Ⅰ.はじめに
厚生労働省の推計では、国内の糖尿病患者 は予備軍を含め2,000万人以上いる。平成26年 度の厚生労働省の「患者調査」によると、糖尿 病の患者数は316万6,000人であり、前回(2011 年)調査の270万から46万6,000人増え、過去最 高となった。また、今後10年間で約700万人に 急増すると試算され₁)、厚生労働省の「平成24 年 国民健康・栄養調査」によると、70歳以上 では₃人に₁人が糖尿病かその予備軍と考えら れている₂)。高齢者における糖尿病予備軍の増 加は、加齢に伴う耐糖能の低下が大きな要因と なっている。その機序として加齢によって変化 する種々の因子が関与しているが骨格筋の減少
と内臓脂肪の相対的な増加がインスリン抵抗性 を惹起する可能性が指摘されている₃)。とくに
₂型糖尿病の平均の診断年齢は50歳であるが、
20年後の70歳を過ぎると血糖コントロールのた めインスリン注射に頼らざるを得なくなり、今 後はそのような患者が増えていくと指摘されて いる₄)。
進行した糖尿病患者にとってはインスリンの 自己注射は欠かせないが、加齢に伴うに身体機 能の低下、合併症や他疾患の発症等により、高 齢者の持つインスリン注射を含めた自己管理能 力は次第に低下していく。具体的には、「視力 が低下し、注射器のメモリが見えない」「手の 巧緻性の低下、感覚の鈍化により針をつけたり、
注射の単位を合わせたりする動作が行えなくな
介護福祉士養成施設における医療的ケア枠拡大に向けた 教育のあり方
――糖尿病高齢者のインスリン注射支援から――
研究ノート
要旨:糖尿病高齢者の増加に伴い、インスリン注射を必要とする高齢者も増加している。
本研究は、介護職による糖尿病高齢者へのインスリン注射支援の現状を明らかにする中 で介護職による医療的ケアのかかわり方やその教育上の課題を明らかにすることを目的 としている。糖尿病高齢者、インスリン等をキーワードとし文献検索した結果、介護職 による糖尿病高齢者へのインスリン注射支援について論究された文献は₈件あった。本 研究により、介護職によるインスリン注射支援には諸相あること、在宅の患者や家族か らの強い社会的期待があること等が明らかになった。諸関係者からは単純に賛否を問う のではなく、幅をもった制度改革を望む声が多数存在した。いずれにしても糖尿病高齢 者のリスク管理と well being を確保するための支援のあり方は重要な課題であり、教 育上の課題についても大きなものがあることが明らかになった。
キーワード:介護職 インスリン注射 糖尿病高齢者 文献検討 支援
菅谷 洋子※₁ 西本 典良※₂
※₁※₂ 東北文化学園大学医療福祉学部保健福祉学科
る」「記銘力や記憶力が低下し、注射を打ち忘 れたり、打ったことを忘れてしまう」などがイ ンスリン療法の継続を困難にすることが指摘さ れている₅)。とりわけ、要介護高齢者で介護度 が高い人の場合、インスリン自己注射はほぼ不 可能に近いといわれている₆)。また、家族形態 の変化に伴い、高齢世帯や独居高齢者が増加し ている現状から、 家族のサポートが得られない 場合やサポートする家族自身も高齢である場合 も少なくない。また、それを補うために社会資 源の活用が考えられるが、訪問看護の利用には 経済的な負担が大きいことや事業所側の理由で 利用できない実情がある₇)〜₉)。
こうした現状の中で、平成17年12月、宮城県 の₃施設で利用者₆人に対して介護職員がイン スリン注射などの医療行為を行っていたことが 判明し、宮城県が改善命令を出した。また、平 成22年10月には、大阪で介護職員が糖尿病の入 所者に対するインスリン注射などの医療行為を
₇年間にわたり無資格で行っていることが分 かった。平成27年10月には、大阪の有料老人ホー ムにて、無資格で介護職員がインスリン注射な どの医療行為を行った等として医師法違反容疑 などで書類送検されたとの事件があった。
保住10)は、ドイツでは介護職による医療的ケ アに関するプログラムはより一層拡大する傾向 にあり、一定の条件下で注射も可能であるとし ている。看護師との若干の摩擦もあるが、医療 ケアの必要な高齢者の激増でそのようなことを 議論している余裕がなくなったとしている。
そこで、本研究では介護職による糖尿病高 齢者へのインスリン注射支援の現状を文献レ ビューを通し明らかにし、その背景や課題を整 理する中で、介護福祉士養成教育における教育 上の課題について論じたい。
Ⅱ.研究方法
₁.文献の検索方法
