公職選挙法改正の定量分析試論
著者 益田 高成
雑誌名 同志社法學
巻 71
号 7
ページ 2223‑2268
発行年 2020‑03‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2020.0000000200
公職選挙法改正の定量分析試論
益 田 高 成
1.はじめに 2.先行研究の検討 3.分析対象と定量化の手法 4.公職選挙法改正の全体像の把握 5.個別領域の分析 ―選挙運動規制―
6.おわりに
1.は じ め に
本稿は、1950年から2019年現在までに行われた全ての公職選挙法(以下公 選法)改正を筆者独自の観点から定量化し、これを包括的に検討することに より、公選法の沿革の全体像を把握しようとするものである。
本論に入る前に、本稿の問題意識を述べておきたい。本稿が参考にするの は、杣正夫が主著『日本選挙制度史』(1986)において提示した視座である。
杣は、同書の「まえがき」において「選挙法は議員選出の手続法として技術 法的性格と、憲法の政治体制に即し、さらには立法者である政治勢力の政略 的意図に影響される政治法的性格とを併せもっている」と述べ、政治学の立 場から、政治法としての側面をとりわけ重視して選挙法の分析を行う旨を宣 言している。本書は1952年の公選法改正までを分析対象としたものであるが、
その視座は今日においても有効であるといってよいだろう。
選挙法が政治法的性格を持つとは、どういうことか。それは、一般論とし ては、以下のようにまとめられる。まず、かつて
G
. サルトーリが「選挙法 は最も特効性のある政治操作手段(Sartori
1968, 273)」と表現したように、選挙のあり方を規定する選挙法は選挙政治のあり方を大きく左右する法であ り1)、それ故に、しばしば選挙法は党派的利益の実現手段として用いられる。
また、選挙法は議員を選挙する際のルールを定める法であるが、そのルール を改変できるのは、選挙の際、選挙法に拘束される議員自身であって、彼ら には、選挙法を自らの都合の良いように改変する機会ならびに誘因がある。
選挙法の改正に際し、「議員に選挙立法を任せるのは、泥棒に刑法を作らせ るようなものだ」(阪上 1972, 27)といった趣旨の批判が度々起こるのは、
この特徴による。加えて、選挙法は他の法律と比べて立法過程における議員 の自律性が高い一方2)、議員以外のアクター、例えば利益団体や官僚等の影 響力は相対的に小さい。なぜなら、議員は選挙法に関する最大の利害関係者 であると同時に、その全てが少なくとも一度は選挙を勝ち抜いた経験を有す る点で、選挙法について斉しく一家言を持つためである(杣 1963, 43)。
前掲の杣(1986)はさらに、日本ではもう1つの特徴が、選挙法の政治的 性格を著しく濃厚にしていると指摘する。それは、日本の選挙法が、選挙に 関する諸々の事象(とりわけ選挙時における候補者の選挙運動)について広 範かつ仔細な規定を設けていることである。すなわち、選挙に関する事項が 法によって広範かつ仔細に規定されている日本においては、選挙法に対して 議員が持つ立法的裁量の余地がとりわけ大きくなるため、その分、前述の選 挙法の政治法的性格に端を発する行為、つまり選挙法の党派的操作等が行わ れやすいということになる。
例として、本稿の分析対象である公選法を見てみよう。詳しくは第3節で 述べるが、公選法は枝番号付きの条文を含めると合計419の条文から構成さ
1) 水木惣太郎はこの点について、「いったい近代政治の主流をなすものは民主政治であり、その 前提をなすものは選挙制度に外ならぬ。…(略)…如何なる選挙制度を採用するかということ は、如何なる政治が行われるかということに、大きな関係を持ってくる(水木 1967, 1)」と 述べている。ここでの選挙制度は、選挙法に言い換え可能であろう。
2) 例えば日本においては、選挙法は立法過程上の特徴から、国会法と並んで「国会自律型」の 法律に分類されている(中島 2004, 229)。国会自律型の法律については、中島(2004)のほか、
入戸野(2012)106-107頁を参照。
れている。選挙法といえば、小選挙区制か比例代表制かといったいわゆる選 挙区制の問題や、近年であれば議員定数の問題がしばしば取り上げられる傾 向にあるが、公選法が規定する内容は実に幅広い。例えば、先ほど少し触れ た選挙運動に関する(公選法第十三章「選挙運動」を構成する)条文の数は 86と、公選法全体の約5分の1を占めている。
そして実際に、公選法は、1950年に制定されてから2019年現在までの69年 の間に合計201回、主なものに限っても70回の法改正を経験している3)。単純 計算で1年に1度は公選法改正が行われているわけである。さらに、主な70 回の法改正における公選法第1条から第275条までの全条文に対する改正点 を後で述べる方法で計測すると、その数は1528件に上る。公選法が単に広範 かつ仔細な規定を設けているだけでなく、その広範かつ仔細な規定の数々が、
69年の歴史の中で何度も繰り返し改正されてきたことが読み取れるだろう。
同じく選挙運動を例に挙げれば、全1528件の改正点のうち、その約4分の1 にあたる363件が、第十三章「選挙運動」の条文に対する改正であった。
上に示した事実から、1950年の公選法制定時に形成された諸制度は、制定 以来固定的に存続されてきたわけではなく、今に至るまで常に更新され続け てきたことがわかるだろう。しかしながら、その動態については明らかでな い部分も多い。よって本稿では、約70年間に公選法に生じた変化の態様を明 らかにすることを、目的としたい。なお公選法を分析対象として取り上げる 理由は、日本の選挙法の動向を追った先行研究は、とりわけ戦前期の選挙法 に集中している一方で、公選法については、分析の時期的範囲や用いる資料 などに課題が見受けられるためである。
本稿の構成は、以下の通りである。第2節では、公選法の歴史的展開につ いて分析を行った先行研究を紹介し、それらが抱える課題を指摘する。続く 第3節では、本稿の分析対象である公選法の構成について簡単な紹介を行う とともに、本稿で分析に用いる、公選法改正に関するデータの収集方法およ
3) なお、70回の公選法改正のうち47件(67.1%)は議員提出法案である。
びその概要を示す。そして第4節では、まず公選法の沿革の全体像を把握す るため、公選法の全ての章に対し、過去約70年間に行われた全ての法改正を 包括的に検討し、分野ごとの特徴とその時期的傾向を分析する。さらに第5 節では、日本の選挙法の特徴の1つであり、多くの先行研究において注目を 受けてきた選挙運動規制に関する法改正の実態を把握するため、公選法第十 三章「選挙運動」に対し過去約70年間に行われた全ての法改正を検討し、法 改正の特徴とその時期的背景を分析する。最後に、第6節で本稿の分析結果 を総括し、今後の課題を示す。
2.先行研究の検討
公選法について、過去に行われた法改正を包括的に、すなわち分析対象を 単一の事項(例えば選挙区制など)に限定せずに整理・分析した先行研究は、
筆者の管見の限り吉田(1965)と二井(1978)、そして
McElwain
(2008)の 3件である4)。吉田は憲法学者、二井は自治官僚、McElwain
