鳥取県 にお ける障害児の早期発見・ 対応 の現状 と課題
(Ⅳ
)― 保健婦の役割 ―
A Study On Effective
feasures Of Early Detection,E)iagnOsis and]Developmental lnterventiOn for]Disabled lnfants
in TOttOri Prefecture,」
apan(Iv)
一 ImpOrtant Roles of Public Health Nurses―
障害児教育教室 鳥取県立倉吉総合看護専門学校 は じめに
I.鳥
取県にお ける保健婦の実態H.鳥
取県における保健婦の養成 Ⅲ.地
域母子保健 システムにおける保健婦の役割 は じbうに 母子保健 システムの質 を高 めるには,医
師(各科),保
健婦,栄
養士,心
理士,ケ
ースヮーカー等 の専門職がチームアプローチすることが挙げられる。 しか し,鳥
取県の場合,第
H報
の健診 。相談 のスタンフの頂 でみた ように,全
ての市町村,健
診・ 相談で各種 の専門職が確保 で きているわけで はない。その意味では,少
な くとも全ての市町村及 び保健所 に配置 されている保健婦の果たすべ き 役割には大 きい ものがあろう。 本稿 は,「鳥取県 にお ける障害児の早期発見・対応の現状 と課題」研究の第Ⅳ報である(I報
「市 町村レベルでみた母子保健 システムの現状」『鳥取大学教育学部研究報告 (教育科学)』 第28巻第2 号1986年,H報
「乳幼児健診・ 相談の概要」同第29巻第1号
1987年,Ⅲ
報「要注意児 の フォロー・ システム」同第29巻第2号
1987年)。 障害児の早期発見・対応 を目的 とした地域母子保健 システムに おいて果たすべ き保健婦の役割について,鳥
取県の保健婦 の実態 と併せて論 じた。* AkiO Watanabe:Department of Special Education,Faculty Of Education,「
Fottori X」niversity.
料 Yoko Kimiwada:Tottori lnstitute of Public Health Nurses and Midwives(,F常
勤講師)
男
*子
**昭
容
部
田
和
渡
君
300
渡部昭男・君和田容子 :鳥 取県における障害児の早期発見・対応の現状 と課題 (Ⅳ)I.鳥
取 県 に お け る保 健 婦 の 実 態1.保
健婦の就業状況等 (表1) 保健婦助産婦看護婦法(1948年制定)に おいて,保
健婦 は,「厚生大臣の免許 を受 けて,保
健婦の 名称 を用いて,保
健指導 に従事することを業 とす る女子 をい う」(同法第2条
)と定義づ けられてい る。その保健婦の就業状況 は氏名・ 住所等の届出 (1982年よ り2年
ごと,そ
れ までは毎年。 その年 の12月31日現在 の氏名 。住所等 を就業地の都道府県知事 に届出)に
よ り把握 されている。鳥取県に おける1966年以降の保健婦就業状況等 を示 したのが表1である。 1986年末現在で は,鳥取県下では合計174人の保健婦が就業 していた。内訳 は,保健所46人(26%), 市町村100人(57%),養
成所 (県立倉吉総合看護専門学校)2人 (1%),病
院・診療所3人
(2%),
事業所15人(9%),そ
の他(健康増進ャ ンターや福祉施設 など)8人
(5%)で
あ り,保
健所 。市町 村で84%に
あたる146人の保健婦が公衆衛生活動 に従事 していた。 就業状況の年次別推移 をみふ と,県
立倉吉総合看護専門学校保健助産学科の第一期卒業生が就業 した1978年に160人台 に乗 り,1986年
には170人台に達 して,こ
の10年間で漸増傾 向にはある。 しか し,保
健所保健婦 は一貫 して50人以下 に留 まってお り,県
人 口比では保健所保健婦 は実質的に減少 していることとなる。 これに対 して,市
町村保健婦 はこの10年間で漸増 している。 しか し,1986年
において も,市
町村保健婦一人当た りの平均県民数 は6,146人にも上 る。また,1984年まで実施 され ていた地域保健対策推進費補助金の基準 に基づ く試算(1985年国勢調査人 口616,024人 に対 して39市 町村合計で109人の市町村保健婦の配置)(1)からして も,ま
だ充分 な数ではない といえる。 表1.鳥
取県における保健婦就業状況等 (年次推移) (単位 :人) 年 次 保 健 所 lAl 市 町 村 fBl 小 計 (A tt B) 養 成 所 病 院 診 療 所 事 業 所 そ の 他 合 計 出生実数 県 人 口 ⑥ 保健婦1人当り人日 保健所 (C/A) 市町村 (C/B) 6 7 6 152 574,886 11,498 5 4 2 8.677 571,309 11,426 4 3 8 569,324 12,113 6 9 568,684 12,363 4 567,405 5 8.673 566,702 5 2 568,395 12,356 6,687 5 l 572,044 12,171 7,241 7 l 576,328 11,762 7,115 8 7 1 8,755 579,779 11,596 6,985 5 7 8,657 584,209 2 4 7 8,501 588,511 12,522 7,545 2 6 9 8,423 591,960 2,081 2 11 7 8,267 596.759 7,278 2 8 6 602,557 2.820 7,348 2 9 4 605,189 7,037 2 7 7,939 607.801 3,507 6,753 2 8 3 7,982 613,076 6,386 2 3 8 7,342 614,630 3,362 注1)保健 婦数 は鳥 取 県衛 生 環 境 部 『衛 生 統 計 年 報J(各年 次)によ る もの で, 養 成 所 は,1977年度 に開 設 され た。 2)出生 実 数 及 び県人 口 は,F昭和61年衛 生 統 計 年 報J(1988)によ る もの で, 各年 末現 在 の数 で あ る。 保 健 所 の()内は,市町 料 駐 在 で 内 数 で あ る。 1985年 以前 は確 定数 で あ る。鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 30巻 第
2号
(1988)2.保
健婦の活動実績 (図1,表 2-1・
2) 保健所及 び市町村の保健婦 について,一
口に「保健指導」 と言って も,そ
の業務 は多岐 に渡 って いる。関連法規 も,保
健所法,母
子保健法,精
神保健法,老
人保健法 をは じめ,過
疎地域対策関連 諸法な ど,幾
種類 に も及ぶ。保健婦の業務全体 を詳細 に述べることはできないので,
ここでは「活 動実績」の概要 を示すに留めたい。 活動実績の統計 では,保
健婦の業務 を14種類 の活動 に区分 している。即 ち,家
庭訪問,健
康相談 (ク リエ ック・保健指導),集
団検診,衛
生教育,地
区管理,連
絡・その他,会
議,研
修,保
健婦関 係事務,そ
の他事務,予
防接種,実
習指導,係
長業務,そ
の他である。そ して更 に,家
庭訪間に関 して,以
下の14の対象 に区分 している。感染症,結
核,精
神障害,心
身障害,成
人病,そ
の他の疾 病,妊
婦,産
婦,未
熟児,乳
児,`幼児,家
族計画,独
居老人,そ
