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熊取町子ども読書活動推進計画

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熊取町第3次子ども読書活動推進計画

~“子どもと本”の未来をつなぐ~

平成27年7月

熊取町教育委員会

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は じ め に

熊取町では、子どもの体と心の健やかな成長を願って、0歳からはじまる子どもと本

をつなぐ取組みを積極的に進めてきました。平成17年3月に「熊取町子ども読書活

動推進計画」を、平成22年1月には「熊取町第2次子ども読書活動推進計画」を策定

し、乳幼児から児童・生徒にいたるすべての子どもが、それぞれの成長に応じた豊か

な読書体験ができ、本を通して子どもの心が豊かに育つよう環境整備に取組んでき

ました。

本町は現在、「ほほえみ子育て熊取町!」をキャッチフレーズに定住魅力ある町づ

くりを目指し、「子育てしやすいまち・教育のまち くまとり」を目標に、各種事業に取

組んでいます。その取組みの一つとして、子育て支援の場や、学校で、本を活用した

多様な事業を展開しています。

子どもの豊かな育ちは、すべての親の願いであるとともに、私たちの社会を支える

基盤となるものです。読書は子どもの成長にとってかけがえのないものであり、すべて

の子どもが本を楽しむことのできる幸せな子ども時代を過ごすことができるよう願って

やみません。

このたび、第2次計画の5年間における取組みの成果と課題を検証し、子どもの読

書環境がさらに充実したものになるように、本計画を策定しました。子どもの読書環境

の充実には、子どもと本をつなぐ大人の存在が欠かせません。未来を担う子どもたち

のために、住民・関係機関等と連携しながら、子どもの読書環境の整備を積極的に推

進していきます。

最後になりましたが、本計画の策定にあたり、活発にご審議いただきました「熊取

町子ども読書活動推進連絡協議会」の委員の方々をはじめ、住民のみなさまから貴

重なご意見をいただきましたことに対し、深く感謝いたします。

平成27年7月

熊取町教育委員会

教育長

西牧研壯

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目 次

はじめに 第1章 第3次子ども読書活動推進計画を策定するにあたって 1 国の動向と計画策定の意義 ... 1 2 熊取町における第2次計画期間の主な取組みと今後の計画について ... 1 3 第2次計画の指標達成状況 ... 2 第2章 第2次計画期間における取組み、成果、課題と今後の取組み 1 子どもの読書活動を支える体制づくりの推進 ... 3 2 乳幼児・幼児期における本に親しむ機会の拡大 ... 6 3 学校における読書活動の推進 ... 14 4 図書館における読書活動の推進 ... 31 5 障がいのある子どもの読書環境の整備 ... 36 第3章 熊取町第3次子ども読書活動推進計画 基本方針 ... 38 子ども読書活動推進連携図 ... 40 実施計画 平成 27 年度~平成 31 年度 ... 41 参考資料 資料1 第三次「子ども読書活動推進基本計画」の概要(平成25年5月) ... 53 資料2 熊取町子ども読書活動推進連絡協議会、専門部会、 絵本リーダー会議、学齢期子ども読書活動推進連絡会 内容一覧 ... 54 資料3 熊取町の子ども読書活動状況 0歳から15歳まで ... 57 資料4 用語解説 ... 58 資料5 アンケート及びインタビュー先一覧 ... 61 資料6 熊取町子ども読書活動推進連絡協議会設置要綱 ... 62 資料7 熊取町子ども読書活動推進連絡会協議会委員名簿 ... 66

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第1章 第3次子ども読書活動推進計画を策定するにあたって

1 国の動向と計画策定の意義

子どもの読書活動は、子どもが言葉を学び、感性を磨き、表現力や、創造力を高め、人生を より豊かに魅力的なものにしていく上で欠かすことのできないものです。 平成13年12月に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行され、子どもの読書活動 の推進に関する基本理念が規定されるとともに、国及び地方公共団体は、子どもの読書活動 の推進に関する計画を策定、公表することになりました。この法律に基づき、国では平成25年 5月に「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が策定されました。 大阪府においては、平成23年3月に「第2次大阪府子ども読書活動推進計画」を策定し、 「読んでみたいと思う本が、子どもの周りにある」、「本を紹介する人が、子どもの周りにいる」と いう観点から読書環境づくりの取組みを進め、現在は第3次計画の策定に向けた検討が進め られています。 熊取町教育委員会(以下「教育委員会」という。)においては、平成16年度に「熊取町子ども 読書活動推進計画」(第1次計画)を策定してから10年が経過しました。第1次計画策定後、5 年間の実践経過を検証し、それに基づき平成21年度に第2次計画を策定しました。この中で は、社会状況の変化の中で図書館が子育て支援に深くかかわることを期待されているという実 態を反映し、幼児が本に親しめる取組みの推進や、子どもの読書環境の整備を進めてきました。 第2次計画の取組みの成果については、ブックスター ト※1のフォローアップとしての子育て支援 事業の実施や学校図書館資料の整理等があげられます。この成果を活かし、さらに子どもたち が生涯にわたって豊かに生きる力を育む読書活動を継続的に推進していくために、熊取町第 3次子ども読書活動推進計画(第3次計画)を策定するものです。

2 熊取町における第2次計画期間の主な取組みと今後の計画について

第2次計画では、乳幼児期の読書環境を整えるため、地域出前講座や、保育所(園)・幼稚 園に季節ごとに本を配達する「絵本こぐま便」を開始し、子どもたちが身近な場所で本に親しめ る取組みを進めました。学校図書館については、「熊取町学校図書館資料選定方針」、「熊取 町学校図書館資料除籍方針」を策定し、それに基づいて、資料の除籍を行い、学校図書館図 書標準(文部科学省)を目標に、資料の充実に努めてきました。第3次計画では、子育て支援 関係者への研修や、保育所等での絵本を活用した取組みの充実、学齢期の子どもの情報活 用力を育成するための取組み等を包括しながら、子どもの読書活動を推進していきます。 なお、第3次計画の実施期間は、平成27年から平成31年までの5年間とします。

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3 第2次計画の指標達成状況

第2次計画では、下記の5つの基本方針ごとの指標を設定しました。 1 子どもの読書活動を支える体制づくりの推進 2 乳幼児・幼児期における本に親しむ機会の拡大 3 学校における読書活動の推進 4 図書館における読書活動の推進 5 障がいのある子どもの読書環境の整備 各指標に対する5年後の達成度は、次の表のとおりです。 基 本 方 針 指 標 平成20年度 実績 平成26年度 目標 平成26年度 実績 1 子どもの本や研修機会等の情報の 提供 施設:保育所(園)・幼稚園11、小・中学校8 団体数12 19施設 20施設(全施設) 15団体 19施設(全施設) 12団体 2 地域での子育て支援講座の開催 - 12回 13回 保育所(園)・幼稚園からの図書館 訪問 施設:保育所(園)・幼稚園 11 3施設 8施設 ※全12施設 4施設 ※全11施設 地域への団体貸出実施数 (文庫・子育て支援) 団体数12 5団体 15団体 12団体 3 学校図書館や子どもの読書に関す る校内研修の実施 小・中学校8 1校 8校(全校) 5校 利用指導(全学年)の実施 小・中学校8 4校 8校(全校) 6校 学校図書館資料の除籍 小・中学校8 - 8校(全校) 平成25年度に全校の 除籍作業終了 4 ブックガイドの配布 保育所(園)・幼稚園 11(5歳児のみ) 小・中学校8 館内のみ 全小・中学校 全保育所(園)・幼稚園 全小・中学校 学校への団体貸出冊数 10,328 冊 10,900 冊 10,572 冊 図書館職員による小学校訪問 小学校5 - 5校 小学3年生の図書館見学時のミ ニブックトークに変更して実施 ボランティア講座の開催 - 連続講座開催 地域の子育て支援者に向けた 研修等の支援に変更して実施 5 イベントの開催、情報提供 1 回 3回 13回 ※1、2の団体数については、平成26年度末時点で活動している熊取文庫連絡協議会や、地域で子育て支援に 関わる NPO 法人等の数を示しています。

