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火力部会補足説明資料目次 1. 地上 100m 地点と地上 10m 地点の風向の比較について 1 2. 有効煙突高さより低い上空逆転層を突き抜けない場合の着地濃度について 3 3. 内部境界層フュミゲーション発生時の予測について 4 4. 温排水の放水に伴う流速が内港側と外港側で違う理由について 1

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(1)

資料3-4-2 平成 23 年 3 月 1 日 火力部会

新仙台火力発電所リプレース計画

環境影響評価準備書

補 足 説 明 資 料

平成 23 年 3 月

東北電力株式会社

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1.地上 100m地点と地上 10m地点の風向の比較について ··· 1 2.有効煙突高さより低い上空逆転層を突き抜けない場合の着地濃度について ··· 3 3.内部境界層フュミゲーション発生時の予測について ··· 4 4.温排水の放水に伴う流速が内港側と外港側で違う理由について ··· 10 5.重要な植物種の移植又は播種計画について ··· 11 6.陸域動植物の環境保全措置の修正について ··· 13 7.発電所設備の視認量について ··· 15 8.発電所関係車両台数の低減について ··· 16 <説明済み> <大気環境> 1.建物ダウンウォッシュの対象となる範囲について ··· 18 2.「工事用資材等の搬出入」及び「資材等の搬出入」に伴う粉じん等の予測について ··· 20 3.将来 3 号系列の利用率の設定根拠及び起動・停止頻度について ··· 21 4.上層逆転層発生時の予測における逆転層下端(リッド)高度設定の考え方について ··· 22 5.内部境界層フュミゲーション発生時の予測における風下方向の設定について ··· 24 6.内部境界層フュミゲーション発生時の予測における内部境界層内の大気安定度について··· 25 7.排煙上昇過程を考慮した内部境界層フュミゲーションの予測について ··· 26 8.内部境界層の有無による最大着地濃度の比較について ··· 28 9.特殊気象条件下の予測における二酸化窒素のバックグラウンド濃度について ··· 29 10.LNG船から排出されるばい煙による環境影響について ··· 31 11.1 号機運転中の騒音レベルが 1,2 号機停止中より低い理由について ··· 32 12.建設機械の騒音レベルの設定方法について ··· 33 13.「施設の稼働」に伴う騒音予測を,JIS Z8738 を用いて試算した場合について ··· 34 <水環境> 14.浚渫の範囲及び桟橋の構造について ··· 35 15.外港放水期と内港放水期における温排水拡散範囲について ··· 38 16.水温調査結果と温排水拡散予測結果の比較について ··· 40 17.取水及び放水温度の測定位置について ··· 41 <自然環境> 18.陸域動物・植物の影響予測の修正について ··· 43 19.創出する草地での外来種の扱いについて ··· 46 20.緑化計画における海岸沿いの植栽樹木及び樹林の管理手法について ··· 47 21.ハヤブサの保全措置について ··· 48 22.ハヤブサの必要エネルギーの数値について ··· 50 23.重要な動物種の生息環境の分布状況について ··· 51 24.ハヤブサの営巣場所の創出について ··· 53

火力部会

補足説明資料

目次

(3)

1.地上 100m地点と地上 10m地点の風向の比較について 本事業においては,窒素酸化物の排出濃度,排出量及び計算した1時間値の着地濃度がリプレ ース前より減少することから,「発電所に係る環境影響評価における項目削除・手法簡略化の考え 方について」(原子力安全・保安院,平成 16 年)の簡略化の考え方に従い高層気象観測及び上層 気象観測を省略し,上層の風向は,図 2 の対象事業実施区域内の観測点①における地上高 10mの 観測結果を用いました。 参考として,平成4~5年に当社が上空の気象の状況を把握するため対象事業実施区域で実施し た高層気象観測(図2の観測点②)における地上100m地点(3号系列の煙突高さ)のデータとその 高層気象観測と同時刻に実施した地上気象観測(図2の観測点③)の地上10m地点のデータを用い て,風向の比較を行いました。 その結果,相関は表 1 のとおりであり,ベクトル相関が 0.91,風向の相関が 0.89 となってい ます。また,風配図は図 1 のとおりであり,一方位程度のねじれの傾向がみられますが,年・日 平均値の寄与濃度は低濃度であること,特殊気象条件下の寄与濃度は感度解析により予測してい ることなどから,現況で同様なねじれがあった場合でも,予測結果への影響は少ないと考えられ ます。 なお,平成 4~5 年に実施した地上気象観測位置は図 2 の観測点③であり,今回(平成 19~20 年)実施した地上気象観測(観測点①)の位置とは異なります。また,両地点での 1 年間の地上 気象観測データによる風配図は図 3 のとおりです。 表 1 高層気象観測における地上 100m地点と同時刻の地上 10m地点の風の相関 ベクトル相関 風向の相関 0.91 0.89 注:1.ベクトル相関及び風向の相関は,「窒素酸化物総量規制マニュアル〔新版〕」(公 害研究対策センター,平成 12 年)に記載されている以下の式で算出した。 ・ベクトル相関=∑|VAi|・|VBi|cosθi/∑|VAi|・|VBi| ・風向の相関=cos(∑θi/N) |VAi|,|VBi|:風速の実測値 θi:VAi,VBi のなす角(風向の違い) N:データ数 2.対象データ数は,224 である。 図 1 高層気象観測における地上 100m地点と同時刻の地上 10m地点の風配図 【高層気象観測】 調 査 者:東北電力株式会社 0 5 10 15 20 N NE E SE S SW W NW (%) 注:対象データ数は,224 である。 地上 10m 地上 100m

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図 2 気象観測位置 図 3 地上気象(地上 10m)の年間風配図 高層気象観測年(観測点③) 現況気象観測年(観測点①) (平成 4 年 8 月~平成 5 年 7 月) (平成 19 年 10 月~平成 20 年 9 月) 対象事業実施区域 外港放水口 内港放水口 煙突 1 号 機 2 号 機 タービン 建屋 発電所 敷地境界 取水口 仙台港 0 100 200m ● ②高層気象(地上~1,500mまで50m毎) (平成4~5年の四季別に各1 週間) ▲ ③地上気象(地上 10m) (高層気象観測年:平成4~5 年の1 年間) ■ ①地上気象(地上 10m) (現況気象観測年:平成19~20 年の1 年間) 1.7 0 10 20% N E W NE NW 0.5 0.0 10 20% N E W NE NW 6.0 ≦ 4.0 ~ 5.9 風速階級(m/s) 凡 例 (準備書 P8.1.1-14)

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2.有効煙突高さより低い上空逆転層を突き抜けない場合の着地濃度について 逆転層下端(リッド)高度については,準備書では,有効煙突高さに設定しましたが,参考と して,平成 4~5 年に実施した高層気象観測結果で有効煙突高さより低い場合の着地濃度を確認し ました。 有効煙突高さより低い上空逆転層について,平成 4~5 年の高層気象観測データを「窒素酸化物 総量規制マニュアル[新版]」(公害研究対策センター、平成 12 年)に示される手法を用いて突き 抜け判定を行った結果,48 ケース中 21 ケースが突き抜けないと判定されました。この 21 ケース について,逆転層下端高度をリッドとした場合の着地濃度を計算した結果は,表 1 のとおりであ り,最大の着地濃度は,逆転層下端高度が煙突高さと同じ 100mのケースの 0.0195ppm(8 月 23 日 12 時)です。 この場合でも将来環境濃度は,表 2 のとおり 0.0925ppm であり,短期暴露の指針値(1 時間値 が 0.1~0.2ppm 以下)に適合しています。 表 1 3 号系列の排煙が上空逆転層を突き抜けないと判定されたケースの着地濃度計算結果 年 月 日 時 煙突高さ における 風向 煙突高さ における 風速 (m/s) 地上 安定度 CONCAWE 式に よる有効煙 突高さ(m) 突き抜け可能 な逆転層の上 端高度 (m) 逆転層 上端高度 (m) 逆転層下端高度 〔予測に用いた 有効煙突高さ〕 (m) 寄与最大 着地濃度 (ppm) 最大着地 濃度出現 距離 (km) H4 8 19 15 SE 7.3 C-D 248 189 200 100 0.0073 1.8 8 19 18 SSE 8.0 D 239 189 200 150 0.0018 5.9 8 22 21 S 1.7 D 506 257 500 350 0.0010 23.6 8 22 24 SW 1.0 D 537 320 550 350 0.0017 23.6 8 23 3 SE 1.4 D 519 435 450 350 0.0012 23.6 8 23 9 SE 1.9 B 510 195 600 500 0.0014 6.9 8 23 12 ESE 3.3 B 369 201 250 100 0.0195 1.2 8 23 18 ESE 3.3 D 369 198 450 350 0.0005 23.6 8 23 24 WNW 2.0 D 492 229 500 300 0.0012 17.9 8 24 3 SSW 2.5 D 431 390 450 400 0.0005 30.0 8 26 3 SSE 2.1 D 478 266 350 300 0.0012 17.9 10 29 12 SE 3.5 B 358 232 350 250 0.0030 3.2 10 30 3 SW 1.3 E 524 266 600 500 0.0004 30.0 10 30 9 NNE 1.4 B 602 359 700 500 0.0020 6.9 H5 2 5 24 S 1.9 G 496 232 350 250 0.0000 30.0 5 9 15 S 14.7 D 188 268 300 100 0.0026 3.1 5 9 18 S 19.7 D 170 142 200 100 0.0019 3.1 5 9 24 SSW 10.9 D 210 147 250 100 0.0034 3.1 5 10 21 NNE 6.6 D 260 156 300 150 0.0021 5.9 5 13 15 NNE 2.6 D 422 236 550 250 0.0015 12.9 5 13 21 SSW 5.5 D 284 212 300 250 0.0007 12.9 注:1. は,最大となった着地濃度及びその気象条件等を示す。 2.最大着地濃度は,3-1 号及び 3-2 号の重合値である。 3.着地濃度の予測計算では,地上安定度を上層の安定度に置き換えた。 4.CONCAWE 式による有効煙突高さが逆転層の下端高度を超えるため,下端高度を有効煙突高さ及び混合層高度として計算した。 表 2 寄与最大着地濃度における将来環境濃度 予測項目 寄与最大着地濃度 バックグラウンド濃度 将来環境濃度 短期暴露の 指針値 (ppm) (ppm) (ppm) a b c=a+b 二酸化窒素 0.0195 0.073 0.0925 1 時間暴露として 0.1~0.2ppm 注:1.短期暴露の指針値は,昭和 53 年の中央公害対策審議会の答申による短期暴露の指針値を示す。

