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情報化社会における店舗探索手段と拡張する都市の奥行きに関する研究 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)情報化社会における店舗探索手段と拡張する都市の奥行きに関する研究. 大木 健人 1. はじめに. 2. 都市構造の解析的な奥行きと経験的な奥行き. 1-1. 研究の背景と目的. 2-1. 解析的な奥行き . 従来、都市内の店舗は看板や店内の様子などにより. 都市の奥行きを解析的に表現するために、本稿では. その存在を主張していた。しかし現在、本研究の対象. スペースシンタックス理論(SS 理論)を用いる。こ. 地である福岡市中央区大名地区には存在を主張せず街. の 理 論 は Bill Hillier ら に よ っ て 提 唱 さ れ た 理 論. 路空間からの発見が困難な店舗が発生している。また. であり、範囲内の街路相互の相対的な奥行き度合い. 来街者にも変化が起こっており、近年の Web の普及は. を表現出来る。なお、本研究では解析ソフトとして. 街を訪れずに店舗の情報を得ることを容易にした。 . Axwoman4.0 を用いて街路の相対的奥行きを表現した. このような背景から、本研究では都市内の奥まった. (図 2)。図 2 中の線が太い街路ほどアクセスがしやすく、. 街路への立地や、閉鎖的なデザイン形態の店舗が成立. それらは概ね紺屋町通りよりも東側に位置していた。. している要因は、店舗が内観や匂いなどといった従. 2-2. 経験的な奥行き. 来、都市空間に存在した情報に代わり、店舗探索のた. 経験的な奥行きとして来街者がよく使う通りをアン. めの情報を Web 上で伝えること、またそれらの情報を. ケート調査から求めた(図 3)。また、一階部分の立地. 来街者が容易に取得できることではないかと仮説を立. 現況を現地調査から明らかにした(図 4)。図 3 によれ. てた。本研究では Web に溢れる店舗情報と実際の街路. ば大名地区を利用する人がよく使う通りは東側に集中. における店舗立地、デザインとの関係を明らかにする。. しており、経験的にも東側はアクセスしやすく、西側. また Web の普及によってもたらされた現在の来街者の. はアクセスしづらいことがわかった。. 店舗探索行動を考察する。ここから、情報化社会が街. 次に、図 4 の現状の一階部分業種を見てみると、ア. と人に与えた影響に関しての知見を得る。. クセスのしやすい東側の街路には服飾系の立地が目立. 1-2. 研究の方法. ち、これに対して飲食系の店舗はアクセスのしづらい. 図 1 に研究の方法を示す。まず、二章では都市空間. 西側の街路に多く存在していた。. 内の店舗の奥行きについて、解析的観点と利用者の経. 仮説 情報発信手段の多様化が奥まった 店舗を成立させている. 験的な観点の二点から分析を行う。それらを現状の店. 天神西通り 立地・デザインの傾向. 二章:現状の都市の奥行き把握. 舗立地と比較し、本当に奥まった街路にも店舗は立地. ・解析的な奥行き ・利用者の経験的奥行き. しているのか考察する。三章では店舗のデザイン面で. 紺屋町通り. 三章:「奥まった店舗」の特徴 ・定義及び抽出 ・デザインの傾向. の奥行きについて考察するために、隠れ家的店舗とい. 店舗に関する情報. う言葉に注目する。次に四章で、店舗の Web 上への情. 四章:WEB 上での情報の量. 図 2 街路の相対的奥行き. ・店舗ホームページ所有率 ・HotPepper 掲載率. 報掲載と実際の都市空間内の店舗立地との関連を明ら. 五章:都市内インターフェース ・フライヤー内の QR コード ・店舗前面の QR コード. かにする。また、五章で都市空間の情報化の事例とし. 指摘数:10 件以上 指摘数:5 以上 10 未満 指摘数:2 件以上 5 件未満 指摘数:2 件未満. 地区の東側に集中. 来街者の行動. て地区内のフライヤーに注目し都市内インターフェー. 六章:人々の店舗探索行動 ・情報端末の利用 ・大名地区の捉え方. スとして紹介する。最後に、六章で利用者の店舗探索. まとめ. 手段の現状を明らかにする。これらから、仮説の妥当. 図 1 研究の方法. 性について検証を行う。 1-3. アンケート調査概要. 図 3 来街者がよく使う通り. 地区の南東に分布. 本研究では①地区内でよく使う通り②隠れ家的店舗. 北西に広く分布. について③店舗探索に用いる手段④情報端末の利用経 験の四点を明らかにするためにアンケート調査を行っ た。対象者は九州大学工学部の三年生 45 名である。. 図 4 一階部分用途 (左 : 服飾雑貨、 右 : 飲食系). 4-1.