医学中央雑誌、CiNii にて、「介護援助、糖尿 病高齢者、高齢糖尿病患者、在宅高齢糖尿病患 者、インスリン、インスリン注射、訪問介護サー ビス、糖尿病患者の在宅医療、医療的行為に関
する認識」をキーワードとして2001年から2017 年までのデータを検索した。
₂.分析方法
文献の内容を精査し、介護職がインスリン注 射支援を行っている論文をピックアップし、研 究の動向を把握するために発行年ごとに文献を 分け、筆頭者名、表題、学術雑誌名、発行年、
目的、対象者等を列トピックスとしたマット リックスを作成し、文献内容を検討した。
Ⅲ.結果
各キーワード毎の検索結果を表₁に示した。
医中誌では17件検索されたが、介護職による糖 尿病高齢者へのインスリン注射支援について記 載されている文献は₅件であった。CiNii では 10件の文献が検索され、介護職による糖尿病高 齢者へのインスリン注射支援について記載され ている文献は₇件であった。また、医中誌と CiNii の同文献数は₅件11)〜15)であった。
こうして抽出した文献の中で、介護職による 糖尿病高齢者へのインスリン注射支援について 記載されている文献は₈件あった。当然現行医 師法においては介護職のインスリン注射は違法 行為である。また、インスリン注射を実施しな くても、介護職が目盛を合わせ、注射部位を指 定し、利用者に注射器をスタンプしてもらうと いったことでも厳密に言えば違法行為である
16)。そのため介護職による糖尿病高齢者へのイ ンスリン注射支援について記載された文献は少 なかったと考える。
介護職による糖尿病高齢者へのインスリン注
射支援について記載されている文献を表₂に示 した。また、検索された文献内容の類似性に着 目し、「糖尿病高齢者に対する介護職のインス
リン注射支援の実態」「介護職のインスリン注 射支援に関する見解」「介護職のインスリン注 射支援に関する教育等」に分け整理した。
₁.糖尿病高齢者に対する介護職のインスリン 注射支援の実態
介護職がインスリン注射に関わっているとし ている文献は₅件あった。
屋台17)は、介護職がインスリン注射を実施し ているケースを取り上げ、介護職員によるイン スリン注射のヒヤリハット体験として、「量の 間違い」や「二重投与」等、命にかかわるよう な危険な内容も見られたとの指摘もあり、介護 職は利用者の命にかかわる重大事故が起こりか ねない危うい状況の中で支援している現状がう かがえる。
また、介護職がインスリン注射を実施してい ないものの、様々な方法で支援していた実態が みられた。利用者がインスリン注射を実施する 際に「手を添える」18)ケースや介護職が見守り や注射準備19)〜21)・単位の確認・注射手順の確 認をしていた22)ケースも見うけられた。介護職 が注射に関する声掛けをしていた23),24)ケース や介護職の指示によって利用者が自己注射をし ていた25)ケースもある。
これらのケースの支援対象者の状況も様々で あった。視力障害が強く、単位が正確に合わせ られない。自律神経障害による嘔吐や不眠、水 分摂取不足による脱水、貧血や低栄養が見ら れ、薬剤の影響も受けやすく、日中一人で過ご すことや家族関係からくるストレス等で体調不 良に陥りやすく、精神状態の不安定のために自 己注射が困難となることがある糖尿病高齢者26)
や血糖の変動が著しく、多尿、脱水を起こし、
一時的に自己注射が困難となることも少なくな い。不眠や睡眠剤の影響で、朝はボーとしてい て注射の手技が困難なことがある糖尿病高齢者
27)等、症状が不安定な利用者への支援も行って いた。
また、介護職は看護職の指示依頼のもとでイ ンスリン注射を行っている現状28)が指摘され た。介護職へのインスリン注射の準備や見守り 等の支援の手順や実施方法は、家族や同僚29)・ ケアマネージャー30)からなされている場合も あり、介護職は医学的な専門的知識・技術を持 ち合わせていない家族等からの指示によって支 援を行っているという現状もある。
₂.介護職のインスリン注射支援に関する見解
屋 台31)は、 介 護 職 が「 イ ン ス リ ン 注 射 を 行ってもよい」と思っている看護職は、全体で 17.9%で、なかでも特養の看護職は₃割が実施 して良いとし、介護職が「指導や教育を受けれ ば可」と回答した看護師は39.8%であったとし ている。屋台は同文献において実際の現場では、
医療行為であっても看護職数が少ないために、
