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平成 27 年 1 月 19 日提出 日本プロサッカーにおける ホームタウン決定要因について 指導教員 内田浩史 学籍番号 氏名 B 西澤成基

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平成27年 1月 19日 提出

日本プロサッカーにおける

ホームタウン決定要因について

指導教員 内田浩史

学籍番号 1192684B

氏 名 西澤 成基

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第1節:はじめに

サッカーは世界で最も人気のあるスポーツと言われている。というのも、サ ッカー自体のルールがとても簡単で、お金がなくてもボールとある程度の広さ の場所を確保できたならば誰でもプレーすることができるからである。現在で は、サッカーは200を超える国で約2億5000万人以上の人々がプレーを しており、さらにファンは世界中で16億人いるとされている。 日本でも1993 年に日本プロサッカーリーグが開幕してから 20 年以上経って いるが、近年の日本のサッカーは世界でも戦えるレベルになりつつある。日本 のクラブチームから海外のクラブチームに移籍し、活躍する選手が出てくるよ うになった。さらに、近年、マンチェスター・ユナイテッドFCの香川真司や ACミランの本田圭佑選手といった海外でも名門とされるクラブチームに移籍 し、そこにおいても大活躍するような選手も出てきている。サッカーの世界選 手権大会(FIFAワールドカップ)でも日本代表は5回出場し、3回ベスト 16に進出するまでになった。アジア大陸選手権大会(AFCアジアカップ) でも4回優勝している。 また、日本の女子サッカーのレベルも近年目を見張る速さで上がっている。 2011年にはFIFA女子ワールドカップで日本代表が優勝を果たし、20 12年のロンドンオリンピックでも準優勝を果たしている。また、選手個人と しても澤穂希選手がアジア人初としてFIFA女子最優秀選手賞を受賞してい る。 そこで本研究では、レベルが上がりつつある日本のサッカーに注目し、日本 プロサッカーリーグ(Jリーグ)において、Jリーグに加盟しているクラブチ ームが定めているホームタウンはどのような要因をもって決定しているのかを 分析する。次に、このような分析をするに至った動機を述べる。 日本プロサッカーリーグに加盟している56 のクラブチームに対して、ホーム タウンとなっている都道府県は36 都道府県にとどまっている。この偏りに疑問 を持った。例えば、大阪府は2つのクラブチームがホームタウンとしている。 セレッソ大阪とガンバ大阪である。具体的に言うとセレッソ大阪は大阪府の中 でも大阪市と堺市をホームタウンとし、ガンバ大阪は吹田市、茨木市、高槻市、

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2 豊中市をホームタウンとしているが大阪府の中に2つのクラブチームのホーム タウンが存在している。また、関西圏だけでみても兵庫県、京都府にもそれぞ れ1つずつホームタウンとしているクラブチームがある。しかし、三重県や奈 良県、滋賀県には1つもクラブチームがホームタウンを置いていない。さらに 神奈川県には6つのクラブチームがホームタウンを置いているが、まだほかの 都道府県にはホームタウンを置かれていない場所も存在する。 なぜ、このような複数のクラブチームがホームタウンとしている都道府県も あれば、どのクラブチームもホームタウンとしていない都道府県があるのか疑 問に感じた。そこからクラブチームはどのような要因をもってホームタウンを 決定しているのかを調査するように至った。 本分析はJリーグ創設時、J2新設時、J3新設時の3つの時期に分け、そ れぞれの時期に加入したクラブチームのホームタウンはどのような要因が影響 しているのかを分析する。要因としてそれぞれの時期までの変数、もしくはそ の時期前後のものを集計し、使用した。 ホームタウンの決定に影響を与える要因として、やはりそのクラブチームの 利益につながるかではないかと考えた。そのため、試合で勝ち、ファンを獲得 でき、収益がふえる要因になりそうな変数を選ぶことにする。選んだ変数は「そ の年に加入したクラブチーム数」、「既加入クラブチーム数」、「事業所数」、「都 道府県別人口」、「全国高等学校サッカー大会優勝数」、「全国高等学校サッカー 大会準優勝数」、「人口性比」、「都道府県別面積」の8つである。被説明変数は 「その年に加入したクラブチーム数」であり、説明変数は「既加入クラブチー ム数」、「事業所数」、「都道府県別人口」、「全国高等学校サッカー大会優勝数」、 「全国高等学校サッカー大会準優勝数」、「人口性比」、「都道府県別面積」とす る。 本分析の結果は以下の通りである。 まず、Jリーグ創設時の分析結果は、Jリーグ創設時に加入したクラブチー ムのホームタウン決定要因はJリーグ創設時に加入したクラブチームのホーム タウンになった都道府県は人口が多く、全国高等学校サッカー大会で準優勝の 高校が多い都道府県であり、事業所数が多く、全国高等学校サッカー大会で優 勝校が多い都道府県は選ばれにくい傾向があったという結果が出た。

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3 次に、J2穿設時の分析結果は、J2新設時に加入したクラブチームのホー ムタウン決定要因はJ2新設時に加入したクラブチームのホームタウン決定に は、人口が多い都道府県が選ばれ、事業所数が多く、すでに別のクラブチーム がホームタウンとなっている都道府県は選ばれにくい傾向があったという結果 が出た。 最後に、J3新設時に加入したクラブチームのホームタウン決定要因はJ3 新設時の分析結果は、今回用いた変数は有意性を得ることができなかった。 当初予想していたそのクラブチームの利益につながるかがホームタウン決定 の要因であると予想していたが、Jリーグ創設時、J2新設時、J3新設時の 各時期で要因は違っており、予想通りとはいかなかった。 本論文の構成は以下の通りである。 第2節では、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の背景を述べる。「2.1 節」ではJ1とは何か、「2.2節」でJ2と何か、「2.3節」でJ3とは何 か、「2.4節」ではJリーグにおける昇格と降格について述べている。そして、 「2.5節」ではJリーグ発足までについて、「2.6節」ではJリーグ発足か らJ2新設までについて、「2.7節」J2新設からJ3新設までについて、「2. 8節」ではJ3新設から現在までについて述べている。 第3節では、本分析で使用する分析手法について述べている。 第4節では、本分析で用いる変数について述べる。「4.1節」では被説明変 数について、「4.2節」では説明変数について、「4.3節」ではJ1創設時 の分析に使用するデータについて、「4.4節」ではJ2新設時の分析に使用す るデータについて、「4.5節」ではJ3新設時の分析に使用するデータについ て述べている。 第5節では、本分析に関して分析を行う前に設定した仮説とその理由につい て述べている。 第6節では、本分析の結果と考察について述べている。「6.1節」ではJ1 創設時の分析結果と考察を、「6.2節」ではJ2新設時の分析結果と考察を、 「6.3節」ではJ3新設時の分析結果と考察を、「6.4節」では今回の分析 全体を通しての結果と考察を述べている。

