ETC車載器を用いた 車両流動調査に関する一考察
小木曽 俊夫
1・広 正樹
2・牧野 浩志
3・小嶋 直人
4・城所 貴之
5・ 田井 隆行
6・森下 泰裕
71非会員 国土交通省 国土技術政策総合研究所(〒305-0804茨城県つくば市旭1番地)
E-mail:[email protected]
2非会員 国土交通省 国土技術政策総合研究所(〒305-0804茨城県つくば市旭1番地)
E-mail:[email protected]
3正会員 国土交通省 国土技術政策総合研究所(〒305-0804茨城県つくば市旭1番地)
E-mail:[email protected]
4非会員 小浜市役所 産業部(〒917-8585福井県小浜市大手町6番3号)
E-mail:[email protected]
5非会員 株式会社オリエンタルコンサルタンツ(〒450-0003愛知県名古屋市中村区名駅南二丁目14-19)
E-mail:[email protected]
6非会員 小浜市役所 産業部(〒917-8585福井県小浜市大手町6番3号)
E-mail:[email protected]
7非会員 小浜市役所 産業部(〒917-8585福井県小浜市大手町6番3号)
E-mail:[email protected]
都市や交通、地域活性化等の計画を策定するためには、それらの拠点となる施設類に対する車両の移動 を調査することが重要である.車両の移動調査については、現在は各施設に調査員を配置し出入りする車 両のナンバー等を記録する手法を用いているが、調査員が常駐し視認する必要があることから、夜間特に 深夜・早朝の調査が困難であると共に、調査期間が長期間に及ぶと多大なコストがかかるという欠点があ る.本論文では、料金決済機能を持たない簡易なETC路側機を調査対象箇所に設置し、無線通信に使用す る移動局識別情報(WCN)を利用することで、車両移動を調査する手法を提案する.併せて、福井県小浜 市が実施した舞鶴若狭自動車道路と道の駅を活用した地域活性化社会実験において本手法を試行した結果 について報告する.
Key Words : WCN(Wireless Call Number)、 SSA(slow service area)
1. はじめに
都市や交通、地域活性化等の計画を策定するためには、
まず交通流動、利用実態等の現状を把握する必要があり、
それらの施設や拠点間の車両の移動を把握することが重 要である.しかし、車両の移動を把握するためには、利 用者から行動履歴を尋ねるアンケート調査や、各施設に 調査員を配置し、個々の車両を関連づけるため車両のナ ンバー等を記録するナンバープレート調査を実施する必 要があるが、アンケート調査ではサンプル数の確保が課 題となる.ナンバープレート調査は、調査員が常駐し視 認する必要があることから、夜間特に深夜・早朝の調査 が困難であると共に、調査期間が長期間に及ぶと多大な コストがかかるという欠点がある.
現在、国土交通省ではETC2.0の普及促進を図っている ところである.ETC2.0ではプローブ情報を取得できるこ とから、このプローブ情報を解析することで車両の移動 を把握することは容易に可能となる.しかしながら、
ETC2.0車載器は普及促進の段階にあることから、当面は 既に広く普及してるETC車載器を活用することが有効で あると考えられる.
本論文では、平成26年度に福井県小浜市が実施した舞 鶴若狭自動車道路と道の駅を活用した地域活性化社会実 験において、道の駅等への立ち寄り状況の変化など社会 実験の効果を把握するための車両移動の分析のため、料 金決済機能を持たない簡易なETC路側機を設置し、ETC車 載器の無線通信に使用する移動局識別情報(以下、
WCN:ワイヤレスコールナンバー)を読取る調査を実施
した内容を元に、調査手法の提案、分析事例の紹介、今 後の活用について、報告する.
2.
福井県小浜市における社会実験の概要(1) 社会実験の背景
舞鶴若狭自動車道は平成26年7月20日に全線供用され、
小浜IC-敦賀JCT間の約39kmがつながった.これにより、
舞鶴若狭自動車道は、サービスエリアの間隔が西紀SA
(舞鶴若狭自動車道)~賤ヶ岳SA(北陸自動車道)、西 紀SA~南条SA(北陸自動車道)ともに約150kmを超える 長距離となり、高速道路利用者はガソリンスタンドや物 販施設が少ない区間を走行することとなる(図-1).
