研究論文
国 際 機 関 にお けるコーポ レー ト・ガバナ ンス問 題 への取 り組 み 一世 界標準原則 の構築 へ向 けて一
小 島 大 徳
1.は じ め に
2004年 に 、 経 済 協 力 開 発 機 構(OECD)が 策 定 ・公 表 した 『新OECDコ ー ポ レー一 ト ・ガ バ ナ ン ス原 則(以 下 「新oEcD原 則 」 とい う)1』 は 、1999年 に 策 定 ・公 表 さ れ た 『旧OECDコ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則(以 下 「旧OECD原 則 」 と い う)2』
を 引 き継 ぐ原 則 と して 注 目を集 め て い る。 とい うの も 、 旧OECD原 則 は 、 各 国 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 政 策 に 多 大 な影 響 を 与 え た だ け で は な く 、機 関 投 資 家 や 経 営 者 な ど に も コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 指 針 と して 活 用 され た と い う背 景 が あ っ た か らで あ る。
これ ま で 、 筆 者 は 、 こ の 世 界 標 準 原 則 に も っ と も 近 いOECD原 則3に つ い て 、 第 1の 研 究 課 題 で あ る 新OECD原 則 の 内 容 と役 割(OECD原 則 自体 の 研 究)と 、 第2 の 研 究 課 題 で あ るOECD原 則 が 与 え る 影 響 と そ の 下 位 に 属 す る行 動 指 針 型 原 則 との
関係 、 との2っ の研 究 を行 っ て き た 。 そ して 、 第1の 研 究 課 題 に つ い て は 、 小 島[2 005a]に お い て 、 第2の 研 究 課 題 に つ い て は 、 小 島[2005b]に お い て 、 分 析 と検 討 を 重 ね て き た の で あ っ た 。 そ して 、 この2っ の 研 究 に よ り、 新 た な 課 題 が 生 ま れ た 。 そ の 課 題 とは 、 新OECD原 則 と他 の 国 際 機 関 の 原 則 と が ど の よ う な 関 係 に あ り、 今 後 、 ど の よ うに 展 開 して い くの か で あ る。 そ れ を解 決 し よ う とす る の が 本 稿 の 目的
で あ る。
新OECD原 則 は 、盛 ん に 他 の 国 際 機 関 の原 則 な どの 参 照 お よび 遵 守 を 求 め て い る。
筆 者 は 、 原 則 の研 究 を 行 い は じ め た こ ろ か ら 、OECD原 則 は 、 世 界 標 準 原 則 で は な く、 世 界 標 準 に も っ と も近 い原 則 で あ る と主 張 して き た 。 そ こ で 、 最 終 的 に本 稿 で は 、 世 界 標 準 原 則 の 姿 を も 明 らか に した い と考 え て い る。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.16
皿 新OECD=]一 一ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ンス 原 則 の 新 提 言
1新OECDコ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 特 徴
2004年 に 、OECDが 策 定 ・公 表 した 新OECD原 則 は 、(1)企 業 法 へ の 影 響 お よ び 代 替 、 ② 市 場 参 加 者 に 対 す る 規 制 、(3)他 の 原 則 や 他 の 国 際機 関 と の 連 携 、 の3つ を特 徴 と して い る4。
まず 、(1)企 業 法 へ の影 響 お よび 代 替 とは 、原 則 が 企 業 法 の役 割 を 担 うこ と を い う。
目本 を 例 に 挙 げ る と、1990年 代 半 ば ま で は 、 法 学 界 で の議 論 を 基 に した 商 法 な どの 改 正 が 行 わ れ 、 そ れ が 、 企 業 経 営機 構 な ど に影 響 を与 え て き た 。 しか し、1997年 の ソニ ー に お け る 執 行 役 員 制 度 の 導 入 を皮 切 りに 、 実 際 の 経 営 が 、 法 の 予 定 した 範 囲 に収 ま る こ とな く改 革 され て い くよ うに な っ た。 そ の後 は 、1998年 、 日本 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス ・フ ォ ー ラ ム(JCGF)が 策 定 ・公 表 した 『旧JCGFコ ー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則5』 に 代 表 され る よ うに 、 原 則 が 企 業 法 に 影 響 を 与 え る よ うに な っ た 。 一 方 、 お も に 英 米 法 の 影 響 を受 け て い る 国 は 、 原 則 を 積 極 的 に 活 用 し、 原 則 が 法 や 規 則 の 代 替 的 な 役 割 を担 うよ うに も な っ て い る6。
ま た 、 ② 市 場 参 加 者 に対 す る規 制 と は 、 市 場 に 参 加 す る 者 の 権 利 や 役 割 を 評 価 す る潮 流 か ら、 自律 的 な コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 を も 必 要 とす る こ とを 、 重 視 し よ う とす る こ と を い う。 新OECD原 則 は 、 「参 照 可 能 性 」 と 「非 拘 束 性 」 を 基 本 的 ス タ ン ス と して い る た め 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス構 築 に 関 して 強 制 す る 文 言 に し よ うす る こ と は少 な い。 しか し、 今 回 の 新OECD原 則 は 、 市 場 参 加 者 に 対 して 、 あ え て 暗 に 強 制 と も とれ る 内容 を含 ん で い る こ と に 注 視 す べ き で あ ろ う。
そ の な か で も 、(3)他 の 原 則 や 他 の 国 際機 関 との 連 携 と は 、 新OECD原 則 は 、 他 の 国 際 機 関 が 策 定 した 原 則(こ こ で い う原 則 と は 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス原 則 と は 異 な る 目的 を 有 し て い る原 則 を い う7)や 基 準 を 意 識 した 記 述 と な っ て お り、 原 則 と連 携 関 係 が あ る こ と を い う。 そ れ は 、 旧OECD原 則 が 策 定 され た 後 、 私 的 国 際 機 関 や 機 関 投 資 家 、 各 国 内 の 機 関 や 団 体 に よ り、 原 則 が 策 定 され た こ と を 考 慮 に 入 れ た か らで あ ろ う。
そ れ と と もに 、 今 回 の新OECD原 則 で 特 徴 的 な こ とは 、OECDが 策 定 した 『OECD 多 国i籍企 業 行 動 指 針8』 や 、 証 券 監 督 者 国 際 機 構(10SCO)か ら公 表 され た 『監 査 人 の 監 督 に 関 す る 原 則9』 、 同 じ く10SCOの 『上 場 企 業 に よ る継 続 開 示 お よ び 重 要 事 項 の 報 告 に 関 す る原 則'o』 な ど を 、 最 大 限 遵 守 す る こ と を 求 め て い る 点 で あ る。
こ の こ と は 、 ① 有 機 的 に 他 の原 則 と の 連 携 関係 を構 築 す る 、 ② 他 の 国 際 的 な機 関 と
研 究論文 ●国際機 関 にお けるコーポレー ト・ガバ ナンス問題 への取り組 み 横 断 的 に 協 力 す る こ とに よ りコ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 実 効 性 を 高 め る 、 の2つ
を主 眼 に お い て い る と考 え られ る。 こ う した2つ の傾 向 は 、21世 紀 の コー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス の 大 き な 流 れ に な っ て い く と考 え られ よ う11。
2新OECDコ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス原 則の他 の 国際 機 関原 則 に関 す る遵 守 要 求 新OECD原 則 で は、他 の公 的 国際機 関原則 との強 い連 携 を訴 えて い る ことが 、 もっ とも大 きな特 徴 で あっ た。 具 体 的 に は、新OECD原 則 の な かで 、 以 下 の よ うに 、他 の公 的 国際機 関 の原 則 を遵 守 す る よ うに求 め て い る。
まず 、新OECD原 則 は、 【原 則rv‑E】 にお い て 「『OECD多 国籍 企 業行 動 指針 』 は、
そ れ ら(会 社 の役 員 に よ る非 倫 理 的 な慣 行 や違 法 な慣 行 一筆 者)の 苦情 を政府 当局 に報 告す る こ とを奨 励 して い る」 と して 、 この原 則 を 引用 し、遵 守 また は参 考 にす る こ とを求 め てい る。
また 、【原則V‑E】 にお いて 、 「OECD原 則 は、10SCOの 『上 場 企 業 に よ る継 続 開 示 お よび 重要 事 項 の報 告 に関す る原 則 』 にお いて も、 上場企 業 の継 続 開示 お よび 重 要事 項 の報告 につ い て共 通 原則 が設 定 され」 てお り、 これ を遵 守 ま た は参 考 にす る こ とを求 め て い る。