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第2章 第2次計画期間における取組み、成果、課題と今後の

取組み

1 子どもの読書活動を支える体制づくりの推進

子どもの読書環境の充実には、子どもと本をつなぐ大人の存在が欠かせません。関係機 関、行政が連携し、それぞれの読書活動の報告や情報交換、研修などを通して、子どもた ちの読書環境を整えるという同じ目的を持って、活動を進めることが大切です。

取組み・成果

熊取町では、子どもと本に関わる住民、関係機関、行政が連携し、協働で子どもの読書活動 を支援するため、第1次計画から、「熊取町子ども読書活動推進連絡協議会」を設置し、総合 的に子どもの読書活動を推進しています(P.40「子ども読書活動推進連携図」参照)。推進体 制としては「乳幼児専門部会」と「小中学生専門部会」の2つの専門部会があります。「乳幼児 専門部会」には、「ブックスタート連絡会」と「絵本リーダー会議」を、また、「小中学生専門部会」 には、「学齢期子ども読書活動推進連絡会」をそれぞれ擁しています。 子ども読書活動推進計画に関わる「協議会」、「専門部会」、「連絡会」を定期的に行うことで、 それぞれの関係機関が行っている取組み内容や課題等を共有することができました。 📖「熊取町子ども読書活動推進連絡協議会」(協議会)の開催(P.54資料2参照) 子どもの読書活動に関わる熊取文庫連絡協議会※ 2(以下「文庫連」という。)と熊取町こども会 育成連絡協議会、小・中学校、町立保育所、町の関係部局の代表者が集まり、推進事業の進 捗状況の把握・評価、事業内容の再検討・調整を行い、総合的な施策の推進を行いました。 特に平成22年度は、独立行政法人国立青少年教育振興機構「地域ぐるみの子ども読書活 動推進事業」を実施するため、委員からの様々な意見を受け、「子ども読書推進シンポジウム」 や小学校へのワークショップ等の取組みを行いました。 📖「乳幼児専門部会」「小中学生専門部会」(専門部会)の開催、連携の推進(資料2参照) 0歳から15歳までの子どもの読書活動を継続的に支援できるよう、文庫連や「NPO 法人くま とり子育ち WA・輪・和」等を含む住民団体、関係機関、町の関係部局の現場担当者が集まり、 2つの専門部会を定期的に開催しました。地域全体で子どもの読書環境を考え、情報交換を 行い、連携を推進するため、乳幼児専門部会では「年齢別の絵本との関わり方」や「子育て支 援者のためのわらべうた」、小中学生専門部会では「子どもと楽しむアニマシオン※3」、2つの専門 部会合同の「障がいのある子どもたちとおはなしを楽しむ」等の研修会を継続して実施したこと で、各機関の活動内容の充実へとつながりました。

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📖「ブックスタート連絡会」「絵本リーダー会議」「学齢期子ども読書活動推進連絡会」 (連絡会)を開催し、子どもの発達段階に応じた取組みを推進(資料2参照) これらの連絡会は、直接現場で活動している関係者で委員を構成し、定期的に開催してき ました。各連絡会の構成員と取組みについては、次のとおりです。 ・「ブックスタート連絡会」(図書館・健康課・子ども家庭課(平成27年度より健康課・子ども家 庭課ともに「子育て支援課」に変更)・文庫連で構成) 「ブックスタート連絡会」では、実施のためのシミュレーション研修や課題についての話し 合いなどを行いました。 ・「絵本リーダー会議」(図書館・保育所(園)・幼稚園・子ども家庭課で構成) 「絵本リーダー会議」では、おもに保育所(園)を開催場所としていることから、各保育所 (園)の取組みの様子をお互い参観しながら、活発な情報交換を行いました。 ・「学齢期子ども読書活動推進連絡会」(図書館・学校(司書教諭※ 4(以下「学校図書館担当 教員」という)、学校図書館司書)・学校教育課で構成) 「学齢期子ども読書活動推進連絡会」では、図書館事業として子どもたちが図書館資料を 使って必要な情報を収集・選択し、活用する力を身につける方策として「図書館を使った調 べる学習コンクール」を開催するに先立ち、学校図書館担当教員をはじめ学校教員の参加 を得て、「探究型学習実践講座」を実施し、学校図書館を使った利用指導についての研修 を行いました。 上記のように、各自が関わる現場での実情や課題について、きめ細かく情報交換や研修会 の機会を設け、日常的な取組みが充実できるように努めました。 平成14年度開始のブックスタートから、他部局との様々な連携事業を展開してきましたが、 平成25年度には文部科学省の、「公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム」事 業の委託を受け、図書館をはじめとする社会教育部局と、保健・福祉部局が連携し、検討委員 会と作業部会を立ち上げ、「 “絵本で子育て”プログラム」の開発を行いました。その成果品と して、町内の各部局が実施している子育て支 援事業の様子や、0歳から15歳まで継続して 行われている読書環境の整備や絵本の活用 の仕方を紹介したDVDの制作及び、子育て 支援者に向けた研修用冊子『「絵本で子育て」 活用ガイド』を作成しました。また、ホームスタ ート事業※5用の絵本を購入するなど、新たな事 業展開の足掛かりとなりました。 DVD「絵本で子育て」 冊子「絵本で子育て」 活用ガイド

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📖子どもの本に関する講座の実施 平成22年度に「子ども読書推進シンポジウム」を開 催し、子どもと本の関わりについての意義の周知や 啓発等のため、町全体で考える機会を設けました。 また、平成25年度には、絵本の読みあいのワークシ ョップや父親向けの講演会を開催するなど、子ども の読書についての啓発や学習機会の提供に努めま した。 📖人材の育成 平成22年度に「ボランティア入門講座(連続4回)」を、平成23年度に「子どもと遊び方講座 (全4回)」を開催しました。また、平成24年度には、文庫連の主催による「ボランティア養成講 座」が行われました。

課題と今後の取組み

○子育て支援に関わる施設や団体での絵本の活用について  各連絡会や専門部会において、継続した情報交換や研修会を実施し、安心できる健やか な子育て環境をめざします。  子育て支援に関わる人たちに向けて「絵本で子育て」のDVDや活用ガイドを使い、絵本の 活用方法等を紹介する機会や研修の場を設けます。  子育て支援事業等に、自ら外出して参加することが難しい家庭には、ホームスタート事業 の一環として、家庭訪問時に絵本を活用した支援が行えるよう、担当スタッフへの研修を行 います。 ○子どもと本をつなぐ役割を担う新たな人材の確保について  文庫連がボランティア養成を行い、講座受講者により実践的な研修を行っているため、図 書館はその講座・研修を支援します。 平成 23 年1月 23 日 熊取町子ども読書推進シンポジウム