の他である。 この区分 に基づいて , 1987年度の鳥取県の保健所及 び市町村保健婦の活動実績 を比率で示 したのが図1で
ある。 障害児の早期発見・ 早期対応 に関連 した母子保健活動 は,多
岐に渡 る保健婦業務 の一部分 を構成 しているに過 ぎない ことがょ くわかる。 しか し,そ
れで も,妊
産婦,乳
児,幼
児,未
熟児の家庭訪 問件数の合計比率 は市町村で30,3%,保
健所 で21.8%と なってお り,成
人保健,老
人保健 な どと並 んで主要な活動の一つになっていることを見落 としてはなるまい。 保健所市町村 活動実績 (時間分類) 図
1
鳥取県における保健所及び市町村の保健婦活動実績 (1987年度) (出典:鳥取県衛生環境部医務課「昭和62年度市町村保健婦活動実績J1988年, p.16) 精神障害 成人病ヽ A い 鹿 謄 1 栞 訪 蒔 フ 2 建 旧 団 診 3 来 険 生 育 4 誘 次 区 瑶 5 地 管 の 6 菫 そ 会 議 ・ 研 修 事 務 11 予 け 接 名 啓 導 娠 茅 ︲3 係 業 14 その他J11+]訂総時間(%) 保 健 婦 数 7 含 議 8 研 修 卜 副 7+R 健 9 い米 鍋 そのfr 卜 副 〕+1( 19986 (11.3 175005 19.91 127325 24.2) 18282も (10.3) 4318 2.4 7002 4.0 89335 5.0) 159355 (9.0〕 5225 14.21 68015 3.9) 5 9042 5.1 2︲ 0
\
6588.5 3.7) 1770835 (100,0) 7 19038 17178 (9.71 唸687 24 1 t87265 10.6〕 4300.5 2.4) 74355 4.21 87025 4.9) 159155 14.7) 6223 3.5 21385 18.21 8742 4,9 5 幻 30 0 \ \72145 4.1〕 1769675 (100 0) 1 17656 19.5 19285 (10.3 145465 124.0! 4177 2.2 75485 4.01 9719 5.2 72675 9。31 !7890.5 15.0〕 5608 30 +34985 18.0 9314.5 5.01 264 0.1\
81635 4.41 17742 19.5 1854965 (100 0) 3 172887 (9.31 〕0561.8 11.11 .30713 23 21 19264,8 110.41 143175 (7.7) 50763 2.7: 7161 3.9 9163 4.9 16324 :8.8 B9603 12.9〕 6847` 3.7 108078 16.61 8509 45 5 い ” 52 0 891 0.5 9094.8 4.9: 190223 (10.2) 1857344 (100 0) 8 !03182 105) を19631 ill.3 21053 21,71 10616.2 10.61 160468 (8.3) 51108 26: 7131.5 3,7) 96715 5.0: 16803 (8,7 !2037 6300.3 3.31 !83378 114.7) 79655 4.1) 357 0.2 1981.5 1.0) 198637.2 (100.0) 8 2211 11 5 12926 22.31 !34135 1122) 12385 11.0' 41925 2.21 8371 4=4 9517` 4.9 173883 (9。3) 08215 10.81 56265 2.9) 7768 4.0 5 ゲ o′ 48 0 1770,5 0.9) 66325 3.41 166515 (8.5〕 1927995 (100 0) 5 14092 12.31 n967 21.5 6273,3 13.5) 20513.5 (10.5' 4325 2.21 33485 4.3) 97475 5.01 18096 (9。3 9491 10.0 6937 3.0 」5428 7815 4.0 503 0.3 1932 1.0 69355 3.6) 7185.5 8.8〕 195309.3 (100,0) 3302
渡部昭男・ 君和 田容子:鳥取県 における障害児の早期発見・ 対応 の現状 と課題 (Ⅳ) 表2-1,市
町村保健婦活動実績推移 (1981∼87年度) 表2-2.市
町村保健婦家庭訪問件数推移 (1981∼87年度) 注1)鳥取 県衛生 環境 部 医務課 調 べ。 2)右肩 の 数字 は小 数 点 以 下 の端 数 。 蝋感染症 簡 核 嘗神障害b身障皇 成人病 働 病 初 疾 妊 帰 整 婦 未熟妃乳 児 笏 児 才能 卦 涌 れ屋蓼 ムその他 計 健 魁 2 (0,0) 188 (13) 418 (2.8) 425 (2.9) 3472 (23.3) 433 (2.9) 2 (1.5) 1561 (10.5) ユ (08) 4096 (27.5) 1627 (109) 327 (22) 76〔 (5。1) 1241 (8.3) 件 14890%
(100) 件 169.8 1 (0.0) 307 (2.2) 268 (1.9) 444 (3.2) 3446 (24.9) 328 (24) 174 (1,3) 1518 (110) 161 (1.2) 3758 (27.2) 1641 (11.9) 309 (2.2) 6 ( 856 (6.2) 13827 (100) 155.2 3 (00) 101 (08) 295 (2.4) 420 (3.4) 3514 (28,7) 469 (3.8) 127 (1.1) 981 (8.1) 74 (0.6) 3303 (27 0) 135( (11.1) 307 (2.5) 35写 (2.9) 918 (7.5) 12225 (100) 131.1 0 (― ) 128 (1.0) 32C (26) 470 (3,7) 403C (32.2) 621 (49) 9( (0.7) 1087 (8.6) 40 (03) 3042 (24.3) 1122 (89) 387 (3.1) ( 1.7) 7 1001 (8.0) 12573 (100) 132 6 0 (― ) 87 (0,7) 29[ (2.2) 467 (3.5) 5302 (40.3) 571 (4.3) 102 (0,8) (89) 55 (0.4) 2683 (20.4) 904 (6.9) 467 (3.5) 262 (2.0) 799 (6.1) 13170 (100) 140.4 2 (0.0) 106 (0.8) 32( (25) 393 (3.1) 552( (43.2) 267 (2.1) 126 (1.0) 1 (8,9) 32 (0.3) 2534 (199) 907 (7.1) 442 (3.5) 768 (60) 12765 (100) 133.7 2 (0,0) 28〔 (2.3) 448 (3.7) 599( (49.3) 359 (3.0) 53 (0.4) 924 (7.6) 42 (0.3) 2042 (168) 627 (5.2) 365 (3.0) 293 (2.4) 614 (5,1) 3 (100) 124.8 (蔭夜ぞ翠葺
)鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 30巻 第
2号
(1988) 303
ところで,市
町村保健婦 に関 して,1981∼
87年度 の活動実績 の推移 を示 したのが表2で
ある。 こ の7年