また、全線供用によって一般道路の利用者が高速道路 へ転換し、地域の活性が低下することが懸念されており、
高速道路利用者の誘客が課題となっている.
図-1 位置図
(2) 社会実験の内容
実験拠点となる道の駅「若狭おばま」は、小浜ICから 350mの距離に立地しており、一般道の利用者だけでなく、
高速道路からの利用者にとって非常に利便性のよいとこ ろに位置している.また、なお、小浜ICは、西紀SA、賤 ヶ岳SA・南条SAの各SAの中間地点となっている.
そのため、道の駅「若狭おばま」を核とした小浜市周 辺の地域全体をサービスエリアととらえるSSA(スロ ー・サービス・エリア)と位置づけ、時間的にも金銭的 にもゆとりある利用者をターゲットに、通常のSAとは 違うゆとりと多様性のあるサービスを地域全体で提供す ることで、高速道路利用者に充実したくつろぎサービス を提供して満足度を高め、高速道路からの誘客を増やし 地域の活性化を図ることを目指し、高速道路上における 案内看板や横断幕の設置及びSAPAにおける観光情報の発
信によりSSAへ誘導し、充実したサービスを提供した(図 -2,3).また、道の駅では、モデルルートの設定やスタ ンプラリーの実施等を含む情報提供機能の強化を行い、
市内の観光施設への周遊を促進する取組を実施した.
図-2 社会実験の内容(案内看板、横断幕設置位置)
図-3 道の駅への案内の設置及びSAPAでの情報提供状況
(3) 社会実験期間
平成26年11月1日~30日の1ヶ月間、社会実験を実施し た.なお、SAPAにSSA案内所を設置し、案内人による情 報提供は休日に実施した.詳細な実施場所、実施日を表 -1に示す.
表-1 SAPAにおけるSSA案内所の仮設実施日
場所 実施日
1)舞鶴若狭 自動車道
西紀 SA
(下り)
11/1( 土 ) ~ 11/3( 祝 ) 、 11/8(土)、 11/9(日) 三 方 五 湖
PA
11/22(土)~11/24(祝) 11/29(土)、 11/30(日) 2)北陸自動車道 南条 SA
(上り) 11/15(土)、 11/16(日) 3)名神高速道路 養老 SA
(下り) 11/29(土)、 11/30(日)
3. WCNを用いた調査手法
(1) WCNとは
ETC車載器は電波法令の規定により、無線通信の混信 防止機能のひとつとして、路車間で通信を行う際にWCN
と呼ばれるETC車載器が持つIDを自動的に送信する機能 を有している.このWCNは無線機器(今回は、ETC車載 器)の製造時に割り当てられる固有の情報であり、基本 的には一つのETC車載器に一つの番号が割り当てられて いる.
図-4のETC決済のシーケンスに示すとおり、車載器固 有情報やETCカードの情報などの決済を行うETC情報とは 別に、WCNを取得し活用することが可能である.
0
決済等を行うETC用の通信項目は道路会社のみ使用可能 路側機とETC車載器が通信可能か判断するプ ロセスであり、ETC用の通信とは別に実施可能
図-4 ETC通信の概要
(2) WCNを用いた調査手法
車両の移動を確認したい拠点(道の駅、観光施設等)
の駐車場出入口に簡易なETC路側機を設置し、DSRC通信 によりWCNと収集時刻を収集し、その結果を分析するこ とで、各拠点の立ち寄り順序、来訪時間、滞在時間等を 把握することが可能となる(図-5).また、高速道路ICの 料金所を通過する際に高速道路会社が取得しているWCN のデータと併せて分析を行うことで、高速道路利用者
(社会実験参加者)を切り分けた車両の移動を把握する ことが可能となる.
