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地質ニュース

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Academic year: 2021

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一12一 全国のキュ リー点解析結果 夫久保泰邦* 奡獵 1.キュリー点法調査 キュリー点法調査は新エネルギー総合開発機構 (NEDO)カミ実施する全国地熱資源総合調査の一環として 全国の熱分布を求めることを目的に行われたものである。 全国地熱資源総合調査の概要については地質ニュース 330号NEDOニュース(Vo1.1,No.9;Vo1.2,No.18; Y.1.3,No.32;Yo1.4,N。.39)等で紹介されている.キ ュリー点法調査は昭和55年度より九州の室中磁気探査か ら始められ昭和58年度に中国・四国の解析作業を最後 に完了した・その結果についてはNEDOニュース 1984年5月号(Vo1.4,No.40)に紹介されたがここで は若干の解説を加えて報告する. なお実際の現地作業及び解析作業は米国ジオメトリ ックス社が行い調査の内容については全国地熱資源総 合調査委員会委員の各位特に地質調査所津宏治氏並び に小川克郎氏より指導をいただいて行った. れる. データ取得は全国を7地域に分け3年半の月目を賞 して行われた.第2図には各年度ごとのデータ取得範 囲を示す.側線間隔は3∼4km飛行高度は4,500ft (約1,372m)で航空機としては一部の地域を除きセス ナ404型双発≡プロペラ機(写真1)を用いて行われた.' 'データ耳{て≡} 因…寵 皿・1・ 目S58 正町仔テー一夕 ,1、`、i、β ll!見好テL夕 →東北 ・閑東 宇小工1・1几m 2.データ取得とキュリー点解析 キュリー点法調査とは岩石が磁性を失う温度(キュ リー点温度)に達する深度(キュリー点深度)を通常の空中 磁気データから求め地下の広域的な熱構造を把握する ものである(第1図参照).そのためキュリー点法調査 は空中磁気データの取得作業と解析作業の2つに大別さ ;・{ φ∫少九州 第2図 …各年度ごとの空中磁気データ取得範囲. (『 剏久呉位 泌久呉 呈 1外1一介' .Z円 一マー.・ .λ. 第1図 杢中磁気データとキュリー等温面との関係を示す 模式図。 *新エネノレギー総合開発機構(現,地質調査所) 地質ニュース362号

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全国のキュリー点解析結果 一13一 写真1セスナ404型双発プロペラ機(タイタン). このデータと地質調査所が保有する空中磁気データと合 わせて日本全土の空中磁気図を作成した. キュリー点法調査の特徴はその解析手法すなわちキユ リー点解析にあ にあるといえる. も一般的な強磁 (約580℃)にほ キュリー点解析 、 、 づ泌ぺμ ○釧路.、可“ 並ご バ動ギ 科{誠 凸篶ノ C;。望1 ノ、{ 糾機一 †ポデ ダζ十!栽箏デガ ㌧チ獄パ雄 ノー一■十ヨ1由 ㍗ド/ 糾いか曲 第3図全国のキュリー点等深線図一 1984年10月号

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一14一 大久保泰邦 ㌰ ㌻ 50」 ∂し! 、.ら. ㈬、P 40・。戸4ぴ 舳ワは 〆 ㌰ い㌰ 工50。 第4図日本および周辺の熱流量(単位HFU).(UYEDA1972 による)。 喜谷る手法であるといえる。地熱探査を目的とした先駆的 なキュリー点解析としてはBhattacharyyaandLeu (1975・)カミイエローストーン地熱地帯を対象に行った例 が著名でその後地下の熱構造を調査する地熱探査手 法として脚光を浴びるようになった. キュリー点解析用の手法としてはSpetorandGrant (1970)BhattacharyyaandLeu(1975b)等が展開し た手法カミ上げられる.NEDOが行ったキュリー点法調 査では前記の手法を若干変更して利用した.この詳細 については大久保・津・小川(1983)が地熱キュリー 点解析と題して報告した. ㌔汲' ④ ∼火山フロン/企 ⑳キュリー点8km以浅の 州倣" ㍗ 3.キュリー点解析の結果 第3図にキュリー点解析の結果である全国のキュリー 点等深線図を示す・霧島等の既存の地熱地帯のほとん どはキュリー点深度が浅く最も浅い地域で7km以浅 と匁る.逆に最も深いキュリー点深度は15∼16kmで ある. 第4図には日本の熱流量と火山フロントの位置を示し た・熱流量の分布と第3図のキュリー点等深線図を比 第5図キュリー点深度8km以浅の分布域と 火山フロント. 較した場合後者は前者より波長の短い異常の分布を示 している.異常域の分布に着目した場合瀬戸内海の 低熱流量及び日本海側の熱流量が高く太平洋側の熱流 量が低い傾向はキュリー点等深線図にも現われている. 第5図はキュリー点等深線図よりキュリー点深度8km 以浅の分布域を抽出したものと火山フロントの位置を図 示したものである.この図から火山フロントと浅いキ ュリー点深度地域とは良く一致することが読みとれる・ この様にキュリー点温度面の分布形態を概観した場合 今まで我々が知り得た地質学あるいは地球物理学デー タとほぼ整合的であるといえる. 地域的に見た場合いくつかの問題点が上げられる. この事について以下に列記する・ 1)下北半島北部や鬼首盆地等のいくつかの地熱有望地 帯においてキュリー点深度が深くだる場合がある一本 調査で利用したキュリー点解析手法では広範囲のデー タを統計的な考え方で処理し数十km四方の地域の平 均的キュリー点深度を求めるものであるため局所的高 地質ニュース362号

