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配偶者がいる人の一次相続と二次相続のデータ 被相続人に配偶者がいる一次相続と 配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います 配偶者の税額軽減は その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが 次の二次相続では想定外の相続税が発生することがあります 配偶者がいる

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■ ■ 配偶配偶者者ががいいるる人人のの一一次次相相続続とと二二次次相相続続 の相の相続続税税シシミミュュレレーーシショョンン 相続税は、遺言または遺産分割協議による相続人への相続財産の分割により税額が大きく変動する税金です。 これは、節税効果の大きい小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減の適用により、相続税が0 円から数百万円ま で大きく増減するからです。 このうち配偶者の税額軽減は、配偶者が取得する相続財産が1 億 6 千万円まで、1 億 6 千万円を超えると配偶者 の法定相続分まで相続税が課税されません。このため、配偶者のいる相続税の計算では、配偶者の相続財産の取 得を多くすると節税効果も大きくなります。 ところが相続で難しいのは、配偶者がいる一次相続では配偶者の税額軽減を使いすぎてはいけないことです。 これは一次相続で配偶者が取得した財産は、配偶者が死亡したときの二次相続では再び相続財産になってしまう からです。特に被相続人の課税される相続財産が1 億 6 千万円以下の場合は、一次相続で配偶者がすべての財産 を取得すると相続税は0 円になります。しかし配偶者が死亡した二次相続では想定外の相続税を納めることにな ります。 ここでは、被相続人に配偶者がいる一次相続と、その配偶者が死亡した二次相続の相続税シミュレーションを します。 配偶者がいる一次相続では、配偶者に財産を多く配分して相続税を少なくしてから二次相続で多く納付するのか、 それとも一次相続で子供に財産を多く配分して相続税を多くしてから二次相続で少なく納付したほうが有利な のかを試算することになります。 一次相続では、配偶者が取得した自宅の土地はほぼ無条件で小規模宅地等の特例が適用できますが、配偶者の 税額軽減のために相続税が0 円になるとこの特例の効果はありません。 さらに、二次相続で配偶者と子供が別居のためにこの特例が適用できなければ、節税効果の大きい特例が全く利 用されないことになります。 相続税シミュレーションのポイントは、一次相続において次の二次相続までを考慮してなるべく相続税の負担が 少なくなるように小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を上手く利用することです。 ただし配偶者に固有の財産がある場合や、多額の資産を保有する富裕層の場合は、配偶者が財産を取得せずに 子供に相続させるか孫に遺贈するほうが相続税の負担が少なくなることがあります。 この場合も小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減を組み合わせて、一次相続と二次相続において相続人が取得 する財産をシミュレーションすることが重要になります。 また配偶者がいる一次相続から配偶者がいない二次相続までの期間が 10 年以内の場合は、一次相続の相続税 を二次相続で差し引くことのできる相次相続控除の適用があります。 この相次相続控除の計算はかなり複雑になりますので、お近くの税務署または税務相談室で相談してください。 ■ ■ 「路「路線線価価計計算算表表ソソフフトト」」とと「「相相続続税税試試算算表表ソソフフトト」」のの注注意意事事項項 「相続税試算表ソフト」は、相続人と法定相続分、相続財産と債務・葬式費用、相続税の税額控除のデータから 相続税を試算します。 「相続税試算表ソフト」には、税務署の「相続税の申告のしかた(平成26 年分)」のデータがサンプルとして入 力してあります。税務署の手引きからデータの入力方法を確認した後に、新規にデータ入力する場合は[データ の削除]ボタンよりサンプルデータを削除してください。 「路線価計算表ソフト」は不整形地、無道路地や広大地など評価方法が複雑で評価額の減額が大きい土地の計算 には対応していません。 「相続税試算表ソフト」は小規模宅地等の特例を適用できる相続人の判定や、配偶者の税額軽減を最も有利に適 用しているかの判定はできません。 このため実際の財産評価と相続税申告書の作成では、公認会計士や税理士などの税務の専門家や税務署の税務相 談室で相談してください。 「路線価計算表ソフト」と「相続税試算表ソフト」は、税制改正による財産評価と相続税の計算誤りを防ぐため に有効期限が設定してあります。 平成27 年版ファイルの有効期限は平成 28 年 12 月 31 日になっていますので、有効期限の経過後はこのソフト の使用はできません。 このソフトは、この本の内容に対応して平成27 年版を公開していますが、平成 28 年以降のソフトの利用とファ イルのダウンロードを保証するものではありません。

