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第3章 主要な都市計画の決定の方針
3-1 土地利用に関する方針
(1)基本方針
土地は限られた資源であるとともに、都市空間を形成する最も基本的な要素であり、土地を どのように利用するか、ということを明らかにした上で、有効利用を図ることが必要である。 このため、都市づくりの基本理念である『人と自然・文化との調和』を念頭に置き、守 るべき土地を明らかにして、積極的な保全およびこれとの共生を図るとともに、利用すべ き土地についても、住宅、商工業として利用する土地を明らかにし、南城市に見合った土 地の利用集積の高度化を進めるものとする。 また、土地は、公的な性格と私的な性格の両方を有しているため、計画的な土地利用を進め るには、様々な規制や誘導を行うことが必要となる。このことから、「きまり」や「制限」を定 め、守るところと利用するところ、利用の仕方を明確にして秩序ある土地利用を進める。 ■計画的な土地利用を実現するための前提条件(都市計画区域制度)について 本市では、那覇広域都市計画区域に属す地域(佐敷地域・大里地域)と、都市計画区域 外の地域(玉城地域・知念地域)が混在している。 しかし、合併に伴う一体的な都 市づくりを推進すべく、これから は、離島を除く市全域を基本に、 都市計画区域を設定することを目 指していく。 また、地域の実情に合ったまち づくりを進めることの必要性から 市単独の区域区分を適用しない (非線引き)都市計画区域の実現 を目指す。自然環境や歴史・文化遺産との調和を図りつつ、
生活・都市活動の場(市街地)を拡充する土地利用
南 城 市 単 独 の 都 市 計画区域を創設 佐敷地域・大里地域 線引き⇒非線引きへ 【図 都市計画区域再編方針】 久高島は、都市計 画区域外のまま 玉城地域・知念地域 都市計画区域外⇒非線引きへ 奥武島は、地域の実 情を勘案しながら、 必要に応じて都市計 画区域に設定- 22 -
(2)主要用途の配置の方針
ここでは、「将来都市構造」のゾーンを展開する形で、住・商・工を中心とした主要用 途の配置方針を整理する。 ①住宅地 住宅地は、人々の日常生活の基本となる場であり、若年夫婦世帯の流入・定着を促す ためにも適正に配置し、都市基盤を整えて、良好な居住環境を形成する必要がある。 本市においては、市街地拠点として位置づけた地域のうち、国道331 号および県道 77 号線の沿道の後背地や、南部東道路つきしろIC 周辺後背地において、「専用住宅ゾーン」 を配置する。 当該ゾーンでは、戸建てによる中低層の住 宅地としての利用を基本とする。ただし、地 域の幹線的な道路等に近接する利便性の高い 地区においては、集合住宅や生活利便施設も 必要に応じて立地する土地利用を誘導する。 それ以外の地域では、山林や農地と共存し、 ゆとりのある環境の形成にも留意する。 ②商業地 商業地は、物品サービスの場であるとともに、人々が交流する賑わいの場であり、い わゆる都市らしさを形作る重要な要素である。 本市においては、市街地拠点として位置づけた地域のうち、国道331 号および県道 77 号線の沿道で「住宅・サービス施設共存ゾーン」を配置する。 当該ゾーンでは、集合住宅を含む多様な住 宅と周辺居住者の日常生活を支える利便施設 が共存する土地利用を誘導する。また、市内 外多くの人が利用する道路特性を踏まえ、自 動車によるアクセス性を活かしたサービス施 設の立地を誘導する。 大里グリーンタウン 国道 331 号沿道- 23 - ③工業地 工業地は、生産活動の場であり、また、就業の場として、地域経済の発展に重要な役 割を果たすものである。 本市では、南部東道路つきしろIC および知念 IC の周辺地区や、既存の工業集積(古堅地 区)を含んだ那覇空港自動車道南風原北IC 周辺で「工業・流通業務ゾーン」を配置する。 当該ゾーンでは、幹線道路へのアクセス利便性に加え、漁港・水産業との連動性など、 地域の環境特性を考慮しながら業種選定を行い、計画的に企業誘致を図る。既存の工業集 積については、周辺環境への影響に対する配慮を促進する。
(3)その他土地利用の方針
①用途転換、用途純化又は用途の複合化に関する方針 「(2)主要用途の配置の方針」で位置づけた地区では、それぞれの市街地像に応じて 用途純化など、計画的な土地利用を誘導するため、農業施策との調整を十分に行い、「用 途地域」の新規指定を検討する。郊外に位置する知念IC 周辺地区についても、工業地と して企業誘致に努め、工業系用途地域の指定の如何はその規模等により検討する。なお、 既に用途地域が指定されている馬天地区の大規模な工場跡地については、住居系として 用途地域の見直しを行う。 その他、ウェルネスリゾート沖縄休暇セン ターを中心とした市中央部の地区では、同施 設の民間への営業移行(平成21 年 2 月)や、 つきしろIC の整備による交通利便性の向上 等を考慮しながら、統合医療や地域のコミュ ニティ等の拠点として、計画的な用途転換・ 用途複合化を進める。 石切場の跡地を中心とした読山原地区につ いても、産業プロジェクト拠点としての位置 づけや地域の実情を考慮しつつ、大規模な敷 地を活かした計画的な用途転換を進める。 ②居住環境の改善又は維持に関する方針 都市基盤が整備された既成市街地や、計画的開発団地のうち、建て替え更新時期に備 えて居住環境の維持・改善が望まれる地区については、「地区計画制度」や「建築協定」 等のきめ細やかなルールの活用を促進する。 ウェルネスリゾート沖縄休暇センター- 24 - 新たに市街地を形成する地区については、「土地区画整理事業」の検討や、一体的開発 と連動した地区計画制度の活用促進を図り、計画的な土地利用の誘導に努める。 漁村集落など、密集形態を有する集落については、建築基準法に基づく建築ルール(接 道義務など)の弾力的な運用や、必要な基盤整備、オープンスペースの確保を図り、防 災性の向上に努める。 ③都市内の緑地又は都市の風致の維持に関する方針 緑地は、都市生活に潤いを不える重要な要素である。 このため、市街地・集落の背景を成している斜面緑地等の積極的な保全を図るべく、「風 致地区」等を指定する。また、市街地内や縁辺に分布する農地についても、必ずしも宅 地化を前提とするのではなく、防災や景観形成、レクリエーション等の多面的な機能を 考慮したなかで、必要に応じ保全と有効活用を促進する。 海岸周辺についても、国道331 号等か らの良好な眺望を維持できるよう、風致 地区等の指定により、緑地保全を図ると ともに、建築活動の際には、建築物のボ リュームを抑え、敷地内の緑化を促進す るなど、風致の維持に努める。 ④優良な農地との健全な調和に関する方針 広大なサトウキビ畑の営農景観は、本市の特徴の一つであり、市街地近郊にも農地が 広がっている。 このため、「農業振興地域制度」や「農地 転用制度」との連携を通じて、優良農地の 保全を図る。 生活・都市活動の場として都市的土地利 用を配置する場合でも、農政部局との十分 な調整を行い、無秩序・無計画な宅地化を 抑制する。 優良農地(サトウキビ畑) 市街地・集落の背景を成す斜面緑地