は政治学者であ り、それぞれの研究には独自の特徴がみられる。まず、吉田(1965)は明治憲法下の1925年に行われた法改正後の衆議院議 員選挙法5)と日本国憲法下の諸選挙法を比較検討しながら、戦後日本におけ る選挙法の「変貌過程」を約20年間にわたって跡付けつつ、その政治的意義 を長期的視野に基づき分析したものである。吉田はこの比較分析を通し、日 本の選挙法が規定する選挙運動規制は、戦後20年間に行われた、「現職議員 に有利」になるように設計された数多の法改正を経て、むしろ戦前の普選制 時代よりも厳格化していることを明らかにした(吉田 1965, 290)。公選法に
4) 同類の研究として第1節で触れた杣(1986)が挙げられるが、既に述べたように当該研究は 分析対象を1925年衆議院選挙法改正から1952年公選法改正までに限定しているため、本節では 取り上げていない。
5) この1925年の選挙法改正の際に普通選挙制度が導入されたことはよく知られているが、同時 に現在まで続く厳格な選挙運動規制に関係する法的枠組みもこの法改正で形成されている。
1925年選挙法改正については、杣(1975)や松尾(1989)を参照。
限定すれば、分析範囲が1950年から1965年までの15年のみではあるものの、
公選法改正の内容を戦前の衆議院議員選挙法と比較検討し、その政治的意義 や含意を問うている点に最大の独自性を見出すことができる。また、憲法学 者という著者の立場を反映してか、全体的に選挙運動規制に関する記述が多 いことも特徴的である。もっとも、既に述べた通り、吉田は公選法に関して は1950年から1965年までのわずか15年間を検討しているに過ぎず、その後の 法的動向については、他の研究を参照する必要がある。
二井(1978)はそのタイトル『選挙制度の沿革』が示す通り、公選法に限 らず、1889年に制定された衆議院議員選挙法から1975年公選法改正まで、日 本における選挙制度の歴史的展開を全456頁にわたって整理し、その概要を まとめたものである。本書の著者である二井関成は当時の自治省政治資金課 課長補佐、つまり自治官僚であり、その筆致はニュートラルである。したが って、公選法が1950年に制定されてから1975年に至るまで、どのような法改 正がいかなる政治的・社会的情勢において行われたかを基本的なレベルで理 解するうえでは極めて有用になる。しかしながら、本書の性質上あるいは著 者の立場上仕方のないことではあるが、どうしても全体的に事実の羅列とい った印象が拭えない。それでも、1950年から1975年までの公選法の動きにつ いてこれほど詳しく、そして包括的に取り上げた著作は存在しないため、当 該期間に行われた公選法改正に関する基礎的な知識を得るための参考資料と して、本書を用いることが望ましいといえよう6)。
最後に
McElwain
(2008)であるが、当該論文は本稿の構想に大きな影響を与えているので、少し丁寧に紹介したい。本論文は、一党優位体制期7)の
6) 二井(1978)に類似するものとして、公選法改正のたびに『時の法令』や『選挙』、『選挙時報』
に掲載される、立法関係者(自治・総務官僚や議院法制局職員など)によって執筆された法令 解説があるが、これらも法改正の趣旨や当時の時代的状況を知るうえで、大いに参考になる。
近年であれば、土井(2018)など。
7) なお、McElwain(2008)では「一党優位体制期」は、保守合同が実現した1955年から、自民 党が下野し、細川連立政権が成立した1993年までの38年間を指す表現として用いられている。
本稿における用法も同様である。
日本において、優位政党である自民党にとって中選挙区制を廃し小選挙区制 を導入することが党勢拡大のために最も合理的であり、さらには実際に政党 指導部によって何度か選挙区制の改変が試みられたにもかかわらず、それが 野党だけでなく自民党議員からの反発を受けたことで、1994年まで選挙制度 改革が実現しなかった点に着目している。
McElwain
は、1950年から2000年 までに行われた公選法改正を整理し、一党優位体制期には選挙区制の改変は 実現しなかったが、他方、「現職有利・新人不利」に働く選挙運動規制の強 化が繰り返し行われていたことを指摘する。そして、選挙区制の改変(つま り小選挙区制の導入)は自民党内の全議員に対し地盤の変更・修正を強いる ため実現困難であった一方で、選挙運動規制の強化は自民党内の議員にさし たる影響を与えず、むしろ新人候補を多く抱える野党に不利に働くため、頻 繁に実現したと結論付けている。
McElwain
の分析は示唆に富んでいる。第1に、分析枠組みを構築するうえで、従来選挙区制のみを指して用いられる傾向にあった選挙制度の概念を マクロとミクロに整理し、後者を分析枠組みに組み込んだ点である。
McElwain
は、その制度がいつ、どのように候補者・政党に影響を与えるかの違いに基づき、選挙制度をマクロレベルのものとミクロレベルのものに区 別した。具体的には、候補者・政党が得た票を議席に変換する際に主に作用 する、議席決定方式や選挙区定数、阻止条項といった諸制度をマクロレベル の選挙制度とし、候補者・政党が新たに票を得ようとする際に主に作用する、
選挙運動規制や選挙支出制限・政治寄付規制といった諸制度をミクロレベル の選挙制度と区別している(
McElwain
2008, 37)。
McElwain
の区分法は、とりわけ日本の選挙法を分析するうえで有用である。周知の通り、日本の選挙法は他の先進民主主義諸国に類を見ないほど厳 格な選挙運動規制を設けており、多くの先行研究もまた、同様の指摘を行っ てきた8)。しかしながら、政治学における選挙研究、とりわけ近年の選挙研
8) 日本の選挙法が厳格な選挙運動規制を設けているという事実は、日本国内は当然として、国 外の選挙運動研究者の間でも共有されている。例えばThayer(1964)は、日本の選挙法を「他
究では、選挙制度の分析対象に挙がるのは選挙区制が大半であり、選挙運動 規制やその他の制度が分析対象に挙がることは稀である9)。選挙区制の違い が選挙に関する諸現象に与える影響が大きいことは間違いないが、選挙区制 の違いだけでは説明困難な事象も存在する10)。選挙区制以外の制度が独特な 働きを示す日本の選挙制度について論じる際、選挙区制だけに着目するのは 不十分であろう。その意味で、彼の提示した分析枠組みは日本の選挙制度に 関する研究の幅を拡張する嚆矢であった。
第2に、過去に行われた主な公選法改正について、単に法改正を羅列する だけではなく、その改正が「現職に有利に働くか否か」で分類・整理したう えで分析を行っている点である。日本の選挙法に関する先行研究は、厳格な 選挙運動規制は高い知名度を誇る現職候補に有利に働き、逆に知名度の低い ことがほとんどである新人候補には不利に働く、という効果があることをし ばしば指摘してきた。例えば、1967年総選挙における佐藤文生(新人)の選 挙運動を参与観察した
G
. カーティスは、『代議士の誕生』でこの効果につい て以下のように述べている。のどの国よりも最も厳格で詳細な選挙法(Thayer 1964, 122)」と評価しているし、Curtis(1992)
は「戦前日本からの重大な持続点」として、「選挙運動を過剰に制限する選挙法」を挙げてい る(Curtis 1992, 223)。また、世界52か国における選挙運動規制を比較分析したPlasser and Plasser(2002)は、各国の選挙運動規制を「厳格な規制」「中程度の規制」「最小限の規制」
の3つに区分しているが、彼らは日本の選挙運動規制を「最も印象的な事例」と紹介し、韓国 やインド・南アフリカ・イスラエル・トルコと並ぶ「厳格な規制」を持つ国家に分類した(Plasser and Plasser 2002, 137-140)。