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■ ■ 配偶配偶者者ががいいるる人人のの一一次次相相続続とと二二次次相相続続ののデデーータタ 被相続人に配偶者がいる一次相続と、配偶者がいない二次相続の相続税シミュレーションを行います。配偶者 の税額軽減は、その節税効果が大きいために一次相続で相続税を大幅に減額することができますが、次の二次相 続では想定外の相続税が発生することがあります。 配偶者がいる人の一次相続と二次相続では、配偶者にバランス良く財産を配分することが必要になります。 ■ 被相続人と相続人、相続財産、債務と葬式費用のデータ ○ 一次相続の法定相続人のデータ 被相続人 佐藤太郎 夫 法定相続人 佐藤花子 妻 同居 法定相続分 2 分の 1 佐藤一郎 長男 同居 法定相続分 4 分の 1 佐藤二郎 次男 別居(持家) 法定相続分 4 分の 1 法定相続人以外に遺言による遺贈で財産を取得する人はいません。 法定相続人には、未成年者と障害者の人はいません。 次男は別居で、自宅を購入して住んでいます。 ○ 一次相続の相続財産と債務・葬式費用のデータ 財産と債務 細目・価額 評価額 相続する人 土地 自宅の宅地 200 ㎡ 未使用の宅地 300 ㎡ 路線価は1 ㎡当たり 400,000 円 路線価は1 ㎡当たり 400,000 円 長男 妻または妻と子供で共有 家屋 自宅の家屋 165 ㎡ 固定資産税評価額10,000,000 円 妻 有価証券 株式 T自動車 5,000,000 円 株式 S鉄道 5,000,000 円 現在の株価より 妻 次男 現金・預貯金 現金 1,000,000 円 定期 M銀行 15,000,000 円 定期 J信金 10,000,000 円 現在の定期預金残高 (解約利息は加算なし) 妻 妻 10,000,000 円 長男 5,000,000 円 長男 5,000,000 円 次男 5,000,000 円 家庭用財産 家財一式 1,000,000 円 書画や貴金属なし 妻 葬式費用 葬儀費用 1,000,000 円 葬儀費用は推測による 妻 配偶者と子供に3年以内に贈与された暦年課税の贈与財産はありません。 子供と孫に相続時精算課税を選択している人はいません。 ○ 二次相続の法定相続人のデータ 被相続人 佐藤花子 母 法定相続人 佐藤一郎 長男 同居 法定相続分 2 分の 1 佐藤二郎 次男 別居(持家) 法定相続分 2 分の 1 ○ 二次相続の相続財産と債務・葬式費用のデータ 財産と債務 細目・価額 評価額 相続する人 土地 未使用の宅地 300 ㎡ 路線価は1 ㎡当たり 400,000 円 長男と次男で共有 家屋 自宅の家屋 165 ㎡ 固定資産税評価額10,000,000 円 長男 有価証券 株式 T自動車 5,000,000 円 現在の株価より 次男 現金・預貯金 現金 1,000,000 円 定期 M銀行 10,000,000 円 現在の定期預金残高 (解約利息は加算なし) 長男 長男 5,000,000 円 次男 5,000,000 円 家庭用財産 家財一式 1,000,000 円 書画や貴金属なし 長男 葬式費用 葬儀費用 1,000,000 円 葬儀費用は推測による 長男 夫の死亡から妻の死亡までは10 年以上のため相次相続控除の適用はありません。