- 25 - ⑤災害防止の観点から必要な市街化の抑制に関する方針 多くの人が居住する市街地の安全性を維持するため、市街地周辺に位置する斜面・崖 地について無秩序な開発を抑制する。 また、市全体として、地形の高低差が大きく、地すべり危険箇所等が各所に存在して いることから、このような土砂災害危険箇所における開発の抑制を図る。 ⑥自然環境形成の観点から必要な保全に関する方針 市の中央部を横断するハンタ緑地をはじめ、丘陵地等に広がる自然環境については、その 積極的な保全と適正管理を図るべく、「風致地区」の指定とともに「緑地保全地域」等の指定・ 併用を検討する。 あざまサンサンビーチから奥武島にかけての海岸部についても、自然海岸が多く残さ れ、イノー(礁池)を中心として、優れた自然環境が形成されている。このため、「海岸 法」等の他法令との連携や、「沖縄県赤土等流出防止条例」の運用等を通じて、土地利用 の適正化を図り、自然環境の保全に努める。 ⑦計画的な都市的土地利用の実現に関する方針 市街地外(用途白地地域)では、「特定用途制限地域」の指定や、「建築形態規制(建 ぺい率など)」の適用、「開発許可対象面積の引き下げ」等を行い、秩序ある開発・土地 利用を誘導する。 特に、幹線道路沿道など、もともと利便性の高い地域では、非線引き都市計画区域へ の移行や南部東道路の整備の影響から、無秩序な開発と土地利用の混在化が進む可能性 があるため、特定用途制限地域を指定し、重点的に秩序を求めていく。 また、都市基盤が未整備なまま、宅地化だけが進まないよう、開発調整に係る「条例 の制定」や、「開発指導要綱」の作成をあわせて検討する。
- 26 - 【図 土地利用に関する主要な方針】
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(4)土地利用の規制・誘導手法の方針
計画的な土地利用を実現するためには、「その他土地利用の方針(P23~25)」でも触れ たように、土地利用を規制し、誘導する手法が必要である。 このため、本市では、以下のような基本方針に基づき、具体的な施策を講じていく。 ①基本方針 ■都市計画法に基づく土地利用の規制・誘導の充実 都市計画法に基づく土地利用の規制・誘導については、「市街化区域・市街化調整区域に よる区域区分(線引き)」が代表されるが、本市の場合、前述したように区域区分を適用し ない。これは、市民意向を考慮したものでもあるが、市民は、単純な規制の緩和を望んで いるのではなく、あくまでも計画的な都市的土地利用の展開を望んでいるのであり、引き 続き、都市計画法に基づく土地利用規制を適正に運用する必要がある。 このため、様々な土地利用が競合することが予想される地区では、実態調査も踏ま えつつ、最も基本的な土地利用規制である「用途地域」の指定拡大を検討するととも に、これを補完する制度として、「特定用途制限地域」や「地区計画制度」等の新規活 用をあわせて検討していく。なお、これらの実施にあたっては、農政部局等との調整 を十分に行い、土地利用規制全体として連携・整合させた適正な運用を図る。 そのほか、本市の魅力を維持する観点から、「風致地区」の新規指定をはじめ、豊か な自然環境や、歴史・文化遺産と一体となった良好な環境・景観を保全するための規 制・誘導を進める。 ■その他の現行法令や条例との連携 本市では、現在、都市計画法以外の各種法令に基づく様々な土地利用の規制・誘導 が行われている。例えば、「農振法に基づく農用地区域」や、「森林法に基づく保安 林」、「文化財保護法に基づく文化財指定・登録」等であり、これらによって、無秩 序な開発の抑制を図り、一定の成果をあげている。 今後についても、都市計画法による規制と相まうことでより効果的に土地利用の整 序を図る観点から、基本的には現状の土地利用規制を維持するものとし、また、各種 法令の主旨や土地利用の実態に照らしながら、必要に応じて指定拡大を促進する。 一方、現行法令による土地利用規制は全国一律のものであり、これらの運用だけで は、地域の望ましい土地利用の実現が困難な場合もあり得る。このため、景観形成の 視点から土地利用の規制・誘導に作用する「景観法」の新規適用のほか、「まちづく り条例」の制定など、現行法令を土台とし、あるいは現行法令を補完しながら南城ら しい土地利用の規制・誘導を図るための方策について検討を行う。- 28 - 【図 南城市における将来の土地利用規制のイメージ】 住宅地 道路 港湾 IC 商業地 工業地 ◎基本となる規制 基本的な建築制限(用途や形 態の規制)を加える制度 現在の土地あるいは 将来の土地利用像 ◎用途制限補完系の規制 住環境の保全等のため、より きめ細やかに建築制限を加 える制度 工業系 用途地域 商業系 用途地域 住居専用系 用途地域 住居系 用途地域 用途地域 白地地域(用途地域の指定の無い土地) 特定用途制限地域 (各地域によって規制内容を変化) ◎景観・環境保全系の規制 景観や自然環境を保全する ため、一定の建築制限を加え る制度 景観地区 風致地区 都 市 計 画 法 に 基 づ く 土 地 利 用 の 規 制 ・ 誘 導 そ の 他 の 現 行 法 令 等 と の 連 携 保安林 (森林法) 重要文化財・ 史跡名勝天然記念物 (文化財保護法) 保安林 (森林法) 行政区域全域 (農地法、南城市土保全条例、景観法など) 農用地区域 (農振法) 都市計画区域 (単独・非線引き) ※青字・・・平成 20 年度時点で指定・活用済みの制度 地区計画制度 緑地保全地域
- 29 - ②都市計画法に基づく土地利用の規制・誘導について 用途地域の指定の無い地域は、基本的に「何でも建てられるエリア」であり、そういっ た地域で無秩序な開発を抑制するための規制を備えることが、本市の重要な課題である。 ここでは、秩序ある都市的土地利用の実現のために、特に活用が想定される「用途地域」 と「特定用途制限地域」(いずれも市決定)について、活用のあり方を整理する。 用途地域 建築できる建築物の用途を定めるもので、様々な土地利用 が競合する市街地で活用される。 特定用途制限地域 建ってほしくない建築物の用途を定めるもので、主として、 郊外部での土地利用規制としての性格を有する。 ■「用途地域」の指定について 「用途地域」は、市街地における最も基本的な規制・誘導手法であり、本市におい ても、優先的に指定検討を行う必要がある。 しかし、用途地域は、市街化を促進する「市街化区域」に準ずる性格にあるため、 指定しようとする箇所が農業振興地域に含まれる場合は、農政部局と十分協議を行い、 重複関係を解消する必要がある。また、都市基盤が未整備なまま宅地化だけが進まな いよう、土地区画整理事業等により、都市基盤を整備・確保することが求められる。 こうしたことから、広範囲にわたる用途地域の指定拡大を早期に実現するのは難し く、本市としては、最終形・理想形を見据え、代替措置(特定用途制限地域)を活用 しながら段階的に取り組んでいくものとする。 時期 市街地における規制・誘導の基本的な考え方
