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市民・地域共同発電所全国調査報告書2016

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市⺠・地域共同発電所全国調査報告書 2016

2017年3月 執筆責任:豊田陽介(気候ネットワーク)

1.調査の趣旨

市民・地域共同発電所は、市民や地域主体が共同で再生可能エネルギーの発電設備の建設・運 営を行う取り組みである。そのために必要となる資金を、寄付や出資などの形で共同拠出するこ と、またそこで得られる発電収入は、出資者や地域に配当・還元されることが大きな特徴となる。

市民・地域共同発電所は、1993年に宮崎で始まり、1997年に滋賀において全国で2例目となる 取り組みが生まれて以降、全国に広がりを見せてきた。2015 年 11 月に実施した調査では、767 基の市民・地域共同発電所が全国で建設されていることが明らかになった。特に 2012 年の再生 可能エネルギー電力の固定価格買い取り制度の施行後から急速に普及が進み、この3年間で約 400基から800基になり倍増している。また、市民・地域共同発電所の形態や資金調達方法は多 様化し、事業規模も拡大傾向にある。

筆者らはこうした市民・地域共同発電所の実態把握のための全国調査を定期的に行ってきた。最近で は2015年11月に小田原市内で開催された「市民・地域共同発電所全国フォーラム2015」に合わせて 全国の実施団体を対象に動向調査を行っている。

本報告書では、こうした流れを踏まえ市民・地域共同発電所の最新動向を把握するとともに、今後、

一層の普及をうながすことを目的に実施したアンケート調査の結果についてまとめるとともに、

2013年に実施したアンケート調査の結果との比較分析を行う。

また、調査の結果を元に、市民・地域共同発電所の動向とそれらを取り巻く状況について整理すると ともに、日本における市民・地域共同発電所の課題と展望についてまとめる。

2.調査⽅法

2-2 調査の対象と⽅法

全国の市民共同発電所の動向を把握するために、大きく2つの段階に分けて調査を行った。そ れぞれの調査対象と方法について概要を以下にまとめる。

(1)情報の整理・収集を⽬的とした事前調査

まずは全体的な動向の把握を目的に、これまでに行った調査結果やこの間蓄積してきた情報を 整理するとともに、新しく設置された市民共同発電所に関する情報の収集のために、インターネ

(2)

ットによ

(2)新 市民・

2017 いものに

3.団体 2017 絡手段が 会の協力 を行った アンケ 電設備の 以下、

3.1 団 回答の かる。こ とする再 一方で 立した団

図 1 団 1 0 2 4 6 8 10 12

よる情報の収

新規団体およ

・地域共同発 年1月中旬 については督

体アンケート 年1月中旬 が確認できた 力を得て、会 た。その結果 ケートはA4 の概要などに

アンケート

団体の設⽴年 のあった団体 この背景とし 再生可能エネ でそれ以前か 団体は、今回

団体の設立年

1 1 1

収集や市民電

び未調査団体 発電所に取組

にメールにて 督促を行った

調査結果 から2月中旬 たおよそ100 会員団体が参 果、期間中に

・9項にわた についてまと トの質問項目

体の設立年を して 2012 年 ネルギー発電 から取り組ん 回の回答団体

年 3

1

電力連絡会に

体を対象とし 組んでいる団

て発送を行い た。最終的な

旬にかけて、

0の団体を対 参加するメー に回答のあっ たり、団体の とめたもので 目ごとの回答

を見ると、20 年 7月から施

電事業の採算 んでいる団体 体の中には存

2 1

2

団体の設立

に情報提供の

したアンケー 団体を対象と

い、2月上旬 なアンケート

、全国の市民 対象にアンケ ーリングリス った38の団体

の概要、事業 である(資料 答結果につい

12年以降に 施行された固 算性が確保さ 体の割合は少 存在しなかっ

2 2

11

立年

協力呼びか

ート調査 して、アン 旬を回収期限

の回収率は

民・地域共同 ケート調査を

ト上でアン 体の回答につ 業目的、事業 料参照)。

て記述する。

に設立された 固定価格買取 れるように なくなってお た。

6 5

けを行った。

ケート調査を 限とした。回

、およそ40

同発電所に取 実施した。加 ケート調査へ ついて集計・

業実施の課題

団体が多く 取制度によっ

なったことが おり、2007

1 1

を実施した。

回収期限後、返 0%となった

取り組む団体 加えて市民電 への回答の呼

・分析を行っ 題、必要な支援

なっている て、太陽光 があると考え 7年から201

返信のな

の内、連 電力連絡 呼びかけ った。

援策、発

ことが分 をはじめ えられる。

11年に設

(3)

3.2 組 回答の た。次に 株式会社 地縁組織

図 2 団

3.3 組 組織の なく、1 た。パー のパート について 団体であ これら る。

会社 2 組織形態

のあった団体 に多かったの

社と合同会社 織が3%にな

体の組織形態

組織の体制 の体制として

0団体のみで ートタイムス

トタイムスタ ては、16 団体 あった。

らのことから 社組織 21%

任意団体 13%

地域協議 5%

体の組織形態 のが「一般社

社である。こ なった。

て専従職員の であった。そ スタッフの数

タッフを有し 体で 1 名以

ら多くの団体 議会 地縁組 3%

団体の組

態としては、

団法人」と の他法人格を

の有無につい その内1名と 数については

しているのは 上が確認され

体では、まだ 組織

%

組織形態

「NPO法人

「会社組織」

を持たない

いてまとめる という回答が は、14団体で は、9 団体で れた。その

だ専従の職員 NPO法

37%

⼀般社 21%

人」格を有す で、それぞれ

「任意団体」

。有給の専 が4団体で、

で1名以上が であった。ま うち 2 名以

員を雇用する 法⼈

%

社団

%

る団体が最も れ21%にな

が13%、「地

従職員を有す 2名以上の団 確認できた た、有償で 上のスタッフ

までに至って

も多く、37%

なった。会社組 地域協議会」

する団体は非 団体が6団体

。そのうち はないスタ フがいる団体

ていないこ

%になっ 組織は、

が5%、

非常に少 体となっ 2名以上 ッフの数 体は、12

とが分か

(4)