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■ ■ 路線路線価価計計算算表表ソソフフトトでで土土地地のの評評価価明明細細書書をを作作成成すするる ○ 自宅の土地の路線価による評価額の計算 自宅の土地の路線価の1 ㎡当たりの評価額を国税庁ホームページで調べてから、路線価方式による土地の評価額 の計算をします。 地区区分 普通商業・併用住宅 面積 10m×20m=200 ㎡ 評価額 400,000 円(路線価)× 1.00(奥行価格補正 率)=400,000 円 400,000 円×200 ㎡=80,000,000 円 ○ 路線価計算表ソフトへのデータ入力 ▼ 路線価のデータを入力 (「地目・路線価等のデータ」タブより) ・「地目」は▽ボタンのリストから「宅地」を選択し ます。 ・「地籍」に「200.00」と入力します。 ・「路線価の正面」に「400,000」と入力します。 ・「間口距離」に「10.00」と入力します。 ・「奥行距離」に「20.00」と入力します。 ・「利用区分」は▽ボタンのリストから「自用地」を 選択します。 ・「地区区分」は▽ボタンのリストから「普通商業・ 併用住宅地区」を選択します。 ▼ 自用地の評価額の計算 (「自用地1 ㎡当たりの価額」タブより) この入力画面から、所有している土地の路線価データ から自用地としての評価額を自動計算します。 ・一路線に面する土地の1 ㎡当たりの自用地の評価額 に「400,000」と表示されます ・自用地の評価額に面積を乗じて自動計算された金額 の「80,000,000」が表示されます。 間口 10m 奥行20m 400C

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○ 土地及び土地の上に存する権利の評価明細書(第1表) 「路線価計算表」ソフトのメインメニューの「明細書の表示」ボタンから「土地及び土地の上に存する権利の 評価明細書」の表示用シートに移動できます。 「路線価計算表」ソフトのメインメニューの「明細書の印刷」ボタンから、被相続人が所有する土地ごとに「土 地及び土地の上に存する権利の評価明細書」印刷します。 表示用シートからは「表示終了」ボタンでメインメニューに戻ることができます。 「路線価計算表ソフト」は複数の土地を同時に管理することができないので、相続税シミュレーションの前に所 有する土地ごとに路線価データを入力してから「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」を印刷しておき ます。

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○ 未使用の宅地の路線価による評価額の計算 未使用の宅地の路線価の1 ㎡当たりの評価額を国税庁ホームページで調べてから、路線価方式による土地の評価 額の計算をします。 地区区分 普通住宅 面積 15m×20m=300 ㎡ 評価額 400,000 円(路線価)× 1.00(奥行価格補正 率)=400,000 円 400,000 円×300 ㎡=120,000,000 円 ○ 路線価計算表ソフトへのデータ入力 ▼ 路線価のデータを入力 (「地目・路線価等のデータ」タブより) ・「地目」は▽ボタンのリストから「宅地」を選択し ます。 ・「地籍」に「300.00」と入力します。 ・「路線価の正面」に「400,000」と入力します。 ・「間口距離」に「15.00」と入力します。 ・「奥行距離」に「20.00」と入力します。 ・「利用区分」は▽ボタンのリストから「自用地」を 選択します。 ・「地区区分」は▽ボタンのリストから「普通住宅地 区」を選択します。 ▼ 自用地の評価額の計算 (「自用地1 ㎡当たりの価額」タブより) この入力画面から、所有している土地の路線価データ から自用地としての評価額を自動計算します。 ・一路線に面する土地の1 ㎡当たりの自用地の評価額 に「400,000」と表示されます ・自用地の評価額に面積を乗じて自動計算された金額 の「120,000,000」が表示されます。 400C 奥行20m 間口15m

