手術前患者の不安に関する研究の現状 : 2002~2011 (研究ノート)
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(2) 野沢 和也. 150. 効 果 的 に 行 う上 で、 どの よ うな研 究 が 必 要 か検 討 す る た め に は、 まず 術 前 患 者 の 不 安 に 関 す る現 在 の研 究 動 向 の. gnosis Procedure Combination(以. 概 観 が必 要 と考 え る。. 術 前 日の 入 院 とい っ た ケ ー ス が増 え て い る。 手 術 前 の入. そ こで 本 研 究 で は、 手 術 前 の患 者 の 不 安 に 関 す る研 究 の 現 況 を 明 らか に し、 術 前 患 者 へ の 看 護 の質 向上 に向 け. 院 期 間 が 少 な い と、 手 術 に対 す る心 理 的 な準 備 の た め の. て の基 礎 資 料 とす る こ と を 目 的 と した 。. 率 的 に術 前 不 安 に 関 わ る必 要 性 に 迫 られ 、 研 究 数 が急 増 した の で は な い か と考 え られ る。. H.研 1.研. 導入 や医 療 の発達 に伴 い、 手術 後 の入. 院 日数 や 手 術 時 間 の 短 縮 が み られ る。 結 果 と して、 手 術. 究 対象. 研 究 対 象 文 献 は、 過 去10年 間(2002-2011年)に され た術 前 患 者 の不 安 に関 す る文 献 で あ る。. 略 す)の. 時 間 を 十 分 に と る こ とが で きな い 。 看 護 師 は効 果 的 ・効. ま た 、DPCの. 究方法. 下DPCと. 導 入 が 盛 ん に な り、 そ れ に伴 う入 院 日数 の 減 少 か ら、 手. 件 数 の 増 加 に よ る、 手 術 患 者 に 対 す る関 心 の高 ま りが研 発表. 究 数 の 増 加 に つ な が っ た可 能 性 が あ る。 今 後 も、 医療 の 発 達 に伴 い 手 術 を 受 け る患 者 が 著 し く. 文 献 の 抽 出 に あ た って は、 医 学 中 央 雑 誌 で 、 「手 術 前. 減 少 す る こ と は な い と考 え られ る。 さ らに、 手 術 前 の 入. 不 安 」 を キ ー ワ ー ドと した主 題 検 索 を 行 い 、 抄 録 あ り、 原 著 論 文 、 看 護 分 野 で の 絞 込 み 検 索 を行 っ た結 果 、149. 院 期 間 の減 少 に よ り、 不 安 へ の 介 入 が 困 難 に な る可 能 性 が 考 え られ るた め 、 手 術 前 の 不 安 に関 す る研 究 は 今 後 も. 件 が ヒ ッ トした。 そ の う ち、 小 児 を 対 象 と した 研 究 が14. 重 要 で あ る と考 え る。. 件 含 ま れ て い た。 今 回 、 そ の14件 を除 外 した135件 を分 析 対 象 と した。 2.分. 析方法. 上 記 の対 象 研 究 論 文 を そ の ① 発 表 年 、 ② 研 究 の 種 類 、. 2.研. 究 の種 類 お よ び研 究 デ ザ イ ン. 135件 の 研 究 の 中 で 、 質 的 研 究 は77件(57.0%)、. 量 的. 研 究 は47件(34.8%)、. 総説. が2件(1.5%)で. 量 質 併 用 研 究 が9件(6.7%)、. あ っ た(図2)。. ③ 研 究 デ ザ イ ン、 ④ デ0タ 収 集 法 、 ⑤ 対 象 者 、 の項 目 ご とに デ ー タ化 し、 コ ー ド化 した 。 さ らに、 研 究 内 容 に 関. 研 究 の 種 類 2002-2011. して は 、 筆 者 の不 安 の 捉 え方 に 影 響 さ れ た偏 っ た 内容 の 分 析 に な らな い よ うに、 帰 納 的 に分 析 した。 