早稲田大学 教育・総合科学学術院 学術研究(自然科学編)第 61 号 47 〜 56 ページ,2013 年 2 月 47
Hopf 写像の全射性について
岡 本 亮 彦
1 Introduction
写像の全射性について
岡本亮彦
自然数m, nに対して m次元球面Smとn次元球面Snの間の写像F Sm −→Sn を考察する 球面の間の写像は を満たす双線型写像によって組織的に 構成できる 双線型写像f r×s−→nが
|fx, y||x||y|, x∈r, y∈s
を満たすときfは双線型写像であると言う 双線型写像fに対して
写像と呼ばれる球面間の写像HSrs−−→Snが
Hx, y |x|− |y|,fx, y, x∈r, y∈s,|x||y| .
によって定義される 双線型写像fは実数体上のr, s, n合成則を用いて構成 できる 一般に不定元x, xr, y ysに対して
x xry ys z zn
なるxiとyjの双線型形式zkが存在するとき実数体上でr, s, n合成則を持つ
という 上でr, s, n合成則を持つ事と 双線型写像が存在する事は同値であ
る 自然数r, s, nに対して上でr, s, n合成則を持つか否かという問題は 年 ににより提起された の問題及びその周辺の話題については 例えば本や論文等を参照 は論文
において上でn, n, n合成則を持つ必要十分条件はn ,,,である事を示し ている また とは独立に上でr, n, n合成則を持つ必要十分条件 は関数ρnを用いてr≤ρnと記述される事が示された
関数ρnは球面Sn−上の非特異次独立ベクトル場の個数の最大値である 事が知られている このようにr, s, n合成則の存在問題は 次形式論だけでなく位 相幾何学の問題とも密接に関連する
また自然数m, nに対して球面SmとSnの間の定数でない多項式写像Sm −→Sn がいつ存在するか?という問題はらによって研究されたこの周辺の話題 については例えば本や論文を参照特に自然数m≥nに おいて定数でない次の多項式写像Sm −→Snは常に全射になるか?という問題が ある 参照 はm ,m,m合成則から生じる写像
写像の全射性について
岡本亮彦
自然数m, nに対してm次元球面Smとn次元球面Snの間の写像F Sm −→Sn を考察する 球面の間の写像は を満たす双線型写像によって組織的に 構成できる 双線型写像f r×s−→nが
|fx, y||x||y|, x∈r, y∈s
を満たすときfは双線型写像であると言う 双線型写像fに対して
写像と呼ばれる球面間の写像HSrs−−→Snが
Hx, y |x|− |y|,fx, y, x∈r, y∈s,|x||y| .
によって定義される 双線型写像fは実数体上のr, s, n合成則を用いて構成 できる 一般に不定元x, xr, y ysに対して
x xry ys z zn
なるxiとyjの双線型形式zkが存在するとき実数体上でr, s, n合成則を持つ という 上でr, s, n合成則を持つ事と 双線型写像が存在する事は同値であ る 自然数r, s, nに対して上でr, s, n合成則を持つか否かという問題は 年 ににより提起された の問題及びその周辺の話題については 例えば本や論文等を参照 は論文
において上でn, n, n合成則を持つ必要十分条件はn ,,,である事を示し ている また とは独立に上でr, n, n合成則を持つ必要十分条件 は関数ρnを用いてr≤ρnと記述される事が示された
関数ρnは球面Sn−上の非特異次独立ベクトル場の個数の最大値である 事が知られている このようにr, s, n合成則の存在問題は 次形式論だけでなく位 相幾何学の問題とも密接に関連する
また自然数m, nに対して球面SmとSnの間の定数でない多項式写像Sm −→Sn がいつ存在するか?という問題はらによって研究されたこの周辺の話題 については例えば本や論文を参照特に自然数m≥nに おいて定数でない次の多項式写像Sm −→ Snは常に全射になるか?という問題が ある 参照 はm ,m,m合成則から生じる写像
写像の全射性について
岡本亮彦
自然数m, nに対して m次元球面Smとn次元球面Snの間の写像F Sm −→Sn を考察する 球面の間の写像は を満たす双線型写像によって組織的に 構成できる 双線型写像f r×s−→nが
|fx, y||x||y|, x∈r, y∈s
を満たすときfは双線型写像であると言う 双線型写像fに対して
写像と呼ばれる球面間の写像H Srs− −→Snが
Hx, y |x|− |y|,fx, y, x∈r, y∈s,|x||y| .