短期
(都市計画区域再編 と同時期) 「特定用途制限地域」を中心に運用 ●既に指定のある用途地域については、そのまま継承。 ●それ以外の地区では、用途地域とほぼ同等の規制力を有する一方で関係機関 との調整が容易(農業振興地域との重複可)な特定用途制限地域で代用。 ●特定用途制限地域の規制内容は、全国一律でなく、自由に規定できるが、 将来指定する用途地域の内容をイメージしたものとする。中長期
(都市計画区域再編 以降:H22年度~) 「特定用途制限地域」から「用途地域」への段階的な移行 ●大里グリーンタウンなど、基盤整備済みの地区では、早期に用途地域に指定。 ●それ以外の地区では、土地区画整理事業等の導入検討を並行して進め、 財源や農政協議の面で熟度が高まった地区から、順次、特定用途制限地 域から用途地域へ移行。 ●市街地としての位置づけの無い地区で、用途地域の拡大を行う必要があ る場合は、原則、マスタープランの変更とあわせて対処。- 30 - ■「特定用途制限地域」の指定について 市街地外では、農地や森林と共存した良好な居住環境を保全するための規制・誘導 が必要である。特に、都市計画区域再編に伴う区域区分(線引き)の廃止は、相当の 規制緩和として捉えられ、市街化調整区域であった地域における土地利用の規制・誘 導は当面の重要な課題として挙げられる。 そのため、市街地外では、線引き廃止に伴う無秩序な開発への対応と、各地域の特性 に応じたきめ細やかな土地利用を誘導する観点から、都市計画区域再編と同時に特定用 途制限地域を指定し、制度主旨に沿って「特定の建築物の立地規制」を図る。 【図 用途地域、特定用途制限地域の指定の流れ(その他の代表的な制度についても記述)】 都市計画基礎調査等による実態調査
H21 年度
(仮称)南城都市計画区域の創設 風致地区の指定 (ハンタ緑地等) ■各種プランの策定 ■土地利用方針実現に向けた 各種土地利用規制の指定H22~24 年度
H25 年度~
区域マスの定期見直し※5年毎 用途地域への 段階的な移行 (区画整理等 とセット) 景観計画の策定 (景観法の適用) 現 行 用 途 地 域 の 継 承 ( 住 宅 団 地 等 ) 用 途 地 域 へ の 移 行 特定用途制限地域 市街地として 方向づけた地域 市街地外 風致地区等の指定・拡大 用途地域 (仮称)南城都市計画区域 マスタープランの決定 南城市都市計画マスター プランの策定 都市マスの適宜見直し 都市計画 区域外 特定用途制限地域 景観地区・準景観地区の指定 各種取り組みの継続 用 途 地 域 特定用途制限地域の指定 (用途地域指定箇所を除く全域) 景観計画区域の指定- 31 - ③「特定用途制限地域」の指定に関する基本方針 本市における都市的土地利用の規制・誘導については、前述したとおり、「当面、特 定用途制限地域を中心に運用」していくこととする。 同制度は、全国一律の12種類である用途地域と異なり、自由に規制内容を設定できる のが特徴であり、ここでは、その適正運用のための基本的な考え方を整理する。 ■基本方針 ■ゾーン区分と、各ゾーンにおける規制の考え方 ゾーン区分は、本プランによる土地利用方針(P26)を踏まえつつ、5種類設定する。 それぞれの規制内容については、以下のように、将来の土地利用像とともに、相対 的な関係も捉えて適切に設定する。 ●「用途地域の指定の無い地域」全域での指定を基本とする。これは、指定しないエリ ア(必然的に何でも建てられるエリア)をつくると、市全体の土地利用のバランスに 影響する可能性があるためである。 ●指定地域について、一律同じ規制内容にするのではなく、地域特性に応じてゾーン区 分を行い、それぞれで規制内容に差をつけるものとする。 ●立地規制を図る建築物の種類は、遊戯施設・風俗施設をはじめ「住環境等に悪影響を 及ぼす可能性のあるもの」に限定するものとし、各ゾーンでは、それぞれの特性に応 じて、建てさせない建築物の種類や面積規模等を設定する。 【例えば・・・】 ●農地、集落が広がる地域では、その良好な居住環境や営農環境を保全するため、規制を 厳しく設定し、土地利用の混在(農地と宅地、住宅と工場等の混在)を防止する。 ●海岸周辺部では、その良好な環境を保全すべく全域的に規制を厳しくするが、レクリエ ーションの拠点として位置づけた地区では、規制を比較的緩くし観光需要に対応する。 ●幹線道路沿道では、そのポテンシャルを踏まえて、規制を緩く設定し、商工業を含め た土地利用の自由度を確保する。 ●上記のように、幹線道路沿道では規制を緩く、その他の地域では厳しくする、といっ た規制強度のメリハリと相対性を確保することにより、幹線道路沿道への都市的土地 利用の集約化等を効率的に進める。
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【
表・図 特定用途制限地域のゾーン区分や、それぞれの規制強度の考え方】 特定用途制限地域の ゾーン名称 指定を予定する場所 ※( )内は、土地利用方針上のゾーン 特定用途制限地域に おける相対的な 規制強度 産業環境地区 既存工業集積地 (工業・流通業務ゾーン) 緩い 幹線道路沿道地区 市街地型 将来市街地内の幹線道路沿道 (住宅・サービス施設共存ゾーン) 幹線道路沿道地区 農村型 将来市街地外の幹線道路沿道 (沿道利用調整ゾーン) リゾート環境地区 拠点的な観光地周辺 (レクリエーションゾーン、大規模敷 地活用検討ゾーン) 居住環境保全地区 上記以外の地域 (農住共生ゾーン、緑地ゾーン、南部 海洋ゾーンのほか、将来市街地のう ち幹線道路沿道を除く地区※) 厳しい ※将来市街地のうち幹線道路沿道を除く地区は、現時点で農振除外・区画整理等が 可能な範囲が担保できないため、専用のゾーン区分は設けないこととする。 2 種住居 1 種低層 1 種住居 1 種中高層 1 種中高層 現在の市街地 (現行用途地域) 将来市街地 ⇒将来的には、用途地域 への移行を目指す 国道 331 号 南部東道路 国道 331 号 県道 48 号線・ 77 号線- 33 - ■特定用途制限地域の具体的な規制イメージ (短期施策) 国道 331 号 南部東道路 幹線道路沿道地区 市街地型 ●用途制限イメージ 地域の日常生活に対応した利便施設を許容し、住環 境に悪影響を及ぼす可能性のある建築物は規制。