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Ⅲ 昼 休 み ( 11:35 ~ 12:45 ) Ⅳ 特 別 講 演 (12:45 ~ 13:45 ) 座 長 : 前 田 智 治 乳 腺 細 胞 診 の 現 状 とこれから 久 留 米 大 学 医 学 部 附 属 医 療 センター 臨 床 検 査 室 病 理 診 断 科 山 口 倫 Ⅴ 一 般

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第 23 回愛媛県臨床細胞学会総会ならびに学術集会

日 時:平成 27 年 1 月 25 日(日) 9:30~ 会 場:愛媛県立中央病院 講堂

- プログラム -

Ⅰ 開会の辞 ( 9:30 ~ 9:35 )

Ⅱ シンポジウム ( 9:35 ~ 11:35 )

テーマ 各施設における術中迅速細胞診の現状および症例提示 コーディネーター:松影昭一,中川健司 1)脳腫瘍の術中迅速診断の現状 市立宇和島病院 診療部 臨床検査科1),同 病理診断科2) 菅 恭弘1),中川健司1),伊井喜美代1),中西護1),松影昭一2) 2)肺腫瘤の術中迅速細胞診 松山赤十字病院 病理診断科部1),同 呼吸器外科2) 窪田裕美1),門屋孝志1),吉田彩乃1),坂本真吾1),本吉知里1),三好陽子1),古本好江1) 高石治彦1),飛田 陽1),大城由美1),伊藤謙作2) 3)胸水・胸腔洗浄液の術中迅速細胞診 松山赤十字病院 病理診断科部1),同 呼吸器外科2) 門屋孝志1),窪田裕美1),吉田彩乃1),坂本真吾1),本吉知里1),三好陽子1),古本好江1) 高石治彦1),飛田 陽1),大城由美1),伊藤謙作2) 4)消化管・腹腔洗浄液の術中迅速細胞診 愛媛県立中央病院 兵頭直樹,森田渚,加藤真紀子,高石裕子,篠崎理恵,井上信行,木下幸正,高石 修,木藤克己, 杉田敦郎,前田智治 5)婦人科領域における腹腔洗浄細胞診 四国がんセンター臨床検査科1), 同 婦人科2), 同 病理科3) 田中慎一1), 佐藤正和1), 松田奈美1), 小嶋健太1), 蜂須賀 幸1) , 田母神佐智子1) , 有江啓二1) , 楠本真也2), 山本弥寿子2), 大亀真一2), 白山裕子2), 竹原和宏2), 野河孝充2), 高畑浩之3), 西村理恵子1), 寺本典弘3) 総 合 討 論

(2)

Ⅲ 昼 休 み ( 11:35 ~ 12:45 )

Ⅳ 特別講演 (12:45 ~ 13:45 )

座長:前田智治 「乳腺細胞診の現状とこれから」 久留米大学医学部附属医療センター 臨床検査室・病理診断科 山口 倫

Ⅴ 一般演題 ( 14:00 ~ 15:00 )