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3.内部境界層フュミゲーション発生時の予測について 内部境界層フュミゲーション発生時の予測については,準備書では,地上の大気安定度を内部 境界層が発達しやすい A~B-C として風速範囲を設定しましたが,C-D でも内部境界層が発生する 可能性があるとのご指摘を踏まえ,大気安定度の範囲を A~C-D に拡大した場合の内部境界層フュ ミゲーションについて,検討を行いました。 その結果は以下のとおりであり,評価書では,安定度 A~C-D を条件とし,表 4 のとおり修正し ます。 1.予測条件 (1) 内部境界層の出現頻度 内部境界層の出現頻度について,現況気象観測の 1 年間を対象に算出した結果は,表 1 の とおりであり,安定度 A~B-C の場合が 9.0%,安定度 A~C-D の場合が 14.2%となっていま す。 〔内部境界層の出現条件〕 ・風 向:海風の範囲(時計回りに ENE~SSW) ・大気安定度: A~B-C ,A~C-D ・時間帯:昼間 ・時 期:3 月~11 月(冬季を除く) 表 1 内部境界層の風向別出現頻度 対象期間:1 年間(通年) ・大気安定度:A~B-C 風向観測高さ:10m 区 分 内部境界層の風向別出現頻度(%)

ENE E ESE SE SSE S SSW 合計

現況気象観測年 (H19.10~20.9) 0.4 1.3 1.9 2.2 1.7 1.1 0.4 9.0 【参考】 高層気象観測年 (H4.8~5.7) 0.4 1.6 1.9 2.1 1.2 0.9 0.3 8.3 ・大気安定度:A~C-D 区 分 内部境界層の風向別出現頻度(%)

ENE E ESE SE SSE S SSW 合計

現況気象観測年

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(2) 風速範囲 気象観測結果による風向別・大気安定度別の最大風速は表 2 のとおりであり,準備書では 大気安定度 A~B-C で最大風速 5.5m/s としていましたが,大気安定度 A~C-D における海風(風 向:ENE~SSW)の最大風速は 14.3m/s であることから,感度解析の風速範囲は 1.0~14.3m/s としました。 表 2 風向別・大気安定度別の上層風最大風速 (単位:m/s) 安定度 風向 A A-B B B-C C C-D D(昼) D(夜) E F G 最大 N --- 2.3 4.4 5.4 12.2 9.0 16.0 13.2 6.9 5.8 3.8 16.0 NNE --- 3.3 5.5 5.5 8.4 8.9 17.6 18.1 6.9 5.8 3.8 18.1 NE 1.6 2.4 4.7 5.5 11.6 7.6 14.6 18.5 6.8 5.8 3.8 18.5 ENE 1.5 2.0 5.5 5.5 13.3 8.9 19.4 16.7 6.9 5.8 3.8 19.4 E 2.4 3.7 5.5 5.5 14.3 9.0 25.1 18.1 6.8 5.6 3.8 25.1 ESE 2.4 3.5 5.5 5.5 12.8 9.4 22.6 22.1 6.9 5.6 3.6 22.6 SE 2.4 3.7 5.5 5.5 9.8 9.2 21.2 19.4 6.9 5.6 3.6 21.2 SSE 2.4 3.7 5.5 5.2 8.9 9.0 13.0 15.1 6.9 5.8 3.8 15.1 S 2.4 3.5 5.5 5.5 10.6 9.4 12.6 17.2 6.8 5.8 3.8 17.2 SSW 2.3 3.4 5.4 5.5 7.0 9.4 12.8 14.4 6.6 5.4 3.8 14.4 SW 2.4 3.7 4.1 5.5 6.5 9.0 13.9 12.8 6.8 5.8 3.8 13.9 WSW --- 2.4 4.5 5.5 14.4 9.2 15.1 14.2 6.9 5.8 3.8 15.1 W 2.1 1.4 5.5 5.4 16.0 9.4 18.7 16.9 6.9 5.8 3.8 18.7 WNW --- 2.5 5.5 5.5 13.2 8.7 18.7 18.8 6.8 5.4 3.6 18.8 NW 2.3 3.7 5.5 5.4 24.9 9.4 21.2 18.3 6.9 5.8 3.8 24.9 NNW --- 3.5 5.2 5.5 14.4 9.4 16.9 14.8 6.9 5.8 3.8 16.9 最大 2.4 3.7 5.5 5.5 24.9 9.4 25.1 22.1 6.9 5.8 3.8 25.1 注:1. は,準備書において設定した最大風速の範囲を示す。 2. は,安定度 A~C-D において設定した最大風速の範囲を示す。

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2.予測計算 準備書では,風速条件を地上の安定度 A~B-C の時に出現する上層風速の範囲(1.0~5.5m/s) として予測しました(P8.1.1-90,91 参照)。 風速範囲を 1.0~14.3m/s とした場合の着地濃度の予測計算結果は,表 3 のとおりです。 風速範囲を拡大した場合の最大着地濃度は,内部境界層外の大気安定度 F,風速 11.6m/s,内 部境界層発達高度式の係数 9 の条件における 0.0200ppm となっています。 なお,「熱的内部境界層の高度を表す Garratt(1992)の式の感度解析」(安達隆史,山梨大 学教育人間科学部紀要 Vol.5 No.2,2003)によれば,内部境界層発達高度式の係数は,風速 6m/s の場合が 1~7 となっていることから,風速が 6m/s より大きい場合の係数は,8 以上にはなら ないものと考えられます。 表 3 内部境界層フュミゲーション発生時の予測計算結果(最大着地濃度) 風速 範囲 大気安定度 内部境界層 発達高度式の 係数 風速 (m/s) 有効煙突 高さ (m) 寄与最大 着地濃度 (ppm) 寄与最大着地 濃度出現距離 (km) 境界層内 境界層外 1.0~5.5 m/s (準備書 P8.1.1-91) A E 6 5.5 284 0.0060 2.8 8 5.5 284 0.0102 1.6 9 5.5 284 0.0124 1.2 F 6 5.5 284 0.0096 2.7 8 1.0 538 0.0158 5.4 9 1.0 538 0.0191 4.2 1.0~14.3 m/s (拡大風速) A E 6 12.8 197 0.0069 1.4 8 13.6 193 0.0116 0.7 9 13.1 196 0.0142 0.6 F 6 11.6 205 0.0107 1.4 8 12.5 199 0.0168 0.7 9 11.6 205 0.0200 0.6 注:1. は,最大となった着地濃度及びその気象条件等を示す。 2.寄与最大着地濃度は,3-1 号及び 3-2 号の重合値である。

