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第 1 章 ベトナムの 概 要 I. ベトナムの 社 会 面 積 33.1 万 km 2 ( 日 本 の 約 9 割 ) 人 口 8,876 万 人 (2012 年 ) 人 口 増 加 率 1.2%( 過 去 10 年 平 均 ) 首 都 ハノイ(684 万 人 )(2012 年 ) 民 族 キン

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第1章 ベトナムの概要

I. ベトナムの社会

・面 積 33.1 万 km2(日本の約9 割) ・人 口 8,876 万人(2012 年) ・人口増加率 1.2%(過去 10 年平均) ・首 都 ハノイ(684 万人)(2012 年) ・民 族 キン族(越人)約86%、他に 53 の少数民族 ・言 語 ベトナム語(公用語)、他に多種の山岳民族語 ・宗 教 仏教(80%)、カトリック、カオダイ教他 ・教 育 教育制度は 5(小)、4(中)、3(高)年制(義務教育は小学校か ら中学校課程終了の第 1∼第 9 学年までだが、都市部を除くと小 学校課程終了の第5 学年までの就学となっている) ・識字率 男性95.1%、女性 90.2%(2008 年) ・気 候 北部:亜熱帯(短い冬と春がある) 南部:熱帯モンスーン(四季がなく、雨季と乾季がある) ・通 貨 ベトナムドン(1 ドル=21,100 ドン、2013 年 10 月時点) ・文 化 ・ 「稲作文化」に社会の基盤…ベトナム社会では、「稲作文化」が社会の基盤をな し、社会主義的生産体制の導入にもかかわらず、農村共同体が依然として緊密 な結びつきを保っている。しかし、ドイモイ路線以降、諸外国の文化や思想が 数多く流入し、ベトナムの文化を変容させつつある。 ・ 自然条件を反映した国民性…南北に長い地理的特性から、国民性も地方によっ て異なる。北部の人は、自然環境が厳しく、ものが豊かでないため、「経済観念 が発達している」、南部の人は、自然環境に恵まれているため、「おおらかで、 やや金銭的にルーズ」といわれる。 ・ 儒教的な色彩が色濃く残る…紀元前から千年以上にわたる中国支配や中越戦争 から中国に対し嫌悪感を持つ一方で、長幼の序を重んずるなどモラルの面では 儒教的なものが色濃く残る。勤勉を尊ぶ気風があり、向上心、向学心が旺盛で ある。貧しくとも豊かな心を持つなど民族としての誇りも高く、中国と比べら れ、文化や伝統が似ているといわれることを嫌う。 ・ 家族・親族重視…国民の大部分が農村に生活基盤を持ち、また、戦争経験や社 会主義体験から、信じられるのは家族、親族(血縁)だけという意識が強い。 会社への帰属意識は薄く、家族の病気や子供の事情を理由に仕事を休むことが 多いとも聞く。

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II. ベトナムの政治

1.概要

・国 名 ベトナム社会主義共和国

(Socialist Republic of Viet Nam) ベトナムの国旗

・建 国 1976 年 7 月 2 日 ・政 体 社会主義共和国(ベトナム共産党の指導による社会主義国) ・政 党 ベトナム共産党(一党体制) グエン・フー・チョン書記長(2011 年 1 月就任) ・元首 チュオン・タン・サン国家主席(大統領)(2011 年 7 月就任) ・行政権 内閣 グエン・タン・ズン首相(2011 年 7 月再任) ・立法権 国民議会(500 議席、任期 5 年、2011 年∼2016 年、第 13 期国 会) グエン・シン・フン議長(2011 年 7 月就任) ・司法権 最高人民裁判所 ・国家機構 共産党が国家の基本的指針や方向性を決定 それを受けて、行政機関が政策を執行 ・地方行政区画 省級(5 市 58 省)、県級、村級に区分 行政区画毎に、人民評議会(議会)と人民委員会(執行機関) を設置 2.共産党 ベトナム共産党による一党支配であり、共産党が国家を指導する体制になっている。 図表 1-1 共産党の組織図 選出 全国代表者大会 中央執行委員会 書記長グエン・フー・チョン 中央執行委員 175 人 (中央委員候補 25 人) 6 ヶ月に 1 回定例会 (党の政策を起案・決定) 政治局 政治局員 14 名 書記長、 国家主席、 首相、等を含む (党の事実上の 政策決定機関) 書記局 書記局員 7 名 中央監視委員会 (党の最高規律 検査機関) 国民議会 議長 グエン・シン・フン 各中央委員会 地方省級党委員会 県級党委員会 村級党委員会