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4 第7節では、本論文全体のまとめを述べている。「7.1節」では総括を、「7. 2節」では本論文の反省を述べている。

第2節:日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

この節では本分析を述べるにあたって最も重要になる日本プロサッカーリー グ(Jリーグ)とは何なのかをその背景や現在までの経緯を交えながら述べる。 日本プロサッカーリーグとは日本に存在するプロサッカーのリーグであり、 略称はJリーグである。 発足までの流れとして 1991 年にJリーグ開幕時に参加するクラブチームが 発表され、1993 年に最初の 10 のクラブチームで開始し、1998 年までは 1 部リ ーグのみのJリーグとして最大で18 のクラブチームによって開催された。1999 年からJリーグディビジョン1(J1)とJリーグディビジョン 2(J2)の 2 部制に移行、2014 年からはJ3リーグ(J3)が創設され、現在に至る。 2014 年シーズン開始時点で、Jリーグには、日本国内の 36 都道府県に本拠 地を置く合計51クラブが加入している。内訳としては、J1は18クラブチ ーム、J2は22クラブチーム、J3は11クラブチームである。 以下ではJリーグディビジョン 1(J1)、Jリーグディビジョン 2(J2)、 J3リーグ(J3)とはそれぞれどういったものなのか、また、Jリーグにお ける昇格と降格について、そしてJリーグ創設前の構想から現在までに至る流 れを述べる。

2.1:Jリーグディビジョン

1(J1)とは

J リーグ ディビジョン 1(J1)は、日本プロサッカーリーグ(J リーグ)に おける1 部リーグのことを指す名称である。J リーグは 1993 年から 1998 年ま では 1 部のみの「J リーグ」として最大 18 チームで開催され、1999 年から J リーグ ディビジョン 1(J1)と J リーグ ディビジョン 2(J2)の 2 部制に 移行したことに伴い、現在の名称で呼ばれるようになった。1993 年から 1998 年のJ リーグ、および 1999 年以降の J1 には「2 ステージ制」の時期と「1 ス テージ制」の時期があった。また、J リーグはシーズンの開幕時期に関して、1993

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5 年から現在まで、「春秋シーズン制」を採用している。春秋シーズン制とはシー ズンが3月に開幕され、同年の12月に閉幕する、というものである。欧州の サッカーリーグでは、夏や秋にシーズンが開幕し、翌年の春や夏に閉幕する、 という制度が主流である。 ここで、2 ステージ制とは何か説明する。2 ステージ制とは 1 シーズンを 2 つ のステージに分けて行い、各シーズン2回選総当たり、年間で 4 回選総当たり の試合を行い、試合の結果によって得る勝ち点の総獲得数で順位を決める。第2 ステージ終了後に両ステージの優勝チームによる J リーグチャンピオンシップ (年間王者決定戦)を開催し、そのシーズンの年間優勝クラブ(年間王者)を 決める制度である。1993 年から 1995 年まで、そして、1997 年から 2004 年ま でJ1で実施された。また、2015 年のシーズンから再度実施される予定である。 1996 年はアトランタオリンピックやアジアカップが開催され、日程の関係で 年間で2 回選総当りの 1 ステージ制を採用した。 1997 年から 2004 年までは再び、各ステージを 2 回選総当り、年間で4回選 総当たりで開催した。 2015 年からは再び 2 ステージ制で開催される予定である。J リーグチャンピ オンシップを復活させ、新たに前半ステージと後半ステージの優勝チームが年 間勝ち点2 位、3 位とそれぞれ対戦するスーパーステージを導入予定であり、そ のトーナメントで勝ち上がったチームがチャンピオンシップに出場し、年間勝 ち点1 位のチームと試合をし、年間王者を決める。 また、1 ステージ制とは、2 ステージ制とは異なり、シーズンを通してステー ジを分けることなくリーグ戦を行う制度である。2 回選総当たりで試合を行い、 試合の結果によって獲得する勝ち点の総獲得数でそのシーズンの順位を決める。 これは、1996 年と 2005 年から 2014 年まで実施された。 1 ステージ制ではリーグ戦の順位を決めるための試合はリーグ戦以外では原 則行われない。1996 年シーズンはオリンピックやアジアカップが開催され、日 程の関係から2 ステージ制の代わりとして、1 ステージ制を採用した。2005 年 シーズン以降から2 回選総当りの 1 ステージ制へと移行した。 次に、J1の試合方式について述べる。1 ステージ制では、試合は 2 回選総当 りのホーム&アウェイ方式で 1 シーズン通して行われ、試合の結果で得る勝ち点

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6 の総獲得数で年間の順位を決定する。2 ステージ制では、2 回選総当たりのホー ム&アウェイ方式の 1 ステージを 2 回行い、試合の結果で得る勝ち点の総獲得 数で両ステージの順位を決め、最後にトーナメント戦などの試合を行い最終的 な順位を決める。勝ち点は試合で勝てば 3 点、引き分けると双方に 1 点が得る ことができるが、試合に負けると勝ち点は得ることはできない。1 ステージ制で は、複数のクラブチームの勝ち点が同点の場合、得失点差・総得点・直接対決 成績・反則ポイント・抽選の順で決める。J2が新設されてから現在は原則と して、下位 3 クラブチームが自動的に降格し、翌年はJ2所属となる。詳しく は後の昇格と降格についてにおいて述べる。

2.2:Jリーグディビジョン

2(J2)とは

J リーグディビジョン 2(J2)は、日本プロサッカーリーグ(J リーグ)に おける2 部リーグのことを指す名称である。創設された 1999 年から 2014 年現 在まで1 ステージ制を採用している。 次にJ2の試合方式について述べる。J2に存在する全クラブチームによる2 回選総当りの 1 ステージを1シーズン通して行われ、試合はホーム&アウェイ 方式である。試合の結果で獲得する勝ち点の総獲得数で順位を決定する。勝ち 点は試合に勝てば 3 点を、試合で引き分けると双方に 1 点を得ることができ、 負けると勝ち点は得ることはできない。最終的に勝ち点の多いチームがそのシ ーズンの優勝となる。同点の場合、得失点差・総得点・直接対決成績・反則ポ イント・決定戦の順で決める。なお、決定戦は主催者が特に必要とした場合に 実施する。行わない場合は抽選で順位を決める。 次に、J2の昇格と降格について簡単に述べる。原則として、上位チームが J1に昇格し、翌年はJ1所属となる。2012 年からは、上位 2 チームが自動で 昇格し、残る1 チームについては、J1昇格プレーオフを行って決める。2012 年シーズンから下位チームとの間で日本フットボールリーグ (JFL) との昇降 格が2014 年からは J3 リーグとの昇降格が行われた。昇格と降格についての詳 細は後の昇格と降格についてにおいて述べる。

