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小学校教員における職務上の多忙感に関する研究

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Academic year: 2021

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小学校教員における職務上の多忙感に関する研究

学 校 教 育 専 攻 学校改善コース 東保 光洋

研究の目的

( 1 )問題意識

小学校の教師は,毎日多種多様な仕事を行っ ている。例えば,教材研究や授業の準備などの 教科指導にかかわる仕事ばかりではなく,児童 のしつけや礼儀作法,同和教育,道徳、教育,給 食指導,学級のありとあらゆる事務を行ってい る。問題のある児童には,教育相談などを行い ながら,個々の児童や保護者とかかわりながら,

生徒指導活動を行っている。その上,研究と修 養のための研修会に参加し,研修を積極的に行 うことも重要な仕事となっている。また,校務 分掌を受けもち,学校運営上の仕事にも多くの 教師がかかわっている。さらに, P T A活動へ の参加,地域子ども会活動への参加,地域の活 動への参加と,地域の学校としての活動にも参 加している。このように教師は,様々な仕事を 行い,多忙をきわめているといえる。このよう

な現状のもと,学校には,さまざまな問題が存 在する。

( 2)学校教育への影響

学校において多忙感を感じている教師が増え てくると,学校の教育活動が硬直化してくる。

これからの学校は,学校の特色を見つけ,その 学校独自のカリキュラムを組み,個に応じた指 導をすることが求められる。また,地域社会や 保護者,教職員間,学校外の様々な機関との連 携を推進し,新しい教育活動を行っていくこと

指 導 教 宮 石 村 雅 雄

が必要になってくる。しかし,今までにしてい る教育活動は,今までのまま行う。新たな教育 活動を行おうとすると,当然教師の実質的な仕 事量が増えることになる。授業時数が大きく削 減される状況があれば,それも可能になる。し かし,現実には,授業時数はそのまま,教科数 は増える。このような状況では,本来の子ども への教育活動が十分に行えなくなってくる。

研究の意義

( 1 )多忙感の捉え方

多忙感とは,個人の考え方の問題や仕事量,

個人の仕事処理能力等,数量的に計りにくい要 素が加わるため非常にあいまいである。仕事は,

多忙で、あっても,多忙感を抱かない教員もいれ ば,反対に非常に多忙感を抱く教員がいる場合 がある。個々の考え方の違いや感じ方にも影響 があるが,今までの先行研究では,アンケート 形式の調査がほとんどで,項目を提示してその 中から選んでいくような方法が主流であった。

このような方法では,実際学校現場で働いてい る教師が,どのようなことで多忙感を抱き,ど のような影響を及ぼしているかを十分に調査し ているとはいえない。

( 2)多忙感解消の視点

小学校において,個人の多忙感を研究するこ とで,学校自身がもっ問題点をつかむことがで きる。学校は,その地域性や規模,職員構成に よってさまざまな一面を見せる。学校といって

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(2)

も,ーっとして捉えることはできない。その学 校に勤務するそれぞれの立場の教員が,自分の 立場から感じているような仕事内容を捉えるこ とで,今の学校が改善していかなければいけな い内容が見えてくる。

調査の実施

( 1 )予備調査

①学校日誌調査

A市10校における学校日誌で,学校の20  年間の変遷を調べ,学校がこの間にどのように 変わってきているのかを調べる。物理的に学校 の住事が増えている様子を,教育活動と出張の 様子について調べ,学校が多忙になっている実 態を調べた。

ほとんどの学校で,どの項目も増えているこ とがわかった。詳しく見ていくと,校外活動や 出張回数が増えていて,教師の仕事が増えてい ることがわかった。

②学校時間調査

学校において,教材研究にどのくらいの時間 をつかっているのか,本当はどのくらい教材研 究をしたいのかを,学級担任96人にアンケー ト調査を行った。また,学校現場でとくに忙し いのは何月頃で,どのような仕事があるのかを 調査した。

教材研究の平均時間は,一日平均47. 6分 であった。どのくらいしたし、かは,一日平均9 2.  4分であった。学校の忙しい時期は,学期 始めと学期末 2学期と答えている教師が多か った。

( 2)インタビュー調査

学校現場の教師 2 0人にインタビ、ュー調査を 行った。調査内容は,学校におけるゆとり,仕 事内容,学校の変化,忙しかった時期と仕事内

容,子どもへの影響,やりたいこと,学校の課 題等を聞いた。

4  研究の総括

( 1 )研究成果

小 学 校 の 教 師 は 学 級 」 と い う 単 位 で 仕 事 を捉えている。学級の仕事でないようなことが 増えてきて,自分がやりたいような教育活動が できないことで多忙感を感じていることが明ら かになってきた。やりたいことは,教材研究を 十分に行った授業や,子どもたちとの人間関係 を深くするための対話である。また,校外学習 に代表される授業形態の変化で,授業準備にも 時聞がかかるようになっている。

小学校教師の職務の連続性からも多忙感を感 じている。授業を行いながら,子どもたちとの 関わり,それに加えて日記指導やノートの丸付 け等の学級事務を平行して行わなければいけな いために,どの仕事も中途半端になり,十分に 行えないために多忙感を感じている。

今後の課題

小学校教師は,学級中心の考え方をしている ので,できるだけ学級の子どもたちにかかわっ ていく時間を確保することや,事務的な時間の 確保やその仕事の必要性の吟味をしていく必要

がある。

学校における教育課程については,職員間や 関係団体との話し合いを活発にして,根本的に どうしなければいけないかということを話すこ とである。今まで続けているからしているとい うのではなく,今の学校教育に何が必要なのか を議論して,整理していく必要がある。そうす ることで,真に子どものための学校教育が可能 になり,教師にとっても自分のやりたい教育活 動ができると考える。

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参照

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