座長:杉田敦郎 1)女性尿道に発生した明細胞腺癌の1例 四国がんセンター 臨床検査科1),同 病理診断科2) 蜂須賀 幸1),佐藤正和1),松田奈美1),小嶋健太1),田中慎一1),田母神佐智子3),有江啓二1) 高畑浩之2),西村理恵子1),寺本典弘2) 2)尿中前立腺癌細胞の核小体所見の画像解析 ―核小体の大きさと核小体/核比について― 四国がんセンター 臨床検査科1),同 病理科2) 松田奈美1), 佐藤正和1), 田中慎一1), 小嶋健太1), 蜂須賀 幸1), 田母神佐智子1), 有江啓 二1),高畑浩之2),寺本典弘2), 西村理恵子1) 3)子宮頸部大細胞神経内分泌癌の細胞像の検討 四国がんセンター 婦人科1),同 病理科2),同 臨床検査科3) 楠本真也1),大亀真一1),山本弥寿子1),白山裕子1),竹原和宏1),松田奈美3),小嶋健太3) 蜂須賀 幸3),田中慎一3),田母神佐智子3),佐藤正和3),有江啓二3),高畑浩之2),西村理恵子3) 寺本典弘2),野河孝充1) 4)LBC(ThinPrep 法)標本作製時の精度管理 -標本の再作製を中心に- 愛媛県総合保健協会1),奥島病院2) 尾﨑翔子1), 武井 彩1), 藤田泰吏1), 高橋若菜1), 金子真由美1), 深田千尋1), 佐伯 健二1), 池谷東彦1), 日浦昌道2) 5)乳腺細胞診従来法と液状細胞診の比較 愛媛県立中央病院 前田智治, 森田 渚, 加藤真紀子, 高石裕子, 篠崎理恵, 兵頭直樹, 井上信行, 木下幸正, 高石 修, 木藤克己, 杉田敦郎 一般演題は発表 8 分,討論 4 分です.PC-プロジェクトを 1 台用意しております.

Ⅵ 平成 27 年(26 年度)愛媛県臨床細胞学会総会 ( 15:00 ~ 15:30 )

(3)

四国がんセンター 臨床検査科1), 同 病理診断科2) ○蜂須賀 幸1), 佐藤正和1), 松田奈美1), 小嶋健太1), 田中慎一1), 田母神佐智子 1), 有江啓二1), 高畑浩之2), 西村理恵子1), 寺本典弘2)

一般演題2) 尿中前立腺癌細胞の核小体所見の画像解析―核小体の大き

さと核小体/核比について―

四国がんセンター 臨床検査科1),同 病理診断科2) ○松田奈美1), 佐藤正和1), 田中慎一1), 小嶋健太1), 蜂須賀 幸1), 田母神佐智子1), 有江啓二1), 高畑浩之2), 寺本典弘2), 西村理恵子1)

一般演題1) 女性尿道に発生した明細胞腺癌の1例

【はじめに】尿道に発生する悪性腫瘍は比較的稀で,大部分は扁平上皮癌である. 尿道腺癌は,大部分が女性の尿道憩室由来明細胞腺癌である.稀だが,特徴的な細 胞像・臨床像を持ち,診断価値が高い.尿道原発の明細胞腺癌を経験したので,そ の細胞像を中心に報告する. 【症例】60歳代女性.子宮頸癌の既往歴あり.膀胱炎,過活動膀胱の治療中,排尿 障害,肉眼的血尿のためにうけた膀胱鏡検査で尿道腫瘍を指摘された.尿細胞診で は明細胞腺癌が疑われた.それに対し,当院で経尿道的尿道腫瘍切除術,続いて膀 胱尿道全摘+回腸導管術が施行された. 【尿細胞所見】クロマチンが増量し明瞭な核小体を有する異型核と泡沫状淡明な胞 体を有する異型上皮が小乳頭様集塊状や散在性に認められた.背景には基底膜物質 が認められた. 【組織所見】淡明な胞体と核小体明瞭な異型核を有する細胞がtubulocystic~low papillaryな構造をとって増生する典型的な明細胞腺癌であった.膀胱頚部・尿道 中部・膣周囲に進展していた. 【結語】本症例の細胞像は,反応性尿細管上皮細胞や腺様分化を伴った尿路上皮癌 細胞との鑑別が必要である.反応性尿細管上皮細胞の細胞集塊とは強い細胞異型を 有する点で,尿路上皮癌細胞とは基底膜物質や明瞭な核小体などで鑑別が可能であ る.尿道原発の明細胞腺癌に遭遇する機会は少ないが,特徴的な細胞像により,尿 道を好発とする明細胞腺癌を推定できれば,早期に正診に至ることが可能だと思わ れる. 【はじめに】前立腺癌は尿道から離れた外腺から発生することが多く,尿中に癌細 胞が出現する頻度は低い.しかし,膀胱壁へ浸潤した場合には尿中に癌細胞を認め ることがある.一般的に前立腺癌細胞は大型で著明な核小体を有するが,膀胱原発 尿路上皮癌症例でも核小体の目立つ異型細胞を認めるため,これらの鑑別に苦慮す ることがある.そこで,核小体所見により前立腺癌細胞と尿路上皮癌細胞の鑑別が 可能かどうかを検討した. 【方法】過去2年間の前立腺癌膀胱内浸潤症例8例(前立腺癌群)と,膀胱原発尿路 上皮癌尿細胞診材料で明瞭な核小体を認めた症例(核小体の目立つ尿路上皮癌群) について,1症例50個の腫瘍細胞の核小体と核面積を計測し,円相当径(直径)に 換算,核小体/核比(N/N比)を算出した.計測にはニコン製画像解析ソフト (NIS-erements),統計解析にはMann-WhitneyのU検定を用いた. 【結果】前立腺癌群は全例で明瞭な核小体を認め,その核小体面積は中央値2.7μ m,N/N比は中央値33.8%であり,核小体の目立つ尿路上皮癌群に比べて有意に大き かった(p<0.0001). 【考察】尿細胞診において尿中異型細胞の核小体の大きさに注目すれば前立腺癌を 見つけるきっかけになる.しかし,尿路上皮癌細胞の中には前立腺癌細胞と同程度 の大きさの核小体を有するものがあり,これらの鑑別にはN/N比が重要であった (特にN/N比30%以上). 【まとめ】尿細胞診材料における前立腺癌細胞と尿路上皮癌細胞の鑑別には,N/N 比が有用であった.

