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Case Study for Japanese Company, European-American Company and Local Company in Vietnam

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Academic year: 2021

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ベ トナ ム で の 日系 企 業 ・現 地 企 業 ・

欧 米 系 企 業 に 関 す る ケ ー ス研 究

勲 ・原

は じ め に 本稿 で は,ベ トナ ムで 事 業 活 動 を行 って い る 日系 企 業,欧 米 系 企 業,ベ ト ナ ム現 地 企 業 の 中 か ら,人 的資 源 管 理 に関 して特 に興 味 深 い企 業 を選 び ケ ー ス研 究 を行 う。 ケ ー ス で取 り上 げ た企 業 は,1999年 か ら2003年 に か け て十 数 回 に わ た りベ トナ ム全 土(ホ ー チ ミ ン,ハ ノ イ,フ エ,ダ ナ ン等 を中心 と した 地 域)で の 現 地 調査 を行 い,現 地企 業,欧 米 系 企 業,日 系 企 業 を約40社 程 度,企 業 訪 問 して 聞 き取 り調 査 を実施 し」 社 内資 料 な どを収 集 して,そ の 中か ら興 味 深 い 企 業 を ケ ー ス研 究 と して ま とめ た もの で あ る。 なお,企 業 訪 問 に は,原 則 と してベ トナ ム に滞在 ・勤 務 して い る企 業 の代 表(社 長 等)か 人 事 部 門 の責 任 者 の 面 会 しJ聞 き取 り調 査 を実 施 した 。 ま た,工 場 調 査 が可 能 な企 業 につ い て は,生 産 部 門 の責 任 者 へ の 聞 き取 り調 査,お よび工 場 視 察 を実 施 した 。 第1節 日 系 企 業 の ケ ー ス (1)松 下 電 器 ベ トナ ム 社 の ケ ー ス 松 下 電 器 ベ トナ ム社 は,日 本 を代 表 す る 大 手 企 業 の ベ トナ ム 進 出 例 と して 興 味 深 い ケ ー ス で あ る 。 松 下 電 ・器 ベ トナ ム 社,(MatsushitaElectronicVietnamCo.,Ltd.)は,1996

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年6月 に 合 弁 認 可 が お り設 立 さ れ た 。 本 社,工 場 所 在 地 は ホ ー チ ミ ン市 内 の ツ ー ドッ ク 区 で あ る 。 資 本 金 は 松 下 電 器 が60%,ベ トナ ム の 国 営 企 業 ビエ ト ロ ニ ク ス ・ツ ー ド ゥ ッ ク社(VTD)が40%出 資 した 。 資 本 金 は283万USド ル で あ り,合 弁 期 限 は10年 間 で あ る 。2006年 の 合 弁 期 限 後 の 事 業 形 態 に つ い て は,AFTAと の 関 連 か ら,そ の ま ま の 合 弁 形 態 に よ る か,独 資 の 形 に す る か 決 め る 方 針 で あ る 。取 締 役 は 日本 人4名,現 地 人3名 で あ る 。会 長 は 現 地 人, 社 長 は 日本 人 で あ る 。 日本 人 出 向 者 は,役 員2名 を含 め て3名 で あ る 。 事 業 内 容 は,主 に 国 内 向 け の カ ラ ー テ レ ビ と オ ー デ ィ オ の 製 造 と販 売 で あ る 。 販 売 高 は,2002年 は 約3,000万USド ル で あ る 。 従 業 員 数 は 約240名 で, そ の 内 臨 時 工 が55名 で あ る 。 正 社 員 の 内,男 性 が 約55%,女 性 が 約45%で あ る 。ま た 正 社 員 の 中 で 生 産 現 場 の 直 接 工 が 約56%,間 接 部 門 は 約44%で あ る。 正 社 員 の 平 均 年 齢 は 約33.8歳 で あ る 。 松 下 電 器 ベ トナ ム 社 の 経 営 方 針 は 以 下 で あ る 。 1.ベ トナ ム 国 の 発 展 と ベ トナ ム 国 民 の 生 活 文 化 の 向 上 に 貢 献 す る 。 2.従 業 員 の 生 活 水 準 の 向 上 と関 連 会 社 と の 共 存 共 栄 を 図 る 。 3.ベ トナ ム と 日本 の 経 済 交 流 の 成 功 例 に な る 。 ベ トナ ム で の 松 下 電 器 の 歴 史 に つ い て み て み よ う。 ベ トナ ム 戦 争 前 の1971 年3月,旧 南 ベ トナ ム に 資 本 金100万USド ル で ベ トナ ム ナ シ ョナ ル 社 を設 立 した 。1975年,ベ トナ ム 戦 争 悪 化 に 伴 い 出 向 者 を 引 き上 げ,1977年 ベ トナ ム ナ シ ョナ ル 社 は 国 営 化 さ れ た 。1983年 に は,ビ エ トロ ニ ク ス ・ツ ー ド ゥ ッ ク 社 に社 名 変 更 し た 。 1994年5月,松 下 電 器 は ベ トナ ム 駐 在 員 事 務 所 を ホ,r..チミ ン市 に 開 設 した 。 1995年1月 に,ビ エ トロ ニ ク ス ・ッ ー ド ゥ ッ ク社 に対 し て カ ラ ー テ レ ビ の 委 託 生 産 を 開 始 し,同 年10月 オ ー デ ィ オ の 委 託 生 産 を 開 始 し た 。1996年3月, ビ エ トロ ニ ク ス ・ツ ー ド ゥ ッ ク社 を パ ー トナ ー と した 松 下 電 器 ベ トナ ム 社 と い う合 弁 会 社 設 立 に 調 印 し,政 府 に 申 請 し,同 年6月 政 府 に よ り合 弁 会 社 設 立 が 認 可 さ れ た 。 同 年11月 操 業 が 開 始 し,同 年12月 よ り販 売 を 開 始 した 。

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輸 出 義 務 と して は,生 産 数量 ベ ー ス で 品R別 に20%以 上 で あ る が,現 実 に は10%の 輸 出 の み で あ る。 輸 出 先 は,シ ンガ ポ0ル,ラ オス,カ ンボ ジ ア等 の東 南 ア ジ ア諸 国 で あ る。2001年 度 の税 引 き後 利 益 率 は約5%で あ る。 工 場 の設 備 能 力 は,カ ラー テ レ ビ年 間20万 台,オ ー デ ィ オ(主 に カ セ ッ トス テ ーレ オ)が 年 問6万 台 で あ る。 将 来 の経 営 戦 略 上 に関 す る最 大 の 課 題 は,部 品調 達 の 問 題 で あ る 。現 在 の部 品 の現 地 調 達 率 は,フ ラ ッ トテ レ ビで は約10%, そ の他 の テ レ ビで は約50-60%程 度,全 体 で は30-40%と い った とこ ろで あ る。 ベ トナ ムで 調 達 で きな い部 品 は,海 外,特 に マ レー シ ア を 中心 と した東 南 ア ジ アか ら輸 入 して い る。 この よ うにs現 地 調 達 率 が低 く海外 に依 存 した部 品 調 達 は,コ ス ト高,為 替 の不 安 定,関 税,等 の 問題 が生 じて い る。 将 来 的 に はAFTAに よる 関税 引 き下 げ の予 定 もあ る こ とか ら,部 品 調 達 先 を ど うす る かが 重 要 な経営 戦 略 上 の課 題 とな って い る。 現 在 の経 営 上 の 問 題 点 は,外 国 為 替,関 税 ・税 関x現 地 で の 部 品原 材 料 の調 達,法 律 の頻 繁 な変 更 と解 釈, 等 で あ る。外 国為 替,関 税 ・税 関 問題 につ い て は,部 品輸 入 に対 す る為 替 の 変 動,お よ び高 関税 とい う問題 が あ る。現 地 で の部 品原 材 料 の 調 達 につ い て は,前 述 した よ うに,部 品 の現 地 調 達 率 の低 さ と品質 ・コス ト等 に問 題 が あ る。 法 律 の頻 繁 な変 更 と解釈 につ い て は,官 庁 問 の横 の つ な が りが ない た め 規 制 ・指 導 が ば らば らな こ と,北 の 中央 政府 の 規 制 が 南 に伝 わ らず,末 端 ま で 伝 わ っ て い ない こ とで あ る。 また,担 当 者 に よ り見 解 が 違 う こ と もあ り, 官 庁 規 制 ・指 導 に一貫 性 が ない こ とで あ る。 つ ぎ に人 的資 源 管 理 につ い て み て み よ う。大 学 の新 卒 者 の定 期 一括 採 用 は 実 施 して い な い 。 必 要 が あ る場 合 の み公 募 して い る 。 配 置 転 換 に つ い て は, 従 業 員 を他 職 種 を も含 め て各 職 種 と も定 期 的 に行 っ てい な い。 内部 昇 進 につ い て は,現 実 に企 業 内 で の昇 進 が 各 職 種 と も行 な わ れ て い る。 ベ トナ ム 国 営 企 業 で は,内 部 昇 進 が 一般 化 してお り,国 営 企 業 との合 弁 で あ る松 下電 器 ベ トナ ム社 で も内部 昇 進 を原 則 と して い る。社 内 の教 育訓 練 プ ロ グ ラ ム と して, 階層 別 就 業 教 育 訓 練,英 語 等 の 社 内 教 養 講 座,等 を実 施 して い る。 なお,日

