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甲状腺除去の影響についての比較

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日本家禽学会誌44:c"54‑JI61,2007

鶏雛と性成熟後の鶏における飼料摂取量と体重に及ぼす 甲状腺除去の影響についての比較

仁木隆博・岡野直子・芝田猛・信國喜八郎

ノL州東海大学農学部,熊本県lli'l蘇郡南阿蘇村河陽869‑1404

本実験は甲状腺の外科的除去によって甲状腺ホルモンを欠如させ,このホルモンの欠如が鶏の飼料摂 取量や体重に及ぼす影響を鶏雛と成鶏とで比較検討したものである。供試鶏には白色レグホーン系コ マーシャル(ジュリア)の雄を用い,実験は飼料摂取量が増加し,著しい成長を続けている雛と飼料摂 取量がほぼ一定し,成長が緩やかな成鶏とで行なった。実験区としては雛,成鶏いずれにも│旧状腺除去 (甲除),ホルモンの回復投与としての甲状腺自家移杣(自家移杣)および対照(無手術)の3区を設定 した。甲除区は雛成鶏ともに自家移植区,対照区に比較して,|Ⅲ漿中T3,T1の量は著しく少なく,そ の一方で肝臓と腹腔内IIH肪の重量は増加し,│11らかな│1:1状腺ホルモン欠卿Ⅱの状態を呈した。|と│家移杣区 はT3,T4の量,肝臓および腹腔内脂肪の重量,いずれも対照区と差のない値を示した。甲除区の雛では,

飼料摂取量は自家移植区,対照区より少なく,体重も著しく少なかった。飼料摂取量について甲除区は 増加しないのではなくて,増加の程度が小さいことが示された。これに対して,lll除区の成鶏では甲除 後のおよそ1ヶ月間,飼料摂取量は自家移植区,対照区よりむしろ多く,それに伴って体重も増加し,

雛とは異なる結果となった。雛,成鶇の双方において自家移植区と対照区では飼料摂取量,体重ともに 差はなかった。したがって,甲除区での結果は甲状腺ホルモンの欠如によってもたらされることが示さ れた。

以̲lこのことから,鶏において[│]状腺ホルモンは飼料摂取量の変動に影響し,その結果として体重の変 動に関与するものと推察された。また飼料摂取量へのこのホルモンの影響は摂取量が増加し続けている 雛とほぼ一定に達している成鶏とではその機序において異なる可能性が示唆された。

キーワード:外科的甲状腺除去,甲状腺ホルモン欠如,飼料摂取量,増体量,鶏雛と成鶏

とを示した報告がある。すなわち,甲状腺ホルモンが欠 血│」した鶏雛では,飼料摂取量が通常の雛より少なく,体 重の増加も少ないことが報告されている(Snedecor andCamyre,1966;信國と古賀,1975;仁木と信│或│, 1994a,b)。また,このような飼料摂取量と体重の変動は 正常分泌率相当量(Tanabe,1965;信國と岡本,1972) のT:,の注射ならびに除去した甲状腺の自家移柚によっ て解消すること(信國ら,1972;仁木と信國,1994a,b), さ ら に T , の 注 射 量 が 正 常 分 泌 率 よ り 少 な い と き は , 飼 料摂取量体重ともに十分に回復しないことがlリIらかに

されている(信國ら,1972)。

鶏雛での報告数に比べて,飼料摂取壁がほぼ一定とな り成長が緩やかとなった性成熟後の鶏については,飼料 摂取量や体重に及ぼす甲状腺ホルモン欠如の影響に関し ては,雌成鶏で甲状腺除去を行い,成長について検討し た事例がWentworthandRinger(1986)によって著書 緒

||||目

鶏において,著しく成長し続けているll寺期に甲状腺の 外科的除去および放射性ヨード('3'I)による組織破壊な らびに抗甲状腺剤の投与によって甲状腺ホルモンを欠如 させると,成長が明らかに抑制されることが多くの研究 者によって報告され,Ringer(1965,1976)および WentworthandRinger(1986)によって著耆としてま とめられている。これに対して,飼料摂取量への影響に ついては成長ほどには検討されていないが,影響するこ