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2 乳幼児・幼児期における本に親しむ機会の拡大

乳幼児期(0~2歳)の子どもにとって本は、楽しい世界を共有しながら親子のコミュニケ ーションを深めるものです。赤ちゃんは、わらべうたやあたたかい語りかけを繰り返し聞く体験 を通して、大人を信頼し、言葉を獲得していきます。家庭の中で、子どもが愛情のこもった言 葉を聞いて成長していくことができるように、図書館・関係部局・住民が連携し、子育てを支 援することが大切です。 また、3~5歳の幼児期は、言葉に対する関心が高まり、本に最も興味を持つ時期です。 身近にいる大人から日常的に本を読んでもらう体験を通して、子どもは物語の世界に入り込 み、想像する楽しさを知ることができます。家庭の中や、保育所(園)・認定こども園・幼稚園 の中で、また地域の施設や図書館の中で、本に親しむ機会の積み重ねが必要であり、子ど もが自ら選ぶことのできる豊富な本が、身近な場所にあることが大切です。

①家庭に対する読書支援

取組み・成果

📖ブックスタート 平成14年度から、図書館・健康課・子ども家庭課・文庫連が連携し、4か月児健診におい て、ブックスタートを実施しています。ブックスタートでは、保護者にマンツーマンで、子どもと 絵本を通してのふれあいとコミュニケーションの大切さを伝え、図書館の乳幼児向け行事の案 内や子育て中の親子が出かけられる場の案内などを行います。また、子育て支援に関連する 各種資料も配布しています。 また、町の子育て施策「子育てしやすい町くまとり」の取組みとして、平成24年度から、家庭 訪問型子育て支援事業である「ホームスタート事業」が始まり、「ブックスタート連絡会」と連携した4 か月児健診での案内や訪問先での絵本の活用など、新たな取組みが始まりました。 4か月児健診は、対象者のおよそ98%の方が受診しているため、ブックスタートの場で、保 護者には、行政や地域住民の協働による子育てに関する様々な支援が行われていることを 伝えています。保護者は、このような情報を得ることで子育ての不安を和らげることができ、図 書館や地域の場でそれぞれの親子に見合った支援を受けることができます。 📖リーフレット、ブックガイドの配布 4か月児健診に加え、平成16年度から、1歳7か月児健診、3歳6か月児健診においても、 生活の中で活用してほしい絵本やわらべうたを掲載したリーフレットを配布しています。 3歳6か月児健診では、健診の場で図書館司書が直接絵本の紹介や図書館の案内を行い、 子育てに絵本を活用されるようPRしています。さらに、平成26年度からは、出生届時にPR用 のリーフレットも追加して配布するなど、きめ細かな案内に努めています。

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また、平成24年度から新たに5歳児向けのブックガイド『おやすみ前におはなしひとつ』を 作成し、町内の保育所(園)・幼稚園を通じて全ての5歳児に配布しています。 さらに町のホームページでも「子育てに役立つ本」や「おすすめの赤ちゃん絵本」を紹介し、 図書館にはたくさんの絵本があり、子育てに活用されるようPRしています。 📖絵本コーナーの設置(ふれあいセンター) 乳幼児健診での図書館の PR を開始してから、健診場所のふれあいセンター内に、絵本棚 を設置しました。健診の待ち時間に、親子で絵本に親しんでもらえる機会を設けるため、定番 の絵本を中心に図書館のリサイクル図書※ 6を置いています。 📖子育て支援講座 ブックスタート実施後のフォローアップ講座として、わらべうたを中心に赤ちゃんとのコミュニ ケーションを楽しむ「あかちゃんの時間」(0歳児向け、月1回:文庫連協力)、親子のふれあい と音楽を楽しむ、「親子でリトミック」(0歳児向け・1歳児向け、各月1回:外部講師)、親子で絵 本やわらべうたを楽しむ「親子であそぼう!」(1~2歳児向け、年4回:文庫連講師)を実施し ています。 また、ブックスタート実施後の親子の図書館利用等の状況を把握するため、平成22年度か ら年1回、1歳7か月児と3歳6か月児健診にてアンケートを実施したところ、どちらの年齢も、 「図書館に行ったことがある」という方が、各年度で60%以上ありました。その結果を裏づける かのように、町が実施した「子ども・子育て支援事業計画策定に関するアンケート」(平成26年 3月)において、就学前の子どもがいる家庭の「子育て支援サービスの認知度」では、図書館 が最も高く、全体(482 件)の 90.7%という結果が出ました。さらに、健診時のアンケートの中で 「絵本が身近になった」、「子どもに話しかける大切さを感じた」という方が50%を占め、ブック スタートから始まった図書館の子育て支援が、住民の中に定着してきたことがわかります。 それは、図書館利用にも表れており、乳幼児の貸出冊数の割合は、現在では表1のとおり、 全体の貸出冊数の約10%を占め、図書館の貸出冊数は、年々減少している(泉南地域全体 ①出生時 ②4か月児健診 ③1歳7か月児健診 ④3歳6か月児健診 ⑤5歳児用

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の傾向)ものの、乳幼児の貸出冊数は微増していることがわかります。ブックスタートが始まっ た平成14年度では全体の貸出冊数の 7.9%でしたが、徐々に増えていき、平成19年度以降 は10%を保っています。 表1【町内在住者の貸出冊数】

課題と今後の取組み

○乳幼児健診や子育て支援講座での保護者への働きかけについて ・ブックスタート後の健診や子育て支援講座において、配布したリーフレットをもとに、絵本を 通した親子のふれあいとコミュニケーションの大切さを伝え、子育ての中で実際に絵本を活 用できるよう、継続して取組みます。  健診時に多くの親子が絵本を楽しんでいる、ふれあいセンター内の絵本コーナーについ て、絵本の入替えや冊数の追加だけでなく、健診等でも活用されるよう、子育て支援に向 けた冊子『「絵本で子育て」活用ガイド』に掲載している、子どもの生活や育ちに関わる絵本 等の設置を検討します。 ○子育て支援講座に関わる支援者の研修について  ブックスタートのフォローアップ講座としての役割を果たすためにも、講座に関わる支援者 が、絵本に対しての共通認識を持ち、絵本を使った子育ての具体例を示すなど、子育ての 見通しが立てられるような講座が行えるよう、研修会を実施します。

②保育所(園)・認定こども園・幼稚園における読書環境の充実

取組み・成果

📖読書環境づくり 町内には認可保育所(園)が8か所(町立5・民間3(内、1園は平成27年度から認定こども 園に変更)と認可外保育所が1か所、私立幼稚園が2か所あります。各施設には、子どもの年 齢に応じた本が置かれ、絵本や紙芝居の読み聞かせが行われています。図書館から近い施 設では、散歩の途中で立ち寄り、子どもたちが一人ひとり自分の好きな絵本を選んで借りてい くこともあります。また、家庭での読書へとつながるよう、クラス便りの中で子どものお気に入り 年度 町内個人貸出冊数 (冊) 町内乳幼児0~6歳 貸出冊数(冊) 乳幼児の貸出率 (%) 備 考 8 381,881 31,846 8.3 開館2年目 14 400,883 31,603 7.9 ブックスタート開始年 19 347,439 34,912 10.0 ブックスタート5年目 24 331,442 35,173 10.6 ブックスタート10年目

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1570 1632 2848 4550 4562 5011 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