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表4(1) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測の修正内容 現行(準備書 P8.1.1-90,91) 修正後 (ⅱ) 予測条件 ⅱ) 気象条件 内部境界層が発生する条件として,感度解析を行うため,以下の気象条件を設定 した。 大気安定度は,日中の不安定時を想定した。 風速条件は,地上の大気安定度 A~B-C の時に出現する上層風(「b.年平均値の予 測」で用いた地上 100mの風)の風速の範囲(1.0~5.5m/s:0.1m/s 間隔)とした。 内部境界層の内外の拡散パラメータは,以下のとおりとした。 ・内部境界層内:地上の大気安定度で最も不安定な A ・内部境界層外:上層の大気安定度で安定となる E 及び F 内部境界層発達高度式の係数 a は,以下の文献を参考に 6,8 及び 9 と設定した。 なお,煙突は周辺のほぼ海岸線上に位置することから,煙突位置から内部境界層が 発達するものとした。 (ⅱ) 予測条件 ⅱ) 気象条件 内部境界層が発生する条件として,感度解析を行うため,以下の気象条件を設定 した。 大気安定度は,日中の不安定時を想定した。 風速条件は,地上の大気安定度が A~C-D で,陸域に向かう海風(時計回りに EN E~SSW)の時に出現する上層風(「b.年平均値の予測」で用いた地上 100mの風) の風速の範囲(1.0~14.3m/s:0.1m/s 間隔)とした。 内部境界層の内外の拡散パラメータは,以下のとおりとした。 ・内部境界層内:地上の大気安定度で最も不安定な A ・内部境界層外:上層の大気安定度で安定となる E 及び F 内部境界層発達高度式の係数 a は,以下の文献を参考に 6,8 及び 9 と設定した。 また,煙突は周辺のほぼ海岸線上に位置することから,煙突位置から内部境界層が 発達し,風下方向は海岸線から内陸方向に直角であるとした。 なお,地上気象観測を行った 1 年間における内部境界層の風向別出現頻度は,第 8.1.1.1-41 表のとおりである。 第 8.1.1.1-41 表 内部境界層の風向別出現頻度 〔内部境界層の出現条件〕 ・風 向:海風の範囲(時計回りに ENE~SSW) ・大気安定度:A~C-D ・時間帯:昼間 ・対象期間:平成 19 年 10 月~11 月,平成 20 年 3 月~9 月(冬季を除く) 項 目 地上風向

ENE E ESE SE SSE S SSW 合計 内部境界層

の出現頻度 (%)

0.7 2.2 2.9 3.6 2.4 1.8 0.7 14.2 注:出現頻度は,四捨五入の関係で合計が一致しないことがある。

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表4(2) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測の修正内容 現行(準備書 P8.1.1-91) 修正後 ⅴ.予測結果 内部境界層フュミゲーション発生時の感度解析の結果,大気安定度,発達高度式の 係数別に最大となった着地濃度及びその出現距離は,第 8.1.1.1-41 表(1)のとおりで ある。 対象とした全ての気象条件を通しての 3 号系列による 1 時間値の最大着地濃度地点 及び最大着地濃度は,内部境界層外の大気安定度 F,風速 1.0m/s,内部境界層発達高 度式の係数 a=9 の条件で,対象事業実施区域から 4.2km の地点における 0.0191ppm で ある。 また,バックグラウンド濃度を含む将来環境濃度は,着地濃度が最大となった気象 条件で 0.0921ppm である(第 8.1.1.1-41 表(2))。 第 8.1.1.1-41 表(1) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測結果 (最大着地濃度及び出現距離) 予測 項目 大気安定度 内部境界層 発達高度式 の係数 風 速 最大着地 濃度 最大 着地濃度 出現距離 境界層内 境界層外 (m/s) (ppm) (km) 二 6 5.5 0.0060 2.8 酸 E 8 5.5 0.0102 1.6 化 A 9 5.5 0.0124 1.2 窒 6 5.5 0.0096 2.7 素 F 8 1.0 0.0158 5.4 9 1.0 0.0191 4.2 ⅴ.予測結果 内部境界層フュミゲーション発生時の感度解析の結果,大気安定度,発達高度式の 係数別に最大となった着地濃度及びその出現距離は,第 8.1.1.1-42 表(1)のとおりで ある。 対象とした全ての気象条件を通しての 3 号系列による 1 時間値の最大着地濃度地点 及び最大着地濃度は,内部境界層外の大気安定度 F,風速 11.6m/s,内部境界層発達 高度式の係数 a=9 の条件で,対象事業実施区域から 0.6km の地点における 0.0200ppm である。 また,バックグラウンド濃度を含む将来環境濃度は,着地濃度が最大となった気象 条件で 0.0930ppm である(第 8.1.1.1-42 表(2))。 第 8.1.1.1-42 表(1) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測結果 (最大着地濃度及び出現距離) 予測 項目 大気安定度 内部境界層 発達高度式 の係数 風 速 有効煙突 高 さ 最大着地 濃度 最大 着地濃度 出現距離 境界層内 境界層外 (m/s) (m) (ppm) (km) 二 6 12.8 197 0.0069 1.4 酸 E 8 13.6 193 0.0116 0.7 化 A 9 13.1 196 0.0142 0.6 窒 6 11.6 205 0.0107 1.4 素 F 8 12.5 199 0.0168 0.7 9 11.6 205 0.0200 0.6

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表4(3) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測の修正内容 現行(準備書 P8.1.1-91) 修正後 第 8.1.1.1-41 表(2) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測結果 (将来環境濃度) (単位:ppm) 予測項目 寄与濃度 バックグラ ウンド濃度 将 来 環境濃度 a b a+b 二酸化窒素 0.0191 0.073 0.0921 注:1.寄与濃度は,感度解析により最大となった着地濃度であり,内部境界層 外の大気安定度 F,内部境界層発達高度式の係数 9,風速 1.0m/s の気象 条件時のもので,3-1 号及び 3-2 号の重合値である。 2.気象条件を変化させる感度解析により予測を行っており,最大着地濃度 発生日時が特定されないことから,バックグラウンド濃度は,対象事業 実施区域から半径 10km 以内の一般局(7 局)及び現地調査地点(笠神) の平成 19 年 10 月 1 日~平成 20 年 9 月 30 日における二酸化窒素濃度の 1 時間値の最高値(七郷)を用いた。 第 8.1.1.1-42 表(2) 内部境界層フュミゲーション発生時の予測結果 (将来環境濃度) (単位:ppm) 予測項目 寄与濃度 バックグラ ウンド濃度 将 来 環境濃度 a b a+b 二酸化窒素 0.0200 0.073 0.0930 注:1.寄与濃度は,感度解析により最大となった着地濃度であり,内部境界層 外の大気安定度 F,内部境界層発達高度式の係数 9,風速 11.6m/s の気象 条件時のもので,3-1 号及び 3-2 号の重合値である。 2.気象条件を変化させる感度解析により予測を行っており,最大着地濃度 発生日時が特定されないことから,バックグラウンド濃度は,対象事業 実施区域から半径 10km 以内の一般局(7 局)及び現地調査地点(笠神) の平成 19 年 10 月 1 日~平成 20 年 9 月 30 日における二酸化窒素濃度の 1 時間値の最高値(七郷)を用いた。 注:準備書 P8.1.1-98 の「f.評価の結果」も同様に修正する。

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4.温排水の放水に伴う流速が内港側と外港側で違う理由について 温排水の放水による放水口沖合約 50m における将来の海表面流速は,内港側で 12cm/s,外港側 で 11cm/s と予測されました。内港側と外港側で流速に差が生じた理由は,以下のとおりです。 内港及び外港放水口の平面図を図 1 に示します。放水口の幅は,内港放水口で 32m,外港放水 口で 50.6mであり,内港放水口の幅は外港放水口に比べて狭くなっています。 このため,温排水の放水に伴う流速は,内港側が外港側に比べて速くなります。 なお,準備書(P8.1.2-99)に示した流速は放水口沖合約 50m の値であることから,準備書では 「放水口出口」と記載していましたが,評価書では「放水口沖合約 50m」に修正します。 図 1 内港及び外港放水口平面図

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5.重要な植物種の移植又は播種計画について 対象事業実施区域の重要な植物種については,工事実施前に専門家の助言を受けながら対象事 業実施区域内に移植や播種する計画です。その具体的な内容は,以下のとおりです。 1.移植地 重要な植物種の移植地は,図 1 及び 2 に示す場所とする計画です。 移植場所の選定に当たっては工事中及び将来とも改変しない場所とし,エノキ,ケヤキ等の 樹木の移植地は,将来樹林地となる予定の対象事業実施区域の北側を計画しております。 草本等の移植地は,現状で草地である東仙台変電所東側を計画しており,砂浜を生育環境と するハマボウフウ等については,草本等の移植地に砂地を整備し移植します。 また,ヨシ,ヒメガマについては,対象事業実施区域に生育環境である湿地・水辺が常時存 在しないため,約 5km 離れた当社仙台火力発電所構内の水辺に移植する計画です。 2.移植又は播種方法 移植又は播種は,生育環境,生活形を考慮して表 1 に示す方法で実施します。 表 1 移植又は播種の方法 場所 移植地 生育 環境 生活形・種名 移植又は播種方法 対象 事業 実施 区域 移植地 (樹木) 樹林地 木本 エノキ,ケヤキ,オオシマザク ラ,マルバシャリンバイ,モチ ノキ 個体を掘り採り,移植地に植え付けます。 移植地 (草本等) 草地 多年草,木本 テリハノイバラ,メドハギ,ツ クシハギ,エゾタンポポ,ヒメ ヤブラン,ヤマアワ,アズマネ ザサ,ネズミノオ,ネジバナ 個体を掘り採り,移植地に植え付けます。 越年草 シロイヌナズナ,ヤ ハズエンドウ 種子を採取し,移植地に播種します。 コケリンドウ 個体数が少ない又は生育地が対象事業実 施区域に限られるため,確実に定着させる ため以下の方法を併用します。 ① 種子を採取し,移植地に播種します。 ② 個体を掘り採り,移植地に植え付けて 結実・種子散布させます。 路傍・ 空地 越年草 ナズナ 多年草 カゼクサ 個体を掘り採り,移植地に植え付けます。 砂地 整備 箇所 砂浜 多年草 ハマボウフウ,ハマヒルガオ, ウンラン,ケカモノハシ,コウ ボウムギ,コウボウシバ 個体を掘り採り,移植地の砂地に植え付け ます。 仙台 火力 発電 所 水辺 湿地・ 水辺 多年草 ヨシ,ヒメガマ 個体を掘り採り,仙台火力発電所構内の水 辺に植え付けます。