2007年8HIOu受付,2007年9月10日受理 連絡者:仁木隆博

〒869‑1404熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽 Tel:0967‑67‑3941

Fax:0967‑67‑3960

E‑mail:tnikki@ktmail・ktokai‑u.ac.jp Copyright ©2007, Japan Poultry Science Association

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仁 木 ら : 鵡 雛 と 吹 鳴 へ の │ │ I 状 1 1 l i l 除 去 の 影 響 J 1 5 5 の中に記載されているにすぎず,まだ十分には検討され

てはいない。

本実験では鶏において外科的に甲状腺を除去し,L│‑I状 腺ホルモンの欠タllが飼料榎1IX量や体重に及ぼす彩群を,

飼料摂取量が塒加し,著しい成隆を続けている雛と飼料 摂取量が安定し,成辰が緩やかな成鶏とで比較検討した

も の で あ る 。

材 料 お よ び 方 法 供試鶏および飼育方法

白色レグホーン系コマーシャル(ジュリア)雄鶏30羽 を用い,実験は雛と成鶏とで行なった。供試鶏は初碓か ら21日齢までは育雛器(ゴトウ育雛器製作}リ1,,'il岡)

で,22日齢から実験終了H寺までは室温22〜24℃,I(WI時 間14時間(午前5時〜午後7111r)に凋整された室で飼育 した。飼料としてはI│丁販の配合飼料(伊藤忠飼料,東京)

を用い,初生から28日齢までは幼雛用を,以降は巾雛 111,大雛用および成鶏用を常法に準じて使川した。i,1料 は1口1回'「I1118I¥30分から9111iの問に飽食量を給与

し,水とともに│皇│由摂取とした。

実 験 区 の 設 定 お よ び 処 理 方 法

実験期間は雛では18日齢から50I1齢,成鶏について は162日齢から197日齢までとし,いずれにおいても実 験区として,III状腺除去(以卜1111"),甲状ll鼎「1家移植 (以下自家移植)および対照の3区を設定した。「'1状腺の 除去は雛ではMarvinandSmith(1943)の方法に準拠 して10〜llll齢時に行なった。「│1除雛は甲除のまま残 す‑ものと,除去した甲状腺を仁│家移植するものに分け,

前者を甲除区,後者を自家移植区とした。甲状││泉の自家 移植は信國ら(1972)および仁木と信國(1994a)の方法 に準拠して胸部jij端部皮下に行なった。一方,b戈鵡につ いては,甲状llIlの除去にあたっては本来の所イ│部位から 直接的に除去するのではなくて,あらかじめ││*1部に│]家 移植した甲状腺を除去する方法を用いた。すなわち,10

11日齢時に甲状腺の自家移杣を行なった雛を飼育し,

飼料摂取量がほぼ一定となり,′│ノ│ョ成熟が確認された後,

161日齢時に移│:II!IITI状腺を除去した。除去したものを│‑│‑l 除区,移植を継続したものを│斗家移植区とした。対照区 は雛成鶏ともに無手術のまま甲除区,自家移仙│><とldl 様の条件下で飼育した。

飼 料 摂 取 量 , 体 重 肝 臓 お よ び 腹 腔 内 脂 肪 の 重 量 な ら びに血漿中甲状腺ホルモン量の測定

雛については18日齢から5011齢まで飼料摂取11tを毎 日1回,体重を毎週1回午前811¥30分から9時の間に 測定した。成鶏についても1621 1齢から197日齢まで雛 と│可様の方法で飼料摂取里および休亜を測定した。汕l定

終了後,雛,成鶏ともに体重を測定した後,頚動脈切断 によって放血屠殺し,直ちに頭部(環椛より上部)およ び脚部(中足骨遠位端より卜部)を切り離した。その後,

I[Iちに,」(││皮し,その'耐}Iを測定した。』llll皮層体の体幹部 からlll:IIIM,腹腔内脂ll/jおよび甲状ll鼎を州││1し,重量を測 定した。また,そ嚢を含めた消化管を燗│'し,その内容 物を取り出して重量を測定した。あらかじめ旧l1定してお いたイlll皮体重から消化管内容物の重量を差し引いて正│味 の:ltll皮休里を求めた。