図-5 WCNを用いた調査イメージ
(3) 使用機器の概要及び設置箇所
福井県小浜市の社会実験において設置した機器は、沖 電気工業製の路側機を使用した
(
図-6)
.図-6 実験に使用した路側機
本社会実験では、小浜市内の観光スポット
4
箇所(
表-2)
に計5基の路側機を設置してデータを収集した.図-7、図
-8
に路側機を設置した箇所と設置状況を示す.道の駅県道側 若狭フィッシャーマンズワーフ
エンゼルライン入口
明通寺 道の駅側道側
小浜IC(出口・入口)
舞鶴若狭自動車道
図-7 簡易なETC路側機の設置箇所
図-8 WCN通信アンテナ設置状況
表-2 路側機設置箇所の概要
箇所 概要
道の駅
「若狭おばま」
舞鶴若狭自動車道の小浜ICから350mに位置 小浜市では観光情報の発信拠点に位置づけ 明通寺 坂上田村麻呂が創建.本堂と三重塔は国宝に指定 エンゼルライン 内外海半島の中央にある久須夜ヶ岳頂上へ通じる
総延長10.5kmのドライブウェイ 若狭フィッシャー
マンズワーフ
「蘇洞門めぐり」の遊覧船が出航している他、海 産物や加工食品など福井のお土産が豊富に揃う 若狭フィッシャーマンズワーフ 道の駅「若狭おばま」
明通寺 エンゼルライン
DSRC アンテナ部 90mm(W)×90mm(H)×80mm(D) 重量:0.3kg
DSRC 無線装置 210mm(W)×75mm(H)×166mm(D) 重量:2kg 以下
3. WCNデータの取得状況
10 月 24 日から路側機を設置した.WCN データの取得 を開始した 10 月 25 日から 12 月 14 日までの 51 日間に 取得した.
今回の社会実験で設置した路側機は駐車場に入る車両 のデータが取得できるよう設置しているが、駐車場の形 状や、出入りする車両の走行位置によって入庫時、出庫 時とも計測されるケースが存在する.そのため、同一箇 所で複数回取得できた WCN データを除去した、ユニーク な ID(1 箇所につき 1ID)として分析した.なお、12 月 6 日よりエンゼルラインが冬期通行止めとなったため、
各箇所のデータ取得数については、10 月 25 日から 12 月 5 日の期間の集計結果を示す。
WCN の総数は延べ 55,454、重複を除外したユニークな ID 数は 38,547 となった.箇所毎の取得数やユニークな ID としたした日別の取得数をは図-9、図-10 に示す.
27,468
22,289
2,029
3,668 20,860
13,886
1,961 1,840
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000
道の駅 フィッシャーマンズ ワーフ
エンゼルライン入口 明通寺 (件)
総数 1日1ID
図-9 箇所別WCN取得数
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
10/25 土 10/26 日 10/27 月 10/28 火 10/29 水 10/30 木 10/31 金 11/01 土 11/02 日 11/03 月 11/04 火 11/05 水 11/06 木 11/07 金 11/08 土 11/09 日 11/10 月 11/11 火 11/12 水 11/13 木 11/14 金 11/15 土 11/16 日 11/17 月 11/18 火 11/19 水 11/20 木 11/21 金 11/22 土 11/23 日 11/24 月 11/25 火 11/26 水 11/27 木 11/28 金 11/29 土 11/30 日 12/01 月 12/02 火 12/03 水 12/04 木 12/05 金
(件数)
エンゼルライン⼊⼝ フィッシャーマンズワーフ 道の駅 明通寺
図-10 重複を削除したWCN取得数
なお、同日、同一箇所で取得された WCN の取得回数の 割合を図-11 に示す.
明通寺は駐車場の出入口が狭く、入庫時出庫時ともに 取得されやすい状況であったため、2 回の取得が全体の 79%となる.また、エンゼルラインは上り、下りが分離 された道路構造の箇所に設置されているため、1 回の取 得が 98%となる.道の駅やフィッシャーマンズワーフ
は、駐車場に入る車両を取得できるよう機器を設置した が、入庫時に駐車スペースを探すため、駐車場内を動く 際に複数回計測されるケース、入庫時、出庫時にそれぞ れ計測されるケース、1 日に複数回来訪されるケースな どがあったことが考えられる.
75
14
97
52 21
79
3
41 2
2
0.3
3
1 3
0.1
0.2 1 0 0.23
0.2 1
0.1 0.3
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
道の駅 明通寺 エンゼルライン フィッシャー マンズワーフ
6回以上 5回 4回 3回 2回 1回
n=20,859 n=1,840 n=1,961
n=13,885
図-11 施設別WCN取得回数の割合
4.