貸出冊数

(冊) の絵本を紹介するなど、保護者に向けての案内を行っている保育所もあります。 平成26年度には、リサイクルブック実行委員会より、リサイクルブックフェアー※7の収益金から、 より子どもたちの読書環境を良くするため、町内の保育所(園)・幼稚園全11か所へ、「かがく 絵本」が寄贈されました。 📖絵本こぐま便 保育所(園)・幼稚園では、図書館の団体貸出を利用していますが、よりたくさんの絵本に 子どもたちが出合えるよう、平成23年度から、各保育所(園)に年4回程度、約 100 冊の絵本 を配達する「絵本こぐま便」を開始しました。季節の絵本などを入れた0~5歳児各年齢向けの 絵本セットを作り、希望する保育所(園)に届けています。 「絵本こぐま便」は、平成24年度から、全ての保育所(園)が利 用しており、保育の場で絵本を活用する機会が、今まで以上に 増えました。「遠足で行く水族館の本を見せたい」、「夏祭りの催 しで使える大型絵本」等、様々な絵本に関する相談が図書館に 寄せられ、その本を「絵本こぐま便」と一緒に配達したり、配達し た際に、保育所(園)からの要望を聞くことで、図書館と保育所の 連携が進んできました。 図1 【保育所(園)・幼稚園への団体貸出冊数】 ※こぐま便を含む ※絵本こぐま便実績 (対象:町内全保育所(園)・幼稚園11施設) 平成23年度 6施設 年3回配達 平成24年度~ 9施設 年4回配達 絵本こぐま便

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📖図書館との連携 保育所(園)・幼稚園・図書館との連携の場である「絵本リーダー会議」では、実際に保育所 での読み聞かせの実践や絵本の置き場所などを見学し、情報交換を行っています。 就学前の子どもに関わる人々が集まり、情報交換や研修の機会を設けている「熊取町子ど も読書活動推進連絡協議会 乳幼児専門部会」では、子どもの年齢に応じた絵本選びにつ いて、3年間かけた研修会(P.54参照)や、最近1年間に出版されたおすすめ絵本の紹介を 図書館司書が行うなど、絵本を知るための研修会を実施しています。

課題と今後の取組み

○保育所(園)・認定こども園・幼稚園との連携について  引き続き「熊取町子ども読書活動推進連絡協議会 乳幼児専門部会」や「絵本リーダー会 議」などを実施し、各施設との連携を通して、乳幼児期の子どもたちの状況を把握し、全町 的な取組みとして、子どもの読書環境について検討し、子どもの身近に絵本がある環境の 素晴らしさや絵本の大切さを伝えるよう努めます。  絵本の大切さが保護者にも理解され、家庭での絵本の読み聞かせの実践につながる方策 を図書館と保育所(園)・認定こども園・幼稚園が連携して取組みます。  「絵本こぐま便」の配送時には、各保育所(園)・認定こども園・幼稚園の読書環境について の情報交換を行い、必要としている資料や情報を提供できるよう、そして、配達を通して図 書館司書と子どもたちとの交流が行えるよう努めます。 ○保育所(園)・認定こども園・幼稚園の読書環境の充実について  保育所(園)・認定こども園・幼稚園に通う子どもたちにとって、絵本がもっと身近なものにな るよう、子ども一人ひとりが自由に選べる冊数が配置できるよう、図書館の団体貸出や「絵 本こぐま便」の利用を引き続き行うだけでなく、保育主管課と協議しながら環境を整えます。  町内にある私立幼稚園との連携が十分ではないため、団体貸出の利用だけでなく、絵本こ ぐま便の利用を促進し、幼稚園の子どもたちが、たくさんの絵本に出合える機会を増やしま す。

③身近な場所における読書活動の推進

取組み・成果

📖家庭・地域文庫 町内には、住民団体が運営している家庭・地域文庫があり、子どもたちが本に親しむため の本のある遊び場として、30年以上活動をしている文庫もあります。

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📖保育所(園)文庫 平成22年度に、町立北保育所の1室を利用した「なな文庫」(文庫連の運営)が開室しまし た。「なな文庫」は、「保育所 子育てひろば※ 8」の一環として、保育所の子どもたちだけでなく、 地域の親子も利用できる場となっています。保育所の子どもたちは、なな文庫の開設日に、ク ラス単位で訪れ、約 1,500 冊の蔵書から、自由に絵本を見たり、読んでもらったり、借りる本を 選んだりしています。 保育所内文庫としての5年間の実績の中から、子どもたちがたくさんの本の中から自分で本 を選ぶ楽しさを経験し、その本を大人に読んでもらったり、子ども同士で読み合ったり、また、 自分で選んだ絵本を家に持って帰ることができる ため、家族と読む楽しさを共有することもできまし た。そして、本に親しむだけでなく、貸出・返却な ど図書館のルールを身につけ、地域の大人とふ れあう機会にもなっています。なな文庫での経験 は、小学生以降の読書活動に活かされていま す。 表2 【なな文庫の利用人数】 (平成25年度) 北保育所の園児 子育てひろば 参加者 2歳児 3歳児 4歳児 5歳児 利用人数 88人 365 人 321 人 417 人 333 組 貸出人数 貸出冊数 閲覧 のみ 71人 72冊 230 人 666 冊 303 人 928 冊 563 人 1,262 冊 さらに、平成26年度には、アトム共同保育園でも保育園文庫を開室しました。「なな文庫」で の経験を活かし、文庫連スタッフと園の保育士とが運営方針などを一緒に検討し、連携体制を 整えて開室することができました。 なな文庫 北小学校の学校図書館司書より 北保育所を卒所した子どもたちは、小学校の新1年生でも自分で読みたい本を選び、 スムーズに借りていく。例年、新1年生は学校図書館で本を1冊選ぶだけでも大変だ ったのに、なな文庫での経験があると、こんなに違うのかと驚いた。

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📖おはなしキャラバン 保育所(園)8か所で、文庫連による「おはなしキャラバン」を実施しています。4、5歳児に 月1回(4、8月は休み)、絵本の読み聞かせやストーリーテリングを届け、本のおもしろさを継 続して伝える機会となっています。1クラスあたり、約10冊の本を届けているため、年10回行う おはなしキャラバンで、子どもたちは年間およそ 100 冊もの本と出合っています。また、保育 所の各クラスには、毎回同じスタッフが訪問するため、子どもたちとの距離はとても近く、地域 の方とのふれあいの時間にもなっています。 📖地域の子育て支援 地域子育て支援拠点事業(町の広場委託事業)として、「つどいの広場“ぷらっつ※ 9”」や「で あいのひろば※10」があり、就園前の子どもを持つ保護者が気軽に通える場が整備され、図書館 の団体貸出を利用した貸出や絵本の読み聞かせなど、本に親しめる環境づくりが進められて います。本が身近にあるため、親子で読み聞かせを楽しむ姿も見られました。また、ホームス タート事業でも、直接家庭へ絵本を届ける新たな支援が展開されています。そのホームスター ト事業のスタッフに、平成26年度は研修として子育て支援者に向けた研修用冊子『「絵本で 子育て」活用ガイド』や DVD の中で活用している絵本の紹介などを行いました。研修会終了 後は、紹介した絵本の貸出を行い、持ち帰ってその絵本の魅力や活用ポイントを確認しても らうことができました。 📖出前講座 図書館から遠い地域の方にも、 わらべうたや絵本で遊ぶ楽しさを 届ける子育て支援講座として、平 成22年度から「出前 あかちゃん の時間」を開始しました。また、平 成23年度からは、組立式の絵本 棚とたくさんの絵本を持って、ミニ 図書館を出前する「えほんのひろ ば」を開始しました。 図書館司書が出前講座「えほんのひろば」で保育所(園) 等の施設に出向くと、保育士からは、子どもたちは日頃と 違う大人と接する機会になるため、とても良い経験になると の報告がありました。また、たくさんの絵本の中から、子ども が自由に「選ぶ」楽しさを経験する機会にもなっています。 出前 あかちゃんの時間 表3 【出前講座の実績】 (回) 年度 出 前 あ か ち ゃんの時間 えほんのひろば その他 22 4 ― 3 23 13 0 0 24 8 2 1 25 11 4 1 26 10 2 1