つぎに,雛では49111ih,成鶏では19611齢(いずれの 上│齢も屠殺1日前)に翼下静脈から採血し,その後3,000 rpmで15分間遠心し,Im漿を分離してlll状腺ホルモン 量の肌││疋に供した。lll状ll泉ホルモンとしてはT緋とT'1を 測定し,その方法は'lilリの#!l1定川キット(Boehringer Mannheim社,Germany)を用いた酵素免疫測定法(作

ら1982)によった。

なお,甲状腺除去をイ rなった鶏については,屠殺時に おいて肉眼で甲状腺本来の所在部位における残存甲状腺 の白.雌を検査し,存イ│fしない個体を資料に供した。

統 計 処 理

測定結果についてはStudent'srtestにより各区間の 有意差検定を行った。

結 果 l.飼料摂取量および体重の変動

上│」状腺除去後から測定終了時までの供拭鶏の体重,増 体量および飼料桜IMitについて示すと表1.A,Bのとお りである。雛(表1.A)については,i11ll疋終r時休雨,

増休量および飼料摂取11tはいずれも甲除区が他の2区よ り少なく,終了時体重と増体量には有意差が認められた (P<0.05)。自家移杣│>〈と対照区との間に差はなかった。

一方,収賄については(x1.B),終」/ll!f休萌,増体最お よび飼料摂取量のいずれも甲除区は他の2区より大きな 値を示し.有意差が認められ(P<0.05),雛とは異なる 結果であった。自家移杣│>〈と対照IXとでは雛と同様に差 はなかった。

つぎに,飼料摂取&,tについて変動絲過を図1.A,Bに ,」《した。雛(図1.A)については18111i6(叩除7〜8I1 後)から25日齢までは[ロ除区が他の21><よりやや少な い値で締過した。しかし,それ以降自家移植区と対1I({区 とがi1,1料棋収量を急速に噸"Ⅱさせたのに対し,甲除区は 摂取量を増加させるものの,その度合いは他の2区より 小さかった。成鶏(IXll.B)については,自家移植甲状 腺の除去1日後の16211齢以降,甲除区の摂取量は他の 2区よりむしろ大きなli'IIで推移した。しかし,176n齢を ピークに摂取量は減少にl脳じ,197H│116(屠殺直前)では

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日 本 家 禽 学 会 誌 4 4 巻 J 4 号 ( 2 0 0 7 )

表1.鶏の体重,増体量および飼料摂取鮭に及ぼす甲状腺除去の影響

1156

実 験 区 甲 状 腺 除 去 甲 状 腺 自 家 移 植 対 照 A.雛(雄)

羽 数

測定開始時体重(9) illll定終了ll!f体重(9) 増 体 量 ( 9 ) 飼料摂取量(g/羽)

B.成鶏(雄)

羽 数

測定開始時体重(9) 測定終了ll寺体重(9) 増体IIt(9) 飼料摂取品(g/羽)

5

174.2士8.71 738.8±53.61 564.6=t41.0'

1206

bhh

5+|士士的 ワ﹈ワ﹈﹇I

531

﹇I03

6601

daa

248 591 339

4+|士十一0

2537 175 099703

770583 132 ab旧t 65717973

FD+|+|+十一

20825827 1326 223

5 2148±l30a 2606±110&

458±84a 4199±l94f1

組hhb 84146164

5士士士士 42824491 0216

223

表中の値は平均値±標準偏差.

l'iヤ体量および飼料摂取量は雛(A)が18日齢から50日齢まで,成鶏(B)が16211 齢から197日齢までのll'li.

同列の平均値の異符号間に有意差あり(P<005).