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○ 土地及び土地の上に存する権利の評価明細書(第1表) 「路線価計算表」ソフトのメインメニューの「明細書の表示」ボタンから「土地及び土地の上に存する権利の 評価明細書」の表示用シートに移動できます。 「路線価計算表」ソフトのメインメニューの「明細書の印刷」ボタンから、被相続人が所有する土地ごとに「土 地及び土地の上に存する権利の評価明細書」印刷します。 表示用シートからは「表示終了」ボタンでメインメニューに戻ることができます。

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■ ■ 配偶配偶者者がが土土地地ををすすべべてて取取得得ししたた場場合合のの一一次次相相続続 この計算例では、配偶者が自宅の土地を取得と未使用の土地のすべてを取得した場合の、一次相続と二次相続 の相続税シミュレーションを行います。 この結果、一次相続では子供が支払う相続税が減少しますが、二次相続では相続税が増加しますので、一次相続 と二次相続を合計した相続税は増加することになります。 ■ 被相続人と相続人および法定相続分データの入力 被相続人のデータを入力します。 (「被相続人データ」タブより) 被相続人(死亡した人)の氏名、 フリガナ、生年月日、年齢、住所、 職業を入力します。 相続人のデータを入力します。 (「相続人氏名データ」タブより) 法定相続人や遺贈を受けた人の氏 名、フリガナ、生年月日、年齢、 郵便番号、住所、電話番号、職業 などを入力します。(フリガナや生 年月日、郵便番号と住所の入力は 省略できます) 法定相続分のデータを入力します。 (「法定相続分データ」タブより) 法定相続人の氏名から法定相続分 のデータを入力します。 各相続人の氏名が表示されるので 配偶者は1/2、長男は 1/4、次男は 1/4 と入力します。 各相続人の法定相続分の合計は 1 になります。

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○ 配偶者がいる一次相続 長男が自宅の土地を取得して配偶者が未使用の土地をすべて取得した場合の相続税の計算をします。 長男が取得した自宅の土地へは小規模宅地等の特例を適用します。配偶者が自宅の土地を取得して小規模宅地等 の特例を適用しても税額軽減により相続税が課税されませんので、この特例は実質的な効果はなくなります。 ■ 土地・土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータ を入力します。(「土地・土地の権 利」タブより) 400,000 円 × 200 ㎡ = 80,000,000 円 400,000 円 × 300 ㎡ = 120,000,000 円 自宅の土地は最大330 ㎡まで小規模宅地等の特例を適用できます。(平成 27 年 1 月以後) 400,000 円 × 200 ㎡ = 80,000,000 円 80,000,000 円 -(80,000,000 円 × 0.8)= 16,000,000 円 取得した相続人と相続税評価額の データを入力します。(「相続税評 価額」タブより) 長男が取得した自宅の土地の評価 額16,000,000 円(小規模宅地等の 特例の適用後の金額)と、 妻 が 取 得 し た 未 使 用 の 宅 地 の 120,000,000 円を、「土地・土地 の権利の明細書」の相続税評価額 の長男と配偶者欄に入力します。

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■ 家屋・構築物の明細書データの入力 家屋の明細と時価評価額のデータ を入力します。(「家屋・構築物」 タブより) 取得した相続人と相続税評価額の データを入力します。(「相続税評 価額」タブより) 配偶者の氏名と所在地の欄に相続 税評価額の「10,000,000」を入力 します ■ 有価証券・債権の明細書データの入力 有価証券の明細と時価評価額のデ ータを入力します。(「有価証券・ 債権」タブより) 取得した相続人と相続税評価額の データを入力します。(「相続税評 価額」タブより) 配偶者と株式の欄に「5,000,000」 と入力します。 次男の株式の欄に「5,000,000」と 入力します。