図 3 有

図 4 パ

図 5 有 6 3%

9 3%

⾮回 31

4 2 5 3%

8 3%

18 3%

22 3%

8 3%

9 3%

2

有給専従職員

パートタイム

有償ではない 3 3%

5 5%

回答 1%

有給専

2 2%

3 8%

4

%

%

⾮回答 21%

パートタ

5 3%

7 3%

10 5%

⾮回答 29%

有償では

員の人数

ムスタッフの

いスタッフの 2 3%

3

%

専従職員の

タイムスタッ

2 4 8%

5%

はないスタッ

0 42

1 10

の⼈数

0 42%

1 13%

ッフの数

0 29%

1 3 10%

2%

ッフの数

0

%

1 0%

%

(5)

3.4 市⺠共同発電所設置の⽬的

市民共同発電所に取り組む目的として最も多かったのは、「地球温暖化防止、低炭素社会の実現」

で、35団体、92.1%が「大変当てはまる」、3団体、7.9%が「少し当てはまる」と回答し、「あま り当てはまらない」、「全く当てはまらない」と回答した団体はなかった。

これに次いで多いのが「原子力発電の代替案としての自然エネルギー普及」、「発電所づくりを 通じた地域住民や自治体、他団体、企業との連携」の2項目で、どちらも29団体、76.3%が「大 変当てはまる」、5団体、13.2%が「少し当てはまる」と回答している。この他の項目についても 概ね「大変当てはまる」、「少し当てはまる」の比率が高くなっている。

そういった中で「地域経済循環の創出による地域経済活性化」については、「大変当てはまる」

と回答した団体の割合は 47.4%と半分を下回る。また、「あまり当てはまらない」、「全く当ては まらない」と回答した団体の割合が、11団体、28.9%と他の項目に比べて高くなっている。

この要因としては、市民・地域共同発電所が固定価格買取制度が実施されるまで、経済性が担 保されない中、草の根の運動として取り組まれてきたことで、当時から取り組んできた団体では、

地域経済活性化を目的として掲げていないのではないかと推察される。

表 1 市民・地域共同発電所の設置の目的

⼤変当てはまる 少し当はま あまてはらな 全く当てない ⾮該当・⾮回答

地球温暖化防⽌、低炭素社会の実現 35 3 0 0 0

原⼦⼒発電の代替案としての⾃然エネルギー普及 29 5 3 0 1

地域のエネルギー⾃給⼒の向上 22 11 2 1 2

地域づくり、まちづくりへの貢献 24 10 4 0 0

地域経済循環の創出による地域経済活性化 18 7 10 1 2

地域での⾃然エネルギー普及のためのしくみづくり 24 13 1 0 0

現在のエネルギー政策の転換にむけた働きかけ 26 6 4 1 1

発電所づくりを通じた地域住⺠や⾃治体、他団体、企業との連

29 5 3 0 1

(6)

図 6 市

3.5 実 市民・

が最も多 回答し、

た。次い 間団体」

では「金 いる」を 一方、

ない」、

業の連携 この他 祉施設、

があった

発電

市民・地域共同

実施にあたっ

・地域共同発 多く、36 団体

「あまり重視 いで「大変重

で22団体、

金融機関」や を合わせると

「生活協同組

「重視してい 携先としてい 他の連携先と 保育園・幼 た。また、ど 原⼦⼒発電の代

地域経済 地域での⾃然エネ 現在のエネル 電所づくりを通じ

⼤変当てはま 全く当てはま

同発電所の設

て重視してい 発電所の実施

体、94.7%が 視していない 重視している

、57.9%で、

や「民間企業 と6〜7割の団

組合」や「農 いない」の割 いない団体が としては、国 幼稚園、他の どこと連携し 地球温暖化防⽌、

代替案としての⾃

地域のエネル 地域づくり、ま 済循環の創出によ ネルギー普及のた ルギー政策の転換 じた地域住⺠や⾃

市⺠

まる まらない

設置目的

いる連携先 施にあたり特

が「大変重視 い」、「重視し

」の割合が ここまでが 業」、「都道府

団体が重視し 農協、漁協、

割合が高くな が多いことが 国や政府、都 の市民・地域 していいか分

、低炭素社会の

⾃然エネルギー ルギー⾃給⼒の まちづくりへの よる地域経済活 ためのしくみづ 換にむけた働き

⾃治体、他団体

・地域共同

少し当

⾮該当

特に重視して 視している」、

していない・

多かったの が半数以上の 府県」につい している対象

、森林組合」

なっている。

が挙げられる 都道府県・市 域共同発電所 分からない、

0%

の実現 ー普及 の向上 の貢献 活性化 づくり きかけ 体、企…

同発電所の設

当てはまる 当・⾮回答

ている連携先

、2 団体、5 連携がない は、「市町村 の団体が重視 いても「大変 象であること

、「大学」に この要因と

市町村地球温 所に取り組ん という回答 3 29 22

24 18

24 26

29 20% 40%

設置の⽬的

については、

5.3%が「やや い」という回答 村」で25団体 視している項

重視してい とが分かる。

については、

しては、これ

暖化防止活動 でいる団体、

も見られた。

5

11 10 7

6 1 60% 8

あまり当て

、「地域住民 や重視してい 答した団体は 体、65.8%、

項目となった る」、「やや重

「あまり重視 れらの対象を

動推進センタ

、出資者な

。 3 5

0

13 6

5 0 3 2

4 10

1 4

3 0 0 1

0 1

0 1

0 0 1 2

0 2

0 1 1 80% 100%

てはまらない

民・市民」

いる」と はなかっ

「他の民

。この他 重視して

視してい を直接事

ター、福 どの回答

(7)