さ らに 、 【原 則V‑C]に お い て 、 「10SCOか ら公 表 され た 『監 査 人 の 監督 に 関す る原 則 』 な ど を参 照 す る べ き で あ る」 と して い る。 こ こ に お い て 、 原 則 が 「な ど」
と した の に は、 同 様 に10SCOか ら出 され て い る上 記 の2つ の 原 則 だ け で は な く、
『監 査 人 の独 立性 お よび そ のモ ニ タ リン グ にお け る企 業統 治 の役 割 に 関す る原 則'2』
や 『アナ リス トの利 益 相 反 に 関す る報告 書13』、『信 用格 付機 関の活 動 に関す る原 則14』
を も指 して い る と考 え られ る15。
それ で は、 以 下 、OECD原 則 が遵 守 また は 参 考 にす るこ とを求 めて い る国際機 関 の主 要 な原 則 を検 討 す る。
皿OECDコ ーポ レー ト・ガバナンス原 則と他 の国際機 関コーポレー ト・ガバナンス原 則
10ECD多 国 籍 企 業 行 動 指 針
1976年 、 『多 国 籍 企 業 行 動 指 針 』 は 、 『国 際 投 資 ・多 国 籍 企 業 に 関 す る宣 言 』 の 付 属 書 の1つ と して 策 定 され 、 経 営 環 境 の 変 化 に 応 じて 、 過 去 数 回 の 改 訂 が な され て き た 。 そ して 、1998年 、OECDの 国 際 投 資 ・多 国 籍 企 業 委 員 会 で 見 直 しが 行 わ れ 、 2000年6.月 、OECD閣 僚 理 事 会 に て 、 改 訂 版 が 策 定 ・公 表 され た'6。 『OECD多 国 籍
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企 業 行 動 指 針 』 は 、 多 国 籍 企 業 に対 して 、OECD加 盟 国 政 府 が 共 同 して行 う望 ま しい 企 業 行 動 の 姿 につ い て勧 告 してい る。OECD原 則 と同 様 に、 この 『多 国 籍 企 業 行 動 指 針 』 は法 的 拘 束 力 を有 してお らず 、 この 指 針 の 運 用 を各 企 業 の 自 主 性 に委 ね てい る。
『多 国 籍 企 業 行 動 指 針 』 は 、 表1の よ うに 、 【序 文 】 、 【原 則1定 義 と原 則 】 、 【 原 則II一 般 方 針 】 、 【原 則m情 報 開 示 】 、 【原 則IV雇 用 お よ び 労 使 関係 】 、 【原 則v 環 境 】 、 【原 則VI贈 賄 の 防 止 】 、 【原 則W消 費 者 利 益 】 、 【原 則V皿科 学 お よび 技 術 】 、
【原 則D(競 争 】 、 【原 則X課 税 】 の11の パ ー トか らな る 。 そ の な か で 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る事 項 は 、 【原 則1卜 般 方 針 】 に お い て 記 述 され て い る。
こ の 【原 則m般 原 則 】 で は 、12の 原 則 が あ り、 【原 則II‑7】 で 「良 き コー ポ レ", ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を支 持 し、 ま た 維 持 し、 良 き コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の慣 行 を 発 展 させ 、 適 用 す る」 と して 、 『多 国 籍 企 業 行 動 指 針 』 が 【序 文 】 に お い て 、 「企 業 の 活 動 と政 府 の 政 策 との 調 和 の確 保 、 企 業 と企 業 が 活 動 す る社 会 との 相 互 信 頼 の 基盤 の 強 化 、 外 国 投 資 環 境 の 改 善 の 支 援 、 及 び 多 国 籍 企 業 に よ る 持 続 可 能 な 開 発 へ の 貢 献 の 強 化 を 目的 」 と し、 そ の 目的 を 達 成 す る た め に 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を 重 視 して お り、 さ らに 踏 み 込 ん で 、 原 則 を遵 守 す る こ と を 求 め て い る。
ま た 、 特 筆 す べ き こ と は 、 【原 則 皿 情 報 開 示 】 の 項 目が 単 独 で お か れ て い る こ と で あ る。 こ こ に 、 新OECD原 則 と多 国 籍 企 業 行 動 指 針 と の 大 き な 共 通 点 を 見 い だ す こ とが で き る。 多 国 籍 企 業 行 動 指 針 は 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 との 補 完 関 係 を 目指 しつ つ 、 新OECD原 則 と同 様 に 、 情 報 開 示 ・透 明 性 の 重 要 性 を 訴 え て い る
の で あ る。
表10ECD多 国籍 企 業 行 動 指 針
1.OECD多 国i籍企 業行 動指針(「 行動 指針 」)は 、 多 国籍 企 業 に対 して政 府 が行 う勧 告 で あ る。 行 動 指針 は 、適 用可 能 な法律 と合 致 した 、責任 あ る事 業行 動 のた め の任 意 の原 則 お よび基 準 を提供 す る。 行動 指針 は、 これ ら企 業 の活 動 と政府 の政策 との間 の調 和 の 確保 、企業 と企 業 が活 動す る社 会 との 間 の相 互信 頼 の基 礎 の強化 、 外 国投資 環境 の 改善 の 支援 、お よび多 国籍企 業 によ る持 続 可能 な開発 へ の貢 献 の強化 を 目的 と してい る。行 動 指 針 はOECDの 国 際 投 資 お よ び 多 国 籍 企 業 に 関 す る 宣 言 の 一 部 で あ る。 こ の 宣 言 は 、 行動 指針 の他 に、 内国 民待遇 、企 業 に 関す る相 反 す る要 求 、国際 投 資促進 要 因お よび抑 制要 因に 関す る内容 をそ の構成 要素 とす る。
2.国 際 的 な事業 は大 きな構 造変化 を経験 した。 行動 指針 それ 自体 も これ ら変化 を反 映
研 究 論文 ●国際機 関 にお けるコー ポレート・ガバナンス問題 へ の取 り組 み して進化 して きた。 サ ー ビス産業 及 び知 識集 約産 業 の隆盛 とともに、 サ ー ビス企業 お よ び技 術 系企 業が 国際 市場 に参入 して きた。 依 然 と して大企 業 が国 際投 資 の主要 な割 合 を 占めて お り、大規 模 な 国際 的合 併 が行 われ る傾 向が あ る。 同時 に 、 中小 企業 に よる外 国 投資 も増加 してお り、 これ ら企 業 は今 や 国際 的な場 で重 要 な役割 を果 た してい る。 多 国 籍 企 業 は、 国内企 業 と同様 に、 よ り広 範 な事 業上 の体制 や組 織 形態 を擁 す るまで に進 化 した。 戦 略 的提携 と供 給者 や契 約者 との よ り密 接 な関係 は、企 業 の境 界 を不 明瞭 な もの とす る傾 向にあ る。
3.多 国籍企 業 の構造 の急速 な進化 は、外 国 直接 投資 が急 速 に成長 して た開発途 上 世界 で の これ ら企 業 の活動 に も反映 され て い る。 開発途 上 国 におい て、 多 国籍企 業 は、 第一 次産 品生 産や採 掘 産業 を超 えて、製 造 業 、組 立業 、 国 内市場 開発 お よび サー ビスへ と多 様 化 した。
4.多 国i籍企 業 の活動 は、 国際貿易 及び 投資 を通 じ、OECD加 盟 国経済相 互 間の、 またO ECD加 盟 国 とそ の他 の地域 との間 の関係 を強化 し、深化 させ た。 多国籍 企 業 の活動 は 、 企業 の母 国お よび受入 国 に大 きな利 益 を もた らす。 これ ら利 益 は、消 費者 が購 入 を望 む 製 品及 びサ ー ビス を競 争 的価格 で提供 し、資 本 の供給 者 に対 して公 正 な収 益 を提供 す る とき に生 じる。 多 国籍 企 業 の貿易 お よび 投資 活動 は 、資本 、技術 、人 的 資源 お よび天 然 資源 の 効率 的利 用 に貢献 す る。 これ らは世界 の諸 地域 間の技術 移 転 と地域 の諸 条件 を反 映 した 技術 の発 展 を容 易 にす る。 また 、企 業 は、正 規 の訓練 お よび職 業 活動 を通 じた学 習 に よって、受入 国 にお け る人的 資本 の開発 を促 進す る。
5.経 済 の変化 の性 質 、範 囲お よび速度 は、企 業 と企 業の 関係者 に新 た な戦 略 的課題 を もた ら した。 多 国籍 企 業 は、社 会 面 、経 済面及 び環 境 面で の 目標 間の整 合性確 保 を追 求 す る持 続 可能 な開発 のた めに、 最 良 の施 策 を実施 す る機 会 を有 して い る。持 続 可能 な 開 発 を促 進す る多 国籍 企 業 の能力 は、 開放 され 、 競争 的 で、 ま た適 切 な規 制 の下 に あ る市 場 の 中で貿易お よび投 資 が行 われ る とき に大 き く強化 され る。
6.多 くの多 国籍企 業 は、事 業活動 の高 い基準 を尊重す る こ とは成 長 を強化 させ 得 るこ とを示 して きた。今 日の競 争 の勢 い は激 烈 で あ り、多 国籍 企業 は多様 な法律 面 、社会 面 お よび規則 面 の環境 に直面 してい る。 この意 味 で 、不 当競争 利益 を得 よ うとの試 み で、
