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中小電力変換回路の効率向上とその応用に関する研究

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Academic year: 2021

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氏 名 学 位 の 種 類 学 位 記 番 号 学 位 授 与 年 月 日 学 位 授 与 の 要 件 学 位 論 文 題 目 学位論文審査委員 よ こ ぜ き い ち ろう 横 関 一 郎 博士(工学) 甲第

1 8 3

号 平成

1 7

9

月30 日

学 位 規 則 第

4

条 第

1

項該当 中小電力変換回路の効率向上とその応用に関する研究 (主査) (副査)

大 北 正 昭

副 井 裕 小 西 亮 介 学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨 近年、各種電子機器から発生した高調波電流による悪影響が社会問題化し、世界的に法規制の 整備が進められつつある。しかしながら、従来の高調波対策回路は、それまでの電力変換回路の 入力側に新たに高調波対策回路を設けて(いわば電力変換回路を二段縦続接続して)、回路全体の 効率を低下させてしまった。そこで、高調波対応のために効率低下を生じた問題に対しては、 -高調波対策回路自身の効率向上を図ること、 -高調波対策回路を設けることによって低下した効率を、他の回路部分の電力変換効率や電 力伝達効率を従来よりも改善すること、 が強く求められていた。本論文では、それら二点の解決を図り、中小電力変換回路の効率を向上 し、その実用回路への応用事例について報告した。 前者に対しては、中性点昇降圧形電子安定器を新たに考案し、高効率化を図ることができた。 中性点昇降圧形電子安定器は、それまでのように電力変換回路を二段縦続接続する方式ではなく、 高調波対策機能と高周波変換機能とを一体化したワンコンバー夕方式といわれる系列に属する。 ワンコンバー夕方式の電子安定器とは、もともと高周波変換機能に用いていた素子を、高調波対 策機能実現のため、一部共用して用いる回路方式である。そのため、高調波対策機能と高周波変 換機能のそれぞれに本来必要な無効電力を共用・相殺して、回路全体の効率低下を防ぐことがで きた。 後者に対しては、高調波対策機能実現のために回路内部で扱う無効電力が増えた分を、他の回 路各部で低減する工夫を述べた。そして、電力変換回路の開発と各種高機能性負荷の開発を連携 して、高付加価値商品として実用化した経緯を報告した。具体的には、無電極放電灯、紫外線洗 浄装置、複写機定着用ヒーターについて、本論文における検討を通じて得られた知見を実用製品

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に反映させることができた。

審 査 結 果 の 要 旨

近 年 、 各 種 電 子 機 器 か ら 発 生 す る 高 調 波 電 流 に よ る 障 害 が 社 会 問 題 化 し 、 世 界 的 に 法 規 制 の 整 備 が 進 め ら れ つ つ あ る 。 し か し な が ら 、 従 来 の 高 調 波 対 策 回 路 は 、 電 力 変 換 回 路 の 入 力 側 に 新 た に 高 調 波 対 策 回 路 を 設 け て 、 回 路 全 体 の 効 率 を 低 下 さ せ て い る 。 そ こ で、高調波対策のために効率低下を生じた問題に対しては、 (1 )高調波対策回路自身の効 率向上を図ること、(

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)高調波対策回路を設けることによって低下した効率を、他の回路 部分の電力変換効率や電力伝達効率を従来よりも改善すること、が強く求められていた。 本 研 究 で は 、 こ れ ら の 問 題 の 解 決 を 図 り 中 小 電 力 変 換 回 路 ( こ こ で 、 中 小 電 力 と は 数

W

か ら 数

k W

の 電 力 を 指 す ) 全 体 の 効 率 を 改 善 す る 手 法 と 回 路 方 式 を 提 案 し 、 さ ら に 、

その効率改善の手法を幾つかの実用回路ヘ応用した。 中 小 電 力 変 換 回 路 全 体 の 効 率 の 改 善 に 対 し て は 、 中 性 点 形 電 子 安 定 器 に お け る 、 昇 降 圧 方 式 を 開 発 し た 。 中 性 点 昇 降 圧 形 電 子 安 定 器 は 、 コ ン パ ー タ 回 路 と イ ン バ ー タ 回 路 の ス イ ッ チ ン グ 素 子 だ け で な く 、 イ ン ダ ク タ も 兼 用 し た ワ ン コ ン バ ー 夕 方 式 電 子 安 定 器 で あ る 。 こ の 電 子 安 定 器 の 開 発 に よ っ て 、 素 子 の 低 耐 圧 化 、 電 源 投 入 時 の 突 入 電 流 抑 制 、 出 力 電 圧 リ ッ プ ル の 発 生 等 の 課 題 を 解 決 し 、 ま た 、 高 調 波 対 策 機 能 と 高 周 波 変 換 機 能 の それぞれに本来必要な無効電力を相殺してミ回路全体の効率向上を図ることができた。 さ ら に 、 上 記 の 研 究 で 得 ら れ た 知 見 に 基 づ き 、 電 力 変 換 回 路 の 開 発 と 各 種 高 機 能 性 負 荷 の 開 発 を 組 み 合 わ せ 、 高 付 加 価 値 商 品 を 実 用 化 し た 経 緯 を 示 し た 。 具 体 的 に は 、 無 電 極 放 電 灯 、 紫 外 線 洗 浄 装 置 、 複 写 機 定 着 用 ヒ ー タ ー の 製 品 化 に お い て 、 電 力 変 換 回 路 内 部で扱う無効電力を低減した結果、効率化が図れたことを示した。 以 上 、 本 論 文 の 成 果 は 、 各 種 電 子 機 器 か ら 発 生 す る 高 調 波 電 流 に よ る 障 害 が 社 会 問 題 化 し て い る な か で 、 そ の 改 善 策 を 具 体 的 に 実 現 す る 回 路 方 式 を 考 案 し 、 そ の 有 効 性 を 実 用 回 路 例 を 挙 げ て 示 し て い る 。 そ れ 故 、 本 研 究 は 、 電 子 機 器 の 開 発 分 野 に お い て 十 分 評 価されるものと考えられる。 以上により、本論文は、博士(工学)の学位を授与するに値するものと認められる。

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