(2) 3. 奥まったデザインを持つ店舗. 3-3. 奥まった店舗の特徴. 前章では街路構造に注目し、奥まった街路にも店舗. デザイン面で奥まった店舗についてその店舗の立地. が立地していることを明らかにした。本章では地区内. や建物の状態を見てみると、大きく二つの特徴を持っ. のミクロな観点での奥行きとして店舗デザインに注目. た形式が見受けられた。. する。そのために来街者が考える奥まった店舗の印象. 3-3-1. ストック利用したもの. を基に奥まった店舗の定義を行い、抽出した店舗につ. 既存の構造や建物といったストックを利用すること. いて考察する。. で奥まった形態をとった店舗である。マンションの一. なお、回答者には隠れ家的店舗の印象を訪ねた。隠. 室を利用したものが 9 件と、民家を改築して利用して. れ家的という言葉の中にデザイン的な奥行き性が含ま. いるものが 8 件あった。民家改築型は敷地形状も民家. れていると考えられ、また雑誌等でよく見かけること. のころの名残である旗竿敷地のものが多く、アプロー. から回答者も固有の印象が浮かびやすいと考えた。. チが長いことも特徴である。. 3-1. 来街者が考える隠れ家的店舗. 3-3-2. デザインしたもの. アンケートから得られた隠れ家的店舗の印象を図 5. 開放的なつくりにすることが出来たにも関わらず、. に示す。これらの項目は大きく三つに分類できる。一. あえて街路空間との隔たりや距離を持ったデザインと. つ目は「入口がわかりにくい」「看板が出ていない」. しているものである。接道したエントランスを持って. など発見の困難さであり、二つ目は 「 アプローチが長. いるにも関わらずファサードを閉鎖的に作ったものが. い 」「 地下にある 」 など物理的な遠さを指すものであ. 14 件、建物を新築する際に、私有地内に長いアプロー. る。これらの指摘が見られたことで、デザイン的に奥. チ空間が出来るような計画を行ったものが 42 件、ビ. まった店舗の印象を隠れ家的店舗という言葉を問うこ. ルの高層階にあり、奥まったものが 99 件であった。. とで間接的に抽出できたと考えられる。. 幅員のせまい大名地区において高層階に立地する店舗. 三つ目に「街路の雰囲気とは別世界」「店内が個室」. は著しく視認性が低く、多数の該当店舗が存在した。. など内部空間の個性についてのものである。次項では. 4. 地区内飲食店の情報発信. 本項で得られた隠れ家的店舗のデザイン面での印象を. 4-1. 情報媒体上での奥行き感. 基に奥まった店舗の抽出を行う。. 大名地区内には立地及びデザイン的に奥まった店舗. 3-2. 奥まったデザインを持つ店舗の抽出. が存在しており、その大半が飲食店であることを確認. 前項での結果を基に奥まったデザインの店舗を抽出. した。そこで本章では、仮説によれば情報発信に依. した。表 2 に示す 3 つの基準を設け、その中の 2 つ以. 存し成立していると考えられる地区内の飲食店に注目. 上に該当する店舗を奥まった店舗とし、241 件を抽出. し、情報発信を積極的に行っているのか検証する。. した(表 2)。その 71.4% にあたる 172 件が飲食店であっ. 4-2. 店舗ホームページ所有率に見る情報量. た(表 3)。大名地区内の飲食店は立地、店舗デザイン. まず、地区内の飲食店 289 件の店名を個々に Google. で奥まった形態をとった飲食店が存在している。情報. の検索にかけ HP 所有の有無を確認し、27%の 78 件の. 発信によって奥まった. 店舗が店舗 HP 注 1)を持っていた(表 5)。図 6 は各街路. 店舗が成立していると. に面する HP を所有している飲食店の件数を、街路に. すれば情報発信の重要. 面する全飲食店の件数で除した値が大きいほど太い線. 度が最も高い業種は飲. を与えたものである。表 5 店舗 HP 所有率. 食店であると言える。. こ れ に よ れ ば、 自 社 地区内の飲食店について. 入り口がわかりにくい 看板が出ていない 街路の雰囲気とは別世界 アプローチが長い 建物が古い 異国情緒がある 店内が個室 地下にある マンションの一室が店舗 建物内にテナントが複数 完全予約制 ビルの高層階にある 駅から遠い その他 0%. 5%. 10%. 15%. 20%. 25%. 30%. 図 5 来街者が考える隠れ家的店舗 表 2 抽出条件と該当要素内訳. 項目 看板から業種が判断不能 街路から入口が見えない 街路から店内が見えない. 表 3 奥まった店舗内訳 業種. YES NO 計 112 129 241 226 15 241 235 6 241. 表 4 奥まった店舗の特徴 ストック利用 マンションの一室 民家改装. 件数. HP. 割合. 飲食系. 172. 71.4%. 美容室. 20. 8.3%. 服飾系. 17. 7.1%. その他. 32. 13.3%. 計. 241. 100%. ホームページを持っている を 持 つ 店 舗 の 割 合 持っていない 大名地区の総数. が 30% 以上の街路は地. 該当件数 78 211 289. 店舗 HP 所有率. 区の西側に多く立地し. :30% 以上. ている。地区の西側は. :20% 未満. :20% 以上 30% 未満. アクセスしづらい街路. デザイン ファサード改装 新築時デザイン. であり、奥まった街路 に立地する店舗ほど、 情報発信していると考 えられる。 4-2. 図 6 店舗 HP 所有率. 割合 27.0% 73.0% 100%.

