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傾斜地果樹園の開設に関する研究 II 傾斜地果樹園の開設に関する生態学的研究-香川大学学術情報リポジトリ

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(1)

香川大学農学部学術報告

Ⅱ 傾斜地果樹園の開設に関サる生態学的研究

黒 上 泰 治,葦 沢 正 義,

森 正 義,深 井 弘 義

Ecologicalstudies onfrIuittr・eeSCultivated

in the slopingOrChar.ds

TaijiKuROKAMI,MasayoshiAsHIZAWA,

MasayoshiMoRI,ar]d HiroyoshiFuKAI

(Labor・atOrIy Of Pomology) 302 (工) 緒

瀬戸内海沿岸機闇服全国的に霧雨地帯に属し,特に選季間の降雨盈ほ著しく少なく・異常な高億・乾燥状態を量す

ることが多いいこの地域の果樹園の大部分は傾斜地笹分布・栽培されており,その土盛は一版に潜静である∴本研究

は斯様に特有な自然的立地状態の下にある林地,または傾斜畑地等の未利用地乃至低位座席地を果樹園として開設し

た場合に,その果樹の発育を良好ならしめ,良果の生産性をより増大せしめる目的で,実際に当他力の傾斜鞄果樹園

等について,自然的立地要素の季節的変化が果樹の生態等に及ぼす影響を詳かに究明するとともに,現地調査の絡果

より必要と考えられる実験的研究を行ない,当地方の傾斜地果樹栽培の発展上に思する基礎的事項を解朗しようと・し

たものである. (Ⅱ) 実験項目とその概要

凍研究は1954”56年の3カ年間に亘って実施し,第1表の如く現地発樹齢こおける調査と契験的研究の二者に分ち

行なったい ′第1表 試験項目とその概要 調 査 力 法 調 査 事 項 気温・地温・湿度・地下水位 ・士族含水監・土壌の各種理 学的性質,果樹の一L股的発育, 棍群の分布状態等を調査した 場 所・年 次 試 験 項 目 約1町歩の範 斜の各部位に 諸要素の調査 他の調査ほほ たは適当と考 に行なった 傾象のま期 .気そ毎時 り,,和則る 亘て日劇れ 払い毎.1ら 囲つをぼえ 香川県立農科大学附属傾 斜地農業科学研死所果樹 園 1954ノ}55年 傾斜地開園鞄(果樹園) と未開墾地(砿杯〕にお ける各種環境要素の季節 の 的変化と果樹生態 同上に.準ずる 同上項目全般について調査を 行なったが,特に地下水位・ 土壌含水量と果樹の発育調査 に重点をおいた 同上項目全般の調査を行なっ 二 ∴: 梅雨期と秋季降雨期及び夏季 の乾燥期に土壌含水盈の変化 を詳細に調査した 真宗患家前脚の傾斜地 1955年 傾斜地果樹園(桃成木)に おける増下水位の季節的 変化と果樹の生態 傾斜地果樹園(桃・葡萄 幼木)における被覆作物 (膏刈大豆)の栽培と果樹 仝導苛 __ .. 傾斜地果樹園における土 壌含水畳の季節的変化状 態 土壌含水盈と果樹の水分・ 消費蕊,発育の関係 土盛溶液濃度と果樹の発 育の関係 同上に準ずる 香川県立農科大学附属農 場大富果樹園 1956年 附 Jよ占fごき 香川県立農科大学 各傾斜部位守こついて乾土星 常沃により調査した 場大宮果樹園及び香川県 三木町の憤斜地果樹園笹 ついて広域調査 1955一−56年 Pot試験 1955ノ}56年 Pot試験 1955′・・■56年 】 画面直訴玩夜面直ま巧爾 土壌含水鼓は容水螢を基準 とし,水分消費造は重盗 藻,果樹の発育は常法によ り調査した 各種土壊含水蛍及び夏季に土 壌含水放を変化(低下・上昇) させた場合の果樹の水分消費 放と発育状態等を調査した 主に窒素・加畳質肥料による 溶液濃度の上昇と,果樹の発 育状態を調査した ‘ ̄ 東夷帝京穿面蛮べ面診行決意 を・熟瑚別に詳細に調査した 水耕法及び鉢穐に.より,各 種溶液濃度下の果樹の発育 を筒溝で調査した(通気と ざ些吏;を草特に埋草し担 一 桃・葡萄・柿を用い,切枝 とPot沫を併用して調査 した 果樹の果実と英の間にお 航水分の競合現象につ鹸 いて 1955′}56年

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303 第11巻 通巻第29号(1959) 第1年次の研究では傾斜地果樹園の開園時の実態を明らかにするため,現地調査な中心昭行ない,鵠2・3年次の 研究でほ第1年次の調査結果より,必要と認められる現岨調査と実験的研究とを併せ行なった・東研死に凧、た果樹 の種類は,当地力で落葉果樹として最も多く載増されている跳・葡萄・柿の3種類である (Ⅱ) 結 果 〔A:〕現 メ也 調 査 〔工〕傾斜地開園鞄(果樹園)と未院墾地(松林)における環境要素の季節的変化と果樹の生態 第1囲の傾斜地果樹園について本調査を行なった1.・十股的気象 調査の結果より,調査期]間を・次の4期に分けた 第1期 5月上旬′}6月中旬梅雨前期 寛2期 6月下旬∼フ月中旬‥… 鵜雨期 第3期 7月下旬一ノ8月下旬… 夏季の高湿・乾燥期 第4期 9月上旬以降 秋季降雨期 (1)気温及び地温 各期とも平均気温及び地温(第2因)は,果 樹園が松林よりも常に高く,第3期の両者の開きは約4′・・小50cを 示し最大であるけ この期の松林の地表平均温度は28∼290Cで,気 温ほこれよりも1′→20C高く,地温は4ノ・−50c低いい 果樹園の 地表平均潟度は380cを超え,松林よりも9【−100C高く,気混ほ 第1国 東学傾斜地農業科学研死所果樹園の全 景(開園後2年日の状態) 前力斜蘭(階段状)の左より柑橘・ 桃・柿・葡萄園…・1952年の秋∼冬期 150 に松林を開墾・植栽したい士族は花崗 岩の風化・崩壊土・南面・勾配20∼25 地100 度・上・下両部の高度差約20mである ・ .二 1 9 行なった. 33∼340c,地温ほ25∼280cで,とも に他家面より隔たるに従い,低温化の 傾向を示した..傾斜の部位別の気温は, 果樹園では中腹部が常に高く,下部・ 上部の順を示したが,各部位間の気偏 差は約0.5一−1.00Cに過ぎない.松林で ほ第4期の上及び中部を除き,傾斜上 ・中・下部の順に低温である−地温は 果樹園・松林ともに明らかな一層の傾 向を認め難く,果樹園の各部位問の地 温差ほ概ね0.5∼1100Cであったい次に 最高偏期の第3期の旬別平均気温及び 地温(第3囲)は,8月中旬の地表平 均湿度4015∼43,50c,気温二3410ノー こ36り50C,地下15−30cmの地温約300c に達した.上述の気温及び地温は1日 1回の観測値の平均であるが,8月上旬 に調査した日変化(第4図)によると, 地表面の最高は50∼51.50cに及び,地 下15cm部位の最高地温は35一二390c, 4

