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注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策 Countermeasure againstLiquefaction on Existing OilTanksby ChemicalGrouting

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(1)

西松建設技 vOL.24

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

Co unt e r me a s ur e a ga i ns tLi que f a c t i o n o n Exi s t i ng Oi lTa nksby Che mi c a l Gr o ut i ng

今村 最一郎 * Shinichirolmamura 佐藤 靖彦*

YasuhikoSato 吉野 修 * OsamuYoshino

平野 孝行*虫 TakayukiHirano 萩原 敏行 * ToshiyukiHagiwara 小宮 隆 之 **

TakayukiKomlya

要 約

筆者 らは,既設石油 タンク地盤の液状化対策工法 として,浸透性 の良い薬液 (特殊 シリカ系水 ガ ラス) を注入材 とした注入固化工法の実用化 に向けた研究 開発 を進めている.本研 究では,低強度 の薬液注入 固化工法 に よる地盤改良につ いて,本工法の改良効果お よび施工性 を検証す る 目的で, 3次元遠心振動模型実験, な らびに実 タンクを用 いて現場施工実験 を実施 した.遠心振動模 型実験 の結果か ら, タンク基礎 直下 を注入 固化改 良す ることによ り, タンク直下のみの改良で も未改良地 盤 の変形 に比べ30%以下 に抑制で きる上,部分的に未改 良部 を残 して も実用上問題 ない ことが確認 された.一方,現場実験 の結果か らは,施工実験 お よび試掘 の結果,良好 な注入結果が得 られ,級 状化 に対 して十分安全であ り,高い施工性 を有 していることが確認 された.

本論文では, よ り現実 に近い条件 での改 良効果 を検証す るため,3次元モデル遠心振動模型実験 を行 ない,改良範 囲の違いによる沈下抑制効果 について比較 ・検討 した結果 と,実 タンクを用 いて 実施 した現場実験 の結果か ら得 られた知見 について報告す る.

目 次

§ 1. は じめに

§2.遠心振動模型実験

§3.現場施工実験

§4.おわ りに

S l. は じめに

平成7年の改正消 防法の施行 に伴 い,昭和52年2月以前 に許可 を受けた, または許可 申請 された危険物屋外貯蔵 タンクの液状化 に対す る早急 な安全対策が義務づ け られ るようになった.消 防庁 の通達 によ り,地盤の液状化対 策工法 として,鋼矢板 によるせ ん断変形抑制工法,過剰 間隙水圧消散工法,地下水位低下工法,注入固化工法の 4工法が示 されている. これ ら4工法の うち注入 固化工法 は,他工法 と比べ て施工機械 が小 さ く,軽量であること か ら,狭小狭隆で配管等が錯綜す る実際の既設 タンク基

奉技術研究所技術研 究部土木技術研 究課

**土木設計部設計課

地での施工性 に優 れた工法 と言 える.

しか しなが ら,現行 の消防法では注入固化工法の設計 手法が確 立 されてい ないため

,

「タンク側板 よ り10mの 範 囲」の地盤 を改良す ることにな り不経済 となるため, 合理的な改良範岡 を定め, よ り経済的で確実性 を高めた 設計手法 を確立す ることが急務

あった.

注入 固化工法 の施工概念 図は,図‑1に示 す通 りであ る.今 回提案す る注入固化工法 は,既設 タンク地盤の液 状化対策工法の一つ として,従来の工法 と比較 して,以 下の特徴 を有す る.

図‑1 注入固化工法の施工模式図

(2)

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

写真‑1 大型遠心振動載荷実験装置

写真‑2 小型振動台

(む ゲル タイムの長い特殊 シリカ系水 ガラス を注入材 と す る二重管 ダブルパ ッカー工法である.

② 浸透性 の良い薬液 (特殊 シリカ系水 ガラス) を注入 材 として用 いることによ り,一つの注入点か ら大型改良 体 (直径3‑4m程度)の造成が可能であ る. このため, 注入孔 間隔 を大 きく

,

削孔本数 を少 な くす ることが可能 であ り,削孔 費が割安である.

(彰 Si02の固結 ゲルであ り,恒久性 に富 んでいる.

④ 低濃度の注入材 で,高耐液状化性 を有す る.

