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〜野生きのこに含まれる放射性セシウム濃度〜

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(1)

Vol.49(2012) 近畿大学原子力研究所年報

論 文

福 島 県川 俣 町 にお け る環 境 放 射 線 調 査(2)

〜野生きのこに含まれる放射性セシウム濃度〜

稲 垣 昌 代1、 山 西 弘 城1、 若 林 源 一 郎1、 芳 原 新 也1、 伊 藤 哲 夫1、

白 坂 憲 章2、 種 坂 英 次2、 奥 村 博 司2、 古 川 道 郎3

Survey of Environmental Radiation in Kawamata-machi, Fukushima-ken (II)

— radioactive cesium in wild mushroom

Masayo INAGAKI, Hirokuni YAMANISHI, Genichiro WAKABAYASHI,

Sin-ya HOHARA, Tetsuo ITOH, Norifumi SHIRASAKA, Eiji TANESAKA,

Hiroshi OKUMURA and Michio FURUKAWA

Large amount of radioactive cesium was emitted from the TEPCO Fukushima Dai-ichi nuclear power plant by the accident into atmospheric air, and a part of the radioactivity was brought to the ground by rain and snowfall. The Yamakiya district in Kawamata-machi, Fukushima is specified as the prepared evacuation zone. The authors collected wild mushrooms in this district as samples with gentle guide of local mushroom lovers in October, 2012. The kinds of mushroom were specified by the mushroom

specialist. 16 kinds of mushrooms have been extracted. The extracted mushroom was brought back to the university. The concentration of radioactive cesium was measured by means of the hyperpure

germanium semiconductor detector. The concentrations were ranged from 0.5 to 2600 Bq/g, and were different with points of sampling and kinds. The concentrations were compared with before washing and after washing by means of ultrasonic cleaning. The amount of radioactive cesium reduced to the range from 30% to 60% of the before washing.

Keywords ; Fukush ima Dai-ich i nuclear power plant accident, radioactive cesium, mushroom, germanium detector

1近 畿大学 原子力研究所

23

近畿大学 農学部 福島県川俣町町長

Atomic Energy Research Institute, School of Agriculture, Kinki University

Kinki

Mayor of Kawamata-machi, Fukushima-ken

University

(2)

1.緒 言

東 京 電 力 福 島 第1原 子 力 発 電 所 の 事 故 に よ って 、 大 量 の 放 射 性 セ シ ウ ム が大 気 中 に放 出 さ れ 、 そ の一 部 が 福 島 県 の 浪 江 町 、 飯 舘 村 、南 相 馬 市 、川 俣 町 の 地 面 に沈 着 して い る。 近 畿 大 学 原 子 力研 究所 は 、川 俣 町 と共 同 で、 川 俣 町 に お い て環 境 放 射 線 の調 査 を 行 い、 実 態 の把 握 と対 策 の提 言 に 資 す る デ ー タ の 収 集 を行 っ て い る1)。 この 活 動 は、 以 下 の3点 を 目的 と して い る。(1)風 評 被 害 の 拡 大 抑 止 、(2)農 作 物 の 安 全 な 作 付 け 再 開 に 向 け た デ ー タ 提 供 、(3) 放 射 線 量 の低 減 を効 果 的 に 進 め る 方 策 の 提 言 で あ る 。 これ ま で 、小 中学 校 の 校 庭 表 土 を は じめ と して、

様 々 な試 料 に つ い て 、 そ こに 含 ま れ る 放 射 性 セ シ ウ ム 濃 度 を 測 定 に よ って 明 らか に して き た 。 具 体 的 に は 、 ひ ま わ りや た ん ぽ ぽ な どの 草 花 、 落 葉 、 野 菜 や 米 、 公 民 館 等 で 利 用 さ れ て い る井 戸 水 、 小 学 校 の 近 くの 道 路 に お け る空 気 中 浮 遊 塵 な どで あ る。 この 測 定 デ ー タに よ って 、 環 境 の 放 射 性 セ シ ウム の 実 態 を 把 握 で き 、 対 応 策 を 得 る こ とが で き る。