められなかった。甲状腺重量については両方の供試鶏で 自家移植区が対照区より小さな値を示したが§有意差は 脳 め ら れ な か っ た 。

3 肝 臓 お よ び 腹 腔 内 脂 肪 の 重 量 変 動

測定終了時における肝臓および腹腔内脂肪の重量を表 3.A,Bに示した。雛(表3.A)において,甲除│又の肝 臓亜量は他の2区に比較して、実測仙では重い傾│h」を,

相対値では明らかに大きな値を示した(p<0.05)。ll蔓腔 内IIHIIノjの重量は実測値,机対値いずれも他の2区より甲 除区が重く,イj意差が認められた(P<0.05)。自家移杣 区と対照区とでは肝臓l1夏腔内脂肪ともに同様の重量を 示した。一方,成鶏(表3.B)においては肝臓重量に関 して,甲除│Xは他の2区より大きな側li'lを示すにとど まったが,腹腔内脂肪の重量は著しくIEく,他の2区と の│川で有意差が認められた(P<005)。自家移植区と対 照│xとでは,lll:臓誼量は│,il様な値を示し,腹腔│ノ11IHllノj萌 量は対照区が│皇│家移植区より大きなll'llを示したが,有意 差は認められなかった。

考 察

水実験では.lII状腺の外科的除去によって甲状腺ホル モンを欠如させ,このホルモンの回僅投与として''1状腺 の│'│家侈植を川いた。llil部│1il端部皮下に自家移植された り」状腺が活着L,ほぼ止常にホルモンを分泌することは 信│攻│ら(1972)および仁水と信國(1994a)によって報告 他の2区と旧l様な値を示した。自家移柚区と対照区は

16211齢以降もほぼ一定の│司様な値で経過した。なお,

甲除区は自家移杣││‑I状腺の除去1週間liilまでは他の21><

と同様に飼料摂取量はほぼ一定の値を示し,除去lilまで その状態は継続した。

一方.体重の変勤経過を│XI2.A,Bに示した。WII(IxI 2.A)については18日齢(III除7〜811後)からi!!ll定終 了時まで甲除区が他の2区より明らかに少ない値で経過 した。自家移植│Xは対照区よりもやや少ない値が見られ たが,2区ともillll定期間を皿してlll頁調な成長を示した。

成鶏(図2.B)については,除去8日後の169日齢以降,

2週│M旧まではI│」除区は他の2区より大きな値で推移し たが,183日齢以降の体和'iMIIは緩やかとなった。これ に対し 自家移柚区は対照区に比べ除去1日後の測定開 始時よりやや少ない値であったが,1621̲1齢以降も2区 の差はほぼ一定であり,測疋終了時まで休胆は順洲に噌 加した。

2 血 漿 中 甲 状 腺 ホ ル モ ン 量 の 変 動

i1lll定終了1l]lliI(屠殺lli前)の血漿!│1T3,T,の│,tお よびll1状腺重最(屠殺後)を表2.A,Bに示した。lill漿 中T3,TIの量について,雛(表2.A),成鶏(表2.B) ともに甲除区は│'│家移植区対照区に比鮫して,T3,TI のいずれも小さな値を示し,有意差がi恐められた(P<

0.01)。自家移植lXと対照区とでは雛成鶏ともに自家移 植区の値が対照I>くより小さい値であったが,有意差は認 Copyright ©2007, Japan Poultry Science Association

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仁木ら:鶏雛と成鶏への甲状腺除去の影響 r l 「 一 弓J 1 、 イ

雛(雄) A 雛 ( 雄 )

AB

飼料摂取量︵g/H/羽︶

除去7〜8日

体重︵g/羽︶

0000005050752

除去7〜8︐

70 60 50 40

30 1

20

00

‐ 1 8 2 5 3 2 3 9 5 0 日 齢

B.成鶏(雄)

18 25 32 39 50

I I 齢

成鶏(雄) 除去8日

体3000

160

000284

飼料摂取量︵g/日/羽︶

重︵g/羽︶

除去8日後

0

1 6 2 1 6 9 1 7 6 1 8 3 1 9 0 1 9 7

[|齢

0

1 6 2 1 6 9 1 7 6 1 8 3 1 9 0 1 9 7 日 齢

図 I 甲状腺除去後の鶏の飼料摂取量の変動 一 : 甲 状 腺 除 去 区 ,

−.−:甲状腺自家移植区,

一一一一:対照区.

図 2 甲状腺除去後の鶏の体重変動 一 : 甲 状 腺 除 去 区 ,

−.−:甲状腺自家移植区,

一一一一:対照区.