適 切 な行 動 の基 準 と原 則 を無視 しよ うとの誘 惑 に駆 られ る企 業 もあ り得 よ う。 少 数 の こ の よ うな行 動 に よっ て、 多数 の評判 が問題 とされ 、世 間 の懸念 が惹 起 され るこ と ともな
り得 る。
7.多 くの 企 業 は 、 市 民 社 会 の 良 き一 員 と して の 企 業 の あ り方 、 良 き慣 行 、 良 き労 使 行 動 につ いての約 束 を補 強す る内部計 画、指針 お よび経営 管理制度 を発 展 させ るこ とに よっ て、 世 間か らの これ ら懸念 に答 えて きた。 幾つ か の企 業 は、 コ ンサル テ ィン グ、 監査 お よび認 証 サー ビス を利 用 し、 これ らの分野 の専 門知 識 の蓄積 に寄与 して きた。 これ らの 努 力 は、 良 き事業 行 動 を構 成す る もの につい ての社 会 的対 話 を促 進 して きた。行 動指 針
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は、行 動 指針加 盟 国政府 が共有 す る事 業行 動 に対 して の期待 を 明確 化 し、企業 に とって の一 つの模 範 を提供 す る。 この よ うな行 動指 針 は、 責任 ある事業行 動 を定め 、実施 す る ため の民間の努 力 を補 完 し強化 す る。
8.政 府 は相互 に、 また他 の行 動 主体 と ともに、事 業活 動 が行 われ る国 際的 な法 的枠組 及 び政策 的枠組 の強化 のた め協力 を行 ってい る。1948年 の世界 人権 宣言 の採択 に始 ま り、
戦 後期 に は この枠 組 み の進展 が 見 られ てい る。 最 近 の文 書 には、 労働 にお け る基本 原則 及 び権 利 に 関す るILO宣 言 、環 境 と開発 に 関す る リオ 宣言 お よび ア ジ ェ ンダ21並 び に社 会 的発 展 のた めの コペ ンハー ゲ ン宣 言 が含 まれ る。
9.OECDも 、 国際 的 な政策 枠組 に寄 与 して きた。 最 近 の進 展 には 、 国際 商取 引 にお け る外 国公 務員 に対す る贈 賄 の防止 に関す る条約 、OECDコ ー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス原 則 、 電 子商 取 引 にお け る消費者 保護 の た めのOECD行 動 指針 の各採 択 、並 び に 目下継 続 中の 多 国籍 企業 お よび 税 当局 の た めの移 転価 格税 制 に関す るOECD行 動指 針 の ため の作 業 が 含 まれ る。
10.行 動 指針 に加 盟す る政府 の共 通 の 目標 は 、経 済面 、環 境 面お よび社 会 面 の発 展 に対 し多 国籍 企業 が行 い得 る積 極 的 な貢献 を奨励 す る こ と、並 び に多 国籍企 業 の多様 な活動 が もた らす であ ろ う困難 を最小 にす る こ とに あ る。 この 目標 に向 けて作 業す る中で 、政 府 は、 同一 目的 に 向 けそ れぞれ 独 自の方 法で作 業 を行 ってい る多 くの企 業 、労働 組 合 そ の他 の非 政府組 織 との協 力関係 を見 出す 。 政府 は 、安 定的 マ ク ロ経 済政 策 、企 業 に対す る無 差別 待遇 、適 切 な規 制 と慎 重 な監視 、公 平 な裁 判 お よび法執 行 の制 度 、効 率的 で誠 実 な行 政 を含 む効果 的な 国内政 策 の枠組 を提 供 す る こ とに よって、 支援 を行 い得 る。 ま た政府 は、持 続 可能 な 開発 を支援 す る適切 な基 準 お よび政 策 を維 持 ・促 進す る こ とに よ り、そ して 、公 共部 門活 動 が効率 的 かつ 効果 的で あ る こ とを確保 す るた めの継続 的 改革 を取 り進 める こ とに よ り、支援 を行 い得 る。行 動指 針 に加 盟 す る各 国政府 は、 全 ての 国 民 の福 祉 お よび生活 水 準 の向 上 を 目指 した国 内お よび 国際政 策 の継続 的 改善 を公 約 と し てい る。
定義 と原 則
1.行 動 指針 は 、多 国籍企 業 に対 して政府 が共 同 して行 う勧 告 で あ る。 行動 指針 は 、適 用 可 能 な法律 に合 致す る良 き慣 行 の原則 お よび 基準 を提供 す る。 企 業 に よる行動 指針 の 遵 守 は任 意 の もの であ り、法的 に強制 し得 る もので は ない。
2.多 国籍 企 業 の活 動 は全 世界 に お よび 、それ ゆえ に この分 野 にお ける国際 協力 は全 て の 国 に及 ぶ べ き で あ る。 行 動 指 針 に加 盟 す る政 府 は 、 そ の領 土 内 で 活 動 す る企 業 に 対 し、
各 受入 国 の固有 の状 況 を考 慮 しつつ 、活 動 す る全 ての場 所 で行動 指針 を遵守 す る こ とを 奨励 す る。
3.多 国籍 企業 を厳 密 に定義 す る こ とは、行 動指針 の 目的上 、必 要 とは され てい ない。
研 究論 文● 国際機 関におけるコーポレート・ガバ ナンス問題 への取 り組 み これ ら企 業 は、通 常 、 二つ以 上 の国 にお いて設 立 され る会 社 また はそ の他 の構成 体 か ら 成 り、様 々 な方法 で活 動 を調整 で き る よ うに結 びつ い て い る。 これ ら構 成体 の一っ 又 は 二つ以 上 の もの は、他 の構 成体 の活 動 に対 して重要 な影 響力 を行 使 し得 るが、企 業 内 に お け る構成 体 の 自治 の程度 は、多 国籍 企 業 ご とに大 き く異 な る。 そ の所 有形 態 は、民有 、 国有 また はそ の混合 た り得 る。行 動 指針 は、多 国籍 企業 内の全 て の構 成体(親 会 社 お よ び(ま た は)現 地 の構成 体)を 対象 とす る。 構 成体 間 の実 際の 責任配 分 に応 じて、 異 な る構 成 体 は、行 動指 針 の遵 守 を容 易 にす るた め、相 互 に協力 し合 い 、 また支 援 し合 うこ
とを期待 され る。
4.行 動 指針 は 、多 国籍 企業 と国内企 業 との 間 に異 なっ た取扱 い を導入 す るこ とを 目的 とす るもの では ない。 行動 指針 は、全 て の企 業 に とって の良 き慣 行 を示 してい る。 した が って 、多 国籍企 業 お よび 国内企 業 は、行 動 指針 が双 方 に 当ては ま る場 合 は常 に、 そ の 活 動 につ き同一 の期 待 に服 す る。
5.政 府 は、行 動指針 の可能 な 限 り広 範 な遵 守 を奨励 す る こ とを希 望す る。 行 動指 針 の 加 盟 国 政府 は、 中小 企 業が 大企業 と同一 の能 力 を有 して い ないだ ろ うこ とを認識 して い
るが、 中小企 業 が最大 限可能 な限 り、行動 指針 の勧 告 を遵守す るこ とを奨励 す る。
行 動指 針 に加 盟 す る政府 は、保護 主義 的 目的 のた めに 、ま た多 国籍企 業 が投 資 を行 う国の比 較優位 に対 して疑 問 を差 し挟 む よ うな方 法 で、行動 指針 を使 用 して はな らない。
7.政 府 は 、国際 法 に従 いつつ 、 自国の管 轄 内 におい て多 国籍企 業 が活 動す るた めの条 件 を定 め る権利 を有 す る。 様 々 な国 に所 在 す る多 国籍企 業 の構成 体 は 、 これ ら所 在地 国 にお け る適 用 可能 な法 律 に従 う。 多 国籍 企 業 が、行 動指 針加 盟 国 に よ る相反 す る要 求 の 対 象 とな る場合 には、関係 政府 は生 じ得 る問題 の解 決 に向 け誠実 に協 力す る。
8.行 動 指針 に加 盟す る政 府 は、企 業 を公 平 に、 かつ 、 国際法 お よび 自国が受諾 した契 約 上 の義務 に従 って取 り扱 う責任 を果す とい う了解 の 下に、行動 指針 を制定 した。
9.企 業 と受 入 国政府 との 間で生 じる法 的問題 の解 決 を容 易 な らしめ る手段 と して 、仲 裁 を含 む適 当な 国際紛 争解 決制度 の利 用 が奨励 され る。
10.行 動 指針 に加 盟 す る政府 は 、行動 指針 の普 及 を促進 し、 その利 用 を奨 励す る。 政府 は 、行動 指針 の普 及 を促 進 し、行 動 指針 に関連 す る全 て の事 項 を議 論 す るた め の フォー ラム と して行 動す る連絡 窓 口を設 立す る。 行動 指針 に加 盟 す る政府 は、変 化す る世 界 に お け る行 動 指 針 の 解 釈 に 関 す る 問題 に 対 応 す るた め 、 適 切 な再 検 討 と協 議 に参 加 す る。
国 際 経 営 フ ォー ラムNo.16
関 係 者 の 見 解 を 考 慮 す べ き で あ る 。 こ の 点 に 関 し 、 企 業 は 次 の 行 動 を と る べ き で あ る 。
2.持 続 可能 な 開発 を達成 す る こ とを 目的 と して、経 済 面、社 会 面及 び環境 面の発 展 に 貢 献す る。
受入 国政府 の 国際的 義務 お よび公約 に即 しっ っ 、企 業の活 動 に よって影 響 を受 け る 人 々 の人権 を尊 重す る。
4.健 全 な商慣 行 の必 要性 に則 しつつ 、 現地 実業界 を含 めた現 地社 会 との密 接 な協 力お よび 国内外 の市場 にお け る当該企 業 の活 動 の発 展 を通 じ、現地 の能力 の開発 を奨励 す る。
人的 資本 の形成 を、特 に雇用 機 会の創 出 と従 業員 の ための 訓練機会 の増進 に よって、
奨 励 す る 。