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■ 現金・預貯金等の明細書データの入力 現金や普通預金、定期預金、定期 積金などの預金残高のデータを入 力します。 「預貯金区分」は▽ボタンのリス トから現金または定期預金を選択 します。 ■ 事業用財産・家庭用財産の明細書データの入力 事業用の機械や商品などの事業用 財産、家庭用の財産のデータを入 力します。 配 偶 者 と 家 庭 用 財 産 等 の 欄 に 「1,000,000」を入力します。 ■ 債務・葬式費用の明細書データの入力 金融機関からの借入金、税金や医 療費の未払金、不動産賃貸業の敷 金などのデータを入力します。

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○「第15 表 相続財産の種類別価額表」 STEP1 相続税の課税価格の計算 相続税の遺産総額の合計額は 18,300 万円になります。 配偶者 相続財産は土地12,000 万円、家屋 1,000 万円、株式 500 万円、預貯金 1,100 万円、家庭用財産 100 万 円 = 14,700 万円 長男 相続財産は土地1,600 万円、預貯金 1,000 万円 = 2,600 万円 次男 相続財産は株式500 万円、預貯金 500 万円 = 1,000 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます。 配偶者 14,700 万円 - 葬式費用 100 万円 = 14,600 万円 課税価格の合計額の18,200 万円の内訳は、配偶者は 14,600 万円、長男は 2,600 万円、次男は 1,000 万円になり ます。

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○「第2表 相続税の総額の計算書」 STEP2 相続税の総額の計算 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円×3(法定相続人の数)= 4,800 万円 相続税の課税遺産総額 課税価格の合計額18,200 万円 - 基礎控除額 4,800 円 = 13,400 万円 課税遺産総額10,400 万円を、各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します。 配偶者の法定相続分は1/2 で 6,700 万円 長男の法定相続分は 1/4 で 3,350 万円 次男の法定相続分は 1/4 で 3,350 万円 配偶者 6,700 万円×30%-700 万円=1,310 万円(相続税の速算表より) 長男 3,350 万円×20%-200 万円=470 万円 次男 3,350 万円×20%-200 万円=470 万円 相続税の総額 配偶者 1,310 万円+長男 470 万円+次男 470 万円=2,250 万円 平成27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1億円以下 30% 700 万円 2億円以下 40% 1,700 万円 3億円以下 45% 2,700 万円 6億円以下 50% 4,200 万円 6億円超 55% 7,200 万円 配偶者の取得した財産は14,600 万円で 1 億 6 千万円以下になりますので、配偶者の相続税額の全額が控除でき ます。

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○「第1表 相続税の申告書」 STEP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を、各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します。 配偶者 2,250 万円×14,600 万円÷18,200 万円=1,804.5 万円 長男 2,250 万円×2,600 万円÷18,200 万円=321.75 万円 次男 2,250 万円×1,000 万円÷18,200 万円=123.75 万円 配偶者の税額軽減による1,804.5 万円を税額控除で差し引きます。 各相続人の納付税額は下記のようになります。 配偶者の納税額 = 0 円 長男の納税額 = 3,217,500 円 次男の納税額 = 1,237,500 円 あ ん 分 割 合 を 入 力 す る こ と ができます。

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■ ■ 配偶配偶者者がが土土地地ををすすべべてて取取得得ししたた場場合合のの二二次次相相続続 配偶者がいない二次相続では、配偶者が一次相続で取得した財産をそのまま長男と次男が相続したものとして 試算します。なお、配偶者が一次相続以前から所有している財産はないものとしています。 ■ 被相続人と相続人および法定相続分データの入力 長男の法定相続分1/2 と 次男の法定相続分 1/2 を入力し ます。 各相続人の法定相続分の合計は 1 になります。 ■ 土地・土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータ を入力します。(「土地・土地の権 利」タブより) 400,000 円 × 300 ㎡ = 120,000,000 円 未使用の宅地の 120,000,000 円を 共有持分により 長男分の60,000,000 円、次男分の 60,000,000 円を「土地・土地の権 利の明細書」の相続税評価額の各 欄に入力します。 (未使用の土地を分筆した場合で も、同じ金額を入力します。)

