北海道東部地域に適応するアルファルファ品種の生 育特性
その他(別言語等)
のタイトル
Growth characteristics with reference to adaptability of alfalfa (Medicago sativa L.) varieties in eastern Hokkaido
著者 堀川 洋
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 15
号 1
ページ 69‑74
発行年 1986‑11‑30
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002097/
帯人研報Ⅰ.15−1(1986):69〜74.
北海道東部地域に適応するアルファルファ品種の生育特性 堀 川 洋*
(受理:1986咋5月31日)
Growth charactcristicswith reference to adaptability of alfalfa(Medicago satiua L.)varieties
in eastern Hokkaido
YohIIoRIKAWA
要 員
北海道東部地域に適応するアルファルファ品種の鞋育特性を明らかにするために.北海道の 新旧奨励品種および外囲導人品種について春〜秋の生育期問における生育特性および除雪条件 下での耐凍性を調査した。
従来の空前品種は春〜秋の生育か供試品種の巾で最も優れていたが,耐凍性ほ新品掛こ比較 して低かった。一方,新品種のキクワかパわよぴサイテーションは春〜秋の生育が従来の品種 と同程度であったが,耐凍惟は一水準高いことが認められた。Lたがって今乱新品樺の普及
により凍害危険地帯においても安定的な栽培が期待される。
〜4年くらいに関れば北海道で最も多収を示す品穏で ある。しかし.これらの品種ほいずれも道東では各期
間め厳しい寒さのために冬枯れ被寓を受けることが多
く.永続性に欠けることから,現在のところ安定的栽 培は困難である。したがって.道東では従来に比べて 耐寒性が優れ.かつ多収である品種の出現が強く望ま れている。
本試験では.従来の背及品種と昭和58年以降優良 品橿に指定された品種に加えて.カナダより璃人され た品種を用いて,それらの生育特性を比較し.道東地
域の栽培に適した品種特性の検討を行った。
材料および方法
1.春〜秋の生育特性の品種間差異
緒
北海道への7ルファルファの導入の歴史は古く,そ
の間数々の優良品種が選定されてさた。従来よりアル
ファルファは品質一収量ともに優れたマメ科牧草であ
るとの評価を受けながらら,特殊な自然条件に対応し
た郵培および利用技術の開発が連れ栽培面積は期待
されたほどには伸びなかった。しかし,最近の乳牛の
資質向上に伴う射料構造の変化と濃度飼料価格の不安
定性に加えて,栽培・利用技術もほぼ確甘したことに 上り,アルフ7ルファは再び柱日を集め,その栽培面 積桂増加しつつある。
従来の北海道奨勒・準奨励品種は,いすれも鈴木ら丁)
の品倭群別によるとⅢ群に属しており,栽培年限を3
■ 嵩広畜産大学草地生産学研究篭
LaboratoTy t)f(ユrEISSland Production,Obihiro Univf}rSityofAgricultureanLiVeteTlnaryMedi−
cine,Obihiro,Hokkaid(う,∩80,J8p8n.
堀 川 洋
表1.調 査 項 目 7(l
調 査 年 月 日
調査項R
草 草 ヰ の の
草草専再収秋 勢型丈長量文一
85.5.10 85.7.3
(1)き6.5.10
(1)85.7.10
(1)85.7.$
(1)85.8,胡
(2)敗5.24
(2)85.8.23
(2)85.8.16
(2)毎.9.14
(3)85.6.7
6 4
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1
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5 5 0U <8
3 3
供武村料は裏2に示した1丁品種である。これらの
・tlには、既に鈴木ら7)陀より品種群別がなされてい、る
ものの他に∴最近北海道の健良品種に指定されたも軋
もよぴかナダより導入された品種が含まれている。
試験は帯広畜産大学附属構密圃場の2年目草地で行 った。試験区の構成は,各品種につき畦陳如叩㍉畦 長2emの条抒で3畦よりなる乱塊簸2反復である。
施肥量は春尭と各刈取り後iこ,N,K20,P20らをモ れぞれ0.2.0.7,1.2kg/a施用した白
寿一秋の生育特性の調査は,表1に示した項目につ いて行1た8親密後.全項目の芙測値を1−5(劣〜
曖)の分級点数にお貴かえ,各品慮についてそれらの
平均値を土壌凍結地帯における生育特性の指数とし
た。
彗.除雪条件下にぉける耐凍性の品種間差異 横試材料には北海道優良品種と比較のためにⅣ.Ⅴ 群品種を含めて計6品種用いた。試頗区は1g鋸年6 月中旬に造成し,冬期間無処理の概雪区と降雪ととに 降雪を行った除雪医をそれぞれ2反復設けた。積雪区
と除雪区における冬期間の土壌凍結深および稽雪深の
推移は,メチレンブルー凍結深度計6)を用いて測達した。
除雪区にお炒る冬期闇の材料の採取は小型電動掘削