二謂松林

用 j l u 220/6・∼19/7 11伯∼19/6 820/7ノ〉28/8 帥 。 。

18 g。em 鵬㌦

上 第2因 果樹園と松林における各期別の気温と飽海の変化

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香川大学農学部学術報宅 地下30cm部位でほ.詔∼330cを示し,傾 斜の上部が最も高かったい僻斜各部の階 段の前媚部と鎮基部の各期別地表一地下 90cmの地温ほ,各傾斜部位とも前端部が 後基部よりやや高い値(0.5一一1巾00c.)を 京した (2)湿度 各期別平均湿度は第3期が 最も低く,果樹園−58∼65%,松林−フ0 ∼フ5%にして,果樹園では〟鞄上10m部 位よりも上方の部位程やや低いが,松林 では各高さともほぼ同湿であった. 304 00 第:3因 果樹園の傾斜各部位における第3期の旬別平均気温及び地温 150「 \ 65

廿川川怯悦ぶ

……一 犯/‘7∼為// −−− 30/7−・8/8 ・…・9/8−・・1釘8 一一 19/8一−28ノ/8 \ ∵ \∵ 50 温45 40 虎 ’c85 80 25 20 ・・・▲▲−・・・・一→ g座−18/畠 中邪 −−→ 釘8−1針8 ▼下部 ′ヾ二 \ ■ ヰ

⊥ ﹂・ ■

⊥甜 ■ l ■ ⊥_ 70 75 秋) 帰艦(%) 膠第5因 果桝園における第3期の旬別平均湿度 鴇3期の果樹園の旬別平均湿度(第5因)は, 8月中旬が54∼57ク5にして,前・後の各旬に比し て著しく低い. (3)土盛の理学性 果樹園と松林の僻斜各部位 土壌の器械的組成・容水盛・孔際患等の諸調査を 行なったが,環境要素の変化との関連匿おける一・ AM 時 O 6査 PM2 βリ AM2 0 1 6 PM2 AMlO βり A P A A M M M M lO 2 6102 610 調 第4因 環樹園の地温の日変化(8月9∼10日) 窯の傾向を認め得なかった (4)土嚢含水盈 各期別地表∼地下90cm部位の土壌含水飽(第2表。鶴6囲)は,果樹園・松林ともに8月中旬が 第2表 果樹園と松林の各期別平均土盛含水盈(乾土憲比) 〔A〕果 樹 園

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第11巻 通巻第29号(1959) 〔B〕松 林 305 20.96252211‘7い48 最も低く,果樹園上部では.7月中旬の約3分の1であった 簡閲園2年目のほとんど裸地状態で,土面蒸発の甚だしい果樹園 の土壌含水盈に比して,蔵成木により半日陰状をなした部のそれが, 傾斜上部を除いてやや低いこと.は,松限部の吸水に.よる結果と考え られる ∝l 降雨盛 〈氾 針 70- 0 第7段(最 上部) 第6段 F 八 第5段 8 巴 C」 ∧八 6 第4段(中 部) 100 Cm 7 第3段 8 如 1吋 Cm 60 第2段 Cn 60 70 80 飲) 1∝l CIn ■−∼■■一−▼■′−▲一一一−−−▼−、−−▲−ヽ′一−−■−′−■−●■■■− 第6図∵夏季の高僧。乾燥瑚を中心とした 期間の,地下15∼二30c:nの・平均土壌 含水盈(乾土箋.比) (5)地下水侍∵桃園のほぼ中央部における地下1m場内への地下 水位の上昇状態し第7図)は,最上段では常に地下1m以下であった が,鶉1′)6段の各帽殿では地下1m以内に歴々上昇を示し,傾斜 下方の階段縛どその程度が著しい.即ち鶉1段では梅雨期に地下70 ∼80cmにまで相当長期間に亘って上昇を示し,8月中・下旬には 地下1m以下に・下降したが,鶴2段目でほ夏季の乾燥期間「J叫こも地 下約90cmに止っているい これは第2段の土盛が強粘暫のため,降 雨期に地下水位測萱管小へ上昇した水が溜水状儲となり,夏季乾燥 別に至っても土壌中へ溶透しなかったためであろう. 桃。右隅園(約7反)における降雨後1及び6日目の,帽段基部 への地下水の湧出状態は鶴8・9囲の如く,地下浅闇を流動する地 下水の重な水脈は桃園で2,棉閑で1が認められた‖ この他下水の 洗剤は,概ね鞘関前の地形が谷間伏せなした力向にむかっているが, 必ずしもそれと完全に−激してはいない。即ち桃。柿雨間の境界部 は凹状(茶昭状〕を呈しているが,桃園の筑二の水脈は桃園中央の 凸状部と,■兢述の凹状部のほぼ小間に位しているい 7 8 9 5月 6 調 査 月 日 鵜7図 桃崗の各階段における地下水位(地 下1m以内)の上昇状態

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香川大学農学部学術報告 多畳降雨蹟鎮の地下水.の 地下浅層流動節囲ほ相当に・ 広範囲であるが,6E帽後 に.至っても桃園ではある程 度の湧出が認められた,. (6)果樹棍群の分布 最 上段と最下段の桃樹につい て棍群の分布状態を調査し た結果(第3表・第10閻), 上部樹の絶根蛋は約1,200 gであったが,下部樹は約 810gに過ぎず,同部樹と も階段の前方への棍群の分 布は甚だ多藍であるが,後 方へほ著しく少なく,特に 宋深耕部へのそれほ僅少で あった.この状態ほ開園に. 当り帽殿中矢部より後半を 切土して,前半部に盛土 し,栖j按箇所に蕃勺4尺四力 ・深さ:3尺の深耕を行なっ たためと考えられる日 本調査に.おいて開園地と 未詳墾他の両者間には,相 当に.著しい気象的差異のあ ることを観察したが,訴因 他の傾斜各部闇ではその差 が比較的少なく,土壌含水 温故び地下水位の季節的変 化に著しい相違のあること を認めた 306 9月19日(9月1フロ後より18日の午前中に 約60mmの降雨あり) 降雨後1日冒 (60mm) 第81河 果樹園の降雨一・日後の地下水の湧出状態(階段の基部に腐乱) _ 9 月.24 日 降雨後6日冒 窮9因 果樹周の降雨6日後の地下水の溜出状態 第3家 桃樹珊猥の分布状態掘上調査 工 細梶の水平的分布 A 槻 m

100∼150l15。∼慧 cml

50−100!100∼慧ト50∼慧 CTn! \、、、樹幹よりの \

プラ、

0∼50l50∼100 Cm】 C 4

1 二

1 ≡…:…弓 三…:冒

≡喜…1…貞1…≡二≡ 25フ.7 フ5.0

前 部gr 東 部gI 222 13.2 1849

2O

156.5 75 9 38 2 西 部g工 121」8 ・・ミ・・・

討 gI 5656‡3汀5j1208】

2052 610 935

− 、 ● ・−

1157j聖L

__

(6)