市 街地外の幹線道路沿道に比べ、規制する用途の種 類・規模の範囲を狭く(規制を緩やかに)する ●仮に、用途地域を指定する場合の目安 佐敷市街地の幹線道路沿道では、「第 2 種住居地域」 が指定されているため、これと同等にする 幹線道路沿道地区 農村型 ●用途制限イメージ 地域の日常生活に対応した利便施設を許容し、住環 境に悪影響を及ぼす可能性のある建築物は規制。市 街地内の幹線道路沿道に比べ、規制する用途の種 類・規模の範囲を広く(規制を厳しく)とる ●仮に、用途地域を指定する場合の目安 市街地内の空洞化を防止するため、市街地型よりも規 制を厳しくするものとし、「第 1 種住居地域」を基本 国道 331 号 県道 48 号線・ 77 号線 産業環境地区 ●用途制限イメージ 住環境に著しく悪影響を及ぼす建築物のみ規制。 ●仮に、用途地域を指定する場合の目安 工業振興と、住環境保護を両立する視点から 「準工業地域」を基本とする 居住環境保全地区 ●用途制限イメージ 住環境に悪影響を及ぼす可能性のある建築物を積極 的に規制。他地区に比べ、規制する用途の種類・規 模の範囲を広く(規制を厳しく)するイメージ ●仮に、用途地域を指定する場合の目安 日常生活を支える店舗等を許容しつつ、住環境を保護 するものとして、「第 2 種中高層住居専用地域」を基本 リゾート環境地区 ●用途制限イメージ 住環境に悪影響を及ぼす可能性のある建築物を積極的に規制。 ただし、観光振興の受け皿としていくため、リゾート関連施設は、 周辺環境に影響を与えない範囲で許容 ●仮に、用途地域を指定する場合の目安 住環境保護を前提としつつ一定の観光利用を図るため、「第 2 種中高層住居専用地域」を基本に、ホテル・旅館等は制限無し
- 34 - ④「用途地域の指定の無い地域」で活用を想定するその他制度 ■良好な居住環境を維持するための「建築形態規制」の適正運用 「建築形態規制」は、敷地面積に対する建築物のボリュームや高さを制限し、周辺 と調和のとれた良好な居住環境の維持を図ろうとするものであり、都市計画区域内で は全域でこれを設定する必要がある。 本市においては、土地利用方針に沿った建築活動を誘導するため、都市計画区域再 編前から運用してきた基準や、各地域の実態に照らしながら、低層・低密度の形態を 基本として適正に建築形態規制を設定し、運用していく。 ■適正で優良な開発を誘導するための「開発許可制度」の柔軟な運用 「開発許可制度」は、一定規模以上の開発行為について許可制をとり、周辺環境と の調和や、良好な宅地水準を確保しようとするものである。当該制度は、地域特性に 応じて許可対象の面積規模や許可基準を強化または緩和することが可能であり、本市 ではこれを踏まえつつ適正に運用していく。 特に、線引きを廃止した場合、市街化調整区域であった地域では、開発許可の対象・ 許可基準が急激に緩和され、無秩序な開発が進む可能性があるため、本市においては、 開発許可対象の面積規模の引き下げ(3,000㎡→1,000㎡など)等を検討する。 ■地域に根ざしたきめ細やかな土地利用の規制・誘導を図るための「地区計画制度」の活用 「地区計画制度」は、住民が主体となって定める地区レベルのまちづくり制度であ り、用途地域等よりも、きめ細やかに建築物の用途や形態の規制・誘導を図るもので ある。 本市においては、例えば、既存の開発団地において良好な居住環境を維持したいが、 その位置・規模からいって用途地域の指定がなじまない場合や、新市街地形成の際、 周辺との景観調和を図るために建築高さ規制や緑化等の配慮が求められる場合など、 様々な活用ケースが考えられる。今後は、用途地域等の基本的な規制に関する協議と あわせて、地域住民の発意を促し、随時、制度活用の検討を行っていく。 ■良好な環境を有する緑地を保全するための「地域制緑地」の活用 地域制緑地は、自然環境を積極的に守るため、都市計画法に基づく「風致地区」や、都 市緑地法に基づく「緑地保全地域」等の指定により、保全の担保性を高めるものである。 その制度主旨からいって、本市においても活用検討を進めるべきものであり、今後 は、「沖縄県広域緑地計画で位置づけのある地域」、「良好な自然が残されている地域」、 「歴史・文化的に重要な地域」、「開発される可能性が高い地域」を中心として保全の あり方を検討し、段階的に制度の導入を図っていく。
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3-2 都市施設の整備に関する方針
(1)交通施設に関する方針
①基本方針 本市は、那覇市に近接し、那覇空港に直接アクセスする国道 331 号も通っているが、 人や物の動きは活発ではなく、広域交通網の強化が必要である。また、高低差の大きな 地形条件もあって、市内の道路ネットワークが十分に構築されていない状況にある。 そのため、本市では、ハンタ緑地等の特色ある地形、自然環境と調和しつつ、都市間を 連絡する広域幹線道路の整備やこれと一体となった都市内道路ネットワークの形成を図 る。同時に、歩行者への配慮や、南城らしい特色ある道づくりを進めることなどによって、 多くの人が本市を訪れやすい、また、誰もが市内を安全・快適に移動できる空間の実現を 目指す。 ■南部東道路を大動脈とした利便性の高い交通ネットワークの形成 那覇市等と本市を結び広域的な交流を担う道路として、また、県南部全体の振興に も寄不する重要な道路として、南部東道路の整備を積極的に促進する。 また、これを軸とした分かりやすい都市内道路ネットワークを形成するため、国道 331 号等の既存の道路配置を踏まえつつ、「主要幹線道路」「幹線道路」「補助幹線道路」 といった道路の段階構成を明確化し、各道路の役割に応じて計画的に整備を進める。 なお、市内の移動については、道路だけでなく、公共交通、海上交通も含めた全体 的なネットワークの構築にも配慮していく。 ■自然環境や歩行者に配慮した道路の整備 本市の魅力である自然・景観と調和した道路整備を進める。特に、南部東道路はハ ンタ緑地に沿って計画されていることもあり、整備にあたっては、その緑豊かな環境 と調和し、沿道の動植物や景観に対して十分な配慮を図る。 また、歩行者への配慮として、市街地内の道路や、公共・公益施設へのアクセス道 路について、安全で快適に利用できる空間整備に努める。 ■グスクロードなど観光・交流を支援する道路の整備 グスクロードをはじめとして、地域の歴史・文化を活かした特色ある道づくりを進 める。また、斎場御嶽や、あざまサンサンビーチ、奥武島、そのほか海への眺望が優 れた箇所など、観光資源の分布を考慮しながら、観光客に本市の魅力を十分に堪能し てもらうための道路網・交通環境整備を図る。都市間・市内のネットワークを形成し、交流を生み出す交通施設づくり