機を用いて,1984年12月中旬,1985年1月中旬およ ぴ3月初旬のS回行い.それぞれ各品種fこつ、き約30個 体採取した、。これらの材料を10〜2さ■Cの箋内で2週
間席乾させ≠各品種の生存率を魂蓋した。
結 果
1∫ 春〜秋の生育特性の品種間差異
呑ん秋昭唾青侍性の謝査結果は表2に示すとおりで ある。これら′の実動値杏全調査項目について1〜5(劣
〜優)の分観点敷におきかえ,それらの平均値を土壌 凍結地域における各品種の年育指数とし,表3に示し
た。
義3によると.従来の品種群別で生育型Ⅰ群および 江群l乙属する品種は筆勢,蕃の草丈,一番草の収量な どの分観点数が低く,春〜初夏の生育が特に劣ってい
七。これほ明らかに越冬新聞申の寒さの故事によるこ とを示している。現在北海道で広く利用されている皿 群品種はいずれの項目についても高い値を示し.料簡
の比較でも最高の指数を得ている。したがって,乙れ ら′の品種は寒冷地で最多収を示すことを表わしでいるb
Ⅳ,Ⅴ群の品種は秋の生育が著しく∴劣る特徴を示し尭 が,これはこれらの品種の強い耐寒性と関連した初秋
の短日低湿条件に対する休眠反応によることを表わし
ている。また.新たに北海道の奨励・準奨断種に拇
足されたキタワかヾとサイテーションは従来品痙のヨ
ーロッパにほぼ近い生育特性を持って串り.ソアおよ
ぴサラナックより高い梅数を示した。
図1に従来の暖地における群別指数と帯広における 生育指数の関係を示したが,品種群の生育反応には環 境との相互作用が明らかに存在し,寒冷地では皿,Ⅳ
群品種が高く評価される傾向がみられる。
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●● ●
・・・︹﹂
園⁝
闘凶
ト ↓︳‖
Ⅰ 山 川 Ⅳ Ⅴ 冒■脚絆別
図1.従来の品種群別と帯広に
おける壕育指数の関係
図.●:愛知,帯広における生育指数
アルファルファの生育特性 Tl 蓑2.生育特性の調査結果
8.7 32.3 35,3 a)1〜5=劣〜優,b)1〜5;葡旬〜直立,C)条挿50cmあたりの収量.
表3.分級点数と生育指数
斗
ー71
72 姫 川 洋
牲をもつ品種檻はノ,いずれも寒さぬため陀枯死する顧 捧はみられなか−プたり=子中旬め帯果でほ耐凍怪め野 間ならびに払垣間義患が願書ほ発現し,普及毒如法 揮率はソアでは糾軌ヨ一口・㌢メヾで富ま違5酵で奉ったの に対Lて,Ⅳ・Ⅴ群論種では75照以⊥の窪奔率を潰し た。また,新品種キ身ワかヾめ生存率練薇乳:さら紐 サイテーショプは私財と高い値を示し,乞れち潜轟種
は磁束めこ品種に此ペて明ら、料∈届さ康隆惑星高いことゐ貴誌 紛ら穐たd き月上旬鱒紆架で払いず約め品種障彩いて
も凍害がきら紅蓮み,金庫吋に生存率施嘩ゃした級 耐雄性の品種隈差異噂1月中旬沿領櫛と同様漆轟ウ‰
考 察
最乱 アルファノ血フ㌢′の飼料価値が見直さ乳,塗潰 鞘乙栽培両軸i急激に増師射る廠向がみられる‖うやと くiと調達.上J≠.宗谷否め伸掛こは象し頼幽紗壌&
一方.卜勝は昭和54年まで抜道肉でも車夫の栽培絶 域であったが.その後全道の叡勧紅反して裁感面横凝 伸び悩んでいる。こめ靡因を挟冬ため昭和55∵年か与 小松ら2・卵ほよ凍十勝管内の袈能瀬鎧が逢ぬられで蓉 た結果,当機域めアルタアルファ栽培にとっで最大野 間窺は冬期気象条件と密蝮に関連した冬格和であり,
夢雪地帯では雪腐れ病.また寡雪で土壌凍結が廉くÅ
る地帯では凍割こよることが明らかに蕃教た。このう ち,凍害瞳よる冬枯れ紘植物個体の姑威擾まね善,草
地拍荒廃にづながるために栽培Lとくに事大な問題で あるA 5)。
と乙ろで、引花北海道で広く普及している品痩はも、
ずれもⅢ群iこ属してお短,これらめ耐寒性は中程度で,
その品樽簡差異ら棲めてノトさい。,Lかしながら,現状
でほ凍害の危険地帯においてもこのよう郎民られた品
穐を任用しなけ才tばならないので.栽培Lの不安定性 は抑肖ごされていない。このようぢ品種選択の条件下で,
業際転は十勝宮内で庵腐堪土壌凍結が深く人る地膚で
は⇒一日㌣揉を栽増している例が多い。この理由とし て勘本式廟で示されたように.現在最′も普及してい
覇シアよりヨ←ロッノ勒万が耐硯性が高いことによる
ものと考え隠れる。.また,これらの品種陀比べて昭和 58年以藤新た忙優良品衝こ得定されたキタワか唖よ
ぴサイテーションは耐凍性がこ一水準高いことか認めら
れた8 これは,キタワ、九パめ帝稀母材の巾にほ道内の
永年生存扱が含まれでいることう・りまたサイテーショ
y様系統適応性換定試験結果から常葉および十勝地域 2.耐凍牲の品種間差異
冬期間の績雪深と土壌凍結深の推移を図よ挺戎LたF 試革年の根雪始めは例年より若干連れ.鏡雪潮間は1 月11日〜3月31日までであり,2月下旬には最高55 cmの積雪を記録した。土壌凍結深は横雪灰では、2月 場降はぼ甜£mで安定していたが,除雪区では:ま月 中句まで凍結が進み.最高は85.5cm に達した。
除雪区における冬期間の各品稀の生存率の推移を図
3iこ示したd12月小旬の調革では普及品樫以⊥の耐寒
亡¶)
国2.嶺彗区と除雪区盲こお軋る碩琶深
と土壌凍結深心推移
肌′】T lノ・′少 ■■■(′㌧4
国3.除雪区にキ軽量生存率粉撹稲
(品格名)1ニッア.2:ヨーロ′・ガパ,
茅:キタワカ′ずれ 4:サイテ ージ討γ.、5:ナラガ∨㌢セッ
ト.6ごグリム.