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本 社 へ の 海 外 派 遣 研 修 は 実 施 して い な いが,シ ンガ ポ._....ルへ の派 遣 研 修 は実 施 してい る。 正 社 員 の離 職 率 は非 常 に少 な く,各 職 種 と も定 着 率 が 高 い 。 長 期 雇 用 につ い て は,原 則 と して正 社 員 を出来 る だ け解 雇 せ ず,雇 用 を維 持 し よ う とい う方 針 で あ る。 近 年,従 業 員 を レイ オ フ した経 験 は な い。 定 年 制 は存 在 し,定 年 年 齢 は男 性60歳,女 性55歳 で あ る。 退 職 金 制 度 は存 在 して い る。 従 業員 の 人件 費 は,会 社 負 担 の社 会 保 険 料 等 を含 め た トー タル な金 額 で1人 当 た り,現 場 ワ ー カ ーが 約160ド ル程 度,事 務 員 は220ド ル程 度, 技術 職 は300ド ル程 度,管 理 職 は500ド ル程 度 で あ る。 賞 与 は,毎 年 若 干 の変 動 が あ る が,年1回1.5-2.0ヶ 月 程 度 支 給 して い る。勤 務 評 定 は実 施 して お り, A,B,Cの3段 階 で 評 価 して い る。評 価 に よる賞 与 の個 人格 差 は約40%ほ どで あ る。 手 当 は,勤 続 手 当 が 少 額 あ る の み で あ る。 そ の他 の手 当 は な い 。 正 社 員 の賃 金 制 度 は,各 職 種 と も月給 を基 本 と して い る。 賃 金 構造 は,仕 事 別(職 種 別)を 基準 と して い る 。現 場 従 業 員 の 賃 金 構造 は,仕 事 の職 種 で7つ に分 類 し,各 々 の レベ ル にお い て1号 か ら7号 まで の 技 術 ス キ ル を分 類 した職 能資 格 給 で あ る。 また,間 接 部 門 は,職 種 を4つ に 分 類 し,か つ 各 々 の ス キ ル を1号 か ら7号 に分 類 した 職 能 資 格 給 で あ る 。 な お,課 長 職 は,4つ の職 種 の最 高位 に ラ ン ク され る 。 勤 務 時 間 は,午 前7=30よ り午 後4:00ま で(休 憩 時 間65分,昼 食 時 間含 む) で,第1,第3土 曜 日は休 日で あ る。 た だ し,9月 以 降 の 繁 忙 期 には土 曜 出 勤 で あ る。 オ フ ィス の レイ ア ウ トは,日 本 的 な 大部 屋 主 義 を採 用 し,個 室 を 持 っ てい る の は社 長 ク ラス の み で あ る。福 利 厚 生 に関 す る施 策 と して,ユ ニ ホ ー ムの 支給,昼 食 の完 全 支 給,通 勤 バ ス の 運行 等 を行 っ て い る。 なお,通 勤 バ ス を運行 して い る。 労働 組 合 は企 業 別 組 合 と して存 在 して い る。 最 近 数 年 間,ス トラ イキ は な い 。 労 使 関 係 で 特 に大 きな 問題 は な い 。 人 事 管 理 の重 要 な 問題 点 と して は, 優 秀 な管 理 職 の不 足,特 に営 業 の人 材 不 足 が あ る。 そ の他 は特 に大 きな問 題 は な い。

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次 に,工 場 等 の生 産 を 中心 と した 人 的資 源 管 理 に つ い て み て み よ う。現 在, 生 産 管 理,工 場 管 理 上 で の重 要 な問 題 点 は,現 地 で の調 達 部 品 の 品質,お よ び部 品 ・原 材料 の現 地 調 達 困 難 で あ る。 カ ラ ー テ レ ビの基 幹 部 品 で あ る ブ ラ ウ ン管 につ い て は,フ ラ ッ ト型 はマ レー シ ア か ら,一 般 型 は大 宇 との合 弁 会 社 で あ る現 地企 業 か ら調 達 して い る。 部 品 の 現 地 調 達 率 は,フ ラ ッ ト型 カ ラ ー テ レ ビで 約10% ,一 般 カ ラ ー一テ レ ビで約50-60%で あ り,全 体 とす る と約 30-40%程 度 で あ る。 現 地 調 達 部 品 の うち,現 地 の 日系 企 業 か ら の調 達 は約 30%程 度 で あ る 。 海外 か ら調 達 す る部 品 は100%東 南 ア ジ ア か らで,日 本 か らの調 達 は ない 。 現 地 資 本 の部 品 ・原材 料 のサ プ ラ イヤ ー と長期 取 引 を行 っ て い る。現 地 人 従 業 員 の技 術 ・技 能 につ い て は,東 南 ア ジ アで は上 の レベ ル で はな い か 。 特 に,忍 耐 力 で は優 れ てい る。 た だ し,現 場 の従 業 員 は,自 分 が取 得 した技 術 ・技 能 は他 人 ・同僚 に教 え たが らな い傾 向 が あ る。 現 場 の従 業 員 の職 務 区分 は7つ 存 在 す る。 賃 金 構 造 もこの 職務 区分 が 中心 と な って い る。 現 場 の従 業 員 の 多 能 工 化 は,単 一 の 職種 とい う範 囲 で多 能 工 化 を行 っ てい る。 現 場 の従 業 員 の 配 置 転 換 は,原 則 と して 同 一 の 職 種 の 中 で の み 実 施 して い る。 現 場 で の生 産 機 械 の トラ ブ ル に備 えて メ イ ンテ ナ ンス, 修 理T保 全 ・保 守 の部 門 と して 生 産技 術 部 門が 存 在 す る。 一般 組 立 部 門 とメ イ ン テ ナ ンス ・保 全 部 門 とは 明確 に分 離 して い る。 現 地 工 場 の 生 産 機 械 は, 最 新 鋭 の技 術 レベ ル の機 械 か ら比 べ る と旧式 で,一 部 はマ レー シア工 場 か ら 中古 機 械 を導 入 して い る。 ほ とん どの 生 産機 械 は,パ ナ ソ ニ ッ ク製 で あ る。 生 産 方 式 は,ベ ル トコ ンベ アー 方 式 が ま だ多 い が,近 年 セ ル 方 式 に転 換 しつ つ あ る。 テ レ ビ生 産 は,労 働 集 約作 業 が 多 い が,ベ トナ ム人 の作 業 者 は優 秀 な の で,効 率 は 悪 くな い 。QCサ ー クル等 の小 集 団 活 動 は現 在 実 施 して い な い 。 ベ トナ ム人 従 業 員 は,人 の 前 で 発 言 しな い等,小 集 団 活 動 は成 果 を上 げ られ なか っ た。 生 産 現 場 の マ ニ ュ ア ル の数 や 量 は,ほ ぼ 日本 の工 場 と同 じ く らい で あ る。生 産 現 場 の マ ニ ュ アル は,日 本 のマ ニ ュ アル等 を多 く翻訳 して, 整備 して い る。 最 近,特 にISO9000,ISO14000関 連 の マ ニ ュ ア ル を整 備 して

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い る。 大 卒 の エ ンジニ ア は,60名 程 度 い る。 大 卒 のエ ンジ ニ ア は,生 産 現 場 に抵 抗 な く入 り,現 場 従 業 員 と よ く交 流 して お り,ま た現 場 の生 産 設備 の維 持,管 理,補 修 等 の 業務 も行 っ て い る。 製 品 開発 と製 品 の基 本 設 計 はtマ レー シア で行 わ れ てい る。ベ トナ ム で は, 現 地 の事 情 に合 わせ て設計 変 更 や技 術 支 援 を行 な う,10名 程 度 の 人 員 の技 術 部 門が 存 在 す る。現 地 で独 自に設 計 ・製 作 した生 産 機 械 は な い 。工 場 は,ク ー ラ ーが な く,作 業 環境 と して は 良好 で は ない よ うだ。 最 終 検 査 工 程 につ い て は,最 新 鋭 の検 査 機 械 を使 い 世 界 標 準 の レベ ル で 実 施 して い る。 (2)日 本 電 産 コパ ル ベ トナ ム社 の ケ ース 日本 電 産 コパ ル ベ トナ ム社 は,1999年1月 に創 業 され,日 本 資 本100%で 出 資 さ れ た 会 社 で あ る 。 資 本 金 は600万 米 ドル,株 主 は 日本 電 産 コパ ル 社 が 51%sお よび 日本 電 産社 が49%で あ り,日 本 電 産 グ ル ー プ の ベ トナ ム子 会 社 で あ る。 本 社 と工 場 は,タ ン トゥア ン輸 出加 工 区 に あ る。 日本 電 産 グル ー プ は,タ ン トゥア ン輸 出加 工 区 に この企 業 の ほか に,日 本 電 産 ベ トナ ム社 と 日 本 電 産 トー ソ クベ トナム社 を持 って い る。 日本 電 産 コパ ル社 は,ベ トナ ムの ほか に,マ レー シ アの ク ア ラル ンプ ー ル,タ イ のサ ハ ラ ソ ン,フ ィ リ ッ ピ ン のマ ニ ラ,中 国 の上 海 の5箇 所 に海 外 工 場 を設 置 して い る。2002年 末現 在 の 従 業 員 数 は,約1500名 で あ る。 生 産 して い るの は,携 帯 電 話 用 の小 型振 動 モ ー ター の み で ,2002年 度 は約4,200万 個 の小 型 振 動 モ ー ター を生 産 し,製 品 は 100%輸 出 してい る 。工 場 の生 産 設備 は,日 本 か ら購 入 した機i械が 約50%,東 南 ア ジアか ら購 入 した機 械 が 約50%で あ る。2000年 にISO9002を 取 得 し,2002 年 に は ヨー ロ ッパ へ の輸 出 が らみで 環 境 規 定 で あ る工SO14001を 取 得 した 。 取 締 役 は6名 い るが,全 員 日本 人 で現 地 人 はい ない 。 会 長 は 日本 の 親 会社 役 員 の非 常 勤 で あ り,社 長 は常 勤 で あ る 。他 の取 締役4人 の 内,ベ トナ ム に 滞在 して い る常 勤 役 員 は技 術 と経 理 を担 当す る1名 のみ で,他 の3名 は非常 勤役 員 で あ る 。現 在 まで,日 本 電 産 コパ ル ベ トナ ム社 の業 績 は順 調 で,日 本