- 36 - ②整備目標の水準 着実な道路整備により、概ね20 年後には、那覇空港から 30 分圏(現状は 40 分圏内) のアクセス利便性を確保することを目標とする。 ③主要な施設の配置の方針 ■道路 a.主要幹線道路 南部東道路は、地域高規格道路として整備区間指定を受けたつきしろIC までの早 期整備を促進する。また、市東部(知念 IC)までの計画延伸についても積極的に促 進する。 b.幹線道路 隣接都市との交流や、市内各地域の連携強化を担う幹線道路として、国道331 号、 県道48 号線、県道 77 号線を位置づけ、屈曲の多い国道 331 号の整備や、県道各路 線の道路改良を促進する。 また、これらの路線は、市内の各 都市拠点にアクセスする根幹的な道 路となるため、分かりやすいサイン 類の整備や、美しい沿道景観の創出 など、快適に利用するための配慮を 図る。 c.補助幹線道路、生活道路 南部東道路IC へのアクセスを担うとともに、幹線道路のネットワークを補完し市 内各地域の連携強化を担う補助幹線道路として、市道南風原田原線等の市道、県道 を位置づけ、「南城市道路網整備計画」に基づいて順次整備を進める。 そのほか、市街地や集落で発生する交通を円滑に処理し、通過交通を誘発しない よう、生活道路を適正に配置していく。 国道 331 号
- 37 - d.自転車道・歩行空間 グスクロードに代表されるように、各地域の歴史・文化遺産を結び、PR できる歴 史回廊の整備を図る。 また、美しい風景を眺めながら市内 をゆっくり、じっくり散策できるよう、 「沖縄のみち自転車道」を軸とした自 転車・歩行者道ネットワークの整備を 進める。なお、そのネットワークにつ いては、各地域の状況に応じて、テー マ性も持たせ、多様な利用を進める。 ■公共交通 那覇バスターミナルと本市を結ぶ県道48 号線の路線を中心として、既存バス路線の維 持を促進する。市内を循環するコミュニティバスについては、将来都市構造に応じて路 線の充実を図るなど、高齢者等の移動を支援するバスネットワーク形成に努める。 また、日差しの強い沖縄の気候風土を踏まえ、歩道幅員に応じてあずま屋(屋根等) を備えたバス停の整備を図るなど、利用の利便性・快適性向上に努める。 ■港湾 物資輸送拠点として中城港湾を配置し、港湾施設の改修やアクセス道路の整備を図る。 また、馬天地区等の港まちの雰囲気を活かし、観光・交流の場としての整備も進める。 安座真地区については、久高島住民の生活利便性の確保や観光振興の観点から、航 路の維持を図る。 ④主要な施設の整備目標 概ね10 年以内の主要事業を次のとおり想定する。 種 別 名 称 道 路 南部東道路(主要地方道南風原知念線) 国道 331 号 中山改良 県道 77 号線(主要地方道糸満与那原線) 県道 137 号(一般県道佐敷玉城線) 市道南風原田原線 市道長堂上原線 市道 157 号線 (仮称)市道佐敷大里連絡線 他 沖縄のみち自転車道(一般県道玉城那覇自転車道線) 港 湾 中城港湾馬天地区 沖縄のみち自転車道
- 38 - 【図 交通施設に関する主要な方針】
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(2)下水道および河川に関する方針
①基本方針 ■下水道 本市は、三方を海に囲まれ、湧水も多く点在するなど、水の環境に恵まれており、 水質の保全・浄化は重要な課題である。また、衛生的な居住環境を確保すべく、公共 下水道の整備を進めているが、今後、新たな定住を促進していくにあたっては、生活・ 都市活動に必要な受け皿として、整備水準を高めていくことが必要である。 こうしたことから、沖縄県下水道等整備構想(沖縄汚水再生ちゅら水プラン)を含 む既存の整備計画や、本市の土地利用方針に照らして、引き続き公共下水道事業を推 進するとともに、市街地外については、他の汚水処理事業と連携して効率的・効果的 に対策を進める。 ■河川 本市は、県南部を流れる主要河川の源流域に位置し、水量の多い大きな河川は流れてい ないが、大雤などによって、局所的に水害が発生している。また、流域全体としてみると、 市街化の進展等に伴う流出量の増大、保水能力の低下など、河川に係る諸条件の悪化によ って水害が多発している。そのため、本市では、広域的な視点、総合的な雤水対策の視点 に立って、河川整備や、雤水貯留施設配置等を進める。 また、河川浄化の取り組みも重要である。雄樋川や報得川等は、県内でも特に汚れ ている川の一つとして挙げられており、 本市としては、源流域の良好な環境を 保全するとともに、下流域の市町と連 携して、河川浄化対策を進める。 なお、河川整備にあたっては、地域 住民の意見を反映した親水性のある多 自然川づくりに努める。 雄樋川名水の地としてふさわしい、美しく親しみのある水環境づくり
交流を生み出す交通施設づくり
- 40 - ②整備目標 ■下水道 概ね20 年後の整備目標は次のとおりである。 種 別 平成 17 年 平成 37 年 汚水処理人口 公共下水道 3.8 千人 50.0 千人 農業・漁業集落排水施設 18.4 千人 合併処理浄化槽等 10.9 千人 合 計 33.1 千人 汚水処理 人口普及率 公共下水道 9.3% 100.0% 農業・漁業集落排水施設 45.2% 合併処理浄化槽等 26.7% 合 計 81.2% ■河川 概ね20 年後の整備目標は次のとおりである。 種 別 平成 17 年 平成 37 年 河川整備率 79% 100% ③主要な施設の配置の方針 ■下水道 西原町、不那原町、中城村、本市による中城湾南部流域下水道の整備を促進するとと もに、これとの調整を図り、市内未整備地区における公共下水道の整備検討を進める。 市街地外を中心とした地域については、農業集落排水事業や、漁業集落排水事業、さ らには合併処理浄化槽設置促進との併用によって処理体制の充実を図る。 ■河川 県管理(二級河川)の雄樋川について、大雤・増水時の氾濫を防ぐ河川整備を促進すると ともに、下水道整備等による水質浄化とも連携し、親水環境の創出に努める。 また、報得川や手登根川など、市管理の河川・水路についても、農林業等の関連事業 との連携を図りながら、必要な整備を図る。 ④主要な施設の整備目標 概ね10 年以内の主要事業を次のとおり想定する。 種 別 名 称 下水道 佐敷幹線(中城湾南部流域下水道) 河 川 報得川 手登根川
- 41 - 【図 下水道および河川に関する主要な方針】
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(3)その他の都市施設に関する方針
健康で文化的な都市生活および機能的な都市活動を確保し、その向上を図るため、必要 となる各種施設の整備を図る。 特に、ごみ処理や、し尿処理については、南部広域行政組合等により、周辺市町との広 域的・一元的な対応を図るものとし、新たな施設整備にあたっては、都市計画に位置づけ、 地域の合意形成や周辺環境との調和に配慮する。3-3 市街地、その他基盤整備に関する方針
