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3 活動の特徴 (1) 活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント 昔話や昔遊びによる回想法を取り入れた講座開催の工夫被災後一年目は 津波被害の精神的な衝撃が残る中 仮設住宅を訪問して講座を開催しても 講座の後のお茶会では 被災者の生活環境への不満や将来の不安を聴くことが多い状況にあった 次

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Academic year: 2021

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No.4

1 団体の概要 大船渡市立図書館主催の読書ボランティア養成講座(平成 15 年開催)の参加者が、講座終了後 に学んだことを社会に活かしたいと考え、平成 15 年7月1日に8名の有志で設立した読書ボラン ティア団体。読み聞かせを通じて本の面白さを知ってもらい、本好き・読書好きを増やし、子ども たちの豊かな人格形成を図ることを目的として活動している。 活動開始年度 平成 15 年度 NPO法人設立年度 - 主な活動分野 子どもの健全育成/社会教育/学術・文化・芸術・スポーツ 所在地 岩手県大船渡市盛町字舘下4-3-7 電話 0192-47-3931 FAX 0192-47-3931 E-mail [email protected] URL(ブログ) http://ohanashikororin.blog.fc2.com/ 代表者 江刺 由紀子 会員数 32 名 スタッフ数 34 名(内有給常勤2名、有給非常勤8名、無給スタッフ 24 名) 事業規模 15,527 千円(平成 25 年度) 2 活動内容 東日本大震災以前から地域の読書推進を目的として、大船渡市内での月 30 回の読み聞かせをは じめ、“地元民話の手づくり紙芝居”や“絵本作家による講演”、地元のコミュニティFMラジオ局 での“物語の朗読”などを行っている。 東日本大震災を境に、新たに仮設住宅等で被災者を対象に、絵本・紙芝居の「読み聞かせ講座お 茶会(“やってみっぺし読み聞かせ”)を開催し、被災者の心のケアを行うとともに、被災者自らが 子供たちに読み聞かせを行う活動を展開し、被災者の活躍の場(社会貢献)や生きがいの場づくり を行っている。また、“移動こども図書館”や、子どもの自主性を育むための“カンボジアの子ど もに絵本をおくる”活動にも取り組んでいる。 平成 26 年度の活動では、隣接する陸前高田市の社会福 祉協議会から読み聞かせに来てほしいとの要望があった ことから、活動地域が大船渡市以外にも広がりを見せて いる。 また、スタッフに対しては、読み聞かせ勉強会や朗読勉 強会など読み聞かせに必要な技術力を高めることを目的 とした勉強会や、会計講習や、パソコン講習などの外部研 修を行うなど、人材育成に努めている。

読書ボランティアおはなしころりん(岩手県大船渡市)

あらゆる年代の人が読み聞かせで笑顔になり元気がわいてくる活動や、気持ちを分かち合

うことで、地域の子どもや住民がつながっていく活動を実践

やってみっぺし読み聞かせ(平成 24 年度新しい公共支援事業) やってみっぺし読み聞かせ(平成 25・26 年度 NPO 等の運営力強化を通じた復興支援事業) 陸前高田市での読み聞かせ風景 (竹駒町の細根沢地域コミュニティセンター 平成 26 年 12 月)

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3 活動の特徴 (1)活動の中で見られた工夫や活動が上手く進んだポイント ●昔話や昔遊びによる回想法を取り入れた講座開催の工夫 被災後一年目は、津波被害の精神的な衝撃が残る中、仮設住宅を訪問して講座を開催しても、 講座の後のお茶会では、被災者の生活環境への不満や将来の不安を聴くことが多い状況にあった。 次年度から、活動の本来の目的である読み聞かせを通して交流の場の創出をねらうとともに、参 加者がお手玉遊びを楽しんだり、昔の生活用品の思い出話をしたりすることで心安らげる場とな ることを目指し、昔話や昔遊びを題材として提供することとした。 このことにより、昔話や民話を題材にすることで物語りの面白さに関心を持っていただき、次 に絵本や読書に興味を持っていただくという現在の講座の原型が構築された。 ●読書ボランティアへの関心を高めるプログラム構成 読み聞かせ巡回講座“やってみっぺし読み聞かせ”は、仮設住宅やその周辺住民を対象とした 読み聞かせの技術を学ぶための講座として1箇所当たり3回のシリーズで実施している。講座の 1回目は絵本や紙芝居の多様性を学びながら昔話の持つ意味を考え、民話を楽しんでいただく。 2回目は実際に絵本や紙芝居を読んでみるための滑舌練習を行ったあと、絵本等の読み方を練習 する。3回目は地元の子どもたちを対象に、受講生が絵本等の読み聞かせに挑戦する場を提供す るプログラムとなっている。受講者の中で希望する方には図書館に来ていただき、一般対象のお はなし会に挑戦する機会も設けており、被災後の社会貢献活動としての読書ボランティアへの関 心を高めることにつながっている。 ●地域住民を巻き込んだ活動の展開 読み聞かせに用いる紙芝居については、 地元の方からその地域に残る民話を聞き 取るとともに、地元の高校生に紙芝居の作 成の依頼を行う等、地域の様々な立場の 方々を巻き込むように工夫を図っている。 読み聞かせ講座お茶会のチラシ