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電 産 コパ ル 社 グ ル ー プ の 海 外5工 場 で,利 益 率 が 最 も高 く,コ ス ト面 で も 中 国 を含 め た 他 の 海 外 工 場 よ り優 れ て い る と評 価 さ れ て い る 。 人 的 資 源 管 理 につ い て 工 場 を 中 心 と し て み て み よ う。 工 場 は,24時 間 稼 働 で,3シ フ ト制 を 採 っ て い る 。 第1シ フ トは,6:00-14:00,第2シ フ トは 14:00-22:00,第3シ フ トは22:00-6:00で あ る 。 な お,3交 代 シ フ トは,1週 間 ご と に シ フ トグ ル ー プ が 交 代 す る よ う に な っ て い る 。工 場 従 業 員 の 大 半 は, ベ ル トコ ンベ ア ー で の ア セ ン ブ リ ー で あ り,労 働 集 約 的 工 程 が 多 い 。 ア セ ン ブ リ ー一の 従 業 員 の ほ と ん ど は,女 性 で あ る 。 製 品 は,全 数,完 成 後 検 査 を 実 施 し,品 質 チ ェ ッ ク を して い る 。 工 場 の 作 業 環 境 と し て は,ISO14001の 規 格 に よ り,環 境 問 題 に神 経 を 払 っ て お り,ハ ン ダ付 け作 業 者 の 机 に は個 別 に 排 煙 の た め に 煙 突 を設 置 して 配 慮 して い る 。 マ ニ ュ ア ル の 整 備 に は,重 点 を 置 い て い る 。 マ ニ ュ ア ル と して の 作 業 指 示 プ レ ー トは,デ ジ カ メ を使 用 し て カ ラ ー 写 真 を 多 用 し,不 良 の ク レー ム の 例 を写 真 に した も の を多 く使 用 し て い る 。 視 覚 的 に作 業 者 に 分 か りや す く伝 え る こ と を 目指 し て い る 。QCサ ー ク ル は,ブ ロ ッ ク ご と に8グ ル ー プ 程 度 あ る 。QCサ ー ク ル は,不 良 品 の 改 善 や 生 産 の 拡 大 の た め に活 動 を行 っ て い る 。 作 業 グ ル ー プ で 大 き な不 良 が 起 き た 場 合,工 場 掲 示 板 に,そ の グ ル ー プ の リ ー ダ ー ,お よ び 不 良 の 内 容 を公 表 して,従 業 員 に 注 意 を喚 起 す る こ と を 行 っ て い る 。 在 庫 は,常 時0.3ヶ 月 分,約10日 間 の 部 品,原 材 料 の 在 庫 を 保 有 し て い る 。 採 用 は,高 卒 程 度 が 中 心 で あ る 。 採 用 活 動 は,毎 月 行 っ て い る 。 作 業 工 (オ ペ レ ー タ ー)は,原 則 的 に は 輸 出 加 工 区 に 存 在 す る 公 的 職 業 斡 旋 機 関 を 通 し て 採 用 して い る 。 こ れ は,輸 出 加 工 区 に あ る外 国企 業 の 採 用 に 関 す る 共 通 の ル ー ル で あ る 。 ス タ ッ フ ク ラ ス の 採 用 は,輸 出 加 工 区 の 公 的 斡 旋 機 関 を 通 し た 採 用 が 半 数 程 度,残 りの 半 数 程 度 は,従 業 員 の 紹 介,ロ コ ミ等 に よ る 採 用 で あ る 。 マ ネ ー ジ ャ ー ク ラ ス の 採 用 は,原 則 と し て 新 聞 に求 人 広 告 を 出 して,そ の 中 の 応 募 者 か ら選 考 して 採 用 して い る 。 大 卒 者 の 採 用 は,あ ま り

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多 くは な い 。 事 務 ス タ ッ フ や 現 場 作 業 工 は,採 用 後,原 則 と して1年 契 約 の 従 業 員 で あ る 。採 用 後 に,出 勤 率 が 悪 い,グ ル ー プ の 和 を 乱 す 等 の 従 業 員 は, 1年 後 に 再 契 約 し な い で 辞 め て も ら っ て い る 。 人 員 が 多 く必 要 な 場 合 は,輸 出 加 工 区 に あ る 他 の 日本 電 産 グ ル ー プ の 会 社 に 派 遣 応 援 して も ら う こ と を行 っ て い る 。 オ ペ レ ー タ ー の 賃 金 構 造 に つ い て み て み よ う。 オ ペ レ ー タ ー の 職 位 を 最 下 位 の グ レ ー ドで あ るOP1か ら最 上 位 のOP5ま で 分 け て,各 々 の グ レ ー ドに 基 本 給 を 設 け て い る 。 な お,工 場 の オ ペ レ ー タ ー の う ち,OP1の グ レ ー ドの 従 業 員 が 約1,250名,OP2か らOP5の グ レ ー ドの 従 業 員 は 約150名 で あ る 。 各 グ レー ドの 基 本 給 は,同 じ グ ル ー プ の 人 は 同 一 で,OP1が770,000ド ン,OP2が 840,000ド ン,OP3が910,000ド ン,OP4が980,000ド ン,OP5が1,050,000ド ン で あ る 。 こ の 基 本 給 の ほ か に,各 種 の 手 当 て を 支 給 し て い る 。 残 業 手 当 は, 労 働 法 に 基 づ く額 を 支 給 して い る 。 ち な み に,残 業 手 当 は 労 働 法 に基 づ く額 は,通 常 の 日 の 超 過 勤 務 に対 し て は150%増 し,休 日 や 祭 日 の 超 過 勤 務 に対 して は200%増 し で 支 払 っ て い る 。 そ の 他 の 手 当 と して は,ハ ン ダ付 け 作 業 者 に 対 し て は25,000-50,000ド ン の 作 業 手 当,洗 浄 作 業 者 に 対 して は50,000 ドン の 作 業 手 当 を 支 払 っ て い る 。 ラ イ ン リ ー ダ ー一に は,職 位 の レベ ル でOP2 か ら の レベ ル か ら存 在 して い る 。 そ の 他,勤 務 手 当 と し て,通 勤 の た め の バ イ ク の ガ ソ リ ン代 を支 給 して い る 。 そ の 他 の 手 当 は な い 。 な お,従 業 員 に対 して5,000ド ン程 度 の 弁 当 を 昼 食 と して 無 償 支 給 し て い る 。 賞 与 と し て,年 1回 テ トの 時 期 に,1ヶ 月 程 度 の 額 を 支 給 して い る 。 労 働 組 合 は,設 立 後 約2年 経 っ た2001年 に結 成 さ れ た 。 労 働 組 合 は,輸 出 加 工 区 の 上 部 団 体 と して のTTCが 指 導 して い る 。 ベ トナ ム の 工 場 従 業 員 は ,一 時 的 な 仕 事 だ と思 っ て 会 社 に 勤 め て い る 人 が 多 くr会 社 に対 す る 帰 属 意 識 は少 な い よ う に 思 う。 た だ し,例 外 の 人 もい る よ う で,そ の よ う な 人 を ど う働 く意 欲 を 持 た せ 向 上 さ せ,上 に 引 き上 げ る か が ポ イ ン トの よ うで あ る 。 工 場 従 業 員 の 女 性 は,ホ ー チ ミ ン 出 身 が1割 程 度