(1)基本方針
本市の土地利用は、これまでは農地が中心で、市街地については、佐敷地域と大里地域 に若干の設定があるのみで、都市基盤の整備が十分に行われてこなかった経緯がある。ま た、大里地域については、嶺井団地が市街地に指定されているだけで、実際に都市機能の 中心である大里庁舎一帯は市街化調整区域となっており、現実の都市構造と、都市計画の 区域指定の間にギャップがあった。 さらに、知念地域と玉城地域については、都市計画区域外であったため、そもそも面的 な市街地整備を導入する条件に無かったという状況がある。 こうしたことから、本市では、都市計画区域再編を契機として、適正な規模の市街地を 設定し、都市機能の充実と集約化を図ることを重視する。また、それぞれの市街地や地域 が、個性を備えていけるよう、自然や歴史・文化の資源と調和した快適な暮らしの場、活 力ある産業の場等の形成を図るものとして、以下のとおり方針を定める。 ①定住したい魅力を喚起する新市街地の整備 子育て期にある30 歳代など、若年層を含む世帯の流入・定着を目指すことは、都市 の活力を維持・向上するうえで重要である。このため、「市街地拠点」として位置づけ た地域を中心に、土地区画整理事業の導入や、同事業または開発行為と連動した地区計 画制度の活用促進を図り、定住を促すにふさわしい新市街地の形成を目指す。 ②地域の就業を支える産業基盤の整備 「産業プロジェクト拠点」として位置づけた南部東道路 IC 周辺等では、長寿健康サービ スなど、地域特性に応じて導入を図る業種の選定を行い、計画的に企業誘致を図る。 また、IC からのアクセス道路や、情報通信基盤の整備、面的な造成など、企業のニー ズを反映させた都市基盤の整備について検討を行う。暮らしの場、産業・交流の場としての魅力的な市街地の整備
交流を生み出す交通施設づくり
- 43 - ③特色ある観光・交流の受け皿となる環境整備 沖縄振興特別措置法に基づく「観光振興地域(前川地区)」では、法に基づく優遇措 置とあわせ、IC からのアクセス道路をはじめとした都市基盤整備等の支援を図ること で、特色ある観光集積を促進する。 また、マリンスポーツ等の自然環境を活かしたレクリエーションや、斎場御嶽等の歴 史観光の拠点・起点となるような地区においては、地域と連携しながら、体験・滞在型 観光の受け皿となる環境の整備を図る。 ④暮らしと生業なりわいが折り合った農村・漁村環境の整備 本市では、基幹産業である農業や水産業の振興を図ると同時に、景観に優れ、住みよ い農村・漁村環境の形成を目指す。そのため、農業用水路など生産基盤の充実を図ると ともに、居住環境に関しては、狭い路地が多い漁村特有の集落形態等を生かしながら、 防災性・利便性を高めるための道路等の地区施設整備を図る。 また、地域の活性化につながるよう、「みなと振興交付金事業」による馬天地区の港ま ちづくりをはじめ、生産・居住環境の整備にあわせて賑わい空間づくりを進める。 そのほか、農村・漁村部では、情報格差が生じやすいことから、久高島での取り組み にみられるように、高速・超高速の情報通信基盤の整備を継続して進める。 ⑤地域の日常生活やコミュニティ・交流を支える拠点の整備 「地域サービス拠点」として位置づけた地域では、各公共・公益施設間の移動円滑化 に係る歩道整備や、景観整備、たまりの場の整備など、市民等が集い、利用しやすい空 間づくりに努める。 また、地域サービス拠点相互を結ぶ道路の整備や、公共交通の充実によって拠点機能 の連携を図り、市民の生活利便性向上に努める。 さらには、こうした取り組みとも連携しつつ、庁舎のあり方について、市民の利便性 等の面から検討する。そのほか、安全・安心等の面から必要となる公共施設(派出所等) のあり方についても検討を行う。 ⑥温もりあふれる福寿と、魅力的な文教の環境整備 尐子・高齢化が加速度的に進行するなか、若い世代が安心して子育てできるよう、ま た、高齢者等が生まれ育った地域で快適に暮らし続けられるよう、「地域サービス拠点」 として位置づけた地域を中心に、福祉や健康づくりの活動拠点の整備・誘導に努める。 また、道路や公園をはじめ、多くの人が集い利用する施設・建築物の整備にあたって は、「沖縄県福祉のまちづくり条例」に基づき、民間施設を含めて、ユニバサールデザイ ンに配慮した十分な水準の確保に努める。 文教の面では、教育・学習機会の充実が若年層の定着に寄不することに留意し、新た な教育施設の整備・誘導、教育環境の充実を検討する。
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(2)市街地整備の目標
概ね10 年以内の主要事業を次のとおり想定する。 種 別 地区名 面 積 施行者 土地区画整理事業 佐敷地域馬天地区 6.7ha 組合 【図 市街地、その他基盤整備に関する主要な方針】- 45 -
3-4 都市環境に関する方針
(1)自然的環境の整備又は保全に関する方針
①基本方針 本市は、全般的に起伏に富んだ地形となっており、市域中央部と海岸部の大きな高低 差は、緑豊かなハンタ(崖)を形成している。また、三方を海で囲まれており、特に東 部から南部にかけての地域では、自然海岸が多く残され、特徴的なサンゴ礁景観を眺望 することができる。さらに、市内には、世界遺産・斎場御嶽に代表される御嶽や御川等 の歴史・文化的な背景のある自然環境や、東御廻り(アガリウマーイ:聖地巡り)に係 るグスク等の自然と一体となった地域資源が数多く分布している。 こうしたことから、本市が誇る自然、歴史・文化の資源を積極的に保全し、後世に継 承するとともに、市街地等の居住環境に潤いを不える資源として、また、地域活性化に 寄不する観光資源、教育資源として適切に活用していく。 さらに、これらの取り組みとも連携しながら、市民が身近で利用できる都市公園の充 実を図る。 ②緑地の確保水準 ■緑地の確保の目標水準 市街地一帯における 緑地確保目標量 市街地一帯に対する割合 382ha 63% ■都市公園の施設として整備すべき緑地の目標水準 区 分 平成 17 年 平成 37 年 都市公園等の整備目標 37.8ha 45.5ha 人口一人当たりの目標 水準 9.5 ㎡/人 27.3 ㎡/人 ③主要な緑地の配置の方針 ■環境保全系統 ハンタの豊かな緑や、農村部の良好な居住環境を維持するため、「農業振興地域制 度」と連携して、市街地と郊外との緩衝緑地となる農地を保全する。美しい自然と東御廻りの文化を継承し、育む環境づくり