表 2 市

地域住⺠

市町村 都道府県

⽣活協同 農協、漁

⾦融機関 他の⺠間

⺠間企業

⼤学

図 7 市

3.6 事 市民・

管理」が

⽣活

他の

⼤変 重視

市民・地域共

⺠・市⺠

同組合(コープ 漁協、森林組合

間団体(NPO 等

市民・地域共同

事業の実施に

・地域共同発 が最も多く、

地域住⺠

活協同組合(コ 農協、漁協、森

の⺠間団体(NP

変重視している 視していない

共同発電所の

プ)

等)

同発電所の実

あたって課題 発電所の事業

25 団体、6 0%

⺠・市⺠

市町村 都道府県 コープ)

森林組合

⾦融機関 PO等)

⺠間企業

⼤学

・連携がない

実施にあた

⼤変重視している

36 25 11 10 6 14 22 12 9

実施にあたっ

題となったこ 業の実施にあ

65.8%が「大 11 10 6

14 12 9

8 20%

重視して

やや重視

⾮回答

って重視して

やや重視している

2 7 18 10 8 11 11 16 10

て重視してい

こと たって課題 大きな課題と

3 25

22 10 8

10 40%

ている連携

視している

ている連携先

あまり重視していない

0 4 4 9 14 7 3 6 13

いる連携先

となったこ となった」と

36 18

11 16

9 14

1 60%

携先

重視していない携がない

0 0

4 1

4 3

9 7

4 8

7 5

3 0

6 2

3 4

とについては と答えている

7

11 4

7 6 13

7 8 80%

あまり重視して

⾮回答

0 1 3 7 8 5 0 2 4

は、「資金調 る。「一定の課

2 4

3 1 3 7

5 2 4

0 1 2 2 2 1 2 2 2 100%

ていない 0 1 2 2 2 1 2 2 2

達、資金 課題であ

(8)

った」も合わせると94.7%の団体が「資金調達、資金管理」を課題として捉えていることになる。

次いで「場所探しやその選定」が多く、23団体、60.5%が「大きな課題となった」と答えている。

「一定の課題であった」も合わせると94.7%の団体が「場所探しやその選定」を課題として捉え ており、「資金調達、資金管理」と並んで重要な課題になっている。

この他「設置場所・地域関係者、自治体等との合意形成」、「土地や屋根を借りる際の条件やル ールの検討」、「事業主体となる組織づくり」、「事業実施にあたり中心となる人材の確保」につい て「大きな課題となった」、「一定の課題であった」と答える団体の割合が60〜70%以上と高くな っており、一定の課題となっていることが分かる。また、「設置後の管理体制(メンテ、監視)」

については、47.4%の団体が「一定の課題であった」と答えている。

一方で「メーカーや工事業者の選定」、「諸制度への対応(自治体の独自規制、各種条例など)」、

「設置工事の際の技術面での検討」、「系統連系協議や設備認定等の許認可手続き」については、

「あまり課題にはならなかった」、「全く課題ではなかった」と回答した団体が50%以上の割合を 占めていた。こういったことからも、設置工事そのものや諸手続きなどの課題については、制度 の整備や経験の蓄積とともに一定解消されつつあると見られる。

その他の課題としては、当初の想定以上に事業コストが膨らんだことを挙げている団体が複数 あった。具体的な内容としては、系統への接続費用の増加、系統接続や安全対策のための設備の 追加による費用の増加、土地の賃借にあたっての諸手続きの増大に伴う人件費等の増加などであ った。この他、設置場所の関係者との合意形成に時間がかかったこと、工事業者との間でのトラ ブルがあったこと、将来的な組織体制・人材の確保に不安があることなどが、大きな課題になっ たという意見が複数見られた。また、買取価格の低下に伴い現在の形態を維持できなくなること に対する不安の声もあった。

(9)

表 3 事

設置場所 事業主体 事業実施 設置場所

⼟地や屋 メーカー 設置⼯事 資⾦調達 設置後の 諸制度へ 系統連系

図 8 事 設置場所

⼟地や

諸制度 系統

⼤き 全く

事業の実施に

所探しやその選 体となる組織づ 施にあたり中⼼

所・地域関係者 屋根を借りる際 ーや⼯事業者の 事の際の技術⾯

達、資⾦管理 の管理体制(メ への対応(⾃治 系協議や設備認

事業の実施にあ 事業実施にあた 所・地域関係者 や屋根を借りる 設置⼯

設置後の管 度への対応(⾃

統連系協議や設

きな課題となっ く課題ではなか

にあたって課

選定 づくり

⼼となる⼈材の 者、⾃治体等と 際の条件やルー の選定

⾯での検討

メンテ、監視)

治体の独⾃規制 認定等の許認可

あたって課題 設置場所探し 事業主体となる たり中⼼となる 者、⾃治体等と る際の条件やル メーカーや⼯事

⼯事の際の技術 資⾦調達 管理体制(メン

⾃治体の独⾃規 設備認定等の許

事業の実

った かった

題となった

の確保 との合意形成 ールの検討

制、各種条例な 可⼿続き

題となったこ しやその選定 る組織づくり る⼈材の確保 との合意形成 ルールの検討 事業者の選定 術⾯での検討 達、資⾦管理 ンテ、監視)

規制、各種条…

許認可⼿続き

実施にあた

⼀定の課題

⾮回答

こと

など)

と 9 8

13 10 6 3

5 2

4 1 1 0% 20%

たって課題と

題であった

⼤きな課題とな ⼀定課題であった

23 1 9 1 8 1 13 1 10 1 6 1 3 1 25 1 5 1 2 1 4 1

23

25 16 13

1 18 10

15

18 4 0

%

となったこ

40%

⼀定課題であった あまり課題にはななかった

13 1 16 10 13 13 13 9 18 7 10 17 15 13 11 1 18 10 14 14 10 18

13

3 8

1 1 13

9

17 13

10 14 18 60% 80

こと

あまり課題には

全く課題でなかっ ⾮回答

0 2 3 2 2 4 6 1 4 7 5

3

11 1 0

9 7

1 2 3

2 2 4 6

1 4 7

5 1 1 1 1 1 1 1 0 1 1 1 0% 100%

はならなかった

⾮回答

1 1 1 1 1 1 1 0 1 1 1

(10)