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で,残 りの9割 は地 方 出 身 の従 業 員 で あ る。 賃 金 の か な りの 割 合 を,親 に仕 送 り して い る女 性 従 業 員 も多 い 。 (3)マ ブチ モ ー タ ーベ トナ ム社 の ケ ー ス マ ブチ モ ー ター ベ トナ ム社 は,1996年2月 に創 業 され,日 本 の マ ブチ モ ー一 ター社 が100%出 資 した ベ トナ ム子 会 社 で あ る。 資 本 金 は1,800万 米 ドル で あ る 。本 社 と工 場 は,ビ エ ンホ ア第2工 場 団 地 に あ る。 マ ブ チ モ ー ター一社 は, ベ トナ ム の ほか に7マ レー シア,台 湾,香 港 中 国 に海 外 生 産拠 点 と して の 海 外 子 会 社 を持 っ て い る。2002年 末 現 在 の 従 業 員 数 は,約3,000名 で あ る。 生 産 してい るの は各 種 の小 型 モ ー タ ーで あ る。 常 勤 取 締 役 を含 め た,日 本 人 駐 在 員 は15名 で あ る。 製 造 に関 す る特 徴 は,部 品 内 製 化 が 高 い とい う事 で あ る。 部 品 内 製化 が 高 い の が,製 造 上 の優 位 性 で あ る。 原 材 料 と して 鉄 とプ ラ ス チ ック さ えあ れ ば モ ー ター の生 産 が で きる とい う。 自社 に プ ラス チ ッ ク成 型 や金 型 な どの 部 品 加 工 工 場 を持 って い る た め で あ る。 部 品 ・原 材 料 は ほ とん ど現 地調 達 してい る。 製 品 の ほ とん ど100%近 くは,輸 出 して い る。 工 場 の設 備 ・機 械 は,中 国等 の他 の ア ジ ア工 場 と同 じで あ る。 マ ニ ュ ア ル につ い て は積 極 的 に整 備 し て い る 。 カ ラー 写真 を多 用 した工 程 別 の作 業標 準 書 を多 く掲 示 して い る。 採 用 につ い て は,現 場 ワー カ ーや 一 般 事 務 職 レベ ル従 業 員 の採 用 につ い て は,会 社 が あ る ドンナ ン省 の公 的 職 業 斡 旋 セ ン タ ー を通 して採 用 して い る。 専 門 職 や 大 卒 程 度 の 人材 の採 用 につ い て は,新 聞広 告等 で 募 集 し採 用 して い る。 現 場 ワー カ ー の 定着 率 は悪 くな い。 現 場 ワ ー カ ーや 一 般 事 務 職 レベ ル従 業 員 は,1年 契 約 の期 限付 労働 契 約 が 原 則 で あ る。管 理 職 や 一 部 の専 門職 は, 契 約 期 間 の 限定 の ない 無 期 限労 働 契 約 の従 業 員 で あ る。 な お,2003年 度 に労 働 法 が 改 正 され,2年 間期 限付 労 働 契約 に よ り勤 務 す れ ば,そ の後 は無 期 限 労 働 契 約 従 業 員 に な る とい う改 正 案 が実 施 予 定 で あ る。 現 場 ワ ー カ ー は,単 一 の職 種 が 中心 で あ り,他 の部 署 に変 わ る こ と は少 な

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い 。 アセ ンブ リー ラ イ ンは 女性 従 業 員 が 中心 で ,ラ イ ンが1つ の グ ル ー プ に な って い る。 ラ イ ング ル ー プ は,帽 子 の 色 に よ り赤 帽子 が リー ダー,青 帽子 が サ ブ リー ダ ー とな っ て い る 。 ラ イ ング ル ー プ内 で は,す べ て の ラ イ ング ル ー プ員 が ライ ン内 の 各種 の作 業 が 出 来 る よ うに させ て い る 。特 に,リ ー ダー や サ ブ リー ダー は,グ ル ー プ 内 に欠 員 が 出 た場 合 の応 援,グ ル ー プ員 に対 す る指 導教 育 等}重 要 な仕 事 を担 って い る 。機 械 ・設備 の メ イ ンテ ナ ンス 部 門 と してa製 造 技 術 部 を設 置 してい る。 そ の た め,組 立 部 門 とメ イ ンテ ナ ンス 部 門 は明確 に分 離 して い る。 賃 金 につ い て は,職 能 資 格 給 が 基 本 とな っ て い る。 職 能 資 格 と して1等 級 か ら8等 級 まで あ り,ま た 同一 等 級 内 で1号 俸 か ら27号 俸 存 在 す る とい う, 等 級 ・号 俸 を基 準 とす る賃 金 構 造 とな っ てい る。3等 級 は高 卒程 度,4等 級 は専 門学 校 卒程 度,5等 級 は大 卒 程 度 が基 準 とな る。 平 均 的 な勤 務 評 定 の場 合 は,1年 で3号 俸 程 度 ア ップ し昇 給 す る。 なお,勤 務 評 定 の成 績 に よ り号 俸 ア ップ の程 度 は相 違 す る。基 本 給 と して,1等 級1号 俸 は85,500ド ン程 度, 3等 級1号 俸 で は120,000ド ン程 度 で あ る 。 手 当 と して は,住 宅 手 当 と して, 3等 級 以 下 の従 業 員 には 月10万 ドン,3等 級 以上 の従 業 員 に は15万 ドン支 給 して い る。 その 他 の手 当 は原 則 と して な い。 な お,昼 食 は提 供 して い る。 賞 与 は,1か 月 分,プ ラス会 社 業 績 と個 人 業 績 に よ る配分 で あ り,2002年 度 の 平 均 支 給 額 は,1.89ケ 月 分 で あ った 。 人 事 考 課 は実 施 してお り,勤 務 評 定 ラ ンク と してAか らEま で の5段 階 が あ る。A段 階 は 約5%,E段 階 は約5%と な る よ うに調 整 して い る。 人 事 考 課 は,直 属 の上 司 とそ の 上 の 上 司 に よる評 価 とい う2段 階 の勤 務 評定 を行 っ てい る。 教 育 訓 練 に つ い て は,社 内 で 各 種 の職 業 訓 練 の ほか 日本 語 講 座 を設 け て い る。福 利 厚 生 施 策 と して,社 員 旅 行 に対 して1人 あ た り15万 ドンの援 助,社 内 サ ッカー 大 会 の 開催,通 勤 バ ス等 を行 って い る。 工 場 は,ア セ ンブ リー以 外 の部 門 で は24時 間稼 動 し,3交 代 シ フ ト勤 務 で

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あ る,6-14時 が 第1シ フ ト,14-22時 が 第2シ フ ト,22時 か ら6時 が 第3シ フ トで あ る 。 ア セ ン ブ リ ー 部 門 は,2交 代 制 勤 務 で,6-14時 が 第1シ フ ト, 14-22時 ま で が 第2シ フ トで あ る 。 所 定 内 労 働 時 間 は48時 間,週6日 労 働 で あ る 。 な お,休 日以 外 に 月 に1回 休 み を取 れ る よ う に し て い る 。 労 働 組 合 は2000年 に設 立 さ れ た 。 企 業 内 労 働 組 合 で あ る が,工 場 団 地 内 に あ る 上 部 団 体 に よ り指 導 さ れ て い る よ う で あ る 。 現 在 の と こ ろ,労 使 関 係 に 関 して 特 に 問 題 は な い 。 解 雇 に つ い て は,原 則 と して 難 しい 。 本 人 の 解 雇 理 由 が 重 大 で,か つ 本 人 が 解 雇 に 同 意 しな い 限 り出 来 な い よ う だ 。 な お,勤 務 状 況 に 問 題 の あ る 人 に 対 し て は …警 告 書 等 を 出 した り,必 要 が あ れ ば 本 人 か ら始 末 書 等 の 文 書 を提 出 させ て い る 。 第2節 欧 米 系 企 業 の ケ ー ス ー コ カ コ ー ラ ベ トナ ム 社 の ケ ー ス コ カ コ ー ラ ベ トナ ム ベ トナ ム 社 はfア メ リ カ を代 表 す る 多 国 籍 企 業 の ベ ト ナ ム 進 出 例 と して 興 味 深 い ケ ー ス で あ る 。 コ カ コ ー ラ ベ トナ ム 社(CocaColaBeveragesVietnamCo、,Ltd.)は, 1995年 に合 弁 認 可 が お り設 立 さ れ た 。 本 社,工 場 所 在 地 は ホ ー チ ミ ン市 内 の ツ ウー ド ゥ ッ ク 区 で あ る 。 当 初 は 合 弁 形 態 の企 業 で あ っ た が,最 近,コ カ コ ー ラ100%出 資 の 完 全 所 有 子 会 社 と な っ た。 取 締 役7名 全 員 コ カ コ ー ラ社 か ら の ア メ リ カ 人 で あ る 。 事 業 内 容 は,主 に 国 内 向 け の 清 涼 飲 料 水 の 製 造 と販 売 で あ る 。 従 業 員 数 は2,247名 で あ る 。 将 来 の 経 営 戦 略 上 に 関 す る 最 大 の 課 題 は,人 の 現 地 化f現 地 へ の 権 限 委 譲, 生 産 コ ス トの 削 減,品 質 の 向 上,現 地 市 場 で の 拡 販 等 で あ る 。 特 に,ト ッ プ マ ネ ジ メ ン トを含 め た ベ トナ ム 人 に よ る 経 営 が 将 来 の 目標 で あ る 。 現 在 の 経 営 上 の 問 題 点 は,徴 税,法 律 の 頻 繁 な 変 更 と解 釈,他 社 と の 競 争 激 化 等 で あ る 。 特 に,ベ トナ ム で は,外 国 人 派 遣 者 に 対 す る所 得 税 が 高 く,負 担 と な っ