6.環 境 、健康 、安 全 、 労働 、課税 、財 政 に よる奨 励 ま たはそ の他 の事 項 に関す る法 令 又 は規 制 の枠組 にお いて意 図 され てい ない免 除 の要求 お よび受諾 を回避 す る。
7.良 き コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 支 持 し 、 ま た 維 持 し、 良 き コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 慣 行 を 発 展 させ 、 適 用 す る 。
8.企 業 と企 業 の事 業活 動 が行 われ る社会 との 間の信 用お よび相 互信 頼 関係 を育成 す る 効 果的 な 自主規 制 の慣 行 お よび経 営制 度 を発展 させ 、適 用す る。
9.訓 練 計画 を含 めた適切 な普及 方法 を通 じ、会社 の方針 にっ い て従 業員 へ の伝 達 と遵 守 を促進 す る。
10.法 律 、行 動指 針 また は企 業 の方針 に違反 す る慣 行 につ いて 、経 営 陣 また は適 当な場 合 に は所 管 官庁 に善意 の通 報 を行 った従 業員 に対 して 、差別 的 ま たは懲 戒 的 な行 動 を と る こ とは慎 む。
11.実 行 可 能 な場合 には 、納入 業者 お よび 下請 業者 を含 む 取引先 に対 し、多 国籍 企 業行 動指針 と適 合す る企業行 動 の原 則 を適 用す るよ う奨励 す る。
情報 開示
1.企 業 は 、そ の活 動 、組織 、財 務 状況 お よび業績 につ い て、時 宜 を得 た、定 期的 な、
信 頼性 の あ る妥 当 な情 報 の開示 を確 保 すべ きであ る。 この情報 は 、企 業全 体 につい て 、 然 るべ き場合 に は事業 系統 毎 また は地 域毎 に開示 され るべ きであ る。 企業 の情 報 開示 に 関す る方針 は、費 用 、事 業上 の秘密 お よびそ の他 の競 争 上の 関心事 項 を然 るべ く考慮 し
研 究論 文 ●国際機 関 にお けるコーポレー ト・ガバナ ンス問題 への取り組 み
2.企 業 は、情報 開示 、会 計お よび 監査 に質 の 高い基 準 を適用 す べ きで あ る。 また、 企 業 は環境 お よび社 会 的 な報告 を含 め た非財 務 情報 につ い て も、然 るべ き場 合 に は質 の高 い基 準 を適用 す る こ とを奨励 され る。 財務 及 び非財 務 情 報 の編 集 お よび公 表 の基 準 また は方針 は報告 され るべ きで ある。
企 業 は、そ の名称 と所在 地お よび組織 、親会 社 な らび にそ の主要 系列 会社 の名 称 と 所在 地及 び電話番 号 と、 これ ら関連 会社 間 の株 式持 ち合 い を含 めた(直 接 お よび 間接 の) 各社 間 の株式保 有 比率 を示す基礎 的情 報 を開示す べ きで ある。
4.企 業 は、 また、以 下の事 項 に関す る重要 な情 報 を開示す るべ きで あ る。
a)会 社 の財 務 お よび 事業結 果 b)会 社 目標
c)主 要株 主 と議 決権
d)経 営 陣お よび主要役 員 とそ の報 酬 e)予 見可能 な重要 な リス ク要 因
f)従 業員そ の他 当該 企業 の参画者 に関す る重要 な問題 g)コ ーポ レー ト ・ガバナ ンス の構 造 と政策
5.企 業 は、以下 が含 め られ る追加 的情 報 を公 表す る ことを奨励 され る。
a)社 会 ・倫 理 ・環境 面 で の企 業 政策 お よび企 業 が採 用す るその他 の行動 規範 に関す る 情 報 を含 む 、事業 行 動 の理念 ま たは規 則 に 関す る一般 向 け声 明 に加 えて 、 これ ら声 明の 採 択 日付 、 これ ら声 明 を採 用す る国及 び構 成体 、企業 の これ ら声 明 に 関連 して の成 果 も
また公 表 され 得 る。
b)リ ス ク管理 と法 律 の遵守 のた めの制度 に関す る情 報 お よび事 業行 動 に 関す る声 明ま た は規 範 に関す る情 報
c)従 業員 お よび その他 の企業 参画者 との関係 に関す る情報
雇用および労使関係(略) 環境(略)
贈賄の防止 消費者利益(略) 科学および技術(略)
競争(略)
課 税(略)(出 所)http://VVIWW.mofa.go.jp/mofaj/gaik。/oecd/hoshin.htm1
国 際i経 営 フ ォ ー ラムNo.16
21SOCO監 査 人 の 監督 に関 す る原 則
10SCOは 、 ① 世 界 中 で 多様 な 監 査 人 監 督 制 度 が 存在 して い る こ と、② 世 界 的 に 企 業不 祥 事 が多 発 し、 多 くの国 にお い て 監査 人 監督 の方 法 や枠 組 み の変 更 が行 われ て い る、 こ とを 問題 視 してい る。 そ こで 、『10SCO監 査 人 の監 督 に関す る原 則 』 は、
10SCOメ ンバ ー 国 に お け る法 制 、 事 業 及 び 専 門職 業 の環 境 が 幅 広 く異 な る 中 で 、 証券 市 場 規 制 当局 等 が 監査 人 監督 の規 制枠 組 み を整 備 し、 強化 す る こ とを手助 けす る こ とを意 図 し、2002年10月 に策 定 され た もので あ る。
『10SCO監 査 人 の 監督 に関 す る原 則 』 は 、 表2の よ うに 、 は じめ に 、 監 査 人 の 監査 に 関す る原 則 、 お わ りに、 の3部 か ら構 成 され る。 そ して 、 この原 則 の主 要 内 容 は 、 【原 則1監 査 人 の 能力 と資 格 の取 消 】、 【原 則r【外 観 上 の独 立 性 】 、 【原 則 皿 第 三者 に よ る監 査 シ ステ ムの 監査 】、 【原 則IV監 査 基 準 の確 立 とそ の遵 守 】、 【原 則 V監 査 人 監 督機i関の 権 限 】、 【原 則VIIOSCOと 監 査 人 監 督機i関 との 連携 】 、 の6つ の原則 か ら構 成 され て い る。 これ を詳 しくみ て み る と、① 下記企 業 に よる監査 基 準 の策 定 、 ② 監 査 人 監督 機 関 の設 置 と強 力 な 権 限 の付 与 、 ③10SCOと 監 査 人 監督 機 関 との連 携 、 を打 ち 出 して い る こ とが特 徴 で あ る とい える。
こ の よ うな 『10SCO監 査 人監 督 に 関す る原 則 』 を新OECD原 則 が遵 守 ま た は参 考 にす る こ とを求 め てい るの は 、企 業 にお い て監 査 人 が 唯一 の独 立 した存 在 だ と考 え た か らで あ ろ う。 つ い で 、新OECD原 則 は、 この 監 査人 が コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン スの要 と して力 を発 揮 しや す い よ うに 、以 下 の よ うな情 報 開示 ・透 明性 につ い て の 原則 を遵 守 また は参 考 にす る こ とを求 めた。
表210SCOの 監 査 人 の 監 査 に関 す る 原 則
投資 家 の信認 が、 世界 の金融 市場 の成 功 の基礎 的条件 で あ る。 この信 認 は、投 資家 が 資本 配分 の意思 決定 を行 う際 に信 頼 で き る財務 情報 を有す るか ど うか に かか ってい る。
証券 規 制 の 目的 に は、投 資 家保 護 、 市場 の公 正性 ・効 率性 ・透 明性 の確 保 、 システ ミッ ク ・リス クの軽減 が含 まれ る。 こ うした 目的 の ため 、投 資家 の決 定 に重要 な財務 結果 等 の情 報が十 分、適 時かっ 正確 に開示 され るべ きで あ る。
独 立 した 監 査 人 は 、 財 務 諸 表 が 会 計 基 準 に従 っ て 適 正 に 企 業 の 財 政 状 態 ・業 績 を表 し て い る と証 明す るこ とに よ り、財務 情 報 の信頼性 向上 に重 要な役 割 を果 た して い る。 会 計専 門家 お よび監 査 の独 立性 に対す る効果 的 な監督 が 、財務 報 告 の信 頼 性 に とって非 常 に重要 で あ る。証 券監督者 国際機 構(10SCO)専 門委員 会 は、公 開企 業 の財 務諸表 を監 査 す る監査 人 の監督 に関す る一般原則 を整備 した。
研 究論 文● 国際機 関 にお けるコーポレー ト・ガバナ ンス問題 への取り組 み 現在 、10SCO専 門委 員会 の メンバー 国 にお い ては、多 様iな監 査人 監督制 度 が存在 して い る。 多 くの場合 、 これ ら現行制 度 は 、財務 報告 の欠 陥 、 自主規 制 の枠組 み で 明 らか に な った 問題 点 、 国民 の期 待 の変化 、新 たな 立法措 置等 の結 果 と して 、見 直 しが行 われ て い る と ころで あ る。 あ る国 で は、 白主規 制 の下 での監 査 法人 同士 に よる ピア レ ビュー が 失 敗 し、新 たな 立法措 置 によ り、会計職 業専 門家 か ら独 立 した、 規則 制 定 、検 査 お よび 懲 戒 の権 限 を有す る監 査 人監督機 関 を創 設 す る こ と とな った。 そ の他 多 くの 国で も、 監 査 人 監督 の方法や枠 組み を変 更す る こ とを公 表 して い る。
ここで示 され てい る原 則 は、10SCOメ ンバ ー 国 にお け る法 制、 事業 お よび 専 門職 業 の 環境 が幅 広 く異 な る中 で、 証券 市場規 制 当局 等 が監査 人 監督 の規 制枠組 み を整備 し、 強 化 す るこ とを手助 けす るこ とを意 図 して い る。
