2009年11月11日 地盤振動工学特論(芝浦工大・紺野)
応答スペクトル適合波について
■フーリエスペクトルと応答スペクトルの関係
地動加速度のフーリエ振幅スペクトル|AG( ) |ω と速度応答スペクトルS T hV( , )0 は類似する.
例題1 JMA神戸波(NS成分)の|AG( ) |ω とS T hV( , )0 を比較せよ.
0.1 1 10
10 100 700
Sv ( cm/s) and A
G( cm/s/s*s)
T (s)
黒線:Sv(上から,
h=0,0.01,0.05,0.1) 青線:│AG(w)│(無平滑)
図1 速度応答スペクトルとフーリエ振幅スペクトルの比較
図からSV(h=0)はAG(無平滑)を概ね包絡していることがわかる.
■応答スペクトル適合波
与えられた応答スペクトルを満たすような時刻歴波形を応答スペクトル適合波と呼ぶ.土木・建 築・機械(プラント)などの各種構造物には設計用の応答スペクトルが規定されており,これが上 記の与えられた応答スペクトルに対応する.
■応答スペクトル適合波の作成手順
1.ターゲット応答スペクトルStarA を設定する
2.使用する地震波aeq0 ( )t を選定し,フーリエ変換する:Aeq0( )ω . 3.aeq0 ( )t の応答スペクトルS0Aeqを求める.
4.Aeq1 ( )ω =SAtar/S0Aeq×Aeq0 ( )ω
5.Aeq1 ( )ω を逆フーリエ変換して,適合波a1eq( )t を求める.
6.a1eq( )t の応答スペクトルS1Aeqを求め,
∑
|SAtar−S1Aeq|が基準より小さければa1eq( )t を最終適合波を する.基準より大きければ,Aeq2( )ω =StarA /S1Aeq×A1eq( )ω とし,4.以下の流れを繰り返す.ポイント
・上記4.は,フーリエスペクトルと応答スペクトルが類似することを利用している.
・StarA /SAeq0 は実数なので,上記4.より,位相スペクトルは保存される.使用波の振幅スペクトル は初期値として使われ,その後はターゲット応答スペクトルの形状に応じて変形させらる.したが って,使用波はその位相スペクトルのみ利用されわけである.
・位相スペクトルは,時刻歴波形の形状に大きく関係する.これは,位相スペクトルが波形の位相 の到着時刻に関係しているからである.(群遅延時間)
演習1
mwave2003k.fを本サイトからダウンロード,コンパイルし,実行せよ.また,respa.csvの中身を解
読せよ.マニュアル等も工学院大学久田研究室よりダウンロードできる.
群遅延時間
時刻歴波形: f t( )
フーリエ変換:F( )ω =
∫
−∞∞ f t e( ) −i tωdt 位相スペクトル:ϕ ω( )=arg[ ( )]F ω 群遅延時間: ( ) d ( )Tgd d
ω ϕ ω
= − ω
今,f t( )=δ(t−a)とする.
( ) ( ) i t ( ) i t i a
Fω =
∫
−∞∞ f t e−ωdt=∫
−∞∞δ t−a e−ωdt e= −ω ( ) arg[ ( )]F aϕ ω = ω = −ω ( ) d ( )
Tgd a
d ω ϕ ω
= − ω =
つまり,群遅延時間は,周波数ωの成分波の到着時間に対応している.
工学院大学久田研究室のリンク先(2008年11月7日時点)
http://kouzou.cc.kogakuin.ac.jp/Open/Manual/
プログラムのオリジナルは,mwave2003.fで,こちらも上記サイトからダウンロードできる.
演習2
mwave2003k.fにメキシコ波と神戸波を使用し,それぞれの適合波と使用波の時刻歴波形の特徴を比
較せよ.
演習3
runge-kutta-de-keisan-response.xls(本ページからダウンロード可)に演習2で求まった適合波を入力 し,respa.csvの適合波の応答スペクトルと比較せよ.