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て い る。 つ ぎに人 的資 源 管 理 につ い て み て み よ う。 大 学 の新 卒 者 の定 期 一括 採 用 は 実 施 して い ない 。 必 要 が あ る場 合 の み公 募 して い る 。 配 置 転 換 に つ い て は, 現 場 ワ ー カ ー,事 務 職 管 理 職 につ て は定 期 的 に行 っ て い る が,テ クニ シ ャ ン と技 術 職 につ い て は定期 的 に行 っ て い ない 。 内 部 昇 進 につ い て は,現 実 に 企 業 内 で の昇 進 が各 職種 と も行 な わ れ て い る 。勤 務 評 定 ・業 績 評 価 につ い て は,各 職種 と も実 施 して い る。社 内 の教 育 訓 練 プ ロ グ ラ ム と して,新 入 社 員 集合 研 修,ア メ リカ本 社 へ の 海外 派 遣研 修,階 層 別 集合 教 育 訓 練,社 内 職 業 訓 練 プ ロ グ ラム,通 信 教 育 ・夜 間学 校 等 へ の金 銭 的補 助,社 内教 養 講 座,新 任 管 理職 研 修,制 度 的OJTプ ロ グ ラム等,か な り充 実 した形 で 実 施 してい る。 な お,ア メ リカ本 社 へ の海 外 派 遣 研 修 は まだ極 め て少 人 数 で あ る。 正 社 員 の 1年 間 の 離 職 率 は,現 場 ワー カ ーで16%程 度,事 務 職 で3%程 度,テ クニ シ ャ ン と技 術 職 で1%程 度,管 理 職 で12%程 度 で あ る。 長 期 雇 用 につ い て は, 原 則 と して 正社 員 を 出来 る だ け解 雇 せ ず,雇 用 を維 持 しよ う とい う方 針 は特 に採 っ て い ない 。 必 要 が あ る場 合,解 雇 して い る。1999年,約200名 の 従 業 員 を レイ オ フ した 。 定 年 制 は存 在 し,定 年 年 齢 は男 性60歳,女 性55歳 で あ る。 退 職 金 制 度 は現 在 な い 。 従 業 員 の1ケ 月 の賃 金 は,現 場 ワ ー カ ーが100-200ド ル程 度,事 務 員 が200ド ル程 度,テ クニ シ ャ ンが200-300ド ル程 度,技 術 職 が400ド ル程 度, 管 理 職 が600ド ル程 度 で あ る。 賞 与 は,毎 年 若 干 の 変 動 が あ る が,企 業 業 績 に よ り年2回 支 給 して い る。企 業 業 績 が 良 くない 場合(1999年 が そ うで あ っ た)は 支 給 しない こ と もあ る。手 当 と して は,食 事 手 当,勤 続 手 当等 が あ る。 正 社 員 の 賃 金 制 度 は,各 職 種 と も月給 を基 本 と してい る。 従 業 員 へ の イ ンセ ンテ ィブ と して,従 業 員 持 ち株 制 と会 社 利 益 の 一定 割 合 の配 分 を実 施 してい る。 ただ し,こ の イ ンセ ン テ ィブ を享 受 で きる の は,あ る レベ ル以 上 の 階層 の従 業員 で あ る。 所 定 内 労働 時 間 は,週48時 間 で,週5日 勤 務 制 で あ る。 オ フ ィス の レ イ ア

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ウ トは,欧 米 的 な個 室 主 義 的で,マ ネ ー ジ ャー ク ラス か ら個 室 を持 っ て い る。 福 利 厚 生 に関 す る施 策 と して,ユ ニ ホー ム の支 給,保 養 所,慶 弔 金 規 定 等 を 行 っ て い る。なお,労 働 組 合 は企 業 別 組 合 と して存 在 して い る。最 近 数年 間, ス トラ イ キ は ない 。労使 交 渉 で 問題 とな るの は,福 利 厚 生 に 関す る点 で あ る。 人事 管 理 の 重 要 な問 題 点 と して は,優 秀 な従 業 員 採 用 の 困 難性,優 秀 な管 理 職 の不 足(特 にマ ー ケ テ ィ ン グ職 の 人材 不 足)が あ る。 そ の他 は特 に問 題 は ない 。 次 に,工 場 等 の生 産 を中心 と した 人 的 資 源 管 理 に つ い て み て み よ う。現 在, 生 産 管 理 ・工 場 管 理 上 で の 重 要 な問 題 点 は,現 地 人従 業 員 の技 術 ・技 能 水 準 で あ る。 コカ コー ラ社 で は,世 界 の す べ て の工 場 で 同一・に 品質 基 準 を要 求 し てお り,現 地 従 業 員 の技 術 ・技 能 レベ ル は高 い水 準 が 求 め られ る。 原 材 料 ・ 部 品 の 現 地 調 達 率 は,約90%で あ る。 現 地 資 本 の原 材 料 ・部 品 の サ プ ラ イ ヤ ー と長 期 取 引 を行 って い る。 現 場 の従 業 員 の 職務 区 分 は14存 在 す る。賃 金構 造 も この職 務 区分 が 中心 とな っ て い る。 現 場 の従 業 員 の多 能工 化 は,単 一 の 職 種 とい う範 囲 で多 能 工化 を行 って い る。 現場 の 従 業 員 の 配置 転 換 は,原 則 と して 同一 の職 種 の 中 で の み実 施 して い る。 現 場 で の生 産 機 械 の トラ ブ ル に 備 えて メ イ ンテ ナ ンス,修 理,保 全 ・保 守 の 部 門 と して生 産技 術 部 門が 存 在 す る。 一 般 組 立 部 門 とメ イ ンテ ナ ンス ・保 全 部 門 とは明 確 に分 離 して い る。 現 地 工 場 の 生 産機 械 は,ア メ リ カ工 場 と同一 の技 術 レベ ル の 生 産 設 備 も多 い が,0部 に ア メ リ カ よ り技 術 レベ ル 自動 化 の レベ ル の劣 る生 産 機 械 もあ る。 ベ トナ ム工 場 の不 良 率 は,本 社 工 場 とあ ま り変 わ らな い。QCサ ー クル 等 の 小 集 団 活動 は実 施 して,成 果 を上 げ て い る。 生 産 現 場 の マ ニ ュ ア ル の数 や量 は,ア メ リカ の工 場 と比 較 す る とま だ少 ない 。 生 産 プ ロセ ス の マ ニ ュ アル, 経 営 方 針,人 的資 源 管 理,販 売等 の マ ニ ュ アル の 整備 に は特 に重 点 を置 い て い る。 大 卒 のエ ン ジニ ア は,約20名 程 度 い る。大 卒 の エ ンジ ニ ア は,生 産 現 場 に抵 抗 な く入 り,現 場 従 業 員 と よ く交 流 して お り,ま た現 場 の生 産 設 備 の 維持,管 理,補 修 等 の 業務 も行 って い る。

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第3節 ベ トナ ム の 現 地 企 業 の ケ ー ス (1)VIETVUONG社 の ケ ー ス VIETVUONG社 は,1994年 に設 立 され た,民 間資 本100%の 私 営企 業 で あ る。 本 社,工 場 所 在 地 は ホ ー チ ミン市 内 で あ る。 当初 の1996年 か ら99年 まで は,韓 国 資 本 と の 合 弁 形 態 の 企i業 で あ っ た が,2000年 か らベ トナ ム 資 本 100%の 企 業 とな っ た 。 韓 国資 本 との合 弁 を解 消 した の は,主 に経 営 に関 す る意 見 の対 立 か らで あ る。 資 本 金 は200億 ベ トナ ム ドンで あ る。 事 業 内容 は, 主 に ス ポ ー ツ ウ ェ ア ー,ジ ャケ ッ ト等 の縫 製 で,製 品 の多 くは委 託 加 工 契 約 に よ り海外 へ 輸 出 してい る。 年 間 に40-50万 着 程 度 生 産 して い る 。輸 出市 場 は,ド イ ツ,ポ ー ラ ン ド,フ ラ ンス 等 の ヨー ロ ッパ 諸 国 で あ る。従 業 員 数 は 約730名 で あ る。 工 場 で は,9つ の 生 産 ラ イ ン を持 ち,1ラ イ ン当 た り約52 の ミシ ン と約65人 の作 業 員 が い る。 取 締 役 は3名 でx会 長 と社 長 は資 本 出資 者 の大 株 主 が 就 任 して い る。 短 ・ 中期 的 にみ た戦 略 ・組 織 上 の経 営 課 題 は,能 力 ・業 績 主 義 的 処 遇 の推 進,生 産 コス トの 削 減,品 質 の 向 上,輸 出 の拡 大 等 で あ る。現 在 の 経 営 上 の 問題 点 は,入 事 管 理 と品質 管 理 で あ る。 人 事 管 理 に 関 して は,特 に優 秀 な従 業 員 の 採 用 が課 題 で あ る。 また,品 質管 理 に関 して は,主 に ヨー ロ ッパ 企 業 向 け の ブ ラ ン ド製 品 の委 託 加 工 が 中心 の た め,品 質 が 最 も重 要 な要 因で あ る と考 え て い る。 ベ トナ ムで の現 地 経 営 で,国 際 的 な競 争 優 位 とい う視 点 で優 れ て い る と考 え て い る点 は,人 的資 源 の優 秀性,イ ン フ ラの整 備,政 治 の安 定 性 で あ る と考 え て い る。 つ ぎ に人 的資 源 管 理 につ い て み て み よ う。 大 学 の新 卒 者 の 定期 一括 採 用 は 実 施 して い る。2000年 に は,大 学 新 卒 者 を8名 採 用 し,そ の 内 訳 は文 系4名, 理 科 系4名 で あ る。 従 業 員 の他 部 門 を含 め た 定期 的 な配 置 転 換 につ い て は, 現 場 ワー カ ー,事 務 職,技 術 職,管 理 職 と も実 施 してい な い 。 内部 昇 進 につ い て は,現 実 に企 業 内 で の 昇 進 が 現 場 ワ ー カ ー の職 種 で は行 な わ れ て い る。 勤 務 評 定 ・業 績 評 価 につ い て は,各 職 種 と も実 施 してい る。 社 内 の教 育 訓練