監査人の監督 に関す る原則
監査 人の 監督 は 、監 査法 人の 内部 、職 業 専門 団体 、公 的 ・民 間 の監督機 関や政府 の監 督等 、 幾つ か の態様 に よって行 われ得 る。 監査人 は、公 益 のた め に活動 しかっ そ う見 ら れ る機 関 の監督 に服 す るべ きで あ る。 監査 人監督機 関 の性 格 や 監督 方法 は 国 ご とに異 な
るが、10SCOは 、効果 的 な監督 は一般 に以 下 を含 んで い る と考 え る。
(監査人 の能 力 と資格 の取消)監 査 人が適切 な資 格 ・能 力 を有 し、専 門的能力 を維 持 す るこ とを要求す る と ともに、適 切 な技能 ・能 力 が維持 され てい ない場 合 に公 開企業 を監査 す る権 能 を取 り消す メカニズ ム を構築 す るべ きで ある。
(外観 上 の独 立性)監 査 人が 監査対 象企業 か ら実 際上 かつ外観 上独 立 してい る こ と を要求す るメカニ ズ ムを構 築す るべ きで あ る。効 果 的な基 準、定期 的 な評 価 お よび 監督 に よって、一般 に独 立性維 持 の見込み が高 ま る。
(第三者 に よる監査 システ ムの監査)公 益 のため に活 動す る機 関が、 監査 の品質管 理 の環境 と ともに、 当該 国の 監査 基準 、独 立性 基 準お よび倫 理基 準 の 品質 と実施
に対す る監督 を行 うメカニ ズムが存在 す るべ きであ る。
(監査基 準の確 立 と遵 守)監 査人 が、監査 職 業専 門家か ら独 立 した監査 監督機 関 、 職業 専 門団体 が 監督機 関 の場 合 には独 立機 関 に よって監 督 され て い る監 査監督 機 関 の規律 に服 す る こ とを要求 す るメ カニ ズ ムが存在 す るべ きで あ る。監 査人 監督 機 関 は、公 益 のた め に運 営 され 、適切 な メ ンバ ー シ ップ、適 当な任 務憲 章 、監査 職業 専門家 に統制 され ない十分 な財 源 を有 しな けれ ばな らない。
監査人 監督 機 関 は、上 揚公 開企 業 の財務 諸表 を監査す る監査 法人 の 監査 手続 お よび 実務 を定期 的 に レビュー す るた めの方 法 を確 立す るべ きであ る。 考慮 の対象 は以下の事 項 を含 む。
a.監 査人 の独 立性 、廉潔性 お よび倫理 b.監 査 の客観性
c.担 当者 の選 定 、研 修 お よび 監 督 d.監 査依 頼 の引受 け、継 続 お よび終 了
監査 の方法 論
監査 の遂行 、す なわ ち一般 に認 め られた 監査基 準の遵 守
g.監 査 期 間 中 に生 じた 困難 な 問題 に 関す る協 議 お よび 意 見 の 相 違 の 解 決
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.16
h.他 の パ ー トナ ー 会 計 士 に よ る レ ビ ュ ー
i.経 営 陣 、 監 督 機 構 お よ び 監 査 機 構 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン j.財 務 報 告 の 規 制 機 関 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン
k.継 続 的 専 門 教 育 の 提 供
監 査 人 監 督 機 関 は 、 専 門 能 力 、 監 査 担 当 者 の ロ ー テ ー シ ョ ン 、 監 査 対 象 企 業 に よ る 会 計 士 の 雇 用 、 コ ン サ ル テ ィ ン グ 等 の 非 監 査 業 務 等 に つ い て も 取 り組 む べ き で あ る 。
(監査人 監督機 関の権 限)監 査 人監督機 関は、発 見 され た問題 の是正措置 を要求 し、
監査 人 ・監査法 人 に制 裁 を課すための懲戒 手続 を実施す る権 限 を有す るべ きである。
(10SOCと 監査人 監督機 関 との連携)10SOCメ ンバー は、 直接 にま たは 自国 内の監査 人 監督機 関 と協調 して 、不適 当な監査 等 の監 査人 監督 に係 る問題 の検査 ま た は調 査 の努 力 に、許容 され る最 大限の協力 を互い に行 うよ う促 され る。 また、メ ンバ ー は、各 国の協力 関係 を増 進す る取組 み につ い て も模索す る よ う促 され る。
おわ りに
こ の ス テ ー ト メ ン ト は 、10SOC専 門 委 員 会 の 議 長 委 員 会 に お い て 整 備 さ れ 、 10SOC全 メ ン バ ー に 示 され る 前 に 、 通 常 の 適 正 手 続 に 従 っ て 承 認 さ れ た 。10SOCメ ン バ ー は 、
こ れ ら の 原 則 を 受 け 入 れ 、 原 則 を 踏 ま え て 行 動 す る こ と が 促 さ れ る 。
(出 所)http://www.fsa.go.jp/inter/ios/pressO8.pdfを も と に 作 成 す る 。
310scor上 場 企 業 によ る継 続 開 示 お よび 重要 事 項 の報 告 に 関す る原 則』
上述2つ の原 則 にお い て 、情 報 開 示 ・透 明性 に関す る事項 を原則 の重 要 な柱 と し て い る こ とが解 明 され た。 新OECD原 則 は 、 さ らに、 『Iosco上 場 企 業 に よ る継 続 開示 お よび重 要事 項 の報 告 に 関す る原 則 』 をも遵守 はま た参 考 にす るべ き と述べ た。
この原 則 は、表3の よ うに 、① 上 場企 業 に対 す る継 続 開示 及 び重 要 事 項 の報 告 の 最低 限 の基 準 に関す る合意 を促 進 し、② 各 国 が 、上 場 企 業 の継 続 開示 及 び 重要 事 項 の報 告 に関す る制 度 を レ ビュー し、整 備 す る指針 を提供 す る、の2つ を 目的 に して 、 2002年 に策 定 され た。 そ して 、 この原 貝1」は、 【原則1継 続 開示 義 務 の主要 要 素 】 、 【 原 則2適 時性 】 、 【原 則3同 時 か つ 同 一 の 開示 】 、 【原 則4情 報 の 公表 】 、 【原 則5 開示 基 準 】、 【原 則6開 示 の平等 取扱 い 】 、 【原 則7説 明責 任 の 分配 】、 の7つ の原 則 か ら構 成 され てい る。
この原 則 は 、全般 にわ た って 、情 報 開示 ・透 明性 を扱 った原 則 で あ る とい うこ と が で き る。
研 究 論文 ●国際機 関にお けるコーポレー ト・ガバナ ンス問題 への取 り組 み 表3上 場 企 業 によ る継続 開示 お よび 重要 事 項 の報 告 に関 す る原 則
一10SCO専 門委 員 会 ス テ ー トメ ン ト2002年10月 一
1.専 門 委 員 会 は 、 信 頼 で き る 、 適 時(タ イ ム リ ー)で 、 容 易 に 入 手 可 能 な 情 報 が 投 資 家 に と っ て 根 本 的 で あ る と認 識 して い る 。
2.証 券監督 者 国際機 構(10SOC)は 、1998年 に、持 分 証券 の募集 ・上場 に関す る非財 務情 報 の 開示基 準 を定 めた 「外 国発行 会 社 に よ る持分 証 券 の クロス ボー ダー募 集及 び 上 場 に関す る国際 開示基 準(IDS98)」 を承認 した。 各 国が非財 務情報 の 開示基 準 を採 用す る こ とに よ り、外 国発 行会 社 は多 くの国 で同一 の 開示 書類 を用 い る こ とが 可能 とな り、 ク ロスボー ダー の募 集 が促進 され る。 同時 に、IDS98の 高度 な基準 を用 い る こ とに よ り、十 分 な投資 家保 護 が図 られ る。
3.し か しなが ら、流通 市場 での取 引規 模 は、募集 総 額 を大幅 に上回 って い るこ とか ら、
投 資家保護 には重要 な情報 の継続 的 な提供 が必要 とな る。特 に、 大多数 の個 人投 資家 は、
発行 市 場 よ りも流通 市場 に参加 してい る。IDS98の 基 準 を満 た した募 集時 の 目論 見書や 上 場 時 の書類 は、質 の 高 く重 要 な情報 を募 集参 加者 に提供 す る。重 要 な情 報 は更新 され 、 継続 的 に提供 され るべ きで あ る。 投 資家 が利用 可能 な情報 には、IDS98に よる募集 時 の 開 示 情報 及 び継続 開示 情 報 の両方 を含 んで いな けれ ばな らな い。 十分 か つ公 正な 開示 とい う基本 原則 に よ り、 上場企 業 は投 資家 の意 思決 定 に重 要 なすべ て の情報 を提 供す るべ き で ある。 当該情 報 には、 「経 営者 に よる財務 ・経 営成績 の分析(MD&A)」 も含 まれ る。
4.し た が っ て 、 専 門 委 員 会 は 、 各 国 が 要 件 を 追 加 す る 可 能 性 を 残 し た 上 で 、 上 場 企 業 に よ る 継 続 開 示 、 特 に 重 要 事 項 の 開 示 に 関 す る 一・連 の 高 度 な 共 通 原 則 を 整備 し た 。 こ の 原 則 を 「国 際 継 続 開 示 基 準(10DS:InternationalOngoingDisclosureStandards)」 と 呼 ぶ 。
5.こ の 報 告 書 に お い て 定 義 さ れ る 「継 続 」(ongoing)と い う 用 語 は 、 募 集 時 の 開 示 以 外 の 全 て の 臨 時(current)、 継 続 的(continuous)お よ び 定 期 的(periodic)な 開 示 を 含 む 。