3.7 普及していく上で必要な⽀援や制度・施策

普及していく上で必要な支援や制度・施策については、「ファンド形成、資金調達に関する支援」

が最も多く、29団体、76.3%が「大変重要である」と回答している。この他「固定価格買取制度 による適切な価格設定と買取期間の設定」、「再生可能エネルギー電力の優先接続の保証」、「ノウ ハウや課題、展望などを共有するためのネットワークの拡充(市民電力連絡会、全国ご当地エネ ルギー協議会、市民・地域共同発電所全国フォーラムなど)」の 3項目について70%以上の団体 が「大変重要である」と回答している。

この他にも「事業立ち上げ時の財政的支援(補助、低利融資など)」、「自治体による自然エネル ギー条例や市民共同発電所の支援制度の整備」、「税の減免・優遇措置(固定資産税・法人税の減 免措置、グリーン投資減税など)」、「エネルギー協同組合などの地域でのエネルギー事業に適した 組織づくりの面での支援」について、60%以上の団体が「大変重要である」と回答している。

その他の項目についても「大変重要である」、「やや重要である」を合わせると、80%近くの団 体が重要と考えていることになる。そういったことからも市民・地域共同発電所の普及のために は多様な支援や制度が求められているといえる。

なお、「大変重要である」、「やや重要である」を合わせた割合では、「ノウハウや課題、展望な どを共有するためのネットワークの拡充」が97.4%で最も高くなっている。このことからも市民 電力連絡会、全国ご当地エネルギー協議会、市民・地域共同発電所全国フォーラムなどのネット ワーク化を進めていくことは、多くの団体のニーズにも応える取り組みであると言える。

この他必要となる支援や制度・施策については、買取価格の低下や出力抑制などによって事業 性の低下を危惧する意見が多く見られた。この他にも自治体への理解や協力を制度として求める ものや、発電事業を実施しやすくするための組織づくりや、ソーラーシェアリングなどの実施を 簡便にするための制度化、FIT 改正に伴う発電量の報告義務に応えるための監視装置の共同調達 や、実務者同士の情報交換などについて望む意見が複数あった。

(11)

表 4 市民・地域共同発電所を普及していく上で必要な支援や制度・施策

⼤変重要であ やや重要であ あまはない 全く重要でない

発電所設置における技術的(ソフト、ハード両⾯の)サポート 17 13 8 0 事業⽴ち上げ時の財政的⽀援(補助、低利融資など) 24 9 5 0

ファンド形成、資⾦調達に関する⽀援 29 7 2 0

発電所の維持管理に関する⽀援等(メンテナンス、発電量の計測・

監視) 15 15 7 1

固定価格買取制度による適切な価格設定と買取期間の設定 28 7 3 0

再⽣可能エネルギー電⼒の優先接続の保証 27 8 3 0

発電所の運営に関するノウハウの提供、⼈材育成の⽀援 17 17 4 0

⾃治体による⾃然エネルギー条例や市⺠共同発電所の⽀援制度の

整備 26 7 5 0

税の減免・優遇措置(固定資産税・法⼈税の減免措置、グリーン投

資減税など) 23 8 7 0

エネルギー協同組合などの地域でのエネルギー事業に適した組織

づくりの⾯での⽀援 23 11 3 1

ノウハウや課題、展望などを共有するためのネットワークの拡充

(市⺠電⼒連絡会、全国ご当地エネルギー協議会、市⺠・地域共同 発電所全国フォーラムなど)

27 10 1 0

(12)

図 9 市

3.8 今 市民・

も多かっ 発電所設

事業⽴ち

発電所の

固定価格

再⽣

発電所の

⾃治体に

税の減免 エネルギ 事業 ノウハ ネット

市民・地域共同

今後の事業展

・地域共同発 ったのは、「他

設置における技

⾯の)

ち上げ時の財政

ファンド形成

の維持管理に関 ス、発電量 格買取制度によ

期間

⽣可能エネルギ

の運営に関する による⾃然エネ

電所の⽀

免・優遇措置 免措置、グリー ギー協同組合な 業に適した組織 ハウや課題、展 トワークの拡充

⼤変重要であ

同発電所を普

望について 発電所の今後 他団体などの 技術的(ソフ

)サポート 政的⽀援(補助 など)

成、資⾦調達に

関する⽀援等 量の計測・監視

よる適切な価格 間の設定

ギー電⼒の優先

るノウハウの提 成の⽀援

ネルギー条例や

⽀援制度の整備

(固定資産税 ーン投資減税な などの地域での 織づくりの⾯で 展望などを共有 充(市⺠電⼒連

普及して

ある やや

普及していく

後の事業展望 の市民共同発

ト、ハード両

助、低利融資

に関する⽀援

(メンテナン 視)

格設定と買取

先接続の保証

提供、⼈材育

や市⺠共同発

・法⼈税の減 など)

のエネルギー での⽀援 有するための 連絡会、全国…

ていく上で必

や重要である

上で必要な支

望としては、

発電所の取り 17

15

17 0% 20%

必要な⽀援

あまり重

支援や制度・

「すでに実施 り組みの支援

7 24

29

28 27 7

26 23 23

27

% 40%

援や制度・施

重要ではない 施策

施している」

援、サポート」

13 9

15

17 7 8

11 60% 80

施策

全く重要で

と回答した団

」で15団体 7

7 8

7

10 8

5 2 7

3 3 4 5 7

3 1 1

1 0% 100%

ではない

団体が最 体、39.5%

%

(13)

になった。次いで多かったのが「現在の形の発電所づくりをすすめる」で、「すでに実施している」

と回答した団体は14団体で、36.8%になった。

「今後実施する予定」として最も多かったのが、「現在の形の発電所づくりをすすめる」で、15 団体、39.5%になった。この他に「熱や燃料などもふくめた地域単位のエネルギー自給(再エネ 100%)に向けた展開」や、「発電電力の売電先の変更」についても、一定割合の団体が「今後実 施する予定」と回答している。