第11巻 通巻第29号(1959) Ⅱ 珊棍の垂直的分布 A 樹 B 樹 西 部l後 部 gl‘J ¶▼___ 蔓草

43…Ol 235.5

24Ol28.7l

地 表∼15cm 15・・・・■ 30cm 30 ′− 45cm 45 ′} 60cm 60 ′・− 75cm 75 ′−・90cIn 90 ′・−105c刀n lO5・・−120cm 48.1 53.1 72..0 38.0 25い7 20..8 64.5 46.0 23い5 12.フ 15.5 2フ1..6 282..1 1フ9‖フ 117,6 100..0 5り5 1

狐2壬1,192‖0

3410】128・5】184い9j156…5f 810・・9 6 6 つ山 4. 第10因鼓上段(A樹)の棍群分商状態

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香川大学農学部学術報賃 3U8 (Ⅱ〕傾斜地果樹園の地■下水 位の季節的変化と果鵡の生態 前調査他の果樹ほ許園後2年 日の若木であり,各傲斜部位の 植栽晶穏が異なっていたので, 第11因の傾斜地果樹園について 地下水位の季節的変化と果樹の 生態に重点をおき,ほぼ河様の 調査を行なったい (1)地下水位 傾斜下部の地 下水掛ま腐雨期及び秋季に,靡 第11因 風前田町果樹園の調査地全景 (黒点は調査地点)■ 々地下70cm前後に上月を示したが(雛ユ2因),8月上∼ 下旬の間には1m以下に下降した‖僚斜上部の地下水位 が中部よりも安々地下1m以内に.上昇を示したが,これ ほ上部測点が写異に示すように,尾根の最上部でなかっ たため,最上部から尾根に.沿って下方へ地下水が流動し たためと考えられ,中部ほ傾斜中腹のやや凸状地点であ る (2)土壌含水盈 傾斜の各部における梅雨期及び秋季 の地表{′地下60cm部位の平均土盛含水盈は,60′}70%し 容水盈%)乃至それ以上(第13因)一を示したが,8月上旬∼ 9月上旬の間には甚だしい低下を轟し,最乾燥時である 8月中旬の傾斜上・中南部の土壌含水塵膵25%以下とな ったハ この旬の樋斜下部の土盛含水・監は,上及び中部よ りもやや高い値を示しているが,地下60c皿部位の含水 魚が高くこれを合せ平均したためであり,地表∼地下30 m部位の含水畳は上・中の両部と同種壁に低かった 第12因 傾斜各部位の租下水位(地下1m 場内)の上月状態(傾斜の各部倍 に4m間隔で3測点む設けた) 傾斜上。中両部の8月ql一一下旬に.おける 地 ̄下■15′−90cm部位の各深さ別土壌含水 亀は,ほぼ相接近した値であり,この調 査地では下層士(地表∼地下90cmの節 園内)程合水魚の高くなる傾向を認め得 なかったい (3)果樹の発育 傾斜各部位の桃大久 保種成木について,校長・枝径。英数・ 葵両校。果実の大きさ等の発育調査を行 なった結果,栄養生長は傾斜中部樹が最 も旺盛にして,上部樹・下部偶の順に劣

っていたが,果実の大きさでは各部樹問

に著しい差異を認めなかった..但し収穫 果数動こ総蚤最ほ中部観が最も大であり 下1邪樹ほ中部樹の約3分の2に過ぎなか った. 客水故50%線 ・ −.−・− . .  ̄  ̄−‖.て ̄ ̄一ニー 2‘7苓2 ′6 916 23 307ノノ714 21284ノ侶1118 25&勺15 225ノ′10201/1 第13図 傾斜箱部位の地表∼地下60cmの平均士廣含水鼓 (乾土霧比)

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第11巻 通巻第29号(1959こ) 309 地表よ りの深さ別

≠==Ⅷ憎偶像 ト.∴− ‥. 胴 4 3 2 1 (U

n 樹冠の大きさ 亜 35 卸 25 罰 15 観15図 和棍の垂直的分布状態(百分比) 樹高・樹冠の:大きさ・主枝周囲長。童枝長等も(第14因),中部樹が最も 大であった。 細棍の垂檀的分布状態(第15閻)は,中部樹ほ地下90cm土闇にまで(地 表∼地下90cmまでの土間について調査)分布していたが,上部樹は地下60 Cm土層,下部樹ほ地下45cm土層に止っていた. その他気濡・地塩・土壌の理学的性質等の各税調査を行なうところがあ った. 〔Ⅱ〕傾斜地果樹園における被荷作物の栽培と果樹の発育 近時果樹園の土壌管理法として草生栽培法や被覆作物栽培法が,比較的盛 んに行なわれつつあるが,この管理法を行なうに当り,当粗方の傾斜地果樹 主枝の良さ 4 3 主枝の周囲眞分岐部上10Cm︶ 0 5 5 ︵J 3 2 1 -O m 上 中 下 部 部 部 第14因 傾斜各部位の桃樹(大久保) の発育状態 園で考慮せねばならないことほ,果樹と革またほ被覆作物との間の水分競合調教と考えられるので,この点を明らか にするため,夏作被覆作物として緑肥大豆を用い太調査を行なった1その結果(第16・17図)夏季高塩乾燥期におけ る地表∼地下60cm部位の土壌含水畳の低下率 ニー裸地区 ___.__ 大豆毯 は,被覆作物区の力が裸地区よりも大であり, 8月中旬の最乾燥時には裸地屡個体その著しい 低下を来して,萎凋係数に近い値を示した.果 樹新梢の生長緩慢乃至停止期ほ裸地区より被覆 作物区の男が早く,この時の地下15■−60cm部 位の土壌含水盈は,葡萄 牒勺8%(乾土憲比) ・挑…約5%,大豆約4%であった.. 〔二Ⅶ〕当他力の傾斜地果樹園に.おける一・股的 土盛含水盈の変化 4 2 0 8 1 1 1

、■−t し/ 一一・■′

土壌含水蒐︵乾土産%︶ 容水盈 50%線 25%線

2%1ち20%121926%1523311写ち

調 査 月 日 第16因 裸地区と大豆区の土壌含水盈 傾斜地果樹園における士族含水盈の変化ほ局地性が大きいので,普 遍的な立場から考窮するため,花崗岩の風化崩壊土よりなる木田郡三 木町平木地区二のほぼ2km2の範囲内の傾斜地果樹園及び畑地について 土盛含水畳の変化を調査した結果,降雨期には傾斜の各部及び地表∼ 地下60cmの各部位の紘平均で,約70%(容水盛)の含水盈を観察し たが,夏季の高僧乾燥期に至ると著しい低下を蒸し,8月下旬には約 30%となった・・傾斜の部位別では概ね上部程含水放が低く,夏季間に 25%以下に低下する部位が多かったが,傾斜下部は−・股に.上部よりも 掛、億を示し,含水並の多い部位二で40・−50%であった。.この土壌含水 放は花崗岩の風化進度と比較的密接な関係を有しており,風化進度の 1800 1600 枝1400 の12∝) 生 長1000 率齢0 6(氾 400 2(粕 ._裸地区 …一大豆一致軍砿 大豆区 l1l ■ ■ ll l l1_l ■ ■ ■ ■ ■ 鞄17」生白霊1み7311%診隼 調 査 月 日 窮17図 桃(天山早基リ 2年壬1≡の 発育状態

