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圧密試験における圧密係数の算定方法について-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川大学農学部学術報告 第16巻第1号 正誤表

URL

http://www.lib.kagawa-u.ac.jp/metadb/up/AN00038339/AN00038339_16_1_e.pdf

Notice

Technical Bulletin of Faculty of Agriculture, Kagawa University

Vol.16 No.1 Errata

URL

(2)

97 滞1d巻算1号(19占4)

圧密試験における圧密係数の算定方法について

横 瀬 広 司,吉 良 八 郎

Ⅰ ま え が 蕃 土の圧密試験は実際の複雑な三次元的現象を忠実に実験室に再現して実験するこ.とが不可能なので,通常・一腰に ほ,一次元圧密に近い試験を行い,粘土骨格を純弾性的に取扱ったTERZAGHIの∴次元圧密理論紅よつて解析してい る。そしてこの結果は層厚の大きな現場には良く近似するといわれている(67).しかし供試体が現地盤に比較してご く浮い粘土であり,試料と容器の問の摩擦,載荷藍の大きさや増加比,戟荷縫紋時間,有機物質の鼠などの影響によ って二次圧密といわれる不明確な現象が試験曲線に現われるこのTERZAGI‡Ⅰ理論で解明できない現象を試験曲線か ら取除く‘方法としてほ,種々の力学的模型を想定して考察した理論的な研究が石井〈1),TAN,T.E(2)一,柴田(3)らによ ってなされたが高度の数学的操作と労力を必要とするものであるから,いまだ実際の沈下計静への応用という点にほ 達していないようである,現在広く行われているものは,CASAGRANDEのlogt法とTAYLORの/t法で,いずれも経 義一1土 質 試 験 結 果 概 略

(3)

香川大学農学部学術報告 98

験的な方法であるが共に日本工染規格(JIS,A,1217)に採用されている・しかし多くの場合,この両方法で同一層

別結果から一次圧密盈を推定すると非常にくい違・つた結果になることが認められている(4さ)・これほ筆者らの実験(¢)′

においても認められたが,結局,ニ次圧密の処理方法の問題になるようである(49)

本文はこの点を更に追求して,圧密度十確聞曲線から二次圧密の影響を除く方法について・実験の結果から若干考

察した検討に用いた試料は南四国の高知県,徳島県において昭和5る−58年の間に行われた各種の基礎地盤の調査の

際のbofingにより得られた沖積層の土で,・そ・の採取位置および土質試験結果の概略ほ卦1に示す一・

2.理論接線勾配と実測値の関係 過剰水圧uが排水を生じる水頭であると考え・排水はI)ARC¥の法測に・したがうと考えて圧密現象を取扱ったTER・ zAGHI理論〈7)を満足する微分方程式は 旦=Cv ∂t ここで Cv:圧密係数 u;時間tにおける過剰水圧 z:圧密変形鼠 で表わされる これを通常の圧密試験の形式である屑の上下面が透水面であり,厚さがhの供試体を用いる場合・Z==0,Z=bにお いてu=0,t=0においてu=pの境界条件で解くと過剰水圧uが求められ,沈下藍sは次式で表わされる

ト音運1

e−(2m−1)9・統一貰 (2) S=皿、▼p.h (2m−1)2 ここで m,:体積圧縮係数 p:載荷重強度 b:粘土層の厚さ e:自然対数の底 T,:時間係数 圧密度Uほ(2)式にt=∞,Tv=∞として求めた最終沈下鼠sfと時間tにおける沈下鼠sとの比で表わされるから 圧密残余(8)Rほ次のようになる e −(2m−1)2小汀2小一笠

R=トU=ト音=意澄

1 (3) (2m−1)2 この関係を片対数のgIapb上で表わすとき,その接線勾配と接線は次式で求められる 一 Tγ…e一対2・T▼ 1 dR d(logT,) e−}Ⅰ2・T▼く1 ̄H2・で▼) 1 d:コR d(logT∇)2 ここにM=(2m−1) (引式の解を(41式に代入すれ ば圧密理論曲線の最急勾配接 線の片対数g工・apb上での傾度 が求められる,R−loglOT, 間の関係を−・般に行われてい るU−lo郎OT,の関係に置き 変えると勾配S=−01.虚8, 接点は(0‖404,0.702)とな る(図−1) 0 0 0 ∧り 0 0 ∧U 2 3 A− 5 6 7 8 任官皮 U ︵%︶ 100 時間係数 Tv=Cvt王 図一1TERZAGIII理論による圧密曲線とその最急勾配の接線

(4)