筆者 らは,既設 タンク地盤 の液状化対策工法 として, 浸透性 の良い薬液 (特殊 シリカ系水 ガラス) を注入材 と して用 いた注入固化工法の実用化 に向けた研 究開発 を進 めている1)・2)・3'.薬液注入固化工法の実用化 に向けて, よ り実際に近い条件で経済的で安全 な改良範囲 を設定す る ために,小型縮尺模型 を用 いた遠心振動模型実験 を実施 した. この模型実験 と併行 して,稼動 中の タンクヤード における実際の石油 タンク直下へ の国内初の注入 固化工 法 に よる液状化対策工法 の現場実験 を実施 したl).現場 実験 の結果 よ り,計画改良範囲に対 して十分安全 な改良 が行 われ,高い施工性 を有す る とともに 目標 の品質が確 保 されていることが確認 された.

本論文では,低強度の薬液注入固化工法 による地盤改 良について, よ り現実 に近い条件 での改良効果 を実験 的 に検証す るため,筆者 らが 開発 した大型せ ん断土槽4)を 用 いて3次元 モデルに よる遠心振動模型 実験 を行 い,改 良範囲の違 いによる沈下抑制効果 について比較 ・検討 し た結果 と,実 タンクを用 いて実施 した現場実験 の結果か

図‑2 実験 システム概要図

写真‑3 実験 システム外観 秦‑1 8号珪砂 の物理的特性

土粒子密度Gs 2.65 D50(mm) 0.100 DIO(mm) 0.041 均等係数Uc 2.927 曲率係数Ucp 0.968 椴大鰐‖;31比eローJx 1.333

小汚引,r33比ern" 0.703

ら得 られた知見 について報告す る.

$2.遠心振動模型実験

2‑1 実験概要

実験 には西松建設技術研究所 の遠心振動戟荷実験装置 (有効 半径3.8m,最 大遠 心加 速 度150g)5)を使 用 して行 った (写 真‑1参 照). この遠心 振 動 哉 荷 装 置 は,小 型 模型 に対 して遠心加速度 を加 えることによ り,実地盤 に 相 当す る応力状態 をモデル化 で きる特徴がある. また, 遠心加速度 を加 えた まま小型振動台 (写真‑2参照) を用 いて振動実験 を行 うことが可能で,兵庫県南部地震 クラ ス (実物換算800gal相 当) の大地震 を再現 で きる国内屈 指の大型遠心戟荷装置である.

図‑2に,各種 セ ンサーの設置位 置 を含 む実験 システ ムの全 体概 要 図 を示 す (写真‑3参照).実験 には大 型 せ ん断土槽 (幅650mm,奥行400mm

,

深 さ500mm)4)を 使用 し,試料 には表‑1に示す物性 の8号珪砂 を用 いて 相対密度が50%となるように空中落下法 によ り砂地盤 を

(3)

西松建設技 vOL.24

(Unjt汀m) 図‑3 実験ケース模式図

秦‑2 実験ケース一覧

実験 改 良 改 良探 探 さ Dr 強度

code 範 囲 汀(mm)(HlH)良比 (% ) q.I(kPa)

Case‑1 末改 良

0

523

Case‑2 直 下 200 1 43.4 120

Case‑3

Case‑4 直下34 150 0.75 5152..97 112121 Case‑5 申抜34 150 0.75 52.3 142

作成の上,10kPaのサーチ ャー ジとして ジルコン砂 を敷 いた後,地表面 まで十分飽和 させた.なお,詳細 な飽和 地盤作製については,別報2),:5)を参照 されたい.

タンクのモデル化 はタンク荷重のみに留め,肉厚1mm のアル ミ製円筒枠 を用いた簡易な3次元構造 (¢140mm)

とし, タンク底部はフレキシブルな条件 となるよう肉厚 0.2mmの ゴム膜 とした.その タンク荷重が遠心力場50g で100kPaとなるように タンク内部 に鉛散弾 を敷 い た.

改良地盤 は別容器 に8号珪砂地盤 を作成 し,超微粒子 シ リカ系の活性 シリカを注入 して固化 した ものを3次元形 状 に トリミングし,地盤作成時にタンク中央直下 に設置

した.

実験 は改良範囲の違いによる効果,再現性の確認 を含 め,秦‑2に示す6ケース を実 施 した (図‑3参 照).な 秦,すべての振動実験 は,遠心加速度50gで実施 したの で,実験 モデルは実物換算す る とタンク径7m,地盤採 さ10mに相 当す る.入力地震波 は,卓越周波数100Hzの 正弦波 (水平加 速度13g:実物換算 にて260gal)で,加 振数20波,加振時間0.2秒 を加 えた.

