給付額を大きく上回ってい
る状況です(図15)。通所介護の要介護1で 20,486 円(1.29 倍)、訪問介護の要介
護1で 26,545 円(1.59 倍)、要介護5で 47,732 円(1.27 倍)の差となっていま
す。本市全体の給付額の特徴として、要介護1と要介護5の一人当たり給付額が全国 平均に比べて著しく高くなっていますが、この結果を踏まえると、その背景には有料 老人ホームにおける給付が影響しているものと考えられます。
また、国は平成 29 年に介護保険法等を改正し、再三の指導に従わない悪質な事業 を続ける有料老人ホームに対して事業停止命令を行うことができるようにするなど、 有料老人ホームに対する指導・監督の仕組みの強化に向けて動き始めています。
有料老人ホームは、今後も増加することが予想されますが、高齢者の生活の場とし てますます重要な役割を担うこととなりますので、本市として、実態把握に努めると ともに、適切な運営が行われるように、指導・監督を行うことが求められています。
図15【要介護度別】通所介護と訪問介護における有料老人ホームと在宅者の一人当たり給付額
※「有料老人ホーム入居者」は、入居者の住所が有料老人ホームの住所となっている者、「在宅者」はそれ以外
いわゆる団塊の世代が全て 75 歳以上となる平成 37(2025)年以降には、介護を必要 とする高齢者や、認知症及び医療ニーズを併せ持つ高齢者の増加に伴い、サービス需要が 高まることが見込まれる一方で、生産年齢(15~64 歳)人口の減少や若者の転出により、 サービスを供給する人材が不足することが問題となっています。
国が平成 27 年に公表した介護人材にかかる需給推計によると、全国で約 37.7 万人の 介護人材の不足が見込まれ、本県においても、4,324 人の不足が見込まれています。
本県の福祉職の平均勤続年数は他産業に比べて短くなっている(図16)ほか、有効求人倍
率は年々上昇しており(図17)、介護人材を取り巻く環境は厳しい状況となっています。
昨年度、本市の全介護事業所を対象としたアンケート結果においても、約8割の事業所
が人材不足を感じており(図18)、特に、介護職員と看護職員の職種で人材不足を感じてい
る割合が高くなっています(図19)。
また、高齢者の在宅生活の継続において重要な役割を担う訪問介護事業所にアンケート 調査を行ったところ、6割の事業所(60 事業所)が職員の不足を感じており、回答のあっ た不足している職員数を合計すると、サービス提供責任者が 17 人、訪問介護員は 171 人 という結果となり、人材不足が深刻な状況が明らかとなりました。
このような中、平均寿命の延伸もあり、働く意欲の高い高齢者が増加してきています。 本市の 65 歳以上の就業者数は年々増加し、平成 27(2015)年には2万人を超え、65
歳から 74 歳の高齢者では3人に1人以上が就業している状況となっています(図20)。昨
年度、65 歳以上を対象に実施した介護予防・日常生活圏域ニーズ調査においても、約5割 が身体が元気なうちは仕事(ボランティア含む)をしたいと回答しています。
今後、生産年齢人口の増加が見込めない中で、高齢者は増えていくという本市の人口構 造を踏まえ、働く意欲の高い高齢者を介護職へ誘導するなど、介護人材の確保策を積極的 に展開していくことが重要になっています。
図16 県内の産業別「就業者の平均勤続年数」
資料)厚生労働省「賃金構造基本調査」
12.1 13.5 14.0 14.3 12.1 8.9 9.1 7.16.6 19.7
12.6 12.0 12.8 13.6 11.9
8.7 11.0 11.4 12.6 13.0 20.3 11.1 9.6 11.3 12.7 14.2 7.5
9.2 10.1 10.0
5 10 15 20 25
全
産
業
鉱
業
,
採
石
業
,
砂
利
採
取
業
建
設
業
製
造
業
電
気
・
ガ
ス
・
熱
供
給
・
水
道
業
情
報
通
信
業
情
報
サ
ー
ビ
ス
業
運
輸
業
,
郵
便
業
卸
小
売
業
金
融
業
,
保
険
業
宿
泊
業
,
飲
食
サ
ー
ビ
ス
業
生
活
関
連
サ
ー
ビ
ス
業
,
娯
楽
業
教
育
,
学
習
支
援
業
医
療
業
福
祉
全国 宮崎県 年
346
53 74
122
58.2%
8.9% 12.4%
20.5%
0 100 200 300 400 500
大いに感じている 若干感じている あまり感じていない わからない 0
20 40 60
図17 県内における介護関連の有効求人倍率
資料)厚生労働省「職業安定業務統計」
図18 介護人材の確保が難しいと感じている事業所の割合
資料)宮崎市「平成27年度介護報酬改定の影響に関する調査」
図19 不足している職種
資料)宮崎市「平成27年度介護報酬改定の影響に関する調査」
313 260
95 219 42
7 7 9 50.6%
42.0%
15.3%
35.4%
6.8%
1.1% 1.1% 1.5% 0
100 200 300 400
介
護
職
員
(
介
護
福
祉
士
資
格
あ
り
)
介
護
職
員
(
介
護
福
祉
士
資
格
な
し
)
介
護
支
援
専
門
員
(
ケ
ア
マ
ネ
ー
ジ
ャ
ー
)
看
護
師
生
活
相
談
員
歯
科
衛
生
士
調
理
員
薬
剤
師
0 20 40 60
事業所 %
図20 本市の高齢者の就業者数と就業率
729 756 858 1,231 1,386 2,748
3,877 4,224 4,016 4,033 4,636
10,458
12,761
17,879
6,940 7,461 30.3%
26.4%
25.2%
28.5%
25.7%
27.8%
30.1%
33.9%
10.0% 8.0% 6.9%
8.1% 7.0% 8.5%
9.1% 8.6%
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0%