- 46 - なお、ハンタ緑地については、生物多様性を確保するとともに、歴史・文化遺産と 一体となった良好な環境・景観を積極的に保全するため、「風致地区」等を指定する。 海岸部についても、まちの特徴的な輪郭として維持していくため、「海岸保全区域制 度」等と連携しながら、自然海岸や周辺緑地の保全を図り、また、生活排水対策等と あわせてサンゴ礁群が形成されている周辺海域の環境保全を図る。 その他、絶滅危惧種のトカゲハゼが 生息する佐敷干潟をはじめ、生物多様 性の豊かな箇所については、必要に応 じ「条例」を制定して、保全の象徴と なる種の選定、地域の指定を行い、捕 獲規制等の環境管理に努める。 ■レクリエーション系統 市民の日常生活の利便を確保するため、市街地拡大方針等を勘案しながら、身近な スポーツ・レクリエーションの場としての都市公園(住区基幹公園)の整備・充実を 図る。市の陸上競技大会への利用や、広域的な利用も視野に入れた大規模なもの(都 市基幹公園)についても、新たに検討していく。 また、地域の特色を生かした憩いの場づくりとして、海岸部では、奥武島や各ビー チの環境保全を図るとともに、海岸の状況に応じて親水・散策のための緑地の拡充に 努める。さらに、貴重な文化財を適切に保 護し、集客・交流や歴史教育に活かす ため、斎場御嶽やグスクを中心に公園 化を進めるとともに、そのネットワー ク化を図り、歴史回廊の形成に努める。 ■防災系統 大規模災害時において、避難・防災活動が円滑に行えるよう、市民が身近で利用で きる公園・広場の充実を図るとともに、大里城趾公園をはじめ、広域避難地等となる 中大規模な都市公園の整備・検討を行う。 佐敷干潟 グスクロード公園
- 47 - 市内には、地すべり危険箇所等が各地に分布しているため、市街地周辺に位置する 斜面・崖地を中心として、土砂災害防止に向けた緑地保全を図る。また、海岸部では、 高潮・津波に備え、天然の防波堤となるサンゴ礁の保全を図るとともに、海からの環 境圧を軽減する防風林帯の保全・育成を図る。 ■景観系統 ハンタ緑地は、市街地等の背景として美しい景観を形成しているため、緑の稜線や、 森林の集団性を乱す大規模・無秩序な開発を抑制する。 また、高台からの海の眺望は、本市観光において重要な役割を果たすものであるた め、自然海岸および周辺緑地の保全を図るとともに、これらを見渡せる国道 331 号沿 いや、丘陵地上部、海岸先端部の緑地 は、展望公園としての活用に努める。 なお、観光の主軸としての国道331 号等については、美しい景観を形成す るため、沿道の緑化とネットワーク化 に努める。 ④主要な緑地の確保目標 ■公園緑地等の整備目標及び配置の方針 種 別 配置方針 平成 17 年 平成 37 年 住区基幹公園 計画決定されている公園について整 備を図る。また、新市街地の整備とあ わせて計画的に配置していく。 9.5 ㎡/人 9.1 ㎡/人 都市基幹公園 計画決定されている公園について整 備を図る。 0 ㎡/人 3.9 ㎡/人 その他の公園緑地 (特殊公園等) 斎場御嶽やグスク一帯の公園化など、 歴史、海、保養等をテーマとした整備 を図る。 0 ㎡/人 27.2 ㎡/人 合 計 - 9.5 ㎡/人 27.3 ㎡/人 高台からの海の眺望
- 48 - ■緑地保全地区等の指定の方針 種 別 配置方針 平成 17 年 平成 37 年 風致地区 緑地保全地域 特別緑地保全地区 ハンタ緑地等の都市の骨格を成す自 然環境について、風致地区を指定す る。斎場御嶽周辺等、環境・景観の保 護上、重要性の高い地区では、特別緑 地保全地区等のより厳しい規制の活 用を検討する。 0.0ha 約 1,100ha その他の地域制緑地 保安林等の郊外の緑地については、市街 地拡大方針と調整しつつ、指定の継続 と、維持管理の充実に努める。 27.3ha 27.3ha 上記のほか、地域における重要な緑地 は、市条例等による保全を検討する。 - - ⑤重点的に整備又は保全すべき主要な緑地等 ■概ね10年以内に整備を行うべき主要な公園緑地等 総合公園として、大里城趾公園の整備を図る。 斎場御嶽、佐敷上グスク等を中心とした歴史公園(特殊公園)については、概ね10 年 以内の計画具体化を図る。 ■概ね10年以内に指定を行うべき主要な緑地保全地区等 ハンタ緑地や海岸周辺の緑地について、風致地区等の指定を図る。 また、世界遺産や各グスクなど、歴史的・文化的価値の高い文化財についても、周辺 の環境・景観を含めて適切に保護を図る必要があるため、バッファ(緩衝地帯)を確保 すべく、風致地区等の指定を図る。
(2)景観づくりに関する方針
①基本方針 本市では、自然・歴史景観の保全と、観光・交流を支える景観形成を重点化するもの とし、そのために、「都市計画法」や「文化財保護法」等に加えて、新たに「景観法」を 適用し、これらを総合的・効果的に運用していく。眺望に優れた自然などの南城らしさを生かし、
観光との関わりを意識した景観づくり
- 49 - 景観法の活用に関しては、地域の特性に応じて、建築物のデザイン・色彩等のルール を定め、市全域を基本に、届け出・勧告を中心とした緩やかな規制・誘導を図る。 なお、海岸周辺や世界遺産周辺、奥武島など、景観上、重要な地区については、「景観 地区」等の強制力のあるルール指定を検討し、積極的な規制・誘導に努める。さらに、「歴 史まちづくり法」の適用もあわせて検討し、観光・交流に活かすための文化財の整備・ 再生に努める。 市民等が展開する景観づくり活動に対しては、各種団体と連携した指導・助言体制を 整備し、支援に努める。また、公共事業においては、景観に配慮した民間開発等が誘発 されるよう、先導的な取り組みを推進する。 【図 地域毎の景観づくりイメージ】 ハンタ緑地・高台 国道 331 号沿道 県道 77 号線等の沿道 海岸周辺 沿道後背、 市街地周辺 市街地周辺 N 海・離島 ●丘陵地や農地の緑にとけ 込んだ集落景観の保全 ●緑豊かで、整然とした住宅 地景観の形成 ●市街地・国道等からの眺望を考慮 した「緑の稜線」の保全 ●世界遺産にふさわしい風格ある景 観の保全、歴史・文化遺産を活かし、 観光振興に寄与する景観の形成 ●丘陵地特有の曲線街路や斜面の 緑を生かした街並みの形成 ●周辺の自然と調和し、質の高い 観光リゾート地としての特徴 を強調できる景観の形成 ●高台からの眺望対象として ふさわしい、緑豊かで海と 調和した景観の形成 ●斎場御嶽と前川地区を結ぶ本市観光の 主軸として、利用の利便性等を考慮した 沿道景観の形成 ●ハンタ緑地と調和し、開放的な海への眺 望を生かした景観の形成(国道等の公共 土木施設は、極力目立たせず、海・緑を うまく見せる工夫も必要) ●「斎場御嶽から久高島への眺望」を阻害 しないような景観形成 ●地域をつなぐ景観軸として、屋外広告物が整序さ れ、緑化の連続性が確保された沿道景観の形成 ●ハンタ緑地への眺望に配慮した市街地景観の形成 ●住宅とその他用途が調和した街並みの形成 ●各々の拠点にふさわしい街並みの形成 ●緑豊かで周辺市街地 と調和する工業・流通 業務地景観の形成 ● 石灰岩が露出した変 化のある地形、広がり ある白浜による、美し い海岸景観の保全 ●サンゴ礁とエメラル ドグリーンの美しい 海域の保全 ●雄樋川等を生かした自 然を身近に感じること のできる景観形成 ●農業施設等を生かした 景観形成 ● 漁 師 ま ち ら し い 風 情 の あ る 街 並 み の保全