2‑ 2 実験結果および考察 (1)タンク基礎沈下分布の比較

(LUuL

)

磯i弱

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

ー70 ‑35 位置 (0mm) 35 70 qu=120‑140kPa

\ /

\ /

▼ ▼ ▼ ▼ ▼

〇 ・ ・ ・ 、 。

・ ・ ・ ・ ・ 一 へ\

◆ 未改 良 →÷一中抜 き3/4改 良

か 直下改 良 ▼一直下1/2改 良

〇一直下3/4改 良

図‑4 タンク直下における沈下分布形状

LrJLrJo20

(ON)XeLuSJXeuLS

0

50 王≡

仙 100

150

200

025 05 075 体積改 良率 (改 良体積/直下改 良の改 良体積),V'/V

図‑5加速度応答率

0 20 40 60 80 加速度応答率 (鶴)

図‑6 加速度応答率

100 120

未改良を除 く全てのケースにおけるタンク直下,改良

直下お よび改良体内では,加東終了時点では液状化 に は至 ってお らず,周辺地盤では少 な くとも深 さ100mm (5m)まで液状化が起 こった.なお,応答加速度,間隙 水圧等の挙動 については,別報3)を参照 されたい.

図‑4に加振終了時の タンク直下基礎 の沈下分布形状 を示す.未改 良地盤での最大沈下量 は約7mmと大 きな 値 に対 し,直下改 良で は約2mm (30%)と大 幅 に沈下 が抑 え られ, タンク側板 よ り1mの範 囲だけで明瞭 な改 良効果が認め られた.未改良部 を残 した3/4改良で も, タンク直下改良 と同程度の沈下量 を示 し,中抜 き改良で 約4mm (60%),1/2改 良で約5mm (70%)に各 々抑 え られている.中抜 き改良では,改良体

下に未改良部 を 残 しているのにも関わ らず,改良体上の沈下量は直下改

(4)

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

写真‑4 実験対象 タンク

良,3/4改良 とほぼ同 じ値 を示 し十分 な改良効果が認め られるが,中抜 き部分では改良体上 とタンク中心部 との 間に不等沈下が生 じた.実際の施工での対策 としては, 中抜 き部分 を斜め注入施工 によ り深 さ方向に改良幅 を大 きくす ることによ り液状化時の不等沈下 を抑制で きると 考え られる.

図一5に未改 良地盤 で の東 大 沈 下 (Smax (NO))に 対す る改 良地盤 の最大沈下量比 (Smax/Smax (NO)) と直下改良に対す る改良率の関係 として示 し,過去 に実 施 した2次元モデルによる結果2‑も併せて示 した.改良率 を大 きくす るほ ど,沈下量比はほぼ直線l削 こ減少 し,改 良効果が発揮 されていることが判 る. また,2次元 の結 果 も同様 な改良効果が得 られていることか ら簡易 な2次 元で も3次元の改良効果の確認が可能であることが示唆

された.

(2加 速度応答分布

図‑6に周辺地盤 を含 む タンク直下 における加速度応 答分布 を示す.なお,入力波が 目標加速度に逢 した時の 各深 さでの応答加速度を入力加速度で除 した ものを加速 度応答倍率 と定義 した.タンク直下,3/4改良では70‑95

% とほぼ同 じ応答分布 を示 したの に対 し,中抜 き,1/2 改良では40‑90%とそれを下回る応答分布 を示 し,未改 良の応答分布 とほぼ一致 しているのが判 る.いずれ も入 力加速度 よりも小 さな応答 を示 した.なお,周辺地盤で は地表 に向か うほど応答倍率が小 さ くなる傾向を示 し, その応答分布 は全てのケースにてほぼ一致 した.

以上の結果か ら, タンク基礎直下 を注入固化改良する ことにより,未改良地盤 に比べ タンク基礎の東大沈下登 は著 しく減少 し,沈下抑制効果について大幅 な改良効果 が確認 さjt,部分的に未改良部 を残 して も実用上問題な い と判断で きると考え られる.

隻3.現場施工実験

3‑1 実験概要

千葉県市川市 にある

消防法 タンク基地 における石油 タンク実機 (容量1900kR,直径14.5m :写真‑4参照) を用いて,我が国初の薬液注入固化工法 による液状化対 策の実験工事 を実施 した.現場実験では,以Tに述べ る

西松建設技報 vOL.24

図‑7 注入詳細断面図

図‑8 注入平面図

秦‑3 注入材の配合 よび注入率

材料名 注入材の標準配合

超微粒子 シリカ 950

β

応材 48

反応材 101ig

1kg

d o e

合計 1.000 e

ような施工 に伴い想定 される具体的な問題点について調 査 した.