されている。今回,自家移イllliを受けた雛成鶏のいずれ においても,移植甲状腺はホルモン分泌量および重量と もに対照(正常鶏)とほぼ│司様の値を示し,回復投与と し て 有 効 で あ っ た 。 一 方 , 甲 状 腺 の 除 去 は , 雛 で は MarvinandSmith(1943)の方法に準拠して従来どお り水米の所在部位から外科│'│<jに直接除去する方法を川い たが,成鶏においては直接的な除去は甲状腺周辺のiWll 幟の状況から困難と判断されたので,雛のときにあらか

じ め 自 家 移 植 し て お い た 甲 状 腺 を 除 去 す る 方 法 を 試 み た 。 そ の 結 果 , 雛 お よ び 成 鶏 の い ず れ に お い て も , 甲 状 腺を除去した鶏の甲状腺ホルモン量は自家移植鶏や対照 鶏よりも著しく少なく,除去の効果が認められた。IlI状 腺を除去した雛および成鵡の1,11j方にいくらかのlll状llIRホ ルモンが存在したが,量的には甲状腺ホルモンの欠吻Ⅱ状 態を損なう量とは考えられない。甲状腺ホルモンが欠如 すると肝臓(Snedecor,1968;Davisonaaj.,1980:永 江ら,1987)や腹腔内脂肪をはじめとする脂肪(Snapi'・

ααJ.,1982;仁木と信│pm,1994a)の重量が増加すること が報告されており,本実験の甲除鶏においても同様の結 果が得られている。なお,甲状腺除去後においても甲状 腺ホルモンがいくらか残存することについては他にもい くつか報告されている(Davison"[zI.,1980;Moore"

".,1984;I‑Iayashi""j.,1991)。

鶏雛においてlll状││泉を除去すると,lli常な雛に比べて 飼料摂取量が少なく,成長が抑制されることはすでに報 告されており(SnedecorandCamyre,1966:信國と古 賀,1975;仁木と信陞1,1994a,b),本実験においても同 様の結果が得られた。さらに本実験ではI‑│l除雛の飼料摂 取量はR齢の進イ]蔦に伴って増加しないのではなくて,そ の増加量が│'│家移柿雛や対照雛より少ないことが示され た。これと│「1棟の結果は信國ら(1972)および信國と仁

*(1991)によっても報告されている。これらの結果は,

成長中の雛において甲状腺ホルモンが欠如すると飼料摂 取量の増加抑制が生じ,このことが成長の仰附llに関係す Copyright ©2007, Japan Poultry Science Association

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日水家禽学会,芯44巻J4り(2007)

表2.甲状腺除去鶏および自家移杣駕鶏の血漿巾T:1,T,量およびI1I状腺重量 J158

実 験 区

k,l照 甲状ll}R除去甲状腺│'│家移植

a一一l

bb|︲1一bb|刊1

44︲1一・一44QJl.

.・2−・・801一03−1 5士士一十二5+十二士 947−651

へ.44八U一口色j4lQU11lの○一︲llnU

−一一口乙

一a一一a

bb|庁I壷bb|へソ一戸0戸0|・一44QJl︒.︒︐﹈︸..|︲lnU1|︲1一ハU44−句○

5土士一十二5+|士一士 783−268 334−21 2−8

一一l

一壷P4pK|

邸3−雫

37|

01一00一 4士土一−5士士一

44

04−02| 51−︸

〃〃|幻一〃︑|④

mmlm

恥一伽一噸w画一趾

jl

岬蝦吋弛一帳一瞬噛鼬働一岬

f手小TTl︲1

A|甲一B一甲

表中のI1111は平均値士標準I,i差

T3,TIIII:は雛,成鶏いずれも屠殺llllliI(W:49日齢,l戊鶏:1961IM6)の値 甲状ll泉壺│,tは雛,成鶏いずれも屠殺時(III(:50日齢,成鴫:19711齢)の値.

同列の平均値の異符号間に有意差あり(P<0.01).