2.3:J3リーグ(J3)とは

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7 J3リーグ(J3)は、J リーグが 2014 年度に新設したJ1,J2の下にあ たる 3 部リーグのことである。公益社団法人日本プロサッカーリーグによると J3とは、「サッカーというスポーツ文化の発展、競技人口の拡大、競技力向上」、 そして、「Jリーグを目指しうるクラブを全国に 100 以上つくる施策の具現化」 を目指したものである。 まず、J3の試合方式について述べる。3 回選総当たりで試合は行われ、試合 の結果によって獲得できる勝ち点の総獲得数で年間の順位を決める。方式とし てホーム&アウェイ方式の 2 試合に加え、どちらか一方のホームでの 1 試合で 行われるが、U-22 選抜に限り全試合アウェイ扱いとなる。2014 年シーズンは 12 のクラブチームによる 198 試合が行われ、各クラブチーム年間 33 試合を行 った。試合に勝てば、勝ち点を 3 点得ることができ、引き分けると 1 点が双方 のクラブチームに入り、負けると勝ち点は獲得できない。複数のクラブチーム の勝ち点が同点である場合は得失点差、総得点数、対戦成績(勝ち点→得失点 差→総得点数)、反則ポイント、抽選の順で順位を決める。 次に、J3昇格と降格について簡単に述べる。J3の上位のクラブチームは J2の会のクラブチームと入れ替え戦を行い昇格、降格がなされる。また、日 本フットボールリーグ(JFL)から条件を満たしているクラブチームはJ3 に昇格できる。詳しくは後で述べる昇格と降格についてにおいて述べる。

2.4:昇格と降格について

この節ではクラブチームの昇格と降格について述べる。JリーグではJ1と J2間において、そしてJ2とJ3間においてシーズンの成績でそれぞれのリ ーグの上位のクラブチームと下位のクラブチームの昇格と降格が行われる。 まず、J1とJ2間での入れ替えについて述べる。1999 年にJ2が新設され たときのJ1に参入した時のクラブチームは、前 2 年度の成績を考慮し、J1 参入決定戦を行い決定された。その後、J1とJ2の入れ替えは、J1の年間 成績下位 2 クラブチームとJ2の年間成績上位 2 クラブチームを自動的に入れ 替える形で行われた。しかし、2005 年シーズンからのJ1クラブ数をそれまで の16 クラブから 18 クラブに拡大されることになり、自動入れ替えと平行して 「J1・J2入れ替え戦」を導入することを決定した。その後、「J1・J2入

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8 れ替え戦」は 2008 年シーズンを以って廃止され、2009 年シーズンからはJ1 下位 3 クラブチームとJ2上位 3 クラブチームによる自動入れ替えのみに変更 された。そして、2012 年シーズンからは J2 からの自動昇格枠が再び年間順位 上位2 チームに減り、J2年間順位の 3 位から 6 位までの 4 チームによりJ1 昇格の「3 チーム目」を争うプレーオフ(J1 昇格プレーオフ)が導入されるよ うになった。ただし、J1昇格には財務基準などの条件があり、これを満たさ なければJ1昇格はできない。 次に、J2とJ3間での入れ替えについて述べる。J2の年間成績最下位が 自動で降格し、年間成績の最下位から 2 番目が「J2・J3(JFL)入れ替 え戦」に出場となる。そして、J3ができるまではJFLの、J3が新設され てからはJ3の年間成績1 位が自動で昇格し、2 位が「J2・J3(JFL)入 れ替え戦」に出場することになる。そして、この入れ替え戦での勝者がJ2に 所属することができる。ただし、J2参入へは平均観客動員数などの資格があ り、それを満たさなければ昇格できない。

2.5:Jリーグ発足までについて

Jリーグ設立に関して構想から発足までを述べる。日本ではJリーグが発足 される以前からアマチュア主体の全国リーグである「日本サッカーリーグ」(J SL)が存在していた。しかし、当時は日本国内におけるサッカー競技自体の 人気やサッカー選手の待遇が低かった。また、サッカー競技の知名度も低く、 マスコミなどにもあまり大きく扱われるほどの存在ではなかった。それを打開 しようと様々な試みを行うが状況は変わらなかった。しかし、1980 年代後半に FIFAワールドカップのアジア初となる日本開催の話が出てくると、それに 影響される形でプロリーグ構想が推進された。そして、日本初のプロサッカー リーグの「日本プロサッカーリーグ」(J リーグ)が発足したのである。

2.6:Jリーグ発足後からJ2新設までについて

ここでは、Jリーグ創設からJ2新設までについて述べる。1992 年にJリー グで開幕から加盟する最初の10 チームが決定される。これは通称オリジナル 10 と言われる。そして、1993 年からJリーグが開幕する。その後、1999 年にJ

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9 リーグの 2 部組織としてJ2が新設された。J2に最初に加盟されたクラブチ ームも10 チームであった。

2.7:J2新設後からJ3新設までについて

ここでは、J2新設からJ3新設までについて述べる。1999 年、J2が開幕 し、Jリーグで争うクラブチームは 27 チームとなっていた。しかし、「Jリー グの将来像」(http://www.j-league.or.jp/release/000/00002513.html)として定 めていた「全国で 100 以上のJリーグを目指しうるクラブが活動することを将 来目標とする」という点でまだ不十分であった。また、Jリーグディビジョン 3(J3)設立について(www.j-league.or.jp/aboutj/document/pdf/J3-outline.pdf) において、Jリーグ側の意識として「Jリーグは 40 クラブと準加盟 6 クラブま で拡大したものの全国に広がっているとは言えない」「サッカーファミリー拡大 のためには『Jリーグを目指す』と意思を表示したクラブをできるだけ広くJリ ーグの『仲間』として受け入れて、地域に根づいた、経営基盤の整ったクラブ になることをサポートすることで、Jリーグの理念を推進するクラブを日本に多 く作ること」と考えていたのでJ2の下部組織として、プロのクラブチームで 構成されるJ3の新設を進め、2014 年にJ3が新設された。

2.8:J3新設後から現在までについて

J3新設から現在まで述べる。J3が新設され、Jリーグで争うクラブチー ムは全てで 52 のクラブチームとなっている。また、2014 年から観客の増員、 売上のさらなる増益を目的としてJ1を11 年ぶりに 2 ステージ制へ移行し、J リーグチャンピオンシップを復活させ、新たに前半ステージと後半ステージ優 勝のクラブチームが年間勝ち点2 位、3 位とそれぞれ対戦するスーパーステージ を導入予定である。