(3) 4-3. 階層ごとに見た情報発信 ドコイク ?. 注 2). 様に、一階部分での HotPepper.jp への掲載率が 17.1%. に掲載されている大名地区内の飲食. であるのに対して、それ以外のフロアの掲載率平均は. 店と、これら飲食店のうち Web 上でクーポン掲載店舗. 36.6% であり、立地面での奥まりとの相関は全飲食店. を検索できるグルメサイト HotPepper.jp に掲載があ. の場合と同じ傾向が伺えた。しかし、全隠れ家的店舗. る店舗の住所情報や店舗名をドコイク ?API. 注 3). を用い. に占める HotPepper.jp 掲載店の割合は 32.0% であり、. て抽出した。抽出した HotPepper.jp 掲載店の住所デー. 地区内飲食店全体の HotPepper.jp 掲載率 48.3% を大. タに立地フロアに応じた高さを与え、GoogleEarth 上. きく下回る結果となっている。デザイン面で奥まった. で可視化した(図 7)。これによると HotPepper.jp 上. 店舗は地区内の飲食店と比較すると情報発信に対して. に現れる飲食店は、前項と同様に地区の西側奥のほう. 消極的であった。. まで広く立地している。また、街路空間上からは目視. 5. 都市内インターフェース. できない高層階からも HotPepper.jp 上での情報発信. 本章では、都市空間から情報へとアクセスすること. がされており、天神西通りが際立った。. を促す、都市内インターフェースについて紹介する。. 4-4. 飲食店全体と奥まった店舗の情報発信の比較. 5-1. フライヤー内の URL . 次に、飲食店総数と HotPepper.jp 掲載店舗数につ. 地区内で配られているフライヤー 188 枚を回収し、. いて、また三章において抽出した奥まった店舗のうち. URL、及び QR コード注 4)の有無について調査した(表 7)。. HotPepper.jp に掲載している店舗について立地フロア. 70% にあたる 131 枚のフライヤーが URL や QR コードを. ごとに集計した(表 6)。ドコイク ? に掲載されいてい. 掲載していた。URL 非掲載型では名刺、カードサイズ. る大名地区の飲食店 391 件のうち、全体の 48.3% にあ. が 29.8% であり、このサイズのフライヤーには地図や. たる 189 件が HotPepper.jp でクーポン券を提供して. 店名など最低限の情報しか含まれていない(写真 1 左)。. いた。各階の HotPepper.jp 掲載率を見ると、1 階部分. それに対して URL 掲載型は蛇腹折りや本の形式が 40%. に立地する店舗のうちで HotPepper.jp に掲載してい. ほどあり、URL 掲載型のフライヤーは紙面、Web 上と、. る店舗が 36.2%であるのに対して、一階を除く店舗の. 共に多くの情報を載せていた。. 掲載率は平均 66.7% であり、1 階に立地している店舗. 5-2. ポータル化するフライヤー. を大きく上回った。このように HotPepper.jp のデー. URL 掲載型フライヤーの一部は紙面の情報を店名と. タには多くの奥まった店舗の情報が含まれていた。来. キーワードのみに絞ることで、多くの店舗を一覧で掲. 街者は Web によって図 7 のように地区の店舗情報を網. 載していた(写真 1 右)。これらはインターネット上. 羅的に把握できる環境にある。そのため、実際の都市. のポータルサイト 注 5) の役割を果たし、店舗個々の情. 内で立地的に奥まった店舗の情報にも容易にアクセス. 報への入口としてのみ存在する。利用者は携帯電話. できるものと考えられる。. にそれらの情報を保存すれば、荷物を増やすことなく. 奥まった店舗のフロアごとの HotPepper.jp 掲載率. Web 上のすべてのサービスを持ち歩くことが出来る。. を見てみると、地区内飲食店全体に見られた傾向と同. 実際の都市空間内においても看板や店内の様子などを 手がかりとした店舗探索に加え、一旦 Web を経由し情 報を得るという情報端末に依存した店舗探索の機会が あり、都市空間の情報化が進んでいることが伺えた。 表 7 回収したフライヤー内の URL 掲載有無の内訳. 天神西通り. 