本 研 究 で は 、 福 島 県 川 俣 町 の 計 画 的 避 難 区 域 に 指 定 さ れ て い る山 木 屋 地 区 に 自生 して い る きの この 放 射 能 レベ ル の 調 査 を 行 った 。 き の こに 含 まれ る放 射 性 セ シ ウ ム の 濃 度 が き の この 種 類 や 周 辺 の 土 壌 、 枯 葉 な どの 周 辺 環 境 に よ って どの 程 度 異 な るの か 、 ま た そ こに 系 統 性 を 見 出 せ るの か を 確 か め る こ とを 目 的 とす る 。 元 来 、 き の こに 含 まれ る 放 射 性 セ シ ウム 濃 度 は 高 い と言 わ れ て い る 。 この こ とは 、 き の こが

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図1採 取の様子

放 射 性 セ シ ウ ム を 濃縮 す る作 用 を持 っ て い る とも言 え る。 そ の た め 、 き の こが土 壌 や枯 葉 に含 ま れ る放 射 性 セ シ ウ ム を 回 収 す る こ とも期 待 さ れ 、 除染 に き の こを使 用 した 場 合 、 地 元 に 自生 して い る も の を使 う と生態 系 を 破 壊 す る こ とな く活 用 で き る の で よ り 好 ま しい と考 え る 。

2.き の この 採 取

2012年10月31日 の10時 か ら13時 に か け て 、 川 俣 町 山木 屋 地 区 の 山 林 で 、 き の こ の 採 取 を 行 っ た 。 標 高 は 約600mで あ っ た。 こ の採 取 は 、地 元 の き の こ愛 好 家 で あ る大 内 氏 と渡 辺 氏 の 案 内 で 進 め ら れ た。 採 取 の 様 子 を 図1、 図2に 示 す 。19地 点 で き の こを 採 取 し、 適 宜 、 周 辺 の 土 壌 や 落 ち 葉 を 採 取 した 。 採 取 した きの こは16種 で あ っ た。 き の こは、

大 き く分 け て 、 菌 根 菌 と腐 生 菌 に分 類 さ れ る2)。 菌 根 菌 は 、 土 か ら発 生 す る タイ プの きの こで 共 生 型 き の こ で あ り、 人 工 栽 培 は 困難 で あ る とさ れ て い る。

腐 生 菌 は 木 や 落 葉 か ら発 生 す る タイ プ の き の こ で、

比 較 的 人 工 栽 培 が 容 易 で あ る。今 回採 取 で き た の は、

菌 根 菌5種 、 腐 生 菌ll種 で あ っ た。 採 取 し た き の こに 湿 気 が こ も らな い よ うに 紙 袋 に 入 れ て 、 近 畿 大 学 東 大 阪 キ ャ ンパ ス まで 宅 配 便 で 輸 送 され 、到 着 後 、 新 聞 紙 また は 紙 皿 の 上 に きの こを 広 げ て 、 湿 気 が こ も らな い よ うに した 。 採 取 した きの この 写 真 お よ び 現 地 で の 生 育 状 態 の 写 真 を 図3に 示 す 。 な お 、 写 真 中 の 付 せ ん に 記 して い る名 称 は 採 取 時 に 暫 定 的 に 付

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図2採 取の様子

(3)

Vol.49(2012)

図3‑1(a)ツ チ ス ギ タ ケ き の こNo.1

図3‑2〔a)ク リ タ ケ き の こNo.2

図3‑3(a)ナ ラ タ ケ き の こNo.3

9

近畿大学原子力研究所年報

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図3‑1(b)ツ チ ス ギ タ ケ き の こNo.1

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図3‑2〔b)ク リ タ ケ き の こNo.2

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図3‑3(b)ナ ラ タ ケ

30N

図3‑5イ ッ ポ ン シ メ ジ 属 菌 き の こNo.6

(4)

図3‑6(a)コ ウ タ ケ き の こNo.7

図3‑7(a)フ ウ セ ン タ ケ 属 菌 き の こNo.8

図3‑9(a)ホ ウ ロ ク タ ケ き の こNo.10

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図3‑6(b)コ ウ タ ケ き の こNo.7

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図3‑7(b)フ ウ セ ン タ ケ 属 菌 き の こNo.8

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図3‑8(b)シ ョ ウ ゲ ン ジ き の こNo.9

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図3‑9(b)ホ ウ ロ ク タ ケ き の こNo.10

(5)

Vol.49(2012)

図3‑11(a)ダ イ ダ イ タ ケ き の こNo.12

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図3‑12(a)チ ョ ウ ジ チ チ タ ケ き の こNo.13