によって定義される 双線型写像fは実数体上のr, s, n合成則を用いて構成 できる 一般に不定元x, xr, y ysに対して
x xry ys z zn
なるxiとyjの双線型形式zkが存在するとき実数体上でr, s, n合成則を持つ という 上でr, s, n合成則を持つ事と 双線型写像が存在する事は同値であ る 自然数r, s, nに対して上でr, s, n合成則を持つか否かという問題は 年 ににより提起された の問題及びその周辺の話題については 例えば本や論文等を参照 は論文
において上でn, n, n合成則を持つ必要十分条件はn ,,,である事を示し ている また とは独立に上でr, n, n合成則を持つ必要十分条件 は関数ρnを用いてr≤ρnと記述される事が示された
関数ρnは球面Sn−上の非特異次独立ベクトル場の個数の最大値である 事が知られている このようにr, s, n合成則の存在問題は 次形式論だけでなく位 相幾何学の問題とも密接に関連する
また自然数m, nに対して球面SmとSnの間の定数でない多項式写像Sm −→Sn がいつ存在するか?という問題はらによって研究されたこの周辺の話題 については例えば本や論文を参照特に自然数m≥nに おいて定数でない次の多項式写像Sm −→Snは常に全射になるか?という問題が ある 参照 はm ,m,m合成則から生じる写像
写像の全射性について
岡本亮彦
自然数m, nに対して m次元球面Smとn次元球面Snの間の写像F Sm −→Sn を考察する 球面の間の写像は を満たす双線型写像によって組織的に 構成できる 双線型写像f r×s−→nが
|fx, y||x||y|, x∈r, y∈s
を満たすときfは双線型写像であると言う 双線型写像fに対して
写像と呼ばれる球面間の写像HSrs−−→Snが
Hx, y |x|− |y|,fx, y, x∈r, y∈s,|x||y| .
によって定義される 双線型写像fは実数体上のr, s, n合成則を用いて構成 できる 一般に不定元x, xr, y ysに対して
x xry ys z zn
なるxiとyjの双線型形式zkが存在するとき実数体上でr, s, n合成則を持つ という 上でr, s, n合成則を持つ事と 双線型写像が存在する事は同値であ る 自然数r, s, nに対して上でr, s, n合成則を持つか否かという問題は 年 ににより提起された の問題及びその周辺の話題については 例えば本や論文等を参照 は論文
において上でn, n, n合成則を持つ必要十分条件はn ,,,である事を示し ている また とは独立に上でr, n, n合成則を持つ必要十分条件 は関数ρnを用いてr≤ρnと記述される事が示された
関数ρnは球面Sn−上の非特異次独立ベクトル場の個数の最大値である 事が知られている このようにr, s, n合成則の存在問題は 次形式論だけでなく位 相幾何学の問題とも密接に関連する
また自然数m, nに対して球面SmとSnの間の定数でない多項式写像Sm −→Sn がいつ存在するか?という問題はらによって研究されたこの周辺の話題 については例えば本や論文を参照特に自然数m≥nに おいて定数でない次の多項式写像Sm −→Snは常に全射になるか?という問題が ある 参照 はm ,m,m合成則から生じる写像
Hopf 写像の全射性について (岡本)
48
HSm −→Sに対してm≥ならば実数体及び有理数体上で全射である事 を示した本稿ではの考察したとは別の写像H Srs− −→Sn 及びその定義域を制限した写像に対し実数体や有理数体における全射性を考察 する本稿における主結果は以下である
定理 nを奇数としkをk≥なる自然数とするこのとき定数でない次写像 FSnk −→Snは全射ではないまたFは的にはになる
定理 nを自然数とする
上でm ,,に対してm,n,n合成則を持つとするこのとき対応す る写像H Snm− −→ Snは定数写像でないならば全射であるまた H Sn−→Snは上でも全射となる
上でm ,,に対してm,n ,n 合成則を持つとする このと
き写像H Snm−→ Snは定数写像でないならば全射であるまた
H Sn−→Snは上でも全射となる
上でm,n,n合成則を持つとするこのとき対応する写像H Sm−−→
Sは定数写像でないならば全射であるまたm≥ならば上でも全射となる 定理 V {x, x, x, y, y, y ∈ × | xy xy xy }とお く ,,合成則に対応する写像H S −→Sに対してHのV への制限を H′H |S∩V とするこのとき′でH′S∩V −→Sは全射となる
