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高校生への極限状況イメージによるロールレタリングの効果

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Academic year: 2021

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(1)高校生への極限状況イメージによるロールレタリングの効果 学校教育学専攻 臨床心理学コース. M07073G. 三枝正雄        I 問題と目的.  『いのちの教育」におけるRLの効果につい.  兵庫県では、阪神・淡路大震災から、いのち. ては、春口(1997)、原野(1997・1998)、岡. の尊厳や助け合いの精神を学び、教育に生かす. 本(1998・2001)、才岡・春口(2000)、三枝・. 取り組みが進んでいた。さらに、神戸児童連続. 高橋・松岡(2006)、三枝・松岡(2007)が自. 殺傷事件を契機に「心の教育緊急会議」(1997). 他の死を想定させることによって、生きること. が開かれ、r心の教育の充実に向けて」が報告さ. の意味、生命の尊さを認識させることができる. れた。. と報告している。.  「心の授業」について冨永(1999)は、「ス.  三枝(2006・2007)の二つの研究は、いずれ. トレスマネジメント教育」、『人問関係体験」、「自. も女子高校生を対象としており、男子高校生に. 己開発・自己発見」の3つの内容を提唱してい. 言及できなかったことが課題であった。. る。兵庫県教育委員会(2006)も「『命の大切.  よって本研究は、高校生男女を対象に、いの. さ』を実感させる教育への提言」をまとめ、そ. ちと生き方に関する因子を明らかにし、極限状. の改訂版で冨永(2007)は、「日常の『愛され. 況イメージによるRL体験の効果を検討するこ. ている』という実感こそ、いじめや暴力を阻止. とを目的とした。. するカになる。そのかかわりができるのは、家族.         皿 方 法. といった身近な人である」と述べている。.  対象はA高等学校生徒(2年生・3年生)で.  『命の大切さ』をr実感させる教育」は、容. あった。実施時期は2007年5月∼2007年11. 易なことではないが、rいのちの教育」に有効と. 月であった。. 思われる技法の一つとして、ロールレタリング.  実施方法はブレアンケートを2年生(男性74. 名・女性70名)と3年生(男性73名・女性. (Ro1e囚加h㎎以下RLと表記)がある。  RLは、ゲシュタルト療法の「エンプティチ. 68名)に実施し、RL実施群は3年生(男性28. ェア」にヒントを得て生まれた療法である。こ. 名・女性27名)、続制群は3年生(男性29名・. の心理技法は、人吉農芸学院(少年院)で和田. 女性26名)であった。ポストアンケートは実. が実践し、春1コが技法として体系化したもので. 施群3年生(男性28名・女性27名)、統制群. ある。小林(2007)は、この技法が今注日され. 3年生(男性29名・女性26名)に実施した。. る背景として、r多発する少年事件」やr自己肯. アンケートの内容はいのちに関する意識29項. 定感」の低さなど、日本の子どもたちの気にな. 目と生き方に関する意識28項目であり、RLの. るデータについて指摘している。. 題材は瓜福知山線脱線事故であった。エキスポ. 一160一.

(2) ランドのジェットコースター事故があり、「凪. 下位検定の結果、実施群の平均得点の上昇は、. 福知山線脱線事故」から2年経過、噴傷者・. 因子合計と因子I「能動的・創造的態度」、因子. 心身の現状 戻らぬ同常、苦悩なお」「遺族の精. 皿「自立的・自己責任的態度」、因子IV「自己へ. 神・心理状態『心の傷』悪化の一途」(神戸新聞. の肯定的態度」で有意、因子皿「自他関係尊重. 2007.4.20)と報道される現状をおさえ、ワーク. 的態度」で有意傾向がみられた。. シートを作成した。評価の対象でないことをよ. 2)いのちと生き方に賞する意議変化の性差. り明確にするため、「いのちと生き方」の課外授.  生き方の因子皿「自立的・自己責任的態度」. 業とした。. で交互作用が有意傾向であったが、他の因子は.         皿 結果. すべて交互作用が認められなかった。. 1 高校生のいのちと生き方に冒する因子. 3)皿の記述内容の分析.  いのちに関する意識では4因子が、生き方に.  KJ法に準じて分析した。各ユニット間の関. 関する意識では5因子が抽出された。いのちに. 連は、生きたい、生きて、は互いに関係しなが. 関する意識と生き方に関する意識の相関を全体. ら、それぞれいのち実感、の方向に流れ、さら. でみると、いのちに関する意識の因子皿「自他. に未来に向かっていることが示唆された。 心醐1. のいのち尊重」と生き方に関する意識の因子w. 6.●●㈹. 6増τ ・■一ω. 酬がδ. 倒農λこと. 「自己への肯定的態度」にかなりの高い相関が. 脳巧 も増刷1 撤挑⑭τ. 認められた。. 2 極限状況イメージによる㎜二の効果. .●■∼●,ω. 岬碗㈹. 高洲δκ帆 ‘雌一、ω. ∼. ’山’o副 01=“. =舳. 雌一1 蜆土伽1. 団. 例融た=胞’. 帥0嶋I. 1)いのちと生き方に屋する意業の変化. 一n⑬. 真心肺 耽美議=.  いのちに関する意識の変化を、因子合計の平. 6、■恥11㈹. 棚 1へ蛎 1o軌. 国i. }敲}τ ω伽う㈹ ω1 電脱離. ‘.標山6{o〕. ヨ洲続 τく帆人. 一人0則ω 六躰人. 人眺。凹ω. 仙06購醐. 均得点でみると、ステージ(趾e・P08t)と2. ● o. 刷加州1. ホ労4劾態. 一物棚大胆. o.一就止㈹. 国. ユ離。ω 脂吃こ絶. 誠で. ’.録へ㈹. ^榊8■. 181目猷切:欄=帥て. ■=冒い1=日一 ■=事記。■ 一^一山ユ=朴  利カ,ヨリー  ■。生記⑰I  ■..亘い1=瑚  一,舳リ  ー方向  {〕.㎜ 一=■録} 州=舶=llト 一=柚 一ト皿ユ=小 い=■舳. 群(実施群・統制群)の交互作用が1%水準で.           磨■18. 有意にみられた。また、因子ごとにみると、因.         1V 考 察. 子II「自他のいのち尊重」と因子皿「死への想.  高校生が体験した極限状況イメージによる. い」で交互作用が5%水準で有意にみられ、因. RLは、いのちと生き方に関する意識の変化と. 子I「自他への暴力否定」で交互作用は有意傾. RLの記述内容の分析から、「いのちの大切さ」. 向であった。しかし、下位検定の結果、実施群. が実感されたことが示唆された。冨永(1999). の平均得点の上昇は、因子1I「自他のいのち尊. が提唱しているr心の授業」をモデルに考察す. 重」で有意傾向がみられたが、他の因子は有意. ると、「ストレスマネジメント」を導入部で学び、. な変化はみられなかった。. RLによる「人間関係体験」を通して「自己開.  生き方に関する意識の変化を因子合計の平均. 発・自己発見」に導かれ、rいのちの大切さ」を. 得点でみると、ステージ(he・P08t)と2群. 実感したと考えられる。. (実施群・統制群)の交互作用が5%水準で有 意にみられた。また、因子一「能動的・創造的. 主任指導教員 冨永良喜. 態度」で交互作用が1%水準で有意にみられた。.   指導教員 冨永良喜. 一161一.

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