9) 他方で、法学研究では憲法学との関係もあり、相当数の蓄積が見られる。選挙運動規制に関 する法学研究としては、前述の吉田(1967)のほか、奥平(1968)、斎藤(1975)、戸松(1983)、
野中(2001)、前田(2002)、井上(2013)などが挙げられる。
10) 例えばKrauss and Pekkanen(2011)は、1994年の選挙制度改革以降も日本政治における後 援会の重要性が持続していることについて、「選挙制度は変わったが公職選挙法は変わってい ない。つまり、いまだに選挙法は候補者が有権者に接近する際の足枷として機能しているので ある」と述べ、公選法の選挙運動規制が「補完的制度(complementary institutions)」として の役割を果たしているため、後援会の存在意義が持続していると説明している(Krauss and Pekkanen 2011, 96-99)。
選挙運動にかんするさまざまな規制は多くの場合、新人候補を一般選 挙民の目から遠ざけてしまう効果をもつ。事前運動の禁止、印刷物配布 の制限、マスメディア利用の規制、その他オープン・カーの使用禁止と いった一見ささいな規定にいたるまで、その重圧をもっとも厳しくこう むるのはまだ世間に知られていない新人候補である。これにたいして、
国会での活動を通じていつも地元選挙区への宣伝をつづけている現職候 補が、新人の進出を巧みに阻止する法律を維持することによってえると ころはきわめて大きい。公選法を抜本的に改正しようという動きが、一 度も日の目をみないのはそのためである。ひとたび国会議員になってし まえば、選挙運動の規制は厳しくするほど自分に有利になるという仕掛 けなのである。(
Curtis
1969, 241)かつての選挙運動規制研究においては、前掲の吉田(1965)に代表される ように、現職候補に有利に働く規制強化のみに注目する傾向があった。しか し
McElwain
は、旧来通りの「親現職的(pro
-incumbent
)改正」、すなわち 規制強化に加え、「反現職的(anti
-incumbent
)改正」つまり規制緩和にも焦 点を当てて公選法の沿革を検討することで、1950年から2000年までの間に行 われた法改正のうち、規制緩和は党派性の薄い選挙制度審議会の答申に基づ いて行われる傾向がある一方で、ほとんどの規制強化は政権与党である自民 党主導で行われていたことを明らかにしたのである(McElwain
2008, 39)。McElwain
の分析は、選挙運動規制を分析する際、ひいては公選法の沿革を分析する際は、規制強化の流れだけではなく規制緩和の流れにも着目する必 要性を示唆しているといえるだろう。
もっとも、
McElwain
の研究にはいくつか改善の余地がみられる。1つは、研究時期の都合上仕方ない点であるが、分析の範囲を1950年から2000年まで に設定したことにより、一党優位体制が崩壊した1993年以降の公選法の動向 がほとんど分析に反映されておらず、公選法に関する彼の知見が、一党優位 体制崩壊後、あるいは1994年の選挙制度改革後も適用可能であるか否かが明
らかでないことである。もう1つは、公選法改正の履歴を確認するための資 料として衆議院調査局の『選挙制度関係資料』を用いたことにより、各法改 正に関する「主要な」項目しか分析に用いられていないことである。
1点目についてであるが、McElwainは自民党一党優位体制期の日本にお いて、自民党指導部が何度もマクロレベルの選挙制度改革を企図したものの 最終的には実現できず、その代替案としてミクロレベルの選挙制度改革を繰 り返し行ってきた要因の1つとして、自民党に所属する一般議員の態度を重 視しているが、しばしば指摘されるように、政党指導部と一般議員の関係性 は選挙制度(選挙区制)に左右される11)。つまり理屈の上では、小選挙区比 例代表並立制が導入されてから、導入以前に比べて選挙制度改革に関する政 党指導部の裁量が高くなっているはずであり、したがって公選法改正のあり 方にも何らかの変化が生じていると推測される。もちろん、政党指導部と一 般議員の関係性の変化は選挙制度改革がもたらした影響のあくまで1つであ り、他の推測も立てられよう。しかし彼の論文では、選挙制度改革後の動向 については結論で軽く触れられる程度に留まっており、その方向性について もぼかした表現がなされている12)。いずれにせよ、制度改革から十分な時間 が経過した2000年以後の動向も視野に入れた分析が求められる。
もう1点、分析資料として『選挙制度関係資料』を用いたことについてで ある。確かに、当資料は1889年衆議院議員選挙法制定から最新の公選法改正 まで主要な改正点をリスト化したものであるため、選挙法の大まかな動きを
11) 一般に、選挙区内で同一政党の候補者間で同士討ちが生じうる中選挙区制においては所属政 党よりも候補者個人の属性が重要になり、選挙時の選挙運動も個人中心のスタイルを採ること になるため、一般議員の政党への依存度は低く、党指導部からの自律性も高くなる、とされる。
他方で、選挙区内の同士討ちが生じる可能性がほぼなく、選挙時には候補者の所属政党がより 重要視される小選挙区制では、政党指導部が持つ公認権の価値が高まるため、一般議員の自律 性は低くなる反面、指導部の統率力は強くなる、とされる。
12) もっとも、結論における彼の主張は、どちらかといえば変化よりも持続に重きを置いている ように思われる。彼は1994年以降、政党助成金制度が導入されたり、個人献金に対する敷居が 下げられたことを例に挙げ、「選挙過程をより開放的にするいくつかの変化がみられる」と評 価する一方で、同時にポスター規制の強化等が行われていることを例に挙げて、選挙運動規制 強化の動きが継続していることを強調している(McElwain 2008, 46)。
把握するには最適ではあるが、リストに記載されている改正点は主なものに 限られているうえ記述も簡素で、かなりの情報が削ぎ落されてしまっている。
わかりやすい例を挙げると、1954年の第6次公選法改正には全128件もの改 正項目が含まれていたにもかかわらず、『選挙制度関係資料』の当該改正に 関する記述は「悪質犯に対する刑罰の加重、連座制の強化、飲食物の提供禁 止等、選挙の公正確保と選挙運動の適正化のための改正を行った(衆議院調 査局 2002, 27)」とあるだけである。厳密にいえば彼の研究の主軸は公選法 の沿革分析ではないため、これもやむをえない点ではあるのだが、公選法の 沿革に焦点を当てた分析を行うのであれば、より詳細な資料・データを用い ることが望ましい。
以上の先行研究の知見および課題を踏まえ、本稿では次の4点を意識した 分析を行う。①分析対象の範囲を1950年の公選法制定から2019年までの69年 とする。②公選法の沿革に関するデータを収集するにあたっては、公選法改 正の対象とされた全ての項目を包括的に取り扱うこととする。③日本の選挙 法の特徴として強調されてきた選挙運動規制については特段の注意を払い、
踏み込んだ分析を行う。④選挙運動規制に関する分析を行う際は、規制強化 だけでなく規制緩和についても検討する。
3.分析対象と定量化の手法
(1) 公職選挙法の構造
公選法に関する分析は次節以降において行うが、その前に、そもそも公選 法がどのような法律であるかを簡単に紹介しておきたい。