紺屋町通り. フライヤーのサイズ 名刺、カードサイズ はがきサイズ コースターなど特殊な形 蛇腹折りなど、はがきサイズ以上 本 計. 国体道路. URL、QRコードがあるもの 各個数/URL総計 ないもの 各個数/ないもの総計 13 9.9% 17 29.8% 62 47.3% 26 45.6% 4 3.1% 1 1.8% 34 26.0% 13 22.8% 18 13.7% 0 0.0% 131 100% 57 100%. 図 7 HotPepper 掲載店を Google Earth 上で可視化. 表 6 地区内飲食店とデザイン面で奥まった店舗の HotPepper.jp 掲載率 立地フロア 9F 8F 7F 6F 5F 4F 3F 2F 1F B1F 1Fを除いた合計 計. 飲食店総数 Hot 掲載店 奥まった店舗総数 各階のHot掲載率 件数 件数 件数 1 1 100% 1 2 1 50.0% 2 8 6 75.0% 8 10 6 60.0% 17 23 12 52.2% 20 23 11 47.8% 21 30 25 83.3% 27 56 40 71.4% 31 235 85 36.2% 41 3 2 66.7% 4 156 104 66.7% 131 391 189 48.3% 172. Hot 掲載店 件数 1 1 6 6 5 7 11 10 7 1 48 55. 奥まったHot掲載率 100.0% 50.0% 75.0% 35.3% 25.0% 33.3% 40.7% 32.3% 17.1% 25.0% 36.6% 32.0%. 写真 1 (左) URL 非掲載型のフライヤー (右) ポータル化したフライヤー. ※表中の Hot は HotPepper.jp の略である。. 4-3.

(4) 表 8 店舗探索方法 飲食店 (左) 服飾店 (右) 選択肢 都市内の店舗や看板 フライヤー 雑誌 インターネット 携帯電話 その他 計. 大人数の場合 少人数の場合 件数 割合 件数 割合 5 10.4% 16 34.0% 1 2.1% 1 2.1% 25 52.1% 9 19.1% 12 25.0% 8 17.0% 2 4.2% 1 2.1% 3 6.3% 12 25.5% 48 100% 47 100%. 選択肢 偶然立ち寄った 友人に連れられて フライヤー 雑誌 インターネット 携帯電話で その他 計. 表 9 情報端末利用経験 件数 28 14 2 1 1 1 0 47. 割合 59.6% 29.8% 4.3% 2.1% 2.1% 2.1% 0.0% 100%. 大名地区に関する情報を取得した経験はあるか? 自宅のインターネットから i-mode,EZ web Yahoo!ケータイから. YES 割合 NO 割合 計 29人 66% 15人 34% 44 11人 25% 33人 75% 44. 表 10 携帯端末からのアクセスをどこで行ったか? 携帯端末を利用してどこからその情報にアクセスしたか? その店舗の店内 他店の店内 路上 その他. 6. 来街者の店舗探索方法. 件数(件) 3 1 6 2. 表 11 回答者が路上で情報を取得した 37 件の内訳. 6-1. 店舗探索方法内訳. 取得した情報 地図 クーポン 電話番号 料金・メニュー その他 営業時間 写真. 飲食店探索の際と、服飾店探索の際に来街者が選択. 件数. 32. 21. 9. 7. 6. 4. 割合. 38.6%. 25.3%. 10.8%. 8.4%. 7.2%. 4.8%. 4. 計 83. 4.8% 100%. する方法についてのアンケート結果を示す(表 8)。飲 食店の探索を行う場合、最も多く使われる手段は雑誌. で、事前に調べていた位置情報を補完し、容易に店舗. であり、大人数での飲食の場合は 52.1% であった。そ. へと到達していた。ある回答者は店名のみを友人から. の内訳について記入のあった 20 件すべてが HotPepper. 告げられ、場所がわからないため携帯端末から地図を. であった。同誌の入手の容易さが大きく影響した結果. 取得していた。. であると考えられる。インターネットを利用した店舗. 6-3-3. 周辺店舗の網羅的把握. 探索は大人数の場合 25.0%、少人数の場合 17.0% であ. 表 11 に示した様々な情報は HotPepper.jp などの総. り、店舗探索手段の一つとして定着している。