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📖地域へのPR 地域でも、子どもが本に親しむ取組みがさらに進められるよう、民生委員児童委員の研修会 や町政連絡事務嘱託員連絡会等において、図書館の出前講座や団体貸出等、子育て支援サ ービスについてPRを行いました。平成26年度には、子育て支援者に向けた研修用冊子『「絵 本で子育て」活用ガイド』や DVD を活用した民生委員児童委員への研修会を行い、出前講座 の申し込みにつなげることができました。

課題と今後の取組み

○保育所(園)・認定こども園・幼稚園文庫の開設等、子どもの身近な場所での読書活動の整 備について  保育所(園)・認定こども園・幼稚園の子どもたちが、本に親しむ経験が蓄積されるよう、本 に親しめる環境づくりを、図書館・保育所(園)・認定こども園・幼稚園・住民団体と協議して 検討します。  保育現場の状況や地域の課題を把握し、文庫等を運営する人材や場所の確保等、関係 機関との協力体制を構築し、家庭に貸出した本を持って帰ることができる仕組みを検討し ます。 ○地域での子育て支援と出前講座の活用について  図書館から遠い地域に住む就学前の子どもとその保護者に、親子で絵本に親しみ、図書 館が身近な場所であることを周知する「出前 あかちゃんの時間」や、身近な場所でたくさ んの絵本にふれあえ、子どもが自分で選ん だ本を読んでもらう経験ができる「えほんの ひろば」の実施に努めます。 ・『「絵本で子育て」活用ガイド』やDVDを使い、 ホームスタート事業や民生委員児童委員等、 子育て支援者に向けた研修会の実施等に努 めます。 えほんのひろば(つばさ共同保育園)

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3 学校における読書活動の推進

学齢期の子どもにとって、読書は、自ら考え、自ら行動し、主体的に社会の形成に参画して いくために必要な知識や教養を身につける上で、重要な契機となります。子どもたちは読書を 通じて、想像力、思考力、表現力等を豊かにするとともに、多様な情報の中から主体的に必 要な情報を収集・選択し、効果的に活用する力を養います。 その役割を担うのが学校図書館です。学校図書館は、学校図書館法により設置義務(第3 条)があり、その目的は「学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な 教養を育成」(第2条)と規定しています。 「子どもの読書活動の推進に関する法律」が施行されてから13年が経過し、その間、「子 どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」をはじめ、学校図書館に関する調査・報告 書がいくつも公表されてきました。その中で、学校図書館の役割・機能については、①「読書 センター」②「学習センター」③「情報センター」であることが記されています。また、学校図書 館の目標として、①読書好きの子どもを増やし、確かな学力、豊かな人間性を育む②授業 で蔵書・新聞等を活用し、思考力・判断力・表現力を育む③探究的な学習活動等を行い、 子どもの情報活用能力を育む④豊富な授業に役立つ資料を通じ、教員の指導力も向上す る⑤悩みを抱える子どもの「心の居場所」となることが掲げられています。 <小学生 低学年> 小学校に入学すると、1年生から「図書の時間」があり、毎週学校図書館で本を借りてい ます。まだ一人ですらすら読むことは難しい時期であり、読書習慣を身につけるためには、日 常的な読み聞かせを通して、本の世界をたっぷり「聞いて」楽しむことが大切です。また、「図 書の時間」の中で、本の借り方や本の分類など図書館のルールを知り、目的を持って本を探 す体験から、「調べる」力の基礎を身につけていきます。 <小学生 中~高学年> 本を「自分で読む」ことができるためには、何よりも子どもが面白いと思う本に出合えること が大切です。子どもの興味・関心を引き出す多様な本を、子どもの身近な場所に十分に備 えることや、本の紹介や読み聞かせなど本に親しむ機会の工夫が必要です。また、3年生に なると、理科や社会科など新たな教科が加わります。テーマに沿って本を探したり、事典、年 鑑、年表等の資料を使う方法を学びながら、情報を的確に利用する力を身につけていきま す。 <中学生> 中学生の時期は、子どもから大人へと成長していく過渡期にあり、自我に目覚め、大人と の関係や友人関係など様々な課題に直面する時期です。中学生は、興味・関心の幅が大 きく広がるとともに、好みの変化も激しく、読書力の格差も生じます。また、クラブ活動や定期 テスト等もあり、時間的、精神的にも余裕がないため、一人ひとりに本をつないでいくことがよ り重要となります。中学生にとっての本は、彼らの今の興味・関心に応えるテーマであること に加え、文章の内容や構成が読書力に応じたものであることが必要であり、そのためには、 潜在的欲求を的確につかみ、それに応える資料を整備することが重要です。学校図書館や 公共図書館、新聞やインターネットなどを活用して、広い範囲から情報を集め、資料を比較 することにより、課題を解決する力を身につけていきます。 <支援学級の子どもたち> 支援学級の子どもたちには、一人ひとりの状況に合わせた、きめ細かな支援が必要です。 子どもに応じた様々な学習支援を行うことで、学習意欲につなげることができます。

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(1) 学校図書館の現状と今後の取組み

📖利用の現状 学校図書館が平成26年度に児童生徒・教員に貸出した資料の総数は、全ての小・中学校8 校で 142,345 冊(個人貸出、調べ学習の合計)で、これは熊取図書館で、個人利用者に貸出し た総数 398,882 冊のほぼ1/3の貸出数にあたります。同じく予約についても、学校図書館で の予約数は 6,474 件で、熊取図書館の予約件数 24,083 件のほぼ1/4の件数にあたり、それ だけ学校図書館は活発に利用されていることがうかがえます。また、学校図書館司書が配置さ れた平成13年度の児童生徒1人あたりの貸出冊数は 13.5 冊だったのが、平成26年度は 27.7 冊となっており、学校図書館司書が常駐し、いつでも開館していること、読み聞かせや本の紹 介、読書相談などを行っていることの効果が表れているといえます。さらに、熊取町の学校には、 週4日、熊取図書館との連絡便があり、必要な資料を迅速に届けることができるため、きめ細か く子どもたちや教員の要望に応えられています。 小学校では、「図書の時間」以外に来館を促す取組みとして、「図書館クイズ」や読んだ本 を、学年毎に1枚の葉っぱの紙に記入して貼っていく 「読書の木」、読みもの以外の本を読んでもらうきっかけ 作りとして「分類スタンプラリー」などを行っています。ク イズやスタンプラリーは、達成すると、「1冊余分に貸出 できる券」や「しおり」などのプレゼントがもらえるため、子 どもたちに人気があります。「読書の木」は、高学年にな るとこんな本も読めるようになるんだという、低学年の目 標になっているようです。 一方、中学校では「図書の時間」がないため、昼休みや放課後の活動として、「ライブラリー クイズ」やイラストや手芸などの「ワークショップ」の開催、 教員や図書委員からのおすすめ本を紹介するなど、普 段学校図書館をあまり利用しない子どもたちに、図書館 へ行くきっかけとして働きかけています。また、学校図書 館は、学校図書館司書が常駐しているため、「心の居場 所」として来館する子どもも多く、学校図書館司書との会 話の中から、本に興味を持つ子どももいるようです。 小学校の図書の時間の読みきかせ 中学校図書館の昼休みの様子 中学校の学校図書館司書より 先生や図書委員からのおすすめ本は、すぐに借りられます。子どもたちは、身近な 人から薦められると、読んでみようかなという気持ちになるようです。