第3節:使用する分析方法

本分析ではホームタウンの決定には何が影響されているのかを調べるための

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10 分析として、重回帰分析という手法を用いる。そこで重回帰分析とは何かを簡 単に説明する。重回帰分析とは原因となる複数の変数と結果となる変数の関係 性を、統計的手法を用いて調べ、それらの関係を「回帰式」という数式で表す 方法のことである。そして、原因となる変数は説明変数、結果となる変数は被 説明変数と呼ばれる。 ここで、k 個ある説明変数を X1,X2,・・・,Xk とし、a、b、c、d を定数、被 説明変数を Y とすると回帰式は Y=a+bX1+cX2+・・・+dXk となる。この式 においてぞれぞれの説明変数の係数がその説明変数が被説明変数にどれくらい 影響を与えているかを表している。係数が正の値ならば正の相関関係に、負の 値ならば負の相関関係になっている。値が 0 の場合は相関関係がないというこ とになる。 また、重回帰分析を行うときにはある仮説を設定し、有意水準を基準として 結果を判断する。有意水準とは、回帰分析を行ったときにどの程度の厳しさを もって仮説を棄却するかどうかを決める基準のことである。今回の分析では有 意水準を5%と10%とする。有意水準5%とは、同じ分析を行ったときに、あ る仮説が5%以下の確率でしか起こらないような結果が得られた場合に、ほと んど起こらないことであるとしてその仮説が正しくないと判断し、その仮説を 棄却するということである。有意水準が基準を満たすかどうかを判断するのは 分析結果で得られる説明変数のP値を見る。今回の分析では、ある説明変数の P値が5%以上であるとき、その説明変数の係数は統計的に有意でないと判断 し、その説明変数は被説明変数に影響を与えないということを意味するのであ る。同様にP値が10%である時もその説明変数は統計的に有意でなく、被説 明変数に何も影響を与えないということを意味する。

第4節:使用する変数

この節では本分析で使った変数を説明する。まず、使う変数は「その年に加 入したクラブチーム数」、「既加入クラブチーム数」、「事業所数」、「都道府県別 人口」、「全国高等学校サッカー大会優勝数」、「全国高等学校サッカー大会準優

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11 勝数」、「人口性比」、「都道府県別面積」である。以上の8 つの変数を用いるが、 データを集める際に同じ時期のものがなく違う時期のものを使用している場合 がある。それは以下の各変数の項目で説明している。また、被説明変数、説明 変数についても説明する。

4.1:被説明変数について

本分析の被説明変数には「加入チーム数」を用いる。このデータは都道府県 別に1991 年、1999 年、2014 年のそれぞれの年にJリーグに加入し、その都道 府県をホームタウンとしたクラブチーム数を集計したものである。これはJリ ーグの公式ホームページのクラブ・選手名鑑(http://www.j-league.or.jp/club/) とJ3の公式ホームページのクラブ・選手名鑑(http://www.j3league.jp/club/) を参照した。

4.2:説明変数について

この説明変数には「既加入チーム数」、「事業所数」、「都道府県別人口」、「全 国高等学校サッカー大会優勝数」、「全国高等学校サッカー大会準優勝数」、「人 口性比」、「都道府県別面積」の合計 7 つの変数を用いる。これらの変数を選ん だ理由は簡単に述べるとそのクラブチームの利益につながる要因であるからで ある。以下でこれらの変数の概要と選んだ理由を説明する。 まず、「既加入クラブチーム数」であるが、これを変数として選んだ理由はす でにその都道府県に別のクラブチームがホームタウンを置いている場合、その ことがホームタウン決定に影響を与えるのではないかと思ったからである。 この「既加入クラブチーム数」はJ2新設時(1999 年)の分析には 1991 年 から1998 年までにJリーグに加入し、その都道府県をホームタウンとしたクラ ブチーム数を、J3新設時(2014 年)の分析には 1991 年から 2013 年までにJ リーグに加入し、その都道府県をホームタウンとしたクラブチーム数を集計し たデータである。 ここで1991 年から 2014 年の間にクラブチームのなかには合併や消滅、ホー ムタウンを変更しているものがあるが、これはその都度ホームタウン数の数を 変更することで合わせている。また、Jリーグ創設時(1991 年)の分析には 1990

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12 年までにJリーグに加盟していたクラブチームが存在しないのでこの変数は用 いない。 次に「都道府県別事業所数」であるが、これは現在、Jリーグに加盟してい るクラブチームのほとんどがもともとは実業団であったり、企業のサッカー部 であった。そのため、事業所の数はクラブチームの数に影響を与えるのではな いかと思ったため変数に選んだ。 この「都道府県別事業所数」は、総務省の統計局で集計されたデータを抜粋 して集めたものを用いる。しかし、統計は毎年は行われず、何年間に一回の頻 度であったため、用いるデータはそれぞれの分析時期の近い年に統計が実施さ れたものを用いているものもある。具体的にはJリーグ創設時(1991 年)の分 析には1992 年データを、J2新設時(1999 年)の分析には 1999 年データを、 J3新設時(2014 年)の分析には 2012 年のデータを用いている。 次に、「都道府県別人口」であるが、これは人口の多い都道府県の方が観客が 多く、利益を確保でき、またクラブチームの下部組織であるユースチームに良 い選手が来る確率が高くなるかもしれず、ホームタウン決定に影響を与えるの ではないかと思い、変数に選んだ。 この「都道府県別人口」も総務省の統計局で集計されたデータを用いる。J リーグ創設時の分析時(1991 年)には 1991 年のデータを、J2新設時(1999 年)の分析には 1999 年のデータを、J3新設時(2014 年)の分析には 2014 年のデータを用いる。 次に、「全国高校学校サッカー選手権大会優勝数」と「全国高等学校サッカー 選手権大会準優勝数」であるが、これは各都道府県のサッカーの競技者のレベ ルを調べることができ、それがホームタウンの決定に影響を与えるのではない かと思い、変数に選んだ。 これら二つのデータはSOCCERKING というサッカーの専門サイトで全国高 等学校サッカー選手権大会の歴代優勝校の一覧が載っているページ (http://www.soccer-king.jp/premium/article/86281.html) と全国高等学校サッカー選手権大会の優勝校と準優勝校の一覧が載っているサ イト (http://www.geocities.jp/iom1960hn/high-school-sports/soccer/soc-win.html)