(4)

一般演題3) 子宮頸部大細胞神経内分泌癌の細胞像の検討

四国がんセンター 婦人科1),同 病理科2),同 臨床検査科3) ○楠本真也1),大亀真一1),山本弥寿子1),白山裕子1),竹原和宏1),松田奈美3),小 嶋健太3),蜂須賀 幸3),田中慎一3),田母神佐智子3),佐藤正和3),江啓二3),高畑 浩之2),西村理恵子3),寺本典弘2),野河孝充1)

一般演題4) LBC(ThinPrep法)標本作製時の精度管理 -標本の再作製を

中心に-

愛媛県総合保健協会1), 奥島病院2) 尾﨑翔子1), 武井 彩1), 藤田泰吏1), 高橋若菜1), 金子真由美1), 深田千尋1), 佐伯 健二1), 池谷東彦1), 日浦昌道2) 【はじめに】当協会は,平成25年度からLBC(ThinPrep法)を導入,子宮頸がん検診 を実施している.適切な標本を作製し,精度向上を図るため,必要に応じて標本の 再作製を行っている.今回,再作製前後における標本の検討結果について報告す る. 【方法】平成26年5月から10月の間にThinPrep法にて38,282例を実施,このうち54 例(約0.14%)について標本の再作製を行った.再作製依頼時,検体の性状,年 齢,月経に関する情報を明記した依頼書を確認し,CytoLyt処理の有無,出現細胞 量の変化,質的な細胞判読などを含めた観察状態の改善について記載した.今回こ れらの記載情報に関して評価を行った. 【結果】再作製検体54例の検体内訳は,①血性検体は14例(25.9%)で再作製にて 10例(71.4%)に改善を認めた.②粘液検体は15例(27.7%)であり,再作製によって 10例(66.6%)に改善がみられた.③出現細胞が少数であった34例中,血性検体5 例,粘液検体6例に大幅な改善を認めたが,4例については再作製による効果はみら れなかった.④異型細胞が出現していた14例において,再作製によって7例に質的 または量的に細胞所見の有益な情報が得られた.また,血性検体1例,粘液検体1例 のいずれも効果が認められた. 【まとめ】LBC(ThinPrep法)の利点として,再作製時に標本,ボトル内を十分に観 察し,血液,粘液性状に配慮した的確な処理を行うことによって,量的,質的に良 好な出現細胞が得られる頻度が高い.追加情報を得るための適切な標本作製は細胞 診の精度管理に大いに寄与できると考えられた. 【はじめに】子宮頸部大細胞神経内分泌癌(以下LCNEC)は子宮頸癌の1%以下とさ れる稀な疾患であり,細胞像についての検討は少なく細胞診判定は困難である. LCNECの細胞診従来法1例とLBC法1例の細胞像を比較検討した. 【症例1】66歳,帯下異常と腰痛,体重減少を主訴に受診した.細胞診(従来法) では,核線を伴う壊死性背景にN/C比が高く,裸核状も呈する腫瘍細胞が孤立散在 性~小集塊状に出現し,索状配列もみられた.大小不同な類~楕円形の大型核を認 め,クロマチンは粗顆粒状であった.細胞質内にはライトグリーン好性球状物質を 認めた. 【症例2】60歳,不正性器出血を主訴に受診した.細胞診(LBC法)では,背景に核 線や壊死物質は認められなかった.クロマチンが粗顆粒状に増量した大型核をもつ 腫瘍細胞が,軽度の重積を伴い集塊状に出現していた.細胞質はライトグリーン好 性で顆粒状,レース状であった. 【まとめ】LBC法では背景などに違いがみられるが,クロマチンを含めた核の所見 や細胞質の性状,細胞質内球状物質などの細胞像を理解することでLCNECを推定す ることは可能であると考える.