本稿の分析対象である公職選挙法(昭和25年法律第100号)は、1950年4 月15日、それまでの衆議院議員選挙法および参議院議員選挙法、そして地方 自治法に含まれていた選挙関係の規定を1つの法律に統合する形で制定され た、国会議員ならびに地方公共団体の議会の議員および長の選挙制度を定め
る法律である13)。
公選法の全体像を大雑把に把握するため、まずは公選法の章立てを確認し てみよう。2019年9月時点における公選法の章立ては表1の通りである。表 に示されている通り、公選法は枝番号なしの条文で275、枝番号付きのもの を含めると419の条文から構成される14)。
表1には、公選法の各章に属する条文(枝番号付きのものを含む)の数と、
その値が公選法全体(計419条)に占める割合を示している。例えば、公選 法第一章「総則」は17の条文によって構成されるため、公選法全体の4.1%
を占めていることになる。一通り割合に目を通してみると、第十三章「選挙 運動」(計86条で20.5%)と第十六章「罰則」(計60条で14.3%)が公選法の 条文の多くを占めていることがわかるだろう。第十三章にいたっては、公選 法全体の5分の1を形成しているほどである。もちろん条文の多さがその領 域の重要性に直結するわけではないが、これほどまでに選挙運動と罰則に関 する条文の数が多いことは、先行研究が幾度となく指摘してきた通り、公選 法が世界的に見ても仔細かつ厳格な選挙運動規制を持つ選挙法であることを 示している。
13) 公選法以前の選挙法については以下の通りである。まず、衆議院議員選挙法は大日本帝国憲 法と同じ1889年、参議院議員選挙法は1947年に制定された。地方公共団体の長は、1946年の東 京都制・府県制・市制・町村制の一部を改正する法律によって公選制となり、各選挙に関する 規定は1947年制定の地方自治法にまとめられた。一方、地方公共団体の議会議員の選挙につい て定めた選挙法の元を辿ると、1878年制定の府県会規則に行きつく。この府県会規則は1890年 に府県制へと姿を変えたのち、前述の1946年府県制改正を経て1947年制定の地方自治法へと合 流する。公選法以前の選挙法規の大まかな流れについては安田・荒川(2009)の12-30頁や二 井(1975)の14-21頁を、具体的な流れについては杣(1978)を参照。
14) 法改正で既存の条文の間に新しい条を挿入する際、条番号の繰り下げを避けるために既存の 条文に「の2」のような番号が振られた条が挿入されるが、この番号を枝番号と呼ぶ。なお、
既存の条文と枝番号付きの条文に関係がないこともしばしばある。例えば公選法第30条「選挙 人名簿の再調整」と枝番号付きである公選法第30条の2「在外選挙人名簿」は、同じ条番号こ そ振られているが、条文の内容はほとんど関係がない。したがって、枝番号付きであるから分 析対象から外してもよいというわけでは全くなく、本稿においても分析の対象としている。そ もそも、公選法第四章の二「在外選挙人名簿」のように、枝番号付きの条文のみによって構成 される章も存在するためである。
表1 公選法の章立ておよび条文の数・割合
章 章題 条 枝番号付きを
含む条文の数 全体に 占める割合
第一章 総則 第1条~第8条 17 4.1%
第二章 選挙権および被選
挙権 第9条~第11条 4 1.0%
第三章 選挙に関する区域 第12条~第18条 8 1.9%
第四章 選挙人名簿 第19条~第30条 15 3.6%
第四章の二 在外選挙人名簿 15 3.6%
第五章 選挙期日 第31条~第34条 6 1.4%
第六章 投票 第35条~第60条 29 6.9%
第七章 開票 第61条~第74条 15 3.6%
第八章 選挙会及び選挙分会 第75条~第85条 11 2.6%
第九章 公職の候補者 第86条~第94条 17 4.1%
第十章 当選人 第95条~第108条 21 5.0%
第十一章 特別選挙 第109条~第118条 10 2.4%
第十二章 選挙を同時に行う
ための特例 第119条~第128条 10 2.4%
第十三章 選挙運動 第129条~第178条 86 20.5%
第十四章 選挙運動に関する 収入及び支出並び
に寄付 第179条~第201条 30 7.2%
第十四章の二 参議院(選挙区選 出)議員の選挙の
特例 3 0.7%
第十四章の三 政党やその他の政 治団体等の選挙に
おける政治活動 11 2.6%
第十五章 争訟 第202条~第220条 20 4.8%
第十六章 罰則 第221条~第255条 60 14.3%
第十七章 補則 第256条~第275条 31 7.4%
公選法全体 419 100%
公選法の沿革を包括的に検討することを目的とする本稿においては、公選 法の各章がどのような内容の条文によって構成されているか把握しておく必 要がある。そこで少し長くなるが、各章について簡単に紹介しておきたい。
なお、各章の概要を紹介するにあたっては、公選法そのものは当然として、
公選法の公式解説書である安田・荒川編『逐条解説 公職選挙法』(2009)と 選挙制度研究会編『実務と研修のためのわかりやすい公職選挙法』(2014)、
一般書の吉田善明著『公職選挙法の解説』(1999)の三書を参考にしている。
まず第一章「総則」であるが、本章は、公選法の目的(第1条)や適用範 囲(第2条)、公職の定義(第3条)、議員定数(第4条)、選挙管理委員会 の管理事務に関する事項(第5条)など、日本の選挙に関する基本原則を示 した条文によって構成されている。
第二章「選挙権および被選挙権」は、表にも示されている通り、4つの条 文からのみ構成される。選挙権を有するための積極的要件の規定(第9条)、
被選挙権を有するための積極的要件の規定(第10条)、選挙権および被選挙 権の欠格事項(第11条)、そして選挙権を有しない者(第11条の2)である。
第三章「選挙に関する区域」は、選挙区に関する事項を包括的に定めた章 である。衆議院議員選挙の選挙区及びその区域変更についての規定(第13条)、
参議院議員選挙の選挙区及びその区域変更についての規定(第14条)、そし て都道府県議会議員選挙の選挙区についての規定(第15条)等によって構成 される。なお、国政選挙の具体的な選挙区の指定は「別表」においてなされ るため、いわゆる定数是正が行われたとしても、この第三章の条文に変更が 加えられるわけではない点に留意する必要がある。
第四章「選挙人名簿」は、その名の通り選挙人名簿に関する事項を定めた 条文で構成される。本章では、選挙人名簿の方式として永久選挙人名簿制度 を採用することや、その様式、調整機関が定められているほか(第19条)、
被登録資格(第21条)、選挙人名簿の登録(第22条)、抹消(第28条)等につ いて定められている。なお、1998年の公選法改正により、国外に居住する日 本国民にも選挙権行使の機会を保障するため、在外選挙制度が創設された。
これに伴い選挙人名簿制度にも改正が加えられることとなり、同年から第四 章の二「在外選挙人名簿」が新設されている。
第五章「選挙期日」は、各選挙を行うべき期間および、選挙期日の公示・
告示について定める条文によって構成される。それぞれ、衆議院議員選挙(第 31条)、参議院議員選挙(第32条)、地方公共団体の議会議員選挙あるいは地 方公共団体の長の任期満了にともなう選挙(第33条)などである。