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(3)環境にやさしいまちづくりに関する方針
①基本方針 環境への負荷が小さい都市づくりは社会的に重要な課題であるが、行政の取り組みだけ では対策として丌十分である。このため、市民による環境保全活動の展開やライフスタイ ルの見直し、事業者による事業活動への環境配慮など、様々な主体の取り組みと一体とな った総合的な環境対策を推進していく。 なお、環境への負荷が小さい都市づくりは、環境対策が十分に市民・事業者と共有され ていることが重要であり、市民の目に見えるよう、わかりやすく取り組むことが必要であ る。このため、多くの人が集い利用する、都市の軸・拠点としての公共施設において環境 対策を推進する。また、市全体への環境対策の広がりを目指すべく、先導的・重点的に施 策を講じる「環境配慮重点地区(仮称)」の選定を検討し、これを中心として、市民・事 業者の関心と意識を高めながら積極的に取り組んでいく。 【図 環境配慮重点地区(仮称)の設定および環境に配慮した都市づくりのイメージ】協働の取り組みによる環境と調和した都市づくり
ハンタ緑地・高台 国道 331 号沿道 県道 77 号線等の沿道 海岸周辺 沿道後背、 市街地周辺 市街地周辺 N 海・離島 【環境配慮重点地区 ※環境創出型】 自然環境があまり残されておらず(減少の見込みがあり)、 環境に配慮した豊かな都市環境を創出すべき地区 ⇒ 例:新市街地として拡大・整備する地区 ●建築物における太陽熱利用、雨水利用等の環境配慮技術 の採用、屋上緑化 ●大気浄化機能の高い植樹による緑化 ●道路での透水性舗装の採用、開発地での雨水貯留・浸透 施設の設置などによる健全な水循環の確保 ●市民が環境に配慮した取り組みを実感できる大規模な公 共施設等において、上記の環境配慮事項を積極導入 【環境配慮重点地区 ※環境共生型】 自然環境と人々の生活の場が入り組んでおり、自然と の共生を積極的に図るべき地区 ⇒ 例:ハンタ緑地の周辺 ●都市基盤整備においては、自然に配慮した工法とし、目 に見える部分は自然素材を導入 ●開発の際の緑地の適切な保全と復元(工事に支障の無 い限りそのまま保全。支障がある場合は移植して保 全。緑化の場合は、郷土種・在来種を活用) ●建築物における太陽熱利用、雨水利用等の環境配慮技術 の採用、屋上緑化- 51 - 【図 都市環境に関する主要な方針】
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3-5 都市防災に関する方針
(1)基本方針
市民の生命・財産を守り、安全な都市づくりを進めることは都市政策の基本であり、災 害の防止や減災とともに、災害時の適切な対応の検討は欠かせない。 このため、急傾斜地等の自然災害危険箇所や、住宅が密集するなどの災害に弱い集落で は、防災事業の実施とともに、開発・建築ルールとの連携を図り、防災環境の向上に努め る。 同時に、市民の防災意識の啓発や、防災ボランティアの育成等を促進し、住民相互およ び住民と行政間の連携が充実した防災体制の強化に努める。(2)都市防災に関する施策の概要
①火災対策 市内には、道路ネットワークが形成されておらず幅員も狭小で、緊急車両が進入できな い地区がみられる。特に、都市計画区域外に位置する漁村集落等では、これまで、建築ル ール(接道義務等の集団規定)が適用されていなかったため、この傾向が伺える。 そのため、都市計画区域の指定効果を活かし、建築物の建替え等にあわせてオープン スペースの確保を図るとともに、市街地内を含めて、安全・円滑に避難できる経路を明 確化し、避難地やこれにつながる避難路の充実を図ることで、防災性向上に努める。 なお、未接道や狭小敷地ゆえに建 替え等が困難となっている建築物が 多い地区については、必要に応じて 建築ルール(接道義務等)の弾力化 を検討し、防災性が確保された建て 替えを促進する。建築ルールの弾力 化は、漁師まちらしい街並みなど、 景観の保全の面からも対応する。 ②震災対策 沖縄本島南西沖想定地震等の発生に備え、震災時に物資等の緊急輸送が円滑に行えるよ う努める。そのため、国道 331 号等を軸とした緊急輸送道路ネットワークを設定し、道 幅員 4m 未満の道路が 多い奥武島の集落地形・自然条件や集落特性を踏まえた、日常的にも安全・安心な環境づくり
- 53 - 路改良とともに、橋梁や沿道建築物の耐震性の維持・確保を図る。 また、物資輸送拠点としての機能確保を図るため、中城港湾等について、アクセス道路 や港湾緑地の整備に努める。 漁村集落など、ブロック塀や石垣が多い地区については、老朽化したブロック塀等の倒 壊による危険を防止するため、点検・補強の啓発を図るとともに、主要な避難路では、必 要に応じてブロック塀等を設置しないルールの検討を行う。 ③治水対策 水害の防止・軽減を図るため、河川、海岸施設の整備を促進するとともに、ハザード マップに基づき、水害の恐れのある地域での危険周知や、津波避難ビル指定等の対策に 努める。特に、海水浴やマリンスポーツを目的に、多くの観光客が訪れる本市にあって は、観光客の避難誘導や収容の体制の整備に十分留意していく。 また、市街地の拡大を目指す本市では、保水・遊水機能を有する農地の減尐に伴う、 河川への雤水流出量の増大に対応するため、開発に際しての雤水貯留・浸透施設の設置 など、事業者が行うべき防災措置を適切に指導する。 ④土砂災害対策 起伏に富み、土砂災害の懸念がある地形条件を踏まえ、地すべり、急傾斜地崩壊、土 石流危険渓流等の対策事業を促進する。 また、ハザードマップに基づく土砂災害の恐れのある地域については、風致地区等の 緑地保全施策とあわせて建築物の新規立地抑制を図るほか、危険の周知、警戒避難体制 の整備、一定の要件に合致する既存住宅の移転促進等の施策を進める。 ⑤その他(生活衛生対策) 墓地については、「南城市墓地基本計画」に基づき、規制・誘導による個人墓の集約化 や、緑化促進等を図ることにより、周辺環境、景観の保全に努める。 また、畜産農業が盛んな本市では、地場産業の振興と同時に、悪臭の無い快適な居住 環境の維持・形成を目指す。そのため、「特定用途制限地域」による畜舎の規制を検討す るほか、公害防止に関する市条例の制定や「沖縄県生活環境保全条例」等の効果的な運 用、さらには消臭に寄不する農法の普及啓発など、総合的な対策を進める。
- 54 - 【図 都市防災に関する主要な方針】