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13 のデータを集計したものである。しかし、第 1 回目から第 8 回目の大会は関西 地区のみで行われていたので、今回の優勝数と準優勝数の集計には第 9 回目大 会からの優勝数と準優勝数を計算している。優勝回数や準優勝回数が大会数と 一致しないのは、決勝で決着がつかなかったために決勝に進出した 2 つの高校 を同時優勝させるるという措置がとられた大会が数回あったためである。この データはJリーグ創設時(1991 年)の分析には 1990 年までのものを、J2新 設時(1999 年)の分析には 1998 年までのものを、J3新設時(2014 年)の分 析には2013 年までのものを用いている。 次に「人口性比」であるが、人口性比とは女性 100 人対しての男性の数を表 した指標である。これは公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が 2004 年 か ら 2013 年 ま で の J リ ー グ に つ い て の 観 戦 者 調 査 (http://www.j-league.or.jp/aboutj/document/spectator-survey.html)によると 平均 60.8%が男性であったと出ているので、男性の数がホームタウンの決定に 影響を与えるのではないかと思ったので変数に選んだ。 この「人口性比」も総務省の統計局で集計されたデータを用いており、Jリ ーグ創設時(1991 年)の分析には 1991 年のデータを、J2新設時(1999 年) の分析には1999 年のデータを、J3新設時(2014 年)の分析には 2014 年のデ ータを用いている。 最後に「都道府県別面積」であるが、国土交通省の国土地理院の全国都道府 県市区町村別面積調のデータを用いた。これはホームタウンがある都道府県に は、本拠地と呼ばれるそのチームが一番使うスタジアムと練習場が設置される のでその場所を確保しなければならない。そのためある程度の広さが必要とな るので都道府県の面積がホームタウンの決定に影響を与えると思い、変数に選 んだ。 この「都道府県別面積」はJリーグ創設時(1991 年)の分析には 1990 年の データを、J2新設時(1999 年)の分析には 1998 年のデータを、J3新設時 (2014 年)の分析には 2013 年のデータを用いる。

4.3:Jリーグ創設時(

1991 年)分析のデータ

以下の表はJリーグ創設時の分析をするときに用いるデータを記述統計でま

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14 とめたものである。 表1 Jリーグ創設時データ 「加入チーム数」はJリーグが創設された1991 年に加入したクラブチームの 数を集計して用いている。「既加入チーム数」はJリーグの創設初年度であるた め存在しないため使用しない。「事業所数」は 1992 年に総務省統計局で集計さ れたものを用いている。「人口」は 1991 年に総務省統計局で集計されたものを 用いている。「全国高等学校サッカー選手権大会の優勝数」と「全国高等学校サ ッカー選手権大会準優勝数」は1990 年までの大会における優勝数と準優勝数を 集計したものを用いている。「人口性比」は 1991 年に総務省統計局で集計され たものを用いている。「面積」は 1991 年に国土交通省国土地理院で集計された ものを用いている。 また、「加入チーム数」は合計10 クラブチームであり、最多の 3 つのクラブ チームが同じ都道府県をホームタウンとしている。「事業所数」は合計6,756 で あり、最大で一つの都道府県に 777 あり、最小で 35 である。平均は 143.745 である。「人口」は合計123,617 で、最大で 11,856 で、最小は 616 である。平 均は 2,630.149 である。「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」は合計 63 回であり、都道府県別の最多優勝回数は13 回であり、都道府県の平均優勝回数 は1.34 回である。「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」は合計 54 回で あり、都道府県別の最多準優勝回数は 9 回であり、当道府県の平均は 1.149 回 である。「人口性比」は最大で105.5、最小は 88.1 である。平均は 94.132 であ る。「面積」は最大値は83,40 平方キロメートルであり、最小値は 1,861 平方キ ロメートルである。平均は7,766.292 平方キロメートルである。 加入チーム数 既加入チーム数 事業所数(千) 人口(千人) 優勝回数 準優勝回数 人口性比 面積(㎢) 合計 10 6,756 123,617 63 54 365,016 平均 0.213 143.745 2,630.149 1.340 1.149 94.132 7,766.292 分散 0.295 18,886.445 5,746,175.446 8.310 3.957 16.248 133,526,657.362 標準偏差 0.543 137.428 2,397.118 2.883 1.989 4.031 11,555.374 最大値 3 777 11,856 13 9 105.5 83,408 最小値 0 35 616 0 0 88.1 1,861 全国高等学校サッカー大会

(16)

15

4.4:J2新設時(

1999 年)分析のデータ

以下の表はJ2新設時の分析をするときに用いるデータを記述統計でまとめ たものである。 表2 J2新設時データ 加入チーム数は1999 年に加入したクラブチーム数を集計して用いている。既 加入チーム数は1991 年から 1998 年までに加入したクラブチーム数を集計して 用いている。事業所数は 1999 年に集計されたものを用いている。人口も 1999 年に集計されたものを用いている。全国高等学校サッカー選手権大会の優勝数 と準優勝数は 1998 年までの大会における優勝数と準優勝数を集計して用いて いる。人口性比は1999 年に集計されたものを用いている。面積は 1998 年に集 計されたものを用いている。 また、「加入チーム数」は合計10 クラブチームであり、最多 2 つのクラブチ ームが同じ都道府県をホームタウンとしている。「既加入チーム数」は最多2 つ のクラブチームが同じ都道府県をホームタウンとしている。「事業所数」は合計 6,204 であり、最大で一つの都道府県に 713 あり、最小で 30 である。平均は 132 である。「人口」は合計126,470 で、最大で 11,939 で、最小は 615 である。平 均は 2,690.851 である。「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」は合計 73 回であり、都道府県別の最多優勝回数は13 回であり、都道府県の平均優勝回数 は 1.553 回である。「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」は合計 60 回 であり、都道府県別の最多準優勝回数は 9 回であり、当道府県の平均は 1.277 回である。「人口性比」は最大で103.5、最小は 88.2 である。平均は 93.936 で ある。「面積」の最大値は 83,452 平方キロメートルであり、最小値は 1,861 平 加入チーム数 既加入チーム数 事業所数(千) 人口(千人) 優勝回数 準優勝回数 人口性比 面積(㎢) 合計 10 16 6,204 126,470 73 60 366,836 平均 0.213 0.340 132.000 2,690.851 1.553 1.277 93.936 7,805.015 分散 0.210 0.395 15,999.787 6,082,903.403 9.226 4.200 14.691 133,878,270.419 標準偏差 0.458 0.628 126.490 2,466.354 3.037 2.049 3.833 11,570.578 最大値 2 2 713 11,939 13 9 103.5 83,452 最小値 0 0 30 615 0 0 88.2 1,861 全国高等学校サッカー大会

(17)