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○「第15 表 相続財産の種類別価額表」 STEP1 相続税の課税価格の計算 相続税の遺産総額の合計額は 14,700 万円になります。 長男 相続財産は土地6,000 万円、家屋 1,000 万円、預貯金 600 万円、家庭用財産 100 万円 = 7,700 万円 次男 相続財産は土地6,000 万円、株式 500 万円、預貯金 500 万円 = 7,000 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます。 長男 7,700 万円-葬式費用 100 万円 = 7,600 万円 課税価格の合計額の14,600 万円の内訳は、長男は 7,600 万円、次男は 7,000 万円になります。

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○「第2表 相続税の総額の計算書」 STEP2 相続税の総額の計算 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円×2(法定相続人の数)= 4,200 万円 相続税の課税遺産総額 課税価格の合計額14,600 万円 - 基礎控除額 4,200 円 = 10,400 万円 課税遺産総額10,400 万円を、各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します。 長男の法定相続分は 1/2 で 5,200 万円 次男の法定相続分は 1/2 で 5,200 万円 長男 5,200 万円×30%-700 万円=860 万円(相続税の速算表より) 次男 5,200 万円×30%-700 万円=860 万円 相続税の総額 長男 860 万円+次男 860 万円=1,720 万円 平成27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1億円以下 30% 700 万円 2億円以下 40% 1,700 万円 3億円以下 45% 2,700 万円 6億円以下 50% 4,200 万円 6億円超 55% 7,200 万円

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○「第1表 相続税の申告書」 STEP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を、各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します。 長男 1,720 万円×7,600 万円÷14,600 万円=816.2 万円 次男 1,720 万円×7,000 万円÷14,600 万円=583.8 万円 各相続人の納付税額は下記のようになります。 長男の納税額 = 8,162,000 円 次男の納税額 = 5,838,000 円 あ ん 分 割 合 を 入 力 す る こ と ができます。

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■ ■ 配偶配偶者者とと子子供供がが土土地地をを33分分のの11でで取取得得ししたた場場合合 の一の一次次相相続続 この計算例では、配偶者が自宅の土地を取得し、未使用の土地は配偶者と子供が3分の1の共有で取得した場 合の、一次相続と二次相続の相続税シミュレーションを行います。 この結果、一次相続では子供が支払う相続税が増加しますが、二次相続では相続税が減少しますので、一次相続 と二次相続を合計した相続税は減少することになります。 ■ 被相続人と相続人および法定相続分データの入力 配偶者の法定相続分1/2 と 長男の法定相続分1/4 と 次男の法定相続分 1/4 を入力し ます。 各相続人の法定相続分の合計は 1 になります。 長男が取得した自宅の土地へは小 規模宅地等の特例を適用します。 配偶者が自宅の土地を取得して小 規模宅地等の特例を適用しても税 額軽減により相続税が課税されま せんので、この特例は実質的な効 果はなくなります。 ■ 土地・土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータ を入力します。(「土地・土地の権 利」タブより) 自宅の土地は最大330 ㎡まで小規 模宅地等の特例を適用できます。 (平成27 年 1 月以後) 400,000 円 × 200 ㎡ = 80,000,000 円 80,000,000 円 -(80,000,000 円 × 0.8)= 16,000,000 円 長男が取得した自宅の土地の評価 額16,000,000 円(小規模宅地等の 特例の適用後の金額)と、未使用 の宅地の 120,000,000 円を共有持 分により配偶者分の40,000,000 円、 長男分の40,000,000 円、次男分の 40,000,000 円を「土地・土地の権 利の明細書」の相続税評価額の各 欄に入力します。 (未使用の土地を分筆した場合で も、同じ金額を入力します。)