図3‑13(a)ム ラ サ キ シ メ ジ き の こNo.14

近畿大学原子力研究所年報

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図3‑10(b)ム ラ サ キ シ メ ジ き の こNo.11

図3‑11(b)

ダ イ ダ イ タ ケ き の こNo.12

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図3‑12(b)チ ョ ウ ジ チ チ タ ケ き の こNo.13

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図3‑13(b)ム ラ サ キ シ メ ジ き の こNo.14

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(6)

図3‑14(a)ク リ タ ケ き の こNo.15

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図3‑15(a)ブ ナハ リタ ケ

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き の こNo.16

き の こNo.17

図3‑17(a)ベ ニ タ ケ き の こNo.18

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図3‑14(b)ク リ タ ケ き の こNo.15

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図3‑15(b)ブ ナ ハ リ タ ケ き の こNo.16

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図3‑16(b)

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ヒ ラ タ ケ き の こNo.17

図3‑18(a)オ オ キ ツ ネ タ ケ き の こNo.19

(7)

Vol.49(2012) 近畿大学原子 力研究所年報

け た もの で あ る。 る 。 計 数 時 間 は1800秒 と し た 。

3.測 定

き の こ は部 位 に よ っ て濃 度 が異 な る こ と も考 え ら れ るの で、 分 け られ る も の は、 か さ 、柄 、 い しづ き に分 けて 測 定 試 料 と した。 き の こ表 面 に土 壌 粒 子 が 付 着 して い る と、 土 壌 の 放 射 性 セ シ ウ ム が測 定 結 果 に 影 響 を 与 え るの で 、 きの こ表 面 を ブ ラ シ で軽 くぬ ぐっ た 後 、 測 定 試 料 をU8容 器 に 入 れ 、 高 純 度 ゲ ル マ ニ ウム 半 導 体 検 出 器 で ガ ンマ 線 を 測 定 した。 得 られ た ガ ンマ 線 ス ペ ク トル か ら、 放 射 性 セ シ ウ ム濃 度 の 定 量 を 行 った 。 測 定 に 用 い た 高 純 度 ゲ ル マ ニ ウ ム 半 導 体 検 出 器 は相 対 効 率46%で 、 検 出 器 を 囲 む 鉛 遮 へ い の 厚 み は10cmで あ る。 図4に 検 出 器 と 周辺 の 鉛遮 へ い体 の 写 真 を 示 す 。 ガ ンマ 線 分 析 プ ロ グ ラ ム は 、SEIKOEG&G社 製 の ガ ンマ ス タ ジ オ で 、 自己 吸収 補 正 とサ ム ピー ク補 正 を 行 って い る。 検 出 器 はU8容 器 の形 状 の標 準 体 積 線 源 で 校 正 済 み で あ

4.結 果 と考 察

き の こ採 取 時 に 、 ガ ン マ 線 測 定 用 の シ ンチ レー シ ョ ンサ ー ベ イ メー タ を 用 い て、 地 上 約0.8m付 近 の空 間 線 量 率 を 測 定 し た。 測 定 結 果 を 図5に 示 す 。 こ の 測 定 シ ス テ ム は 、GPSで 得 た 位 置 情 報 と線 量 率 情 報 を記 録 す る シス テ ム で あ る3)。 調 査 範 囲 で の 空 間 線 量 率 は、0.2μGy/h〜2.8μGy/hの 範 囲 で あ っ た 。北 東 方 向 は飯 舘 村 で あ る。図の 左 下 か ら 出発 し、

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図4高 純 度ゲルマニ ウム半導体検出器

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図5き の こ採取経路におけ る空 間放射線量率測定結 果

13

(8)

北 東 方 向 に 向 か い 、 約3時 間 雑 木 林 の 中 を 散 策 し、

出 発地 点 に戻 っ て き た。

き の こ に 含 ま れ る放 射 性 セ シ ウ ム 濃 度 の 測 定 結 果 を 表1に 示 す 。 濃 度 はBq/gで 記 して い る 。 この 値 は 乾 燥 重 量 当 た りで は な く、 約10日 間 風 乾 さ せ た 重 量 当 た りで あ る。 そ の 結 果 、Cs‑137濃 度 に お