99 節1d巻算1号(19る4) 理論勾配ISl=0,.占88となるが 実際の試料においては図−2 に示すように0“555∼D。、占る・5, 平均値0.584となり実験誤差 や試験機の性能を考慮して も,理論値よりかなり勾配が ゆるいようである,これは 圧密初期の部分にも試料と容 器の間の摩擦,載荷重の大き さや増加比などの影響碇よっ て二次圧密的現象が生じて おり(4),片対数のgIaph上 においてd−logt曲線が理論 曲線と重ならず紅,logt軸 の方匿伸びた形になっている と考えられるが,従来の方法 (とくにCASAGRANDEの方法) 平均粗径dm:(m) ____

ユ虹_._._______」阜____上斗__

理論値 0688

一皿−n一

− 0 倉曾1P叶 /実験値平均 0584 0 _._ ■___ ■ −∵−ユー・「−−・∴・」 4 5 6 7 平均拙径 M〆 (≠) 図−2 平均粒径別の最急接線勾配の分布 025 ではそれが理論通りであるとして算定するために沈下所要時間を過大に評価する梧 異になるようである(9) 圧密初期部分に生じ孝二次圧密的現象の最も大きな原因であると考えられている容器と土の問の摩擦について考察 した竹中(4),NAKASE(10),HANSBO(11)らの研究によると,一次圧密の終局部に近ずくはどこの影響が大となること が明らかにされたこのような−・般的傾向と実験結果の考察から片対数g工apb上において,理論と実測の両d−logt 曲線の最急勾配接線の延長はいずれかの点で交わると考えられ,ここではその点が仮に0%圧密度線上であるとして, CASAGRANDEのlogt法を修正す・る方法を検討してみた“しかし理論的でない仮定を含んでいるものであるから,従 来,logt法により過大に評価されていたと考えられる沈下所要時間がこの方法で適正に補正されているかについて は更に多くの試料により検討する必要がある 3… 修正法の換作順序(図−5参照) a)片対数即apb上において d一logt曲線を画き,logt 法と同じ操作で0%と18D %圧密度位置を求める b)試験曲線の良急勾配接線 を求め,これを延長し0% 圧密度線との交点(0点) を求める C)交点から(dlOO−do)× 0い‘88だけ沈下した鼠を− 対数cycle横軸方向に増し た点を求めてA点とし0点 と結ぶこのOA線の延長 が求めるTERZAGHI理論 に合致した故急勾配接線で あり,この試料の−・次圧密 のみ紅よる沈下曲線の接線 である 図一5 純粋一次圧密監を求める図式法の例

(5)

1ロ0 香川大学農学部学術報曽 d)この接線は理論曲線と片対数g工apb上において点(D.404,0い702)で接するからこの点での圧密係数Cvは 0.404(哀)2 Cv= t70.2 こ.こに五:我荷前後の平均排水長さ,OA線の延長上においてdo+0.702(dlOO−do)の点Bの横巫標の時間t70.2 を読みとり(6)式に代入すれば,二次圧密的現象を取り除いた圧密係数が求められる 4。算 定 例(図−5参照) 徳島県阿南碕阿南鉱英工場敷地の土 N92地点,深度‘−7m 載荷段階:5段階目(1い占ロKg/Cm2) 前段階までの沈下藍:575∫.4(}ioo皿m) a)4(SeC)のときdl=578.0(与ioomm),1る(sec)のとき582..る(与ioomm) do=2dlwd2=2×578.ロー582.占=575.4 .■■.57・5.4−575.4=0(与ioomm) dlOOは図−5上よりd41い5, ∴る41.5−575.4=占8.1(与ioomn) b)最急接線勾配Sほ接線の一対数cycleの縦距が図より57.5(!ioomm)であるから ISl=岩=0・548 C)理論に合致した最急勾配接線の・一対数cycleの縦距ほ(dlOO−do)×0.占88==(占8.ト0)×0..る88=4d一.9(}ioomm), 試料の圧密曲線の接線の延長と0%圧密度線が接する点を始点として−・対数cycleへだたり4占、9+・575.4=る20.5 (与ioomm)沈下した点Aを求める. d)OA線の延長上に do+0一.■702(dlOO−do)=0十0.7D2(る8.1−・0)=47..8(!ioonm) ∴47..8+575.4=る21…2(与ioomm) を求めこの点をBとしてこその時間窪標を図上で読みとると500(sec)が求められるこれを㈲式に代入すると

−・●::、、五ご こ−

404×(0.d90)2 Cv= =占い41×1D ̄4(cm8/sec) t70..2 500 ここのhは前哉荷時までの沈下崖が57・5.4(与ioomm),∴hl=715.5(与ioomm)い1.dOKg/Cm2戟荷時の沈下鼠 (通計)は占d占り7(与ioomm)であるからh2=d占る∩占(与ioomm),排水面までの透水実長の平均盲=抜(hl十h2)= (71・5“5+お占“d)㌫8.占和(与ioomm)となる 5JIS規定の方法との比較 logt法の修正法である本文の方法せ仮にtan・logt法と称し,その緒果を現在JISに規定されている方法で得られ た圧密係数の糖果と比較すると(図−4,図−5) Cv。.t乱。−l。gt=5.85(Cvい1(,gt) Cv‖t几。_1{,gt=1.2る(Cv…イ丁) ここに Cvり。gも:logt法による圧密係数 Cv.√T:/㌻法による圧密係数 Cv.仇。_】(,gも:本文の方法による圧密係数 となりlogt法の結果がかなりtan−logt法より/j\さな他にあるこ.とが示され,logt法の結果が沈下所要時間を過大 紅評価していることを表わしているようである.また沈下嵐について−ほ過小な評価をする傾向紅あるが,沈下時間を 求めるには正攻法であり比較的正しい結果を与えるといわれている(9)ノ了法の結果とほよく近似するようで,本文の