具 体 的 に は、 そ の研 究 が 何 を 明 らか に しよ う と し、 そ の結 果 、 何 が 明 らか に な っ た の か と い う視 点 で 文 献 を分 析 し、 記 載 内容 を要 約 し、 そ の 内容 の 類 似 性 に基 づ き分 類 した 。. 皿.研 究結果お よび考察 1.研. 究の発表年. 文 献 検 索 の結 果 、 国 内 で の この テ ー マ に 関 す る文 献 は 年 々増 加 傾 向 に あ り、 特 に2007年 頃 か ら急 増 して い る (図1)。. こ の 理 由 に っ い て は以 下 の よ う に考 え られ る。. わ が 国 で は2006年 頃 か ら診 断 群 分 類 別 包 括 評 価 制 度Dia. 図2 研 究 の種 類. 研 究 デ ザ イ ンと して は、 観 察 研 究 に お け る、 断 面 調 査 研 究 が49件(36.3%)、. 追 跡 調 査 研 究 が11件(8.1%)、. 対 象 の 無 い 介 入 研 究 が32件(23.7%)、 入 研 究 が28件(20.7%)、 総 説 が2件(1.5%)で. 比較. 比 較 対 象 の あ る介. ケ ー ス ス タ デ ィ が13件(9.6%)、 あ っ た。. 質 的 研 究 で は 、 患 者 や そ の 家 族 が 抱 く手 術 に 対 す る 思 い や 手 術 前 後 の 生 活 実 態 の 調 査 が25件(32.5%)と. 最 も多. い 割 合 を 占 め た 。 量 的 研 究 で は 、 現 在 施 行 して い る 看 護 介 入 や プ ロ グ ラ ム の効 果 、 それ らに対 す る満 足 度 の 調 査. 図1 手術前 の不 安に関す る論文数 の推 移. が29件(61.7%)と. 最 も多 い 割 合 を 占 め て い た 。.
(3) 151. 手術前患者の不安 に関す る研究の現状. 研 究 の半 数 以 上 が質 的 研 究 で あ り、 看 護 師 が 対 象 者 本 人 に直 接 面 接 等 で看 護 に対 す る満 足 度 や 評 価 を尋 ね て い. 自作 の質 問 紙 を用 い て い た も の は前 述 の と お り45件 で あ. る研 究 とな って い る。 そ の た め 、研 究 対 象 人 数 が少 な く、. 看 護 介 入 、 教 育 プ ロ グ ラ ム の効 果 を 評 価 す る 内容 が 主 で. 研 究 結 果 を一 般 化 で き る も の で は な か った 。. あ った。. り、 これ ら は疾 患 や 手 術 に関 す る思 い、 知 識 、 臨床 経 過 、. 面 接 法50件 の うち、 半 構 成 的 面 接 は32件 で あ った。 3.デ. 質 問 紙 法 を 用 い た デ ー タ収 集 方 法83件. ー タ収 集 法 と測 定 用 具. 分 析 対 象 と し た135件 重 複 集 計)の. デ ー タ収 集 法 が 明示 され て い た。 そ の 具 体. 的 内 容 は 、 質 問 紙 法 が83件(59.7%)、. の う ち、45件. が 自作 の 質 問 紙 を使 用 して お り、 過 半 数 以 上 を 占め て い. の 研 究 に は 、 計139件(100%、. る。 この こ とか ら、 患 者 の不 安 や ス トレス を信 頼 の で き る尺 度 で 測 定 で きて い な い研 究 が 多 い と い う こ と にな る。. 面 接 が50件. 液 ア ミ ラ ー ゼ 値 、 自 律 神 経 系 機 能 検 査)が2件(1.4%)、. ま た、 生 物 生 理 学 的 測 定 を用 い た 研 究 が2件 と、 非 常 に少 な い 。 術 前 の不 安 や ス トレス を 生 理 学 的 に 評 価 す る. で あ った。. 研 究 が ま だ 不 十 分 で あ る こ とが わ か る。. (36.0%)、. 観 察 が4件(2.9%)、. 質 問 紙 法 の う ち45件. 