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○「第15 表 相続財産の種類別価額表」 STEP1 相続税の課税価格の計算 相続税の遺産総額の合計額は 18,300 万円になります。 配偶者 相続財産は土地4,000 万円、家屋 1,000 万円、株式 500 万円、預貯金 1,100 万円、家庭用財産 100 万円 = 6,700 万円 長男 相続財産は土地5,600 万円、預貯金 1,000 万円 = 6,600 万円 次男 相続財産は土地4,000 万円、株式 500 万円、預貯金 500 万円 = 5,000 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます。 配偶者 6,700 万円 - 葬式費用 100 万円 = 6,600 万円 課税価格の合計額の18,200 万円の内訳は、配偶者は 6,600 万円、長男は 6,600 万円、次男は 5,000 万円になり ます。

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○「第2表 相続税の総額の計算書」 STEP2 相続税の総額の計算 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円×3(法定相続人の数)= 4,800 万円 相続税の課税遺産総額 課税価格の合計額18,200 万円 - 基礎控除額 4,800 円 = 13,400 万円 課税遺産総額10,400 万円を、各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します。 配偶者の法定相続分は1/2 で 6,700 万円 長男の法定相続分は 1/4 で 3,350 万円 次男の法定相続分は 1/4 で 3,350 万円 配偶者 6,700 万円×30%-700 万円=1,310 万円(相続税の速算表より) 長男 3,350 万円×20%-200 万円=470 万円 次男 3,350 万円×20%-200 万円=470 万円 相続税の総額 配偶者 1,310 万円+長男 470 万円+次男 470 万円=2,250 万円 平成27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1億円以下 30% 700 万円 2億円以下 40% 1,700 万円 3億円以下 45% 2,700 万円 6億円以下 50% 4,200 万円 6億円超 55% 7,200 万円 配偶者の取得した財産は6,600 万円で 1 億 6 千万円以下になりますので、配偶者の相続税額の全額が控除できま す。

(21)

○「第1表 相続税の申告書」 STEP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を、各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します。 配偶者 2,250 万円×6,600 万円÷18,200 万円=814.5 円 長男 2,250 万円×6,600 万円÷18,200 万円=816.75 万円 次男 2,250 万円×5,000 万円÷18,200 万円=618.75 万円 配偶者の税額軽減による814.5 万円を税額控除で差し引きます。 各相続人の納付税額は下記のようになります。 配偶者の納税額=0 円 長男の納税額 = 8,167,500 円 次男の納税額 = 6,187,500 円 あ ん 分 割 合 を 入 力 す る こ と ができます。

(22)

■ ■ 配偶配偶者者とと子子供供がが土土地地をを33分分のの11でで取取得得ししたた場場合合のの二二次次相相続続 配偶者がいない二次相続では、配偶者が一次相続で取得した財産をそのまま長男と次男が相続したものとして 試算しています。なお、配偶者が一次相続以前から所有している財産はないものとしています。 ■ 被相続人と相続人および法定相続分データの入力 長男の法定相続分1/2 と 次男の法定相続分 1/2 を入力し ます。 各相続人の法定相続分の合計は 1 になります。 ■ 土地・土地の権利の明細書データの入力 土地の明細と時価評価額のデータ を入力します。(「土地・土地の権 利」タブより) 400,000 円 × 100 ㎡ = 40,000,000 円 未使用の宅地の40,000,000 円を共 有持分により長男分の20,000,000 円、次男分の20,000,000 円を「土 地・土地の権利の明細書」の相続 税評価額の各欄に入力します。 (未使用の土地を分筆した場合で も、同じ金額を入力します。)

(23)

○「第15 表 相続財産の種類別価額表」 STEP1 相続税の課税価格の計算 相続税の遺産総額の合計額は 6,700 万円になります。 長男 相続財産は土地2,000 万円、家屋 1,000 万円、預貯金 600 万円、家庭用財産 100 万円 = 3,700 万円 次男 相続財産は土地2,000 万円、株式 500 万円、預貯金 500 万円 = 3,000 万円 相続財産から債務と葬式費用を差し引きます。 長男 3,700 万円-葬式費用 100 万円 = 3,600 万円 課税価格の合計額の6,600 万円の内訳は、長男は 3,600 万円、次男は 3,000 万円になります。