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香川大学轟学部学術報嚢 310 速かな部位程,保水力の大きな傾向が認められた. 同様か諏査を本学附風袋場大宮果樹園(1‖2町)においても実施したが,ほぼ等しい傾向を観察した. 以上の名現鞄調査を通じて,当地方の傾斜地果樹園では各毯環境要素の季節的変化の中,掛こ傾斜の各部位に・おけ る囁下水位及び士鷹合水温の変化が著しく,それが見聞の発育上に大きな影響を及ぼしているものと考察される…倍 気温・地温等の気象的要素の各傾斜部位による変化も認められたが,各部位問の差異は比較的少なく,また調査地に ょってほ傾斜中部の平均気温・地温が上・下両部よりも高いことがあり,あるいほ上部が最も高い値を示す傾斜地が ある等で,劇窯の陵向を認め得なかった・・ ーー・85% 〔B〕実験的研究 〔工■〕土嚢含水量と果樹の水分消費盈・発育との関係 (1)各種土靡含水藍の下に.おける果樹の水分消費盈と発育 土壌含水盈85∼25%(容水温)までの10%間隔の,7区に おける葡萄樹の水分消費状態は(第18・19閻),土壌含水盈 の高い区ほど水分消費患が多く,45%区以下では天候状態に よる消費盈の変化が甚だ少なかった..士族含水盈85%区に比 して,55%区の水分消篭盈は2分の1以下,45%区でほ約5 分の1となり,各区相互間み開きでは55%と45%の両区の差 が掛こ著しかった.各区樹の枝の発育ほ(親20図),85′−′65 %の各区では比較的荘惑であり,55アも以下の各区では甚だ緩 慢であった,次に.7月4日に各区鵡の棍。枝。英の各部位に ついて,熱竃堆扶に.より蓼透荘を調査した結果(篤21閑), 限・枝両部の鯵透席は土壌含水最の低下に伴ないほぼ直線的 に上月を示したが,実の港透庄は土壌含水免が水分当意より も高い場合には直蘭的に高くなったが,水分当漁場下でほほ と.んど変化を示さなかった 彪 謂 36 32 器 24 水分消筆致︵ぞ 6 1 12 調 査 月 日 観18図椚各士磨含水農の下における葡萄の 水分消費状態

帥 棚 卸 拙 Ⅷ

水分消費畳︵即︶ 85 75(添 55 45 35 25 13/6 18 21 25 30 4/7 土壌含水位(対容水意%) 第19周 各土壌倉7k泉下の葡萄の 給水分消費畠 土確含水是(対谷水ぢ:ガ) 第20図 葡萄の枝の発育状態 突験開始 第21図 各土壌含水盈の下の葡萄 時(6月13日)に対する比数 各部位の渉透庄(L7月4日) (2)土壌含水故を召至化せしめた場合の果樹の水分消費放と発育 土壌含水盗の変化は,当地プラにおける傾斜地果樹園の土壌水分の最低期が概ね8月中∼下旬なので,8月13日に行 なった 7月13日一8月13日の期間75クあの土壌含水盤の下で発育せしめ,8月13日∼9月10EIの期間30%に.含水盈を低下さ

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第11巻 通巻第29弓=(、1959‘) 311 せた場合に.ほ(二第22・23・24図),給水分消費量が約3分の1に戯少し,枝の発育は全く停止して,基部其の一部落 葉を生じた.筒含水盈を25%としたものは枯死した

抑 00 劇

水分消費巌︵即︶ 55−ヰ040−5525−75 75 (土面恭発 土壌含水彙(%) を含む) 調 査 月 日 筍22国 土壊水分を変推させた場合の果椀の水分消費 状態(億萄童画儲10c二n2当り) 築23国 土洪水分を変化させた場合の果 樹の即間別給水分消費最(葡萄) 次に.前者の期間を25%の含水盈とし, 8月13ヨより75%に含水盈を上げたもの では,給水分消費最が後者の期間に約2 倍慮となり,枝の発意。英数の増加も前 者の期間ではほとんど停止に近い状態で あったが,8月13:ヨ以降は急速な尭育を 示して,9月10Elの校長は前者の期間75 %の含水急に維持したものとはとんど同 長となった 一一・股に梅雨末期までの期間比較的多湿 80 幹 長∽

、J40

20 一壌 土 ムー・・・・花崗岩土壌 二二〉安浦順 二二〉相当盈 5/7 9 1319 24 281/8 5 9 13 17 21 25 29 2/9 6 10 −4.0 凍 結 温 度 調 査 月 日 第24図 葡萄の校長の生長状態 状態の下で,多盈の水分を消数する塾で発育した果樹が,夏季乾燥棚 のより多藍に水分を消費する欄間に至って,土盛水分の著しい低下の ために.水分吸収温の不足を・来す‖凍実験結果が示すように土壌含水盈 の増減は直接果樹の水分消費盈に影響を及ぼし,その発育を助長また は抑制するものである 川〕土壌溶液濃度と果樹の発育の関係 (1)土壌保水力 盛土及び花崗岩土壌の各種含水盈のものについて,氷点降下淡によ りその凍結温度せ調査した結果(熟25図一),両棲土壌ともに水分当畳 附近までほ,温度の低下が甚だ緩慢であり,含水慮80%と水分当盈と の両土壌の凍結温度の開きは盛土が約0。lOC,花静岩土壊が約0い2〇C に過ぎなかった、.しかるに土盛含水盈が水分当盈以下に低下すると, −3.6 −32 −2.8 ‘ ̄214 ) −2.0 −1い6 −1.2