第六章「投票」は、選挙において有権者が行うことのできる投票制度に関 する具体的な方法や関係規則を定めた条文に加えて、投票所の運営管理およ び秩序維持に関する規定を定めた条文などによって構成される。第六章で規 定される投票方法は、一般的な投票方法(第46条)、代理投票(第48条)、期 日前投票(第48条の2)、不在者投票(第49条)、在外投票(第49条の2)等 がある。
第七章「開票」は、選挙で有権者が行った投票の点検作業つまり開票の手 続きや関係規則を定める条文(第61条~第66条)に加え、無効票の判断基準
(第68条)や按分票の計算方法(第68条の2)を定めた条文などによって構 成される。
第八章「選挙会及び選挙分会」は、各種選挙の際に当該選挙区における当 選人を決定する機関として開催される選挙会(衆参選挙の比例代表選出議員 の選挙の場合は、都道府県ごとに選挙分会が開催される)に関する手続及び 規則を定めた条文などによって構成される。
第九章「公職の候補者」は、選挙の際の立候補手続きに関する事項を定め た条文によって構成される。本章は、立候補に際して候補者となろうとする 者あるいは政党その他の政治団体に課される届け出手続きおよびその要件を 定めるほか(第86条~第87条の2)、公務員の立候補に関する制限(第89条
~第91条)や、供託金制度(第92条~第94条)についても規定している。
第十章「当選人」は、各種選挙における当選者の決定基準を定める条文に より構成される。各種選挙における当選に必要な得票ライン(第95条~第95 条の3)や、当選者の繰り上げ補充(97条~97条の2)、被選挙権喪失によ
る当選失格(第98条~第99条)、無投票当選(第100条)などに関する規定が 含まれている。
第十一章「特別選挙」は、一般の選挙15)に該当しない選挙に関する事項 を規定している。特別選挙の例としては、再選挙(第109条および第110条)、
繰り上げ補充および補欠選挙(第112条~第113条)、合併選挙(第115条)等 がある。なお、第十二章「選挙を同時に行うための特例」は、地方公共団体 の議会議員と長の選挙についてのみ適用される同時選挙に関する手続きを定 めた条文によって構成されている(第119条~第128条)。
第十三章「選挙運動」は、選挙時の候補者の選挙運動16)に関する制限を 規定するとともに、一定の範囲において国または地方公共団体が候補者の選 挙運動の費用を負担する選挙公営制度について規定している。前述の通り第 十三章は86件の条文から構成されており、公選法の中でも最も条文が多い。
本章においては、選挙の際の候補者の選挙運動は、総選挙の場合12日間とさ れるように一定の期間にのみ(第129条)、選挙事務関係者など特定の者を除 いて(第135条~第137条の3)、法によって認められた方法に限って行うこ とができる(第138条~第178条の3)、というように、期間・主体・手法の 三側面から規定される。
第十四章「選挙運動に関する収入及び支出並びに寄付」はその名の通り、
選挙運動費用の制限、選挙運動に関する収入・支出・寄付の公表、特定の寄 付の禁止等について定めている。具体的には、収入・支出・寄付の定義およ び適応対象(第179条)、出納責任者に関する規定(第180条~第183条の2)、
収支報告書の提出(第189条)、特定の者に対する寄付の禁止(第199条~第 199条の5)、寄付の要求の禁止(第200条)等によって構成される。
15) この「一般の選挙」とは選挙法上の表現で、総選挙・通常選挙・一般選挙・地方公共団体の 長の選挙・設置選挙の5つの選挙を指す(選挙制度研究会 2014, 77-78)。
16) しばしば言及されるように、公選法は選挙運動の定義を設けていない。『逐条解説 公職選挙 法』では、判例(大判昭和3・1・24大刑集7巻6頁)を基に、選挙運動を「特定の選挙につ いて、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要か つ有利な行為」と定義している(安田・荒川 2009, 971)。
第十四章の二「参議院(選挙区選出)議員の選挙の特例」は、参議院選挙 区選挙の候補者の推薦団体に対してのみ特別に認められた条件を定めたもの である。もっとも、本章は3つの条文からしか構成されておらず、さらにそ のうち2つは過去の法改正で削除されているため、現在は第201条の4「推 薦団体の選挙運動の特例」だけが残存している状態である。
第十四章の三「政党やその他の政治団体等の選挙における政治活動」は、
選挙時における政党その他の政治団体の「政治活動」17)に関する制限を定め た章である。総選挙から都道府県知事又は市長の選挙までの各種選挙におけ る政治活動に関する制限(第201条の5~9)、政談演説会、連呼行為等の具 体的活動の制限など(第201条の10~15)から構成される。
第十五章「争訟」は、選挙に関する争訟について定めた条文によって構成 される。選挙に関する争訟は大きく3つに分類されており、本章では、選挙 争訟については第202条~204条、当選争訟については第206条~208条、連座 制による特殊な当選争訟については210条~211条において規定されている。
第十六章「罰則」は、選挙犯罪に対する罰則を定めた章である。選挙犯罪 には様々な種類があるが、公選法は諸犯罪をその性質から刑事犯(実質犯)
と行政犯(形式犯)に区分し、とりわけ悪質な前者を本章において直接その 構成要件と処罰を併せて定め、後者については他の章(主に第十三章「選挙 運動」)において制限規定を設けたうえで、本章で処罰を定めている。例え ば実質犯については、買収及び利害誘導罪(第221条~224条)や選挙の自由 妨害罪(第225条~第228条)が、形式犯については、事前運動・教育者の地
17) 前述の選挙運動と同様に、公選法は政治活動の定義を設けていない。『逐条解説 公職選挙法』
では、「一般的な政治活動」を「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれ に反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを目的として行 う直接間接の一切の行為」と定義している。なお、公選法第十四章の二において規制の対象と される「政治活動」は、この定義から第十三章で規定された「選挙運動」に該当する行為を除 いた一切の行為を指す。もっとも、規制の対象とされるのは政党その他の政治活動を行う団体 の政治活動であり、個人の行う政治活動は選挙運動に該当しない限り自由である。また、選挙 期間外であれば、政党その他の政治団体による政治活動も(特定の方法を除いて)認められる
(安田・荒川 2009, 1461-1462)。
位利用・戸別訪問等の制限違反(第239条)、選挙運動に関する支出制限違反
(第246条)、寄付制限違反(第248条)などが挙げられる。
第十七章「補則」は、公選法に関する付随的事項を定めた諸条文によって 構成される。各種選挙において選出された議員の任期の起算方法(第256条
~第260条)、各選挙に関する選挙管理費用の財政措置(第262条)、選挙に関 する届出等の期限(第270条の3)等が、本章を構成する条文として挙げら れる。
(2) データの収集方法とその概要
次に、本稿で用いる公選法に関するデータの収集方法や、その概要につい て述べておきたい。本稿では、公選法に関する情報を主に2つのデータベー スから収集している。