炎3.鴉の肝I脳および腹I′腱│ノ1旧│ノjの!n量に及ぼすlll状││泉除去の影響 実1験│茎

甲状I鼎除去甲状腺''1家移植 刀口輌

︑Ⅱu︑

A.雛(雌)

羽 数 剥皮体重(9) 肝 脳 ( 9 )

(9%) ll夏腔│ノ111Hlljj(9)

(9%) B成鶏(雄)

ノレl数 求││皮体眼(9) 肝IIIM(9)

(g%) 腹腔内IIHII"(9)

(g%)

bbbbb36164

00010

5+|士十一士士

82601

57351

71

bahbb57302 61010

5士士十一士士

85687 98330

01

4.Kp1j4jf

77469 73120

4+|士士士士

08511

11793

92

?﹈

趾abb 7127

二J.●ロ■■

91072

364023・・・・

5士十一十一士十一

64

68204

13

3229

︐1口︒︒●

33121

823

5+|+|土土土

35998

へ.・・︒◆8︐.29q︺

罰157 aatt O150

︲い●●・ロ

52012

83

5士十一士十一十一

99388

△■Ⅱ且・・︑︒

54222

134

>1>I数以外の値は雛(A)が50日齢時の,I戊期(B)が19711齢時の平均他士楪準偏差.

上段の値は重量の実測値下段の値は刹皮体重1009あたりの重量.

剥皮体重は屠殺後の体重から羽毛ならびに皮虐,頭部(環椎より上部),脚部(中足 骨より下部)および消化管内容物の函‑Itを差し引いた重量.

│司llの平均値の異符号│lllに有意差あり(P<0.05).

して,甲除鶏は今回の実験においては,除去後のおよそ 1ヶ月間琳休脳および飼料摂取量はむしろ大きな値を示 した。成鵡での11l状腺除去については報{'『が少なく,体 ることを示すものと考えられる。

一 方 成 鵡 で は , 甲 状 腺 の 除 去 に よ っ て 雛 と は 異 な っ た 結果がイリ:られた。すなわち,|斗家移植期,対照鶏に比I綾 Copyright ©2007, Japan Poultry Science Association

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二水ら:鶏雛と成鶏への甲状腺除去の影響 J159

菫ならびにその変動に関与する体構成要素への影響につ いて,WentworthandRingel・(1986)がその著作の「│‑1 で雌成鶏について紹介しているにすぎない。その紹介に よ れ ば , 雌 成 鶏 で は 甲 状 腺 の 除 去 に よ っ て 体 が 罐 小 化 し,"lh肋が増加すると記述されており,木実l験の雛の 結果に近い。この結果の違いについては,雄と雌の違い および自家移植したIII状腺の除去ということを除けば詳 細は不明である。しかし,自家移植甲状腺を除去された 鶏において,除去向iilまではほぼl1畠常に甲状ll}i↓ホルモン が分泌されていたことは確かめられており(1601」齢時,

T3量:1.7n9/ml,'r!=:112n9/m/,未公表データ).ま た除去後においては,I‑fl状腺ホルモンの欠吻││に陥ってい たことはすでに述べたことからllllらかである。したがっ て,成鶏では,甲状l1鼎除去後のしばらくの間は甲状腺ホ ルモンの欠如によって飼料摂取量が増加し,そのことが 体重のl剛Ⅱを導いたものと考えられる。さらに,叩除鶏 では,腹腔内脂肪が著しく増加したことから,腹腔内脂 肪をはじめとする││旨肪の増加が体重増加を加速したもの

と惟察される。

飼料摂取量について,雛と成鶏では甲状腺除去後の変 動経過がまったく異なる結果となった。すなわち,雛で は除去後の当初からi1料摂取量の増加が抑制され,対照 より少ない摂取量になったのに対し,成鶏の摂11X量は除 去後2週間は増加し,その後減少に転じ,最終的には対 照と同様な値となったが,結果としては対照より多い摂 取量を示した。この結果の違いは,除去後体内の甲状││I(