け る 最 大 値 は き の こNo.13の チ ョ ウ ジ チ チ タ ケ で 2600Bq/g、 最 小 値 は き の こNo.17の ヒ ラ タ ケ で0.47 Bq/gで あ っ た 。ま た 表1に は 、き の こ の 分 類 と し て 、 腐 生 菌 に は 「ふ 」、 菌 根 菌 に は 「菌 」 と記 し て い る 。 Cs‑134とCs‑137の 濃 度 比 は 、0.54〜0.70に あ り 、 平 均 で0.63で あ っ た 。 さ ら に 測 定 で 得 た 濃 度 を 図

表1き の こに含 まれ る放射性 セシウム濃度 の測定結果

き の こ

No. き の こ 名 測定部位 分類

※ 重 量

(9)

Cs‑134 (Bq/9)

Cs‑137 (Bq/9)

1 ツ チ スギ タ ケ か さ ふ 18.51 0.52±0.02 0.74±0.03

1 ツ チ ス ギ タ ケ 柄 ふ 3.78 0.35±0.03 0.54±0.04

1 ツ チ ス ギ タ ケ 石づき ふ 2.30 18±0.4 29±0.4

1 ツ チ ス ギ タ ケ 周 辺 落 ち 葉 ・土 98.32 16±0.1 27±0.1

2 ク リタ ケ か さ ふ 12.90 2.8±0.1 4.7±0.1

2 ク リタ ケ 柄 ふ 4.61 1.1±0.1 1.9±0.1

2 ク リタ ケ 石づ き ふ 4.18 3.1±0.1 5.0±0.1

2 ク リ タケ 周 辺 落 ち 葉 ・十 52.44 18±0.1 31±0.1

3 ナ ラ タケ か さ ふ 27.89 1.5±0.0 2.6±0.0

3 ナ ラ タケ 柄 ふ 11.03 0.69±0.04 1.3±0.0

3 ナ ラ タケ 石づ き ふ 4.71 9.6±0.2 15±0.2

4 モ リ ノカ レバ タケ 属 菌 全部位 ふ 1.00 61±1.0 97±1.1

6 イ ッポ ン シ メ ジ属 菌 全部位 ふ 1.06 892±8.9 1434±ll

6 イ ッポ ン シ メ ジ属 菌 土 37.87 50±0.4 85±0.5

7 コ ウ タケ 全部位 菌 11.73 14±0.2 23±0.2

8 フ ウセ ン タケ 属 菌 か さ 菌 3.50 30±0.3 46±0.3

8 フ ウセ ン タケ 属 菌 柄 菌 1.45 13±0.3 19±0.3

9 シ ョウ ゲ ン ジ か さ 菌 0.86 3.2±0.2 5.4±0.2

9 シ ョウ ゲ ン ジ 柄 菌 0.19 1.4±0.1 2.6±0.1

10 ホ ウ ロ ク タ ケ 全部位 ふ 16.61 6.3±0.1 11±0.2

10 ホ ウ ロ ク タ ケ 木 4.34 2.7±0.1 4.4±0.1

11 ム ラサ キ シ メ ジ か さ ふ 1.88 156±2.8 246±3.3

11 ム ラサ キ シ メ ジ 柄 ふ 0.24 110±1.9 175±2.3

12 ダ イ ダ イ タ ケ 全部位 ふ 15.86 18±0.2 31±0.3

12 ダ イ ダ イ タ ケ 木 5.42 11±0.2 19±0.3

13 チ ョウ ジ チ チ タ ケ か さ 菌 2.19 1660±11 2592±13

13 チ ョウ ジ チ チ タ ケ 柄 菌 0.24 1345±23 2156±27

14 ム ラ サ キ シ メ ジ か さ ふ 14.60 24±0.2 39±0.2

14 ム ラ サ キ シ メ ジ 柄 ふ 4.88 10±0.2 16±0.2

14 ム ラ サ キ シ メ ジ 石づき ふ 3.87 55±0.5 89±0.6

14 ム ラ サ キ シ メ ジ 周 辺 落 ち 葉 ・土 12.55 106±0.5 174±0.6

15 ク リタ ケ 樹皮 1.95 132±1.3 218±1.6

15 ク リ タケ か さ ふ 22.15 15±0.3 23±0.3

15 ク リ タケ 柄 ふ 10.51 7.6±0.3 12±0.3

16 ブ ナ ハ リ タケ 全部位 ふ 40.73 1。8±0.0 3.0±0.1

17 ヒラ タケ 全部位 ふ 42.76 0.27±0.Ol 0.47±0.Ol

17 ヒラ タケ 原木の樹皮 21.75 2.6±0.1 3.9±0.1

18 ベ ニ タケ 全部位 菌 2.00 583±5.4 936±6.5

18 ベ ニ タケ 落ち葉 4.40 155±2.1 255±2.7

19 オ オ キ ツネ タケ 全部位 ふ 0.69 2.4±0.2 4.2±0.2

※ ふ は腐 生 菌 、菌 は菌 根 菌 を示 す

(9)