生 物 生 理 学 的 測 定(唾. は 自 作 の 質 問 紙 で 、38件. は既 存 の. 4.対. 尺 度 の質 問 紙 で あ った 。. 象者. 用 具 が 明 示 さ れ て い た 。 不 安 を測 定 す る た め に用 い られ. 135件 の うち 、117件 は手 術 患 者 本 人 を対 象 と した研 究 で あ っ た。 残 り は患 者 の 家 族 を対 象 と した 研 究 が5件 、. て い た 既 存 の 尺 度 は 、 新 版STAI状. 看 護 師 を 対 象 と した 研 究 が10件 で あ っ た。 そ の 他 に、 患. 分 析 対 象 と な っ た135件. (State-Trait . Anxienty . HADS(Hospital . の 研 究 に は 、 計7種. 件 、APAIS(Amsterdam Information Mood . JYZ)19件. and Depression Preoperative . Scale)6件. States)3件. 態 一特 性 不 安 検 査. Inventory-Form . Anxiety . 類 の測 定. 、. Scale) 4. Anxiety . of. 術 を待 っ 患 者 の心 理 面 へ の ケ ア は術 後 の サ ポ ー ト体 制 や. であっ. 家 族 看 護 の 視 点 か ら も重 要 で あ る と考 え られ るが 、 手 術 を受 け る本 人 が 最 も不 安 や ス ト レス、 葛 藤 と闘 う こ とに. 、 ス ト レ ス ・コ ー ピ ン グ 尺 度(ln-. terpersonal Stress-Coping . Inventory;ISI)1件. 族 を対 象 と した研 究 が1件 存 在 した 。 手 術 を 受 け る こ と に な った患 者 の 家 族 へ の対 応 や 、 手. and. 、 日 本 語 版POMS(Profile . 者 と看 護 師 を対 象 と した研 究 が2件 、 患 者 自身 と そ の家. な る た め 、 手 術 患 者 本 人 を対 象 と した研 究 が最 も多 い の. た。 こ の 他 、 健 康 関 連QOL、. せ ん 妄 ・急 性 混 乱 状 態 を 測. 定 す る尺 度 も用 い られ て い た 。 既 存 の 測 定 用 具 を 用 い ず 、. は 当然 の 結 果 と考 え られ る。 ま た 、 看 護 師 を対 象 と した研 究 の 中 に は、 手 術 を介 助. 表1 研 究 デ ザ イ ン と研 究 内容 観 察研究 観察研究 介入 研究 介入研究 ケ ー ス 断面調査 追跡調査 比較対象無 比較対象有 ス タ デ ィ 総説 合計 研 究 研 究. 2002^-2011 1.手. 術 室 看護 師 によ る手 術 患 者 の 不 安 へ の介 入 に 関 す る研 究. 7. 11. 12. ①新 しい術前訪問方法 の試 みに関す る ②すで に行われて いる術前訪問方法 に関す る ③手術室看護師 による術 中訪 問に関す る研究. 2. 7. 11. 3. 4. 2.看. 2. 護 師側 の 問題 に 関 す る研 究. 5. ①術前患者 の情報収集 に関す る研究 ② 看護 師の知識向上 の取 り組 みにっいての研究 ③手術室看護 師の不安 や疲 労について. 1. 1. 1. 32. 23.7. 7. 5.2. 0. 0. 0. 9. 1. 4 1. 1. 1. 1. 0. 定 の 手 術 前 後 に患 者 ・家 族 が持 っ思 い に 関 す る研 究. 23. 9. 0. 1. ① 手術前後の患者 ・家族 の思 いや生活 実態の調査 ②患者が看護 師に求 め るもの にっ いて. 21. 9. 11. 8.1. 33. 24.4. 0. 26. 19.3. 12.6. 1. 2 0. 4. 1. 6. 4. 1. 9. 6. 2. 0. 17. 0. 4. 5. 0. 0. 9. 6.7. 49. 11. 32. 28. 13. 2. 135. 100.0. 