−08 −0.4

0 − ●・・一 80 70 60 50 40 30 2010 土壌雲水彙(対容水丑%) 第25国 旗土・花崗岩士族の保水力の相異

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香川大学数学部学術寂告 312

凍結警要は著しい下簡便向を生じ 水分当盈と萎凋系数の両土壌における開きは,盛土が約1・50c,花崗岩土盛が約

1い80Cを示し,萎凋笥数以下に低下した場合にほ,一層この傾向が朗著となり,はとんど直線的低下を点した′′ この

結果を土壌悍水力の立場から見ると.,水分当鼠場」二の土壌含水盈と,水分当最から萎凋係数までの土嚢含水盈の意義

は著しく異なっており,水分当盈まででほ,各和土盛含水盈による土旗保水力の差が比較的僅少であるが,水分当盈

玖下では甚だ大と.なる (2)土嚢含水盈と溶液濃度 風乾漆土に各種浪度\0..5∼15ヲる)の硫蚕溶液を入れて,85′}30%の含水急 に推称せしめたものについて,土壌溶液襟度と土壌含水量の関係を調査した結 果(鶴26罰),各会水盛の場合とも硫安の濃度が高くなるにつれて,凍結温度 は直線的な下降を京した.この凍結温度の下降ほ土壌含水意が低下するに伴な って著しく,含水盈85%の場合の水と1、.5%の硫安を入れたものの開きは約 1.80Cであるが,含水盈40%では約3..30c,30%では約4‖30Cとなった・一郎ち士 族含水盈が低下するにつれて,土嚢溶液の濃度は同様であっても,凍結温度の 著しい下降を来すから,果樹の吸水作用を考える上で注意せねばならない・ (8)溶液洩度の高濃度障害 桃幼木を水耕培養し,この培養液中の窒素と.加里の濃度を硫安及び硫酸加盈 で,1,000p.pm.。500ppm.とした場合の果樹の発育状態は第2プ・28図の如 く,窒素の両区は枯死を桑したが,加塵の両区は標準区に此して余り劣らない 発育を示した.葡萄についても同様の結果が認められた 0 05 1‖0 1.5 硫安の波辟(アンモニ7■%) 第26’雪 士歩合水盛と溶液濃度の 関係 ・−−−→紳根 −..._∼枝 第27も弐 水耕による桃幼木の高濃度霹賓 左より,硫安たよる窒素ユ,000。500p…pm 標準。イ流酸加盟による500・1,000ppm この契放では溶液中のSO4やNH4の淡匪をも考慮しなければならな 準 1) 1) いが,土應水分の低下による溶液高波壁滞留の場合に,その中に溶存 PP・M する肥料成分の練類笹よって,障害の程度が相当に異なることを示し 第28因 各処理別の枝と細根の重盗 ている. (4)土壌の肥沃度(窒素)と土嚢水分の関係 永実験は桃(早生大久保)を尺鉢で育成したものに,6月3日に少肥区ほ無施肥,中肥区へは硫安15匁,多肥区へ は硫安30匁宛を施伺し,剤茎をち酎こ乾燥と適湿の両者に分けて行なった∴乾燥区には一・時的輩凋を生じた場合に・のみ, 少盈の催水を行った 接点・枝径(第29図)の発育ほ・州巴適湿区が最も良好であり,多肥適湿区これにつぎ,中肥曹操区と多肥乾燥区と の開きほ伴少であっ7こ。而して小肥及び多肥の両乾燥区の9月1日の枝長に対する,中肥適湿区の枝長ほ約2.2倍, 多肥適凝区は約18倍てある.少肥適湿区の発育は少肥乾燥】真よりもやや良好であるが,その差は比較的少なく,こ の両区の発育は他の41茎.よりも著しく劣っていた.集の長さ・帽・露盤(第:30因)はともに「朋巴適湿区最も犬にして,

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第11巻 通巻第29琴(1959) 313 8∩ ㊥) 4C 20 3(粕 80 60 40 20 2(氾 80 ∝1 40 20 10C 菓の巾︵Cm︶ 兎盤︵g︶ 4 3 2 1

D W ‡) W D Ⅵr

ヽ_._}・−J ’ヽ■■、.′・・・・・・・一 、・・・・・叫.′一−−■一 少肥 中肥 多肥 第30因 各処理別の葉の大いさと霧盈 各区間の傾向はほぼ枝長及び枝径のそれに類似してい た.施肥及び土盛水分の多少により,薬の各組織(農 8/8 18 1ノ9 3′′6 13 24 6/7 調 査 月 叫h ∴∵

の仲る

18日刷新 貌29因 各処理(多 ・保理 中︶ ・のに 濯水)別の桃 31図)のゅで最も大きな影額を蒙る部位ほ海綿状細獄 (早生 鉢試験 であり,仁!1肥乾燥と多肥適湿及び乾燥区では,ともに. その層数が僅かながら増加を示して−おり,また築の厚さの各 区間差異に占める海綿状組織の比率ほ最も大であった小柵状 細繹ほ海綿状組掛こついで変化を示しており,上面及び下面 表皮の幅は,各区間ほとんど糞異を示さなかった“各処理の ものを9月17日に掘上げて調査した結果(第32図),細撮蓋 及び枝露ほほぼ前述の地上部発育調査結果と同様の傾向を示 回申の数字は細胞暦数 状穐 D W D W − 、 一 、∵ 少肥 中肥 武養炎は別 D W 多肥 第31因 各処理別の葉の組織状態

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香川学農大学部学術報宅 314 したが,維棍重と枝墓の相互間において,中肥及び多肥の開通湿区ほ枝鼠の力が細棍纂より遠かに薫く,他の各区は 逆に維棍塞の方が大であった… 〔Ⅱ〕:緊契と英の間における水分の競合現象 (1)桃の切枝実験 桃(大久保)の着果枝・無果枝及び果実のみの3者について−,未熟期である6月23日より5日間,果実中水分の薬 への移行状態を調査した結果(第33因一),着果枝でほ果実中水分の英への移行が容易に行なわれたため,莫は5日後 に.おいても健全状態であったが,果実は日の経過とともに逐次収縮を来し,終には胡桃巣状を呈した」、この場合に凛 実は横径の収縮が最も大きく,側径これに次ぎ,縦径の収縮は最も少なかった‖菓の含水率は無着果枝でほ.,処理後 4日冒で既に4分の1(15%)に∴減少を来したが,着果枝でほ処理時とほとんど同様であった.次に・6月7日から成 熟期までほぼ10日日毎に同様の実験を行なった結果(第34図),果実申水分の葉への移行ほ6月下旬を境と.して,こ 水分の蒸散による減食︵gr︶ 2 3 日 日 後 後 見契中水分の葉への移行に伴 う果実と英の含水量の変化 (処理時の果契及び薬の含水盈をユ00とする) 2 「⊥ 2 l▲l一11▲ 果実の大きさ品︶ 糞の含水嬰空 糖質検糖計︶ 第35因 葡萄の熟度別果実申水分の葉への移行状態 ︵供試個体の数字の多いものは、熱度が進ん でいる︶ 調=充 月 日 及 び 時 刻 第33図 桃(大久保)の着果・無果枝の蒸散最の変化 6月23日AMlO処理 れより前の期間は比較的容易に行なわれるが,以後果実が成熟するに つれて,逐次移行し難くなることを観察した..果実申水分の葉への移 行による果実の収縮状態は,上述の如く未熟果では横径の減少が最も 大きいが,成熟果ではこれとは逆に縦径の淑少が最大であった。 (2)葡萄の切枝実験 葡萄の果実中水分の薬への移行も,果実が未熟状態の場合に容易に 行なわれることを前実験で観察したが,更にこれを確認するためマス カット・オブ・アレキサンドリヤの二番成りの各熱度の着果枝につい て,9月1フ日∼19日の間に亘り調査を行なった(欝35図〕.この結果 ア 5 3 1 2 ﹁▲ 供 就 個 体