度間の変化の特徴 を一言で表わす と,家
庭訪間の活動時間比率の低下であろう。時間数 その もの も,1985年
度 に一度盛 り返 した ものの再 び減少 してい る。その減少 しつつある家庭訪間の中に あつて,乳
児,幼
児,産
婦,妊
婦,未
熟児の訪問件数比率が特に低下 している事実 は看過で きない。 65歳 以上の高齢人 口構成比の高い(1985年で全国第4位
の13.7%)鳥
取県 における公衆衛生活動 に, 母子保健事業 をどう位置づ け直すかが問われてい る とも言える。3.市
町村保健婦の実態1)実
態調査 の概要′ 1987年度文部省特定研究「山陰における発達保障 をめざす教育 と地域福祉のあ り方に関す る研究」 (研究代表者 。鳥取大学教育学部 〈現・奈良教育大学〉後藤誠也教授)②の分担研究 として,「マ ンパ ワー としての保健婦の実態調査―鳥取県下の保健所 。市町村保健婦―」(分担者・渡部
)を
実施 した。(1)調
査の目的 :母子保健事業に従事するマンパ ワー としての保健婦及び保健婦業務全般の実態 を 把握 しようとした。(2)調
査の対象 :保 健所保健婦―鳥取県『鳥取県職員名簿 (昭和62年 7月 1日現在)』(1987)年
に 記載 されている5保
健所46人。市町村保健婦―鳥取県市町村保健婦協議会「鳥取県市町村保健婦 協議会名簿 (昭和62年 3月 現在)」 (1987年)に
記載 されている39市町村96人。但 し,各
保健所 , 市町村に調査用紙 の予備 を同封 し,名
簿 に記載 されていない者 について補充 を依頼 した。 ●)調
査の方法 :期 日,1988年
3月26日付 で調査用紙 (市町村用・巻末添付,保
健所用)を
郵送 に より各保健所 に送付 し,同
年 3月31日現在の実態 を記入 し,同
年 4月 2日 までに投函することを 依頼 した。 4月11日付 で回答 の督促 を一度行 った。(4)回
収状況 :保 健所保健婦 は46人中18人 (回収率39.1%)で
あった。市町村保健婦 は96人中68人 か ら回答があったのに力日えて,名
簿 に記載 されていない者 として常勤の正規職員2人
,常
勤の代 替職員1人,常
勤の臨時職員2人か らも回答があった。鳥取県が把握 していた1988年 4月 現在 の 市町村保健婦(常勤)が 103人であるか ら,これ を基 にすると市町村保健婦の回収率 は合計73人の70。9%と
なる。 〔なお,市
町付保健婦(正規職員 と嘱託職員)は 鳥取県市町村保健婦協議会調べ0で
は 1987年 3月末で98人とされてお り,代
替職員 と臨時職員 を除 く偽似回収率 は70人で714%と
推計 された。〕以下の調査結果の報告は,あ
る程度の回収率 を得た市町付保健婦 について行 う。2)調
査の結果並 びに分析(1)回
答者の勤務市町村 の管轄保健所及 び年齢区分 (表3) 回答のあった市町村保健婦 (常勤)73人
の属性 は以下の とお りである。 まず,勤
務先が市か町村 かの別 を問 うた (設間Al)の
に対 して,市
が20人(27%),町
村が53人(73%)で
あった。 その管 轄保健所 (設間A2)は
,表
3に 示す とお りであった。調査時点 より1年
余 り前に届出のあった就 業保健婦 と対比 し,偽
似回収率 を試算 してみた ところ,鳥
取保健所管内70%,郡
家保健所管 内83%,
倉吉保健所管内56%,米
子保健所管内75%,根
雨保健所管内100%となった。倉吉保健所管内 は倉吉 市(8人
)か
らの回答がゼロであった為 に回収率が悪かったが,全
体 として各保健所管 内か ら相 当 程度の回答 を得 ることがで きた。 表3には,併
せて,市
町村保健婦の年齢区分 (設問A3)を
示 しておいた。1986年末の届 出 に基 づ くと,鳥取県下の保健婦174人の約8割
が20∼ 30歳台で占め られていた。保健所及 び市町村 ともに304
渡部昭男・ 君和 田容子:鳥取県における障害児の早期発見 。対応の現状 と課題 (Ⅳ) 表3.回
答者の属性 (保健所管内,年
齢区分) 年齢区分 就 業 場 所 回 答 者 総 計 保健所 市 町 本寸 村 町 計 い 市 保 健 所 別 年齢 区分 lBl 〈回収率〉(B/A)
鳥 取 郡 家 倉 吉 米 子 根 雨20歳
台 64 (37) 21に6) 37 (37) 6(30) 6 (33) 12(48) 8(29) 5(56) 2企 (27)% く54〉%30歳
台 16(30 45 (45) 11(55) 9(50) 13 (46) 2(22) 39 (53)40歳
台 16(9) 6 (13) 8 (8) 3(15) 1 (― ) 1 7 (10)50歳
台 3 (7) ― (― ) 3 (12) 1 7(10) 〈70〉60歳
台 1 (― ) (― ) (― ) (― ) (― ) (― ) (― ) (― ) く―〉 計 174(100) 46(100) 100(100) 20(100) 18(100) 25(100) 28(100) 9(100) 73 (100) く73〉 回答者 (C)〈 回収率〉(C/A) 73 (73〉 14 (70〉 15 (83〉 14 (56〉 21 〈75〉 9(100〉 注1)鳥取県衛生環境部 F昭和61年衛生統計年報J(1988)の1986年末の就業保健婦 と対比 した。 ()内は構成比率,◇内は偽似回収率 を示 し,共に単位 は%である。 同様の傾 向を有 していた。市町村保健婦 について構成比 を詳 しくみれば,20歳
台37%,30歳
台45%,
40歳台8%,50歳
台10%で
60歳台は就業 していなかった。年齢区分で偽似 回収率 を試算す ると,20
歳台54%,30歳
台87%,40歳
台88%,50歳
台70%と
な り,20歳
台の回収率が悪かった ものの,全
体 としては各年齢階層か らも相当程度の回答 を得 ることがで きた。回答者 において も,20∼
30歳台が80%を
占めてお り,調
査母集団の特徴 をお よそ具備 していた。 は)県
立倉吉総合看護専門学校保健助産学科卒業生 (表4) 鳥取県では,保
健婦・助産婦確保の為 に,県
立倉吉総合看護専門学校保健助産学科 を1977年度 に 開設 してい る。 その第1期卒業生 は1978年に保健婦免許 を取得 し就業 を始 めている。そ こで,回
答 者 を保健婦免許 の取得年 (設間A4)が
1978年を境 にまず大 き く三分 した。1978年以降の免許取得 者は42人 (回答者 の58%)で
あった。 その内,県
立倉吉総合看護専門学校卒 業生(設問A6)は
23人で実に55%(回
答者全体の32%)を
占めていた。県下 の保健婦の養成 。確保 に果たす同校の 役割の大 きさが伺 える (これに関 して は,H章
で詳述 す る)。 表4に示す ように,同
校卒業生の最 大の特徴 は,全
員が保健婦免許 に加 え て助産婦免許 (設問A5)を
も取得 し ていることである。 ちなみに,回
答者 の中で,同
校卒業生以外で助産婦免許 表4.県
立倉吉総合看護専門学校保健助産学科卒業生 保健婦免許 取得年1978年
以降 1977年以前 倉吉総合看護 専門学校卒業 卒 業 生 そ れ 以 外 内 訳 人% %
42 *(1側) 《58》4, 《42》キ・ 23 奉(5働1 19 *“
め 助 産 婦 免許 取 得 者 23 (100)% ユ く5〉 2鳥取大学教育学部研究報告 も取得 していたの はわずか
3人
に留 まった。(9