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全国のキュリー点解析結果 一15一 局所的 異常域 典のキュリー一柵胤度而 キュリー点解廿斤による \\ク/レ!平均的キュリー点温度面 \ 解析・い心一れおよびF均的キュリー.≒l11深度 十ウ 解析耽咄 Tokam旺tsu楯啓 M日kimine H刮も。ro Sllimokaw齪 湯楢整獵 慢業儿 Toyoha● Kot固k三 Inn固i剏 Yal〕ase・Me舶u工e. 口C日]cu工刮ted ○昌日rizaw齪■ ㈰㌰第7図地温勾配(単位℃/km). キュリー点深度より算出した地温勾配(図中の□) は以下の仮定に基づく. 1.キュリー点温度580℃ 2.熱伝導率一定 3.熱の移動は伝導のみであり対流による熱の移動 はない 4。地表の高度は65km×65kmの地域の平均値と した温異常域が検出されない現象カミ起こり得る(第6図参照). 下北半島北部や鬼首盆地はその一例であろう.この問 題に対処するためには解析手法そのものを見直す必要が あるがキュリー点解析の原理から考えて限界があると 思われる. 2)キュリー点解析では深部の岩石磁化率の不連続面を 求めこれをキュリー点深度と考えるが磁化率の不連 続面は岩相変化によるものも存在するはずである.こ のため解析結果はキュリー点深度で放く岩相の不連続 面の深度を示すこともあり得る.例えば北上山地南 東部の大船渡周辺に浅いキュリー点深度分布域があるが これは地質的構造を反映した一例であると思われる. 1984年10月号 ㈰ ρ昌 二等担 燕 第6図 真のキュリー点温度面とキュリー点解析による 平均的キュリー点温度面。 \尖コミ \\≡… 石英質せん緑岩 ペリトタイト ホルンブレンドはんれい岩 蛇紋岩化ペリトタイド ダナイト 粘板岩 'エクロノヤイト ーせん緑岩 ㌧、玄武岩 第8図 ㈰〴ぱ〰 沮度(℃) 種皮の岩石の熱伝導率の温度変化(ハ旧による)・ この解決策としては磁気データのみからの解析でなく 重力データ等との相関解析によって改善する方法が考え られる.重・磁力による相関解析については大久保 他(1983)か物理探査学会昭和58年度秋季講演会でその 一例を報告した. キュリー点深度からキュリー点温度を580℃地表の 温度を0℃としてキュリー点深度に達するまでの平均的 温度勾配を計算すると最も温度勾配の高い所で約83. C/km最も低い所で29℃/km陸域だけに限れば約36 0C/kmとなる・一方UyedaandHorai(1964)の報 告によれば陸域の非火山性地域の実測値に基づく温度 勾配は30∼35℃/kmの値を示す・実測値とキュリー 点深度からの計算値を比較した場合実測値の方が低い 値を示す傾向がある(第7図参照).この詳細について はSEG第53回Annna1Intemationa1Meetingで報告 した.しかし実測値の測定深度は数百メートル以浅