まず、分析を始めるにあたって、公選法の沿革に関する基本的な情報、例 えば実際に施行された公選法改正の名称やその法律番号、公布年月日、改正 案提出者、提出年月日などを収集し、整理する必要がある。本稿では、この ような法令の沿革に関する基本情報については、国立国会図書館が運営する 法令検索用データベースである、日本法令索引を用いることとした。具体的 には、日本法令索引における、公職選挙法の「法令沿革」ページの一覧を参 照し、基本情報を収集・整理している。
日本法令索引のデータによると、公選法は1950年4月15日の法制定から 2019年9月現在まで、計201回の法改正を経ている。しかしながら、ここで 1つの問題が生じる。一口に公選法改正といっても、「公職選挙法の一部を 改正する法律」と題される法改正のように公選法そのものを直接的に改める 法改正と、他の法律の改正に伴い、公選法の内容にも間接的に変更が施され る法改正の2つのパターンが存在するのである18)。当然、より重要性が高い
18) 近年の例を挙げると、2015年6月10日に公布された「旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株 式会社に関する法律の一部を改正する法律」により、公選法第176条(交通機関の利用)の一 部が改正されている。なお改正の内容は、語句の修正である。
のは公選法を主体とする前者の法改正である。したがって本稿では、先述の 201件の法改正のうち、名称に「公職選挙法」が含まれる法改正のみを分析 の対象とすることとした。その結果、「公職選挙法」を名称に含む法改正は 計70件確認されたので、この70件が本稿における分析対象となる。
「公職選挙法」を名称に含む計70件の法改正をリストアップしたものが、
表2である。この表には、改正案の短縮名称や提出年、年代(10年区分)、
公布日、提出者を示している。なお、「公職選挙法の一部を改正する法律」
という名称の法律は1950年から現在まで合計61本提出されており、それぞれ に「第●次改正」というナンバリングが公式に付されている。本稿では、こ のナンバリングを各法改正の呼称として用いているが、ナンバリングの付さ れていない、すなわち法案の名称が「公職選挙法の一部を改正する法律」で はない法案の場合は、やむを得ずナンバリングを付された法改正の間をとっ て「第●.5次改正」と表記することとした。例を挙げると、第9次改正(1958 年)と第10次改正(1964年)の間にあたる1962年には、「公職選挙法等の一 部を改正する法律」19)が施行されているが、この法改正自体にはナンバリン グが付されていないため、本稿では便宜上このような法改正を「第9.5次改正」
と表記している。
表2からは、特筆すべき傾向を確認できる。年代を見れば明らかなように、
公選法が改正される頻度は年代によってかなりの差があるのである。例えば、
1970年代には10年間で僅か4回しか法改正が行われなかった一方で、2010年 代は9年間に17回もの法改正が行われている。射程を長期的にとれば、1950 年代から1960年代にかけては法改正が1年から2年に1度のペースで行われ ていたが、1970年代から1980年代に一度停滞を迎え、その後1990年代から復 調して2000年代以降現在まで、かつてないほど高頻度で法改正が行われるよ うになった、という大きな流れがあることがわかる20)。したがって次節以降
19) その改正次において公職選挙法のみが法改正の対象とされる場合、「公職選挙法の一部を改 正する法律」となり、付随してその他の法律も法改正の対象とされる場合、「公職選挙法等の 一部を改正する法律」となる。
表2 名称に「公職選挙法」を含む法改正の一覧 (1951年3月19日~2019年8月31日)
年代 改正次 提出年 公布日 提出者 年代 改正次 提出年 公布日 提出者
1950 年代
制定 1950 4月15日 議員(衆)
2000 年代
第38次 2000
2月9日 議員(衆)
第1次 1951 3月19日 議員(衆) 第39次 5月17日 議員(衆)
第2次 1952 8月16日 議員(衆) 第39.5次 5月17日 議員(衆)
第3次 1953 8月7日 議員(衆) 第40次 11月1日 議員(参)
第4次 1954
5月24日 議員(衆) 第41次
2002 7月31日 内閣
第5次 6月10日 内閣 第42次 12月13日 内閣
第6次 12月8日 議員(衆) 第43次 2003
6月11日 内閣 第7次 1955 12月14日 内閣 第44次 7月25日 議員(衆)
第8次 1956 3月15日 議員(参) 第45次 10月16日 議員(衆)
第9次 1958 4月22日 内閣 第46次 2005 6月29日 内閣
1960年代
第9.5次 1962 5月10日 内閣 第47次 2006
6月7日 議員(衆)
第10次 1964 7月2日 内閣 第48次 6月14日 内閣 第11次 7月10日 内閣 第49次 6月23日 議員(衆)
第12次 1965 4月30日 議員(衆) 第50次
2007 2月28日 議員(参)
第13次 1966 6月1日 内閣 第51次 6月15日 議員(衆)
第14次 1968 5月2日 内閣
2010 年代
第52次 2012 11月26日 議員(衆)
第15次 1969 5月16日 内閣 第52.5次 2012 11月26日 議員(衆)
第16次 6月23日 内閣 第53次
2013
4月26日 議員(衆)
1970 年代
第17次 1970 12月24日 内閣 第53.5次 5月31日 議員(衆)
第18次 1974 6月3日 内閣 第54次 12月11日 議員(衆)
第19次 1975 7月15日 内閣 第54.5次
2015 6月19日 議員(衆)
第20次 1978 6月20日 議員(衆) 第55次 8月5日 議員(参)
1980 年代
第21次 1981 4月7日 議員(衆) 第56次
2016
2月3日 議員(衆)
第22次 1982 8月24日 議員(参) 第56.5次 4月11日 内閣 第23次 12月28日 内閣 第57次 4月13日 議員(衆)
第24次 1983 11月29日 議員(衆) 第57.5次 5月27日 議員(衆)
第25次 1986 5月23日 議員(衆) 第58次 5月27日 議員(衆)
第26次 1989 11月17日 議員(衆) 第58.3次 12月2日 内閣 第27次 12月19日 議員(衆) 第59次 2017 6月21日 議員(衆)
1990 年代
第28次 1992 12月16日 議員(衆) 第60次 2018 6月27日 議員(参)
第29次 12月16日 議員(衆) 第61次 2018 7月25日 議員(参)
第30次 1994 2月4日 内閣 第61.5次 2019 5月15日 内閣 第31次 11月25日 議員(衆)
第32次 1995 12月20日 議員(衆)
第33次 1996 6月26日 議員(衆)
第34次 1997 6月20日 議員(衆)
第35次 12月19日 議員(衆)
第36次 1998 5月6日 内閣 第37次 1999 8月13日 議員(衆)
においては、こうした年代ごとの偏りを考慮したうえで分析を進める必要が あろう。
次に、公選法改正の具体的内容、つまり各改正において、公選法のどの条 文がどのように改正されたかについては、法律情報総合オンラインサービス である
West Law Japan
の法令検索機能を活用した。West Law Japan