正規職員保健婦の勤続年数・職歴(図 2) 市町村保健婦の就業の特徴 は,同
一市町村 に根づいて長く勤務 することである。│ 回答者73人の内訳 は,正規職員67人(92%), 嘱託職員3人
(4%),代
替職員1人
(1%),
臨時職員2人
(3%)で
あった (設問A7)。
正規職員で現在の市町村 に正規職員 として雇 用 された年 (設問A8)に
回答のあった者64 人 について,雇
用年及 び勤続年数別 に示 した のが図2である。 年齢構成の特徴 と類似す るが,勤
続年数10 年前後が特 に多 くなっている。即 ち,勤
続年 数5年
目以下10人(16%),6∼
10年目30人(47%),■
∼15年目12人(19%),16∼
20年目6 人(9%),21∼
25年目2人
(3%),26∼
a0 年 目3人(5%),31年
以上1人(2%)で
あ った。 この64人の正規採用 までの職歴(設間A9)
を問 うた。保健婦免許取得年 に直ちに現在の 市町村に正規採用 になった者 は37人 (58%) で,残
りの27人(42%)は
免許取得年か ら1 ∼21年 ,平均37年
を経 て現在の市町村 に正規 採用 になっていた。 免許取得年 に正規採用になった37人中にわずかの月数の保健婦臨時職員経験 を有す る者が7人い た。なお,看
護婦経験 を実際 にもつ者が5人
存在 した。 一方,免
許取得の後何年か して正規採用 になった27人中,他
に職歴のない者2人
を除 く25人は何 らかの職歴 を有 していた。内訳 (重複あ り)は ,市
町村保健婦歴14人,保
健所保健婦歴3人
,助
産 婦歴2人,看
護婦歴8人
であった。 保健婦免許 は看護婦免許 を基礎 としているが,実
際に看護婦歴 を持つ者 は意外 に少 な く,64人
中 合わせて13人(20%)で
あった。 また,助
産婦免許 を併せ取得 している者 も少な くなかったが,実
際に助産婦歴 を持つ者 は64人中2人
(3%)で
あった。 また,保
健婦歴では圧倒 的に市町村保健婦 経験であ り,保
健所保健婦歴 を持つ者 は64人中3人
(5%)に
留 まった。 “)養
成課程等 で得 た経験・知識の活用度合 (表 5) 表 5に 示すような6種
の経験 。知識の活用度合 を5段
階評定で尋ねた (設問B3)。 回答 のあった 市町付保健婦 を表4で
用いた区分,即
ち◇倉吉総合看護専門学校保健助産学科卒業生22人(1人
未 記入),③
1978年以降免許取得者で◇以外の者19人,回
1977年以前免許取得者30人(1人
未記入)に 分 けて分析 を行 った。 教育科学 第 30巻 第2号
(1988) 10(人) 口 免許取得年採用 (N=37人) 目 免許取得年後採用 (N=27人) 図2
市町村保健婦 (正規職 員)の勤続年数 勤 続 年 雇 用 年呻嘲
]]
的的
嘲]
]脚
山砲
醐印
的卿
団卿
的蜘
]嘲
醐嘲
醐醐
嘲嘲
醐蜘
]醐
蜘申
目
表
5.養
成課程 等 で得 た経験・ 知識 の活用度 合 あまり活用 していない (-1点) 活 用 して い な い (-2点) 2(11) 2 (7) 8(42) 11 (37) 11(50) 11 (58) 1 (5) 1 (5) 2(11) 7(37) 13 (43) 3(16) 5(17)306
渡部昭男・ 君和 田容子 :鳥取県にお ける障害児の早期発見・ 対応 の現状 と課題 (Ⅳ) 経 験 知 識 看護婦の養成課程での 経験 。知識 保健婦の養成課程での 経験・知識 保健婦 に就業後の経験・ 知識 保健婦 に就業後の 研修 による知識 結婚・育児など自らの 人生体験・知識 41 0.68 0,55 0.95 1.28 1 47 看護婦・助産婦への 就業の体験・ 知識 ◇0,95 ① 029 □ 115 (注)① -71人, <)一倉看卒業生・22人, C⊃ -1978年以降免許取得者 (その他)19人, 回-1977年以前免許取得者・30人。 ()内は構成比率で単位 は%。 平均得点欄のO◇ O []内 の数字 は各区分内での得点順位。 その結果,全
体 でみた場合,保
健婦 に就業後 の経験 。知識―第1位
(平均得点1.45),保
健婦 に就 業後の研修 による知識―第2位
(1.26点)で
あ り, 2つ
は「かな り活用」(1点 )を
上 回わる活用度 合 と高かった。 この傾 向は,卒
業生のいかん,年
齢のいかんを聞わず共通 してお り,保
健婦就業後 の経験や研修 によって,保
健婦 自身が成長 してい くことを示唆 していた。なお,年
齢の高いいわ ゆ る「ベ テラン」ほど研修 による知識の活用度合が高 く,一
方,倉
吉総合看護専門学校卒業生のみ1 点を割 っていた。保健婦の成長 を促す就業後の職場経験や研修保障が重要 といえた。 第3位
以下 は三者 によって相違 していたが,全
体 でみると,結
婚・ 育児な ど自 らの人生体験 。知 識―第3位
(0.86点),看
護婦・ 助産婦への就業の体験・ 知識一第4位
(0.57点),保
健婦の養成課 程での経験・知識―第5位
(0.54点),看
護婦の養成課程での経験 。知識―第6位
(0.37点)で
あつ た。全て平均点 はプラス点であつた ものの,保
健婦及び看護婦の養成課程への評価が総 じて低かつ た。活用度合が低い理由には幾つかの推測が成 り立つ。①養成課程に遡る程過去の経験・知識 とな ること,②
養成課程での経験 。知識は保健婦職の基礎や原理的側面が強 くハウ・ ツー的 という意味 では活用度合が低 くみられ安いこと,③
養成課程 に何 らかの問題があり,改
善 されるべ き必要があ ること等である。なお,第
3・4位
の結婚・育児や看護婦・助産婦就業体験 は未経験者 もあった。 残 りの4種
の経験・知識 について養成課程一現職教育 (卒後教育)を
連続 させて把 え,保
健婦の力 量形成のあり方を再検討すべ きであろう。 ところで,保
健婦養成課程だけに注目した場合,倉
吉総合看護専門学校卒業生の平均得点が最 も 低 くなってお り,ま
た,順
位 も看護婦養成課程 よりも下位で最下位の第6位
となってお り,気
にな った。 これが直ちに同校の保健婦養成課程のあり方の問題につながるというわけではないが,検
討 を要する傾向 とはいえよう。鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 30巻 第
2号
(1988)G)地
域の保健 ニーズ (表6) 極 めて多岐 に渡 る公衆衛生の中 で,鳥
取県下の市町村保健婦 は地 域の保健ニーズを どの ように把 え ているかを表6に示 した (設問B
5)。設間の文言が不適 当であった 為 に,地
域の保健 ニーズ を対象区 分で回答 した者 と活動 区分で回答 した者があった。対象 区分でみる と,市
・ 町村 ともに表 に掲げた4 種が主 に挙 げ られてお り,市
では 総得点順位第1位
―母子保健,第
2位
一成人保健,第
3位
―老人保 健 とな り,町
村 では同 じく第1位―老人保健,第
2位
―母子保健,第
3位
一成人保健,第
4位
―精 神衛生 となった。 保健婦の活動実績 の頂(I章 2節
)で
成人並 びに老人保健 に対する母子保健の比率の低下傾向を 指摘 したが,
しか し,地
域の保健ニーズ としては母子保健 に今なお極 めて高い ものがある。特 に市 部では最優先のエーズ と認識 されてお り,町
村 で も老人保健 に匹適す る高いニーズ とされていた。 この ことは,高