一7老−
アルファルフ7の生肯特性 73
での適応性がソアより高いこと10)を反映しているも喝 と考えられる。去た,アルファルファに耕ナる耐凍性 の品種間差異については,−ほ℃で16時間凍純処理
した実験においても,本試験の除雪処掛こよるのと一 致した結果が得られている1)。.こ即ように新品種は耐 凍佐が優れていること捌‖えて,表3で明らかなよう に,土壌凍結地域蓼こおいても春〜秋の生育が従来狩普 及品樫鑑匹敵することが認められた。Lたがって−今 後こ、れらの品種が実際栽堵に移されるならば,凍害危 険地音でも多収で,魂底よわも安定した栽培が可隠に なる壷)のと考えられる。
数理前より十膠管内の積雪渓と土壌凍結深の異なる 地帯で品種適応セヒ試験を行っているれその観察によ
ると,占占樺特性は生育年頃が腐む、ほど明瞭となり,凍
害危険地帯ではサイテーションやⅤ群のグリムの草勢
が明らかに優れているが.多雪地帯でほ従釆の品種が 好成嶺提示している(未発表)。
このように,アルファルプァ品確箕地域適応性はと くに冬期襲象条件と蜜蜂な関知i認められるので,今 後の栽培にあたっては地域性を巨分考慮に入れて.島
地観に適応するぷ稗を占め細かく堵粥する必要がある
ものと考えられる。
謝 辞
本試験の実施にあたり,終始,多大な御協力をいた だいた戴野あかぬ捷出撃く勧礼申し上げますd
引 用 文 献
1〕姐Jl猟十谷富士夫,丸山練乳小松輝行(1985)
アルファルファ品種の耐凍性.日章詳31(別).
7〔ト7】.
2)小松輝行(i鍵5)アルフγJレフプの冬枯れと刈取
り管理.飼料作物のすべで(言問・飯田監),78−
乳 デーリーマン社.札幌.
3)KoMATSU,Tりノ.MARUy′AMA.Y.1loRIKAWÅ anンd F.TsucHIYA(19鵬)Wht即injuly8f
81一山fa(肋d;mg¢印卸αL.)insoilfreeヱing
良reair)tJapaれ.Interh.Gr8SSl.Congr.XV.
βち8−8隠.
4)McKENZ崎tJ.S.象ndG.E.M、c工.EAN(1980)
Cl】angeSin tI18COld hardipe8S Of射faげa 血rirlg five con≦8Cuti托 Winters at
B8aVerlロdge,Alb如a.Can.J.P】ant Sci.
(札70呂一712.
5〕SMIT恥じ.(1975)For鍾ge丸′tanagBmentin TlleNQr蝕(3rdediti勇一l〉.p.23「.KEⅣ○ÅLlノ/
ⅠIUNT,Pub.Com.】0¢卑.
め杉信賢一,庭木芳弘.松浦正宏(1980)北海道塵
よび雫北地方から収集したアルファルプァ永年生
存株の特性と育樽約意象口勤志払1¢9−118.
7)鈴木信軋稲錬 廷,桜井際雄(19野)アルファ ルファの填育特性による品種群別.臼革誰15,
38−41.
8)土谷宮士気丸山組孝,小松輝紆,及川 博(1984)
十勝地方におけるアルファルファ草地の土壌凍結
分布と気象的特徴.、北草研報18,169−1√粗.
9)椎田精一■ら(1985)アルファルファの新品種「キ タワカバ」の育成とその特性.北恵試新報 ユ48,
1−21−
10)北海道牧草優良品種の解説(1細5)北農研究シリ ーズⅠⅩ.北農会.礼儀.
け)」ヒ海道農務部酪農草地乱草地開発及び痴料作物 関係資料(昭和60年3月).
凱mm且ry
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