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3.国家機構 2011 年 1 月にハノイで開催された第 11 回共産党大会で、グエン・フー・チョン新書記 長が就任した。また、2011 年 7 月に第 13 期第 1 回国会において、チュオン・タン・サン 新国家主席が就任し、グエン・タン・ズン首相のもと、新しい内閣が発足した。 図表 1-2 国家機構の組織図 (出所)各種メディア資料等より作成(2013 年 5 月末時点) 4.中央政府組織(22 省等機関) 2007 年 7 月に中央省庁再編が行われた。急速な経済発展及び国際化への対応を強化する ために「小さな政府」を目指し、重複している権限の統一を図ることを目指したもの。 具体的には、商業省(貿易省)については、解体の上、①国内産業担当部門と工業省を 統合して「商工省」を新設、②投資誘致担当部門を計画投資省へ移管、③外国との経済交 渉担当部門の外務省への移管が行われた(次頁の図表1-3)。 省等国家機関(22) 国家主席 チュオン・タン・サン 地方省級党委員会 県級党委員会 村級党委員会 立法機関 行政機関 司法機関 国民議会 議長 グエン・シン・フン 内閣 首相 グエン・タン・ズン 最高人民裁判所 ・憲法・法律の制定・改正 ・国家主席、首相、議長、最高裁長官等の選出 ・国家経済開発計画、財政予算・決算の審査・承認

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図表 1-3 中央政府の組織

Ministry of National Defense:国防省 Ministry of Natural Resources and Environment

:天然資源環境省

Ministry of Public Security:公安省 Ministry of Information and Communication

:情報通信省

Ministry of Foreign Affairs:外務省 Ministry of Labor, War Invalids and Social

Affairs:労働傷病兵社会問題省

Ministry of Home Affairs:内務省 Ministry of Culture, Sports and Tourism

:文化スポーツ観光省

Ministry of Justice:司法省 Ministry of Science and Technology:科学技術省

Ministry of Industry and Trade:商工省 Ministry of Education and Training:教育訓練省

Ministry of Finance:財務省 Ministry of Health:保健省

Ministry of Planning and Investment :計画投資省

Ministry of Agriculture and Rural Development :農業農村開発省

Ministry of Transport:交通運輸省 Ministry of Construction:建設省

State Bank of Vietnam:国家銀行 Government Inspectorate:国家監察院

Committee for Ethnic Minorities:民族委員会 Government Office:政府官房

(出所)ベトナム政府ホームページより作成 (http://www.chinhphu.vn/portal/page?_pageid=517,1&_dad=portal&_schema=PORTAL) 5.地方政府組織 ハノイ、ホーチミン、ハイフォン、ダナン、カントーの5 つの中央直轄市と 58 の省が存 在する(2008 年 8 月の改変によるもの)。その下に県、市、郡、町、村等が置かれている。 図表 1-4 地方行政単位 (注)「村」は主に農村部に位置する「行政村」である。「坊」は都市部に位置する。 (出所)今井昭夫、岩井美佐紀 編著(2004)『現代ベトナムを知るための 60 章』より作成 省レベル (第1 級行政区) 県レベル (第2 級行政区) 村レベル (第3 級行政区) 中 央 省 (58) 中央直轄市(5 市) ハノイ、ホーチミン、 ハイフォン、ダナン、カントー 県 町 村 省直轄市 市 坊 村 村 坊 市 県 村 町 坊 村 坊 区

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中部 南部 ハノイ カ ント ー ホー チミン ダナン ハイフ ォ ン 北部 図表 1-5 行政区画(5 市 58 省) <北部地域 2 市 23 省>