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13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 0 10 20 30 40 50 図2 【小学校 児童1人当たり貸出冊数】 (冊) (年度) 0 5 10 15 20 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 図3 【中学校 生徒1人当たり貸出冊数】 (冊) (年度) 📖資料(図書)の現状 学校図書館の資料を適切に整備するため、平成22年5月に、「熊取町学校図書館資料選 定方針」と「熊取町学校図書館資料除籍方針」を策定し、それに基づいて平成22年から4年 間(1年間に2校ずつ)かけて、古くなった資料の除籍を計画的に行いました。また、学校・図 書館・学校教育課が連携し、書架移動等、今までできなかった学校図書館の環境整備に取り 組みました。このような連携をとおして、今後どのように学校図書館を使っていくのかを各学校 が考えるきっかけにもなり、整備終了後も教職員から様々なアドバイス等があり、全校で学校 図書館の活用について考える機会にもなりました。また、資料の除籍を行ったことで、各学校 が蔵書状況を把握することができ、今後資料を購入していくための参考になりました。しかし、 除籍のため、現在の資料数及び充足率は表4、表5のとおりとなっており、学校図書館図書標 準との差はありますが、図書標準冊数の達成に向けて、計画的に資料の充実に努めます。 表4 【小学校図書館の蔵書状況】 学校名 平成20年度 平成26年度 学級数 蔵書数(冊) 学級数 蔵書数(冊) 標準冊数(冊) 充足率(%) 中央小 19 11,391 18 8,456 10,360 82 西小 19 8,696 15 8,284 9,160 90 南小 15 9,030 12 7,094 7,960 89 北小 19 10,761 19 9,487 10,560 90 東小 17 10,267 20 8,417 10,760 78

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表5 【中学校図書館の蔵書状況】 平成20年度 平成26年度 学校名 学級数 蔵書数(冊) 学級数 蔵書数(冊) 標準冊数(冊) 充足率(%) 熊取中 15 11,808 15 10,166 12,160 84 熊取北中 11 12,556 12 8,096 10,720 75 熊取南中 12 11,781 12 8,138 10,720 76 📖施設・設備の現状 学校図書館の環境については、平成23年度に全校にクーラーが設置され、快適な環境の 中での学習が可能になりました。また、前述の資料の除籍にあわせ、学習スペースや本をゆ っくり見ることができる場所を確保し、書架配置の変更や見出しの作成等、環境整備に努めま した。子どもたちにとっては、学校図書館が美しくなり、棚や机などの配置も、使いやすくなっ たため、居心地良い場所として再認識する機会になりました。しかし、学校図書館の情報シス テムが整備されていないため、効率良く学校図書館を活用できていない面もあります。 📖人的配置の現状 学校図書館への人的配置のモデル校として、平成7年度に北小学校への学校図書館司書 の配置から始まり、平成13年度に学校図書館司書を、平成15年度には学校図書館担当教 員を、小・中学校全校に配置しています。小学校の学校図書館司書については、平成24年 度から週4日から週5日勤務となり、毎日開館している学校図書館を実現することができまし た。 学校図書館担当教員については、担任を持ちながら他の校務分掌も担うなどの多忙な中、 学校図書館の利用計画の作成等、学校図書館の運営にかかわる計画作りの役割を担うととも に、実務を行う学校図書館司書と日々連携して、学校図書館を運営しています。 学校図書館司書については、学校図書館法の改正(平成26年6月27日公布)により、「学 校司書」(第6条※11)を明記したことで、法的な位置づけがされました。さらに、専門職としての知 識・技能の向上についても、「・・・学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の 必要な措置を講じるよう努めなければならない。」(第6条第2項)と規定されています。

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表6 【平成24年度 学校図書館担当職員(いわゆる「学校司書」)の配置状況】 ※熊取町及び泉南地域については、平成27年4月末の状況です

課題と今後の取組み

○学校図書館の利用について  学校図書館が毎日開館(中学校は週4日)し、学校図書館司書も常駐しているため、子ども たちは「図書の時間」や教科の調べ学習で学校図書館に行くだけでなく、日頃から何か疑 問があれば学校図書館司書に聞きに行き、本を利用しています。しかし、国の「第三次子 どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」に掲げられている学校図書館の役割、機 能や目標を達成するためには、学校、学校教育課、図書館が連携し、学校図書館の活用 について共通認識を持ち、推進していく必要があります。 ○資料の充実  学校図書館では、情報としては古くて使えない資料を整理した結果、以前の蔵書数の約3 0~40%が除籍されました。このため、子どもたちの欲しい情報や資料を十分に提供する には、まだ不十分ですので、今後は学校図書館図書標準を目標として増やしていきます。 図書の購入や選書にあたっては、学校図書館担当教員と学校図書館司書が中心となり、 計画的に行えるよう、熊取図書館も「学校図書館支援センター」として、引き続き支援を行 います。 ○施設の充実 ・学校図書館の情報化については、全国的な状況を見ると、表7のとおり、平成24年度の時 点で60%以上の学校で蔵書のデータベース化が行われ、その内約80%以上が蔵書管理 システムの導入を行い、貸出・返却や資料検索に迅速に対応していることがうかがえます。 国の「第三次子どもの読書活動の推進に関する基本的計画」では、「学校図書館にコンピ ュータを整備し、学校図書館図書情報をデータベース化したり、他校の学校図書館や図書 館とオンライン化したりすることにより、自校の学校図書館のみならず、地域全体での図書の 共同利用や各種資料の検索、多様な興味・関心に応える図書の整備等が可能となる。」と、 図書館と学校図書館のオンライン化を進めていく方向性が示されています。 小学校 中学校 全 国 47.8% 48.2% 大 阪 府 30.9% 29.8% 泉 南 地 域 33.3% 53.1% 熊 取 町 100.0% 100.0%

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表7【平成24年度 全国学校図書館のデータベース化の状況】 一方、大阪府内では、表8のとおり、学校図書館に何らかの形でシステムを導入して資 料をデータベース化している自治体は31団体(72%)です。うち各学校別にデータベース 化している自治体が15団体、学校間のオンライン化を行っている自治体が14団体あり、ほ ぼ同数です。国が示している図書館とのオンライン化を行っている自治体は2団体であり、 図書館とのオンライン化は今後の課題といえます。 熊取町では、学校図書館司書がいるため、貸出やレファレンス、調べ学習等に対応して いるものの、システムが導入されていないことから、貸出できる冊数や予約の対応、資料の 収集等に限界があります。学校図書館の蔵書管理業務を効率化し、子どもや教職員への レファレンス、予約業務を充実させ、子ども一人ひとりに必要な資料を迅速に手渡せるよう、 導入するシステムを検討しながら、学校図書館のデータベース化を進めます。 表8【平成26年度 大阪府内小・中学校図書館の蔵書管理システムの導入状況】 ○人的配置について  学校図書館の業務については、文部科学省の設置会議による「これからの学校図書館の 活用の在り方等について(報告)」(平成21年3月)や「これからの学校図書館担当職員に 求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について(報告)」(平成26年3月) 等で明示されています。この報告書などを参考に、学校図書館司書の能力を向上するた めの研修等を計画的に行う必要があります。また、今後も学校図書館担当教員と学校図書 館司書が連携して、利用指導や学校図書館を活用した授業の支援を行えるよう工夫してい きます。 小学校 中学校 蔵書のデータベース化 64.1% 65.1% 内 蔵書管理システムの導入 83.0% 77.4% 各小・中学校個別で蔵書管理システム導入 15自治体 35% 各小・中学校の学校間のオンライン化導入 14自治体 33% 各小・中学校と公共図書館とのオンライン化導入 2自治体 4% 蔵書管理システムの導入なし 12自治体 28%