75歳以上の就業者 65~74歳の就業者 65~74歳の就業率 75歳以上の就業率
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 就業者総数(宮崎市) 124,450 127,868 136,048 149,119 148,835 174,955 189,573 187,229
男 72,599 73,236 76,487 83,149 82,101 95,002 101,041 98,503 女 51,851 54,632 59,561 65,970 66,734 79,953 88,532 88,726 65歳以上就業者 4,745 4,789 5,494 8,171 8,847 13,206 16,638 22,103 就業者総数に占める割合 3.8% 3.7% 4.0% 5.5% 5.9% 7.5% 8.8% 11.8%
男 3,132 2,984 3,418 5,180 5,531 8,049 9,691 12,550 女 1,613 1,805 2,076 2,991 3,316 5,157 6,947 9,553 65~74歳 4,016 4,033 4,636 6,940 7,461 10,458 12,761 17,879 男 2,640 2,477 2,859 4,374 4,663 6,337 7,390 10,064 女 1,376 1,556 1,777 2,566 2,798 4,121 5,371 7,815 75歳以上 729 756 858 1,231 1,386 2,748 3,877 4,224 男 492 507 559 806 868 1,712 2,301 2,486 女 237 249 299 425 518 1,036 1,576 1,738 65歳以上就業率 23.1% 19.3% 17.8% 20.6% 18.1% 18.8% 19.6% 21.7%
65~74歳 30.3% 26.4% 25.2% 28.5% 25.7% 27.8% 30.1% 33.9% 75歳以上 10.0% 8.0% 6.9% 8.1% 7.0% 8.5% 9.1% 8.6%
総人口の増加が高止まりする中でも、若者単身者の増加や世帯分離等により、一般世帯
数は増加していますが、「高齢者のいる世帯」も増え続け、平成 27(2015)年には 64,151
世帯となり、一般世帯に占める割合も 36.7%まで上昇しています(表3、図21)。
「高齢者のいる世帯」の世帯構成の内訳を見ると、「一人暮らし世帯」の割合は、昭和 55(1980)年から平成 27(2015)年までの 30 年間で 16.9%から 31.1%と約2倍
に増加しています(図22)。さらに、本市が実施した介護予防・日常生活圏域ニーズ調査に
おいて、「一人暮らしの高齢者」世帯のうち 21.3%が、週の外出回数が0~1回の「閉じ
こもり傾向あり」に該当しています。
また、一人暮らしの高齢者は日常のちょっとしたことを自ら行うことができず、手助け が必要となっています。介護予防・日常生活圏域ニーズ調査において、高齢者が支援して
もらいたいこととして、「庭木の除草や剪定」、「話し相手」、「電球交換」、「室内の掃除」が
上位となりました。高齢者の単身世帯の割合は今後も増加が見込まれることから、外出支 援策の実施のほか、インフォーマルサービスを含めた地域での支援体制を構築していくこ とが重要になると考えられます。
また、核家族化の進行等により、「夫婦のみ世帯」も年々増加傾向にあり、このことは高
齢者が高齢者を介護する、いわゆる「老老介護」の増加につながることが懸念されます。 本市が行った在宅介護実態調査において、主な介護者の年齢は 60%が 60 歳以上で、29%
が 70 歳以上という実態が明らかになりました(図23)。
今後も老老介護を行うケースは増加し、在宅生活を継続できなくなるケースが増えてく ることが見込まれることから、介護者の身体的・精神的な負担を軽減するための支援や、 在宅サービスの充実を図っていくことが、重要になると考えられます。
表3 世帯数の推移
資料)国勢調査
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 90,936 97,154 103,376 116,514 123,284 150,090 169,758 174,942
100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 15,168 17,873 21,741 27,284 32,735 46,416 55,479 64,151
16.7% 18.4% 21.0% 23.4% 26.6% 30.9% 32.7% 36.7% 2,567 3,556 4,758 6,587 8,760 12,965 16,074 19,977
2.8% 3.7% 4.6% 5.7% 7.1% 8.6% 9.5% 11.8% 3,940 4,962 6,682 9,096 11,379 12,272 19,014 22,463
4.3% 5.1% 6.5% 7.8% 9.2% 8.2% 11.2% 12.8% 8661 9355 10301 11601 12596 21179 20391 21711 9.5% 9.6% 10.0% 10.0% 10.2% 14.1% 12.0% 12.4% 世帯総数
高齢者のいる世帯 一人暮らし世帯
夫婦のみ世帯 その他の世帯
図21 高齢者のいる世帯数と割合の推移
資料)国勢調査
図22 高齢者のいる世帯の世帯構成の推移
資料)国勢調査
図23 主な介護者の年齢
資料)宮崎市「在宅介護実態調査」 17,873 21,741
27,284 32,735
46,416 55,479
64,151
15,168 16.7% 18.4%
21.0% 23.4%
26.6% 30.9%
32.7% 36.7%