齢化が進み,こ
なさなければな らない指定業務・新規事業が増 えている情勢 におい て も,母
子保健 を重要 な柱 の一つに正 しく位置づ けるべ きことを示 していよう。 なお,活
動 区分では,地
区組織 を筆頭 に健康教育 (健 康づ くり),家
庭訪間が多 く回答 されていた。(0
研修への要望 (表7) 上記の ような地域の保健 ニーズを踏 まえて,保
健婦活 動 を更 に充実 させ る為 に市町村保健婦が研修 に要望す る こと (設問B4)を
表7に まとめた。 最 も希望が多かったのは,「地区組織活動の育成・あ り 方」で62人中12人(19%)が
要望 していた。続 いて,「リ ハ ビリテーション・機能訓練法」10人 (16%),「老人 の 介護」8人 (13%),「カウンセ リング・面接方法」7人
(11%)であった。母子保健 に関わるもの も,「乳幼児の 発達 とその指導法」6人
(lo%),「障害児の療育や家族 援助」6人
(lo%),「母性保護・母子保健J2人
(3%)
な どが要望 されていた。 また,ハ
ゥ・ ッー的な研修要望だけでな く,耳
を傾 け るべ き次のような指摘 もあった。「保健婦間での交流 :老 人保健事業,健
康県づ くり等新規事業が年々増 えて きて いる。各市町村で とりくみ方は違 うにしても,課
題や間 題が増 えてきていると思 う。連携をとりなが ら保健婦活 表6。 地 域 の保健 ニーズ (対象別) 順 位 対象区分 第 1 (3点) 位 第 2 (2点) 位 第 3 (1点) 位 総 得 点 母 子 保 健◇
⊃
5(42) 8 (31) 7 (58) 16 〈62〉 2(17) 4 (15)診
31め
60◇
一∩
成 人 保 健 6(50) 7 (27〉 3(25) 6 (23〉 (― ) 〈8〉 2C
⊂
老 人 保 健◇
一ω
1 (8) 11 く42) 2(17) 2〈8〉 8(67) 4 (15〉 鬱b
め 64精
神
衛
生
偉
黒
争
一 一 (― ) (4〉 1 (― ) (15〉 4 一 6 プ め髯墓
e景ミ
肇
鴨
籍褪癸
彗
懇昇
蓼籠辮靴
表 7.市 町 村 保 健 婦 の 研 修 要 望 健 康 増 進 トレー ニ ン グ(4)鷺逢換墨▼き旱浜渥許 技術
(4)套
宴
ぞ
三
ぞ
5:雪
冨
ぞ
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鑢 量
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筆
争
裳
驀
308
渡部昭男・君和田容子:鳥取県における障害児の早期発見・対応の現状と課題 (Ⅳ) 動を考 えていきたい と思 う。」(20歳台),「現在,
どうして も母子,成
人等の枠の中に区切 って しま う活動 を,妊
婦時か ら死ぬ まで という一生の流れの中で とらえてい く活動の実践 について。」(20歳 台),「単発 の研修でな く常に4∼
5回の まとまった ものが してほしい。 こま切れの知識 ではあ まり 役に立たない。」(40歳台),「欲 ば りですが母性 か ら障害児 まで系統的に学習で きた らと思います。 その際,情
勢・ 方向論 も学び,現
在の知識 を掘 り下 げたい と思います。現在 は総花的 に仕事 に追わ れ自己研修 もで きない状態の中で公衆衛生の全ての課題 について研修が必要であると思 っています。」 (50歳台)な
どである。公衆衛生活動の基礎・基本 に立 ち もどり,断
片的でない系統的で総合化 さ れた知識 の修得 も欠落 させてはなるまい。9)保
健婦職 を志望 した理由・ 市町村保健婦 を選 んだ理 由 (表8∼
10) 調査結果報告の最後 に,(市
町村)録
健婦 を志望 した理 由 (設問A10・11)を
まとめておいた。表 8が,保
健婦 を志望 した理由を記入 していた市町村保健婦65人の志望理由を整理 した ものである。 まず,臨
床看護 (看護婦職)と
の比較 を含 みつつ,公
衆衛生 による保健予防等の意義 を挙 げた者 が半数 (32件,49%)存
在 した ことは特筆すべ きことであろう。 そして,少
な くない者が,患
者 を も住民 。生活者 と把 えて,健
康や疾病 を社会や生活 との関連 において問題 にしようと志 していた。 次に多かったのは,看
護婦への不適性 を含みつつ,適
性 を挙 げた者が約5人
に1人(12件,18%),
存在 した。看護婦職 (臨床看護)に
求め られ る正確 さ,即
時判断,機
敏性,応
用力,体
力 な どに欠 けるとい う自己認識の裏返 しとして,明
確 には挙 げ られていないが,「じっ くり取 り組 む方が好 き」 などの保健婦職への適性が秘んでいるもの と推測 された。 また,保
健婦職 をよ り自立 (律)し
た仕事・ 生涯続 け られ る仕事 と把 え,加
えて,住
民 との接触 の中で幅広い人間関係 を築 くことがで きる魅力 を挙 げた者 も1割
ほど存在 した。 これ らに関連 して,夜
勤や交替勤務がない とい う労働条件 も一つの保健婦志望理 由になっている ことが判明 した。 そして,看
護婦や保健婦養成課程 における実習や症例研究,ま
たサークル活動が 公衆衛生活動の意義や適性 な どを認識 させ る重要な契機 になっていることも伺 えた。 では次 に,同
じ保健婦職 で も,市
町村 と保健所 の保健婦 を各々なぜ選んだのであろうか。表9に 市町村の,比
較す る為 に表10に保健所保健婦の記入者の回答 を整理 した。 市町村保健婦,保
健所保健婦 ともに,た
また ま求人が あった という経緯 が少な くなか った。に も 関わ らず,市
町村保健婦 を選んだ理由 として,地
域・ 住民 との密着性 を挙 げた者が過半数 を越 えて いた (37件,58%)。
これに対 して,保
健所保健婦の方 は,「市町村 と保健所の連携 もよ く,保
健所 で あって も十分地域 に入 っていける」 とした り,市
町村保健婦 とは逆 に,活
動の広域性や視野の広 さ(4件
,27%)を
保健所保健婦 を選んだ理 由 として挙 げていた。 市町村保健婦の方で挙 げられている「転勤・ 異動がない」 は,積
極的には,同
一市町村 に根 づい て息長 く地 区活動 を進 めることができることに繋が るが,反
面,視
野が狭 まった り,マ
ンネ リに陥 る危険性 も併せ持つ といえよう。親許 に留 まる為の単 なる地元志向か ら出発 した として も,他
市町 村 との交流や保健所 との連携 を絶 えず追求 し,地
域住民 と密着 した公衆衛生の意義 を踏 まえること が重要 となろう。 市町村 においては,「計画,立
案,実
施 な ど自分たちの意見 を反映で きる」な どの活動の 自立 (自 律)性
も大 きな魅力 となっているが,保
健所の良 さ として指摘 されてい る複数の専門職 による活動 (複数の保健婦,他
職種 とのチーム活動,パ
ラメデ ィカル・ スタッフの存在)に
おいては保健所 と 連携す る等 して補 う工夫が求 められる。鳥取大学教育学部研 究報告 教育科学 第 30巻 第
2号
(1988) 表8.保
健婦 を志望 した理由A)公