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第11巻 通巻第29号(1959) 315 でも全く同様の事実が認められた巾 (3)葡萄成熟果の果実中水分の莫への移行 1955∼56年の夏季間は異常な高塩乾燥状態を呈したため,現地葡萄園において一成熱異に多数の萎縮を生じたので, キヤソベル・アーリー・種を用い調査を行なった結果(第36図),果 実の含水率ほ強度の萎縮果でも健全果とほとんど等しいが,その絶 対畳は健全異に比して約20%の淑少を認めた… また果実の萎縮程度 が強度になるにつれて,乾物翼及び糖度が水分・の絶対盈とほぼ同様 に滞少することを認めた.しかるに果実のみを室内に約7日間放置 して−,果■面蒸散によってほぼ同程度の萎縮を生ぜしめたものについ て,同種の調査を行なったところ,果実の萎縮程度が強度になるに 伴ない,その含水率は直線的な低下を示し,乾物重及び糖度の淑少 は認められず,糖度ほかえって著しい上男を来した. 即ち乾燥状態の甚だしい場合には,果実が成熟状態に達していて も,果実中水分の葉への移行は行なわれるが,この場合には水分と 同時に.可溶性固形物の移行も行なわれるため,果実の含水率には余 り変化を来さないものと認められる. 上述の結果より呆巽中水分の葉への移行は,果実が未熟状態の場 合には比較的容易に行なわれ,成熱期に近づくに.従い行なわれ難く なるものと認められ,果実が禾黙状態の場合にほ主に水分のみが莫 へ移行し,成熟果でほ水分と.ともに可溶性固形物の移行が行なわれ るものである. 現地調査及び実験的研究結果より,当他力の傾斜地果樹園でほ土 旗水分の適切な管理対策が甚だ重要事であると考えられるので,濯 水に関する2,3の調査を行なった. 〔Ⅰ〕傾斜地梨園に7月上旬以降の霧雨時に,反当10及び5mTn相 当水魚をほぼ1週間目毎に土管濁水した結果,8月中旬の地下 30c血土同の土壌含水盈は,10rnm区Ⅷ約50%(容水盈),5mm区 第36図 葡萄成熟期の樹上萎縮果と室内乾 燥果の比較 劇的40∼45%,標準区→約30一35%を示し,果実の発育ほ含水最の多い場合に良好であり,収穫果憲は標準区に比し て,10mm区が約30%,5mm区が約20%大であった、倍発表生長ほ梅雨末期までにほとんど停止しているため,各区 間に葦異を認め難かった巾 〔Ⅱ■〕果樹園の濁水盈を求める方式として,諸調査の結果次の方式を実際的なものとして損唱する. 濯水温(mTn)= (潜水申の含容気孔際盈一全孔際×0・6∼0湖×棍群分布域の 1 0 0 深さ(mm) また従兼行なわれている土管濯水力法ほ,地下深層への水の透過の危険が大であるので,むしろ同忍図を宿する乃 沫として,深さ約20cmの滞条式湛水旗が効果的であることを明らかにした. (Ⅳ) 考 察 現地調査では,果樹の発育に関与する自然的立地要素が甚だ多く,その季節的変化が多既に亘っているので,傾斜 の各部位相互一問の差異について,果樹学的立場から結論づけること.は容易でない.また東研死に直接・間接に.関係を 有する内外の研究は甚だ数多く認められ,調査の各藩項についてそれ等を詳かに考察するためにほ相当の紙数を要す るので,ここでは主要な事項のみについて,果樹の発育上の立場から述べることとする‖ 傾斜地果樹園に・おける現地諸調査の結果,夏季聞(7月申・下旬∼8月下旬)に相当強度の高温・乾燥状態を現出 することが認められ,傾斜の各部位間の気温・地温・湿度等の気象的差異は比較的少なく,各部位間では降雨時及び 夏季の乾燥時における地下水位と土壌含水盈の変化が著しく,それが果樹の発育上に大きな影響を及ぼしていること を観察したい この状態は地下水の場合を除いて,筆者等(88 ̄41)が1951∼53年の間に当鞄の富者柿成木困で行なった∼傾斜鞄の搾

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香川大学農学部学術報薯 316 境要素と果樹の座長にⅠ謁する研究の結果と,ほぼ一・致した傾向針表しており,一一腰■に地形状態の余り複雑でない同 一・一方向の傾斜地果樹園では,傾斜の上・下両部の高度差がそれ程大きくない場合に,部位による気象的要因の相違ほ 比較的少ないものと考え.られる(富有横国の研究でほ地下水に関する調査を行なわなかった)小但し,GARDNER・ BRADFORD・HooKERし叫,小林(3さ)等が述べてし、るように,傾斜の方位別では各気象要素の問に,相当に著しい開きが 認められるので,方位別に区別して考えねばならない.本調査の夏季間に.35∼400cに達する商売塩は,PICXETJTJ(62), NIGHlINGALE・BLAXEく5S),小林(35)等の報償のように呼吸作用が旺盛となるため,同化物質の消耗に.よる発育抑制の 影響が考えられるが,これは同期間の浅層土地偲の著しい上昇による棍の機能障害とともに.,当地方の傾斜地果樹園 における普遍的な問題と考えられ,傾斜部位別の果樹の発育では,BoYNTON(16),DEVILL柑RS(19),CIiILDS(17), HEINICKE。BoYNTON・REtJTHER(24),HENDRICKSON・VEIHMEYER(25),TuKEY・BRASE(75・76),OsKAMP(60、61), ScIINEIDER・CHILDERS(69),小林(318536),小林・庵原・村井・林(32),寺見(74),岩崎(291,安藤・岩垣(3),木村(30). 聾沢(5),森田及びその共同研究者(45“56),その他数多くの果樹と土壌水分・酸素濃度・耐水性。耐乾性・楓下水位と 排水等の業蹟が示すように,降雨時の地下水位の過高と夏季の高湿・乾燥期における著しい土壌水分の低下が,その 発育上に最も大きな影響を及ぼし,発育の抑制乃至閏止を采Lているものと考られる.次に近時相当盛んに行なわれ つつある草生栽培及び被覆作物の栽増と土壌水分の関係では,景季間にこじ壊水分が裸地とほとんど等しいかまたはや や多い場合と,逆に.その減少を・沸す場合の両種の報償(ら7)(70≠72)が認められるが,本調査でほ梅雨明け後隠天訂が続く に従い,裸地区に.比して逐次その減少を来すことを認めた… しかしながら8月上∼中旬の最乾燥時にほ裸鞄区自体著 しい土壌水分の減少を来し 果樹の発育上に大きな障害を与えているので,被覆作物の戟特による擢樹と.の水分璃合 現象ほ,比較的短期間認められたに過ぎない。このことより男■季間にはむしろ税極的にニヒ壊水分の適切な保持を図る ことが,良好な果樹の発育上に甚だ大切であると考えられる. 現地調査の結果より当地方の傾斜地果樹園では,時に水分問題が重要事と.考え.られるので,これに関する奨験的研 究を行ない,果樹の水分生理について明らかにするところがあった.果樹の水分問題でほ,地下水位の過高等に・よる 過水の場合と,主に真率の草書の場合の二者があるが,瀬戸内海沿岸地域の忠地的特異性よりして,早番の場合の万 が一願的であり,その対策が過水の場合より容易でないこと.が多いので,主にこの点についで究明した小 各種土壌水分の下における果樹の季節的水分消費状態は,聾沢等く5)が棉・韓異について報悠している結果と同傾向 を示し,組織学的観察の結果,果樹は土壌水分檻応じた生態塾を示して発育することを認めた.而して梅雨末期まで 土嚢水分が多く多湿塾で発育した果樹が,その後夏季の乾燥期に至りより多選の水分消費を必要とするときに,著し い土壌水分の減少を系す・と,水分経済の均衡が極度に索されて,発育はその不均衡の程度にほぼ比例して抑制乃至阻 止されるものと.考えられるh即ち土盛7k分75%で発育した葡萄桝(多湿塾)を,8月中旬に25%に保持・乾燥させた 場合には,遂に.枯死を来したが,最初から土靡水分せ25%に保持Lた区では(螢燥塾),綬慢ながら発育を持統した ことより,この原因は蒸散と吸水の著しい不均掛こよるものと考えられる.従来果樹の畢署問題では主に土應水分を■ 中心にしており,水分を消費する器官の側よりする考究が比較的少ないが,蒸散と吸水の水分経済の立場から観察す ることが望ましい. 果樹の好・適土壌湿度についてほLEW‡S・WoRK。ALDRICH(43),HEINICKE・CHILDERS(2324),ScHNEIDER・ CHILDERSし瑚,小林($5),萩旺ド67),窯感・札上(67)等の報焦が認められ,概ね飽和水土壌を除いて,水分当鼠以上の士 族水分の時に,良好な発育を示しているようである小 土壌水分の表示港として見聞の立場では,比率(乾士露またほ容水盛一)による方法が多く行なわれているが,氷点 降下扶による調査結果が示すように,水分・当鼠以上の士族水分と,水分当盈一章凋係数の土壌水分の意義は,張力的 に.著しく異なるから,Capi比汀ypO七eヱ1tial(p王了はこの対数)で表現し,果樹撮群の吸水作用との関係を論ずる ことが好ましく,森調査や RICHARDS が述べるように.CapillaIy pOten七ial水分曲線は,土嚢の種類によって ある程度異なるい 筒氷点降下洪による本調査結果は,RIC王王ARDS等(63−・65)のそれとほぼ同傾向を示している“小林 は各種果樹を用い土壌水分と果樹の発育の関係を調査し,土壌水分がpF2..7附近になると,枝梢の伸長作用の衰え たことを観察している。 土壌水分と果樹各部組織の傍透庄の関係では,土歩水分が低下するに伴ない棍・枝部の鯵透圧はほぼ直線的に・上男 を示すが,集中肋の港透庄は,土嚢水分がほぼpF2.7以下に低下すると,ほとんど変化を示さない.土嚢水分pF 2い7以下の時には,其の生理機能に.大きな障害を生じて,溶透圧に変化を来さないものであろうり