36.3. 8.1. 23.7. 20.7. 9.6. 1.5. 100.0. 院 中 の術 前 不 安 に 関 す る研 究. 14. ①不安 の分析 と介入 につ いて ② 不安の分析 ③ 不安 に対す る介入. 2. 6.病. 棟 看 護 師 に よ る術 前 オ リエ ンテ ー シ ョ ンに 関 す る研 究. 0. 0. 7.外. 来 看 護 師 に よ る術 前 オ リエ ンテ ー シ ョ ン に関 す る研 究. 0. 合計 %. 1. 1. 0. 5.入. 1. 1. 定 の患 者 と の 関 わ りに 関 す る研 究. 3.特 4.特. 0. %. 8. 7 1. 4.
(4) 野沢 和也. 152. す る手 術 室 看 護 師 の手 術 前 後 の疲 労 自覚 症 状 ・不 安 ・自 律 神 経 系 機 能 を検 討 した もの もあ っ た2)。 家 族 を 対 象 に した 研 究 は、2006年 以 降 に しか み あ た ら ず 、手 術 を受 け る患 者 だ け に と どま らず 、手 術 患 者 を待 っ. 評 価 に関 す る研 究29件 の うち、 不 安 尺 度 を用 い て評 価 さ れ て い た研 究 はわ ず か8件 で あ っ た。 使 用 さ れ て い た 不 安 尺 度 はSTAIが4件. でAPAISが4件. で あ っ た。 研 究 の. て い る家 族 や、 手 術 を受 け る患 者 が い る家 族 の不 安 な ど、. 内 容 と して は、 いず れ も術 前 訪 問 実 施 前 後 の不 安 ス コ ア の 変 化 を比 較 した研 究 で あ った 。. 患 者 の 周 囲 の 人 間 に対 す る看 護 へ の 関 心 も高 ま って き て い る の で は な い か と考 え られ る。. そ の 中 で、 患 者 特 性 と術 前 訪 問 の効 果 を比 較 した 研 究 は1件 の み で、 性 別 や疾 患 予 後 を 患 者 特 性 と して検 討 し て い た7)。 こ の研 究 で は、 全 身 麻 酔 に よ る手 術 を受 けた. 5.研. 究内容. 患 者46名(男20名. 研 究 内 容 を 帰 納 的 に 分 類 した結 果,7っ の カ テ ゴ リー と そ の 下 位 分 類 と して11の サ ブ カ テ ゴ リー が 得 られ た (表1)。. ・平 均65.0歳 、 女26名 ・平 均57.3歳). を 対 象 に、 ア ム ス テ ル ダム術 前 不 安 ・情 報 基 準 を 用 い て 術 前 訪 問 前(A)、 術 前 訪 問 後(B)、 術 後3∼7日(C) で の 心 理 的変 化 にっ い て検 討 され て い た。 そ の 結 果 、 不. 7っ の カ テ ゴ リー と は 【1.手術 室 看 護 師 に よ る手 術 患. 安 ス コ ア お よ び 情 報 ス コ ア はAに 比 較 してBお よ びCで. 者 の 不 安 へ の ア プ ロ ー チ に 関 す る研 究(32件 %)】 、 【2.看護 師 側 の 問 題 に 関 す る研 究(7件. 有 意 に低 下 した。Aの ス コ ア に よ り高 不 安 群25名 と低 不 安 群21名 に分 け る と、 不 安 ス コ ア、 情 報 ス コア 共 に 高 不. 、23.7 、5.2. %)】 、 【3.特定 の 患 者 と の 関 わ りに 関 す る研 究(11件. 、. 8.1%)】 、 【4.特定 の 手 術 前 後 に患 者 ・家 族 が持 つ 思 い. 安 群 でB、Cで の有 意 な低 下 を認 め 、 低 不 安 群 に は有 意 な 変 化 が な か っ た。 性 別 で は両 ス コ ア共 に女 性 は有 意 な. に 関 す る研 究(33件. 低 下 を認 め た が 、 男 性 に は有 意 な変 化 が な か った 。 疾 患. 、24.4%)】. 、 【5.入院 中 の術 前 不. 安 に 関 す る研 究(26件 、19.3%)】 、 【6.