(6)

101 第1占巻欝1号(19占4) 方法が従来の方法のそれぞれの欠点 をかなりよく修正している事を表わ していると考えられる.しかし実際 への適用には吏紅検討する必要があ る 6.あ と が き ここで検討した方法は,南四周の 限られた地域の試料により得られた ものであるから,更に考察されなけ ればならないが,このtan−logt法 に採用した仮定が許応の範囲にある ことが認められたとすれは,比較的 簡単に図上で二次圧密的現象の影響 を取り除いた圧密度形を知ることが できる以外に,圧密試験繚果自体の 精度も知ることができる また最近注目されている急速圧密 試験の整理法に応用できるとすれ ば,その試験糖度を知ることができ る上に,今まで急速に載荷を進める ため,粘性による流動の遅れが累積 してCI・eep速度を早くしで−・次圧密 中紅含まれるCI・eep鼠すなわち二次 圧密鼠が大きくなるため,理論と非 常にくい違った観測結果を与えると いった欠点を補う整理法になるので はないかと考えられ,この点,更に 換討したいと考えている 終りに,貴藍な御教示をいただき, 資料を提供して下さった徳島大学工 学部土木工学科土質教室小田英一・教 授,御協力願った本学学生秦英樹氏 に心から謝意を表します 10×10■2 庄 密 係 数 Cv tan−logl (cm2/sec) 10×10−3 10×10■4 10×10‖l × 10・h‘圧毯係数10×10 ̄3 10×10 ̄2 Cvl。月l(em2/sec) 10 図−4 南四国沖横土Cv偲の整理方法の関係:Cv‖1。gt(logt法) と Cv‖旭。−1‘,gt(本文の方法)

∧U \

n︶

∧U X 圧密係数 0 10x10-cl 0×10 3 10×10 Z l0×101 け架橋数 CYノl ̄ 〔m2/sec) 10×101 図−5 南四国沖潰土のCv低の整理法別の関係:Cv.vT (/ ̄i法)とCv.t乱。_1一,gも(本文の方法)

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182

参 考

(1)石井靖丸:大阪の地盤沈下に関する研究,大阪市 港湾局,107−1る2(1949).

(2)TAN,T.E.:SecondaIy Time′EHects and

ConsolidationofClays.Acadlemica Sinica,Harbin, (1957). (3)柴田徹:粘土の圧密に関するレオロ汐−的考察, 土木学会論文集,(る9),(19る0)‖ (4)竹中準之介:軟弱粘土の圧密計算牒こおける−・提 案,土木学会欝17回年次学術講演会講演概要,7・−14 (19皮). (5)中野担:軟弱粘土の圧密試験における一・考察,土 と基礎,9(2),(19る1). (6)吉良八郎,横瀬広司,圧密試験結果の登理法につい 香川大学農学部学術報告 文 献 て,農巣土木学会大会講演要旨,(19占4) (7)TERZAGHr,K.:TheoreticalSoilMechanics, (19′52) (8)野田健二:圧速圧密試験法について,土と基礎, 8(5),(19る0) (9)三笠正人:圧密試験の審理方法について,土木学 会第19回年次学術講演会講演概要,7ト72(19d4) (10)NAKASE,A:Side Friction.in Conventional

Consolidation Tests,PoYt andHarbour・Technical

厨β・Sβαグー‘ゐ∫兜ざ≠ゴわ加,5,(19占5)

(11)HANSBO,S:Consolidatipn of Clay,with special reference toinfluence of vertical sand drains,

タ川C,5紺β♂よsゐGβ〃≠βC勿扇■cαJ血Sf∠ゎJね.18,(19幻)u

An Estimatingmethod of Consolidation−Coefficient Evalution in the Consolidation Test.

HirojiYoKOSE and Hachiro KIRA

StlmmaryIn this paper the authoIS pIeSent a r!eW method by which take off theinfluence of

SeCOndary compression effect from consolidation settlement cuzve This method consist of combination of logarithml・time fitting and tangent method

When the tangent of thelargest slopein test curve agree toitin theoretical curve at O%in degree Of consolidation,this method comeinto existence小 And this method bring better resultsin comparison

参照

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