介護職に指示依頼を出さざるを得ない状況があ るが、できるだけ看護職が担っていく姿勢を示 すことが必要であり、介護職が行わざるを得な い状況を無条件に良しとしてはならないとして いる。
森垣(2008)32)は、自己管理能力が低下しや すい高齢者の自己注射を支えていくうえで生活 を営む高齢者の一番身近な援助者である介護職 に対する期待は大きいとしている。インスリン 注射はリスクを伴う医療処置であるにも関わら ず、ADLにほとんど問題がない場合は要介護 度が低く33)、毎日の自己注射を援助していくに は介護保険、医療保険制度の範囲内ではまかな いきれない現状がある34)。
今後も増加する自己注射を行う高齢者の在宅 療養を支えるには、その援助を安全に行われる ような幅をもった制度改革が早急に望まれると している。小野沢35)は、介護職がインスリン注 射にある程度かかわるのは社会的要請であり、
インスリン注射を資格制にする等の法的整備が 必要であるとしている等、介護職員が糖尿病高 齢者に対しインスリン注射支援を行うことに関 し、幅をもった制度改革を望むという見解がみ られた36)〜38)。
₃.介護職のインスリン注射支援に関する教育等
重田ら39)は、実際に関わる介護職員に対し、
インスリン注射の手技的指導やインスリン注射 のリスク事例等の学習機会を作っていく等入念 な準備が必要であるとしている。また、堀川ら
40)は、薬物療法(インスリン注射等)が適切に 行われるように介護職に対して医薬品の知識や 関連する情報を継続的に提供していく必要があ るとしている。
一方、小野沢41)は、介護福祉士全員に「イン スリン注射」を認めるのではなく、研修を修了 して専門的な知識と手技を修得した者を国家資 格として「自己注射認定介護福祉士」「糖尿病 療養介護福祉士」等として認めるべきであると している。
Ⅳ.考察
本研究により訪問看護等の利用が経済的に難 しい状況がある場合等、糖尿病高齢者のインス リン注射継続のために、在宅においても介護施 設においても介護職がインスリン注射の実施等 の違法行為を行っているという42)〜 46)現状が明 らかになった。
インスリン注射は、医行為であり、医師法第 17条で「医師でなければ医業をしてはならない」
とされている。昭和56年₅月21日付けで出され た「厚生省医務局医事課長通知」によって、患 者自身と家族による注射は、同条文に違反しな いとの見解が示されており、例外もあるが、介 護職によるインスリン注射は違法行為である。
また、介護職が目盛を合わせ、注射部位を指定 し、利用者に注射器を押してもらうという行為 も厳密に言えば違法行為47)である。屋台48)は、
看護職不足のため介護職に指示依頼を出さざる を得ない実態があるが、現状の中でできるだけ 看護職が担っていく姿勢を示すことが必要であ り、介護職が行わざるを得ない状況を「良し」
としてはならないとしている。
すなわち、糖尿病自己管理の支援の中心とな る注射をするという医行為の責任の所在を誰に おくのかという問題であり、糖尿病高齢者の代 わりに正確に注射するのだからという理由のみ で介護職が担えるものではない。あくまでも糖 尿病高齢者の病状管理と治療の補助、健康支援 をいかに確保するのかという課題としてとらえ る必要がある。
日本看護協会49)は、療養の場が「医療機関か ら暮らしの場へ」移行するため、地域における 看護活動を内容的にも、量的にも拡充するとし、
2025年までに地域で活動する看護職員の大幅な 拡充に力を入れるとしている。介護施設におい ては、要介護者が重度化し、継続した医療を必
要とする人が増えることから看護の機能を強化 し、訪問看護ステーションは、その拡充を図る としているが、看護師の需要が供給を上回ると の見通し50)がある。今後インスリン注射が必 要な糖尿病高齢者は増加すると考えられている 中、看護師による支援がますます困難になる可 能性も予測されるが、最期まで糖尿病高齢者が その人らしい生活が送れるように支援すること は重要である。そこで、介護職が糖尿病高齢者 に対しインスリン注射の支援を行うことに関し 社会的期待が大きいとし、幅をもった制度改革
を望む51)〜 54)という見解がみられた。
特別養護老人ホームにおいては看護職員の配 置は決して十分ではないし、グループホームに おいては看護師が常駐していない。平成23年₇ 月、介護職員のインスリン注射等の実施に関し、