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317 第11巻 通巻第29号(Ⅰ959‘) 夏季乾燥期等における士原水分の低下ほ,同時に溶液濃度の上男を来すものであり,桃について調査したところに・ よると,本調査の範囲内では,溶液濃度の上月よりも土壌水分の低下の力が,より強く発育を抑制しているい但し施 肥を誤り過増した場合には,これと逆の現象を生ずるであろうから,実際には相当複雑な関係を考慮しなければなら ない.而して琶素と加崖では同高濃度であっても,果樹の発育に認ぼす障害程度は相当に異なり,加里の場合には窒 素よりも著しく弱いようである.この点については実験に用いた肥料のSO4とNH4の濃度関係をも併せ考えねばなら ないから,今後一層の研究を要するであろう.. 果樹が水分経済に不均衡を来した場合の,果実と実の問の水分競合問題では,HoDGSON等の著干の調査が認め られるも,未だ観察の程度に止っており,詳細な調査に乏しいようである.漆調査において果契の未熟状態の場合に は仁果実申の水分が比較朗容易に薬へ移行するが,成熟期に近づくとともに・移行し難くなることを認めた一・この成熟 期に移行し難くなることほ,難層の形成と未熟期には主に果実中の水分が薬へ移行するが,成熟期には水分とともに 可溶性固形物の移行を生ずることに.よるものと考えられるい果実と葉の間の水分競合現象は,果実の未熟期と成熟期 に分けて考えた力がよく,宋熱期には主に.果実に盈的,成熱チ捌こほ盈とともに腰的な変化を来すようである・ 上述の現地諷査及び実験的研究に引続いて,適切な土壊水分の管理方汲を調査した結果,濁水盈の算出方式ほ従来 提唱されている容水畳または閻場容水温(またほ水分当盈)な・基準と.する方式よりも,孔際盈を基準にする力式の方 が実際的であると考えられる‥ また土管等による下層土への局部濯水沫は,果樹棍群の分禰範囲以下への水の透過の 危険が甚だ大きいため,浅穴またほ浅滞による渥水が経済的と思われる.. (Ⅴ) 摘 要 1954∼56年の3年間に亘り,現地調査と実験的研究粧分ち本研究を行なった. 1.当地方の傾斜地果樹園でほ,諸環境要素の季節的変化の巾,傾斜の部位に.よる地下水位と土壌含水盈の差異が 著しく,それが果樹の発育上に大きな影響を・及ぼしていた. 2..被覆作物の栽培は土壌含水盈を低下せしめ,果樹の発育を抑制したが,8月中旬の最乾燥時には,裸地区の土 壌含水量も著しい低下を元した‖ 3,果樹の水分消費盈と発育は,土袋含水盈と密接な関係を看しており,見料は土壌含水急に応じた生態型を示す ことを認めた. 4い 士族溶液濃度の←上層は,果樹の発育を抑制し,同溶液感度の場合にほ,加鼻よりも窒素がより大きな影響を与 え.た. 5… 果実中水分の葵への移行ほ,釆腰果では此較的容易に行なわれ,成熟果でほ行なわれ難かったL.成熱果では可 溶性固形物の移行を認めた∫ 6,.その他,濯水の経済的な力法についても調査を行なった. (甘) 参 考 文 献 (1)ALDRICH,WW..,WoRK,RA‥PYOC。AmeY.Soc. 究発表要旨,5¶6,(1955)い 助7f.5d,32,115−123(1935),. (8)+,果上泰治,樽谷 勝‥園芸学会昭和31年 (2)ALLM苧NDINGER,DF・,KENWORTHY,AL, 春季大会研究発表要旨,8−q9(1956)…

0vERHOLSER,EL:クγのC.Aク舶γ‥50C.月b′才.5d, (9)+,梅谷 勝,貢部 桂:園芸学会昭和31年

42,133−140(194こ3)u 秋季大会研究発表要旨,3(1956).. (3)安藤茂市,岩塩駄犬:農及囲,1l,26092621 (1(り ≠ 【 、,冊 【 :園芸学会昭和32年秋季大会研 (1936)。 究発表要旨,4(1957)い (4)浅見与七:果樹栽培汎論土壌肥料編(1951).

仙 −+

:果実冒凍,13(4),21−24(1958). (5)蟹沢正義,中川正視:香川選科大学学術報告, 昭 一 :果実日永,13(5),37−39(1958). 6(3).260−272(1955),. 8瑚 ∴:果実臥本,13(6),13・■・・17(1958).. (6)+,樽谷 勝‥園芸学会閻和30年春季大会研 (1粛 BAVER,L D.:SoilPhysics (1948)。 究発表要旨,5(1955)い 8勾 BAりER,L甘:戸棚..A雛卯.5∂C」助γ≠..5cZ‖,30, (7) :園芸学会昭和30年秋季大会研 98−101(1934)

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香川大学農学部学術報賃 318 個 BoYNTON,D…:Pγ〃C‖A∽β7..5〃C小月b7f.5c言..,37, 19−27 (1940) αⅥ CHIL,DS,W\H:Pγ〃C.A椚即..5βCい月bγ≠.5c吉.., 38,179−180 (1941). け8)CuLLINAN、E P:P′(Y.右裾′ 5(疋 肋タメ 5(、J. 29,28−33 (’1933). 凋DEVILいERS,,丁.Ⅰ:A佃∴A仰臥5加∴甜刑.5d., 36,86 (1939) 伽)F宜↓川GER,GA:アγOCいA研β㌢..5〃Cい肋γ≠5cZリ 38,305−310 (1941). C21)GARDNER,FE,BRADFORD,FC。,HooKER, HD:Fundamentals of Fruit Production(1939)