衆衛生の意義 〔臨床看護 との比較を含む〕(32件) ・慢性疾患で入退院を繰 り返す患者の背景に生活実態 と深 く関わる問題が大 きく,生活の場 を見極 める為。 ・健康 という概念を考えた時,施設の中だけでな く,生活する場 をとらえなければという思いがあった。 ・看護婦よりも社会的・ 生活的に疾病予防にとりくめ, また,人間全体 をとらえることがで きると考えた。 ・臨床で病気になった人を対象 とするのではな く,予防活動で未然に防 ぐことが大切だ と感 じた。 ・ 病院 という枠ではな く,地
域 という広い視点で保健予防活動をしたい為。 ・ 個々の健康は,家庭・地域 と切 り離 しては考えることができないと思ったから。 ・病気になるまでの予防,退
院 してからの社会復帰等,揺り籠から墓場 まで幅広 くや りがいがある。 ・看護学校 において実習中,病気になってからでは遅い,患者に対する指導 も重要だが,家族 に対する指導が なかなか病院内ではできず,も の足 りなさを感 じた。 ・継続看護の重要性 (退院後のフォロー)
等々B)実
習等 を通 して (10件) ・看護学校時代の保健所実習で,某町の保健婦 さんの働 く姿を見て感動。 ・看護学校 2年 生の症例の対象にネフローゼで手遅れになって亡 くなった小学生の問題 を取 り上げ,予防医学 の重要性 を痛感 し,その後のサークル活動 も通 して,保健婦の道 を歩むことを決意。 ・臨床実習をしていて,死
に直面 した人等に接し,重苦 しく感 じた。そして予防活動に引かれた。等々
C)住
民 との接触,幅広い人間関係 (5件) 。限られた範囲の人にしか接することができない看護婦業務でな く,広範囲の人 に接 したかった。 ・人間性を豊かにするため,対
人関係の深い保健婦職 を選んだ。 ・養護教諭よりも,よ り多 くの人々 (乳幼児から高齢者)と 接することができると思い。等々
D)学
習の継続・ 深化 (7件) 。更にもう少 し専門の勉強をしたかった。 ・臨床だけでな く,公
衆衛生・保健活動などの広が りを知 った上で働 き,自分の位置を確認 したかった。 ・看護婦資格以上に看護に関 しての研修を深めたかった。等々
E)適
性 〔看護婦への不適性 を含む〕(12件) 。薬や注射 をする際,人を間違えて投与 したら大変な為。 ・ 身体的に足が弱 く,立仕事 に向かない。 ・ 看護婦職 に自信 がなか った (即時判断,機敏性,応用力等々)。・
滋需
集
槽
肯↓
甲岳憲焦と
き
を
盈幹
敏さ
畝け
乱じ
っく
り
取り
組嚇浦甜など
か帆
・ 看護婦には不規則勤務があ り,自分の体力に自信がなかった。F)夜
勤 〔交替勤務〕がないこと (5件) 。看護婦は二交替制で,生活 をする上で難 しいと感 じた為。 ・夜勤など体調を崩 しやす く,自分の体調に合わない。 ・看護婦では夜勤があり,高齢 となった場合続かないと思い。G)自
立 (律)した仕事,生
涯続 けられる仕事 (6件) 。自分で考え,女性で も自立 していける職業に就 きたかった。 ・結婚 して も続けられる職業。と
偏
嬰
侯
導
否
縁
西長
?岸
元蛯
錦
轟
露
禁£器拌
亀
奨
嘉
騒侵
箸
厚守弦兒
。
(3件) 直接生死 に関 等々 等 々 等 々 記入者合計65人 (重複回答分類あり) 総 じて,市
町村保健婦の記述 には,「現場の最前線 は市町村」「 これか らは市町村 の時代」「一番や りがいがあるのは市町村保健婦」な どといった気概が感 じられた。3)実
態調査の小括(1)市
呼付保健婦の回収率 は70.9%(103人
中73人)で
あ り,倉
吉保健所管内及 び20歳台の回収が相 対的に悪か ったが,調
査母集団の特徴 を具備する相 当数の回答 を得た。 修)県
立倉吉総合看護専門学校録健婦助産学科が鳥取県下の保健婦の養成・ 確保 に大 きな役割 を果 していた。同校卒業生 は,資
格上,保
健婦・助産婦免許 を併せ持つ特徴 を有 していた。 は)正
規の市町村保健婦 は,勤
続1∼33年目,平
均10.8年目であった。わずかの月数 の臨時職員経 験 を除いて半数 の32人が何 らかの職歴 を有 していたが,看
護婦歴 は2割
に留 まった。310
渡部昭男・ 君和 国容子:鳥取県 にお ける障害児の早期発見・ 対応の現状 と課題 (IV) 表9.市
町村保健婦 を志望 した理 由 表10。 保健所保健婦 を志望 した理 由A)地
域・ 住民 との密着性 (37件) ・ 住民 と非常に密着 した活動がで きる。 ・生活が具体的に見 え,直接実態把握ができる。 ・住民 とじかに接触で き,住民 とともに歩める。 ・人 と人の関係がで きやすい。 ・地域に根ざした保健婦活動ができる。 ・地域での活動が最 もきめ細か くできる。 ・ じっくり地域活動にとりくめる。 ・文化の発祥は農耕か らと教わり,農村に働 く人々 の働康を守るお手伝いをしようと思って。 ・住民の反応が直接 くる所で こわい反面,面 白い。 ・現場の最前線 は市町村 (住民直結)。等々
B)活
動の自立 (律)性
(3件) 。事業の計画,立
案,実施など自分たちの意見をA)活
動の広域性・ 視野 の広 さ (4件) ・保健所の方が広 い範 囲で企画 した り,活動 した りで きる。 ・ 一つの町村 に勤 める とその町付の ことしか分か らないが,保健所 か ら広 い 目で管内が見渡せ る。 ・公衆衛生 の第一線機 関 として保健所 で仕事す る ことは町村等 自分 の畑 だけの ことでな く,管内 全体,更には各保健所,県レベルの仕事がで き る。 ・ 色々な地域 を見てみたか った。B)複
数の専門職 に よる活動 (3件) ・専門職一人で働 くことに不安 もあ り,保健所 だ と先輩 に相談 しなが ら働 ける。 ・ 他職種 とチームを組 んで業務がで き,心強い し 視野 も広 げ られ る。 ,公衆衛生の全般 をパ ラメディカルの人々がいる 場所 で まず学 びたか つた。C)優
れた保健所活動 を見 た経験 (3件) ・ 接す る保健婦 に保健所保健婦が多 く,先輩の活 動 を見 て。 ・ 学んだ ところでは保健所保健婦が とて も良い活 動 をしていたので。 ・保健所実習の際,幅
広 い活動 をしている し,市 町村 と保健所 との連 携 もよ く,保健所であって も十分地域 に入 り込 んでいけると考 えた。D)安
定 した身分 (1件)E)保
健所の求人が あったか ら (6件) ・ 当時,保健所保健婦 の採用 しかなかった。 ・ 町村保健婦希望であ ったが,県の就職試験 に合 格 したので。 ・市町村希望で あったが求人がなか った。 等々 反映で きる。C)や
りがセゝ(3件) 。一番保健婦 としてや りがいがあるのは市町村保 健婦である と考 えた。等々
D)転
勤・異動がない,親許 に留 まるため (9件) ・ 県の保健婦 は異動があ り,地
区活動 を進 めるか らには市町村保健婦の方が活動 しやすい。 ・ 通勤が困難 な場所 に配置 された ら困 るか ら。 ・ 家庭事情で親許 に居 たか ったため。等々
E)市
町村 に求人が あったか ら (17件) 。たまたま市町村 しかなかった。 ・ 選択で きない就職状況 だった。 ・ ち ょうど募集 していたか ら。等々
F)依
頼・ 要請 (2件) 。現在の町 より要請 を受 けて。 ・ 町当局が勤務先 に交渉 して地元 に もどされた。 等 々 記入者合計64人 (重複回答分類 あ り) 記入者合計15人 (重複 回答分類 あ り) に)保
健婦就業後の経験や研修 による知識 は現在 の市町村保健婦活動 にかな り活用 されていたのに 対 して,看
護婦・ 保健婦養成課程 での経験 。知識 の活用度 は相対的に低かった。倉吉総合看護専 門学校卒業生 は,特