(24)

○「第2表 相続税の総額の計算書」 STEP2 相続税の総額の計算 基礎控除額 3,000 万円 + 600 万円×2(法定相続人の数)= 4,200 万円 相続税の課税遺産総額 課税価格の合計額6,600 万円 - 基礎控除額 4,200 円 = 2,400 万円 課税遺産総額9,000 万円を、各相続人の法定相続分に応じて相続税額を計算してから合計します。 長男の法定相続分は 1/2 で 1,200 万円 次男の法定相続分は 1/2 で 1,200 万円 長男 1,200 万円×15%-50 万円=130 万円(相続税の速算表より) 次男 1,200 万円×15%-50 万円=130 万円 相続税の総額 長男 130 万円 + 次男 130 万円 = 260 万円 平成27 年 1 月以降の相続税の速算表 区分 税率 控除額 1,000 万円以下 10% 0 円 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 1億円以下 30% 700 万円 2億円以下 40% 1,700 万円 3億円以下 45% 2,700 万円 6億円以下 50% 4,200 万円 6億円超 55% 7,200 万円

(25)

○「第1表 相続税の申告書」 STEP3 相続人の納付税額の計算 相続税の総額を、各相続人の実際の分割割合に応じて按分計算します。 長男 260 万円×3,600 万円÷6,600 万円=141.7 万円 次男 260 万円×3,000 万円÷6,600 万円=118.3 万円 各相続人の納付税額は下記のようになります。 長男の納税額 = 1,417,000 円 次男の納税額 = 1,183,000 円 あ ん 分 割 合 を 入 力 す る こ と ができます。

(26)

■ ■ 相続相続税税シシミミュュレレーーシショョンンのの比比較較表表 長男が同居して二次相続で小規模宅地等の特例が利用できる場合 配偶者が未使用の土地を すべて取得した場合 配偶者と子供が未使用の土地 を3分の1で取得した場合 一次相続 4,455,000 円 14,355,000 円 二次相続 17,200,000 円 2,600,000 円 合計額 21,655,000 円 16,955,000 円 一次相続で未使用の土地を配偶者がすべて取得した場合と、配偶者と子供が3分の1の持分割合で取得した場 合では、一次相続と二次相続の合計で納付する相続税が4,700,000 円ほど違ってきます。 これで配偶者のいる一次相続では、配偶者の税額軽減のために相続税を少なくすることができますが、二次相続 では相続税が増加することがわかります。 さらに被相続人と子供が別居していて持家に住んでいる場合は、子供が取得した自宅の宅地には小規模宅地等の 特例は適用できませんので一次相続と二次相続の相続税の合計は増加します。 一次相続と二次相続の間にある程度の期間がある場合には、暦年課税の贈与などの相続税対策をすることができ ます。 このため一次相続において、配偶者が取得する財産を金融資産にするか不動産にするかを検討することも相続税 対策では重要になります。 ■ シェアウェア版システムについて

Soft-j.com は Excel と VBA を利用して会計処理、給与計算、年末調整の日常業務と所得税、法人税、消費税、 相続税、贈与税、財産評価の税金計算を効率化するシステムをインターネットで公開しています。 http://www.soft-j.com システム名 システムの機能 VBA 相続税申告書 相続財産、債務、税額控除から相続税申告書の第1 表から第 15 表を作成します。 VBA 財産評価・土地 相続または贈与を受けた土地、山林、動産の財産評価明細書を作成します。 VBA 財産評価・株式 相続または贈与を受けた株式、預貯金、権利の財産評価明細書を作成します。 相続税と財産評価のシェアウェア版システムは、公認会計士、税理士および司法書士の方の専門家用システム として公開しています。このため、相続税と財産評価についての詳しいヘルプやデータの入力方法のフローチャ ートは準備していません。 相続税と財産評価についての基礎的な知識と最新の情報は、国税庁ホームページなどを参考にしてください。

参照

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