• 検索結果がありません。

時間性を表現する含意を持つ論理

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "時間性を表現する含意を持つ論理"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title 時間性を表現する含意を持つ論理

Author(s) 菊池, 健太郎

Citation

Issue Date 1999‑03

Type Thesis or Dissertation Text version author

URL http://hdl.handle.net/10119/1237 Rights

Description Supervisor:石原 哉, 情報科学研究科, 修士

(2)

時間性を表現する含意を持つ論理

菊池 健太郎

北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科

1999

2

15

キーワード: クリプキセマンティクス, 直観主義論理, 完全性, 埋め込み.

様相論理のセマンティクスとしてよく知られているクリプキセマンティクスでは,可能 世界の集合,到達可能関係と呼ばれるその集合上の二項関係,そして各可能世界において 成立する基本命題を定める付値からなる三つ組を基にしてそれぞれの論理式の解釈が行 なわれる.直観主義論理や中間論理,あるいは厳密含意を持つ論理といった様相演算子を 持たない命題論理に対するクリプキセマンティクスでは,ある可能世界で論理式A!B が成り立つのは,その可能世界から到達可能な全ての可能世界において,Aが成り立つ ならばBが成り立つときであるとされる.半順序関係を到達可能関係とする直観主議論 理の場合には,それを時間的な順序関係とみなすことによって,A!Bが成り立つのは,

それ以後の世界ではAが成り立つならばBが成り立つときであると考えることができる.

本論文では,上にあげた直観主義論理等の場合とはA!Bの解釈が異なるクリプキセ マンティクスを提案する.そこでは,到達可能関係は直観主義論理の場合と同じように半 順序関係であるが,A !Bが成り立つことの直観的な意味を,Aが成り立っている間は

Bが成り立つことであるとする.この解釈によって,それぞれの論理式が成立し続ける時 間を比較することで,時間に関するより詳細な表現が可能となる.

一般にクリプキセマンティクスでは,可能世界の集合と到達可能関係の組をクリプキフ レーム(または,単にフレーム)といい,さらに付値を加えた三つ組をクリプキモデルとい う.また,あるフレーム上の全ての付値と全ての可能世界で成立する論理式は,そのフレー ムで恒真であるという.本論文で提案するクリプキセマンティクスでは,A !(B !A)(A! C)^(B !C)! (A_B !C)といった,直観主義論理のクリプキセマンティ クスでは任意のフレームで恒真となる論理式が,必ずしも成り立たない可能世界を持つク リプキモデルが存在する.逆に,直観主義論理のあるフレームでは恒真とはならない論理 式のうちの一つであるA_:Aなどが,そこでは任意のフレームで恒真となる.

提案されるクリプキセマンティクスに対する形式体系としては,ヒルベルト流の形式 体系が提供される.この体系の公理と推論規則から導出される全ての論理式は,クリプキ

Copyright c

1999byKentaroKikuchi

(3)

セマンティクスの任意のフレームで恒真であるという健全性を示すことができる.逆に,

任意のフレームで恒真となる論理式が全てこの体系で導出されるという性質を完全性と いう.完全性を示すためには,通常は,導出されない論理式に対してそれが成り立たない 可能世界を持つクリプキモデルを構成するという方法をとる.その際,矛盾が導かれない ある種の論理式の集合を可能世界とするカノニカルモデルと呼ばれるクリプキモデルを 構成する.直観主義論理の場合には,カノニカルモデルの到達可能関係として,可能世界 である論理式の集合の間の包含関係をとる.そして,その集合の要素である論理式とその 可能世界で成り立つ論理式とが一致するように付値を定める.このようにして,形式体系 で導出されない論理式はカノニカルモデルのある可能世界では成立しないことが示され,

完全性が証明される.しかしながら,本論文で提案されるクリプキセマンティクスでは,

カノニカルモデルを構成する際に,同じ集合を異なる可能世界とみなさなければならない 場合があり,したがって,直観主義論理の場合のように到達可能関係として集合の間の包 含関係をとることはできない.そのため,カノニカルモデルを構成するには別の方法を考 案しなければならず,完全性の証明は本論文では課題として残された.

前述のように,直観主義論理のクリプキセマンティクスと本論文で提案されるクリプキ セマンティクスとの間には,恒真性について一方が他方に含まれるという関係があるわけ ではないが,次のような意味で直観主義論理を提案されるクリプキセマンティクスに対応 する論理に埋め込むことが可能である.すなわち,任意の論理式 Aに対して,Aが直観 主義論理の任意のフレームで恒真になることとTr(A)が提案されるクリプキセマンティ クスの任意のフレームで恒真になることが同値となるような変換Trが存在する.本論文 ではそのような変換を具体的に与えることによって,直観主義論理のそれぞれの論理式に 対して,提案されるクリプキセマンティクスでそれと同じ意味を持つ論理式が存在するこ とを示した.このことから,本論文で提案されるクリプキセマンティクスでは確かに直観 主義論理よりも詳細な表現が可能となっていることがわかる.

参照

関連したドキュメント

非難の本性理論はこのような現象と非難を区別するとともに,非難の様々な様態を説明

いかなる使用の文脈においても「知る」が同じ意味論的値を持つことを認め、(2)によって

名の下に、アプリオリとアポステリオリの対を分析性と綜合性の対に解消しようとする論理実証主義の  

このように資本主義経済における競争の作用を二つに分けたうえで, 『資本

不変量 意味論 何らかの構造を保存する関手を与えること..

これは基礎論的研究に端を発しつつ、計算機科学寄りの論理学の中で発展してきたもので ある。広義の構成主義者は、哲学思想や基礎論的な立場に縛られず、それどころかいわゆ

 

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o