但2)HARRIS,GA:PYOC,.AmeY。Soc.HoYt..Sci‖, 23,(1926):414422(1927). 臣劫 HEINICXE,Aい.J,CHILDER,NF:クγOCA棚タ 5♂C.助わ=5cf.,33,155(1936) 銅)∴,βoYNTON,D.,R古口TIIER,Ⅵ7…:アブ〆 A研卯.5〃C.月b7≠.5c戎..,37,4752,(1940) C5)HENDRICKSON,A H”,VEIHMEYER,FJ:PYOC A桝βγ.5¢C.助ク≠.5c言,,48,43−4フ(1946). ご6、___.___‖,_▼__▼ :P′〝 一心〃こ丁Sα∴ 助JJ 5d.,55,110(1950). 銅 平林俊一・:園芸学研究集録(第3輯),213 218 (。1946) (28)板倉 勉:園芸学会†同和26年春季大会研究発表要旨 (−1951). (2瑚:岩崎良雄:柑橘研究,9:49(1939) 錮 木村光雄‥西京大学学術報告,3(1952) 鮒 小林 茸‥園芸学会雑誌,16 (3,4),172180 (1947.) ¢幻 ∵,庵原 遜,村井郭ニ,杯 莫ニ‥園芸学 研究集腰,4,127−137(1949) (3劫、 +++ ・林莫ニ・塚原 勉:園芸学研究集銀 5,6164(1951). (3亜++Ⅵ:新園芸別刷落莫果樹,19−25(1951) 錮 ∴:果樹園芸総論(1956). ㈹ ト‥果樹の栄養塵理(1958) (37)KRAMER,P“J.‥PlantandSoilWaterRelation− sbipsNew Yo沌・(1949). β8)恩上泰治,茸沢正義,森正義,斉藤英,曾我部暫, 金辺正:香川選科大学学術報告 5,(1),7993 (1953) :替川顔料大学学術都債,5(3), :206 217(1954). :香川農科大学学術報告,6(1), −,樽谷 勝:園芸学会雑誌,23 105120(1954). (3),1:37151(1954) 鵬ト LEWIS,MR,WoRK,RA,ALI)RICH,W.W 且k如且わざ査∂J.,10,309(19こ35) (44)三輪息珍‥園芸学研究葉蘭,3,82 97(1946) ㈹ 森田義澄,石原正義:園芸学会雑誌,け(1,2), 92 99(1948) ㈹ _,+ :園芸学会難詰,17(3,4‘), 188194(1948). 帥 +,−__:園芸学会雑誌,19(1), 13−22(1950)〟 ㈹+,㌧:園芸学会雑誌,19(2), 134−142(19SO)小 舶)+,米山第一・:園芸学会雑誌,18(3,4■), 155−165(1949) (5ぴ _+,∼−:園芸学会雑誌,19(3,4), 185−194(1950) 飢)_ 】 ,一 触芦・ 188194(1951) (52) コ _:園芸学会雑誌,20(2), r − ・西田光夫・小熊英一・:園芸学 会雑誌 20(3,4)153165(1951) (5劫 _叫,小男英一・‥園芸学会雑誌,20(1), 11−18(1951). (誠 一+,西田光夫‥園芸学会雑誌,20(3,4一), 137−150(1951). 錮 +,∵‥園芸学会雑誌,21(4), 209 215,(1952) (56)+,∵:園芸学会#託,22(1), 6−8(1953) 醐 +‥果樹の植生と肥培 昭31‖6..ノ (58)NIGHTINGALE,G”T,BLAKE,M”A‥NJeY 且ゆS紘β〟Jい566(19こ34) r59)太田 旗=林業試験場研究戟賃,59,85▲98, (1953) 即)OsKAMP,.J.:タグ0CいAク〃βタ..50C」月b7≠‥5cg.リ 23, 269277(1927)

佑1)∴

:クγ〆.Aクタ好,..ざα」月bγg..ぶdリ 30, 410−414(19封) 162)PICXET↑∴W..F.:助乃一S..5紘且ゆ 7セcカい β〝J _I I :香川農科大学学術報告,5(2), 144−158(1953)

(18)

第11号 通巻第29・琴(1959) 42(1937) 175−180(1952) 佑3)RICHARDS,LA..,NEAL, 0。R:SoilSciSoc.. 粁2)レ, 319 相馬盈堆,江漢達男‥園芸学 会雑誌,21(4),225 235(1953) 仔3)玉井犀太郎,窄隈台‥麒及園,18(2),155一一161 (1943) 醐寺眉広雄:園芸学研究集録,3.98108(1946) 仔5)TuKEY,HB,BRASE,KD:PYOC.AmeY‥Soc 月〃γg・ぶcZ・.36,1827(1939). (76)仁,畑 :タ和軋.血微升目 5加」」彷如 5d.,37,305 310(1940) (77)VEIHMEYER,F“J,HENDRICKSON,A H: タgα乃fタカ叩Z∂J・,2,7182(1927) A仰γ..アγ〃C,1,7191(1936) (64)−_,GARDNER,Ⅵ7:./‖A∽♂γ.5〃C.Agタ♂乃., 28,352−358(1936) (65)㍉,WEAVER,LR‥Soil”Sci,56,33l, (’1943)

佑6)RussELL,E”J:SoilCondition$ and Plant g工・OWt‡l(1950) (67)定盛昌助,村上兵衛‥園芸学会雑誌,2】(2), 107−112(1952) (68)坂村 徹:植物細胞珍透生理(1952) 佑9)ScHNEIDER,G”W,CHILDERS,NF:Plant 仔8)←,∴:P′OC.AmeY。Soc.Ho′i.Sci... タカ.γ・SわJ・・,16 ぐ二3),565 583(1941.). 55,1115(1950) ㈹渋川潤一㌧福鳥住雄:園芸学会摺和27年春季大会研 ㈹ WILSON,.JD:Pk融.巧妙Sわgハ,l,:385 究発表要旨(1952) (1927) 仔1)∴,細月節男:園芸学会雑菰,20(3,4), R畠s u m畠

Some ecologicalobseTVations and experiments were made on sわping college farms,bothlocated at Omiya andIdo,from1954to56.The results were summaTized as follows:

1.Among many SeaSOnalchanges of environTr)entalfactors,the variations of depth of ground water and water cont,ents of soil by the position of slopes were mo;t prominent They gave great influence

upon rate of fruit tree growtb

2.Introduc七ion of cover crops to the orchard decreases water co二1tent Of soils and thus depresses 蝕uit tree gTOWthWater con七ent o壬soilsincleancultivatedoIChaでd,hoⅣeVer,alsopIeSentCOnSpicuous depression of water content of soil in the middle of August

3。There are clo;e relation between water consumption of fruit trees and water content of orchard soils,and some ecologicaltypes of fruit trees were produced according to the water content of soils 4,.The rise of concentration of nutIitionsinsoils;01ution depresses fruit tree growth andin case of

some concentration,nitrogen gave greatinfluence on growth thanpotassium did

5い The translocation of water fromleaves to fruits was much ea$ierin case of young fruit,but rathe工diificultin case of mature huit Translocation of soluble solids fIOmleaves to fruits was

observedin mature fru盲ts

参照

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