観測したWCNデータの分析結果観測した WCN データを用いて、車両の移動に関する分 析を実施した.
(1) 施設間の回遊分析
観測した ID を分析し、施設間の回遊の組み合わせを 分析した.また、社会実験前と実験中で組み合わせの変 化について比較した(図-12).
道の駅とフィッシャーマンズワーフの2つの施設を訪 れる回遊が多く、社会実験において配布したパンフレッ トにおいても2つの施設を紹介していることから、この 組み合わせが増加したものと考えられる.
こうした分析を行うことで、観光客の施設を訪れてい る実態から、施設間のつながりを把握することができ、
ここの観光拠点や、複数の観光拠点を組み合わせた周遊 ルートの提案など観光振興のための方策を検討するため に有効な情報が取得できると考えられる.
0.3 4 4 0.6
14 10
90
0.5 3
6 0
16 17
79
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 道の駅・明通寺・エンゼルライン・
フィッシャーマンズワーフ 道の駅・明通寺・フィッシャーマンズワーフ 道の駅・エンゼルライン・フィッシャーマンズワーフ 道の駅・明通寺・エンゼルライン 道の駅・明通寺 道の駅・エンゼルライン 道の駅・フィッシャーマンズワーフ
(取得数) 実験前 実験中
図-12 組合せ毎の日平均WCN取得数(休日)
実験前:10/25、26 実験中:11月の土・日・祝日
(2) 滞在時間
1 日の中で、複数回取得した ID について、到着時と 出発時に取得できたと仮定して、滞在時間を推測した.
また、3 回以上取得したケースは、複数回訪問したと 仮定して、全ての訪問に対して滞在時間を集計した.
表-3 に分析のイメージを、図-13 に滞在時間の割合を示 す.
表-3 分析のイメージ
時間 場所 時間 場所 時間 場所 時間 場所
001733112725 12:31:25 明通寺 12:50:27 明通寺 0:19:02
001780180038 15:40:01 明通寺
002305088553 12:23:08 道の駅県道側 14:27:30 明通寺 15:11:00 明通寺 0:43:30 002343017554 14:30:35 明通寺 15:01:09 明通寺 15:39:33フィッシャーマンズワーフ 16:04:54 道の駅県道側 0:30:34 002357706865 13:28:33 明通寺 13:46:28 明通寺 14:56:00 明通寺 15:48:14 明通寺 0:52:14 差
WCN 訪問先1 訪問先2 訪問先3 訪問先4
各施設の滞在時間を集計した結果を図-13 に示す.
道の駅やフィッシャーマンズワーフでは 20 分~40 分 程度の滞在時間が多く見られる.これは、買い物客が多 い施設であるためと考えられる.また明通寺は 40 分~
60 分の滞在時間が多く見られる.これは、明通寺の本 殿や三重塔などを観覧には 40 分程度かかることから妥 当な結果であると考えられる.
また、5 分未満となったケースは、駐車する際に 2 回 連続してデータが計測されたものなどが含まれることが 想定される.
入庫時、出庫時のデータを取得できるよう路側機を設 置することができれば、取得されたデータの時間差を分 析することで、施設の滞在時間が分析できる.
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
5分未満 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180〜
(⾞両数)
道の駅 フィッシャーマンズワーフ 明通寺 (分)
n=2,113 n=2,931 n=1,801
図-13 滞在時間の割合
(2) 出現頻度
同一のWCNが観測期間中に取得できた日数を集計した.
1日のみ出現したIDは全体の85%であり(図-14)、今回設 置した施設が観光施設であることを踏まえると、日帰り 旅行等で小浜市に訪れている割合が高く、計測期間中に 1回訪れる利用が大半であることが考えられる.
施設別に比較すると道の駅の方がフィッシャーマンズ ワーフと比べ1日のみ出現した割合が低く、複数日訪れ
る利用者が多いことが分かる.これは、道の駅は地域住 民の来訪や通勤途中の立ち寄り等が多いためと考えられ る.また、高頻度に出現する車両は物流や従業員の車両 と考えられる。
(
図-15)
85%
85%
91%
14%
14%
8%
1%
1%
1%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
全車両
道の駅
フィッシャーマンズ ワーフ
1日 2日~9日 10日以上
n=24,918
n=14,944
n=10,634
図-14 出現頻度の割合
0 20 40 60 80 100 9,000 10,000
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 (台)
(日)
図-15 同一車両の出現頻度
5.