1 Ha Noi City (ハノイ市、首都) 13 Lao Cai (ラオカイ) 22 Hoa Binh (ホアビン) 3 Hai Phong City (ハイフォン市) 14 Bac Can (バックカン) 23 Hai Duong (ハイズォン) 6 Ha Giang (ハザン) 15 Thai Nguyen (タイグエン) 24 Hung Yen (フンエン) 7 Tuyen Quang (トゥイエンクアン) 16 Son La (ソンラ) 25 Thai Binh (タイビン) 8 Cao Bang (カオバン) 17 Phu Tho (フトー) 26 Ha Nam (ハーナム) 9 Lang Son (ランソン) 18 Vinh Phuc (ビンフック) 27 Nam Dinh (ナムディン) 10 Lai Chau (ライチャウ) 19 Bac Giang (バックザン) 28 Ninh Binh (ニンビン) 11 Dien Bien(ディエンビェン) 20 Bac Ninh (バクニン)

12 Yen Bai (イエンバイ) 21 Quang Ninh (クアンニン)

<中部地域 1 市 18 省> 4 Da Nang City (ダナン市) 29 Thanh Hoa (タインホア) 30 Nghe An (ゲーアン) 31 Ha Tinh (ハーティン) 32 Quang Binh (クアンビン) 33 Quang Tri (クアンチ)

34 Thua Thien - Hue (トゥアティエンフエ) 35 Quang Nam (クアンナム) 36 Quang Ngai (クアンガイ) 37 Binh Dinh (ビンディン) 38 Phu Yen (フーエン) 39 Khanh Hoa (カインホア) 40 Gia Lai (ザーライ) 41 Kon Tum (コントゥム) 42 Dac Lak (ダクラク) 43 Dac Nong(ダクノン) 44 Lam Dong (ラムドン) 47 Ninh Thuan (ニントゥアン) 48 Binh Thuan (ビントゥアン) <南部地域 2 市 17 省>

2 Ho Chi Minh City(ホーチミン市) 5 Can Tho City (カントー市) 45 Binh Duong (ビンズオン) 46 Binh Phuoc (ビンフォク) 49 Tay Ninh (タイニン) 50 Dong Nai (ドンナイ) 51 Long An (ロンアン) 52 Dong Thap (ドンタップ) 53 An Giang (アンザン)

54 Tien Giang (ティエンザン) 59 Tra Vinh (チャビン) 55 Ben Tre (ベンチェ) 60 Kien Giang (キエンザン) 56 Hau Giang(ハウザン) 61 Bac Lieu (バクリィェウ) 57 Soc Trang (ソクチャン) 62 Ca Mau (カマウ)

58 Vinh Long (ビンロン) 63 Ba Ria - Vung Tau (バリアーヴンタウ)

(注)下線部は中央直轄特別都市

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ひとくちメモ(1):外部機関からみたベトナム政府のガバナンス評価

「中国+1」で進出先として注目されるベトナムであるが、ベトナム政府のガバナンス力を世 界はどのように評価しているのであろうか。この点については、世界銀行とブルッキングス研究 所が、民間企業、市民、専門家等に対して行ったサーベイ(Worldwide Governance Indicators) を基に発表している、200 ヵ国以上を対象とした各国政府のガバナンスの 6 つの指標が参考にな る。

6 つの指標とは、①民意と説明責任(Voice and Accountability)、②政治的安定と暴力のない 社会(Political Stability and Absence of Violence/Terrorism)、③政府の能力(Governance Effectiveness)、④規制監督の質(Regulatory Quality)、⑤法の支配(Rule of Law)、⑥腐敗 の抑制(Control of Corruption)、であり、100 点満点で評価されている。 ベトナム政府のガバナンス力は、他の ASEAN 加盟 9 ヵ国に比べ て決して高い評価を受けてはいない(右図)。ベトナムの 2009 年 の 6 指標の平均スコアは 35.7 で、7 番目に甘んじている。ただし、 後発 ASEAN4 ヵ国の他の 3 ヵ国であるカンボジア(23.0)、ラオス (17.5)、ミャンマー(2.1)と比較すると最も評価が高い。 6 つの指標の内、⑥の「腐敗の抑制」に着目すると、ベトナム (36.7)は、シンガポール(99.0)、ブルネイ(79.0)、マレーシ ア(58.1)、タイ(51.0)に次いで第 5 位である。ベトナムがWTO に加盟した 2007 年のスコア(32.4)と比較すると 4.3 ポイント 評価が上がっているものの、1996 年(37.9)との比較では 1.2 ポイント低下している。 そのほかの指標でも、ベトナムを除く 9 ヵ国の平均を上回る指 標は②の「政治的安定と暴力のない社会」のみである。これは、 共産党による一党独裁に起因するものであり、上位のブルネイ(95.3)、シンガポール(90.1) に次いで 3 番目に高い評価を受けている。 評価の低い指標からは、ベトナム政府が直面するガバナンス上での改善点が多いことがうかが える。