インスリン注射をはじめ医療ニーズの高い入所 者が増える中、看護師が₁日複数回のインスリ ン注射を行うのは困難となっているとし、今後 インスリン注射についても、一定の資格や研修 を前提に介護職員等が実施できるよう対象を拡 大していくべきであるという趣旨の趣意書が国 会に提出された55)。結果は、「慎重な検討が必 要になる」との答弁にとどまった。
平成28年11月、公益社団法人全国老人福祉施 設協議会は厚生労働省の「第₇回 社会保障審 議会 福祉部会 福祉人材確保専門委員会」に以 下のような意見書56)を提出している。「利用者 の重度化に伴い、医療ニーズへの対応が求めら れている実態がある中、 特別養護老人ホームに おける介護職員が行う医行為についてインスリ ン注射の補助等、実態に応じた範囲の拡大が急 務である」とした。厚生労働省57)は、介護福祉 士等による医療的ケアの範囲の拡大は重要な検 討事項の一つであるとしており、介護職による インスリン注射実施に関する社会的要請はます ます高まっていくことが予測される。
本研究より、介護職がインスリン注射を実施 するためには、一定の資格や研修・学習会等を
前提58)〜 60)とするとの意見があったが、インス
リン注射実施において、安全が何よりも重要で ある。インスリン注射を安全に実施するに当 たっては、糖尿病高齢者の生活を把握したうえ で、血糖値や食事摂取量・運動量等をアセスメ
ントし科学的根拠に基づいて実施することが必 要である。また、合併症や低血糖、高血糖症状 について常に観察し対処することも必要であ る。特に、高齢者では典型的な低血糖症状以外 に、落ち着かない、力が入らない、非特異的中 枢神経症状(錯乱・認知症様症状・うつ様症状 など)が低血糖の症状であることも少なくない。
さらに、高齢者はシックデイに陥る頻度が高い ため、 その対処法を十分に理解しておく必要が ある61)。
海外の文献でも、介護士による医学的管理へ の介入は増加する傾向を示し、保住62)は、ドイ ツでは医療的ケアに関するプログラムはより一 層拡大する傾向にあり、一定の条件下で注射も 可能であるとしており、ドイツの老年介護士法 に基づいた老人介護養成のためのカリキュラム は、医療面の学習に時間を多く配当しており、
高齢者の医学、介護に関する理論的知識を習得 させることに重点をおいた教育を行っていると している。また、エイケンら63)は、大学学士程 度の教育を受けた看護師が10%増加すると、患 者の死亡率は₇%下がるとしている。
筆者は、我が国における高齢化の進行や高齢 者のみの世帯の増加を背景に、患者自身による インスリン注射に代表されるような医学的な自 己管理はきわめて困難な状況にあり、一方でそ れを支援する看護職の確保が現実的でないこと を考えれば、最も患者の近くでそのケアにかか わる介護職への期待は大きなものになることは 避けられないものと考える。その一方で、糖尿 病の自己管理への支援は単に注射をするという 行為への手助けにとどまらず、日常生活の管理、
食生活の管理、病気への認知を高めるための支 援、そして何よりも重要なことは注射前後の健 康チェックが必要となる。また、血糖値の急激 な変化は時には生命にもかかわるもので適切な 関与が必要となる。
では、介護職のインスリン注射支援(医療的 ケア枠拡大)の実施に向けた教育のあり方をど のようにすべきであろうか。平成23年の社会福 祉士及び介護福祉士法の改正により、介護福祉 士を規程している第₂条第₂項の「身体上また は精神上の障害があることにより日常生活を営 むのに支障があるものにつき心身の状態に応じ
た介護』に、「喀痰吸引その他のその者が日常 生活を営む者に必要な行為であって、医師の指 示のもとにおこなわれるもの(厚生労働省で定 めているものに限る)」が追記され、介護福祉 士は業として医行為である喀痰吸引と経管栄養 を医師の指示受けて行えるようになった。社会 福祉士及び介護福祉士法に基づき、「介護福祉 士養成施設の設置及び運営に係る指針」が出さ れ、介護福祉士養成に関する基本的な考えや」
教育内容が示され、介護教育機関はこれらをふ まえてカリキュラムを編成している。インスリ ン注射も医行為である。医行為とは、「医師の 医学的判断をもってするのでなければ人体に危 害を及ぼし、または危害を及ぼす恐れのある行 為」である。よって介護福祉士がインスリン注 射等の支援を行うためには、法に基づき教育内 容が示され、全ての教育機関で一定レベル以上 の教育をすべきであると考える。
また、喀痰吸引等の人の命にかかわる医行為 に関する技術は、必ず科学的根拠に基づいて実 施できるよう教育すべきである。つまり医学や 看護領域の専門基礎の科学的知識によって事象 を説明したり、それに基づいて実践活動を行う ことができるよう教育する必要がある。さらに、