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●読み聞かせの技術力を向上させることでスタッフのみで講座開催が可能に 以前は、団体代表が読み聞かせ講座「やってみっぺし読み聞かせ」を主導し、スタッフはサポ ートする形での開催であった。 スタッフの技術力強化を図るため、読み聞かせ勉強会や朗読勉強会、絵本講習会、読書ボラン ティア養成講座などの勉強会や研修会等をスタッフに受講してもらったところ、平成 26 年度の読 み聞かせ講座では、一巡目までは団体代表主導で開催したものの、二巡目以降はスタッフのみで 講座を開催することができるようになった。 このように、団体代表とスタッフのそれぞれで講座を開催することが可能となったことにより、 作業の効率化が図られている。 ●長いスパンでスタッフを育成 当団体の活動においては、活動に対する理解と賛同が必要であるため、スタッフとの信頼関係 に重きを置いており、スタッフの確保においても、知人からの紹介を中心に行うこととした。 スタッフの採用にあたり応募者のスキルは求めていないため、パソコン操作などスキルアップ のための研修に参加させ、長いスパンで育成していく方針としている。 また、活動の形態から1日数時間単位での就労が可能であるため、子育て中や両親の介護中の 空いた時間に活動を手伝ってくれるスタッフがおり、スタッフの確保には苦労していない。 ●マスコミの取材は断らない(情報発信) ポスター、チラシ、ブログなど、費用のあまりかからない方法で情報発信に取り組んでいるが、 まだまだ発信力が弱い状況にある。講演会や研修会を通じた情報発信や口コミだけではなく、今 後はホームページの立ち上げやSNSの活用などを計画している。 その他、地元新聞に記事に取り上げてもらうなど、マスコミからの取材申し入れがあれば全て 受けるようにしている。平成 26 年3月に放送されたNHKラジオ深夜便では、2日間連続で4 時台のコーナー「明日への言葉」に団体代表のインタビューが取り上げられ、大きな反響があっ た。 (2)成長プロセスにおける特徴 事業実施前 事業実施中 ~平成 24 年 3 月 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 15 年 7 月市立大船 渡図書館主催の読書ボ ランティア講座受講者 20 名の中から、有志 8 名で読書ボランティア 団体を設立。 社会貢献の一環とし て、子ども達への読み 聞かせ活動を開始。 東日本大震災直後は避 難所で読み聞かせを行 った。 新しい公共支援事業 で、「やってみっぺし 読み聞かせ」を実施。 「やってみっぺし読み 聞かせ 2013」実施。 外部研修を受講したス タッフの2名が簿記3 級に合格。 「やってみっぺし読 み聞かせ 2014」実施。 陸前高田市でも読み 聞 か せ の 要 望 が あ り、活動範囲が拡大。 会計ソフトを導入す るとともに、外部機 関の支援を得て本格 的にパソコンによる 会 計 業 務 に 移 行 し た。

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(3)事業実施の各段階における関係主体との関連 関係主体との関連 実 施 前 ( ~ 平 成

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度 ) 実 施 中 ( 平 成

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4 活動の成果 ◎“読み聞かせ”により、地域のコミュニティ再生に寄与 被災者が、社会貢献活動として、自ら“読み聞かせ”を行うことで、“ありがとう”を言う立場 から言われる立場に変わることが、被災者の自立につながるとともに、講座に仮設住宅居住者が集 まって交流を行うことが被災によって失われた地域のコミュニティの創出・再生に寄与している。 絵本作家との交流事業 地元民話の紙芝居制作 大船渡市(図書館・教育委員会) 子育て支援団体 読書ボランティア おはなしころりん 子どもゆめ基金 岩手ボランティア育成会 子ども・保護者・高齢者 連携・支援・協力 協力 協力 読書推進活動 (読み聞かせ) 補助事業 ラジオでの朗読番組 内部勉強会ファシリテート 絵本作家との交流事業 団体代表研修 地元民話の紙芝居制作 支援など 復興支援事業 (移動図書館) 東日本大震災復興支援財団 善光寺出開帳両国回向院 伊藤忠記念財団 大船渡市市民活動支援事業 倫理研究所 復興支援事業 (カンボジアへの国際協力) シャンティ国際ボランティア会 伊藤忠記念財団 岩手県 岩手大学 共生地域創造財団 子どもゆめ基金 防災市民メディア推進協議会 岩手ボランティア育成会 カンボジアの子ども達 県内・他被災地域読書関連団体 ソフトバンク・中央共同募金会 読書ボランティア おはなしころりん 大船渡市(図書館・教育委員会) 大船渡市社会福祉協議会 いわて生協 子育て支援団体 読書活動の推進事業 復興支援事業 (読み聞かせ講座お茶会) 子ども・保護者・高齢者 (仮設・災害公営住宅) 読書推進活動 (読み聞かせ) 連携・支援・協力 連携・協力 報告・支援 支援 研修参加 支援 読み聞かせ講座お茶会開催 (やってみっぺし読み聞かせ) 支援・連携 支援・連携 移動 図書館 国際協力 支援 国際協力 支援 国際協力 支援