(∋ 注入によるタンク底板や近接構造物への影響の確認

② 既設 タンクヤー ド内での施工に伴 う問題点の把握

③ 注入固化後の改良地盤強度の確認 (目標qu‑50‑100 kPa)

④ タンク底板下部における注入出来形の確認 3‑2 現場施工概要

(5)

西松建設技報 vOL.24

6 4

2

0

00

9

9J

P

2q芸

50 100

‑軸圧縮強度q‑(kPa)

150 200

図‑9 ‑軸圧縮強度 と繰 り返 し強度 に関す る応力比 図‑7に注入詳細 図 を示す.地質構 成 は,表層か らGL

‑5.Om程度 まではN値3程度の綾 い シル ト質砂 か らな り, そ れ以深 よ り10m程 度 まで はN値15度 の細 砂,17.5m まではN値1‑2程度の粘土質 シル ト,17.5m以降はN値30 程度の細砂か らなる沖積地盤 である.なお,消 防法 の規 定 に よる と対象地盤 の深 度5mまでが液状化 対 策 の対 象

となる.

注入範 囲 を図‑8に示す.注入深 度 は液状化 の可 能性 のある土層GL ‑1.0‑GL ‑5.Omの シル ト質細砂 を主 な 対象 とし, タンク直下ではGL ‑5.Omまで, タンク側板 直下では施工性 を確 認す るため にGL ‑10.0mまで注入 した.平面範囲については注入 による影響 ,出来形,地 盤強度,施工上の諸 問題等のデー タを把握す るの に必要 な範囲 として, タンクの半分 を注入範囲 とした. この範 囲は配管 ・歩廊

階段等が特 に過密 した施工条件 の悪い 部分が選定 された.

注入材料 は,長期耐久性 が確認 されているアルカ リ分 を除去 した超微粒子 シリカを採用 した.表‑3に注 入材 の標準配合,注入率 を示す.

改良 目標 強度 は,8号珪砂 と新 潟砂 お よび原位 置試料 をJ=恥 、た振動

三朝

試験結果 に基づ き,図

9に示す‑軸 圧縮強度quと繰 り返 し強度に関す る応力比

T

d/Gcとの関係 か ら,改良土が液状化 しないための液状化強度比 (応力 比)03が得 られ る一朝圧 縮 強度 と してqu‑50‑100kPa

とした,

注入同化工法では均一 な改良体 を造成す るためには, 注入工法,注入材料 の他 に,浸透注入 に適切 な注入速度 を決定す ることが重安である.そ こで注入速度 を求める 試験 として,今 回の対象地盤 に対 して事前 に行 った水注 入試験 における注入圧 と注入速度曲線 とその初期値直線 勾 配 を用いて決定す る限界注入速度試験法 を採用 した.

対象地盤 に対 して

前 に行 った水 と薬液の限界注入試験 の結果 をもとに, 注入速度 を12‑152/minと決定 した.

なお, この時の注入圧力 は,1401tPaであった.

改良径 は,注入材 のゲル タイムや均一浸透注入の可能 な注入速度 によって決定 される.過去 に実施 された硬 い 砂地盤 を対象 とした注入固化工法の実験結果 による と,

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

写真‑5 鉛直マシンによる注入施工状況

一軸圧縮強度qu.(kPa) 50 100

1 5 0

図‑11 改良後の改良前後のN値分布

改 良直径4mまで の造成 が可 能 であ る.本工事 で は,限 界注入試験 の結果 と作業 の制約時 間か ら直径3mとした.

(3)注入 に よる タンク底板や近接構造物へ の影響 の確認 固化材 の注入 に よる タンク底板 や隣接す る タンク基礎 に及 ぼす影響 を確認す るため, タンクのアこュラープ レ ー ト, タンク底板 ,基礎 リングコンクリー トの鉛直変位 について レベル測量 した.いずれの場所 も変位 はほ とん ど観測 されず,危険物貯蔵 区域 での施工 において も高い 安全性が確認 された.

(4)既設 タンクヤー ド内での施工 に伴 う問題点の把握 写真‑5に注入施工状況 を示す.配管や架構 等 が錯綜 した既設 タンクヤー ド内での配管等の存在 は,注入施工 上,全 く問題 とな らなかった.