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愛媛県立中央病院

前田智治, 森田 渚, 加藤真紀子, 高石裕子, 篠崎理恵, 兵頭直樹, 井上信行, 木 下幸正, 高石 修, 木藤克己, 杉田敦郎

【はじめに】乳腺細胞診従来法と液状細胞診(Liquid Based Cytology,以下LBC) の比較を行ったので報告する. 【対象と方法】10年7月~14年5月の乳腺穿刺細胞診(1000件)について,すりあわせ で従来法標本を作成後,注射筒をLBC固定液で洗浄するスプリットサンプル法でLBC 法標本を作成し,従来法とLBC法は別個に細胞診判定した.両者の細胞診判定の 差,相関を検討した.また,従来法とLBC法の細胞像を比較検討した.必要に応じ てLBC-p63免疫染色を施行し良性悪性の鑑別に有用かどうかも検討した. 【結果】1000件中,検体不適正は従来法178件,LBC法396件で,LBC法で検体不適正 が多いのは,従来法作成後の材料の為であると考えられた.従来法,LBC法ともに 検体適正で,組織が確定した症例は309件(悪性279件,良性30件)であった.LBC 法は従来法と比較し,良性病変を悪性に,悪性病変を良性に誤判定した数が多く, 両者の相関ではLBC法はやや低めに判定していた.細胞像に関して,LBC法では核は やや濃縮・収縮ぎみであるが,核形不整は保持された.大集塊は少なくなり,悪性 病変では孤立散在性細胞が多くなった.壊死背景は存在するが,壊死が軽度の場合 は分りづらかった.LBC-p63免疫染色で筋上皮は明瞭に染色され,悪性ではp63陽性 細胞クラスターが有意に少なかった. 【まとめ】従来法とLBC法の細胞像に大きな差異はなかったが,LBC法は従来法より ややUnderdiagnosis傾向があった.LBC-p63免疫染色は良性・悪性の鑑別に有用と 考えられた.