高速道路会社のWCNデータを組み合わせた分析小浜市内の4箇所において観測したWCNと、NEXCOが小 浜ICの料金所において取得しているWCNと組み合わせた 分析を実施した.
今回は、小浜IC料金所で取得しているWCNのうち、小 浜市内の4箇所において観測したWCNと一致するものの一 部、852サンプルをNEXCOより提供してもらい分析を実施 した.
(1) 高速道路の利用状況別の分析
小浜IC流出、流入データについて、WCNと時刻を基に 集計を行い、その組み合わせから、表-4に示すとおり分 類し分析を行った.
「流出のみ」「流入のみ」の割合がそれぞれ約4割で ある.これは小浜市内周辺には隣接する市町も含め、近 隣のIC周辺にも数多くの観光施設があるため、小浜西IC や三方五湖ICを利用し、周辺の観光施設を巡ったのち、
一般道を経由して小浜市内へを訪れるといった回遊を行 っている交通であると考えられる.「流出→流入」は小 浜市内に来訪し、小浜市内周辺を回遊したのち小浜ICか
高頻度の車両
⇒物流や従業員の車両
ら帰る交通である.また、「流入→流出」は小浜ICを出 発し、その後小浜ICへ戻ってくる交通であり、小浜市周 辺を出発地とする地域住民による交通であると考えられ る.その他に分類しているサンプルは1日のうちで小浜 ICを複数回利用しており、業務や物流等であることが想 定される.
表-4 高速道路利用状況の分類
分類 内容
流出のみ 小浜IC出口を利用し道の駅等に立ち寄り 流入のみ 道の駅等に立ち寄り、その後小浜ICから
高速利用
流出→流入 小浜IC出口→道の駅等→小浜IC入口 流入→流出 道の駅等→小浜IC入口→小浜IC出口(→
道の駅等)※基本的には地域交通 その他 小浜IC出口→入口を一日に複数回利用
43%
40%
12%
4%
1%
流出のみ 流入のみ 流出→流入 流入→流出 その他 n=852
図-16 高速道路利用状況の内訳(休日)
(2) 高速の利用状況別の施設間の回遊分析
高速の利用状況別に回遊箇所数、回遊箇所について分 析を行った.
「流出のみ」「流入のみ」は回遊箇所数、回遊箇所が ほぼ同様の傾向である.また、「流出→流入」は2箇所 回遊する割合が他と比べ高い.これは「流出のみ」「流 入のみ」は小浜市近隣の観光施設などを巡ってきている 可能性が高いが、「流出→流入」は小浜IC周辺を回遊し、
前者と比べ比較的行動範囲が狭い観光をしているため、
小浜市内の主要な観光施設である観測地点のうち、複数 地点に立ち寄っている割合が高くなったものと考えられ る.
81%
84%
75%
94%
100%
89%
16%
16%
23%
6%
10%
2%
0.3%
2%
1%
0.03%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
流出のみ 流入のみ 流出→流入 流入→流出 その他 高速関連なし
回遊箇所数の構成比
1箇所 2箇所 3箇所 4箇所
n=5 n=338 n=370
n=104 n=35
n=18,049
図-17 高速利用状況別の立ち寄り箇所数
68%
60%
62%
88%
100%
54%
4%
9%
6%
4%
3%
1%
4%
24%
30%
32%
12%
37%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
流出のみ 流入のみ 流出→流入 流入→流出 その他 高速関連なし
回遊1箇所の構成比
道の駅 明通寺 エンゼルライン フィッシャー マンズワーフ n=300
n=284 n=78 n=33 n=5 n=16,085
図-18 高速利用状況別の1箇所のみ立ち寄りの構成比
10%
15%
8%
50%
10%
5%
4%
8%
8%
75%
72%
79%
50%
67%
2%
1%
5%
8%
4%
5%
3%
2%
9%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
流出のみ
流入のみ
流出→流入
流入→流出
高速関連なし
回遊2箇所の構成比
道の駅・明通寺 道の駅・エンゼルライン
道の駅・フィッシャーマンズワーフ 明通寺・エンゼルライン
明通寺・フィッシャーマンズワーフ エンゼルライン・フィッシャーマンズワーフ n=1,838
n=2 n=24 n=53 n=61
図-19 高速利用状況別の2箇所立ち寄りの構成比
また、小浜ICを利用している方が道の駅を訪れている 割合が高くなっており、小浜ICから道の駅へ立ち寄る交 通は多く、道の駅を観光情報の提供拠点とすることは有 効であると考える.さらに今回の社会実験において高速 道路上に案内看板等を設置し、道の駅への案内を強化し た結果、小浜IC出口を利用したのちに道の駅を利用する 割合が増加している.高速に関連しないデータでは大き な変化が見られないことから、高速道路上の情報提供に よる効果と考えられる.