「今後実施する予定」と「今後実施するか検討中」を合わせると、「新たな市民共同発電所のモ デルの試行と模索」については70%以上になる。この他にも「現在の形の発電所づくりをすすめ る」、「他団体などの市民共同発電所の取り組みの支援、サポート」、「熱や燃料などもふくめた地 域単位のエネルギー自給」、「発電電力の売電先の変更」については、50%以上の団体が実施予定 や検討していると回答している。

一方、「地域再エネ電力小売事業への展開」については、60.5%の団体が「予定はない」と回答 している。地域電力事業の実施のためには資金面や電力調達、ノウハウ、人材確保など多くの課 題があることから難しいと考えている団体が多くなっていると思われる。

この他に今後は太陽光発電では買取価格の低下によって事業化が難しいことから、小水力発電 やバイオマスなどの別の再生可能エネルギーについて検討しているという団体が複数あった。他 にも、自分たちが新電力会社を立ち上げることは難しいが、地域にある新電力会社と連携してい くことや、発電された電力をどのように活用していくかを検討することが重要になるという意見 があった。近年のFIT制度の改正や電力システム改革による制度変更を受けて、多くの団体が今 後の展開について検討している様子が見えてきた。

表 5 市民・地域共同発電所の今後の事業展望

すでにいる 今後実施する予 今後実施するか検討 予定はない

現在の形の発電所づくりをすすめる 14 7 12 5

新たな市⺠共同発電所のモデルの試⾏と模索 4 15 12 7

他団体などの市⺠共同発電所の取り組みの⽀援、サポート 15 8 11 4 熱や燃料などもふくめた地域単位のエネルギー⾃給(再エネ 100%)

に向けた展開 5 10 13 10

発電電⼒の売電先の変更 5 9 12 12

地域再エネ電⼒⼩売事業への展開 2 2 11 23

(14)

図 10 市 新たな市

他団体な

熱や燃

市民・地域共 現在の形の発

市⺠共同発電所

などの市⺠共同

燃料などもふく

地域再エネ

すでに実施し

共同発電所の今 発電所づくりを

所のモデルの試

同発電所の取り

くめた地域単位

発電電⼒の売電

ネ電⼒⼩売事業

している

今後の事業展 0%

をすすめる

試⾏と模索

り組みの⽀…

位のエネル…

電先の変更

業への展開

今後の事業

今後実施する

展望 14

4

15

5

5

2

10

9

2 11

% 20%

業展望につ

る予定 今後

7

15

8

0

12

1

40%

ついて

後実施するか検

12

12

11

13

2

23 60% 80

検討中 予定 5

7

4

10

12

0% 100%

定はない

%

(15)

4.発電所データ分析

4.1 発電所数の推移

2015年9月までに実施してきた調査ベースに、今回の調査で新たに確認されたものを加えた結 果、全国で市民・地域共同発電所に取り組む団体の数はおよそ200団体、発電所数は1,028基に なった。2013年の詳細調査では、115団体、458基が確認されたが、当時と比べても団体数、発 電所数ともに大幅に増加している。

この内、太陽光発電所は984基、大型の風力発電が30基、小型風車が10基、小水力発電が4基と なった。前回調査時から風力や小水力がほとんど増加していないのに対して、太陽光発電は倍増してい る。この背景には固定価格買取制度の制定によって、太陽光発電事業の採算性の確保ができるようにな ったこと、また風力や小水力に加えて事業の準備期間が短く、比較的リスクが少なく簡単に事業化できる ことから、市民・地域共同発電所においても太陽光発電の導入が、顕著に進むことになったと思われる。

表 6 市民・地域共同発電所の基数と設備容量 発電種別 基数 kW

⼩型⾵⾞ 10 7.4

⼩⽔⼒ 4 1,034.5

太陽光 984 42,206.1

⾵⼒ 30 46,240.0 合計 1,028 89,488.0

各年の市民・地域共同発電所の導入実績の推移を見ると、FIT施行後に急増し、2014年をピー クに近年の実績では鈍化傾向にあることがわかる(図11参照)。特に2016年はFIT以前の2011 年と変わらないレベルにまで減少している。

この背景には 2014 年9月に九州電力が管内の新規の再生可能エネルギー発電に対して系統連 系の保留を発表し、その後出力抑制を認める代わりに系統接続を行う措置が決定され 2015 年 4 月から実施された。この制度改正が市民地域共同発電所に対しても、大きな影響を与えたものと 思われる。また、近年の急速な設備価格の低下に合わせた買取価格の低下や、開始から3年間が 経過し、太陽光発電の買取価格の優遇期間が終了したことも、少なからず影響を与えていると思 われる。

(16)

図 11 市

4.2 地 都道府 市のおひ ルギーな 導入が進 福島県 エネルギ 東京都 京都府 は京都市 設置を進 愛知県 ァンド事 岡山県 までに8 この他

0 50 100 150 200 250

市民・地域共

地域別導⼊実 府県別の導入 ひさま進歩エ など県内の団 進んでいる。

県内では、3 ギー推進セン 都では、多摩 府では早くか 市の公共施設 進めている。

県では、市民 事業が広がり 県では、おか 80基の市民 他、沖縄県を

1 2 5

1994 1997 1998

共同発電所の導

入実績を見る エネルギー株 団体による取

.11以降に発 ンターなどの 摩電力や調布 から市民共同 設の屋根を市

民ファンドの りを見せてい かやまエネル 共同発電の導 を除く都道府

12 10 17

1999 2000 2001

導入実績の推

ると、長野県 株式会社によ 取り組みが増

発足した会津 の支援を受け 布まちなか発 同発電に取り 市民共同発電

の組成を行う いる。

ルギーの未来 導入を目標に 府県で市民・

16 20 25

2002 2003 2004

推移(各年)