一般演題5) 乳腺細胞診従来法と液状細胞診の比較

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市立宇和島病院 診療部 臨床検査科1),同 病理診断科2) 菅 恭弘1),中川健司1),伊井喜美代1),中西 護1),松影昭一2)

シンポジウム

テーマ 「各施設における術中迅速細胞診の現状および症例提示」

コーディネーター:松影昭一・中川健司

まえがき

 

術中迅速細胞診は文字通り,術中に行われる迅速細胞診で,病変の有無や組織型の推定

(迅速組織診の補助的な役割も含む),腫瘍の進行度を判定する上で重要な役割を果た

しています.現在,各施設では,脳組織,肺,胸水,腹水(消化管および女性生殖器

系)などの迅速細胞診が行われており,手術をする上で必要かつ有用な情報を臨床医に

提供しています.そこで,今回のシンポジウムでは,実際に術中迅速細胞診を行ってい

る各施設における迅速細胞診の取り組みを,演者にご発表いただく予定です.また,各

部位の術中迅速細胞診の代表的あるいは貴重な症例を提示していただき,術中迅速細胞

診の細胞像について理解を深めたいと思っています.

シンポジウム1) 脳腫瘍の術中迅速診断の現状

脳神経領域における術中迅速診断は,腫瘍の種類,切除範囲の決定や術後の治療 方針などを決めるうえで重要な役割を持っている.この術中迅速診断は,凍結切片 作製による方法が一般的に行われている.しかし,脳腫瘍の術中に提出される組織 は微小であることが多く,またアーチファクト等の影響で診断するには標本として 十分でないことが多い.そのため,術中迅速診断の際に補助的な方法として細胞診 の併用が試みられている. 当院では2003年より術中迅速細胞診診断の併用を取り入れており,このうち2012 年1月から2014年10月までの約3年間に術中迅速診断を行った38例について見直し検 討を行った.

最終組織診断の内訳は,meningioma 12例,glioma腫瘍 8例,metastatic carcinoma 6例,schwannoma 4例,pituitary adenoma 4例,腫瘍所見なし(血腫 など) 4例で,迅速診断との一致率は86.8%であった. 標本作製方法は,術中迅速診断用に提出された組織の一部を1mm程度に切り取り, 捺印・圧挫標本を作製しPapanicolaou染色を行った.残りの組織は,アセトンを使 用した凍結切片を作製してH・E染色を行った.また,パラフィン包埋の永久標本も 作製した.今回のシンポジウムでは典型的な脳腫瘍の組織像および細胞像を提示す る.術中迅速診断の補助診断として細胞診を併用することが,より正確な診断のた めに有用であり,今後,他の診断困難な領域にも応用を行っていきたい.

(7)

シンポジウム2) 肺腫瘤の術中迅速細胞診

松山赤十字病院 病理診断科部1),同 呼吸器外科2) 窪田裕美1),門屋孝志1),吉田彩乃1),坂本真吾1),本吉知里1),三好陽子1),古本好江 1) ,高石治彦1),飛田 陽1),大城由美1),伊藤謙作2) 松山赤十字病院 病理診断科部1),同 呼吸器外科2) 門屋孝志1),窪田裕美1),吉田彩乃1),坂本真吾1),本吉知里1),三好陽子1),古本好江 1),高石治彦1),飛田 陽1),大城由美1),伊藤謙作2)