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(2) 小学生の読書活動

①子どもの学習活動・読書活動を支援する全校的な取組みの推進

取組み・成果

📖読書指導の充実 全ての小学校で、朝の全校読書や読書週間、読書月間の取組みを実施しており、継続し て行われている朝の全校読書は、子どもの中でも定着してきています。授業が始まる前の短 い時間に集中して読むことで、落ち着いて学習を始めることができるという教員の声から、読 書週間や読書月間の期間が年々延びている学校もあります。この期間に合わせて様々な取 組みも行われ、「読書の木」や「読書ビンゴ」以外にも、子ども読書活動推進連絡協議会小中 学生部会で紹介した、「おためし読書※12」に取組んだ学校もありました。 「図書の時間」では、毎回学校図書館司書による読み聞かせやブックトークなどが行われ、 子どもたちは物語に入りこむ楽しさを経験したり、いろいろな本を紹介してもらうという、学校図 書館司書とのコミュニケーションを通じて、学校図書館がいつでも開かれた場所であることを 知ります。 学級文庫を設置している学校では、熊取図書館の団体貸出を利用して、学期毎に入れ替 える学校もあり、学校に所蔵している本だけでなく、様々な本にふれる機会にもなっています。 また、担当教員が学級で読み語りを行うことで、関連した本を学校図書館や熊取図書館に探 しに来る子どもの姿もあり、身近な大人が子どもと本をつなげる役割を担っている成果が現わ れています。 📖アンケート調査 小学6年生を対象にした全国学力・学習状況調査(平成25年度実施)によるアンケート結 果を見ると、「家や図書館で普段(月~金曜日)、1日あたりどれぐらいの時間、読書をします か」という質問(図4)に、「全くしない」と回答した子どもは、全国との比較では 2.4 ポイント多い ですが、大阪府と比較すると 4.2 ポイント少なく、平成21年度と比較すると 5.1 ポイント減少し ているため、短い時間であっても読書をする子どもが増えています。 「おためし読書」を体験した中央小学校の子どもの感想より ・いつも見かけない本が次々と読めて、こんなにおもしろい本があるとわかりました。 ・おもしろい本やあまりおもしろくない本もあって楽しいです。次に何が来るかと思い ます。4年生の時もやりたいです。

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4.7 4.2 6.2 6.1 10.0 8.4 8.9 10.3 16.3 21.3 17.0 20.2 22.5 24.9 22.7 26.3 18.3 17.9 17.6 16.2 28.3 23.2 27.4 20.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (18)家や図書館で普段(月~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,読書をしますか 2時間以上 1時間~2時間 30分~1時間 10分~30分 10分以下 全くしない 図4 次に「本を読んだり借りたりするために学校図書館や地域の図書館にどれくらい行きますか」 という質問(図5)に、「全くいかない」と回答した子どもが、平成21年度と比較して 6.3 ポイント 減少し、全国と比較して 4.5 ポイント、府と比較しても 13.3 ポイント少ないため、図書館が子ど もたちの身近な場所となっていることがうかがえます。 図5 一方「読書は好きですか」という質問(図6)では、「当てはまる」「どちらかといえば、当ては まる」と回答している子どもは平成21年度と比較して 4.3 ポイント減少し、全国と比較して 6.0 ポイント、府と比較しても 2.7 ポイント少ないですが、これは、朝の全校読書や学校図書館の充 実など、熊取町の読書活動が充実しているため、子どもたちにとって「読書」は、日常生活の 一部であり、「読書」を特別に好きだと感じていないのではないかと、現場の教員は分析して います。 2.2 1.7 1.8 3.7 12.0 16.0 10.8 16.8 24.3 28.1 21.0 24.4 29.6 29.1 27.5 25.3 31.2 24.9 38.2 29.4 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (19)本を読んだり借りたりするために学校図書館や地域の図書館にどれくらい行きますか 週4回以上 週1~3回 月に1~3回 年数回 全くいかない

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図6 📖図書委員会活動 学校図書館担当教員と学校図書館司書が関わる ことで、図書委員による読書活動が積極的に行われ ています。取組みの内容も様々で、読書週間、読書 月間中に、「図書館クイズ」や「おすすめ本の紹介」、 全校集会での読み聞かせや、ブックガイドを活用し た「スタンプラリー」、「読書ビンゴ」、「かるた大会」等 を行っています。これらの取組みに、子どもたちは自主的に取組んでおり、達成感を得た子ど もたちは、次の活動の時にも積極的に取り組みます。そのような図書委員会による活発な読 書活動は、下の学年の子どもたちへの刺激となり、「自分も図書委員会活動をしたい」という意 欲や、「図書の時間」以外に学校図書館へ行くきっかけにもつながっています。 📖校内研修 新任教員と転入教員に向けて、学校図書館担当教員と学校図書館司書が連携し、学校図 書館の利用等に関する校内研修を実施しました。校内研修を行うことで、熊取町での学校図 書館の役割を理解し、他市町村とは違う活発な取組みについて、認識と理解を広げる機会と なっています。 📖おはなしキャラバン 学期に1回、ほぼ全ての学級で、文庫連のスタッフによる「おはなしキャラバン」を実施して います。絵本の読み聞かせやブックトーク、ストーリーテリングを届け、「図書の時間」とは違っ た、本のおもしろさを伝える機会となっています。1回あたり10冊程の本を紹介しているので、 年間30冊の本との出合いがあり、キャラバンを行った学級には、読んだ本を1週間程度置い ているため、子どもたちは自由に手に取り楽しむことができます。 42.3 41.4 45.8 47.8 28.1 24.7 23.0 24.3 16.9 18.6 16.5 16.2 12.7 15.2 14.5 11.5 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (45)読書は好きですか 当てはまる どちらかといえば、 当てはまる どちらかといえば、 当てはまらない 当てはまらない 小学校の読書の木の展示

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課題と今後の取組み

○小学校での読書指導の充実について  絵本から読みものに移行する中学年頃から、本に対して興味を持てるような取組みを、学 校図書館担当教員・学校図書館司書・教員が連携し、「図書の時間」での本の読み聞かせ や紹介、学級担任による読み聞かせや読み語りの実践に向けた支援となるよう、職員文庫 の設置や、教員に向けた読み聞かせにおすすめの本の紹介などへの支援をします。  学級文庫については、学校図書館の活用だけでなく、熊取図書館の団体貸出を活用でき るよう、各学級での図書管理が円滑に行えるための方策を検討します。  各学校で実施している読書活動や委員会活動などは継続して実施できるようにし、学齢期 子ども読書活動推進連絡会等で報告している先進事例については、積極的に取り組める よう、各校の読書活動の情報交換を行うための支援をします。  校内研修については、学校図書館を活用した取組みによる検証や教職員間による情報交 換を行い、町全体で取組めるよう、教育委員会が支援します。