16 方キロメートルである。平均は7,805.015 平方キロメートルである

4.5:J3新設時(

2014 年)分析のデータ

以下の表はJ3新設時の分析をするときに用いるデータを記述統計でまとめ たものである。 表3 J3新設時データ 加入チーム数は2014 年に加入したクラブチーム数を集計して用いている。既 加入チーム数は1991 年から 2013 年までに加入したクラブチーム数を集計して 用いている。事業所数は 2012 年に集計されたものを用いている。人口は 2014 年に集計されたものを用いている。全国高等学校サッカー選手権大会の優勝数 と準優勝数は 2013 年までの大会における優勝数と準優勝数を集計して用いて いる。人口性比は2014 年に集計されたものを用いている。面積は 2013 年に集 計されたものを用いている。 また、「加入チーム数」は合計 11 クラブチームであり、最多 2 つのクラブチ ームが同じ都道府県をホームタウンとしている。「既加入チーム数」は最多で 4 つのクラブチームが同じ都道府県をホームタウンとしている。「事業所数」は合 計5,453 であり、最大で一つの都道府県に 627 あり、最小で 26 である。平均は 116.021 である。「人口」は合計 126,661 で、最大で 12,699 で、最小は 589 人 である。平均は 2,694.915 である。「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」 は合計88 回であり、都道府県別の最多優勝回数は 13 回であり、都道府県の平 均優勝回数は1.872 回である。「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」は 合計75 回であり、都道府県別の最多準優勝回数は 10 回であり、当道府県の平 均は1.596 回である。「人口性比」は最大で 101.2、最小は 88.4 である。平均は 加入チーム数 既加入チーム数 事業所数(千) 人口(千人) 優勝回数 準優勝回数 人口性比 面積(㎢) 合計 11 40 5,453 126,661 88 75 365,126 平均 0.234 0.851 116.021 2,694.915 1.872 1.596 93.781 7,768.640 分散 0.222 0.680 12,489.893 6,705,634.035 10.835 4.837 13.194 134,194,753.702 標準偏差 0.471 0.825 111.758 2,589.524 3.292 2.199 3.632 11,584.246 最大値 2 4 627 12,699 13 10 101.2 83,457 最小値 0 0 26 589 0 0 88.4 1,862 全国高等学校サッカー大会

(18)

17 93.781 である。「面積」は最大値は 83,457 平方キロメートルであり、最小値は 1,862 平方キロメートルである。平均は 7,766.640 平方キロメートルである

第5節:仮説

この節では仮説について述べる。本分析ではどの変数がホームタウンの決定に 影響を与えているのかを分析するものである。 仮説としてまず、「既加入クラブチーム数」は負の相関関係にある、つまり、 すでにほかのクラブチームがホームタウンとしている都道府県は新たにホーム タウンとして選ばれにくいと設定する。理由として、同じ都道府県を複数のク ラブチームがホームタウンとしてしまうと、そこの住民がそれぞれのクラブチ ームのファンになって、ファンが分かれてしまい、結果として十分な観客を確 保できず、利益を得られないのではないかと考えたからである。 次に、「事業所数」に正の相関関係にある、つまり、事業所数が多い都道府県 はホームタウンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、事業所が多い とその分Jリーグに加入する前身の実業団のサッカーチームが多いということ になる。そうすれば、Jリーグに加入できる確率が上がるのではないかと考え たからである。 次に、「都道府県別人口」は正の相関関係にある、つまり、人口が多い都道府 県がホームタウンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、人口の多い 都道府県ではファンが多く確保しやすい。そのため多くの収益を得られると考 えたからである。 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」は正の相関系にある、つま り、全国高等学校サッカー選手権大会の優勝回数が多い都道府県がホームタウ ンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、優勝回数が多い都道府県に ホームタウンを置くとサッカーがうまい選手を確保しやすいと考えたからであ る。 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」は正の相関関係にある、 つまり、全国高等学校サッカー選手権大会の準優勝回数が多い都道府県はホー

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18 ムタウンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、上記と同じ理由で準 優勝回数が多い都道府県にホームタウンを置くとよい選手を得やすいと考えた からである。 次に、「人口性比」は正の相関関係にある、つまり、男性の多いと同意府県は ホームタウンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、4.2節の「人 口性比」について述べたようにサッカーの観客は男性の方が多い。そのため男 性が多い都道府県を選ぶことでより多く観客を獲得でき、収益を得られると考 えたからである。 最後に、「面積」は正の相関関係にある、つまり、面積が大きい都道府県はホ ームタウンに選ばれやすいと仮説を設定する。理由として、面積が多いとそこ にホームタウンを置いたクラブチームの練習場や本拠地となるスタジアムを設 置しやすく便利になると考えたからである。 上記の理由により、「ホームタウンとなりやすい都道府県とはすでにホームタ ウンとしているクラブチームが少なく、事業所が多く、人口が多く、男性が多 く、高校のサッカー部が強く、面積が多い」と本分析の仮説とする。

第6節:重回帰分析の結果と考察

この節では、Jリーグ創設時の1991 年、J2新設時の 1999 年、J3新設時 の2014 年の各年で回帰分析を行った結果とそれについての考察を述べる。

6.1:Jリーグ創設時(

1991 年)の分析結果と考察

Jリーグ創設時でのホームタウン決定要因を調べるために回帰分析を行った 結果が以下の表4である。 表4 Jリーグ創設時分析結果

(20)

19 表から得られる回帰式は以下の通りである。 (加入チーム数)=-1.926 -0.01×(事業所数) +0.001×(人口) -0.052×(全国高等学校サッカー大会優勝回数) +0.111×(全国高等学校サッカー大会準優勝回数) +0.02×(人口性比) +0×(面積) まず、「事業所数」についてだが、仮説では 正の相関関係となっていたが結 果は負の相関関係であった。これは有意水準は5%を満たしているので、ホー ムタウンの決定に影響を与えているものだと言え、仮説は間違っていたという ことになる。 次に、「人口」についてだが、仮説では正の相関関係となっていたが結果も正 の相関関係であった。これは有意水準5%を満たしているので、ホームタウン の決定に影響を与えているものだと言え、仮説が正しかったと言える。 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」についてだが、仮説では正 の相関関係となっていたが、結果は負の相関関係であった。これは有意水準5% を満たしているので、ホームタウンの決定に影響を与えていると言え、仮説は 間違っていたということになる。 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」についてだが、仮説では 正の相関関係となっていたが、結果も正の相関関係であった。これは有意水準 5%を満たしているので、ホームタウンの決定に影響を与えていると言え、仮 説は正しかったということになる。 係数 標準誤差 T値 P値 切片 -1.926 1.386 -1.389 0.172 事業所数 -0.010 0.001 -7.007 0.000 人口 0.001 0.000 7.287 0.000 優勝回数 -0.052 0.020 -2.599 0.013 準優勝回数 0.111 0.027 4.057 0.000 人口性比 0.020 0.015 1.299 0.201 面積 0.000 0.000 -2.654 0.011 全国高等学校 サッカー大会

(21)