の法令 検索機能を用いると、目的の法令の改正情報を条文レベルまで新旧対照表付 きで確認することができるため、法改正の前後でどの条文がどのように修正 されたかを、一言一句検討することが可能になる。データセットを作成する にあたっては、この新旧対照表を参照し、法改正に関する情報を収集・整理 した。この条文レベルの法改正に関するデータセットを作成する際にも、2つの 問題が生じた。1点目の問題は先述の問題に近いが、一口に法改正といって も、一般的に想定されるような法令の内容を変更する改正と、単に法令の語 句を修正するにとどまる改正の2つのパターンが存在するということであ る21)。もちろん語句の修正が全く無意味であるとは言い切れないが、語句の 修正が行われる場合、一度の法改正で多数の条文が改正の対象に挙がるので 分析のノイズになるうえ、そもそも語句修正自体は本稿における分析の目的 に沿わないので、データセットを作成する際、単に語句の修正にとどまる法 改正は収集の対象から除外した。
各改正の改正項目数についても、基本的な情報をここで提示しておきたい。
各法改正において、何件の条文が改正の対象とされたかを示したのが表3で、
その推移を示したのが図1である。
20) 立法学においては、21世紀に入って以来、日本では「立法のインフレーション」が進行した と指摘されており、井上(2008)はこうした変化を「『立法のイモビリズム(停滞)』から『立 法の高速変動』への180度の転換」と表現している(井上2008, 9)。2000年代以降の公選法改 正の急増は、この立法のインフレーション現象と軌を一にしたものであると推測される。立法 のインフレーション現象の詳細については、川崎(2008)を参照。
21) 後者の例を挙げると、1958年の第9次公選法改正では、公選法内の全ての条文の「禁こ」と いう表記が「禁錮(こ)」に修正されている。
表3 各法改正における改正項目数 年代 改正次 改正
項目数 年代 改正次 改正
項目数 年代 改正次 改正 項目数
1950年代
第1次 23
1980年代
第24次 35
2000年代
第47次 1
第2次 88 第25次 1 第48次 21
第3次 5 第26次 1 第49次 7
第4次 2 第27次 10 第50次 2
第5次 16
1990年代
第28次 17 第51次 2
第6次 124 第29次 1
2010年代
第52次 1
第7次 1 第30次 169 第52.5次 2
第8次 52 第31次 18 第53次 17
第9次 31 第32次 11 第53.5次 3
1960年代
第9.5次 101 第33次 9 第54次 3
第10次 1 第34次 7 第54.5次 5
第11次 41 第35次 27 第55次 77
第12次 6 第36次 31 第56次 4
第13次 22 第37次 10 第56.5次 10
第14次 11
2000年代
第38次 3 第57次 8
第15次 14 第39次 19 第57.5次 5
第16次 54 第39.5次 3 第58次 1
1970年代
第17次 18 第40次 45 第58.3次 27
第18次 5 第41次 1 第59次 1
第19次 63 第42次 2 第60次 4
第20次 1 第43次 19 第61次 30
1980年代
第21次 25 第44次 7 第61.5次 8
第22次 133 第45次 4
第23次 1 第46次 1 総計 1528
図1 各法改正における改正項目数の度数分布表 180
160 140 120 100 80 60 40 20
0 第
第 61・5次
第 59次
第 57・5次
第 56次
第 54次
第 52・5次
第 50次
第 47次
第 44次
第 41次
第 39次
第 36次
第 33次
第 30次
第 27次
第 24次
第 21次
第 18次
第 15次
1第次 第4次 7第次 第9・5次 12次
図表からは、時期によって、一度の法改正において改正対象に挙がる条文 の数に大きな違いがあることが読み取れるだろう。図1を最も条文数の多い 第30次改正(1994年の選挙制度改革が行われた法改正)の前後で2つに区分 すると、この第30次改正よりも前は一度の法改正で多数の条文が対象に挙が ることが多いのに対し、第31次改正よりも後では第55次改正(2015年の、い わゆる「合区」が行われた法改正)を除き、一度の法改正で対象に挙がる条 文が少なくなっていることがわかる。先程、「2000年代以降現在までかつて ないほど高頻度で法改正が行われるようになった」と述べたが、内実を見れ ば一度の法改正で改正対象に挙がる条文の数はかなり少なくなっているの で、2000年代以降に際立って公選法に対する立法関心が高まったと評価する より、単発的な法改正が増加したと見た方が良さそうである。
2点目は、本稿の目的の1つである選挙運動規制に関する法改正について、
規制強化あるいは規制緩和の線引きをどのように行うかという問題である。
公選法では、候補者の選挙運動に関する事項は公選法第十三章「選挙運動」
において規定されているが、その条文の数は86件に及ぶ。したがって、選挙 運動規制に関する改正の内容を規制強化と規制緩和に選り分ける場合、この 86件の条文全てに対し、分析者の恣意性をできる限り排除した統一的な基準 を設けることが望ましい。そこで本稿では、
McElwain
(2008)等の先行研 究を参考にしながら、公選法第十三章に対する法改正については、候補者が 選挙の際にとり得る選挙運動の選択肢の幅を狭める法改正は規制強化、反対 に候補者が選挙の際にとり得る選挙運動の選択肢の幅を広げる法改正は規制 緩和、どちらにも当てはまらない法改正は条文修正と分類することとした。なお、このデータの紹介は第5節にて行う。
4.公職選挙法改正の全体像の把握
(1) 沿革の視覚化
それではまず、公選法改正に関する全てのデータを集計した結果を示そう。
図2は、前節において述べた方法で公選法改正に関するデータを集計し、法 改正ごとに改正対象に挙がった条文を黒塗りして一列に並べたものである。
縦に並ぶ行が公選法第一章「総則」から第十七章「補則」までの各章および 各章に属する条文(枝番号付きを含む全419条)を、横に並ぶ列が1951年3 月公布の第1次公選法改正から2019年5月公布の第61.5次公選法改正までの 合計70回の公選法改正を示しており、法改正の時期的な分布を把握しやすく するために10年ごとに縦罫線を引いている。一例を挙げると、第一章「総則」
では1950年代の列に黒塗りを2つ確認することができるが、これは1955年の 第4次公選法改正において第6条「選挙に関する啓発、周知等」が、1957年 の第7次公選法改正において第5条の2「中央選挙管理会」が法改正の対象 とされていたことを示している。縮尺の都合上、具体的にどの条文がどのタ イミングで改正されたかまでは確認できないが、章ごと、あるいは年代ごと の法改正の傾向を視覚的に確認することができる。
図2からはいくつかの特徴を見出すことができるが、本稿においては特に 次の3点に注目したい。1点目は、第八章から第十一章までの章および第十 六章に顕著に表れているが、図中央付近に2本の縦線が確認できること、2 点目は、ちょうど図の真ん中、年代でいえば1990年代あたりからその左側と 右側では、黒塗りの密度が明らかに異なること、そして3点目は、図を章ご とに見たとき、コンスタントに黒塗りが出現する章と、ある時期に固まって 黒塗りが分布する章があることである。以下、それぞれ順を追って確認して いく。
まず1点目、図の中央付近に2本の縦線を確認できることについてである
図2 各公選法改正における改正項目数の分布