Vol.49(2012) 近畿大学原 子力研究所 年報

に示 す と図6の よ う に な る 。 き の こNo.は 、 き の こを 採 取 した 順 番 に付 して い て 、 時 系 列 を 表 して い る こ と にな る。 図5に 示 した試 料 採 取 場 所 の空 間線 量 率 は、 採 取 開 始 時 は低 く、 採 取 半 ば の飯 舘 村 に近

つ く北 東 方 向 に 向 か うに した が って 高 くな った 。 腐 生 菌 の 濃 度 を 図6の グ ラ フか ら 見 る と、 中 央 が 高 く な っ て い る 。 この 関 係 か ら、 周 辺 の 放 射 性 セ シ ウム の 濃 度 とき の こに 含 まれ るそ の 濃 度 とが 関 連 性 が あ

図6き の こに含 まれ る放射性 セシウム濃度

15一

(10)

る よ うに み え る 。 ま た 一 方 で は 、 モ リノ カ レバ タケ 属 菌 とム ラ サ キ シ メ ジ は 落 葉 分 解 菌 で 、 他 は 木 材 分 解 菌 で あ る こ とか ら、基 質 の違 い に よ る もの と も推 察 さ れ る。 図7に き の こ とそ の 周辺 の 落 葉 に 含 まれ る セ シ ウ ム の 関係 に つ い て 図示 した 。ホ ウ ロ ク タ ケ、

ダ イ ダ イ タ ケ 、ベ ニ タ ケ につ い て は 、 周辺 の 落 ち 葉 や 土壌 よ り もCs‑137の 濃 度 が 高 か っ た。 今 回 の サ ン プ リン グ で は 、 き の こが 自生 して い た周 辺 の 落 ち 葉 な どにつ い て充 分 な採 取 を行 え な か っ た の で 、 次 回 に は議 論 が で き る よ うなサ ン プ リン グ を行 い た い と考 え て い る。

5.水 に よる 洗 浄 効 果

4つ の サ ン プ ル に つ い て 、 超 音波 洗 浄 を 行 っ た 。 サ ン プ ル と水 約200mlを300mlの ビー カ ー に 入 れ 、 超 音 波 洗 浄 機 で20分 間 洗 浄 を 行 っ た 。 洗 浄 後 、

きの こ は105℃ で乾 燥 さ せ 、 洗 浄 に用 い た 水 は、 蒸 発 乾 固 させ て 、 そ れ ぞ れ をU8容 器 に 入 れ て 、 高 純 度 ゲ ル マ ニ ウム 半 導 体 検 出 器 で 測 定 した。 試 料 を 乾 燥 させ る とそ こに 含 まれ る水 分 量 が 減 るの で 、 含 有 して い る 放 射 性 セ シ ウム 量 が 同 じで も、 高 濃 度 に 見 え る よ うに な る 。 した が って 、洗 浄 前後 の 変 化 は 、 濃 度 で 見 る よ り も総 量 で 見 る べ き で あ り、 表2に 洗 浄 前後 の 放 射 性 セ シ ウ ム(Cs‑137+Cs‑134)の 放 射 能 を 示 す。 洗 浄 に よ っ て 洗 浄 水 に 移 行 し、 き の

この か さ に 残 留 し て い る の は 、 も との 量 の30%〜

60%で あ っ た。

表2き の こ洗浄前後における放射性セシウム量の測定結果

き の こ

No. きの こ名

1

測定 部位

洗 浄 前 (Bq)

洗 浄 後 (Bq)

洗 浄 水 (Bq)