20 次に、「人口性比」についてだが、仮説では正の相関系となっていたが、結果 も正の相関関係であった。しかし、有意水準5%を満たしておらず、また、有 意水準10%も満たしていないので、この仮説は棄却される。 最後に、「面積」についてだが、仮説では正の相関関係でとなっていたが、結 果は相関関係なしであった。これは有意水準5%を満たしているので、ホーム タウンの決定になにも影響を与えていないということになり、仮説は間違って いたということになる。 つまり、この分析結果から、Jリーグ創設時に加入したクラブチームのホー ムタウンになった都道府県は人口が多く、全国高等学校サッカー大会で準優勝 の高校が多い都道府県であり、事業所数が多く、全国高等学校サッカー大会で 優勝校が多い都道府県は選ばれなかったということがわかった。都道府県の面 積はホームタウンの決定に影響は与えていなかった。 この結果について考察してみる。まず、「人口」と「全国高等学校サッカー大 会準優勝数」についてだが、「人口」の変数が高いということは人口が多く、さ らに男性が多いということである。人口が多いということはJリーグの観客が 多くなる可能性が高いということである。そのため、観客を多く確保できる都 道府県にホームタウンを置き、より多くの収益を得ようとしていることが推測 できる。そして、全国高等学校サッカー大会の準優勝数が多いということはそ の都道府県のサッカー選手のレベルが高いということである。そこにホームタ ウンを置くことで有望な選手を早めに獲得し、クラブチームを強くし、人気を 集め、観客を多く得ようとしていると推測できる。次に、「事業所数」について だが、仮説と違い、事業所が多いからと言ってその実業団チームがJリーグに 加入できる確率が上がるわけではないということがわかった。また、全国高等 学校サッカー選手権大会優勝数が多い都道府県がホームタウンとなりにくい理 由は優勝する高校は選手の質よりチームワークが良いから、選手個人レベルと しては強くないのではないかと推測できる。最後に「面積」についてだが、単 に場所が広いからホームスタジアムや練習場を建設できるというのではなく、 広さ以外の要因があると推測される。

6.2:J2新設時(

1999 年)の分析結果と考察

(22)

21 J2創設時でのホームタウン決定要因を調べるために回帰分析を行った結 果が以下の表5である。 表5 J2新設時分析結果 表から得られる回帰式は以下の通りである。 (加入チーム数)=-1.002 -0.536×(既加入チーム数) -0.009×(事業所数) +0.001×(人口) -0.047×(全国高等学校サッカー大会優勝回数) +0.092×(全国高等学校サッカー大会準優勝回数) +0.011×(人口性比) +0×(面積) まず、「既加入チーム数」についてだが、仮説では負の相関関係となっていた が、結果も負の相関関係であった。これは有意水準5%を満たしているので、 ホームタウンの決定に影響を与えていると言え、仮説は正しかったということ になる。 次に、「事業所数」についてだが、仮説では 正の相関関係となっていたが結 果は負の相関関係であった。これは有意水準5%を満たしているので、ホーム タウンの決定に影響を与えているものだと言え、仮説は間違っていたというこ とになる。 次に、「人口」についてだが、仮説では正の相関関係となっていたが結果も正 の相関関係であった。これは有意水準5%を満たしているので、ホームタウン の決定に影響を与えているものだと言え、仮説が正しかったと言える。 係数 標準誤差 T値 P値 切片 -1.002 2.004 -0.500 0.620 既加入チーム数 -0.536 0.207 -2.591 0.013 事業所数 -0.009 0.003 -2.857 0.007 人口 0.001 0.000 3.204 0.003 優勝回数 -0.047 0.030 -1.563 0.126 準優勝回数 0.092 0.057 1.613 0.115 人口性比 0.011 0.022 0.496 0.622 面積 0.000 0.000 -1.315 0.196 全国高等学校 サッカー大会

(23)

22 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会優勝数」についてだが、仮説では正 の相関関係となっていたが、結果は負の相関関係であった。しかし、これは有 意水準5%も有意水準10%も満たしていないので、ホームタウンの決定に影 響を与えているとは言えない。 次に、「全国高等学校サッカー選手権大会準優勝数」についてだが、仮説では 正の相関関係となっていたが、結果も正の相関関係であった。しかし、これは 有意水準5%も有意水準10%も満たしていないので、ホームタウンの決定に 影響を与えていると言えない。 次に、「人口性比」についてだが、仮説では正の相関系となっていたが、結果 も正の相関関係であった。しかし、有意水準5%を満たしておらず、また、有 意水準10%も満たしていないので、ホームタウンの決定に影響を与えている とは言えないということになり、この仮説は棄却される。 最後に、「面積」についてだが、仮説では正の相関関係でとなっていたが、結 果は相関関係なしであった。これは有意水準5%も有意水準10%も満たして いないので、ホームタウンの決定に影響を与えていないとは言えないというこ とになる。 つまり、J2新設時に加入したクラブチームのホームタウン決定には、人口 が多い都道府県が選ばれ、事業所数が多く、すでに別のクラブチームがホーム タウンとなっている都道府県は選ばれなかったということがわかる。 次に、この結果について考察する。まず、「人口」についてであるが、これは Jリーグ創設時の分析の考察と同じで観客を多く確保でき、収益増につなげる ためであると推測できる。次に「事業所数」についてであるが、これもJリー グ創設時の分析の考察と同じで事業所が多いからと言ってその実業団チームが Jリーグに加入できる確率が上がるわけではないということがわかった。最後 に「既加入チーム数」についてであるが、これもJリーグ創設時と同じで、一 つの都道府県が複数のクラブチームのホームタウンとなっている場合、ファン が分かれてしまい、観客が割れてしまう。結果、観客が十分確保できず、利益 を上げることができないので、すでに別のクラブチームがホームタウンとして いる都道府県はホームタウンとして選ばないのではないかと推測できる。

(24)

23

6.3:J3新設時(

2014 年)の分析結果と考察

J3創設時でのホームタウン決定要因を調べるために回帰分析を行った結果 が以下の表6である。 表6 J3新設時分析結果 表から得られる回帰式は以下の通りである。 (加入チーム数)=-2.393 -0.025×(既加入チーム数) -0.003×(事業所数) +0×(人口) -0.046×(全国高等学校サッカー大会優勝回数) +0.022×(全国高等学校サッカー大会準優勝回数) +0.027×(人口性比) +0×(面積) まず、有意水準5%を満たす変数はなかった。また、有意水準10%を満た す変数もなかった。つまり、J3新設時に加入したクラブチームのホームタウ ン決定には今回用いた変数は影響を与えているとは言えないということになる。 次に、この結果について考察する。このJ3新設時の分析では今までのJ1 創設時の分析、J2新設時の分析と違い、どの変数も有意でなかった。理由と して、今回の分析で使用した変数で理由を説明できるようなホームタウンの決 定の仕方をしていたクラブチームほとんどJリーグ創設時とJ2新設時に加入 してしまったことでJ3新設時に加入したクラブチームのホームタウンの決定 には新たな要因が出てきたのではないかと推測される。もしくは、J3が創設 されたときにはすでに加入するクラブチームのホームタウンは決まっていたの 係数 標準誤差 T値 P値 切片 -2.393 1.915 -1.250 0.219 既加入チーム数 -0.025 0.133 -0.191 0.850 事業所数 -0.003 0.003 -0.843 0.404 人口 0.000 0.000 1.126 0.267 優勝回数 -0.046 0.031 -1.482 0.146 準優勝回数 0.022 0.046 0.490 0.627 人口性比 0.027 0.021 1.324 0.193 面積 0.000 0.000 -0.445 0.659 全国高等学校 サッカー大会