(出所)World Bank 資料により作成(http://info.worldbank.org/governance/wgi/index.asp)

90th-100th Percentile 50th-75th Percentile 10th-25th Percentile 75th-90th Percentile 25th-50th Percentile 0th-10th Percentile

国名 平均 シンガポール 86.0 ブルネイ 72.0 マレーシア 56.8 タイ 45.3 インドネシア 37.3 フィリピン 36.8 ベトナム 35.7 カンボジア 23.0 ラオス 17.5 ミャンマー 2.1 平均値 41.3 中央値 37.1 0 20 40 60 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ベトナム 平均(除くベトナム) 0 20 40 60 80 100 1996 1998 2000 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 WTO加盟

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III. ベトナムの歴史と外交

ベトナムは、世界でも長い歴史を有する国であるが、その大部分は外部勢力による再三 にわたる侵略と支配、そしてそれに対する抵抗と独立に向けての戦いの繰り返しであった。 そのような厳しい歴史を乗り越えて、ようやくベトナムは独立と国家の統一を手にしたが、 それはわずか35 年前のことに過ぎない。 外交の基本方針は、全方位外交、対外開放、地域・国際市場経済との関係強化の推進で あり、旧社会主義国やフランス語国などとも多角的・多様な国際関係を維持している。最 近の外交上の動向としては、2007 年 1 月の WTO 加盟実現に続き、2008 年からは国連安全 保障理事会の非常任理事国(任期2 年)、2010 年は ASEAN 議長国を務めるなど、地域の 代表としてのプレゼンス向上に意欲的である。 図表 1-6 ベトナムの歴史 歴 史 外 交 主 な 出 来 事 (近代以前)中国支 配からの独立 10 世紀 千年を超える中国支配の後独立 しかし、中国文化圏に帰属、朝貢関係を維持しつつ、幾 度か中国王朝の干渉を撃退、次第に南方に進出。15 世紀 末に中部のチャンバ王国滅亡 18 世紀末 南部のメコンデルタ征服 19 世紀初 グエン王朝による全国統一 (19 世紀から 20 世 紀にかけて)フラン ス の 植 民 地 支 配 か ら独立へ 19 世紀中頃 仏インドシナ攻略開始 1884 年 仏による植民地化 1940 年 日本軍ハノイ進駐 1945 年 ホーチミン独立宣言、ベトナム民主共和国成立、 仏とのインドシナ戦争開始 1954 年 ジュネーブ停戦協定で仏から独立(南北に分割) (1955∼75 年) 対米戦争を経て 統一へ 対 中 ソ 等 距 離 外交 1955 年 南部にベトナム共和国成立 1965 年 米軍直接介入、ベトナム戦争開始 1973 年 パリ協定締結、ベトナム戦争終結への第一歩 1975 年 サイゴン陥落、南ベトナム崩壊 (1976∼86 年) 社会主義国家の 建設と挫折 親ソ路線へ 1976 年 南北統一、ベトナム社会主義共和国発足 1977 年 国連加盟 1978 年 カンボジア侵攻、米日等対ベトナム経済封鎖へ 1979 年 中越戦争、ボートピープル続出。1986 年ドイモイ (刷新)路線採択(第6 回共産党大会) 全 方 位 外 交 路 線へ 1988 年 外国投資法制定 1989 年 カンボジアから撤退 1991 年 カンボジア和平パリ協定、対中国関係の正常化、 最大の援助国ソ連崩壊、全方位外交へ (1987 年以降) 市場経済化による 経済発展 アジア域内・ 国 際 市 場 経 済 との関係強化 1995 年 WTO 加盟申請、ASEAN 正式加盟、 対米国外交関係樹立 1998 年 ASEAN 首脳会議開催、APEC 加盟 1999 年 中越陸上国境協定締結