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3.移植や播種後の管理 移植や播種後は,移植種以外の植物の抜き取りや必要に応じて撒水する等の管理を行うとと もに,生育状況を監視します。 なお,工事終了後には,対象事業実施区域に創出する草地,砂地に,移植地の植物から種子 を採取して播種する計画です。 図 1 移植地の位置(ヨシ,ヒメガマ以外) 図 2 移植地の位置(ヨシ,ヒメガマ) 0 100 200m 東仙台 変電所 タービン 建屋 点検 スペース 点検 スペース 移植地(樹木) 対象事業 実施区域 [将 来] 移植地(草本等)の模式図 ←草地,路傍・空地を 生育環境とする種の 移植場所 ←砂浜を生育環境とす る種の移植場所は砂 地に整備 約 45m 約 5m 約 10m 移植地(草本等) N 仙台火力 発電所 発電所構内の水辺 凡例 区 分 樹 木 植 栽 地 広葉樹林 クロマツ・広葉樹混交林 修景植栽 草地・芝地 草地・芝地(点検スペース) 砂地

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6.陸域動植物の環境保全措置の修正について 準備書における陸域動植物の環境保全措置については,地形改変に関する記載が不明確であっ たこと,森林性や砂浜性の動植物への措置が不足していたことから,表 1 及び表 2 のとおり評価 書に記載します。 表 1 陸域動物の環境保全措置の修正内容 現 行(準備書P8.1.3-38) 修正後 ② 予測及び評価の結果 イ.工事の実施,土地又は工作物の存在及び供用 (イ) 造成等の施工による一時的な影響,地形改変及び 施設の存在 a.環境保全措置 造成等の施工による重要な種及び注目すべき生 息地への一時的な影響,並びに地形改変及び施設の 存在に伴う重要な種及び注目すべき生息地への影 響を低減するため,以下の環境保全措置を講じる。 ・既存の敷地を使用し,新たな地形改変は行わない。 ・工事関係者の工事区域外への不要な立ち入りは行 わない。 ・騒音及び振動の発生源となる建設機械は,可能な 限り低騒音・低振動型機械を使用する。 ・既設設備跡地や作業等で一時的に使用した場所 は,使用終了後できるだけ速やかに草地の創出を 行う。 ・ヒメオオメカメムシ,アカガネアオゴミムシ等の 昆虫類の生息環境を確保するために,改変箇所の 草地の種子や表土等を用いて対象事業実施区域 に草地を創出する。 ・工事終了後は既設1,2号機跡地を草地にする等, 草地面積を極力確保し,動物の生息環境の回復を 図る。 ② 予測及び評価の結果 イ.工事の実施,土地又は工作物の存在及び供用 (イ) 造成等の施工による一時的な影響,地形改変及び 施設の存在 a.環境保全措置 造成等の施工による重要な種及び注目すべき生 息地への一時的な影響,並びに地形改変及び施設の 存在に伴う重要な種及び注目すべき生息地への影 響を低減するため,以下の環境保全措置を講じる。 ・地形改変の範囲は,既造成地である発電所敷地内 とする。 ・工事関係者の工事区域外への不要な立ち入りは行 わない。 ・騒音及び振動の発生源となる建設機械は,可能な 限り低騒音・低振動型機械を使用する。 ・作業等で一時的に使用した場所は,使用終了後で きるだけ速やかに草地の創出を行う。 ・森林性の重要な動物種の生息環境を確保するた め,対象事業実施区域に新たに樹林地を創出す る。 ・草地性の重要な昆虫類の生息環境を確保するため に,改変箇所の草地の種子や表土等を用いて対象 事業実施区域に草地を創出する。 ・砂浜性の重要な動物種の生息環境を確保するた め,対象事業実施区域に新たに砂地を設置する。 ・改変箇所で確認されたテングチョウの食樹である エノキは,新たに創出する樹林地周辺に移植す る。 ・工事終了後は既設1,2号機跡地を草地にする等, 草地面積を極力確保し,動物の生息環境の回復を 図る。 注:「第 6 章 環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法」,「8.1.5 生態系」等の該当箇所について も,同様に修正する。

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表 2 陸域植物の環境保全措置の修正内容 現 行(準備書P8.1.4-26) 修正後 ② 予測及び評価の結果 イ.工事の実施,土地又は工作物の存在及び供用 (イ) 造成等の施工による一時的な影響,地形改変及び 施設の存在 a.環境保全措置 造成等の施工による重要な種及び重要な群落へ の一時的な影響,並びに地形改変及び施設の存在に 伴う重要な種及び重要な群落への影響を低減する ため,以下の環境保全措置を講じる。 ・既存の敷地を使用し,新たな地形改変は行わない。 ・工事関係者の工事区域外への不要な立ち入りは行 わない。 ・既設設備跡地や作業等で一時的に使用した場所 は,使用終了後できるだけ速やかに草地の創出を 行う。 ・シロイヌナズナ等の草地性の重要な植物種の生育 環境を確保するため,改変箇所の空地雑草群落の 種子や表土等を用いて対象事業実施区域に草地 を創出する。 ・工事終了後は既設1,2号機跡地を草地にする等, 草地面積を極力確保し,植物の生育環境の回復を 図る。 ・改変箇所のみに生育するコケリンドウ,ネズミノ オについては,工事の影響を受けない場所へ移植 する。 ② 予測及び評価の結果 イ.工事の実施,土地又は工作物の存在及び供用 (イ) 造成等の施工による一時的な影響,地形改変及び 施設の存在 a.環境保全措置 造成等の施工による重要な種及び重要な群落へ の一時的な影響,並びに地形改変及び施設の存在に 伴う重要な種及び重要な群落への影響を低減する ため,以下の環境保全措置を講じる。 ・地形改変の範囲は,既造成地である発電所敷地内 とする。 ・工事関係者の工事区域外への不要な立ち入りは行 わない。 ・改変箇所で確認された重要な植物種については, 工事の影響を受けない場所への移植又は播種を 実施し,これらの種が活着又は生長するまで適切 な維持管理を行う。 ・作業等で一時的に使用した場所は,使用終了後で きるだけ速やかに草地の創出を行う。 ・森林性の重要な植物種の生育環境を確保するた め,対象事業実施区域に新たに樹林地を創出す る。 ・草地性の重要な植物種の生育環境を確保するた め,改変箇所の草地の種子や表土等を用いて対象 事業実施区域に草地を創出する。 ・砂浜性の重要な植物種の生育環境を確保するた め,対象事業実施区域に新たに砂地を設置する。 ・工事終了後は既設1,2号機跡地を草地にする等, 草地面積を極力確保し,植物の生育環境の回復を 図る。 ・工事終了後は,移植又は播種した植物の種子を対 象事業実施区域の新たな生育環境へ播種する。 注:「第 6 章 環境影響評価の項目並びに調査,予測及び評価の手法」,「8.1.5 生態系」等の該当箇所について も,同様に修正する。

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7.発電所設備の視認量について 準備書における景観の評価は,現況写真と将来のフォトモンタージュを比較(準備書 P8.1.6-18 ~25)し,視認の程度の変化や周辺との色彩の調和等の観点から定性的に行いました。 参考として,現況写真及びフォトモンタージュから,発電所設備の視認量を算出した結果は, 表 1 のとおりであり,視認量の変化はわずかとなっております。 なお,海側の眺望点では視認量の増加がみられますが,発電所の海岸沿いに工事で発生する掘 削土を利用したマウンド緑化を設けることにより,設備の視覚遮へい及び修景を図りました。 表 1 発電所設備の視認量の変化 眺望点 発電所設備の割合(%) 現 状 将 来 ①仙台港多賀城地区緩衝緑地 0.05 0.01 ②マリンゲート塩釜 0.01 0.00 ③湊浜緑地海岸 2.1 2.3 ④松ヶ浜丸山地内 0.7 0.4 ⑤君ヶ岡公園 0.05 0.04 ⑥日和山 0.02 0.04 ⑦仙台港中央公園 0.02 0.01 ⑧フェリー航路(a 地点) 0.5 0.6 注:1.発電所設備の視認量は,60°円錐内の視野構成において発電所設備が占める割合 を示す。 2.眺望地点の位置は以下のとおりであり,フェリー航路は,仙台港の入口に位置す る a 地点について示した(準備書 P8.1.6-14 参照)。 N 対象事業 実施区域 0 1 2km 5km 仙 台 港 ③湊浜緑地海岸 ⑥日和山 ⑦仙台港中央公園 ①仙台港多賀城地区緩衝緑地 ⑤君ヶ岡公園 ④松ヶ浜丸山地内 ②マリンゲート塩釜 ⑧フェリー航路 a