ホルモン量が正常域から漸次減少し続ける'│1で,雛で は,ホルモン呈がlli常域から減少すれば飼料摂取は抑帝ll され,一方,成鶏の飼料摂取はlli常からある│111更までの ホルモンの減少ではむしろ促進し,その限度を超えて減 少 が 続 け ば 抑 制 に 転 ず る こ と を 示 す も の と 推 察 さ れ る が,今│'llの実験では除去後の甲状腺ホルモンIII:の推移を 検討していないのでi;、締│Uは明らかではない。しかし,雛 と成鶏とで飼料摂取量の変動に述いが生じたことは,甲 状腺ホルモンが飼料摂取量の調節に関与することならび にそのi1l与の容態が雛と成鶏とでは異なることを示唆す る も の か も し れ な い 。 飼 料 摂 取 趾 の 調 節 は 視 床 下 部 の 食 欲調節中枢が担っており,この中枢に甲状腺ホルモンが 影響し,その影響の機序は飼料摂取量が増"││し続けてい る雛とほぼ一定に達している成鶏とでは異なる可能性は 考えられうることと思われる。けI状腺ホルモンが食欲調 節中枢に働きかけ飼料摂取量に影響することがラットに おいて服告されている(Kong""/.,2004)。

以上のことから,鶏において│‑│ I状腺ホルモンは飼料摂 取量の変動に影響し,その結果として体重の変動に関与.

するものと推察された。また飼料摂取量への影響は摂取

量が増加し続けている雛とほぼ一定に達している成鶏と ではその機lifにおいてソ'4なる口I能││か示唆された。

引 用 文 献

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{高國喜八郎・に水陸岬.異なった雌境温度1,.における鶏 雛 の 成 長 お よ び 飼 料 摂 取 星 に 及 ぼ す 甲 状 腺 ホ ル モ ン の 影響ノL州東海大農学部紀要10:ll3‑ll91991 Ringel・RK.Thyroids.In@Avianphysiology(Sturkie

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仁木ら:鶏雛と成鶏への甲状腺除去の影響

EffectsofThyroidectomyonFeedConsumptionand BodyWeightGaininGrowingChicksand

MatureChickens

TakahiroNikki,NaokoOkano,TakeshiShibataandKihachiroNobukuni

SchoolofAgriculture,KyushuTokaiUniversity,Aso‑gun869‑1404

J16]

ToinvestigatetheeHbctsofthyroidectomyonfeedconsumptionandbodyweightgainin chickens,thyroidglandsweresurgicallyremovedingrowingchicksforwhichfeedconsumption continuedtoincreasedayafterdayandinmaturechickensfbrwhichfeedconsumptionhad attainedaconstantlevel.WhiteLeghornmalechicks(Juliastrain)weredividedinto3groups:

thyroidectomy(Tx);thyroidautotransplantation(TA),withautotransplantationoftheec‑

tomizedthyroidglandintothehypodermisoftheanteriorbreastasasubstituteforthyroid hormonesreplacementtherapy;andcontrol(CO),withintactthyroidgland.Ingrowingchicks, TxshowedmarkedlyreducedfeedconsumptionandbodyweightgaincomparedtoTAandCO ingrowingchicks,andmarkedlyincreasedfeedconsumptionandbodyweightgaincomparedto TAandCOinmaturechickensforaboutlmonthaftel‑thvroidectomv・NodiHbrenceswere

identinedbetweenTAandCOinfeedconsumptionorbodyweightgain,regardlessofmaturity.

Conversely,plasmaconcentrationsofT3andT4decreasedandweightsofliverandabdominalfat increasedsignificantly,showingthyroidhormonesdeficiencyafterthyroidectomy.

ThyroidhormonesdeficiencythusexertsdiferenteHbctsonfeedconsumptionandbody weightgainforacertainperiodafterthyroidectomybetweengrowingchicksandmaturechick‑

ens,suggestingthatthyroidhormonesmightbeinvolvedinthecontrolsystemoffeedconsump‑

tionindirerentwaysbetweengrowingchicksandmaturechickens.

(Jqpα"EsEJoI""α/Q/、比"/")ノ此/e"",".・JI54‑JI61,2007) Keywords:surgicalthyroidectomy,thyroidhormonesdeficiency,feedconsumption,body

weightgain,growingchicksandmaturechickens

参照

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