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・一16一 大久保泰邦 䙥〳䙥㈰ TiFe204100℃ ㈰徽淋…、珊 ㈰ ㈵〵寒53欄。15螂 撚鱗榊。㌘・ 31・37.1ヰ舳1・15牡!91 ・・1。。榊・・8蜘 〵 䙥第9図 䙥㌰キュリー点温度と火山岩に含まれるチタン磁鉄鉱の化学組成との関係(NAGATA,196!による). 䙥㈰と浅いため表層付近での温度勾配であるといえる・一 方実験データによれば温度の上昇に伴って岩石の熱 伝導率が変化する(第8図)ことから地下敷kmの深部 まで温度勾配が一様であるとは考えにくい.また磁 性鉱物のキュリー点温度はその種類によって大きく変化 することが知られており(第9図)岩石のキュリー点温 度も含有する磁性鉱物の種類によって580.Cにならない ことが考えられる・そのため実測値とキュリー点深度 からの計算値とを比較することは単純な話ではない. 現段階ではキュリー点深度に達するようなボーリング データが狂いため解析深度の定量的評価は容易でない といえる.温度勾配の実測値と計算値の間のバイアス についてはキュリー点解析あるいは地下温度分布を検 討する上での今後の問題として考えたい. 4.むすび 本調査で得られたキュリー点深度の分布図は全国地 熱資源総合調査の最終成果である地熱有望地域図(第10 図参照)作成のための広域的な熱源分布のデータとして 利用されている.また日本全土の空中磁気データは 地熱地帯の地下構造の解明に利用されている・今後こ れらの成果が地質学的あるいは地球物理学的な議論に寄 与するデータとして広く利用されることを期待する. 謝辞:キュリー点解析結果の公表の許可を新エネルギー 総合開発機構からいただいた.ここに関係各位に感謝 の意を表したい. 引用文献慴捨敵楳潦杮整楣 anomaligsoverYe11owstoneNationa1Park:Ma甘 pingofCuriePointisotherma1surfaceforgeothe・ rma1reconnaissance-J・ofGeophys・Res・,Vo1・80, No.32,p.4461∼4465. 慴捨敵戩印散慮楳潦 gravityandmagneticanoma1iesduetotwo-dimens・ iona1structures.Geophys.,Vo1.40,No.6,p.993∼ ㌮ Hansen,Okubo,Y。,Graf,Tsu,H.andOgawa,K一(1983) NationwideCuriePointdepthana1ysisofJapan・ 卅慴楯瑩湧 Abstracts,p-218∼223, Nogata,T。(1961)Rockmagnetism.Maruzen,Tokyo. 大久保泰邦(1984)日本の地下温度分布キュリー点等深線図. NEDOニュースVo1.4,No.40. 大久保泰邦高木慎一郎津宏治小川克郎(1983)東北と北 海道におけるキュリー点深度解析結果・物理探査学会昭 和58年秋季講演会予講集,p,34∼35. 大久保泰郎津宏治小川克郎(1983)地熱キュリー点解析. 月刊地球No.4,p.233∼238. SpectorandGrant(1970)Statistica1mode1sforinter・ pretingaeromagneticdata.Geophys。,Vo1.35,No.2, p.293∼302. Uyeda,S.and亘。rai,K.(1964)Terrestria1亘eatFIow inJapan.J,ofGeophys.Res。,Vol.69,No.10,p. 2121∼2141、 山口靖ほか(1982)全国地熱資源総合調査.地質ニュース ㌰㈵ 地質ニュース362号

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17一 全国のキュリー点解析結果 η吾}-… 一、一 、一一一 群珪拙苗睦曲…亡…誓基壼蹄鞘坤■ ^}申。・辞#曲鞄苗舘 .顯灘識翻撫 ㈱簿鏑雛燦 一鰯一欝讃翻無 {一寒-一簑・㌧・ 一帯§奏 η竃 簿◇幾 蟻轡バ\一 \コ“㌔{ 飾、剖γd一・叩 旭,灘繍駿螺鞍潟擁鎖嚢孫 一撃理岱嚢簑 ア㌧ 柚一…榊 ㎜… ・肺ホ撒巾 、吐出… 咄血' 皿…曲[ 一一神柑 中軸詑 咄舳一 一一一 一一出山 軸空榊 蕊簑地熱有望地域図 鑑灘欝鰯鱒繊欝」 -舳一一繊綴、 一一撃霧靴蟹一・ 」」一義昌鵠瀞 擦蟷載韻樽製糞 第10図 1984年10月号

参照

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