6.各 国 の 権 限 あ る 当 局 は 、 投 資 家 保 護 の 観 点 か ら 、 上 場 企 業 の 適 切 な 情 報 開 示 を 確 保 す る た め 、 次 の2つ の 基 本 ア プ ロ ー チ(両 者 の 組 合 せ を 含 む)を 用 い て き た 。
・「原 則 主 義(generalobligation)ア プ ロ ー チ 」
・「細 目 主 義(prescription)ア プ ロ ー チ 」
こ の よ う な ア プ ロ ー チ の 違 い は 、 各 国 市 場 の 特 性 や 法 律 ・制 度 の 歴 史 の 違 い に 起 因 し て い る 。 専 門 委 員 会 は 、 全10SCOメ ン バ ー に 「ぴ っ た り の サ イ ズ(one‑size丘tsall)」 の ア プ ロ ー チ は な い と認 識 し て い る。 各 市 場 の 特 性 や 規 制 制 度 が 異 な る の で 、 ア プ ロ ー チ に 優 劣 は な い 。 定 義 や 概 念 の 違 い に か か わ らず 、 開 示 され る 情 報 の 性 質 や 範 囲 は そ れ ぞ れ の ア プ ロ ー チ で 類 似 して い る。
国 際 経 営 フ ォー ラムNo.16
7.ア プ ロ,̲....チの違 い にかか わ らず 、大 多数 の 国は、 上場 企業 は投 資 家 の意 思決 定 に重 要 で あ り、十 分 かつ公 正 に開 示す る必 要 が あ る情報 を開示す る継 続 的 な義務 を負 って い る とい うこ とにつ い て、合 意 してい る。10SOCは 、継続 開示 に関す る各 国の アプ ロー チ の違 い を認 めっつ 、 この よ うな アプ ロー チの違 い が、効 果 的 な開示 制度 の中 で どの よ う な事項 を開示す べ きか につ い て の合 意 を妨 げ る もので はな い こ とに留意 す る。 これ に よ
り、継 続 開示 に 関す る共 通原則 の確 認 が 可能 とな り、10SOCメ ンバ ー が各 国 の市揚 の特 性 に照 ら して 自 らの 開示制 度 を整 備 す る ことが促 され る。 した が って 、 この ステー トメ ン トの 目的 は、
・IDS98に 対応 す る一組 の国際 開示 基準 の整備 す なわ ち、 「上 場企 業 に よ る継続 開示及 び 重 要事項 の報告 に 関す る国際継 続 開示基 準(iODS)」 にお け る高度 な原 則 の整備 、
・10DSを 用いて、
(a}上場企 業に対す る継続 開示お よび重要 事項の報 告の最低 限の基準 に関す る合意 を促進 し、
㈲ 各 国が 、上場 企 業 の継 続 開示 お よび重 要事 項 の報 告 に関す る制 度 を レビュー し、整 備 す る指針(ガ イ ダ ンス)を 提 供す る。
8.専 門 委 員 会 は 、 以 下 の こ と に 留 意 す る 。
(a)10DSは 、 公 認 取 引 所 に 上 場 し て い る 企 業 に 適 用 され る 。 内 国 外 の 非 上 場 企 業 に は 適 用 され な い 。
(b)10DSは 、 権 限 あ る 当 局(取 引 所 、 自 主 規 制 機 関 の 市 場 管 理 者 を 含 む)に よ る 継 続 開 示 義 務 の モ ニ タ ー お よ び 執 行 に つ い て は 取 り扱 わ な い 。
(c)10DSは 、 集 団 投 資 ス キ ー ム(CIS)に は 適 用 さ れ な い 。 (d)10DSは 、 上 場 基 準 に は 適 用 さ れ な い 。
継続 開示および重要な事項の報告 に関する原 則
継続 開示義 務の 主要要 素
上場 企業 は、投 資家 の投 資決 定 に重 要であろ う情 報をすべて開示すべ き継 続 開示 義務 を負 うべきである。この原 則 は、典型 的 には、重要 と推定 される開示 項 目が包括 的 に指 定 され た方 法 、または、 上場 会社 の価 値 ・見通 しに関す る投 資家 の評 価 に影 響 を与 え得 るすべての情 報を開示す る原 則 義務 による方 法のいずれかによって実施 さ れ ている。 この原 則義務 に加 え、重要 と考 え られ る典型 的な事 象 を示 している国もあ る。原則 義務 の下、適 時性 が重要 な特 定の事象等 を識 別す るため、 定期 開示書類 に おける重 要情 報 の対象事 項 は、精 査 され 、 一層迅 速に開示 され るべきであ る。 例 と して、オフバ ランス項 目、非市 場取 引契約 の評価 替 え、ス トックオプション等 がある。
適 時性
上場企 業 は、継 続情 報 を適 時 開示す るべ きで あ り、 次 の よ うな 開示 が 要求 され 得 る。
(a)重要事 項 につ いて速や かな開示 を要す るもの。す なわ ち、 「可能 な限 り速や かに」
あ るい は(米 国 にお いて提 案 され た2営 業 日以 内 の よ うな)具 体 的期 限 が規 定 さ れ た もの。
(b)四半期 報告 書 また は年 次 報告 書 の よ うに 、法律 また は上場規 則 に規定 され 、定
研 究論 文 ■国際機 関にお けるコーポレー ト・ガバナ ンス問題 への取り組 み
期 的な 開示 を要す る もの。
この よ うな情報 には、必要 な場合 、「経営者 に よる財務 ・経営 成績 の分析(MD&A)」
が含 まれ るであ ろ う。MD&Aは 、定 期報 告 書 に含 まれ る こ とも、別 の報告 書 と し て開示 され る こともあ る。定期 報告 におい て開示す る場合 ぞ も、 当該 情報 の関連情 報 につい て速や か に開示 す る義務 が あ り得 る。
原 則 的継続 開示 義 務 の下 で は、以 下 につ い て、 開示 の延 期 を認 め得 る。 権 限 あ る当局 に よる承認 を条件 とす る国 もある。
(a)法令 に基づ き秘密 とされ る情報
㈲ 合意 に至 ってい ない提 案 ・交渉 に関す る情報 、 開示 によ り企 業 の正 当 な利 益 が 損 なわれ るよ うな特 定の情 報。
この場 合 、上場企 業 は当該 情報 の秘密厳 守 の維持 を確保 しなけれ ばな らない。
同時かつ 同一 の開示
企 業が複 数 の 国に上場 して い る場 合 、上場 してい る1つ の 国 の継 続 開示 義務 の 下 で発 表 され る情 報 は、 当該企 業 が上場 して い る他 の全 ての 国 にお いて 同時 かつ 同一 に発表 され るべ きで あ る。 この義務 は、企 業 いずれ の 国 に主 に上場 して い る か に よって左 右 され るべ きでない。これ は、以下 の よ うな情報 開示 を意 味 して い る。
(a欄 示義務 上 は 開示 が形式 的 に要 求 され て い ない が、 当該 企 業 が上 場 してい る他 の 国 におい て情報 開示す る必 要が あ る場合。
(b)当該情 報 につ いて継 続 開示 義務 が免 除 され てい るが 、 当該 企 業 が上場 してい る 他 の国 にお い て免 除 され て いない場 合。
この原 則 は、 時差 や取 引時 間 の違 い等 の要 素 を考慮 に入れ て、実 際的 に適 用 さ れ るべ きで ある。
情報 の公表
継 続 開示 義務 の 下、上 場企 業 は、 効率 的 、効果 的 かつ適 時 の開示 手段 を用 い る ことに よ り、 市場が 速や かに十分 な情報 を入手 で き よ うに確 保す るべ きで ある。
開示基準
継 続 開示 義務 に よ り、 継続 開示情 報 は、 公正 に表 示 され 、判 断 を誤 らせ た り、
ごまか した りす ることな く、また、情報の重 要な省 略がない よ うにす るべ きで ある。
開示 の平 等取扱 い
継 続 開示義 務 に従 って開示 され る情 報 は、 当該情 報が一般 に公 表 され る前 に、選 択 された投 資家そ の他利 害 関係 者 に開示 され るべ きでない。 この原 則 には、 ア ドバ イザーや格付機 関 とのコ ミュニケー シ ョン、事 業の通 常の過 程にお ける商業 ・金融 ・
投資 取 引について交 渉 中または交渉 を意図 している相 手 との コミュニケーシ ョン、
被 用 者代 表や労働 組 合 との コ ミュニ ケー シ ョンについて、 限定 的な例外 が認 め られ 得 る。 これ らす べ て の 場 合 、 情 報 受 領 者 は秘 密 保 持 義 務 を負 う。
説 明責任 の 分配
上場 企業 は、継続 開示義務 を遵 守す る責任 を負 う。 当該 情報 の 開示 に責任 を負 う 特定 の者 を明確 に してい る国 もあ る。
(出 所)http=//ww.fsa.go.jp/inter/ios/pressO4.pdfを も と に し て 作 成 す る 。
国 際 経 営 フ ォ ー ラ ムNo.16
Nコ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス と 世 界 標 準 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則
1国 際 機 関 の横 断 的協 力 関係 の構 築
これ ま で、 筆者 は 、 旧OECD原 則 を 、世 界標 準 に もっ と も近 い原 則 と表 現 して き た。 それ で は 、 なぜ 、世 界標 準原 則 で あ る と言 い切 らな か った か とい うと、以 下の よ うな若 干 の疑 問 が あ っ たか らで あ る。 そ れ は 、 まず 、OECD原 則 は 、 「非拘 束 性 」 と 「参 照 可 能性 」 をめ ざ し、 これ を特 質 と して い るが 、 この 「非 拘 束性 」 に よ り、
上 下 関係 を生み 出 さず 、 あい ま い な規範 の域 を脱 す る こ とが で きない か らで あ るi7。