シンポジウム3) 胸水・胸腔洗浄液の術中迅速細胞診

当院では肺腫瘤の術中迅速細胞診として,術前に良悪の確診に至らなかった症例 の術中穿刺吸引細胞診を行っている.目的としては1)良性悪性の確定,2)組織 型の推定,3)原発か転移かの鑑別などが挙げられる.通常は迅速組織診が優先的 に施行されるが,部分切除術が困難な症例や,部分切除術に時間がかかりそうな症 例(高度癒着など)に施行されている. 今回は2011年1月から2014年10月に施行された43例を検討した.採取された検体は 吹き付け法や合わせ法,またBDサイトリッチレッドTM保存液での注射器洗浄による LBC法で標本作製し,パパニコロウ染色とDiff-QuikTM染色にて判定・診断をした. 結果は陽性(悪性,悪性疑い)33例,陰性4例,鑑別困難5例,検体不適正1例であ り,偽陰性1例が生じた.(感度86.8%,特異度75%,正診率85.7%)鑑別困難と した症例は4例が肺腺癌,1例が結核症と術後組織診で診断された.また,陽性例に おける組織型一致率は腺癌18/20(90%),扁平上皮癌5/7(71.4%),LCNEC0/2 (0%),転移性肺腫瘍2/4(50%)であった.当院の課題は比較的細胞異型の弱い 肺腺癌と転移性肺腫瘍の診断精度向上にあると考えたが,時間的制約やプレッ シャーのもとでは細胞診のみでの判定には限界を感じる症例も少なからずある.術 前に臨床情報や画像診断などを得ておくことや臨床医とのコミュニケーションが重 要と考える. シンポジウムでは術中診断困難であった肺腺癌,転移性肺腫瘍,結核症などを提 示する. 胸水や胸腔洗浄液の術中迅速細胞診では,悪性細胞の検出が目的であり,完全切 除の可否の判断のため重要である.当院呼吸器センターでは悪性を認めた場合は縮 小手術に変更し,術中に胸腔内抗癌剤投与を行っている. 今回は2011年1月から2014年10月に施行された34例を検討した.採取された検体は 引きガラス法およびBDサイトリッチレッドTMによるLBC法で標本作製し,パパニコロ ウ染色とDiff-QuikTM染色にて判定・診断をした.診断結果は陽性5例,陰性26例, 鑑別困難3例であった.陽性症例の内3例に胸膜播種,2例に胸膜浸潤を認めた. 組織型は腺癌4例,混合型小細胞癌(小細胞癌+腺癌)1例であり,全例に胸腔内 抗癌剤注入療法が施行された.鑑別困難とした症例は1例が異型細胞が少数であ り,他2例は腺癌と反応性中皮との鑑別が困難であったが,術後に免疫染色を追加 検討した結果,反応性中皮と判定した.シンポジウムでは腺癌と混合型小細胞癌な どを提示する. 術中迅速細胞診では診断精度だけでなく,標本作製技量が診断に大きく影響す る.短時間でいかにアーチファクトのない,剥離の少ない標本を作製するかが重要 なポイントである.BDサイトリッチレッドTMを使用したLBC法は,溶血作用を有して いる固定液での処理や荷電を利用した重力沈降法により,腫瘍細胞を良好な状態で 保持し,かつ効率的に集細胞ができる点で優れている.当院でも2010年から活用し ており,運用方法と有用性を紹介する.

(8)

愛媛県立中央病院 兵頭直樹,森田 渚,加藤真紀子,高石裕子,篠崎理恵,井上信行,木下幸正,高 石 修,木藤克己,杉田敦郎,前田智治

シンポジウム5) 婦人科領域における腹腔洗浄細胞診

田中慎一1), 佐藤正和1), 松田奈美1), 小嶋健太1), 蜂須賀 幸1) , 田母神佐智子1) , 有江啓二1) , 楠本真也2), 山本弥寿子2), 大亀真一2), 白山裕子2), 竹原和宏2), 野 河孝充2), 高畑浩之3), 西村理恵子1), 寺本典弘3) 婦人科領域における術中細胞診は,進行期分類に重要であり術後の治療法の決定 や予後推定にかかわる.子宮体癌における予後因子としての重要性は諸説が有り, FIGO(2008)以降,進行期分類 ⅢA期から腹腔洗浄細胞診の結果は除外された.しか し,全症例に腹腔洗浄細胞診結果の記録が義務付けられている. 2011~14年11月現在における当院の術中洗浄細胞診検体は2201例であり,婦人科 領域は559例である.婦人科領域の術中洗浄細胞診陽性率は11%(子宮体癌25例, 卵 巣癌25例, 腹膜癌6例, 転移癌3, 計59例)であった. 腹腔洗浄細胞診陽性となる要因として癌の直接浸潤や腹膜転移以外に,子宮体癌 の場合には経卵管的遊出がある.経卵管的遊出は,悪性腫瘍の進展経路であるのみ ではなく,非腫瘍性内膜細胞が腹腔に現れる原因となる. 当院の子宮体癌手術症例において,卵巣転移(-), 腹膜播腫(-), 進行期分類pT1~2 症例における術中洗浄細胞診陽性は12例であった.