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8.発電所関係車両台数の低減について 工事中及び運転開始後における主要な自然と触れ合いの活動の場へのアクセスに及ぼす影響の 低減については,通勤における乗り合いの徹底等の措置を講じることとしています。 参考として,運転開始後の乗り合い通勤を行わない場合との 12 時間交通量の比較を行いました。 その結果は,表 1 及び表 2 のとおりであり,乗り合い通勤を行わない場合には,発電所関係車両 台数が 670 台から 1,048 台に増加し,主要地方道塩釜七ヶ浜多賀城線における発電所関係車両の 割合(最大)は,8.6%から 12.8%に増加することになります。 表 1 発電所関係車両の交通量(定期点検時) 路線名 乗り合い 通勤 小型車 大型車 合計 主要地方道 塩釜七ヶ浜 多賀城線 行う 570 100 670 行わない 954 94 1,048 注:交通量は,人と自然との触れ合いの活動の主な活動時間帯である昼間(7~ 19 時)における往復交通量を示す。 表 2 予測地点における将来交通量(定期点検時) ・乗り合い通勤を行う場合(準備書 P8.1.7-14) 予測 地点 路線名 一般車両 (台) 発電所関係車両 (台) 合 計 (台) 発電所 関係車両 の割合 小型車 大型車 合 計 小型車 大型車 合 計 小型車 大型車 合 計 (%) 主要地方道 塩釜七ヶ浜 多賀城線 12,583 613 13,196 570 100 670 13,153 713 13,866 4.8 6,737 400 7,137 570 100 670 7,307 500 7,807 8.6 ・乗り合い通勤を行わない場合 予測 地点 路線名 一般車両 (台) 発電所関係車両 (台) 合 計 (台) 発電所 関係車両 の割合 小型車 大型車 合 計 小型車 大型車 合 計 小型車 大型車 合 計 (%) 主要地方道 塩釜七ヶ浜 多賀城線 12,583 613 13,196 954 94 1,048 13,537 707 14,244 7.4 6,737 400 7,137 954 94 1,048 7,691 494 8,185 12.8 注:交通量は,人と自然との触れ合いの活動の主な活動時間帯である昼間(7~19 時)における往復交通量を示す。 A B A B

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1.建物ダウンウォッシュの対象となる範囲について 建物ダウンウォッシュ発生時の予測に用いた ISC-PRIME モデルにおいては,図 1 のように,建 物に対して風上側に 2L*,風下側に 5L,両サイドに 1/2Lの範囲内に煙突があり,かつ,煙突 高さが建物高さの 2.5 倍以下の場合に,この建物の影響を計算するようになっています。 本事業においては,煙突高さが 100mであるため,LNGタンクが計算の高さ条件に該当 (高 さ 54m>40m(100m/2.5))し,図 2 に示すとおり煙突が風下にあるときに建物ダウンウォッシ ュの計算対象となります。 図 1 建物ダウンウォッシュの計算を行う範囲 *L:建物の高さと風向軸に直角する建物の幅の小さい方。 図 2 本事業における煙突とLNGタンクの位置関係 建物 5L 2L 1/2L 1/2L 風の流れ ● 煙突 建物 煙突 【平面図】 【断面図】 2.5×建物高さ 凡 例 計算対象となる 煙突位置の範囲 風の流れ 風の流れ 計算対象となる煙突位置の範囲(水平方向) 計算対象となる煙突位置の範囲(水平方向) LNG タンク 煙 突 54m 100m 5L 2L ① ②

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<参考:建物ダウンウォッシュのイメージ> 建物 煙突 建物 煙突 ・煙突が建物の風下にあるとき ・煙突が建物の風上にあるとき

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2.「工事用資材等の搬出入」及び「資材等の搬出入」に伴う粉じん等の予測について 「工事用資材等の搬出入」及び「資材等の搬出入」に伴う粉じん等については,主要交通ルー ト(一般道路)の通行車両に伴う土砂粉じんを対象として,以下の考え方により,交通量を用い て影響予測を行いました。 「工事用資材等の搬出入」に伴う土砂粉じんの発生源としては,タイヤ等に付着した粉じんと 既に路面上にある粉じんが考えられますが,付着粉じんについては,対象事業実施区域からの工 事関係車両の出場にあたって適宜タイヤ洗浄を行うため,ほとんどないものと考えています。 一般道路を走行する工事関係車両が路面上の粉じんを巻き上げる影響については,巻き上げる 粉じん量が交通量に比例すると考えて,将来の交通量に占める工事関係車両台数をもって粉じん 等の影響を予測しました。 また,発電所運転開始後の資材等運搬車両による粉じん等の予測についても,同様としました。

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3.将来 3 号系列の利用率の設定根拠及び起動・停止頻度について 将来 3 号系列の利用率は,定期点検等による停止期間(表 1)を除いた年間運転日について, その日の需要が低下する夜間等を除いた時間を 100%出力にて発電する計画(図 1)として,70% と設定しました。 また,利用率を 70%と設定した将来 3 号系列の起動および停止回数は,それぞれ年 2 回と想定 しています。 表 1 将来 3 号系列の利用率と年間停止期間 利用率 停止期間 70% 定期点検 70 日間(3-1 号) 予防保全点検 10 日間(3-2 号) 注:上記の翌年は,3-1 号について予防保全点検,3-2 号について定期点検を実施する。 定期点検 :電気事業法に基づく発電設備の自主点検(2 年に 1 回) 予防保全点検:ガスタービン翼,燃焼器など,常時高温にさらされる部品の自主点検(2 年に 1 回) 図 1 将来 3 号系列の発電パターン(準備書 P8.1.1-66) 図 1 稼動時の発電パターン 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 (時) (%) 負 荷

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4.上層逆転層発生時の予測における逆転層下端(リッド)高度設定の考え方について 上層逆転層発生時の予測における逆転層下端(リッド)高度については,準備書では,有効煙 突高さに設定しました(準備書 P8.1.1-85 参照)。その設定理由は,以下のとおりです。 「環境アセスメントの簡略化方法に関する調査(その 2)-気象観測および大気質観測の簡略 化のための手法提案-」(電力中央研究所報告 V06002,2006)では,国内の 3 発電所における逆 転層発生時について,逆転層下端高度を「煙突高さの 2 倍」又は「有効煙突高さ」に設定して地 表濃度を計算し,周辺測定局の観測値と比較しています。その結果は図 1 のとおりであり,逆転 層下端高度が「煙突高さの 2 倍」では,計算値が明らかに過大予測となることなどから,上空の 逆転層を突き抜けないと仮定する場合の逆転層下端高度は,有効煙突高さにすることを提案して います。 この電中研報告書の提案のほか,高層気象観測を行っている地点でも,有効煙突高さより高い 逆転層下端を予測対象としていることを踏まえ,準備書における逆転層下端高度は,有効煙突高 さに設定しました。 なお,平成 4~5 年の高層気象観測データを用いて,有効煙突高さより低い上空逆転層の突き抜 け判定を行った結果,48 ケース中 21 ケースが突き抜けないと判定されましたが,上記の理由に より,逆転層下端高度は有効煙突高さに設定しました。 図 1 逆転層発生時の観測値と計算値の比較

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【電中研報告書の概要】 国内の代表的な 3 発電所において共通の条件(陸に向かう風向,上空気温>地表気温,等)か ら,逆転層が発生している可能性のある時間を抽出している。そして,「逆転層下端高度」を「煙 突高さの 2 倍」又は「有効煙突高さ」に設定して地表濃度を計算し,周辺測定局の観測値と比較 している。 その結果,逆転層が発生している可能性のある全ての条件(340 ケース)を解析対象とし, そのうち各測定局の濃度上位 10 位を図 1 にプロットした結果,「逆転層下端高度」を有効煙突高 さに設定すればほとんどの事例(94%)において安全側(計算値が観測を上回り)で計算できる と結論づけている。 ・対象発電所:石炭火力発電所 3 地点 ・対象大気質測定局:4 測定局/地点 ・図 1 のプロットデータ:測定局ごとに濃度上位 10 位(3 発電所×4 測定局×10 データ≒114 データ) ・対象物質:二酸化硫黄 ・解析対象の発電所及び大気環境測定局(円の中心が発電所) 出典:「環境アセスメントの簡略化方法に関する調査(その 2)-気象観測および大 測定局 解析対象の時間数 a 18 b 24 c 16 d 45 測定局 解析対象の時間数 a 44 b 37 c 24 d 16 測定局 解析対象の時間数 a 39 b 52 c 4 d 21 A発電所 B発電所 C発電所 出典:「環境アセスメントの簡略化方法に関する調査(その 2)-気象観測および大 気質観測の簡略化のための手法提案-」(電力中央研究所報告 V06002,2006)

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5.内部境界層フュミゲーション発生時の予測における風下方向の設定について 内部境界層フュミゲーション発生時の予測については,準備書では,感度解析により行い,風 下方向は全て海岸線から内陸方向に直角であるとしました。この風向設定の考え方については, 準備書(P8.1.1-90)での記載が不十分であったことから,評価書に追記します。 なお,風向は,感度解析に用いる海風の風速範囲を設定するために用いたものであり,風向ご との拡散予測は行っておりません。