主定理の証明は節において行う準備として節ではr, s, n合成則と写像 の復習をし幾つかの例を調べる 節では球面の間の多項式写像特に次写像の性 質について復習するまた写像の全射性の応用として 節で型の不 定方程式の一般解について考察する
合成則と 写像
この節では上のr, s, n合成則に付随する双線型写像とその性質について 復習する参考文献は
定義 双線型写像f r×s−→nに対し
|fx, y||x||y|, x∈r, y∈sを満たす時fは双線型写像であると いうここで|x|は距離を表す
fx, y ⇒x またはy を満たす時fは非特異双線型写像であると いう
定義よりfが双線型写像ならば非特異双線型写像である事が直ちに分かる 非特異双線型写像が存在するための必要条件として次の条件がある 自 然数r, s, nに対してn−r < k < sを満たす任意の整数kで二項係数n
k
が偶数の時
r, s, nは条件を満たすと言う
2 [r,s,n] 合成則と Hopf 写像
FとFの任意の fはである
Fはある双線型写像fの とである
証明はの を参照
命題 F Sm−→Snを定数でない次写像とする このときk≤ρm −k
を満たす f k ×m−k −→ nが存在するここでρは
関数である
証明はの を参照
写像の全射性
定理.の証明を行う
F を全射と仮定する このときの定理より Snの正則値qでその逆像
F−q がSnkのk次元部分多様体となっているものが存在する 実際F−qは
nkのk 次元部分空間Wqを用いてF−q Wq∩Snkと書ける この正則 値qに付随する はf k×n −→ n と書ける このとき命題
.より k ≤ρnを満たす が存在する仮定よりnは奇数 なのでρn となる よってk となるがこれは仮定のk ≥ に反する し たがってFは全射ではない またFは群πnkSnの元を定めるが もし
F ∈πnkSnであると仮定するとFは全射となってしまうのでF すなわ ち群の元としてである
次に定理.の証明を行う
まず定理の仮定にある合成則の条件を計算しておく
補題 nを自然数とするこのとき
m ,, ⇒m◦n n
m ,, ⇒m◦n n
m≤ρn ⇒m◦n n
nにおける帰納法で示す n のときはm◦ は成立する nのとき成 立すると仮定すると命題.のよりm◦n m◦n m◦n
n n よりn のときも成立する も同様である はn≤のと きにはm◦n nは直接示せる n≥に対してはm≤ρn≤n−に注意して命 題.のを用いるするとm◦n m◦n− n− m◦n− n−を得る 最後の式は帰納法よりm◦n− n−となるので結局m◦n n− n− n を得る
命題 定数でない次写像FSm −→Snについて次が成立する
FとFの任意の fはである
Fはある双線型写像fの とである
証明はの を参照
命題 F Sm−→Snを定数でない次写像とする このときk≤ρm −k
を満たす f k ×m−k −→ n が存在するここでρは
関数である
証明はの を参照
写像の全射性
定理.の証明を行う
Fを全射と仮定する このときの定理より Snの正則値qでその逆像
F−q がSnk のk次元部分多様体となっているものが存在する 実際F−qは
nkのk 次元部分空間Wqを用いてF−q Wq∩Snkと書ける この正則 値qに付随する はf k×n −→ n と書ける このとき命題
.より k ≤ρnを満たす が存在する仮定よりnは奇数 なのでρn となる よってk となるがこれは仮定のk ≥ に反する し たがってFは全射ではない またF は群πnkSnの元を定めるが もし
F ∈πnkSnであると仮定するとFは全射となってしまうのでF すなわ ち群の元としてである
次に定理.の証明を行う
まず定理の仮定にある合成則の条件を計算しておく
補題 nを自然数とするこのとき
m ,, ⇒m◦n n
m ,, ⇒m◦n n
m≤ρn ⇒m◦n n
nにおける帰納法で示す n のときはm◦ は成立する nのとき成 立すると仮定すると命題.のよりm◦n m◦n m◦n
n n よりn のときも成立する も同様である はn≤のと きにはm◦n nは直接示せる n≥に対してはm≤ρn≤n−に注意して命 題.のを用いるするとm◦nm◦n− n− m◦n− n−を得る 最後の式は帰納法よりm◦n− n−となるので結局m◦n n− n− n を得る
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