70% 74%
57% 58%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
実験前 実験中 実験前 実験中 小浜IC出口利用 高速関連無し n=64 n=357 n=2,511 n=13,513
図-20 道の駅の来訪割合の変化
53%
33%
13%
33%
7% 27%
33%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
目的地
立ち寄り 30分以内
30分~60分 60分~90分 90分~120分 120分以上 n=3
n=15
図-21 道の駅の滞在時間の割合
6. おわりに
(1) まとめ
設置した機器によって数多くのWCNデータを取得する ことができることを確認した。また、WCNのデータを観 測することにより、観測地点間の車両の移動について把 握することが可能であることが明らかとなった.観測地 点間の移動だけでなく,観測地点における滞在時間や来 訪頻度などについても観測機器の設置方法や観測日数に よって分析することが可能であり、拠点間、施設間の交 通流動の把握やその拠点の利用状況を把握する手法とし て有効であると考えられる.
また、高速道路の料金所で取得しているWCNを用いた 分析によって、高速道路利用者が地域内をどう移動して いるかが把握できることも明らかとなった.こうした活 用により、今回のように観光地などで高速道路からの誘 客を検討するだけでなく、一般道路が渋滞している箇所 などにおいて高速道路の利用を促進するための方策を検 討するための現状把握、SA/PAや道の駅におけるPRのあ り方の検討など、様々な活用が考えられる.
また、イベント開催時やPR活動・企画割引・料金施策 割引を実施した際の効果測定が可能となる.
(2)
今後の課題a) 最適な路側機配置の検討
今回の実験においては、主として駐車場に入る車両に 主眼をおいてIDを取得できるよう路側機の設置を行った が、実際には入りのみでなく出る車両についてもIDを取 得することができている.したがって、路側機の設置箇 所を工夫することにより、1台の路側機によって出入両 方のデータを取得することが可能である.一方、より精 緻な分析をするためにはIDを確実に取得できるよう、路 側機を設置する必要がある.
精緻な分析のために確実にデータ取得を行う、或いは 概略の出入りがわかればよい等といったデータの活用方 法に応じた路側機の最適配置について、検討を進めてい く必要がある.その際に、確実性を高めるために路側機 の数をむやみに増やすと、目的の一つである低コストで あることが達成できなくなるため、留意する必要がある.
b) 高速道路料金割引等との連携
本手法により、観光地における周遊先を把握すること が可能となることから、一定箇所を周遊した車両につい ては高速道路料金を割り引くといった企画割引等に活用 することも可能と考えられる.しかしながら、現状では WCNについては他の情報とは紐付けがなされていないこ とから、WCN、車載器ID、 ETCカード番号等を結びつけ る仕組みについて検討を進めていくが必要である.
謝辞:さとうみハイウェイ協議会の関係者をはじめ、本 実験にご尽力いただいている皆様に深く感謝の意を申し 上げます.
参考文献
1) 一般財団法人 道路システム高度化推進機構 「ETC 便覧 平成25年版」,2013
2) 社団法人電波産業会:「狭域通信(DSRC)システム 標準規格 ARIB STD-T75 1.5版」,2008
3) 財団法人道路新産業開発機構:「ITS HAND BOOK」,
2003
4) 大森淑仁、山崎譲、吉川元淳 ETC 車載器を活用し
たITSサービスの展開,2004
実験前:10/25、26 実験中:11月の土・日・祝日
増加
変化なし