0 50,000 100,000
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0% 35.0% 40.0%
高齢者のいる世帯数
高齢者のいる世帯の割合
2,567 3,556 4,758 6,587
8,760 12,965
16,074 19,977 3,940 4,962
6,682
9,096
11,379
12,272
19,014
22,463
8,661 9,355
10,301
11,601
12,596
21,179
20,391
21,711
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000
1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年
その他の世帯 夫婦のみ世帯
一人暮らし世帯
16.9 %
31.1 %
0% 0% 3% 7%
24% 31%
14% 15%
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35%
20歳未満 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80歳以上
60歳以上 60% 70歳以上 29% 世帯
本市における 65 歳以上の高齢者に占める認知症高齢者の割合は、概ね 10%前後で推移
しています(図24)。今後、75 歳以上の高齢者の増加により、認知症患者の数も増加する
ことが見込まれます。
介護予防・日常生活圏域ニーズ調査において、認知症になった場合に希望する生活場所 として、55%が「高齢者向けの施設」と回答しましたが、21%が「今住んでいる家や部
屋」と回答しました(図25)。
認知症高齢者が住み慣れた家や部屋で生活を継続するには、家族や地域住民等の支援等 が不可欠ですが、同調査において、認知症の症状や対応方法の認識の質問では、5割以上 が「あまり知らない」または「ほとんど知らない」と回答し、在宅介護実態調査において
も、認知症高齢者の介護を行っている介護者が負担に感じている介護について、「認知症へ
の対応」、「日中の排泄」および「夜間の排泄」、「屋内の移乗・移動」で不安が大きい傾向
が見られました(図26)。
そのような状況から、本市では、地域で認知症の人やその家族の支援を行う認知症サポ ーターの養成を積極的に行っています。教育委員会と連携し小学5年生を対象に講座を開 催するなど、平成 28(2016)年度末の認知症サポーター数は3万人を超えたところです が(図27)、実態調査の結果を踏まえ、引き続き家族や地域住民等の認知症に対する理解度 の向上を図るほか、介護者への過重な負担が生じないように適切なサービス等を提供する など、地域全体で見守ることができる体制づくりを進めていくことが重要になると考えら れます。
図24 認知症高齢者(日常生活自立度「Ⅱ」以上)数と認知症高齢者率の推移
図25 認知症になった場合に希望する生活場所
資料)宮崎市
「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」
7 認知症高齢者の状況
21.1%
55.1%
2.6%
17.8%
2.9% 0.0%
20.0% 40.0% 60.0%
今
住
ん
で
い
る
家
や
部
屋
高
齢
者
向
け
の
施
設
家
族
や
親
族
の
家
わ
か
ら
な
い
そ
の
他
6,852 7,324 8,132
8,805 9,327 9,930
10,282 10,437 10,403 10,691 11,112
12,308 13,251
14,041 15,091
15,662 16,998
18,013 9.9% 10.5%
10.7% 10.8%
10.8% 10.3%
9.7% 9.4% 9.0%
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
年度 人
0.0% 2.0% 4.0% 6.0% 8.0% 10.0% 12.0%
図26 認知症高齢者を介護している介護者が不安に感じる介護
資料)宮崎市「在宅介護実態調査」
図27 認知症サポーターおよびキャラバンメイト登録者数
3,534 6,146
9,017 11,123
13,729
22,622
30,246
17,406
480
378 328
328 333
238 233
233
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
0 100 200 300 400 500 600 認知症サポーター養成数 キャラバンメイト登録数
人 人
年度
20.1% 25.7% 9.0%
36.1% 9.7%
13.9%
31.9% 31.9% 9.7%
11.1% 5.6%
25.7% 22.2% 13.2%
8.3% 13.2% 1.4%
21.0% 28.6% 7.6%
21.4% 12.1%
14.7%
25.9% 28.6% 24.1%
54.9% 4.0%
31.3% 26.3% 21.4% 8.0%
8.0% 0.9%
44.8% 46.3% 17.9%
22.4% 16.4%
28.4% 34.3% 20.9%
17.9%
47.8% 10.4%
23.9% 26.9% 16.4%
9.0% 7.5% 0.0%
0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%
日中の排泄 夜間の排泄 食事の介助(食べる時) 入浴・洗身 身だしなみ(洗顔・歯磨き等) 衣服の着脱 屋内の移乗・移動 外出の付き添い、送迎等 服薬 認知症状への対応 医療面での対応(経管栄養、ストーマ
等)
食事の準備(調理等) その他の家事(掃除、洗濯、買い物
等)
金銭管理や生活面に必要な諸手続き その他 不安に感じていることは、特にない 主な介護者に確認しないと、わからない