(25)

24 ではないかと推測できる。

6.4:全体の分析結果と考察

まず、全体の分析結果を述べる。Jリーグ創設時に加入したクラブチームの ホームタウン決定要因は「事業所数」、「人口」、「全国高等学校サッカー大会の 優勝回数」、「全国高等学校サッカー大会の準優勝数」の4つであった。そして、 人口が多く、全国高等学校サッカー大会で準優勝の回数が多い都道府県が選ば れやすく、反対に事業所が多く、全国高等学校サッカー大会で優勝回数が多い 都道府県が選ばれにくいという結果が出た。 次に、J2新設時に加入したクラブチームのホームタウン決定要因は「既加 入チーム数」、「事業所数」、「人口」の3つであった。そして、人口が多い都道 府県が選ばれやすく、すでに別のクラブチームがホームタウンとしていて、事 業所が多い都道府県は選ばれにくいという結果が出た。 最後にJ3新設時に加入したクラブチームのホームタウン決定要因は今回の 分析ではわからなかった。 次に、影響があるとされた変数についてそれぞれ考察を述べる。まず、正の 相関関係になっている「人口」と「全国高等学校サッカー大会準優勝数」であ るが人口が増えると観客が増え、収益が上がる。クラブチームの経営も利益を 上げなければならないのでこの高収益を目的としていることが推測できる。全 国高等学校サッカー大会で準優勝回数が多い都道府県をホームタウンと決定す ると高いレベルの選手を早く獲得できるのでそれを目的としていると推測でき る。次に、負の相関関係になっている「既加入チーム数」、「事業所数」、「全国 高等学校サッカー選手権大会優勝数」について述べる、「既加入チーム数」に関 して、すでに別のクラブチームがホームタウンとしている都道府県を選んでし まうと観客が分かれてしまい、収益が十分に得られないかもしれない。また、「」 「事業所」に関して、仮説とは違い、事業所が多いからといって実業団のチー ムがJリーグに加入できる確率が上がったというわけではなかった。また、「全 国高等学校サッカー選手権大会優勝数」に関して、優勝が多い高校は選手個人 のレベルが高いのではなく、チーム全体のレベルが高く、よい選手を目的とし てその都道府県をホームタウンに選ぶ理由にならないのではないかと推測でき

(26)

25 る。以上の理由からホームタウンとしては選ばれにくいと推測される。

第7節:おわりに

7.1:総括

今回の分析はJリーグ創設時、J2新設時、J3新設時のそれぞれの時期に 加入したクラブチームが何を要因としてホームタウンを決定したのかを重回帰 分析を用いて調査し、その要因を明らかにするための分析であった。 用いた変数は「加入チーム数」、「既加入チーム数」、「事業所数」、「都道府県 別人口」、「全国高等学校サッカー大会優勝数」、「全国高等学校サッカー大会準 優勝数」、「人口性比」、「都道府県別面積」であり、被説明変数は「加入チーム 数」とし、説明変数は「既加入チーム数」、「事業所数」、「都道府県別人口」、「全 国高等学校サッカー大会優勝数」、「全国高等学校サッカー大会準優勝数」、「人 口性比」、「都道府県別面積」の 7 つを用いた。これらのデータをJリーグ創設 時、J2新設時、J3新設時のそれぞれの時期に合ったものを都道府県別に集 計し使用した。 仮説として「ホームタウンとなりやすい都道府県とはすでにホームタウンと しているクラブチームが少なく、事業所が多く、人口が多く、男性が多く、高 校のサッカー部が強く、面積が多い」と設定していた。結果はJリーグ創設時、 J2新設時、J3新設時それぞれの時期で違った。Jリーグ創設時の分析から は、Jリーグ創設時に加入したクラブチームのホームタウンになった都道府県 は人口が多く、全国高等学校サッカー大会で準優勝の高校が多い都道府県であ り、事業所数が多く、全国高等学校サッカー大会で優勝校が多い都道府県は選 ばれにくい傾向があったという結果が出た。J2新設時の分析からは、J2新 設時に加入したクラブチームのホームタウン決定には、人口が多い都道府県が 選ばれ、事業所数が多く、すでに別のクラブチームがホームタウンとなってい る都道府県は選ばれなかにくい傾向があったという結果が出た。最後にJ3新 設時の分析からは、今回用いたすべての変数は有意性を得ることができなかっ た。 今回の分析に関して、J3新設時に加入したクラブチームのホームタウンは

(27)

26 Jリーグ創設時、J2新設時に加入したクラブチームとは違う視点から選ばれ ている。つまり、J3新設時加入したクラブチームのホームタウンは幅広い地 域から選ばれたということになる。しかし、2014 年現在、同じ都道府県を最大 6つのクラブチームがホームタウンとしている。しかし、Jリーグの将来像の 一つとしてサッカーを通じての地域活性化を掲げているが、このようにホーム タウンとしているクラブチーム数に格差があるとその理念を実行させることは 難しいと思われる。日本のサッカーをさらに強くするためにもスポーツ文化を 発展させるためにも地域における格差を少なくしなければならない。

7.2:反省

最後に今回の分析での反省を述べる。分析結果において説明変数の相関係数 は全体的に低くいものとなってしまった。また、J3新設時の分析において用 いた変数はすべて有意水準を満たさないという結果が出てしまった。これはJ リーグ創設時、J2新設時の分析で用いた変数以外の新しい要因が生まれてし まったもしくは、J3新設時には加入するクラブチームのホームタウンはすで に決まっていたのではないかと推測できる。そのため、説明変数をもっと多岐 にわたり集計し、用いるべきであった。 また、今回、クラブチームそのものの背景を考慮せずに分析を行った。つま り、そのクラブチームの前身である実業団の企業の本社やもともとのクラブチ ームの所在地、各都道府県が行っているホームタウン誘致などを考慮していな い。クラブチームの背景を数値化し、分析を行えばもっと正確な分析ができた のではないかと考えられる。 ・参考文献 総務省統計局 http://www.stat.go.jp/index.htm 国土交通省国土地理院 http://www.gsi.go.jp/index.html SOCCERKING http://www.soccer-king.jp/ Jリーグ公式サイト https://www.j-league.or.jp/ Jリーグディビジョン3(J3)設立ついて

(28)

27

www.j-league.or.jp/aboutj/document/pdf/J3-outline.pdf 3 リーグ公式サイト http://www.j3league.jp/

高校サッカー選手権 歴代優勝・準優勝校

参照

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