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プ ロ グ ラ ム と して,新 入 社 員 集 合研 修,通 信 教 育 ・夜 間 学校 等 へ の金 銭 的補 助,制 度 的OJTプ ロ グ ラ ム等 を実 施 してい る。 従 業 員 の年 間 の離 職 率 は,現 場 ワー カ ー で5%程 度,事 務 職 で0%程 度,テ クニ シ ャ ンで5%程 度,技 術 職 で0%程 度,管 理 職 で0%程 度 で あ る。 長 期 雇 用 につ い て は,原 則 と して 正 社 員 を出 来 る だ け解 雇 せ ず,雇 用 を維 持 しよ う とい う方 針 を採 っ て い る。 従 業 員 を レイ オ フ した経 験 はな い 。 定 年 制 は存 在 し,定 年 年 齢 は労働 法 に基 づ い て い る。 退 職 金 制 度 は,設 立 して新 しい 会 社 の た め現 状 で は ない 。 た だ し,退 職 者 に関 して は,労 働 法 に 基 づ く規 定 を準 拠 して い る。企 業 内 部 の技 能 養 成 を 目的 と した企 業 内学 校 は 持 って い な い。 現 場 ワー カ ーの 賃 金 は,出 来 高 給 制 度 を採 っ て い る 。 テ クニ シ ャ ン とエ ンジ ニ ア の賃 金 は,基 本 的 に は業 績 と能 力 に基 づ い て個 別 に決定 して い る。 全 体 的 に見 る と,従 業 員 の1ヶ 月 の賃 金 は,現 場 ワ ー カー が90万 ドン程 度,一 般 事 務 職 が150万 ドン程 度,テ ク ニ シ ャ ンが150万 ドン,工 場 現 場 監 督 職 が250万 ドン程 度,マ ネ0ジ ャ ー職 が250万 ドン程 度,上 級 管 理 職 が 450万 ドン程 度 で あ る。 賞 与 は,1ヶ 月程 度 の額 を年3回 支 給 して い る 。企 業 業 績 が 良 くな い場 合(1999年 が そ うで あ っ た)は 支 給 し ない こ と もあ る 。 手 当 と して は,管 理 職 役 職手 当,精 皆 勤 手 当,勤 続 手 当 が あ る 。正 社 員 の賃 金 制 度 は,各 職 種 と も月給 を基 本 と して い る。 勤務 評 定,査 定 等 の業 績 評 価 を,各 職 種 と も実 施 して い る。 従 業 員 の基 本 給 決 定 にお い て,仕 事 成 果 を重 視 した業 績 給 的側 面 を重 視 す るが,年 齢,勤 務 年 数 等 の セ ニ オ リテ ィー を も 考慮 してい る 。従 業 員 へ の イ ンセ ンテ ィブ と して,能 力 給 ・業 績 給 の 導 入, 従 業 員 の 独 立 へ の支 援 等 を実 施 して い る。 所 定 内 労働 時 間 は,週48時 間 で,週6日 勤 務 制 で あ る。 オ フ ィス の レイ ア ウ トは,取 締 役,社 長 ク ラス で は個 室 を持 って い るが,そ れ以 下 の 階層 は大 部屋 式 で あ る。 人事 ・労 務 管 理 上 に大 きな 問題 は存 在 して い な い 。福 利 厚 生 に関 す る施 策 と して,昼 食 の完 全 支 給 を実 施 してい るが,こ れ以 外 は特 に行 っ てい な い 。

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労 働 組 合 は,新 しい 会 社 の た め,現 在 存 在 して い な い 。労 働 組合 が な い状 況 で も,従 業 員 の不 満 や 要 求 は 人事 部 門 で前 向 きに対 応 してい る。 か つ て韓 国 との合 弁 当 時,低 賃金 へ の不 満 か らス トラ イ キが あ っ た 。現 在,労 使 交 渉 で 主 に問 題 とな るの は,賃 金 に 関す る点 で あ る。 社 内 コ ミュニ ケ ー シ ョン を 円滑 にす る た め に,大 部 屋 主 義 ・ワ ン フ ロ アー の オ フ ィス レ イ ア ウ ト,共 通 の 制 服 の着 用,掲 示 板 等 に よる社 内情 報 の積 極 的 開示,幹 部 ・一般 従 業 員 が 共 通 に利 用 す る食 堂 の 設 置 等 を実 施 して い る。 職 務 に 関 して は,従 業 員 の 個 々 の仕 事 内容 が 明確 に文 書 化 され て お り,ま た個 々 の職 務 の 範 囲 も厳 密 に 規 定 され て い る傾 向 にあ る。 次 に,工 場 等 の生 産 を中心 と した人 的資 源 管 理 につ い てみ て み よ う。現 在, 生 産 管 理,工 場 管 理 上 で の重 要 な 問題 点 は,品 質 管 理 で あ る。 現場 の従 業 員 の 職 務 区 分 は厳 密 に存 在 す る。 現 場 の従 業 員 の 多 能 工 化 は,単 一 の 職種 のみ な らず 多 様 な職 種 を経 験 させ る多 能 工 化 を行 っ てい る。 現 場 の従 業 員 の 配 置 転換 は,あ ま り実 施 して い ない 。 現 場 で の生 産 機械 の トラ ブル に備 え て メ イ ンテ ナ ンス,修 理,保 全 ・保 守 の部 門 と して 生 産技 術 部 門が 存 在 す る。 一 般 組 立 部 門 とメ イ ンテ ナ ンス ・保 全 部 門 と は明 確 に分 離 して い る。QCサ ー ク ル等 の品 質 管 理 に関 す る小 集 団 活 動 を実 施 して い る。 原 材 料 ・部 品 の 海外 か らの 調 達 率 は,約90%で あ る 。 主 に韓 国,香 港,台 湾等 か ら調 達 して い る 。 大 卒 のエ ンジ ニ ア は,約20名 程 度 い る。 大 卒 の エ ンジ ニ ア は,生 産 現 場 に抵 抗 な く入 り,現 場 従 業 員 と よ く交 流 して い るが,現 場 の 生 産 設 備 の 維持,管 理,補 修 等 の業 務 は行 っ て い ない 。 (3)VINAPRO社 の ケ ー ス V工NAPRO(CongTyCheTaoDongCo)社 は,1969年 に 当 時 の 南 ベ トナ ム で 設 立 さ れ た 。 当 初 は,日 本 の ヤ ンマ ー 社 が12.5%,ニ チ メ ン社 が12.5% 出 資 して い た 。1975年 の ベ トナ ム 戦 争 終 結 後 国 有 化 さ れ,国 営 企 業 と な っ た 。 現 在 も,国 が100%の 資 本 を所 有 し,産 業 省 の 管 轄 下 に あ る 国 営 企 業 で あ る 。

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民 営 化 につ い て は,将 来 の検 討 課題 で あ る が,現 状 で は民 営 化 の 予 定 は ない 。 本 社 は ホ ー チ ミ ン市 内 にあ るが,工 場 は ホ.___チミ ン近 郊 の ビエ ンホ ア工 業 団 地 にあ る。 事 業 内容 は,船 舶 エ ンジ ン,産 業 用 エ ンジ ン,農 機 具,耕 作 機 等 の製 造 ・販 売 で あ る 。 日本 の ヤ ンマ ー社 か ら技 術 供 与 を受 け て い る。従 業 員 数 は 約480名 で あ る。 会 長 と社 長 と も,内 部 昇 進 に よる生 え抜 きの 専 門経 営 者 で あ る。 国営 企 業 で あ るVINAPO社 の経 営 自主 権 につ い て は,投 資 決 定 と利 益 処 分 につ い て は 原 則 と して政 府 が 関与 しない 形 で独 自で決 定 してい る。 高 級 幹 部 の 人事,予 算,製 品価 格,生 産 量,基 本 経 営 戦 略,従 業 員 の賃 金 決 定 等 につ い て は,監 督 官 庁 の 産 業 省 に よ る 関 与 を受 け て お り,独 自 に は決 定 で きな い 。 た だ し, 企 業 経 営 につ い て は,独 立 採 算 性 を採 っ て い る 。 短 ・中期 的 に み た戦 略 ・組 織 上 の 経 営 課 題 は,研 究 開発 の 強 化,ASEAN 地 域 で の部 品 調 達 の 拡 大,輸 出 の 拡 大,部 品 の現 地 調 達 率 の拡 大 等 で あ る 。 ベ トナ ム で の 現 地 経 営 で ,国 際 的 な競 争 優 位 とい う視 点 で 優 れ て い る と考 え て い る 点 は,人 的 資 源 の優 秀 性,技 術 力 で あ る と考 えて い る。 つ ぎ に人 的資・源 管 理 につ い て み て み よ う。 大 学 の新 卒 者 の定 期 一 括 採 用 に 関 して,毎 年 は実 施 して い ない が,2000年 に は,大 学 新 卒 者 を20名 採 用 し, そ の 内訳 は文 系5名,理 科 系15名 で あ る。従 業 員 の他 部 門 を含 め た定 期 的 な 配 置 転 換 につ い て は,現 場 ワー カー につ い て は実 施 して い るが,事 務 職 テ クニ シ ャ ン,エ ン ジニ ア,管 理 職 で は実 施 して い な い。内部 昇 進 につ い て は, 現 実 に企 業 内 で の昇 進 が 事 務 職,エ ン ジニ ア,管 理 職 で は行 われ て い る傾 向 にあ るが,現 場 ワー カー,テ ク ニ シ ャ ン とい っ た ブ ル ー カ ラ ー に近 い職 種 で は行 な わ れ て い な い傾 向 に あ る。 勤 務 評 定 ・業 績 評 価 に つ い て は,各 職 種 と も実施 して い る。 社 内 の教 育 訓 練 プ ログ ラ ム と して,主 に 日本 へ の 海外 派 遣 研 修,通 信 教 育 ・夜 間学 校 等 へ の金 銭 的補 助 等 を実 施 して い る。従 業 員 の年 間 の離 職 率 は,現 場 ワー カ ーで5%程 度,事 務 職 で2%程 度,テ クニ シ ャ ン で5%程 度,技 術 職 で3%程 度,管 理 職 で0%程 度 で あ る。 近 年,従 業 員 を