に保健婦養成課程 を低 く評価 していた。保健婦の力量形成 を「養成課程→現 職教育」 を通 じて促 してい く為 に,養
成課程 でのカ リキュラムや就業後の研修内容 を改善。充実 する必要が示唆 された。 (働 地域の保健 ニーズにおいて,母
子保健 は,市
部で第1位,町
村部で も老人保健 に匹適す る第2 位 として把 えられていた。 脩)研
修への要望 として,「乳幼児の発達 とその指導法」「障害児の療育や家族援助」 も各々1割に 上 った。「母性 か ら障害児 まで」の系統的な学習の必要性 を述べた重要 な指摘 もあった。(7)(市
町村)保
健婦 を志望 した理由は,個
々の保健婦 自身の中で も複合 して存在 していたが,総
じ て,保
健婦 を志望 した理由 として「公衆衛生の意義」が,市
町村保健婦 を選んだ理由 として「地 域・住民 との密着性」が大 き く認識 されていた。実習等が一つの契機 になっていることも伺 えた。 苗鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第30巻 第
2号 (1988) 311
H.鳥
取 県 に お け る保 健 婦 の養 成1.鳥
取県立倉吉総合看護専門学校保健助産学科の設置 鳥取県において保健婦の養成が始 まったの は,既
述のように1977年度か らである。1977年 4月, 鳥取県立倉吉総合看護専門学校 が発足す るにあた り, 3年
制 と2年
制(准看護婦か らの進学 コース) の看護婦養成課程 とともに,保
健助産学科が設置 されたのが これにあたる。同学科設置以前 には, 県内に保健婦及 び助産婦の養成機関 はな く,ま
た現在 も県内唯―の養成機関である。 1977年度以前の保健婦資格取得者 は,当
然 なが らすべて県外の保健婦養成所 の出身者 であ り,岡
山県,兵
庫県,大
阪府 など近隣県の養成所 を出た者が多い。県内の保健婦確保 は,欠
員の生 じた時 点で募集 しそれな りに充足 をみていたが,町
村 においては県外 に出た有資格者 を縁故 を頼 って呼び 寄せ るな どの苦労 もあった。助産婦確保 にも同様 の困難があ り,雇
用者の病院が補助金 を出 して他 県で養成 を行 うこと (奨学金や長期研修の形態)が
行われた りした。 このように保健婦 と助産婦の 充足確保が鳥取県の保健医療行政の課題であった こと,ま
た全国的にみて も保健婦養成所の未設置 県が鳥取県を含 めて2県
のみになったことな どの状勢 によ り保健助産学科設置が決定 されたのであ る。 文部省・ 厚生省令の保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則 によれば,保
健婦 と助産婦 の学校養 成所の修業年限は各々6ケ月以上 と定められている。実際 には,単
独の課程 を置 く修業年限1年
の 養成所が大半 を占めるが,鳥
取県の場合 は保健婦助産婦合同課程が置かれることとなった。 その理 由 としては,人
口の少ない県であ り,そ
紀ぞれの単独学科 とした場合の定員確保 に困難 が予想 され た こと,(複数の資格 を取得す ることで卒業後の進路選択の幅が広が り,県
内の需要 に も柔軟 に対応 で きることな どがあげ られる。 また,経
費面での節約が図 られたことは言 うまで もない。 保健助産学科設置の準備 は,専
任教員の養成 か ら着手 された。1974年度か ら,厚
生省国立公衆衛 生院の専攻課程等の教員養成機関0へ ,保健婦業務経験者 の県職員が長期研修 として1贋次進学 し,学 科開設 に備 えた。専任教員以外の講師 も,地
理的関係 もあ り,県
内の保健医療関係者が担 うことと なった。 以上のような鳥取県立倉吉総合看護専門学校保健助産学科の設置の経緯 は,鳥
取県 にお ける保健 婦養成 に,い
くつかの特徴的な条件 を与 えている と考 えられ る。第一 は,保
健婦助産婦合同課程 と して設置 された ことによって,保
健婦志望者 も必然的に助産婦課程 を学ぶ ことになった。合同課程 の便宜的な長所以上 に,両
方の専門課程 を修 める価値が指摘 されている。第二 は,専
任教員 をはじ め とする教 える側が,鳥
取県内の地域的な保健医療 ニーズに精通 していることである。第二 は, 3
年制 と2年
制の看護婦養成課程 と併設 され総合看護専門学校 として発足 した ことに関係 して,看
護 を トータルに考 える視点が,設
置当初 よ り学校関係者 に強 く意識 された点である。保健助産学科 に ついて も,単
に二 つの課程 を重ねたので はな く,看
護 を基礎 にした総合的な知識・ 技術 の習得が 目 指 された。 設置時の条件が,鳥
取県の保健婦養成 に,
どの ように質的な影響 を与 えているかについては慎重 な検討 を要す るが,少
な くとも量的な面 において,保
健助産学科の果 している役割 は大 きい。I章
前述の調査 によれば,1978年
度以降の市町村保健婦 の過半数が同学科の卒業生であった。逆 に,同
学科卒業生か らた どれば (1987年卒 まで)0,有
職者の75%が
鳥取県内の保健医療機関 に勤務 し,卒
業生の県内定着率 は非常に高いことがわかる。卒業生の うち保健婦就業者 についてみれば,実
にそ312
渡部昭男・君和国容子:鳥取県における障害児の早期発見・対応の現状と課題(Ⅳ) の85%が
鳥取県内に勤務 している。2.保
健助産学科の入学者 。卒業者の状況 さて,県立倉吉総合看護専門学校保健助産学科 の入学者 と卒業者の状況 をより詳 しく見てみよう。1)入
学者の状況 (1977∼ 1988年度)(表
■,図
3) まず,保
健助産学科への入学資格であるが,す
で に看護婦国家試験 に合格 し,看
護婦免許 を取得 している者か,同
国家試験の受験資格 を有 している者 に限 られ る。学科試験 (社会学,統
計学,看
護学)と
面接か ら成 る入学選抜試験の結果 によって入学が許可されるしくみである。入学定員 は20 名であ り,1977年度の第1期より,毎
年30∼ 79人の志願者があ り,平
均2.5倍の競争率 である。ただ し,助産婦課程 の病院実習の受入れ との関係0か ら,実際に入学 を許可 され るのは毎年15∼ 16名であ り,実
質的な競争率 はさらに高い。 入学志願者の出身地0を 鳥取県内 と県外 に区分 してみ ると,その割合 は,年度 ごとに多少 の変動 は あるが,ほ
ぼ同数か,県
外か らの志願者数がやや上 回 る傾向にある。保健婦養成機関 は,各
都道府 県にあ り,1988年
4月 現在では全国に63校存在す る伊 中国地方では,鳥
取県に先が けて各県に設置 され てお り,岡
山県の定員100名をはじめ として,合
計220名の定員枠があることになる。 しか しな が ら,保
健婦助産婦合同課程 を置 く学校養成所 は少 な く,全
国で も14校のみである。大学の4年
次 と短期大学の専攻科 を除 くと,看
護婦免許取得後 (予定 を含 む)に
受験可能な保健婦助産婦合同課 程 は, 8養
成所のみである。 この8校
の所在 は,九
州 に4校
,四
国に3校
で,近
畿 。中国地方で は 鳥取県の保健助産学科が唯―の存在である。競争率 の高 さと,入
学志願者に県外出身者 も多 く含 む 理由は,や
はり合同課程 の故 と考 えられ る。なお,鳥
取県内出身の志願者は,県