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6.内部境界層フュミゲーション発生時の予測における内部境界層内の大気安定度について 準備書では,内部境界層内の大気安定度を最も不安定な A,風速条件を地上の安定度 A~B-C の 時に出現する上層風速の範囲(1.0~5.5m/s)として予測しました(P8.1.1-88~91 参照)。安定 度 A の最大風速は,表 1 のとおり,2.4m/s ですが,風速が大きくなるほど有効煙突高さが低くな ることから,予測上の安全側を考慮して,海風(風向:ENE~SSW)で安定度 A~B-C における最大 風速 5.5m/s までの風速範囲(1.0~5.5m/s)を用いて予測しました。 また,1.0~5.5m/s の風速で内部境界層内の安定度を B 又は B-C とした場合でも,安定度 A の 場合と最大着地濃度は変わらないことを確認しております。 表 1 風向別・大気安定度別の上層風最大風速 (単位:m/s) 安定度 風向 A A-B B B-C C C-D D(昼) D(夜) E F G 最大 N --- 2.3 4.4 5.4 12.2 9.0 16.0 13.2 6.9 5.8 3.8 16.0 NNE --- 3.3 5.5 5.5 8.4 8.9 17.6 18.1 6.9 5.8 3.8 18.1 NE 1.6 2.4 4.7 5.5 11.6 7.6 14.6 18.5 6.8 5.8 3.8 18.5 ENE 1.5 2.0 5.5 5.5 13.3 8.9 19.4 16.7 6.9 5.8 3.8 19.4 E 2.4 3.7 5.5 5.5 14.3 9.0 25.1 18.1 6.8 5.6 3.8 25.1 ESE 2.4 3.5 5.5 5.5 12.8 9.4 22.6 22.1 6.9 5.6 3.6 22.6 SE 2.4 3.7 5.5 5.5 9.8 9.2 21.2 19.4 6.9 5.6 3.6 21.2 SSE 2.4 3.7 5.5 5.2 8.9 9.0 13.0 15.1 6.9 5.8 3.8 15.1 S 2.4 3.5 5.5 5.5 10.6 9.4 12.6 17.2 6.8 5.8 3.8 17.2 SSW 2.3 3.4 5.4 5.5 7.0 9.4 12.8 14.4 6.6 5.4 3.8 14.4 SW 2.4 3.7 4.1 5.5 6.5 9.0 13.9 12.8 6.8 5.8 3.8 13.9 WSW --- 2.4 4.5 5.5 14.4 9.2 15.1 14.2 6.9 5.8 3.8 15.1 W 2.1 1.4 5.5 5.4 16.0 9.4 18.7 16.9 6.9 5.8 3.8 18.7 WNW --- 2.5 5.5 5.5 13.2 8.7 18.7 18.8 6.8 5.4 3.6 18.8 NW 2.3 3.7 5.5 5.4 24.9 9.4 21.2 18.3 6.9 5.8 3.8 24.9 NNW --- 3.5 5.2 5.5 14.4 9.4 16.9 14.8 6.9 5.8 3.8 16.9 最大 2.4 3.7 5.5 5.5 24.9 9.4 25.1 22.1 6.9 5.8 3.8 25.1 注: は,準備書において設定した最大風速の範囲を示す。

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7.排煙上昇過程を考慮した内部境界層フュミゲーションの予測について 内部境界層フュミゲーション発生時の影響については,準備書では,CONCAWE 式(風速 2.0m/s 以上)により求めた有効煙突高さを用いて予測しています(準備書 P8.1.1-88~91 参照)。 参考として,排煙上昇過程を考慮した場合の内部境界層フュミゲーション発生時の影響につい て,Montgomery の式を用いて予測を行いました。 ・Montgomery の式 ΔH=(1/1000・QH)1/3・u-1・f(x) ΔH:排煙の上昇高さ(m) QH:排出熱量(cal/s) u:風速(m/s) f(x):中 立(-0.0017<dθ/dz≦0.0016) ;f(x)=0.84x0.56(x≦3,000m) 弱安定(0.0016<dθ/dz≦0.0070) ;f(x)=1.26x0.49(x≦2,800m) 強安定(0.0070<dθ/dz≦0.0187) ;f(x)=4.64x0.26(x≦1,960m) dθ/dz:温位勾配(℃/m) 排煙と内部境界層の関係(概念図)は,図 1 のとおりです。準備書と同じ予測条件(準備書 P8.1.1-90 参照)により排煙上昇過程を考慮した二酸化窒素の着地濃度を予測した結果は,表 1 のとおりであり,1 時間値の最大着地濃度は 0.0459ppm となっています。 図 1 排煙と内部境界層の関係(概念図) 注:煙突は周辺のほば海岸線上に位置することから,煙突位置から内部境界層が発達するものとした。 【内部境界層外の安定度 E,上層風速 5.5m/s の場合】

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表 1 排煙上昇過程を考慮した内部境界層フュミゲーション発生時の予測計算結果 排煙上昇過程 境界層内 境界層外 内部境界層 発達高度式の 係数 風速 (m/s) 有効煙突 高さ (m) 寄与最大 着地濃度 (ppm) 寄与最大着地 濃度出現距離 (km) なし (準備書 P8.1.1-91) A E 6 5.5 283 0.0060 2.8 8 5.5 283 0.0102 1.6 9 5.5 283 0.0124 1.2 F 6 5.5 283 0.0096 2.7 8 1.0 537 0.0158 5.4 9 1.0 537 0.0191 4.2 考慮 A E 6 5.5 219 0.0122 1.7 8 5.5 202 0.0253 0.8 9 5.5 196 0.0339 0.6 F 6 5.5 225 0.0177 1.7 8 5.5 205 0.0353 0.8 9 5.5 198 0.0459 0.6 注:1. は,最大となった着地濃度及びその気象条件等を示す。 2.寄与最大着地濃度は,3-1号及び3-2号の重合値である。 3.排煙上昇過程の考慮にあたっては,Montgomeryの式の強安定を用いた。

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8.内部境界層の有無による最大着地濃度の比較について 準備書における内部境界層フュミゲーション発生時の二酸化窒素の予測結果は,対象とした気 象条件ごとの最大着地濃度が 0.0060~0.0191ppm となっています(表 1)。 参考として,内部境界層が存在しない場合との比較を行った結果は,表 1 のとおりであり,内 部境界層が存在する場合の最大着地濃度は,存在しない場合の 3.0~8.3 倍となります。 表 1 内部境界層の有無による最大着地濃度の比較 予測 項目 内部境界層 有(準備書 P8.1.1-91) 内部境界層 無 比 較 大気安定度 内部境界層 発達高度式 の係数 風 速 有効煙突 高さ 寄与最大 着地濃度 寄与最大着地 濃度出現距離 寄与最大 着地濃度 寄与最大着地 濃度出現距離 境界 層内 境界 層外 (m/s) (m) a (ppm) (km) b (ppm) (km) a/b 二 6 5.5 284 0.0060 2.8 3.0 酸 E 8 5.5 284 0.0102 1.6 0.0020 1.8 5.1 化 A 9 5.5 284 0.0124 1.2 6.2 窒 6 5.5 284 0.0096 2.7 0.0020 1.8 4.8 素 F 8 1.0 538 0.0158 5.4 0.0023 4.1 6.9 9 1.0 538 0.0191 4.2 8.3 注:1.寄与最大着地濃度は,3-1 号及び 3-2 号の重合値である。 2.「内部境界層無」の最大着地濃度及び出現距離は,「内部境界層有」で最大着地濃度が出現した気象条件で の予測計算結果であり,大気安定度は境界層内の A を用いた。

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9.特殊気象条件下の予測における二酸化窒素のバックグラウンド濃度について 特殊気象条件下の予測における二酸化窒素のバックグラウンド濃度については,準備書では, 対象事業実施区域から半径 10km 以内の現況調査 8 地点(図 1)の二酸化窒素濃度(1 時間値)の 最大値 0.073ppm を用いました(準備書 P8.1.1-98 参照)。 このバックグラウンド濃度(0.073ppm)を用いて予測した将来環境濃度は,予測対象の特殊気 象が発生する条件下ではない場合,過大評価となる可能性がありますが,最大着地濃度発生日時 が特定できないことから(建物ダウンウォッシュを除く),予測上の安全側を考慮して設定しまし た。 なお,参考として現況濃度が高くなった 時の風向などの気象条件を確認するとと もに,特殊気象条件下の予測で着地濃度が 最大となった気象条件における現況濃度 の最高値を抽出しました。 (1) 二酸化窒素の現況濃度が高くなった時の気象条件 現況調査 8 地点における二酸化窒素濃度(1 時間値)の上位データは,表 1 のとおりであり, 冬季に多く出現しています。 表 1 二酸化窒素濃度(1 時間値)の上位データ 対象期間:平成 19 年 10 月~20 年 9 月 順 位 年 月 日 時 地点 二酸化窒素 濃度 (ppm) 対象事業実施区域の気象 風向 上層風速 (m/s) 地上の 大気安定度 1 平成 19 12 28 10 七郷 0.073 NE 2.4 B 2 20 02 22 8 七郷 0.064 WSW 2.1 B 3 20 01 07 19 七郷 0.063 NNE 5.0 F 19 12 28 10 塩釜 0.063 NE 2.4 B 5 19 12 28 9 七郷 0.062 NNE 2.0 D 6 20 04 16 20 高砂 0.061 ENE 4.2 F 20 04 30 19 高砂 0.061 ENE 6.9 E 8 19 11 24 20 七郷 0.060 W 3.2 G 20 02 22 21 七郷 0.060 NNW 5.2 F 20 02 23 10 七郷 0.060 E 3.1 B 19 11 26 20 塩釜 0.060 NW 4.0 F 図 1 対象事業実施区域から半径 10km 以内の現況調査地点 対象事業 実施区域 利府町 塩竈市 多賀城市 仙台市 七ヶ浜町 10km 5km 七ヶ浜 利府 塩釜 多賀城Ⅱ 高砂 七郷 中野 笠神 N