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レイ オ フ した経 験 は ない 。 定 年 制 は存 在 し,定 年 年 齢 は 労働 法 に基 づ い て い る。 退 職 金 制 度 は現 状 で は ない が,退 職者 に関 して は,労 働 法 に基 づ く規 定 を 準 拠 して い る。企 業 内部 の技 能 養 成 を 目的 と した企 業 内 学 校 は持 って い な い。 従 業 員 の1ヶ 月 の賃 金 は,現 場 ワー カー が120万 ドン程 度,一 般 事 務 職 が100 万 ドン程 度,テ クニ シ ャ ンが100万 ドン程 度,工 場 現 場 監 督 職 が180万 ドン程 度,マ ネ ー ジ ャ ー職 が180万 ドン程 度,上 級 管 理 職 が250万 ドン程 度 で あ る。 賞 与 は,年2回 支 給 し,1回 目は平 均 で300万 ドン程 度,2回 目は平 均60万 ドン程 度 支 給 してい る。 賞 与 支 払 額 の 内,査 定 に よる個 人格 差 は,10%程 度 で あ る。 手 当 と して は,管 理 職 役 職 手 当,精 皆 勤 手 当,生 産 性 手 当 が あ る。 正 社 員 の賃 金 制 度 は,現 場 ワー カー,事 務 職 テ クニ シ ャ ン,エ ンジ ニ アが 月 給 を基 本 と してい る。 管 理 職 につ い て は,年 俸 制 を基 本 と して い る 。勤 務 評 定,査 定 等 の 業 績 評 価 を,各 職種 と も実 施 して い る 。従 業 員 の基 本 給 決 定 にお い て,仕 事 成 果 を重 視 した 業績 給 的 側 面 を重 視 す るが,年 齢,勤 務 年 数 等 の セ ニ オ リテ ィー を も考 慮 してい る。 なお,基 本 給 決 定 にお い て は学 歴 を 基 本 と した構 造 に な っ て い る 。 従 業 員 へ の イ ンセ ンテ ィブ と して,能 力 給 ・業 績 給 の 導 入,従 業 員 の独 立 へ の支 援 等 を実 施 して い る。所 定 内 労働 時 間 は,週48時 間 で,週6日 勤 務 制 で あ る。 オ フ ィス の レイ ア ウ トは,取 締 役,社 長 ク ラス で は個 室 を持 っ てい る が,そ れ以 下 の 階層 は大 部 屋 式 で あ る。 人 事 ・労務 管 理 上 の重 要 な問 題 点 と して,優 秀 な大 卒 者 採 用 の 困 難性,優 秀 な管 理 職 の不 足 等 が あ る。福 利厚 生 に 関す る施 策 と して,通 勤 バ ス,昼 食 の完 全 支給,ユ ニ ホ ー ム の支 給,慶 弔 金 規 定,親 睦旅 行 等 を実 施 して い る。 労 働 組合 は存 在 して お り,最 近3年 間 ス トラ イ キ は な い。 社 内 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を 円滑 にす るた め に ,社 内 電 子 メ ー ル シス テ ム等 を実 施 して い る。 職 務 に 関 して は,従 業 員 の 個 々 の仕 事 内容 が 職務 記 述 書 で 明確 に文 書化 さ れ て い る。

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次 に,工 場 等 の生 産 を中心 と した人 的 資 源 管 理 につ い て み て み よ う。現在, 生 産 管 理 ・工 場 管 理 上 で の重 要 な問 題 点 は,機 械 の 老朽 化 で あ る。現 場 の従 業 員 の 多 能 工 化 は,単 一 の職 種 とい う範 囲 の 中 で 多 能 工 化 を行 って い る。現 場 の従 業 員 の配 置 転 換 につ い て は,現 場 の他 職 種 へ の配 置 転 換 を行 っ て い る。 現 場 で の 生 産 機 械 の トラ ブル に備 え て メ イ ンテ ナ ンス,修 理,保 全 ・保 守 の 部 門 と して生 産 技 術 部 門 が存 在 す る。 メ イ ンテ ナ ンス 部 門の 人 数 は8名 で あ る。QCサ ー ク ル等 の 品 質 管 理 に 関す る小 集 団 活 動 を実 施 して い る。 部 品 の 海外 か らの 調 達 率 は,約60%で あ る。 海外 調 達 の 内,ASEAN諸 国 か らの部 品調 達 は約50%で あ る。大 卒 の エ ンジ ニ ア は,約20名 程 度 い る。 大 卒 の エ ン ジ ニ ア は,現 場 の生 産 設備 の 維 持,管 理,補 修 等 の 業務 を も行 って い る 。 一 部 の製 品 の み,日 本 の ヤ ンマ ー社 か ら全 面 的 に製 品 開発 ・生 産 に関 す る技 術 導 入 を して い る が,そ の ほか の 製 品 につ い て は 製 品 開発 と製 品 の基 本 設 計 は 独 自で 行 っ て い る。 製 品 に関 して,使 用 して い る部 品 の 自社 の 内製 化 率 は約 20%程 度 で あ る 。 (4)VIPESCO社 の ケ ー ス VIPESCO(VietNamPesticideCompany)社 は,1976年 に 設 立 さ れ た 。 国 が100%の 資 本 を 所 有 し て い る 国 営 企 業 で あ る 。 民 営 化 に つ い て は, VIPESCO社 企 業 グ ル ー プ の ユ企 業 が す で に 民 営 化 が 行 わ れ て い る が, VIPESCO社 の 民 営 化 に つ い て は 将 来 の 検 討 課 題 で あ る 。 本 社 は ホ ー チ ミ ン市 内 に あ る 。 事 業 内 容 は,殺 虫 剤,除 草 剤 を 中 心 と した 化 学 製 品 の 製 造 ・販 売 で,主 に ベ トナ ム 市 場 向 け に 販 売 して い る 。 従 業 員 数 は 約900名 で あ る 。 国 際 化 戦 略 と し て,外 国 企 業 と の 合 弁 会 社 の 設 立,外 国 企 業 か ら全 面 的 に技 術 援 助 を 受 け た 製 品 の 契 約 生 産,お よ び 特 許 ・ノ ウ ハ ウ 等 の 技 術 導 入 を実 施 して い る 。 会 長 と社 長 と も,内 部 昇 進 に よ る 生 え 抜 きの 専 門 経 営 者 で あ る 。 国 営 企 業 で あ るVIPESCO社 の 経 営 自 主 権 に つ い て は,10-20万 ドル 以 上 の 金 額 と投 資

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決 定 につ い て は,国 に よ る 関与 を受 け て お り,独 自に は決 定 で きない とい う 問 題 が あ る 。 そ の他 の 意 思 決 定,利 益 処 分,高 級 幹 部 人 事r予 算,価 格 ・生 産 量 決 定 等 に つ い て は,必 要 が あ れ ば 国 と協 議 す る が,基 本 的 に は VIPESCO社 が独 自で 決 定 して い る。企 業 経 営 に つ い て は,独 立 採 算 性 を採 っ て い る。 短 ・中期 的 にみ た 戦 略 ・組 織 上 の経 営 課 題 は,能 力 主 義 ・業 績 主義 的 人 事 処 遇 の推 進,品 質 の 向上,研 究 開発 の強 化,輸 出 の増 大,製 品 開発 力 の強 化, 現 地 市 場 で の拡 販 で あ る。 現 在 の経 営 上 の重 要 な問題 点 は,経 済 不 況,品 質 管 理,他 社 との競 争 激 化, 現 地 で の販 売,外 国企 業 との関 係 で あ る。 ベ トナ ム で の現 地経 営 で ,国 際 的 な競 争 優 位 とい う視 点 で優 れ て い る と考 え て い る点 は,低 廉 な人件 費,イ ン フ ラの整 備,現 地 市 場 の将 来性,政 治 の 安 定 性 で あ る と考 えて い る。 つ ぎに人 的資 源 管 理 につ い てみ て み よ う。 大 学 の新 卒 者 の定 期 一括 採 用 に 関 して は,実 施 して い る。2000年 には,大 学 新 卒 者 を5名 採 用 し,そ の 内 訳 は文 系0名,理 科 系5名 で あ る。 従 業 員 の他 部 門 を含 め た定 期 的 な配 置 転 換 につ い て は,現 場 ワ ー カ ー,事 務 職,テ クニ シ ャ ンにつ い て は 実施 してい な い が,エ ンジ ニ ア,管 理 職 で は実 施 して い る。 内 部 昇 進 につ い て は,現 実 に 企 業 内 で の昇 進 が現 場 ワ ー カ ー,テ クニ シ ャ ン とい っ た ブ ル ー カ ラ0に 近 い 職種,お よび事 務 職 エ ンジ ニ ア,管 理 職 とい っ た ホ ワ イ トカ ラー職 種 と も 行 わ れ て い る傾 向 に あ る。 勤 務 評 定 ・業 績 評 価 につ い て は,現 場 ワー カ ー, テ ク ニ シ ャ ン,事 務 職,エ ンジニ ア,管 理 職 の 各 職種 と も実 施 して い る。社 内 の 教 育 訓 練 プ ロ グ ラム と して,新 入 社 員 集 合 教 育,海 外 派 遣 研 修,階 層 別 集 合 教 育 研 修,社 内 職業 訓練 プ ログ ラム,新 任 管 理 職 集 合研 修 等 を実 施 して い る。 海 外 派 遣 研 修 に関 して は,日 本,シ ン ガポ ー ルが あ り,日 本 へ の 派遣 研 修 は約1-2ヶ 月 の期 間,技 術 提 携 して い る 日本企 業 に派 遣 して い る。従 業 員 の年 間 の離 職 者 は,各 職種 と も非 常 に少 な く,定 着 率 は非 常 に高 い 。 こ