の東部・ 中部 。西 部か らまんべんな く来てお り地域的な差異 は認 め られない。 実際に入学 した入学者でみると,1977年度から1988年度 までの入学者合計は184名で,このうち鳥 取県内出身者(入学時の帰省先が県内の者,自
宅通学者)は143名,78%で
ある。凛 内出身者が高い 割合を占めるが,入
学選抜は専 ら学科試験の成績 によって決定 され,推
薦制度等 もな く,県
内出身 者の優遇はない結果である。入学辞退者は, 8名
という年度 もあったが,通
常1割
程度であ り,出
身地による傾向は特にみられず,県
外出身者の入学辞退が多いとはいえない。 次に,入
学者の出身養成機関 とその所在地別に分類 したのが表11である。 表11.鳥
取県立倉吉総合看護専門学校入学者の出身養成機関別数 (1977∼ 88年度) (単位 :人) 種 別 短期大学(3年制 ) 看護学校(3年制) 看護学校(2年制)* 衛生看護学科料 計 鳥取県内 56 7 3125
鳥取県外 5 5 計 97184
*高
等学校の衛生看護学科卒業者 を除 く。**高
等学校 の衛生看護学科 を卒業 し,さ
らにその専攻科 もしくは2年
制の看護学校 を卒業 した 者。鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 30巻 第
2号 (1988) 313
前述のように,保
健助産学科への入学資格 には看護婦免許の取得が要件 となってお り,入
学者 は すべて看護婦養成機関 を経 て入学 して来 る。その経歴 は大別すると4つある。高校卒業後 (入学者 の99.5%が
高校卒業)に
, 3年
制の医療短期大学で学んだ者, 3年
制の看護学校 (看護婦養成所) で学んだ者,こ
の二者 は看護婦国家試験の受験資格 をその卒業時に得た者である。他の2つは准看 護婦の資格取得 を経 由 した者である。すなわち,普
通高校卒業後2年
制 (定時制の場合 は修業年限 が異なる)の
准看護婦養成所 に通 い,そ
の後2年
制の看護学校 に進学 し卒業 した者 と,高
校の衛生 看護学科 を卒業 し准看護婦資格 を得て, 2年
制の専攻科 ない し看護学校 を卒業 した者である。表■ の2年
制看護学校卒業者の数字 には,衛
生看護学科卒業者 は含 まれていない。(図3参
照 ) 1977年度か ら1988年度 までの総数 をみると, 3年
制の看護学校卒業者が53%,医
療短大卒業者が35%, 2年
制の看護学校 と衛生看護学科卒業者が各6%ず
つ となっている。年度 によ り前二者の割 合 は多少変動す るが,大
きな変化の傾向はない。設置 されている学校養成所数からみて,短
大卒業 者の割合が高いのが特徴 といえるだろう。 職歴 については,看
護婦 としての就業経験 を持つ者が若干名いるが,毎
年0∼
2名程度である。 保健助産学科設置当初 は3∼
4名の就業経験者の入学があったが,そ
の後 は「現役」入学が大勢 を 占めている。 次に,入
学者の出身地 と学校歴 を重ねてみると次の ような ことがわか る。単純 な出身地別の県内 者 と県外者の比 は,78%対
22%で
あったが,卒
業 した看護婦養成機関の所在でみると,県
内卒67%,
県外卒33%と
なる。個別 に学校歴 をひろうと,県
内出身者 で県外の養成機関 を経 てUタ
ーンして来 た入学者が10%,県
外 出身者で鳥取県内の養成機関 を卒業 しさらに保健助産学科 に入学 して来た も のが2%い
る。卒業生の県内定着率の高 さは先 に述べたが,入
学時点でのUタ
ー ン組 の存在 はその 図3
看護職の教育制度 (出典 :今村節子「看護婦教育」『教育 と医学』第28巻第11号,慶応通信 (1980),p55。 ) 看護婦(士)免許 (厚生大 臣) 短期大学(2年) ま た は 高校衛看専攻科(2
年) 看護婦学校(3年) ま た は 大学 (3年) ま た は 大 学(4年) 准着護婦(士)免許(都道府県知事) 中 学 校 卒 業 O看護婦の免許 を持つ者 O看 護婦養成機関卒業者314
渡部昭男・君和国容子:鳥取県における障害児の早期発見・対応の現状と課題 (Ⅳ) 志向の強 さの一端 を示す ものであろう。 県内の看護婦養成機関 は,現
在,短
期大学1校,看
護学校5校
(うち2年
制の進学 コースは2校
) がある。 同校への入学者の多い)買で は,鳥
取大学医療技術短期大学部(32%),倉
吉総合看護専門学 校(13%),鳥
取看護専門学校(12%),国
立米子病院付属看護学校(8%),鳥
取赤十字看護専門学 校(2%)と
なっている。()内
は,入
学者総数に占める割合 を示 した ものであるp
2)卒
業者の状況 (1977∼ 1987年度)(表
12) 保健助産学科 の卒業者 は,1987年
度 までの11年間で164名である。 この うち65名(40%)が
保健婦 職 に就いている。就業先の内訳 は表12の通 りである。なお,表
中「その他」 は,す
べて県立の健康 増進センター勤務 の保健婦 であ り,資
料 は,卒
業年度の就業先 について分類 を行 っている。 まず気づ くのは,鳥
取県内で就業 している者が85%と
高い割合 を占めていることである。その理 由 としては,一
つには,同
学科の鳥取県内の保健婦充足 とい う設置趣 旨,二
つには,県
内出身者の 多い学生の側の地元志 向があげ られ る。 とりわけ,県
内の就業先では,市
町村保健婦 と保健所保健 婦が多 く,健
康増進セ ンター勤務の保健婦 もあわせ ると,地
方公務員の身分の者が大半 を占める。 身分が安定 してお り,夜
勤等 もないためか,学
科設置10年目の調査(llllにおいて も,退
職者や転職者 は極めて少な く,定
着率の点で も高い。 しか しなが ら,近
年,保
健所保健婦・ 市町村保健婦 としての就業が県内において も困難 にな りつ つあることが指摘 されている。I章でふれたように,鳥
取県の市町村保健婦の主力 は現在30代と20 代後半であ り,い
わゆる世代交替が終了 し,欠
員募集が少な くなってきた こと,ま
た,地
方におけ る行政改革の煽 りか ら常勤職 を採 らずにす ませ る傾 向があることな どが理由である。3.保
健助産学科のカ リキュラムの現状 と課題 (表 13) 保健助産学科のカ リキュラムについては,文
部省・厚生省令の「保健婦助産婦看護婦学校養成所 指定規則」第5条
と第6条
において,科
目と時間数が定 め られてお り,こ
れを受 けて学則 にカ リキ ュラム と授業時数 に関す る事項 を記載することになっている(通達 。「保健婦及び助産婦養成所の運 営 に関 する指導要領 について」)。 また,学 習指導要領の詳細 について,「保健婦教育課程学習指導要 領」(昭和46年3月),「助産婦学校教育課程改善に関す る調査研究会報告」(昭和45年 12月),「助産婦 学校教科内容解説」(昭和46年3月)等の通達や文書が出 されてお り,そ
れに準拠 してカ リキュラム が組 まれ,授
業計画が立 て られてい る。 学則 に定 められた科 目と時間数 は,公
衆衛生看護論-360(う ち実習180,研
究60),保
健医療の社 表12.保
健助産学科卒業者の保健婦就業先内訳 (1977∼ 87年度) (単位 :人)課
鳥 取 県 内 保 健 所 市 町 村 病院・ 診療所 事 業 所 そ の 他 計 4 県 外 5 ユ 計 4 5 4鳥取大学教育学部研究報告 教育科学 第 30巻 第