県が最も多く よる早くから 増加してきて

津電力や、県 けて設置が続 発電などが多 組んできた 電に提供する

おひさま自

来を考える会 に掲げている

地域共同発 67

24 54

2005 2006 2007

全体の3割 の市民ファ ている。続い

県内各地で新 続いている。

多数の太陽光発 たきょうとグ

制度を活用

然エネルギ

を中心に導入 る。

電所が設置 71

38 36

2008 2009 2010

程度を占め ンド事業に加 て、福島県、

新たな設置団体

発電の導入を リーンファ し、複数の団

ーの発足と

入が進んでお

されているこ 6 60 52

10

2011 2012 2013

る。長野県で 加え、上田市

、東京都、京

体が福島県再

を進めている ンドを中心に 団体が太陽光

ともに、県内

おり、県は

ことが確認さ 04

213

138

5

2013 2014 2015 2016

では飯田 市民エネ 京都府で

再生可能

る。

に、近年 光発電の

内でのフ

2020 年

された。

2

11

2016 2017

(17)

表 7 都道府県別の導入実績

都道府県 基数 都道府県 基数 都道府県 基数

⻑野 353 熊本 12 佐賀 3

福島 92 岩⼿ 12 宮城 3

東京 83 福岡 11 宮崎 3

京都 50 和歌⼭ 10 ⻘森 2

愛知 45 北海道 10 新潟 2

岡⼭ 34 ⿅児島 10 ⾹川 2

兵庫 32 奈良 9 群⾺ 2

滋賀 29 徳島 9 茨城 2

⼤阪 28 ⾼知 8 富⼭ 1

⼭⼝ 27 ⼤分 6 栃⽊ 1

神奈川 22 三重 6 島根 1

埼⽟ 22 千葉 5 ⻑崎 1

⿃取 20 ⽯川 5 広島 1

⼭梨 17 秋⽥ 5 岐⾩ 1

福井 12 愛媛 4

静岡 12 ⼭形 3

4.3 太陽光発電事業の設備規模の変化

市民・地域共同発電所の中でも大きな割合を占める太陽光発電を対象に、その設備の規模を

「10kW未満」、「10kW以上50kW未満」、「50kW以上200kW未満」、「200kW以上1000kW未 満」、「1000kW以上」の5つの区分に分けて整理した(図12参照)。

その結果、「10kW 以上50kW 未満」が 54%と最も多くの割合を占めていた。10kW が 2012 年のFIT制度施行によって10kW以上が全量売電の条件となったことがその要因とみられる。規 模の変化を(図13)を見ると、2012年以降から10kW以上の割合が増加していることからも明 らかである。また近年では50kW以上や大きなものでは1MWを超える発電所も見られるように なっている。事業規模の拡大によるkWあたりの価格の低下や、それに伴う事業採算性の向上、

売電収入の増加などを期待してのものと考えられる。

また、一件あたりのkW規模の拡大の他に、近年では近隣地域内に複数の太陽光発電所をまと めて導入するケースも増えてきている。これは自治体の屋根貸制度の活用やファンド組成の効率 化を狙ったもので、まとめて設備導入することによってスケールメリットを効かせ、1 件あたり の単価を引き下げることを狙ってのものである。

こうした事業・設備規模の拡大の背景には、FIT 制度の施行によって買取価格と機関が保障さ れたことによって太陽光発電事業のリスクが低下し、銀行が融資を行うようになったこともある。

金融機関が再エネ事業に対してどの程度融資を行ってきたか、再生可能エネルギーの種別への融 資実績について全国の地方銀行・信用金庫を対象としたアンケート調査(対象375行中268行が

(18)

回答。回 用金庫の

(動産・

にして融 る再生可 のガイド エネ事業 寄与して

図 12 市 200kW以 2%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

回答率72%)

の融資件数は

・売掛金担保 融資を受ける 可能エネルギ ドラインを2 業に対する理 ている。

市民・地域共 10kW以上

54%

50kW以上 9%

以上

太陽光

1994 1997 1998 1999

によれば、

は約6倍、融 保融資)の活 るのが近年で ギー事業の事 2014年3月 理解が一定進

共同太陽光発電

光発電事業

1999 2000 2001 2002

市⺠・

固定価格買 融資実行額は 活用が進めら では一般的に 事業性評価等 にまとめてい 進みつつある

電の規模

業の設備規模

2003 2004 2005 2006

地域共同太

買取制度開始 は約50倍にな られており、

になりつつあ 等に関する手 いる(環境省 ることが、近

10 1000

1

模別の割合

2007 2008 2009 2010

太陽光発電

始前後の1年 なっている。

太陽光発電 ある。環境省 手引きとして 省、2014)。

近年の市民・

0kW未満 34%

0kW以上 1%

2011 2012 2013 2014

電の規模の変

年間を比較す 実際の融資 設備とそこか では金融機関 太陽光、風力 このように金 地域共同太陽

2014 2015 2016 2017

変化

ると、地方銀 資にあたって

からの発電量 関向けに地域 力、小水力に 金融機関にお 陽光発電の拡

1000kW 200kW以 50kW以上 10kW以上 10kW未満

銀行・信 てはABL 量を担保 域におけ について おける再 拡大にも

W以上 以上

(19)

図 13 市民・地域共同太陽光発電の規模の変化

5.多様化する市⺠・地域共同発電所の展望と課題

市民・地域共同発電所に取り組む団体は、市民団体、行政と市民によって構成される地域協議 会、自治体、生協、地縁組織(自治会や同窓会など)などがある。もともとは市民団体を中心に 数を増やしてきたが、最近では地域協議会や生協、地縁組織、さらにはそれらの地域主体によっ て構成される会社組織による取り組みが見られるようになってきている。こうした主体の多様化 は、資金調達手法の多様化とも関係性があり、事業を実施するために必要となる資金を調達する ために、必要な組織を新たに設立することが増えてきている。例えばこれまでは寄付を中心に資 金調達をしていた NPO 法人が、固定価格買取制度によって一定の収支のめどがつくようになっ たことから全国から出資金を集め配当をつけて返還する形をとるために NPO が母体になり合同 会社や株式会社、特別目的会社(SPC)を立ち上げるケースが増えてきている。銀行融資を受け るにあたっても、NPO法人よりも法人企業のほうがリスク融資を受けやすいということもあって、