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歴 史 外 交 主 な 出 来 事 2000 年 中越トンキン湾領海画定協定締結。対ロシア(旧ソ連)債 務削減で合意。クリントン米大統領訪越、米越通商協定締 結 2002 年 中国・ASEAN 自由貿易協定締結包括合意 2003 年 日越投資協定締結 2004 年 アジア欧州会議(ASEM)首脳会議開催 2006 年 5 月末、WTO 加盟に関する米国との二国間合意に調印 2006 年 11 月 APEC 首脳会議開催(開催地ハノイ) WTO 加盟と 自 由 貿 易 圏 の 拡大 2007 年 1 月 WTO 加盟 2008 年 1 月 国連安全保障理事会で非常任理事国(任期 2 年) 2009 年 10 月 日越経済連携協定発効(ベトナム初の二国間 EPA) 2010 年 ASEAN 首脳会議開催(議長国) (出所)各種資料より作成

IV. ASEAN の中での位置付け

ASEAN(東南アジア諸国連合)は、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポ ール、タイの5 カ国で 1968 年に発足した地域経済統合である。ベトナムは、1995 年に加 盟し、現在はブルネイ(1984 年加盟)、ラオス(1997 年加盟)、ミャンマー(1997 年加盟)、 カンボジア(1999 年加盟)を合わせた 10 カ国体制となっている。 図表 1-7 ASEAN 加盟国 (出所)日本外務省ホームページ

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図表 1-8 ASEAN 加盟国の比較表(2012 年) 人口 面積 名目GDP 1人あたり所得 万人 1,000 km2 億ドル ドル シンガポール 531 0.7 2,765 52,052 ブルネイ 40 6 170 42,402 マレーシア 2,946 331 3,047 10,345 タイ 6,789 513 3,660 5,390 インドネシア 24,447 1,911 8,785 3,594 フィリピン 9,580 300 2,502 2,612 ベトナム 8,876 331 1,556 1,753 ラオス 665 237 92 1,380 カンボジア 1,525 181 141 926 ミャンマー 6,367 677 553 868 合計(平均) 61,766 4,487 23,270 3,767 【参考】 日本 12,761 378 59,603 46,707 中国 135,404 9,597 82,210 6,071 インド 122,719 3,287 18,417 1,501 EU(28ヵ国) 50,218 4,381 166,733 32,913 NAFTA(3ヵ国) 46,607 21,578 192,434 41,289 (出所)IMF、外務省より作成。面積は 2011 年 1.人口 ASEAN 加盟国の総人口は 6 億人を超す。そのうち、2 億 4,447 万人を擁するインドネシ アが圧倒的に多く、次いでフィリピン(9,580 万人)、ベトナム(8,876 万人)が続く。 図表 1-9 ASEAN 各国の人口(2012 年) 24,447 9,580 8,876 6,789 6,367 2,946 1,525 665 531 40 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 インドネシア フィリピン ベトナム タイ ミャンマー マレーシア カンボジア ラオス シンガポール ブルネイ (万人) (出所)IMF より作成

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2.1人当たりGDP 2012 年の1人当たり GDP はシンガポールが 5.2 万ドル、次いでブルネイが 4.2 万ドルと 群を抜いて高い。ベトナムは1,753 ドルと、10 カ国中、7 番目である。 図表 1-10 ASEAN 各国の1人当たり GDP(2012 年) 52,052 42,402 10,345 5,390 3,594 2,612 1,753 1,380 926 868 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 シンガポール ブルネイ マレーシア タイ インドネシア フィリピン ベトナム ラオス カンボジア ミャンマー (ドル) (出所)IMF より作成 3.貿易 貿易額(輸出入の合計)はシンガポール、タイ、マレーシアの順に多い。ベトナムの順 位は10 カ国中 5 番目、輸出が 1,145 億ドル、輸入が 1,132 億ドルで輸出額を上回る。 図表 1-11 ASEAN 各国の貿易額(2012 年) 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 シンガポール タイ マレーシア インドネシア ベトナム フィリピン ブルネイ ミャンマー カンボジア ラオス (億ドル) 輸出 輸入 (出所)アセアン事務局より作成