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の 理 由 は,国 営 企 業 で あ る た め に,待 遇 ・身 分 と も安 定 して い る た めで あ ろ う。 長期 雇 用 につ い て は,原 則 と して 正社 員 を解 雇 せ ず,長 期 間 の雇 用 を維 持 しよ う とす る方 針 を採 って い る。 定 年 制 は存 在 し,定 年 年齢 は男 性60歳,女 性55歳 であ る。 退 職 金 制 度 は存 在 してい る。 退 職 金 額 最 高 限 度 は20ヶ 月分 程 度 で あ る。 企 業 内部 の技 能養 成 を 目的 と した企 業 内学 校 は持 っ てい ない 。 従 業 員 の1ヶ 月 の 賃 金 は,現 場 ワ ー カー が120万 ドン程 度,一 般 事 務 職 が 120万 ドン程 度,テ ク ニ シ ャ ンが130万 ドン程 度,工 場 現 場 監 督 職 が150万 ド ン程 度,マ ネ ー ジ ャ・一職 が200万 ドン程 度,上 級 管 理 職 が300万 ドン程 度 で あ る。VIPESCO社 は 国営 企 業 で あ る の で,賃 金 額 にお い て も国営 企 業 の賃 金 シス テ ム に依 拠 して い る 。 賞 与 は,年4回 支 給 し,平 均 年 間900万 ドン程 度 支 給 して い る。 手 当 と して は,管 理 職 役 職 手 当 の み で あ る。 正 社 員 の賃 金 制 度 は,現 場 ワー カー が 時 給 を基 本,事 務 職 テ ク ニ シ ャ ン,エ ンジニ ア,管 理 職 が 月給 を基 本 と して い る。 現 場 ワー カ ー につ い て は,時 給 をベ ー ス と し て月 に2回 賃 金 を支給 して い る。 勤 務 評 定,査 定 等 の業 績 評 価 を,各 職種 と も実 施 して い る。従 業 員 の基 本 給 決 定 にお い て,仕 事 成 果 を重 視 した業 績 給 的側 面 を重 視 す るが,年 齢,勤 務 年 数 等 の セ ニ オ リテ ィー を も考 慮 して い る。 従 業 員 へ の イ ンセ ンテ ィブ と して,会 社 利 益 の一 定 割 合 の 配 分,能 力 給 ・ 業 績 給 の導 入,従 業 員 の独 立 へ の支 援 等 を実 施 して い る。所 定 内労 働 時 間 は, 国営 企 業 の 労働 時 間短 縮 政 策 に従 っ て週40時 間 で,週5日 勤 務 制 で あ る。 オ フ ィス の レイ ア ウ トは,取 締 役,社 長 ク ラ ス で は個 室 を持 っ てい るが,そ れ 以 下 の 階層 は大 部屋 式 で あ る。 人事 ・労 務 管 理 上 の重 要 な問題 点 と して,優 秀 な大 卒 者採 用 の 困難 性,優 秀 な現 場従 業 員 採 用 の 困難 性,優 秀 な技 術 者 の不 足 とい っ た人 的 資 源 の質 に 関 す る こ とが 多 く,ま た共 産党 企 業 委 員 会 の 関与 の 問題 が あ る。 共 産 党 企 業 委 員 会 は,従 業 員 や経 営 者 に大 きな影 響 力 を持 って い るの が 現 実 で あ る 。共

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産 党 企 業 委 員 会 の メ ンバ ー は,企 業 の 中 で高 い地 位 を 占め て い る場 合 もあ り, 例 え ばr工 場 長 や取 締 役 等 の経 営 幹 部 で あ る ケ ー ス もあ る。 た だ し,取 締 役 の 中で,共 産 党 党 員 会 の メ ンバ ー は一 部 の み で あ る。福 利 厚 生 に 関す る施 策 と して,昼 食 の完 全 支 給,貸 付 金 制 度,慶 弔金 規 定,親 睦 旅 行 等 を実 施 して い る。 労 働 組 合 は存 在 して お り,最 近3年 間 ス トライ キ は ない 。 労使 交 渉 にお い て も,大 きな問 題 は な い 。従 業 員 が 賃 金,労 働 条件 等 に不 満 が あ る場 合,ま ず労 働 組 合 に相 談 し,労 働 組 合 が そ の問 題 を取 締 役 と協 議 し,そ の後 会 社 か ら從 業員 に説 明 す る とい う形 で 解 決 して い る。 そ の た め,ス トラ イ キ に到 る こ とは まず ない 。 社 内 コ ミュニ ケ ー シ ョン を円 滑 にす る た め に,社 内報 の発 行,社 内 電 子 メ ー ル シス テ ム ,社 内 旅 行 の実 施,掲 示板 等 に よる社 内情 報 の積 極 的 開示 等 を 実 施 して い る。 職 務 に関 して は,従 業 員 の個 々 の仕 事 内 容 が 職 務 記 述 書 で 明確 に文 書 化 さ れ て い る傾 向 にあ る。 ま た,従 業 員 の個 々 の 職 務 範 囲 が厳 密 に規 定 され て お り,職 務 分 担 が個 々 人 に明 確 に割 り当 て られ て い る傾 向 にあ る。従 業 員 の仕 事 の や り方 は,ど ち らか とい う と個 人 プ レー で は な く,チ ー ム プ レー で行 っ てい る。 次 に,工 場 等 の生 産 を 中心 と した人 的資 源 管 理 につ い てみ て み よ う。現 在, 生 産 管 理,工 場 管理 上 で の 重 要 な 問題 点 は,従 業 員 の 技 術 ・技 能水 準,品 質 管 理 問 題,現 地 調 達 原 材 料 ・部 品 の 品 質,工 場 廃 棄 物 の処 理 等 で あ る。現 場 ワ ー カ ー に お い て,職 務 区分 が 厳 密 に存 在 して い る。 現 場 の従 業 員 の 多 能 工 化 につ い て は,単 一 の職 種 とい う範 囲 の 中 で 多 能工 化 を行 っ て い る。現 場 の 従 業 員 の 配 置 転 換 につ い て は,現 場 の他 職 種 へ の 配 置 転 換 を行 って い る場 合 と,現 場 の 同一 の職 種 の み に配 置 転 換 を行 って い る場 合 が あ る。 現 場 で の 生 産機 械 の トラブ ル に備 え て メ イ ンテ ナ ンス,修 理,保 全 ・保 守 の部 門 と して 生 産技 術 部 門が 存 在 す る 。 また,現 場 従 業 員 の 中 に,一 般作 業 工 とメ イ ンテ

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ナ ンスエ(テ ク ニ シ ャ ン)の2週 類 の 職 種 が 明 確 に存 在 す る 。QCサ ー ク ル 等 の 品 質 管 理 に 関す る小 集 団 活 動 を実 施 して い る。 原材 料 の海 外 か らの調 達 率 は,約80%で あ る。 ア メ リカ,中 国,日 本,一 部 の ヨー ロ ッパ 諸 国 か ら輸 入 してい る。 現 地 資 本 の 原材 料 サ プ ラ イヤ ー との 間 で 長期 継 続 的取 引 を行 っ てい る。 大 卒 の エ ン ジニ ア は,約150名 程 度 い る。 大 卒 のエ ンジ ニ ァは,現 場 に抵 抗 な く入 り,現 場従 業 員 と よ く交流 し,ま た 現 場 の生 産 設 備 の維 持,管 理,補 修 等 の業 務 を も行 って い る。現 場 従 業 員 は, 自分 の 習 得 した技 術 ・技 能 を他 人 ・同僚 に教 え た が ら な い とい う傾 向 は な い 。 海 外 企 業 か ら 製 品 開 発 ・生 産 に 関 す る 技 術 導 入 を し て い る が, VIPESCO社 にお い て も独 自 に製 品 開発 を も行 って い る 。 製 品 に 関 して,使 用 して い る原 材 料 の 自社 の 内 製 化 率 は約20%程 度 で あ る。

参照

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