事業主体として合同会社や株式会社を設立するケースもある。その他一定規模以上の事業では、

失敗した時のリスク分散、倒産隔離の観点から事業主体を分けるケースも多い。

資金調達については、これまでは寄付型や共同所有型、会社/法人型、地域活動型という形で分 類してきたが(豊田、2007)、今回の調査でも確認されたが、匿名組合出資や出資に近い形での 金銭消費貸借契約による擬似私募債や、少人数私募債、投資信託、有限責任事業組合や企業組合 などへの出資、自治体によるミニ公募債、さらにはクラウドファンディングなど、これまでの枠 で括ることができない程に多様化してきている。

資金調達や組織形態については、固定価格買取制度がスタートしたことで、単純に資金調達を どうするかというレベルから、出資法などの法律に対応しながら、どのような形で資金を調達し、

20年間施設を管理しながら返還・返済していくのか、より高度なレベルで検討することが求めら れるようになってきている。実際に今回のアンケート調査においても活動の継続や、人材の育成 を課題として考えている団体が一定数見られた。

今後の大きな課題としては、国のエネルギー政策や電力政策の変更、見直しにどのように対応 していくのかということである。太陽光発電事業では 2015 年度に入ってから新規に設備認定や 系統連系を行う事業では、資金調達にあたってこれまでは出資者に対して金銭で還元を行ってい たものから、御礼という形で地場産品や何らかのサービスなどの形で還元を行う購入型クラウド ファンディングと呼ばれる形態の事業が検討されるようになってきている。また、太陽光発電以 外の再エネ発電の事業化検討が進みつつある。特に小水力発電については、各地で計画が進みつ つあり、東吉野などで市民・地域を主体にした小水力発電の建設が進んでいる。また、出力抑制 の影響を受けない比較的小さな規模の木質バイオマスによる熱事業について、下川町や西粟倉村 などの自治体や、徳島地域エネルギーなどのこれまで市民共同発電所に取り組んできた団体の間 で取り組みが始まっている。

もう一つの動きとしては、地域づくりとしての付加価値をもった発電事業としての見直しであ る。例えば、ソーラーシェアリングと呼ばれ、農地の上に日射量を十分確保できるように配慮し た上で太陽光発電を設置することで、地域の活性化や農業の6次化につなげていこうとする取り

(20)

組みが推進されようとしている。この他、地域の活性化や貢献につながる事業にすることで活路 を見出そうとする動きが広がっている。

さらには2016年4月から始まった小売全面自由化をきっかけに、消費者に再生可能エネルギーから の電力を供給することを、地域の新電力会社と協力して実施する団体も現れてきている。エネルギーを ただ作るだけでなく、それを地域づくりにどのように活用していくのかが問われ始めている。

また当面の課題としてFIT制度の改正に伴い、既に認定を受けている事業者も、法律の施行か ら一定期間内に、適切な事業運営を確保するために事業計画の作成・提出が求められるようにな る。提出期限については6ヶ月以内とされており、提出しなかった場合には認定を失効する可能 性もある。こうした情報については市民・地域共同発電に取り組んでいる団体の中でもまだ十分 に知られておらず、今後、広く団体に周知していく必要がある。

この他にも様々な情報やノウハウなどを既存の団体に対しても提供し、その活動を支援してい くネットワークが必要になると考える。こうしたネットワークとしては、市民・地域共同発電所全 国フォーラムや市民電力連絡会、全国ご当地エネルギー協会などが挙げられる。様々な特徴のある主体 同士がつながり、お互いに学び合い、刺激を受け個々の取り組みを高めていくとともに、個々の団体で は対応が難しい課題への対応や政策提案を行うことで影響力を高めていくことが期待される。

<参考⽂献>

市民・地域共同発電所全国フォーラム2013実行委員会,2013,『市民・地域共同発電所全国調査報告 書2013』.

豊田陽介,2014,「市民・地域共同発電所の動向 2014 年全国調査報告」『市民・地域共同発電所全国 フォーラム2014資料集』.

豊田陽介,2016,「市民・地域主体による再生可能エネルギー普及の取り組み「市民・地域共同発電所」

の動向と展望」」『サステイナビリティ研究』6、87-100.

和田武・豊田陽介・田浦健朗・伊東真吾,2014,『市民・地域共同発電所のつくり方』かもがわ出版.

<謝辞>

本調査の実施にあたりご協力いただいた全国の市民・地域共同発電所に取り組む団体の皆様に改め て感謝申し上げます。本報告書が皆様の活動の一助となることを願います。

また、本調査はJSPS科研費JP26380189の助成を受けて実施したものです。

(21)

2017年1月

「市民・地域共同発電所」全国調査へのご協力のお願い

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

貴団体におかれましては、日頃から市民共同発電所をはじめとする再生可能エネルギー普及に 努められていることに対し、深く敬意を表します。

2012年7月から「再生可能エネルギー特別措置法(固定価格買取制度)」が施行され、市民や 地域を主体とする再生可能エネルギー発電所「市民・地域共同発電所」の取り組みはさらなる広 がりをみせています。現在約800以上の市民・地域共同発電所が国内に存在しており、その形態 や規模、資金調達方法などは年々多様化してきています。

そこで、こうした市民・地域共同発電所の動向について把握し、今後、一層の普及をうながす ことを目的に、アンケート調査を実施したいと考えております。本調査は JSPS 科研費 JP26380189 の助成を受けて実施するものです。