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(2) 着地濃度が最大となった気象条件における二酸化窒素の現況濃度 予測で着地濃度が最大となった気象条件における現況調査 8 地点の二酸化窒素濃度の最高値 (1 時間値)は表 2 のとおりです。また,この濃度をバックグラウンド濃度に設定した場合の 将来環境濃度の予測結果は,表 3 のとおりです。 表 2 着地濃度が最大となった気象条件における二酸化窒素濃度の最高値 項 目 着地濃度が最大となった 気象条件① ①の気象条件における 現況調査 8 地点の 二酸化窒素濃度の最高値(1 時間値) 煙突ダウンウォッシュ 発生時 ・上層風速:22.4m/s ・上層大気安定度:C-D 0.009ppm〔H20.5.20,9 時,多賀城Ⅱ〕 上層逆転層発生時 ・上層風速:0.5m/s ・上層大気安定度:D 0.025ppm〔H20.1.24,2 時,七郷〕 内部境界層フュミゲー ション発生時 ・上層風速:1.0m/s ・地上大気安定度:A~B-C 0.049ppm〔H20.3.11,8 時,中野〕 注:1.〔 〕内は,出現日時,出現地点を示す。 2.煙突ダウンウォッシュについては,上層風速 22.4m/s が観測されなかったため,煙突ダウンウォッシュの 発生条件となる上層風速 22.4m/s 以上の気象条件全てを対象とした。 表 3 特殊気象条件下の将来環境濃度の予測結果 準備書(P8.1.1-98) 表2の二酸化窒素濃度をバックグラウンドに設定した場合 区 分 寄与濃度 バックグ ラウンド 濃度 将 来 環境濃度 短期暴露 の 指針値 (ppm) (ppm) (ppm) a b c=a+b 煙突ダウンウォ ッシュ発生時 0.0024 0.073 0.0754 1 時間暴露 として 0.1~ 0.2ppm 建物ダウンウォ ッシュ発生時 0.0051 0.015 0.0201 上層逆転層 発生時 0.0087 0.073 0.0817 内部境界層フュ ミゲーション発 生時 0.0191 0.073 0.0921 区 分 寄与濃度 バックグ ラウンド 濃度 将 来 環境濃度 短期暴露 の 指針値 (ppm) (ppm) (ppm) a b c=a+b 煙突ダウンウォ ッシュ発生時 0.0024 0.009 0.0114 1 時間暴露 として 0.1~ 0.2ppm 建物ダウンウォ ッシュ発生時 0.0051 0.015 0.0201 上層逆転層 発生時 0.0087 0.025 0.0337 内部境界層フュ ミゲーション発 生時 0.0191 0.049 0.0681

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10.LNG船から排出されるばい煙による環境影響について LNG船から排出されるばい煙については,入港頻度が最大で 20 隻/年程度であり,一時期に 集中しないこと,仙台港における入港船舶数 6,510 隻(平成 20 年)と比較してわずかであること から,予測対象としませんでした。 なお,荷役時におけるLNG船の窒素酸化物及び硫黄酸化物排出量は,表 1 のとおりです。 表 1 荷役時におけるLNG船の窒素酸化物及び硫黄酸化物排出量 船舶 規模 機 関 基 数 煙突 高さ (m) 燃料 燃料中の 硫黄分 (%) 荷役時間 (h) 燃料使用量 排出量 窒素酸化物 硫黄酸化物 14 万 m3 タービン 発電機 2 50 C 重油 2.214 21.5 40t (0.93t/ h・基) 115 m3 N (2.7m3 N/h・基) 620 m3 N (14.4m3 N/h・基) 注:1.排出量は「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」(公害研究対策センター,平成 12 年)に基づき算出し た。 2.燃料中の硫黄分は「窒素酸化物総量規制マニュアル[新版]」に記載されているタンカーの補助ボイラの硫 黄分(%)を使用した。

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11.1 号機運転中の騒音レベルが 1,2 号機停止中より低い理由について 敷地境界における騒音の調査結果は表 1,調査位置は図 1 のとおりです。 調査を行った敷地境界は,構造物の少ない資材置場に面し,外部からの音が届きやすい立地条 件となっていることや,1,2 号機停止中における日中と夜間の騒音レベルが同程度を示している ことから,24 時間操業の隣接工場の騒音の影響を受けているものと考えられます。 このことから,表 1 のとおり,敷地境界における 1 号機運転中の騒音レベルが 1,2 号機停止中よ りも低くなったのは,隣接工場の操業の状況によって騒音レベルが変化したためと考えられます。 表 1 敷地境界における騒音の調査結果(P8.1.1-115) 区 分 調査期日 騒音レベル〔LA5〕 (dB) 朝 昼間 夕 夜間 1,2 号機 停止中 平成 19 年 10 月 2 日 55 52 55 56 1 号機 運転中 平成 20 年 5 月 8 日 54 50 50 - 図 1 敷地境界における騒音の調査位置 N 対象事業 実施区域 ● 資材置場 石 油 化 学 工 場 騒音調査地点 砂浜 下水処理場

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12.建設機械の騒音レベルの設定方法について 建設機械の騒音レベルについては,「建設工事騒音予測モデル ASJ CN-Model2007」(日本音響学 会建設工事騒音予測調査研究会報告,平成 20 年)に基づき,統計量の LA5(5%時間率騒音レベル) とエネルギー平均の LAeff(実効騒音レベル)を設定しましたが,非定常騒音,分離衝撃騒音につ いては,LA5が示されていないことから,LAeff を LA5に代用しました。また,同文献に記載されて いない建設機械については,他の文献に記載のパワーレベルを LA5と LAeffに代用しました。 なお,定常騒音とみなされるコンプレッサー,発動発電機等の騒音レベルは,常時一定としま した。 これらの設定方法は,表 1 のとおりです。 表 1 建設機械の騒音諸元(工事開始後 18 ヶ月目) 建設機械 規 格 稼働台数 (台) 騒音レベル(dB) LA5,10m LAeff,10m ウェルポイントポンプ 18.5+7.5kW 12 73 73 クレーン装置付トラック 2~10t 16 81*1 81*1 クローラクレーン 55~100t 10 73 70 コンクリートポンプ車 110m3/h 24 79*1 79*1 コンプレッサー 17m3/min 16 77 77 ダンプトラック 4~10t 75 74*1 74*1 トラック 2~10t 3 74*1 74*1 トラッククレーン 50~120t 3 72 70 トレーラー 15t 3 74*1 74*1 バックホウ 0.2~0.8m3 15 71~78 71~74 フォークリフト 2t 10 81*1 81*1 ブルドーザ 15~20t 5 78 75 ホイールローダ 1.9~2.1m3 3 84 79 ポールトレーラー - 1 74*1 74*1 モルタルプラント 450l/min 4 83 80 ユニック車 4t 2 81*1 81*1 ラフタークレーン 20~50t 30 89 80 空気圧縮機 18~19m3/min 1 77 77 杭打機 85t 5 91*2 91 ウォータージェットプランジャー 14.7MPa 2 86*1 86*1 散水車 4t 2 74*1 74*1 水運搬ローリー 10t 1 74*1 74*1 大型ブレーカ 1300kg 6 92*2 92 発動発電機 35~400kVA 22 74 74 油圧クレーン 450t 1 74*1 74*1 安全監視船 70PS 1 81*1 81*1 引船 500~1,000PS 5 86*1 86*1 起重機船 250t 2 73 70 交通船 180PS 1 62*1 62*1 杭打船 450t 1 91*1 91*1 潜水士船 3~5t 3 66*1 66*1 船外機船 70PS 1 62*1 62*1 揚描船 5t 2 86*1 86*1 *1: パワーレベルを代用した。 *2:実効騒音レベル(LAeff)を代用した。 出典:「建設工事騒音の予測モデル ASJ CN-Model2007」(日本音響学会建設工事騒音予測調査研究会報告,平成 20 年) 「建設工事に伴う騒音振動対策ハンドブック(第 3 版)」(社団法人日本建設機械化協会,平成 13 年)