しか し、今 回 の新OECD原 則 は、 そ の域 を脱 しよ うとす る努 力 の跡 が み られ る。
積極 的 に新OECD原 則 が宣言 した わ けで はない が 、新OECD原 則 を策 定す るに あた っ て、2回 に わた り、世 界 中の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に関係 す る機 関や 団 体 にパ ブ リ ック ・コメ ン トを求 めた。 それ を基 に して新OECD原 則 が策 定 され た が 、 世界 標 準原 則 が確 立 した後 の 具体 的 な企 業 の実 践形 態 を考 慮 した もの と考 え られ る。
2有 機 的 な 他 原 則 と の 連 携 関 係 と世 界 標 準 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス 原 則
そ こで 、 これ ま で み て きたOECDの 『多 国 籍 企 業 行 動 指 針 』 や10SCOの 各 原 則 は 、 は た して コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 な の か 、 とい っ た 疑 問 が 沸 い て く る。 筆 者 は 、 これ も コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 と して 含 め るべ き だ と考 え る 。 原 則 は 、 狭 義 の 原 則 と広 義 の原 則 に 分 類 す る こ とが で き る。 そ して 、 そ の 概 念 は 、 図1の よ うに 表 す こ とが で き る。 図1に よ る と、 狭 義 の 原 則 は 、 コ.̲̲,ポレー ト ・ガ バ ナ ン ス 構 築 を 目指 した も の 、 ま た は 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 と名 付 け られ た 原 則
で あ る 。 ま た 、 広 義 の 原 則 は 、 直 接 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を 主 題 と して 取 りあ げ る もの で は な い が 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る 記 述 や 企 業 経 営 機 構 、 情 報 開示 ・透 明性 、 企 業 の 利 害 関係 者 に 関 す る規 定 が 大 き く取 り上 げ られ て い る も の 、
ま た は 、他 の原 則 が 遵 守 お よ び 参 照 を 求 め て い る も の を い う。 狭 義 の 原 則 の 範 囲 は 、 異 論 が な い と こ ろ で あ ろ う。 広 義 の 原 則 に つ い て も 、 小 島[2002a]は 、 日本 の 原 則
を ほ ぼ 同 様 に 解 して お り、 そ れ に 準 じ る形 で あ る た め 、 特 に 問 題 は な い と考 え る。
そ れ で は 、 世 界 標 準 原 則 とは 、 い っ た い どの よ うな 形 態 に な る の で あ ろ うか 。 こ れ は 、 今 な お 模 索 して い る状 態 で あ る とい え る が 、 新OECD原 則 自体 が 、 世 界 標 準 原 則 で あ る と は 、OECD当 局 も考 え て い な い だ ろ う。 こ の こ と は 、 様 々 な 他 の 国 際 機 関 との 連 携 を 図 ろ う と して い る こ とか ら も 、 明 らか で あ る。 つ ま り、 新OECD原 則 を 中 心 と して 、 他 の 原 則 が 取 り囲 ん で い く と い う姿 に な る だ ろ う。
研 究論 文 ●国際機 関 にお けるコーポレー ト・ガバナ ンス問題 への取り組 み 図1コ ー ポ レー ト・ガ バ ナ ン ス 原 則 の 概 念
iコ ー ポ レー ト・ガ バ ナ ンi
i話 鰭 難額 碧と条彦
講鰯凝ゴや
藤 レ外.ガ簿
}ナ ンスを窯 題として取 り
i難 難 §
企叢経賞機構、傭綴簾 害関係餐に関する規建i
総蕩薯 峯趨 ラ 編i
ミが が ミおよびお セ
を勅 ている餓 ̲i
(出 所)筆 者 作 成 。
こ の 世 界 標 準 原 則 像 は 、 今 後 、 各 国 政 府 や 団 体 ・機 関 に よ っ て 、 新OECD原 則 や そ の 他 の 国 際 機 関 原 則 が ど の よ うに 評 価 され 、 受 け 入 れ られ て い くか 、 に よ っ て 具 体 化 す る と考 え られ る。 こ の よ うな 他 の 国 際 機 関 に 波 及 して い く動 き'8は 、旧OECD 原 則 の 公 表 後 も若 干 み られ た 。 今 後 、 さ ら に そ れ を 加 速 させ よ う とす る動 き を読 み
と る こ とが で き よ う艮9。
3コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス と 世 界 の コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則
図2は 、 旧OECD原 則(公 的 国 際 機 関 原 則)、 統 合 規 範(イ ギ リス ・各 国 内 機 関)、
ICGN原 則(私 的 国 際 機 関)、 の3つ を 分 析 し、 小 島[2004a]に お い て コー ポ レー ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則 の 体 系 を 表 した も の で あ る。 原 則 は 、 研 究 者 、 経 営 者 、 政 府(市 場 監 督 機 関)な ど が 、 さま ざ ま な 観 点 か ら議 論 を 重 ね 成 立 した も の で あ る か ら、 さ ま ざ ま な 学 問 分 野 に 関係 す る コー ポ レー ト ・ガバ ナ ン ス で あ っ て も、 一 応 の コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る全 体 像 の 結 論 を 導 く こ とが で き る。 そ して 、 図2の よ うに 、 コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は 、 企 業 経 営 機 構 、 利 害 関係 者 、 そ して 、 そ の 両 者 を っ な ぐ情 報 開 示 ・透 明性 、 の3部 か らな る こ とが 明 らか とな っ た 。
新OECD原 則 や 、 有 機 的 に 結 合 し て い る 他 の 国 際 機 関 の 原 則 を み る と、 新OECD 原 則 自体 は 、 こ の3部 体 制 を維 持 しつ つ も、 さ ら に 図2の 黒 く反 転 させ た 部 分 を 強 調 して い る。 つ ま り、 こ こ か ら も 、 新OECD原 則 の 重 点 は 、 情 報 開 示 ・透 明 性 を 柱
に す え て い る こ とが わ か る。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.16
図2コ ー ポ レー ト・ガ バ ナ ン ス の 体 系
企業経営機構
一 冑
c鍵 一一 ⊃
塞
経當隙情報開示 ・透 明性 利 審 関 係 麿 鶉1害関係者
、
r叩'… 株 鹿… …一
機鴎投資蜜
̲ハ̲一 一/
(出 醗)小 島[2004aユp,を もとに 、体 成 す る 。
4世 界 標 準 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス原 則 の 求め る情報 開 示 ・透 明性 の姿
企 業経 営機構 の形 態 や利 害 関係 者 の範 囲 は 、各 国 ご とに違 うの は 当然 で あ る し、
企 業 の業 種 や規 模 な どに よっ て も異 な って くる こ とは 当然 の こ とで あ る。 だ か らこ そ 、 まず 、世界 標 準 原則 は 、高度 な独 立 性 を もった 監査 人 の確 保 や 、 そ の監 査 人 を 監査 す る機 関 、 さ らには 、監 査人 を監 査 す る機 関の基 準 の作成 を要 求 し、二 重 三重 の チ ェ ック体制 を整 え る こ とを求 め た。 ま た 、 た とえば監 査委 員 会 な どの企 業経 営 機構 内部 にお け る監 査体 制 につ い て も、 これ まで示 した表 か らも明 らか な よ うに 、 独 立性 を重視 し、 遵 守す るこ とを規 定 して い る。 さ らに、情 報 開示 ・透 明性 の シ ス テ ム全 体 にっ いて も、細 部 にわ た る提 言 を行 って い る。
世 界標 準原 則 は、企 業 自体 の経 営機 構 や利 害 関係 者 に関す る規 定 は、 企 業 の 自主 性 に任せ た り、方針 を示 す こ とを重視 した りと柔軟 に対応 しよ うと して い るが 、情 報 開示 ・透 明性 につ い て は、厳格 にル ール 作 りを企 業外 部 か ら求 め るだ けで は な く、
企 業 内部 で行 うこ とを も求 め てい る。
5コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス 領 域 の 拡 大 化 と浸 透
コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス は 、 実 に 多 くの 学 問 領 域 で 研 究 が 行 わ れ て い る 。 大 型 企 業 不 祥 事 が 多 発 し、 企 業 競 争 力 が 低 下 して い る 目本 に お い て 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を1つ の 手 が か りに し、 これ ら を解 決 し よ う とす る こ と は 、 筆 者 も コー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス を 研 究 す る 者 と し て 、 責 任 を 感 じ る と と も に 、 そ の 役 割 に 今 後 も期 待 した い と こ ろ で あ る 。