アンケート調査の結果は、今後、市民参加型発電所の設置を考えている団体の一助となるだけ でなく、市民や地域を主体とした再生可能エネルギー普及の取り組みを進めるための制度提案等 を行なっていく上でも必要なものと考え報告書として公表することを予定しております。

つきましては、これまでに市民・地域共同発電所を設置された団体におかれましては、調査の 趣旨をご理解いただき、アンケート調査にご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

ご返信につきましては、FAX、郵送あるいはE-mailにて、

2 月 3 日(金)

までに下記までお 送りくださいますようお願いします。

電子ファイルでの回答につきましては、ファイルを以下からダウンロードして直接記入送信下 さい。

<ダウンロード先>

http : //bi t.l y /c rep su r vey

敬具

<お問い合せ・連絡先>

NPO法人気候ネットワーク

〒604-8124 京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305 TEL075-254-1011 FAX075-254-1012 担当:豊田陽介 E-mail: [email protected]

(22)

1. 貴団体に関して、以下の事項についてお教えください。

※市⺠共同発電所事業の⺟体となっている組織についてお教えください。

団体名 代表者名 ご担当者名 所在地

連絡先 TEL: FAX:

メールアドレス:

団体HP

団体設立年 会員数

職員数 有給:専従( )人、パートタイム( )人、無給( )人 年間予算

(過去2年)

年度 万円 年度 万円 2. 貴団体の活動⽬的をお答えください。

3. 貴団体の活動概要をお答えください(活動に市⺠共同発電所設置も含む)

(23)

4. 貴団体はどのような⽬的で市⺠共同発電所を設置しましたか。次の項⽬のうち、⽬的としてあて はまるものを選び、回答欄に○をつけてください。

項目 大変

あてまる 少しは当はまる あまりはまらない 全く当まらない

1 地球温暖化防止、低炭素社会の実現

2 原子力発電の代替案としての自然エネルギー普及 3 地域のエネルギー自給力の向上

4 地域づくり、まちづくりへの貢献

5 地域経済循環の創出による地域経済活性化

6 地域での自然エネルギー普及のためのしくみづくり 7 現在のエネルギー政策の転換にむけた働きかけ

8 発電所づくりを通じた地域住民や自治体、他団体、企業との連携 9 その他(自由記述)

5. 市⺠共同発電所の実施にあたって貴団体が特に重視している連携先はどこですか?項⽬ごと に該当する欄に○をつけてください。

項目

して して ない いない携がない

1 地域住民・市民 2 市町村

3 都道府県

4 生活協同組合(コープ)

5 農協、漁協、森林組合 6 金融機関

7 他の民間団体(NPO 等)

8 民間企業 9 大学

10 その他重視している団体・組織等あればご記入ください

(24)

6. 市⺠共同発電所の事業の実施にあたって課題となったことはなんですか?項⽬ごとに該当す る欄に○をつけてください。

項目 大き

な課題

となっ

一定の課題

であ

あまり課題 にはな

かっ

全く課

はなかっ

1 設置場所探しやその選定 2 事業主体となる組織づくり

3 事業実施にあたり中心となる人材の確保 4 設置場所・地域関係者、自治体等との合意形成 5 土地や屋根を借りる際の条件やルールの検討 6 メーカーや工事業者の選定

7 設置工事の際の技術面での検討 8 資金調達、資金管理

9 設置後の管理体制(メンテ、監視)

10 諸制度への対応(自治体の独自規制、各種条例など)

11 系統連系協議や設備認定等の許認可手続き

12 その他特に課題になったことや、それをどのように乗り越えましたか(自由記述)

図 3  有 図 4  パ 図 5  有63%93% ⾮回314253%83%183%223%83%93%⾮2 有給専従職員パートタイム有償ではない 3 3%55%回答1% 有給専22%38%4%%⾮回答21%パートタ53%73%105%⾮回答29%有償では 員の人数  ムスタッフのいスタッフの23%3% 専従職員の タイムスタッ248%5%はないスタッ 数 数  042 110の⼈数042%113%ッフの数029%1310%2%ッフの数0 %1 0%%
図 6  市 3.5  実   市民・ が最も多 回答し、 た。次い 間団体」 では「金 いる」を   一方、 ない」、 業の連携   この他 祉施設、 があった地発電 市民・地域共同実施にあたっ・地域共同発多く、36 団体「あまり重視いで「大変重で22団体、金融機関」やを合わせると 「生活協同組「重視してい携先としてい他の連携先と保育園・幼た。また、ど地原⼦⼒発電の代地域経済地域での⾃然エネ現在のエネル電所づくりを通じ⼤変当てはま全く当てはま 同発電所の設 て重視してい発電所の実施体、94.7%が視してい
表 2  市     地域住⺠ 市町村  都道府県 ⽣活協同 農協、漁 ⾦融機関 他の⺠間 ⺠間企業 ⼤学  図 7  市 3.6  事   市民・ 管理」が⽣活農他の ⼤変重視 市民・地域共⺠・市⺠ 県  同組合(コープ漁協、森林組合関  間団体(NPO 等業  市民・地域共同事業の実施に・地域共同発が最も多く、地域住⺠都活協同組合(コ農協、漁協、森⾦の⺠間団体(NP⺠変重視している視していない 共同発電所のプ) 合 等)  同発電所の実 あたって課題発電所の事業 25 団体、60%⺠・市⺠市町村都道府県
表 3  事     設置場所 事業主体 事業実施 設置場所 ⼟地や屋 メーカー 設置⼯事 資⾦調達 設置後の 諸制度へ 系統連系 図 8  事 事設置場所⼟地や諸制度系統⼤き全く 事業の実施に 所探しやその選体となる組織づ施にあたり中⼼所・地域関係者屋根を借りる際ーや⼯事業者の事の際の技術⾯達、資⾦管理 の管理体制(メへの対応(⾃治系協議や設備認 事業の実施にあ事事業実施にあた所・地域関係者や屋根を借りるメ設置⼯設置後の管度への対応(⾃統連系協議や設きな課題となっく課題ではなか にあたって課選定 づくり
+6

参照

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