当院では,疑わしい症例に対し免疫染色(ER, CD10, Ber-EP4, MOC31)を行ってい る.臨床的,組織学的に腹膜播腫(-)と判定された症例でもBer-EP4(+), MOC31(+) 症例が60%(9/15)あった.これらは経卵管的に遊出した悪性細胞または良性内膜細 胞,もしくは内膜症に由来の細胞と思われる.これらを鑑別するためには細胞像と 免疫染色を合わせて判定する必要がある.当日は症例提示と共に,経卵管的に遊出 した細胞と播腫巣由来の細胞の形態学的鑑別点について報告する.

シンポジウム4) 消化管・腹腔洗浄液の術中迅速細胞診

四国がんセンター臨床検査科1), 同 婦人科2), 同 病理科3) 術中迅速診断は,従来より凍結組織薄切標本による組織診断として行われており, その方法や有用性についてはすでに確立されたものとなっている.近年,細胞診断 においても同様に,組織を凍結する過程で生成される氷結晶の影響を受けないこと や,薄切標本の作製が困難な微少材料や液状材料にも応用可能な利点があるため, 術中迅速細胞診断は術中迅速組織診断の補助的診断方法にとどまらず,相補的診断 方法として施行され,その重要性が広く認識されている.さらに,2010年4月の診 療報酬改定では,第13部病理診断の項目として,術中迅速細胞診(1手術につき) 450点が新規収載され,細胞診断料の対象にもなっている. 当院では2007年4月以降,子宮頸部材料に対して液状細胞診 Liquid-based cytology法(以下LBC法)を導入しており,現在では術中迅速細胞診標本の作製に も,これまでの引きガラス法(Wedge法)やすり合わせ法などからLBC法に変更し, その方法はBD SurePathTM法(日本ベクトン・デイッキンソン社)の用手法で実施し ている. そこで今回,当院の術中迅速細胞診の実施状況を提示し,標本作成方法の技術的 な事項を紹介し,合わせてこれまでに経験した症例を報告する.

(9)

特別講演

乳腺細胞診の現状とこれから

久留米大学医学部附属医療センター 臨床検査室・病理診断科 山口 倫

乳腺細胞診数が減少していると言われて久しい.この理由のひとつとして

針生検が普及し,得られる検体材料でホルモン受容体や HER2 の蛋白・遺伝子

の発現を見るようになったことが挙げられる.さらに乳腺領域の臨床の現場

において細胞診は鑑別困難率が高いと思われがちであり,信頼度も低下して

いる印象を受ける.このような状況の中,乳腺専門病院では乳腺穿刺吸引細

胞診の機会が極めて少なくなったが,一般病院での乳腺細胞診数はさほど減

少しておらず,現在でも多数例を経験する診断者も少なくないと思われる.

2010 年から 2012 年に,日本臨床細胞学会において本邦の乳腺穿刺吸引細胞

診の精度に関するワーキンググループ (WG) が設置された.私は委員として

診断成績・精度の検討に携わる機会を得た.その結果,本邦の乳腺穿刺吸引

細胞診の精度は外国のデータと比較しても高く,十分に信頼性のある検査と

考えられた.一方で誤陽性や誤陰性も少なからず存在し,100%を保証される

ものではなかった.こうした事実を法曹界や国民に開示することは,日々診

断する立場である病理医や細胞検査士の皆様にも有用であったと考えている.

本邦のラージスケールの検討より得られた知見についてお話ししたい.

また乳腺分野は日進月歩で変化している.時代の流れとして,細胞診を含

めた病理診断も求められる形が変わっていくと思われる.通常の診断法とし

ての乳腺細胞診から今後の役割についても簡単に述べてみたい.

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