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◎団体スタッフが読み聞かせ技術や実務の勉強会・研修会に参加し、2名が簿記3級合格 団体としての運営能力向上及び自立的・長期的な活動の展開に向けて人材育成(読み聞かせ技術、 会計、パソコン)や資金調達(寄附募集)に係わる勉強会・講習会等を積極的に実施。実施した講 座例は以下の通り。 平成 25 年度:①読み聞かせ勉強会 17 回、②朗読勉強会 18 回、③絵本についての講習会3回、 ④読み聞かせ講習会3回、⑤読書ボランティア養成講座1回、⑥傾聴講習3回、 ⑦簿記講習 16 回、⑧会計講習3回、⑨PC講習3回 平成 26 年度(回数は年度末までの予定回数): ①読み聞かせ勉強会 18 回、②朗読勉強会 20 回、③絵本についての講習会2回、 ④ストーリーテリング講習会6回、⑤わらべうた講習会2回、⑥ボイストレーニ ング講習1回、⑦文学講習1回、⑧読書ボランティア養成講座2回、⑨傾聴講習 2回、⑩会計講習5回、⑪PC講習5回 この結果、簿記講習や会計講習会に参加したスタッフ2名が簿記3級に合格するなど成果をあげ ている。また、平成 26 年度からは平成 25 年度事業の成果報告会でネットワークが形成された県内 のNPO法人NPOシニアパワーいわてと連携し、会計ソフトを導入した実務会計業務の講習を行

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い、本格的にパソコンによる会計業務を開始するなど人材育成に加え、他団体とのネットワーク強 化も図られている。また、NPOシニアパワーいわてとは、講習会とは別に実践的な会計指導の業 務契約を交わしている。 ◎活動範囲の拡大 これまで活動エリアを大船渡市に限定して取り組んでいたが、陸前高田市の社会福祉協議会や生 協から活動を評価され、平成 26 年度から陸前高田市で読み聞かせ講座を開催することとなった。 陸前高田市の仮設住宅では3回、仮設住宅以外では5回の読み聞かせ講座を開催し、合わせて 137 名(平成 27 年2月 10 日時点)の住民が参加した。 陸前高田市での活動は平成 27 年度も回数が増える見込みであり、活動範囲も拡大する可能性が 出てきている。 また、現在活動の中心である大船渡市では被災者の災害公営住宅への転居が進んでおり、今後は 仮設住宅に加え、災害公営住宅においても積極的に活動を実施していく方針である。 <事業を通じて得た定量的な成果> 事業を通じた成果 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 (2 月 10 日時点) 累計 読み聞かせ実践 用絵本の配布 0冊 560 冊 344 冊 418 冊 1,322 冊 読 み聞 かせ 講座 お茶会参加者 0人 1,104 人 1,230 人 965 人 3,299 人 読 み聞 かせ 講座 お茶会開催数 0回 86 回 84 回 78 回 250 回 5.活動の継続に向けた課題と今後の展望 ◎沿岸被災地域の読書ボランティア団体によるネットワーク構想 現在は、地元大船渡市と陸前高田市において活動を行っているが、全国には読書関連のボランテ ィア団体やNPOなどが多数存在することから、今後は読み聞かせ講座お茶会をプログラム化し、 モデル事業としてそうした団体と連携を図りながら、被災地域の読者ボランティア団体のネットワ ーク構築や活動支援を行っていくことを検討している。 今後3年後を目途にそれらのネットワークを完成させるとともに、5年後を目途に各団体がそれ ぞれの被災地域(例えば豪雨災害の広島など)で自立して読み聞かせ講座お茶会を開催することが できれば各被災地域の交流支援につながるものと考えている。 また、移動図書館については、平成 27 年度は委託事業として取り組む方向性が見えてきている。 ◎NPO法人への移行 NPO法人への移行を含め、今後は、事業委託や助成金のみに頼るのではなく、寄附金を集める ことにも力を入れていくこととしている。現在賛助会員を制度化し、賛同していただける方から地 域の復興に係る社会貢献を目的に年間費をいただくことに着手し始めた。また、企業との連携も模 索している。

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