Web を. 合情報サイトに掲載されている。ある回答者は不意に. 用いる来街者は、Web 上に店舗情報を掲載してあれば、. ご飯が食べたくなった際に、HotPepper.jp にアクセス. 実際の都市空間において奥まった立地の店舗であって. し、自分の現在位置から近いことや、雰囲気、料理の. も容易に発見できる。一方の服飾系の店舗探索は、 「偶. ジャンルなどを基準に次々と店舗を絞り込んで行き、. 然立ち寄った」と「友人に連れられて」が全体の約. わずか 10 分ほどでその日の店舗を決定し、到達して. 90% を占め、店舗決定は回遊しながら行われていた。. いた。回答者は Web 上の様々なコンテンツを駆使する. 6-2. 情報端末利用の詳細 . ことによって周辺店舗のうちで、自分たちのニーズに. 情報端末から情報を取得した経験について詳細を見. 最適の店舗を探索し、到達していた。. た表 9 によればアンケート回答者のうち、66% がイン. 7. まとめ. ターネットを用いて大名地区内の店舗に関する情報を. 本研究では、まず多くの飲食店が立地的にもデザ. 取得していた。また回答者の 25% が携帯電話を用いて. イン的にも奥まっていることを明らかにした。次に、. 大名地区の店舗に関する情報を取得した経験を持って. Web 上での情報発信は平面的、立面的に奥まった店舗. いた。その内訳を表 10 に示す。表 10 中にある路上. が盛んに行っていることを明らかにした。また、都市. からの情報取得は店舗探索との関連が深いと考えら. 内のフライヤーは Web 上の多くの情報への入口となっ. れる。次項では携帯電話を用いて路上から店舗情報を. ていた。来街者は Web を主な店舗探索手段の一つとし. 取得した経験のある 34 名を新たに対象としてインタ. ており、時に路上からも携帯端末を用いて Web 上の情. ビューを行う。. 報を取得することで周辺の店舗を網羅的に把握し、容. 6-3. 携帯端末を利用する来街者の店舗探索行動. 易に店舗へと到達していた。このような来街者の Web. 6-3-1. 取得した情報内訳. を介した店舗発見は実空間上での店舗発見の困難さを. 路上から携帯端末を利用して情報を取得した 37 件. 補っていると考えられ、大名地区内に存在している奥. の事例について、取得した情報の内訳を表 11 に示す。. 行きを持った立地、及びデザインの店舗を成立させる. これによると来街者が最も多く取得していた情報は地. 要因であると考えられる。. 図であり 32 件に及んだ。次に多く取得されていた情. 注 1)ここで扱った HP は店舗が独自に作成したものである。ぐるなびや、HotPepper など店舗情報を総合的に扱ったサイトは含めていない。 注 2)店舗・施設の情報 1000 万件以上をデータベース化したサイト。 注 3)ドコイク ? 上の情報の中から任意の情報を抽出することが出来るプログラム 注 4)カメラ付き携帯電話で読み取ることが可能な二次元バーコード。URLを読み 取ることが出来、Webへのアクセスを容易にする。 注 5)Yahoo!、Google 等、様々な情報へのアクセスを容易にし、入口となるサイトの総称。 参考文献 1)荒屋 亮 , 竹下 輝和、池添 昌幸:スペースシンタックス理論に基づく市街地オー プンスペースの特性評価 日本建築学会計画系論文集、2005.3 2)高山 幸太郎 , 中井 検裕 , 村木 美貴:商業集積地における空間の「奥行」に関 する研究-下北沢を対象として-日本都市計画学会学術研究論文集 2002 年 3)Bill Hillier:THE SOCIAL LOGIC OF SPACE 、CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS1984. 報はクーポンチケットであり 21 件であった。そのほ かには料金・メニューや店内の写真など来店を検討す るための情報が取得されていた。来街者がこれらの情 報を用いることで行った店舗探索行動について次節か らまとめた。 6-3-2. 容易な店舗到達 携帯端末利用者は地図情報を路上から取得すること 4-4.

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