病棟 看 護 師 に よ る術 前 オ リエ ンテ ー シ ョ ンに 関 す る研 究(17件 、12.6. 別 で は良 性 疾 患27名 に両 ス コア の有 意 な低 下 を認 め た が、 悪 性 疾 患19名 で は情 報 ス コ アで の み有 意 差 を認 め た 。 以. %)】 、 【7.外来 看 護 師 に よ る術 前 オ リエ ンテ ー シ ョ ン. 上 よ り、 手 術 に対 して不 安 の 強 い患 者 に対 し、 術 前 訪 問. に関 す る研 究(9件. が 不 安 軽 減 に対 し有 効 で あ る と い う こ と と、 女 性 に対 し. 、6.7%)】 で あ る。. 【4.特定 の 手 術 前 後 に患 者 ・家 族 が 持 つ思 い に関 す る. 術 前 訪 問 が有 効 で あ る とい う こ とが 示 さ れ た。 しか し、. 研 究 】 が33件 あ り、 割 合 と して は全 体 の24.4%と 、 最 も. 本 研 究 で は 、 比 較 さ れ た患 者 の 特 性 が、 性 別 と、 良 性 ・ 悪 性 疾 患 、 術 前 訪 問 前 の 不 安 ス コ ア の高 低 の み で あ り、. 大 き な 部 分 を 占 め て い る。 主 な 研 究 内容 と して は、 特 定 の手 術 を 受 け る患 者 の 手 術 前 後 の 生 活 体 験 を 明 らか に す る研 究 や 、 特 定 の手 術 を受 け る患 者 が 、 手 術 前 後 に 自分. 患 者 の 特 性 不 安(STAI)は. 検 討 さ れ て い な か っ た。 患. の 置 か れ て い る状 況 を ど の よ う に認 識 して い るか 、 等 の. 者 の 不 安 に影 響 が 大 き い と予 測 で き る 「特 性 不 安(ST AI)」 を、 患 者 の 特 性 と して 検 討 す る必 要 が あ る。 ま た、. 研 究 が33件 中30件 と、90%以 上 を 占め て い た。 不 安 内容 と して は、 「手 術 そ の もの に対 す る不 安 」 の ほ か に、 「術. 術 前 訪 問前 の 不 安 ス コ アの 高 低 が 何 に 関連 が あ るの か と い う こ とに は触 れ られ て い な い。 さ らに 、 術 前 訪 問 方 法. 後 の疹 痛 に関 す る不 安 」 「術 後 の生 活 に関 す る不 安 」 「麻. や 実 施 した 看 護 師 が統 一 され て い る か とい う内 容 が 明 記. 酔 に 関 す る不 安 」 と い っ た 内容 の も の が多 く抽 出 さ れ て い た。 不 安 へ の介 入 と い うよ り は、 現 状 調 査 と い っ た 内. され て い な い。 そ の た め、 術 前 訪 問 の有 効 性 に 、 実 施 し た 看 護 師 の術 前 訪 問 内容 ・方 法 等 が 影 響 した可 能 性 は否. 容 で あ った 。. 定 で き な い。. 【1.手術 室 看 護 師 に よ る手 術 患 者 の 不 安 へ の ア プ ロ ー チ に 関 す る研 究 】 は32件 あ り、 全 体 の23.7%を 占 め 、2. 一 方 、 不 安 特 性 や 、 よ り詳 細 な 患 者 特 性 と術 前 訪 問 の. 番 目 に 多 い 。 手 術 室 看 護 師 に よ る術 前 患 者 へ の 介 入 に 関 す る研 究 へ の 関 心 の高 さが うか が え る。 主 な 研 究 内 容 と して は、 手 術 室 看 護 師 に よ る術 前 訪 問 の 方 法 の 開 発 や 、 現 在 行 って い る術 前 訪 問 の 評 価 に 関 す る研 究 で あ る。 少. 効果 の関 連 性 にっ いて研 究 され て い る文 献 は み られ なか っ た 。 