しか し、 そ の 多 くの 領 域 で 研 究 や 実 践 が 行 わ れ て い る こ と は 、 負 の 面 を も持 ち 合 わ せ て い る。 そ れ は 、 「コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス とは 何 か 」 と い う本 質 が 見 失 わ
研 究論文 ●国 際機 関にお けるコーポレー ト・ガバ ナンス問題 への取 り組 み れ や す く な る こ とで あ る。 企 業 不 祥 事 が 起 こ る た び に 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス が 持 ち 出 され 、 あ た か も コ ー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス が 機 能 しな か っ た か ら、 不 祥 事 が 発 生 した の だ と言 わ ん ば か りの 議 論 が繰 り返 され る こ と も あ る。 っ ま り、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 分 野 以 外 の 機 能 不 全 に よ る 、 企 業 不 祥 事 の 発 生 や 企 業 競 争 力 の 低 下 も あ り うる か ぎ り、 む や み に コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス を持 ち 出 して く る の は 、 控 え な くて は な らな いzo。
原 則 の研 究 は 、 コー ポ レ.̲.̲ト・ガ バ ナ ン ス の 本 質 を 見 極 め る た め に も有 用 で あ る。
そ の 原 則 が 、 特 に 情 報 公 開 ・透 明 性 を 重 視 しは じめ た こ と は 、 重 く受 け 止 め な くて は な ら な い 。
Vお わ り に
ま ず 、 本 稿 で は 、 新OECD原 則 と有 機 的 に 結 合 して い る代 表 的 な他 の 国 際 機 関 の 原 則 に つ い て 論 じて ぎ た 。 こ こ に 取 り上 げ た の は 、 新OECD原 則 と強 く補 完 関係 に あ る原 則 で あ るが 、そ の他 に も、注 目す るべ き原 則 が あ る。 そ れ は 、金 融 安 定化 フ ォー ラ ム の 『健 全 な金 融 シ ス テ ム の た め の12の 主 要 基 準 』 や 、 世 界 銀 行 ・IMFの 『基 準 ・ 規 範 の 遵 守 状 況 に か か る報 告 書 』 な どで あ る。 これ らは 、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ン ス の 重 視 す べ き部 分 で あ る と、 新OECD原 則 は 認 識 して い る。
ま た 、 本 稿 で 取 り上 げ た 新OECD原 則 を 中 心 と した 原 則 を 、 情 報 開 示 ・透 明 性 を キ ー ワー ドに して 読 み 直 す と、コ ー ポ レー ト・ガ バ ナ ン ス の 全 体 像 が 浮 き 彫 りに な る 。そ の 主 要 部 分 を 最 後 に 指 摘 し た い 。 新OECD原 則 が 情 報 開 示 ・透 明 性 に 関 して 規 定 して い る 内 容 は 、 【原 則1‑D】 、 【原 則Ii】 、 【原 則II‑C‑1】 、 【原 則II‑E】 、
【原 則 皿 一c】 、 【原 則rv‑D】 、 【原 則v‑A・B・c・D・E・F】 、 【原 則vI‑D】 、 【原 則VI‑F】 と、6部 構 成 原 則 に あ っ て 、 全 体 に ま ん べ ん な くお か れ て い る。 な か で
も 、 特 筆 す べ き は 、 【原 則1‑D】 に お い て 、 「監 督 ・規 制 ・執 行 当 局 は 、 … (中 略)… 監 督 ・規 制 ・執 行 に つ い て …(中 略)… 適 時 、 透 明 か つ 十 分 に説 明 す るべ き で あ る 」 と、 企 業 だ け で は な く、 監 督 ・規 制 ・執 行 当 局 に も情 報 開 示 ・透 明 性 を 求 め て い る こ とで あ る。 これ ま で み て き た よ うに 、 世 界 標 準 原 則 は 、 情 報 開 示 ・透 明性 に つ い て 、 そ の 必 要 性 を 痛 感 し、 極 め て 重 視 して い る こ とが 明 ら か に な っ た 。 こ の 問 題 は 、 会 計 な ど の 分 野 で 研 究 が な さ れ て き た が 、 一 方 的 に 情 報 開 示 ・透 明性 を も とめ る従 来 の あ り方 に は 問 題 が あ る。 上 記 の よ うに 、監 督 ・規 制 ・ 執 行 当 局 に も 、 情 報 開 示 ・透 明 性 を 求 め る原 則 の 指 摘 は 、 新 鮮 で あ る し、 説 得 力 が あ る 。
国 際 経 営 フォ ー ラムNo.16
本 稿 で は 、世 界標 準原 則 の枠 組 み と、世 界標 準原 則 は情報 開示 ・透 明性 の確 立 を 狙 って い る こ とを明 らか に して きた。 こ こか ら、 コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンスの視 点 に よ り、企 業 と利 害 関係 者 との 関係 を大所 か ら と らえ た情 報 開示 ・透 明性 につ い て の研 究 が あま りな され て いな い こ とも浮 き彫 りに され た。 現 に、新OECD原 則 や こ こで取 り上 げ た他 の 国 際機 関 の原 則 も、次 々 に情 報 公 開 ・透 明性 や 監査 人 に関す る 原 則 を策 定す る な ど、情 報 開示 ・透 明性 につ い てや や 迷 走 して い る感 も拭 えず 、未 だ確 立 され てい る とは い えな い。 そ こで 、今 後 は 、情 報 開示 ・透 明性 につ い て踏 み 込 んだ研 究 を行 う必 要 が あ るが 、 こ の問題 は、 次 の機 会 に詳 細 な検討 を重 ね る こ と に した い。
注
10ECD[2004]
20ECD[1999]
3新OECD原 則 お よ び 旧OECD原 則 の 両 者 を 指 す 場 合 や
、 概 念 的 にOECDが 策 定 し た 原 則 を 指 す 場 合 に は 、 単 に 「OECD原 則 」 と 表 記 す る こ と に す る 。
4小 島[2005a]p .112‑114.な お 、1999年 にOECDが 策 定 し た コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を
「旧OECD原 則 」 と よ ぴ 、 本 稿 で 分 析 対 象 と し て い る2004年 にOECDが 策 定 し た コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス 原 則 を 「新OECD原 則 」と 呼 ぶ こ と に す る 。旧OECD原 則 に つ い て は 、 平 田[2001a]を 、 新OECD原 則 に つ い て は 小 島[2005a]を 参 照 の こ と 。
5コ ー ポ レ ー ト ・ガ ヴ ァ ナ ン ス 原 則 策 定 委 員 会[1998]
6た と え ば
、 香 港 、 タ イ 、 中 国 、EU、 イ ギ リ ス な ど で は 、 上 場 規 則 や 企 業 法 の 役 割 を 原 則 に 担 わ せ て い る 。
7本 稿 で は、 「原 則 」 と い っ た 場 合 、 そ れ が 指 し 示 す も の と し て2通 り あ る 。 特 に 、 断 り が あ る ま で は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 「原 則 」 と よ び 、 他 の 国 際 機 関 が 策 定 し た 、 直 接 的 に コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス に 関 す る も の で は な い 原 則 を 、 「他 の 国 際 機 関 の 原 則 」 な ど と 表 現 す る こ と に す る 。 筆 者 は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 原 則 を 「原 則 」 と し て 表 記 し て き た が 、 本 稿 で は 、 コ ー ポ レ ー ト ・ガ バ ナ ン ス 以 外 の 原 則 が 多 々 取 扱 う た め 、 わ か り に く い
と こ ろ も あ る が 、 ご 理 解 頂 き た い 。 8外 務 省[2000]
910SCO[2002cユ 1010SCO[2002a]
11小 島[2005a]p . 1210SCO[2002ba 1310SCO[2003a]
1910SCO[2003b]
15他 に も
、 【原 則VI‑C】 に お い て 、ILOの 『基 本 的 労 働 権 に つ い て のILO宣 言 』 を 遵 守 す る よ う に 求 め て い る 。
16http://www .mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oecd/2000.htmi