2 ク リ タケ か さ 97 60 28

2 ク リ タケ

14 12 1

2 ク リ タケ 石 づ き 34 31

2

3 ナ ラ タケ か さ 114 35 32

3 ナ ラ タケ

22 0 15

3 ナ ラ タ ケ 石 づ き 116 89 17 15 ク リタ ケ か さ 842 488 296 15 ク リタ ケ

206 126

78

17 ヒラ タ ケ

全部位

31 22 7

6.結 言

青 森 県 で 採 取 した きの こか ら放 射 性 セ シ ウム が 検 出 され た け れ ど も、 そ れ はCs‑137の み でCs‑134は な か った とい う新 聞記 事 が あ った4)。 この 放 射 性 セ

シ ウム は チ ェル ノ ブイ リ事 故 に よ って も た ら され た もの で あ る可 能 性 が 高 い 。 しか しな が ら、 本 研 究 で 得 た放 射 性 セ シ ウ ム と して は 、Cs‑134も 含 ま れ て い た 。

今 回 、 山 木 屋 地 区 で の きの この 採 取 に よ って 、 き の こに 含 ま れ る 放 射 性 セ シ ウム の 量 を 測 定 した 。 そ の結 果 、放 射 性 セ シ ウム の 濃 度 は 採 取 地 点 と きの こ の 種 類 に よ っ て 異 な り、0.5〜2600Bq/gの 範 囲 で あ っ た。 ま た 、 き の こに 含 まれ る放 射 性 セ シ ウム の 濃 度 は 、周 辺 の ± 壌 や 木 の 皮 の 濃 度 よ り も高 い もの も あ っ た。 す な わ ち 、 き の こが 放 射 性 セ シ ウ ム を 濃 集 して い る と考 え られ る 。 この こ とを 利 川 して 、 ⊥ 壌 や 枯 葉 に 高濃 度 に 含 ま れ て い る放 射性 セ シ ウ ム を 抽 出す る こ とも期 待 さ れ る。

本 研 究 で は、 地 元 の き の こ収 集家 、農 学 部 の き の この 専 門家 、 放 射 線 を専 門分 野 とす る研 究 者 の共 同 に よ って 、 実 態 把 握 が進 み 、 今後 も継 続 して取 り組 み た い 。 きの こへ の放 射 性 セ シ ウ ム の移 行 を議 論 す る場 合 、 きの こが 生 息 して い る周 辺 全 体 を捉 え る必 要 が あ る 。 した が っ て、 次 回 の 採 取 機 会 が あ れ ば 、 きの こ周 辺 の 枯 葉 な どを 広 く採 取 したい 。 ま た、 同 一 種 の きの こで、 周 辺 濃 度 レベ ル の 違 い に よ る含 有 濃 度 レベ ル の 差 異 に つ い て 議 論 したい 。

謝 辞

山木 屋 地 区 で き の こ採 取 の 案 内 を して くだ さ った 大 内氏 、 渡辺 氏 に 感 謝 を い た し ます 。 ま た 、 き の こ 採 取 を ア レン ジ して 下 さ い ま した 川 俣 町 原 子 力 災 害 対 策 課 の澤 口進 課 長 、 佐藤 広 一 氏 、 宮 地勝 志 氏 に 謝 意 を表 します 。

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Vol.49(2012) 近畿大学原子力研究所年報

参 考 文 献

1)伊 藤 哲 夫 、 古 川 道 郎 、 杉 浦 紳 之 、 山 西 弘 城 、 堀 口 哲 男 、 芳 原 新 也 、 若 林 源 一 郎 、 稲 垣 昌 代 、 小 島 清 、 村 田 祥 之 、 野 間 宏;福 島 県 川 俣 町 に お け る 環 境 放 射 線 調 査 、 近 畿 人 学 原 子 力 研 究 所 年 報 、 第48 巻 、PP.3‑9(2011).

2)株 式 会 社 キ ノ ッ ク スHP、 き の こ の 雑 学 ・き の こ の 豆 知 識http://www.kinokkusu.cojp/etc/

09zatugaku/mame/mameO2‑2.html(平 成25年2 月18日 閲 覧).

3)芳 原 新 也 、 伊 藤 眞;可 搬 型GPS機 能 搭 載 環 境 放 射 線 測 定 シ ス テ ム の 構 築 と そ の 応 川 、 近 畿 大 学 原 子 力 研 究 所 、 年 報 第45巻 、pp.1‑10(2008).

4)朝 口 新 聞 、 社 会14版 、2012年12月18口 、PP.37.

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参照

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