医学や看護領域の専門基礎の科学的知識は科学 の進歩によって変化するため、常に新しい知識 に基づいて実践する必要があり、そのために研 究によって得られた最新の知識に目を通し、情 報を集め、その情報が自分の実践活動にどのよ うに適用できるかを見極める力を養うことも重 要である。
現在、介護福祉士試験の受験資格は、₃年以 上の介護等の業務に従事し、実務者研修におい て、₆月以上介護福祉士として必要な知識・技 術を修得した者も得ることができる。実務者研 修における教育内容として提示されている医 行為の科学的根拠になる「こころとからだのし くみ領域」の教育時間数は170時間のみである。
一方大学等の養成施設では、「こころとからだ のしくみ領域」は300時間とされている。本学 では、「人体の構造と機能及び疾病(30時間)」
等指定規則以上の教育も行い、より科学的根拠 に基づいて実施できるよう教育している。また、
研究に関する教育(180時間)も行っており、研
究によって得られた最新の知識に目を通し、情 報を集め、その情報が自分の実践活動にどのよ うに適用できるかを見極める力を養っている。
今後、介護福祉士のインスリン注射支援等の医 療的ケア枠拡大に向けた教育を行うに際して は、慎重にカリキュラム編成を行い、科学的根 拠に基づき、安全・確実に医行為の実践ができ るように教育することが重要である。
すなわち、インスリン注射支援に関する教育 は、学習会や研修などによって行うのではなく、
介護福祉士の専門領域に含まれる内容として、
養成施設において教育すべきであると考える。
インスリン注射を安全、確実に科学的根拠に基 づいて実施するには、解剖生理学・病態治療学・
薬理学等の医学や看護領域の専門基礎科目の知 識・技術が必要である。現行の₂年間の介護福 祉士養成課程では、これらの教育内容を取り入 れる時間的余裕はない。一方で、₄年制大学に おける介護教育であれば、その可能性は高まる と考える。
今後、₄年制大学において、現行のカリキュ ラムの基礎医学に関連する、こころとからだの しくみや医療的ケアの領域を充実させ、健康維 持のため、バイタルサイン等のフィジカルアセ スメントにかかわる能力を高め、健康状態を一 定程度判断できる能力を身につけさせる必要が あろう。その上で、インスリン注射を支援する ために必要な教育目標や教育内容・教育時間に ついて研究していき、法に基づき全ての₄年制 大学で一定レベル以上の教育目標が達成できる よう教育していく必要があると考える。
Ⅴ.おわりに
急速に高齢化が進展し、糖尿病高齢者が増加 している中、利用者の一番身近にいる介護職が 法を犯してインスリン注射等の支援をしている 実態があった。本研究により、介護職によるイ ンスリン注射等の支援への社会的期待があるこ とが明らかになり、幅をもった制度改革を望む という見解がみられたが、インスリン注射等の 支援を安全・確実に実施するための教育のあり 方について課題が残された。
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11) ₅)と同じ。
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16) ₆)と同じ。
17) 13)と同じ。
18) ₇)と同じ。
19) ₅)と同じ。
20)平野美雪,瀬戸奈津子,山本信子,他.在 宅で他者にインスリン注射を依存している 高齢糖尿病患者の実態調査.看護研究集 録 = Study for nursing education 2005;12:
103-122.
21)13)と同じ。
22)₇)と同じ。
23)₅)と同じ。
24)14)と同じ。
25)20)と同じ。
26)14)と同じ。
27)₅)と同じ。
28)13)と同じ。
29)20)と同じ。
30)₅)と同じ。
31)13)と同じ。
32)14)と同じ。
33)20)と同じ。
34)14)と同じ。
35)₆)と同じ。
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41)₆)と同じ。
42)₅)と同じ。
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45)20)と同じ。
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