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13.「施設の稼働」に伴う騒音予測を,JIS Z8738 を用いて試算した場合について 準備書における騒音予測には,これまでの発電所環境影響評価で多数の採用実績があり,「個別 工場立地における騒音予測手法」(通商産業省立地公害局環境アセスメント騒音委員会編 昭和 55 年)に示されている空気吸収と地表影響を含む音の減衰式を用いて計算しました(準備書 P8.1.1-129,130 参照)。 騒音予測を行うために音の減衰を計算する方法は,準備書で用いた手法のほかに JIS Z8738 で 規定された式があり,一例として,予測地点での寄与度が最も大きい音源データ一点(主変圧器 (立体音源))について両手法による騒音レベルを試算しました。その結果は,図 1 のとおりであ り,準備書の式と JIS の式ではほぼ同等の結果が得られました。 なお,準備書と JIS の比較計算にあたっては,JIS が空気吸収の式のみのため,準備書の計算 と整合させるためには,地表影響による減衰を含める必要があります。地表影響は ISO 9613-2 で 規定されているので,それを使用しました。 図 1 JIS Z8738 の式を用いた場合と準備書の式を用いた場合の騒音レベルの比較 注:1.JIS Z8738 の空気吸収による減衰量は,気温 12.0℃,湿度 75%(地上観測による年平均値)及び 1 気圧で計算した。 2.ISO 9613-2 が点音源を前提としているため,今回の比較計算の対象とした主変圧器は準備書で立体 音源としているので,それを以下の式により立体音源の音圧レベル(SPL)を点音源のパワーレベ ル(PWL)に変換した。 PWL=SPL+10log(S) S:音源の包絡面積(m2(主変圧器:13.9m×8.0m×高さ 8.4m) 3.ISO 9613-2 の地表影響については,樹林地等の存在する予測地域であることから,地盤係数(G)=1 とした。 地盤係数:G=0[硬い地表面(コンクリート等) ]~G=1[(多孔質な地表面(草地,樹林地等) ] 10 20 30 40 50 60 70 80 90 1 2 3 10 100 1000 (dB) (m) 距離 主変圧器(立体音源) 騒 音 レ ベ ル 空気吸収等の算出式 JIS Z8738 準備書

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14.浚渫の範囲及び桟橋の構造について 1.浚渫範囲について 海域工事の実施に当たっては浚渫範囲を最小限とするため,桟橋を対象船舶が停泊可能な水深 のある位置に構築することで,桟橋工事における浚渫を行わない計画としました(準備書 P8.2-13)。 一方,深層取水設備については,既設のフローティングフェンスの老朽化を踏まえ,固定式カ ーテンウォールに変更するため,構造の変更に伴い取水位置が水深の浅い場所に変わることから, 冷却水の取水水深の確保に必要な範囲を浚渫する計画としました(準備書 P8.2-5)。 浚渫範囲は図 1 及び図 2 に示すとおりであり,取水口付近で約 9,000m3を浚渫する計画(準備 書 P2.2-22)です。取水設備の概要を図 3 に示します。 図 1 浚渫範囲(準備書 P2.2-23) 凡 例 浚渫範囲 0 100 200m 対象事業実施区域 浚渫範囲 桟橋 取水口 断面① 断面② 断面③

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浚渫範囲平面図 標高はT.P.(東京湾平均海面)による。 10 15 10 15 10 15 10 浚渫範囲 浚渫範囲 T.P.-0.84(L.W.L) T.P.-9.84 ▽ = T.P.-5.64m T.P.-3.24m NO5断面図 図 2 浚渫範囲の詳細 図 3 取水設備の概要(準備書 P2.2-31) 深層取水設備 凡 例 浚渫範囲 断面④ 断面④

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2.桟橋の構造について

桟橋は,杭式ドルフィン形式を採用し,その構造概要は図 4 のとおりです。

図 4 桟橋の構造概要

断面②(図 1)

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15.外港放水期と内港放水期における温排水拡散範囲について 復水器の冷却水は,5 月~9 月の期間は外港放水口から,10 月~4 月の期間は内港放水口から放 水する計画です。このため,温排水拡散予測では,外港放水期および内港放水期それぞれにおい て,恒流 4 パターンによる拡散範囲を計算し,これらを包絡する範囲を準備書に記載しています。 放水口,流況ごとの温排水拡散予測結果は,図 1 のとおりです。 図 1(1) 放水口,流況ごとの温排水拡散予測結果(現状) 〔現状:外港放水期(春・夏)〕 多賀城市 仙台市 七ヶ浜町 N 0 1 2km 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口 【凡 例】 1℃上昇範囲包絡線(外港放水期) 北東流 20cm/s 北東流 10cm/s 恒流なし 南西流 10cm/s 〔現状:内港放水期(秋・冬)〕 多賀城市 七ヶ浜町 N 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口

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図 1(2)放水口,流況ごとの温排水拡散予測結果(将来) 〔将来:外港放水期(春・夏)〕 多賀城市 仙台市 0 1 2km 七ヶ浜町 N 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口 北東流 20cm/s 北東流 10cm/s 恒流なし 南西流 10cm/s 【凡 例】 1℃上昇範囲包絡線(外港放水期) 多賀城市 仙台市 0 1 2km 七ヶ浜町 N 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口 〔将来:内港放水期(秋・冬)〕 北東流 20cm/s 北東流 10cm/s 恒流なし 南西流 10cm/s 【凡 例】 1℃上昇範囲包絡線(内港放水期)

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16.水温調査結果と温排水拡散予測結果の比較について 水温調査結果と温排水拡散予測結果の比較は,図 1 のとおりです。調査結果による拡散範囲は, 温排水拡散予測結果に比べて十分小さく,放水口の前面にとどまっています。 図 1 水温調査結果と温排水拡散予測結果の比較 〔現状:外港放水期(春・夏)〕 多賀城市 仙台市 七ヶ浜町 N 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口 0 1 2km 【凡 例】 温排水拡散予測結果(1℃上昇範囲) 春季の水温調査結果(1℃上昇範囲) 夏季の水温調査結果(1℃上昇範囲) 〔現状:内港放水期(秋・冬)〕 多賀城市 七ヶ浜町 N 対象事業 実施区域 取水口 内港放水口 外港放水口

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17.取水及び放水温度の測定位置について 現状の取放水温度の測定位置については,自治体との公害防止協定により,取放水口からそれ ぞれ約 50m沖の表層において測定しております。(図 1) リプレース後の取放水温度の測定位置については,取水温度は深層取水設備により深層から取 水した海水温度を測定するため除塵装置入口付近において,放水温度は内港放水口と外港放水口 に分岐する前の合流槽において測定する計画です。(図 1) なお,リプレース後の公害防止協定に取放水温度が規定される場合には,上記測定位置を基本 に自治体と協議する予定です。

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図 1 取放水温度測定位置 図 1-1 取放水温度計測位置 外港 放水口 内港 放水口 ● ● ●:温度計測位置 A-A 断面図 取水温度測定位置 放水温度測定位置 外港 放水口 内港 放水口 取水口 除塵装置(トラベリング スクリーン,バースクリーン) 合流槽 深層取水設備 取水口から約 50m の沖合いの表層 ▽ ○:温度測定位置(現状) ○:温度測定位置(将来)

図 2 気象観測位置 図 3 地上気象(地上 10m)の年間風配図 高層気象観測年(観測点③) 現況気象観測年(観測点①) (平成 4 年 8 月~平成 5 年 7 月) (平成 19 年 10 月~平成 20 年 9 月)対象事業実施区域外港放水口内港放水口煙突1号機2号機タービン建屋発電所敷地境界取水口仙台港0100200m●②高層気象(地上~1,500mまで50m毎)(平成4~5年の四季別に各1 週間)▲③地上気象(地上 10m)(高層気象観測年:平成4~5 年の1 年間)■①地上気象(地上 10m)
表 2 陸域植物の環境保全措置の修正内容 現 行(準備書P8.1.4-26) 修正後 ② 予測及び評価の結果 イ.工事の実施,土地又は工作物の存在及び供用 (イ) 造成等の施工による一時的な影響,地形改変及び 施設の存在 a.環境保全措置 造成等の施工による重要な種及び重要な群落へ の一時的な影響,並びに地形改変及び施設の存在に 伴う重要な種及び重要な群落への影響を低減する ため,以下の環境保全措置を講じる。 ・既存の敷地を使用し,新たな地形改変は行わない。 ・工事関係者の工事区域外への不要な立ち入りは行
表 1 排煙上昇過程を考慮した内部境界層フュミゲーション発生時の予測計算結果 排煙上昇過程 境界層内 境界層外 内部境界層 発達高度式の 係数 風速 (m/s) 有効煙突高さ(m) 寄与最大着地濃度(ppm) 寄与最大着地濃度出現距離(km) なし (準備書 P8.1.1-91) A E 6 5.5 283 0.0060 2.885.52830.01021.695.52830.01241.2 F 6 5.5 283 0.0096 2.781.05370.01585.4 9 1.0 537 0.0191 4.
図 4 桟橋の構造概要
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参照

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