(6)

注入固化工法による既設タンク地盤の液状化対策

写真‑6 注入固化体の試掘状況 (5)注入固化後の改良地盤強度

朝圧縮強度 と標準貫入試験 によ り,原位置注入固化 体 の強度 を確認 した.図‑10に示 した改 良後 の ボー リ

ングに よ り採取 した試料の 軸圧縮強度試験 の結果 か ら,qu‑100kPaの目標 強度が

保 で きてい る こ とが確 認 された. したがって,一朝圧縮強度試験 は,改良前後 の試料状況や液状化強度 との相関性の高 さか ら,改良効 果判定 のための有効 な手段 の一つであ るこ とが判 明 し た.

一方,標準貫入試験 につ いて は,図‑11か ら判 る よ うに改良前後の大 きな差がないことか ら,低強度改良の 場合 には,標準貫入試験 による改良効果の判定は不適当 であることがわかった.

(6)タンク底板下部における注入出来高の確認

液状化対策 としての施工計画範囲において,注入固化 した地盤の薬液注入効果 を確認す るため,現場実験後 に タンクを撤去 し,試掘調査 による注入地盤の 目視確認 を 行 った.写真‑6は試掘後の状況である.黒丸が鉛直注 入部の設計改良範囲である.非注入域 に比べ止水性 に富 んでいること, また 自立 した注入部に比べ,未注入部分 の崩壊の状況 との違いが顕著であることか ら,薬液が 目 標 とした地盤改良範囲に良好 に注入 されていることを確 認で きた.

$4.あわ りに

以上の遠心振動模型実験,現場実験の結果か ら,以下 に示す知見が得 らjtた.

① 遠心振動模型実験の結果か ら, タンク基礎直下 を注 入固化改良することによ り未改良地盤 に比べ タンク基礎 の最大沈下量 は著 しく滅少 し,沈下抑制効果について大 幅な改良効果が確認 され,部分的に未改良部を残 して も 実用上問題ない と考 えらゴ1る. また,注入工法 自体の低 廉化 と合わせ,現行消防法の解釈 に比べ改良範囲が大幅 に縮小で きることとな り,従来の考え方の注入による液 状化対策工法 と比べて施工費を大幅に低減で きることが

西松建設技報 VOL.24

示唆 され,既設 タンク地盤の液状化対策工法 として最 も 有力な工法であるとの確信 を得 ることがで きた.

② 現場実験 よ り,注入固化工法 による既設 タンク地盤 の液状化対策は狭小,狭除な旧法 タンクヤー ドで も,千 分 に安全 な施工 と,必要な改良仕様 を満たす ことが可能 であることが判 った.

以上の結果は,危険物保安技術協会の 自主研究報告書 に採用 され,注入固化工法による液状化対策工法の新 し い設計法 として,平成12年6月公 に周知 され ることにな った.

今後 は, よ り経済的で タンク規模 に応 じた適切 な改良 範囲を定めるため, タンク基礎 中央部直下に未改良部を 残 した中抜 き改良について,数値解析 と組み合わせた実 験的検討 を進め,実施工 に向けた推進 を図ってい く予定 である. さらに,改良効果の確認手法や他の構造物‑の 適用 について も検討 を加 えてい く予定である.

謝辞 :最後 に,蒙重な現場実験の場 を提供 して頂 き,便 宜 を図 って頂 きま した 日石 三菱㈱ に対 し謝意 を表 しま す. また本研究 を実施す るにあた り,貴重な御助言 な ら びに御指導 を頂いた中央大学理工学部 藤井斉昭教授, 東京工業大学工学部 竹村次朗助教授 に対 し謝意 を表 し ます.

参考文献

1)辻 保文,平野孝行,木下吉友 :注入固化工法による 既設 タ ンク地盤 の液状化対 策,配管技術,pp.18‑22. 1999.

2)溝 口淳司,高橋

浩,竹村次朗,平野孝行 :砂地盤上 の既設 タンクの液状化対策 としての薬液注入固化工法 の効果,土木学会第54回年次学術講演会発表講演集, pp.286‑287,1999.

3)今村最一郎,平野孝行,佐藤靖彦,萩原敏行,竹村次 朗 :薬液注入固化工法 による既設 タンクの液状化対策 に関す る3次元遠心振動模型実験 :第35回地盤工学会 研究発表会,pp.1679‑1680,2000.

4 )

今村 最一郎,萩原敏行,野本 寿,藤井奔昭 二せん断 土樽の違いが応答特性 に及ぼす影響,第35回地盤工学 研究発表会,pp.2221‑2222,2000.

5)Imamura,S.,HagiwaraT,&Nomoto,T.:Nishimatsu dynamicgeotechnicalcentrifuge,Proc.ofCentrifuge 98,pp.25‑30,1998.

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