②学校図書館を計画的に利用し、その機能を活用した授業の推進

取組み・成果

📖利用指導 全ての小学校において、4月の最初の「図書の時間」に、学校図書館司書による図書館利 用のためのオリエンテーションを実施しています。学校図書館の使い方の説明だけでなく、ク イズなどを取り入れ、子どもが興味を持てるような仕掛けを行っています。また、子どもが自分 で資料を使って調べることができるように、図鑑や百科事典の使い方などの利用指導を計画 的に実施しています。このため、学年に合わせた利用指導が行え、本の並び方、テーマに沿 った本の探し方、事典、年鑑、年表等の使い方を自然と身につけることができるようになってき ました。 📖学校図書館を活用した授業 全ての小学校に学校図書館担当教員と学校図書館司書を配置しているため、双方が連携 して「学校図書館教育指導計画」を年度当初に作成しています。この計画は学校図書館担当 教員が中心となって作成し、それをもとにして、学校図書館司書が主に実施しています。この 計画に基づき、学校図書館司書が学習に沿った資料を用意し、自校の学校図書館で足りな い資料については、他の学校図書館や熊取図書館から集めて提供しています。授業に関連 したブックトークなどが学校図書館司書により行われることで、子どもの学習への興味づけに もつながっています。

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また、学校図書館の資料を活用して行う授業も定着してきており、学校図書館司書を通じ て、様々な課題についてのレファレンスも増えています。子ども一人ひとりが設定したテーマ による個人調べについても、学校図書館に司書がいるため、熊取図書館と連携し、一人ひと りのニーズに合わせたきめ細かい資料を用意することができています。 📖図書館を使った調べる学習コンクール 子どもが必要な情報を収集・選択し、活用する力 を身につけるための方策の一つとして、平成25年 度から、「図書館を使った調べる学習コンクール」を 開催するとともに、「調べる学習応援ガイド」を作成し、 図書館で配布しました。平成26年度は、各小学校 から 293 人の参加があり、町長賞など8作品を表彰 しました。また、小学生向けの「調べる学習応援講 座」は、小・中学校教員の研修の一環として実施し、 先進校の実践を学ぶ機会となりました。「図書館を使った調べる学習コンクール」の参加者に は「調べる学習応援ガイド」を配布し、学校での利用指導に加えて、情報を収集・選択し、活 用する方法を伝えることができました。

課題と今後の取組み

○学校図書館を活用した授業の推進  学校図書館の機能として求められている「学習センター」、「情報センター」としての役割を 存分に発揮できるよう、学校図書館担当教員を中心に、各学校の教職員、学校図書館司 書、教育委員会が連携し、学年に合わせた体系的な利用指導と、学校図書館を活用した 授業を行うための「教職員向けのマニュアル」を作成し、全ての子どもたちが図書館を使っ て、情報を活用できる力を身につける取組みを行えるよう支援します。 ○「図書館を使った調べる学習コンクール」の推進  参加者数は、第1回で 339 名、第2回で 293 名と町内の小学生全体の約10~12%程度の 参加に留まっているため、今後も学校と連携し、子どもたちが調べる・情報を活用できる力 を身につけることができるよう、学校図書館での利用指導を通じて、参加へのPRを行いま す。 「図書館を使った調べる学習コンクール」 表彰式

(29)

(3) 中学生の読書活動

①子どもの学習活動・読書活動を支援する全校的な取組みの推進

取組み・成果

📖読書指導の充実 全ての中学校で、朝の全校読書や読書週間の取組みを実施しています。中学校では、朝 の全校読書や読書週間を活用して、学校図書館司書が学級ごとに読み聞かせや、本の紹介、 ブックトークを行っています。 継続して行われている朝の全校読書は、子どもの中でも定着しており、授業が始まる前の 短い時間に集中して読むことで、落ち着いて学習を始めることができるという教員の声から、 読書週間や読書月間の期間が年々増えている学校もあります。 📖アンケート調査 中学3年生を対象にした全国学力・学習状況調査(平成25年度実施)によるアンケート結 果を見ると、「家や図書館で普段(月~金曜日)、1日あたりどれぐらいの時間、読書をします か」という質問(図7)に、「全くしない」と回答した子どもは、全国との比較では 12.3 ポイント多 いですが、大阪府と比較して 0.2 ポイント少なく、平成21年度と比較すると 10.1 ポイント減少し ているため、短い時間であっても読書をする子どもが増えています。 図7 また、「本を読んだり借りたりするために学校図書館や地域の図書館にどれくらい行きます か」という質問(図8)に、「全くいかない」と回答した子どもが、平成21年度と比較して 5.2 ポイ ント減少し、全国と比較して、9.1 ポイント、府と比較しても 18.7 ポイントも少ないため、図書館 が日常生活の中で身近な場所になってきていることがわかります。特に中学校は小学校のよ うに「図書の時間」がないため、子どもが自ら進んで図書館に行っていることがうかがえます。 5.8 5.1 5.1 5.6 5.5 6.6 6.9 8.7 11.5 12.8 11.1 15.2 8.0 14.1 15.6 21.9 10.5 13.0 12.6 12.6 58.4 48.3 48.5 36.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (18)家や図書館で普段(月~金曜日),1日当たりどれくらいの時間,読書をしますか 2時間~ 1時間~2時間 30分~1時間 10分~30分 ~10分 全くしない

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図8 さらに、「読書は好きですか」という質問(図9)に、「当てはまる」「どちらかといえば、当てはま る」と回答している割合は、全国と比較すると 6.7 ポイント少ないですが、平成21年度と比較す ると 8.0 ポイント増加し、府との比較では 3.1 ポイント多くなっており、本を楽しむ習慣が身につ いた子どもが増えていることがうかがえます。 図9 📖図書委員会活動 学校図書館担当教員、図書担当教員と学校図書 館司書が関わり、図書委員による読書活動が積極的 に行われています。取組みの内容も様々で、「スクー ルライブラリークイズ」や「ビブリオバトル」、「熊取図書 館の見学」等の新しい試みも始まっています。また、イ ラストや手芸等の「ワークショップ」では、図書担当以 外の幅広い教職員との関わりもありました。 図書委員会が様々な企画を行うことで、子どもたちが学校図書館に行く機会が増えました。 31.8 44.0 38.0 46.2 23.6 19.4 22.3 23.9 21.1 17.9 19.0 16.6 23.3 18.4 20.2 13.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (45)読書は好きですか 当てはまる どちらかといえば、 当てはまる どちらかといえば、 当てはまらない 当てはまらない スクールライブラリークイズの様子 6.0 5.1 2.1 2.4 6.3 8.3 4.2 6.8 11.0 14.3 7.8 11.3 22.6 23.3 18.0 21.2 54.1 48.9 67.6 58.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% H21熊取町 H25熊取町 H25大阪府 H25全 国 (19)本を読んだり借りたりするために学校図書館や地域の図書館にどれくらい行きますか 週4回以上 週1~3回 月に1~3回 年数回 全くいかない

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平成 24

成 26 年度(2014 年度)後半に開始された「妊産婦・新生児保健ワンストップ・サービスプロジェク ト」を継続するが、この事業が終了する平成 29 年(2017 年)

6  外出  12  忘年会  7  夏祭り  1  新年会 . 8  花火 

The challenge of superdiversity for the identity of the social work profession: Experiences of social workers in ‘De Sloep’ in Ghent, Belgium International Social Work,

「東京都スポーツ推進計画」を、平成 30 年 3 月に「東京都スポーツ推進総合計画」を策定すると ともに、平成 25 年

5月 こどもの発達について 臨床心理士 6月 ことばの発達について 言語聴覚士 6月 遊びや学習について 作業療法士 7月 体の使い方について 理学療法士

地点と KAAT の共同制作作品。平成 29 年、地点「忘れる日本人」で鮮烈な KAAT デビューを飾った作家、松原俊太郎による 新作を上演する。.. 9

2018 年、ジョイセフはこれまで以上に SDGs への意識を強く持って活動していく。定款に 定められた 7 つの公益事業すべてが SDGs