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4.日本からの直接投資状況 日本から東南アジア地域に対する直接投資状況(2008∼2012 年度の累計)は、金額ベー スでは、タイが1 兆 6,687 億円と最も多く、次いでシンガポールの 1 兆 4,337 億円となっ ている。同期間に日本からベトナムへの直接投資金額は 5,842 億円の累積があり、単年で 見ると、2009 年と 2010 年は落ち込みを見せたが、2012 年には過去最高の 2,050 億円とな った。 図表 1-12 日本からの対外直接投資状況(2008∼2012 年度) 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 タイ シンガポール マレーシア インドネシア フィリピン ベトナム (億円) 2008 2009 2010 2011 2012 (出所)日本財務省「対外直接投資(地域別)」より作成 5.労働コスト(ワーカークラス・中間管理職) ワーカークラスの労働コストで比較すると、ASEAN 主要地域の中で、ベトナムの 2 都市 (ハノイ・ホーチミン)は 150 ドル/月程度であり、ジャカルタ(インドネシア)よりも 低い水準にある。他方、中間管理職については、特にハノイの賃金水準が上昇しており、 787 ドル/月と、ホーチミンの 653 ドル/月と比較して 100 ドル以上の差が出ている。ベ トナム北部において、中間管理職は不足傾向にあることがうかがえる。

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図表 1-13 ASEAN 各国の都市別労働コスト 国名 ミャンマー カンボジア ラオス ベトナム インドネシア 都市 単位 ヤンゴン プノンペン ビエンチャン ホーチミン ジャカルタ 国の人口(2012年) 100万人 63.7 15.3 6.6 88.8 244.5 1人あたりGDP(2012年) ドル 868 926 1,380 1,753 3,594 製造業・一般工 ドル/月 53 74 132 148 239 製造業・中堅技術者 ドル/月 138 298 336 297 433 製造業・課長クラス ドル/月 433 563 410 653 1,057 非製造業・一般職 ドル/月 236 297 321 440 423 非製造業・課長クラス ドル/月 668 1,088 1,109 1,222 1,245 法定最低賃金 ドル/月 - 80 78 113 226 祝日日数 日 24 26 13 11 14 国名 フィリピン マレーシア タイ 都市 単位 マニラ クアラルン プール バンコク 上海 北京 国の人口(2012年) 100万人 95.8 29.5 67.9 1人あたりGDP(2012年) ドル 2,612 10,345 5,390 製造業・一般工 ドル/月 301 344 345 449 466 製造業・中堅技術者 ドル/月 452 944 698 835 743 製造業・課長クラス ドル/月 1,070 1,966 1,574 1,456 1,445 非製造業・一般職 ドル/月 493 858 664 824 840 非製造業・課長クラス ドル/月 1,194 1,986 1,602 1,891 1,962 法定最低賃金 ドル/月 11(日額) 296.0 9.85(日額) 231 223 祝日日数 日 16 20 16 1,354.0 6,071 中国 33 (注)2013 年 1 月時点調査 (出所)IMF、JETRO『第 22 回アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較』(2013 年 1 月)より作成 6.物流コスト(対日輸出、40 フィートコンテナ当たり) ハノイ近郊のハイフォン港は水深が10 メートル以下と浅く、大型船が入港できない。積 み替え地の香港やホーチミンまでフィーダー船を利用するため、ホーチミンと比較すると 船便での物流コストは高くなる。他方、ホーチミンは、マニラに比べコスト水準が低い。 図表 1-14 ASEAN 各国の物流コスト(船便、対日輸出、40 フィートコンテナ当たり) 単位:ドル 2009年 2010年 2011年 2012年 ハノイ 970 600∼1,000 1,100 2,000 ホーチミン 750 700 500 500 マニラ 825 857 830 850 バンコク 1,139 1,258 1,120 1,162 シンガポール 650 600 600 900 クアラルンプール 480 450 888 643 ジャカルタ 1,000 900 800 800 ヤンゴン 1,500 1,400 1,400 1,600 (注)アンケート調査のため、年によって数値に大きく差が出る場合がある (出所)JETRO『アジア主要都市・地域の投資関連コスト比較』第 19 回∼第 22 回より作成

