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骨再生用ポリマー/バイオセラミック複合多孔質材 料の創製と評価

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

骨再生用ポリマー/バイオセラミック複合多孔質材 料の創製と評価

ヨス, ファニー

https://doi.org/10.15017/1470616

出版情報:Kyushu University, 2014, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

氏 名:YOS Phanny

論文題名:Development and characterization of polymer/bioceramic composite porous biomaterials for bone tissue engineering

骨再生用ポリマー/バイオセラミック複合多孔質材料の創製と評価 区 分:甲

論 文 内 容 の 要 旨

骨の再生医療では、scaffoldと呼ばれる多孔質材料を細胞培養の足場とし、一定期 間細胞を増殖させた後で、体内の骨損傷部位に埋植する治療法が検討されている。生 体骨と同等の骨再生能を有する再生培養骨の確立を目指して、主に生体適合性高分子 とバイオセラミックスを複合化した scaffold に関する研究が進められており、

scaffold の構造と物性、および生体内での骨組組織形成能などが主に研究されている。

しかし、再生培養骨は生体骨組織と同等の力学特性を持つことが望ましいものの、

scaffold の構造と力学特性の関係、および力学特性に及ぼす細胞培養の影響に着目し

た研究は少ない。

本論文は、ハイドロキシアパタイト(HA)を基材とした scaffold に2種類の生分 解性ポリマーを2種類の方法で複合化させた scaffold の作製法を確立し、その構造 と力学特性の関係について詳細に検討した。さらに、ヒト間葉系幹細胞を最長28日 間培養することで、細胞の増殖・分化および細胞外マトリックス形成挙動と圧縮力学 特性の関係について詳細に検討したものである。

1章では、研究の背景と目的について述べている。まず、骨の構造について説明し、

続いて骨特有の疾病について述べ、骨再生治療の必要性について説明している。現行 の一般的な骨再生治療について述べた後、組織工学に基づいた骨再生治療について言 及し、骨組織工学における scaffold と幹細胞の役割についてその重要性を指摘して いる。本研究は、このような背景の下、成分解性ポリマーと HA を複合化させた新規

複合系 scaffold の作製方法の確立と構造と力学特性の関係性の平価、さらに力学特

性に及ぼす間葉系幹細胞の培養の影響を明らかにすることを目的としている。

2章では、複合系 scaffold の基礎となるHA 単体scaffold の構造と力学特性に及 ぼす焼成時間の影響について述べている。焼成時間が増加するとともに結晶構造がよ り充で強固になり、結晶粒のサイズは増大する。そのような構造変化に伴い圧縮力学 特性が上昇することを見出している。また、最適な焼成時間として3時間から5時間 を提案している。

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3章では、HA scaffoldに2種類の成分解性ポリマー(PCLとPLLA)を2種類の方 法で複合化したscaffoldの作製法について詳細に述べている。ポリマーをHA表面に コーティングする方法と HA 多孔質構造内にポリマー多孔質構造を形成させる2相型

scaffold の作製方法を確立している。構造と圧縮特性の関係を詳細に検討し、さらに

破壊メカニズムと構造の関係についても言及している。ポリマーの含有率が低い場合 はコーティング型の方が高い力学特性を示すが、含有率が高くなると2相型の特性が 高くなることを見出している。コーティング型では HA 構造が破断後もポリマー相が 延性変形により荷重を支持するメカニズムを明らかにしている。また2相型ではポリ マー相の延性変形に加えポリマー多孔質相自体が荷重を支持するメカニズムを明ら かにしている。さらにラット骨髄由来間葉系幹細胞の培養系において、β-TCP微粒子 分散の有効性と巨視的な圧縮弾性率変化のメカニズムについて検討している。細胞数、

ALP 活性、骨分化マーカーの遺伝子発現量の測定と細胞外マトリックスの形成挙動の SEM観察を通して、 β-TCPを複合化させたことでscaffoldとしての剛性、構造安定 性が向上すると共に、細胞増殖・分化能も大きく向上し、コラーゲン生成とそれに続 きアパタイト形成により巨視的な圧縮弾性率が向上することを明らかにしている。

4章では、コーティング型と2相型の2種類のHA/PCL scaffold を用いたヒト骨髄 由来間葉系幹細胞の培養系において、細胞数と ALP活性の変化、圧縮特性に及ぼす培 養の影響について詳細に調べている。ともに細胞数は順調に増加し、細胞外マトリッ クス形成を示していることから、良好な生体適合性を確認している。また、細胞増殖 に伴い力学特性は上昇しており、細胞外基質形成による補強効果が重要なメカニズム であることを提案している。

5章は総括であり、本研究において開発したHA/PCL scaffoldとHA/PLLA scaffold の構造と力学特性の関係、ヒト間葉系幹細胞を用いた場合の力学特性の変化について 統一的に説明している。

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