ま た、 術 前 訪 問 の結 果 、 対 象 者 全 員 の不 安 が軽 減 し た 、 と い う研 究 は29件 中1件. も存 在 しな い に もか か わ ら. ず 、 そ の少 数 派 で あ る 「不 安 が軽 減 しなか った患 者 」 も し くは 「不 安 が 変 わ らな か った患 者 」 に焦 点 を 当 て た 研. 数 な が ら、 手 術 中待 機 す る患 者 家 族 を対 象 と した 、 術 中. 究 は、 み られ な か っ た。. 訪 問 の 必 要 性 や 効 果 に 関 す る研 究 もみ られ た3)4)5)。ま た、2004年 に 日本 手 術 看 護 学 会 会 員 に対 し行 わ れ た実 態. 次 いで 、 【5.入院 中 の術 前 不 安 に関 す る研 究 】 が26件 あ り、 全 体 の19.3%と3番 目 に多 く存 在 した。 特 定 の手. 調 査 で は 、88.6%の. 術 を 受 け る患 者 の 術 直 前 の不 安 内容 の 抽 出 や分 析 、 ま た そ れ に影 響 を及 ぼ す 要 因 の検 索 や 介 入 の 評 価 、 近 年 で は. 施 設 が 術 前 訪 問 を 実 施 して お り、 手. 術 看 護 業 務 にお け る大 き な位 置 を 占め て い る こ とが 示 唆 さ れ た6)。 これ は、 手 術 室 看 護 師 が 術 前 患 者 に対 して 行. ア ロ マ テ ラ ピー に よ る介 入 の効 果 な どの 研 究 が さ れ て い. う術 前 訪 問 の 評 価 に 関 す る研 究 が32件 中29件 と90%以 上. る。 ア ロ マ テ ラ ピ ー に よ る介 入 は術 前 の 不 安 軽 減 の み な. を 占 め て い る こ と か ら も想 像 が で き る。 こ の術 前 訪 問 の. らず 、 術 中 の疹 痛 の 軽 減 に も効 果 が あ る こ とが 結 果 と し.
(5) 153. 手術前患者 の不安 に関す る研究 の現状. て 出 さ れ て い た8)9)1°)。 不 安 へ の 介 入 と い う点 か ら、 手. そ の 結 果 、 術 前 不 安 に対 す るよ り質 の高 い 介 入 方 法 の 開. 術 室 へ の 入 室方 法 に 関す る研 究 もい くっ か な され て い た。. 発 へ の 指 針 と な る と と もに、 さ ら に は 臨床 に お け る看 護. そ の す べ て が歩 行 入 室 に関 す る研 究 で あ った。. 業 務 の 効 率 化 を は か る こ とに貢 献 で き る もの と考 え られ る。. 不 安 に対 す る看 護 介 入 とSTAIを. 関 連 付 け た 研 究 は1. 件 の み で あ った11)。本 研 究 は、 乳 癌 患 者 の 周 術 期 の 不 安 に対 す るサ イ コ オ ン コ ロ ジー 的 看 護 介 入 の効 果 を 明 らか に す る こ とを 目的 に、4名(平. 均 年 齢49.8歳)に. 漸進 的. 弛緩 法 ・ア ロ マ テ ラ ピー ・音 楽 セ ラ ピー を 実 施 し、 入 院 時 ・手 術 前 日 ・術 後1週 間 目 にSTAI、 POMS、 ス トレ ス ・コー ピ ング を ア ンケ ー ト調 査 し、 対 照 群(5名.平 均 年 齢69.5歳)と. 比 較 、 検 討 した もの で あ った 。 そ の結. 果 、 有 意 差 は認 め られ な か っ た もの の、 特 性 不 安 と状 態 不 安(STAI)、 感 情 状 態(POMS)、 ス ト レス ・コ ー ピ ングの いず れ に お い て も介 入 群 が 対 照 群 よ り多 くの減 少 を示 して お り、 サ イ コオ ンコ ロ ジー 的 看 護 介 入 の効 果 に よ る もの と考 え られ た 。 本 研 究 に よ って 、 サ イ コオ ンコ ロ ジー的 看 護 介 入 が 乳 癌 患 者 に有 効 で あ る と い う こ とが 示 さ れ た。 