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ひとくちメモ(2):拡大メコン圏におけるベトナム

インドシナ半島に位置するタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、中国雲南省の 6 つの国・地域は、1990 年代前半から拡大メコン圏(Greater Mekong Subregion:GMS)を形成 して地域全体の発展に取り組んでいる。GMS 諸国では、アジア開発銀行(ADB)の支援のもと、 国境を越えた道路整備や電力融通などのプログラムが進められている。 ここで、GMS 諸国の動向について少し紹介しよう。 まず、GMS 諸国の中で最も経済発展しているタイだが、労働コストの上昇などを背景に、言語 的にも近いラオスに第二工場を建設したり、工場を移転したりする動きが見られる。また、最近 ではベトナムからも同じような事情でラオスに進出するケースもあるようだ。ラオスといえば、 第一東西回廊でタイとベトナムの中間に位置していることで注目されている。また、同国は豊富 な水力エネルギーを活かし、既にタイ向けに電力輸出を行っている。カンボジアでは、内戦の影 響で多くの労働力が失われた。しかし、アンコールワットやシアヌークヴィルなどの観光資源が あるほか、将来、第二東西回廊の活用が進めば、バンコク∼ホーチミン間の中継国として発展す る可能性もある。ミャンマーは現在、政治的な事情から国際社会から少し距離を置いた状況にあ る。魅力は、約 6,000 万人の人口(GMS ではベトナム、タイの次)と、天然ガスなどの資源に恵 まれている点である。中国雲南省は内陸に位置するため、中国沿岸部と比べて経済発展で後れを 取ってきた。このため、南北回廊によってタイ、ミャンマー、ラオスとの経済交流を活発化させ、 経済発展に弾みをつけたいと期待している。また、省都・昆明はベトナム北部とも道路や鉄道で つながっている。そのベトナムでは、中国華南地域との関係に注目が集まっている。2007 年に は、ハノイと華南地域を結ぶ定期混載便での輸送(陸路)が始まり、ベトナムは対中国の拠点と しても注目を集めつつある。 拡大メコン圏(GMS)の特徴 ○約4,500万人の人口 ○ミャンマー、ラオス、 ベトナムと国境を接する ○タバコ、天然ゴムの産地 △中国沿岸部の経済発展 から取り残される 中国雲南省 ○約6,000万人の人口 ○豊富な資源 ミャンマ ー ○約6,700万人の人口 ○目覚しい経済発展 ○自動車を中心とした 産業の集積 △不安定な政治 タイ ○タイの第二工場と いう位置付け ○第一東西回廊の 中継基地 ○増加するタイへの 電力輸出(水力) △人口は約630万人 ラオス ○約8,700万人の人口 ○増加する企業進出 ○豊富な越僑送金集積 △未成熟な裾野産業 ベトナム ○第二東西回廊による バンコク、ホーチミンとの接続 ○良質な観光資源 (アンコールワット等) △人口は約1,400万人だが、 内戦の影響残る カンボジ ア 中国華南地域 (広州、深セン) ○電気・電子産業、 自動車産業における 日系企業の集積 △労働コストの上昇 第二 東西回廊 ( 南部経済回廊) 南 北回廊 昆明 ∼ラオカイ∼ ハノ イ∼ハイフォン 第一東西回廊 (出所)各種資料より作成

図表 1-3  中央政府の組織
図表 1-8  ASEAN 加盟国の比較表(2012 年)  人口 面積 名目GDP 1人あたり所得 万人 1,000 km 2 億ドル ドル シンガポール 531 0.7 2,765 52,052 ブルネイ 40 6 170 42,402 マレーシア 2,946 331 3,047 10,345 タイ 6,789 513 3,660 5,390 インドネシア 24,447 1,911 8,785 3,594 フィリピン 9,580 300 2,502 2,612 ベトナム 8,876 331 1,556
図表 1-13  ASEAN 各国の都市別労働コスト  国名 ミャンマー カンボジア ラオス ベトナム インドネシア 都市 単位 ヤンゴン プノンペン ビエンチャン ホーチミン ジャカルタ 国の人口(2012年) 100万人 63.7 15.3 6.6 88.8 244.5 1人あたりGDP(2012年) ドル 868 926 1,380 1,753 3,594 製造業・一般工 ドル/月 53 74 132 148 239 製造業・中堅技術者 ドル/月 138 298 336 297 433 製造業・課長ク

参照

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