※ 縮尺の都合上、図の中でいくつか 潰れてしまった箇所があるので、以 下の通り補記しておく。先頭行、
「1960年代」と「1980年代」の間に は「1970年代」が入る。図最下部の 行は、「別表」に関する改正項目数 の分布を示している。先頭列、「第 十四章の二」の見出しは、「参議院(選 挙区選出)議員の選挙の特例」であ る。先頭列の右隣の列には、各条文 の番号が示されている。
が、この縦線はいずれも選挙区制の改変に伴って生じたものである。左の縦 線は、参議院選挙の全国区制が比例代表制に変更された1982年の第22次改正 を示しており、右の縦線は、衆議院選挙に小選挙区比例代表並立制が導入さ れた1994年の第30次改正を示している。選挙区制が変更される際、最も本質 に関わる修正が加えられる章は第三章「選挙に関する区域」や第十章「当選 人」であるが、同時に第十四章の三「政党や政治団体等の選挙における政治 活動」や第十六章「罰則」など、一見、選挙区制とは関係のなさそうな章に 属する条文も付随して改正対象に挙がるため、選挙区制を変更する法改正は 公選法全体に及ぶ法改正となり、図上で1本の縦線が引かれたように見える のである。
次に2点目、図を全体的に見たときちょうど図の真ん中、年代でいえば 1990年代あたりからその左半分と右半分では黒塗り部分の密度が明らかに異 なっており、とりわけ左半分においてその密度が高いことである。章ごとに 確認すると、このような傾向は、特に第五章「選挙期日」や第十三章「選挙 運動」、第十六章「罰則」において看取することができる。具体的な分析作 業は後で行うが、図2を見たところ、先程確認した中央の縦線、つまり1994 年の第30次公選法改正を境に改正項目数が減少し、その後10件前後の法改正 を挟んで一気に黒塗り部分の分布がまばらになっていることがわかる。黒塗 りの分布がまばらになるのは、時期的にはちょうど2000年の第40次公選法改 正を越えたあたりである。前節で確認したように、2000年代以降は改正項目 数の少ない法改正が散発的に行われるようになる(その影響を受け、2000年 代と2010年代は列の幅が広い)のだが、それを加味したとしても明らかに黒 塗りの密度が低い。
とはいえ、公選法の全ての章において、黒塗りが図2の中心より左側、つ まり1990年代以前に集中しているわけではないことにも注意を払う必要があ る。例えば第四章の二「在外選挙人名簿」や第十七章「補則」に関しては、
図の左側よりもむしろ右側において多くの黒塗りが確認されるし、第二章「選 挙権及び被選挙権」や第六章「投票」のように、黒塗りが比較的均一に分布
している章も存在している。これらの章を、先程挙げた第十三章「選挙運動」
や第十七章「罰則」と比較するとわかりやすい。これが、3点目の傾向であ る。つまり、時期・年代によって、公選法改正の対象とされる章や条文には 一定の傾向が存在するのである。
(2) 年代ごとの比較分析
先程確認した3つの傾向を正確に把握するため、図2の黒塗りの数をカウ ントした値を用いて分析してみよう。なお、本稿では特に公選法改正の時期 的傾向を把握することを目的としているため、第1次改正から第61.5次改正 までの70件の改正を、公布年を基準に10年ごとにまとめてグループ化し、各 年代を比較分析することとしたい。
表4は、公選法を構成する各章に対する法改正が、1950年代から2010年代 までの7つの年代でどのように分布しているのかを割合で示したものであ る。表の右隣には、法改正が特に集中している年代を把握しやすいよう、ス パークライン(棒グラフ)を表示している。1950年代から2010年代までの各 年代のうち、最も高い割合が示された年代にマーカーを付しているので、マ ーカーのついた箇所を確認することで、公選法の各章に対する法改正が、ど の年代に集中して行われたかを把握することができる。例として第一章「総 則」を挙げると、第一章に属する条文に対する改正は約70年間で19件行われ ているが、そのうち52.6%にあたる10件は2010年代に行われている。
表4において示されている割合と、その推移を表したスパークラインを各 章ごとに比較してみると、先程視覚的に確認できた傾向が数値でも確認でき ることがわかる。まず、スパークライン上のマーカーの分布から、2000年代 以降集中的に法改正を受けた章はごく一部に限られ、ほとんどの章は1990年 代以前(1990年代も含む)に多くの法改正が行われていることがわかる。ま た、第十七章「補則」のようにこれといった傾向を看取できない章も確認さ れるものの、ほとんどの章において、法改正の分布に時期的な偏りを見出す ことができ、さらにそれらが一定のまとまりを有していることがわかる。そ
表4 各章全体に占める年代別改正項目数の割合
※ 表4右部の棒グラフは、表中の値をもとに作成されたものである。
各章で最も高い割合が示された年代に、黒色の着色を行っている。
1950年代 1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 総計
第一章 10.5% 5.3% 0.0% 10.5% 10.5% 10.5% 52.6% 100%
第二章 0.0% 27.3% 0.0% 0.0% 36.4% 9.1% 27.3% 100%
第三章 31.8% 0.0% 0.0% 18.2% 27.3% 0.0% 22.7% 100%
第四章 4.2% 47.2% 1.4% 5.6% 9.7% 8.3% 23.6% 100%
第四章の二 ― ― ― ― 41.2% 23.5% 35.3% 100%
第五章 38.5% 10.3% 2.6% 17.9% 23.1% 5.1% 2.6% 100%
第六章 8.5% 4.9% 3.7% 9.8% 31.7% 15.9% 25.6% 100%
第七章 25.0% 9.4% 0.0% 15.6% 25.0% 12.5% 12.5% 100%
第八章 11.4% 5.7% 0.0% 20.0% 31.4% 5.7% 25.7% 100%
第九章 18.9% 13.5% 2.7% 16.2% 32.4% 8.1% 8.1% 100%
第十章 15.3% 2.8% 2.8% 20.8% 29.2% 15.3% 13.9% 100%
第十一章 42.3% 9.6% 3.8% 13.5% 13.5% 9.6% 7.7% 100%
第十二章 46.2% 23.1% 7.7% 0.0% 23.1% 0.0% 0.0% 100%
第十三章 28.8% 20.2% 2.4% 17.3% 12.1% 7.3% 11.9% 100%
第十四章 22.0% 15.9% 8.5% 13.4% 15.9% 8.5% 15.9% 100%
第十四章の二 26.7% 20.0% 0.0% 26.7% 13.3% 0.0% 13.3% 100%
第十四章の三 23.4% 27.3% 13.0% 14.3% 10.4% 5.2% 6.5% 100%
第十五章 36.0% 6.0% 10.0% 12.0% 18.0% 8.0% 10.0% 100%
第十六章 22.3% 16.6% 15.5% 11.7% 22.6% 6.4% 4.9% 100%
第十七章 19.1% 19.1% 2.2% 6.7% 19.1% 14.6% 19.1% 100%
別表 5.3% 15.8% 5.3% 10.5% 10.5% 26.3% 26.3% 100%
総計 22.4% 16.4% 5.7% 13.5% 19.5% 9.0% 13.5% 100%