しか し、 対 象 が 乳 癌 患 者 に 限 定 さ れ て い る点 と、 対 象 人 数 が4人(対 象 群5人)と 、 非 常 に少 な い人 数 で の 研 究 で あ り、 一 般 化 は難 しい 内 容 と な って い た。 ま た 、 本 研 究 で はSTAIの 特 性 不 安 値 を 患 者 特 性 と して 検 討 さ れ て はい な か っ た。 患 者 特 性 と介 入 の結 果 を比 較 した 研 究 が1件 の み 存 在 した が、 この 研 究 で は年 齢 ・性 別 の み を患 者 特 性 と して 検 討 が な さ れ て い た12)。手 術 室 へ の歩 行 入 室 が手 術 患 者 に与 え る影 響 を 調 査 した研 究 で 、 歩 行 入 室 で 全 身 麻 酔 の 手 術 を 受 け た入 院 患 者14名(男11名. ・女3名. 、 平 均58.6. 以 上 か ら、 術 前 不 安 に 関 す る今 後 の研 究 の方 向 と して、 不 安 に対 す る介 入 と患 者 の特 性 と の 関連 性 を 調 査 し、 そ の 傾 向 ・特 徴 を 分 析 す る こ と に よ って 、 介 入 の効 果 と患 者 の特 性 に何 らか の 関連 性 を 見 出 す こ とが重 要 で あ ろ う。. IV.お. わ りに. 本 研 究 は医 学 中 央雑 誌 の デー タベ ー スを用 いて 得 た デ ー タ を利 用 して お り、 デ ー タ ベ ー ス の 特 徴 や 範 囲 、 機 能 に 由来 した 限 界 が あ る と考 え られ る。 しか しな が ら、 この 研 究 に よ って 、 国 内 の 術 前 患 者 の 不 安 研 究 の概 要 を示 す こ とは で き た と考 え る。 今 後 、 術 前 患 者 へ の 看 護 の質 向 上 に向 け、 今 回 対 象 文 献 と して ヒ ッ トしな か っ た術 前 患 者 の看 護 に 関 す る研 究 の現 況 も明 らか に す るべ き で あ ろ う。. 文 献 1)福. 西 勇 夫:術. 前 患 者 さ ん の 不 安 を考 え る、 オ ペ ナ ー. シ ング16(11)、26-29、2001 2)久 保 田栄 子 、 田井 み ゆ き、 田村 典 子:器 械 出 し看 護 師 の 疲 労 調 査 STAI・. 自律 神 経 機 能 と の 関 わ り、. 日本 看 護 学 会 論 文 集:看 護 総 合(1347-815)34、57-. 歳)を 対 象 に、 半 構 成 イ ン タ ビュ ー ガ イ ドを 用 い て面 接 し、 得 られ た情 報 をKJ法 で 分 析 して い た。 歩 行 入 室 は、. . 手 術 患 者 全 体 に ほ ぼ 受 け入 れ られ、 年 齢 ・性 別 で特 に 差 が なか っ た と い う結 果 で あ っ た。 しか し、 対 象 が や は り. . 14人 と少 な く、 ま た歩 行 入 室 は前 投 薬 の 有 無 が 大 き く関. な術 中 訪 問 の 時 間 帯 の検 証 、 長 野 県 看 護 研 究 学 会 論. 連 し、 麻 酔 科 や主 治 医 との コ ン タ ク トや 協 力 が 必 須 で あ る た あ、 結 果 は 限定 的 で あ り、 一 般 化 で き る もの で は な. 文 集(1882-8019)28回. か っ た。. を 待 っ 家 族 へ の 援 助 術 前 ・術 中訪 問 を 行 っ て、 日. そ の 他 に は、 特 性 不 安(STAI)と. 介 入 の効 果 を比 較. した研 究 は み られ な か っ た。. 59,2003. 3)清. 水 祐 子:術. 中待 機 す る患 者 家 族 の 意 識 調 査 、 中 国. 労 災 病 院 医 誌17(1)、100-103、2008. 4)藤. 5)鉄. 川 智 江 、 遠 藤 春 恵:手 術 を受 け る患 者 家 族 に有 効 、61-63、2008. 谷 祥 子 、 横 川 咲 子 、 中 島亜 紀 、 久 慈 亜 紀 子:手 術. 本 看 護 学 会 論 文 集:看 護 総 合37、56-58、2006 6)門. 間 典 子:患. 者 の た め に 行 う術 前 訪 問 の 目的 と手 術. 過 去10年 間 の 研 究 を 調 査 した結 果 、 不 安 内容 の 分 析 や. 室 看 護 師 が 術 前 訪 問 を行 う意 味 、 坂 本 眞 実(編)、 オ. 不 安 へ の介 入 に 対 す る研 究 は な され て い る が、 患 者 が 持 っ特 性(年 齢 、 性 別 、 術 式 、 麻 酔 方 法 、 手 術 歴 等)が そ. ペ ナ ー シ ン グ2009年 秋 季 増 刊 術 前 情 報 収 集&術. の介 入 結 果 に どれ ほ ど影 響 して い るか と い う研 究 は、 検. 2009. 前. 術 後 訪 問 パ ー フ ェ ク トマ ニ ュ ア ル、 メ デ ィ カ 出 版 、. 索 した 限 りで は認 め られ な か った 。 ま た、 介 入 に よ って. 7)佐. 不 安 を軽 減 で き なか った群 に 関 す る研 究 もみ られ な か っ た。. 不 安 の変 化 か ら見 た術 前 訪 問 の効 果 ア ム ス テ ル ダ. 藤 仁 美 、 大 窪 ま ゆ み 、 大 井 川 陽 子:手 術 前 患 者 の. 今 後 、 患 者 の もっ 特 性 と介 入 効 果 の 関連 性 を 明 らか に す る こ と に よ って 、 不 必 要 ・不 適 切 な介 入 を 事 前 に あ る. 災 病 院 医 誌6、14-17、2003 8)原 山 さ や 香 、 飯 塚 弘 美 、 竹 村 豊 子:産 婦 人 科 手 術 前. 程 度 コ ン トロ ー ル で き る可 能 性 が あ る。 さ ら に、 介 入 に. 患 者 の 不 安 ・ス ト レス の軽 減 へ の 援 助 ア ロマ テ ラ. よ って不 安 が 増 強 して し ま う患 者 の減 少 も期 待 で き る。. ピー を 用 い て 、 日本 看 護 学 会 論 文 集:母 性 看 護40、. ム術 前 不 安 ・情 報 基 準 の 効 果 尺 度 を 用 い て、 福 島 労.
(6) 154. 野沢 和也. 72-74, 2010 9)西 川 な ぎ さ、 野 平 美 紀 、 佐 竹 千 枝 子 、 岡 本 広 美 、 長 岡 美 智 子:手 術 前 患 者 の不 安 軽 減 へ の効 果 ア ロ マ. 11)山. 口真 由美 、 仲 道 智 美:乳 癌 患 者 の周 手 術 期 の不 安. に対 す るサ イ コ オ ン コ ロ ジ ー的 看 護 介 入 の評 価 、 日. を 用 い た芳 香 浴 を 実 施 して、 中 国 四 国 地 区 国 立 病 院. 本 看 護 学 会 論 文 集:成 人 看 護134、67-69、2004 12)坂 東 真 由美 、 江 口静 香 、 上 田和 子 、 他:歩 行 入 室 が. 機 構 ・国 立 療 養 所 看 護 研 究 学 会 誌4、51-54、2008 10)小 野 美 千 子 、佐 々木 恵 美 子 、 工 藤 千 奈 美 、 三 上 淳 子 、. 手 術 患 者 に与 え る影 響 、 国 立 高 知 病 院 医 学 雑 誌10 (11), 55-59, 2004. 酒 井 珠 美 、 小 野 善 昭、 村 田 加 代 子:意. 13)吹. 識下手術 にお. け る ア ロマ セ ラ ピー の効 果 老 人 性 白内 障 手 術 の 不 安 と疼痛 に つ い て、 日本 看 護 学 会 論 文 集:老 年 看 護 33, 53-54, 2003. 田 麻 耶 、 鈴 木 純 恵:ク. 現 況 一1996年∼2005年 (5), 77-82, 2007. ロ ー ン病 者 のQOL研. 究の. 一、 日本 看 護 研 究 学 会 雑 誌30.
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