• 検索結果がありません。

クロアチアの経済の概要 2018 年 11 月 在クロアチア日本国大使館 1. マクロ経済動向 名目 GDP( 百万ユーロ ) 44,837 44,022 43,754 43,416 44,546 46,406 48,700 実質

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "クロアチアの経済の概要 2018 年 11 月 在クロアチア日本国大使館 1. マクロ経済動向 名目 GDP( 百万ユーロ ) 44,837 44,022 43,754 43,416 44,546 46,406 48,700 実質"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

クロアチアの経済の概要

2018年11月 在クロアチア日本国大使館

1. マクロ経済動向

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 名目GDP(百万ユーロ) 44,837 44,022 43,754 43,416 44,546 46,406 48,700 実質GDP成長率 (対前年比%) ▲0.3 ▲2.2 ▲0.6 ▲0.1 2.3 3.2 2.8 1 人当りGDP(ユーロ) 10,476 10,314 10,281 10,245 10,596 11,118 11,806 インフレ率(年平均値%) 2.3 3.4 2.2 ▲0.2 ▲0.5 ▲1.1 1.1 失業率(%)(ILO 基準) 13.7 15.9 17.3 17.3 16.2 13.1 11.2 対外債務(対 GDP 比%) 103.5 102.9 104.7 106.9 101.9 89.8 82.3 政府債務残高 (対 GDP 比%)【注1】 63.8 69.4 80.5 84.0 83.8 80.6 78.0 財政収支(対 GDP 比%) 【注2】 ▲7.8 ▲5.2 ▲5.3 ▲5.1 ▲3.3 ▲0.9 0.8 経常収支(対 GDP 比%) ▲0.7 ▲0.1 0.9 2.0 4.5 2.6 3.9 外国からの投資総額 (百万ユーロ) 1,022.5 1,154.9 737.1 2,297.5 189.8 1,716.1 1,841.6 出所:クロアチア中央銀行(CNB Bulletin 232),クロアチア統計局及び EUROSTAT。 備考:GDP及び財政データはESA2010(欧州における最新の国民経済計算体系),経常収支及び対外債務は BPM6(最新の国際収支マニュアル)及びESA2010 に準拠。 【注1】 政府債務残高に関するEUの基準:対GDP比60%。 【注2】 財政収支赤字に関するEUの基準:対GDP比3%。 (1)GDP成長率:2000年以降,約4%台の高成長率を維持。2008年の世界経済危機以降マイ ナス成長が6年間続いた後,2015年にプラス成長に転じた。IMFの予測によれば,今後も緩や かな回復(2018年2.8%,2019年2.6%)が見込まれている。 (2)政府債務・財政赤字削減:2012年3月1日に付加価値税増税(23%→25%)を実施。201 4年からEU財政政策に基づく監視手続きである「過剰財政赤字手続き(EDP)」が開始されたが, 2016年の財政赤字が大きく改善したことが評価され、2017年6月にEUはEDPの終了を決定。 (3)雇用:失業率は11.2%(2017年)。若年失業率は27.4%(同)。EU圏内でギリシャ,スペ イン,イタリアに次いで悪い。(EUROSTATより) 年金生活者と就業者との比率:年金生活者(退役軍人年金受給者も含む)は約122万人,就 業者(約155万人)であり,その比率は 1:1.27。(以上には失業者は含まず。)(クロアチア国家改 革プログラム2016より)

(2)

2

2.貿易(財の貿易)

2017 額 主要な貿易財 主要な相手国 輸出 157 億ドル (140 億ユーロ) 金 属 部 品 ( 9.6 % ) , 食 料 ・ 飲 料 (9.4%),繊維製品(9.2%),医薬 品(8.2%),石油精製品(7.3%) 伊(13.7%),独(12.8%), スロベニア(10.8%),墺(6.3%), BH(9.8%),セルビア(4.8%) 輸入 246 億ドル (218 億ユーロ) 食品・飲料(10.6%),繊維製品 (9.5%),金属部品(9.3%),輸送 機械(8.3%),機械部品(8.2%) 独(15.4%),伊(12.8%), スロベニア(10.7%),墺(7.6%), ハンガリー(7.6%),BH(3.1%) 収支 ▲88 億ドル (▲78 億ユーロ) 出所:クロアチア統計局

3.外国からクロアチアへの直接投資

(1)概観:2008年の世界経済危機以前は,金融業,不動産業を中心に外資が資本投下。危機 後,海外直接投資(FDI)流入が減少し,危機前の水準には回復していない。 (2)問題点:他の中・東欧諸国に比べて割高な賃金,不完全な民営化,複雑な行政手続き,労働 市場の硬直性,不十分な司法制度等。また,既存の資産の売却による投資呼び込みが多く, 新たに外国資本が生産施設を建設する例は多くない。 (3)外国からの投資が向けられている分野:金融,流通,不動産,情報通信。 (4)外国資本下にある多くのクロアチア企業:大企業100社の内40社は外国資本下にある。残 りの内,17社は公的企業,43社は私企業。主要企業10社の内では,6社は外国資本下にあ る(①石油ガス会社INA(洪),②ザグレブ銀行(墺),③クロアチア・テレコム(独),④石油会 社 PETROL(スロベニア),⑤PBZ銀行(伊),⑥製薬企業プリバ(イスラエル)。(出典:当地週 刊誌リーデル) (5)主な投資国:オランダ、オーストリア,イタリア,ドイツ,ルクセンブルグ,ハンガリー(累積ベー ス,2017年末)

(3)

3

4.産業

クロアチアの総付加価値産業別シェア(%) 年 農林水産業 製造業、鉱業等 建設業 卸小売・輸送・宿泊業 通信業 情報・ 保険業 金融・ 不動 産業 学術研究,専 門・技術サー ビス 公共サ ービス その他 サービス 製造業 2017 3.9 20.7 15.1 5.3 23.1 4.5 6.1 9.7 8.4 15.0 3.2 出所:ユーロスタット ※近隣東欧諸国(V4+スロベニア,ルーマニア,ブルガリア)と比較すると製造業のシェアが小さく、また不動 産業、金融業、公共サービスのシェアが比較的大きい(EUROSTAT)。 主要産業:観光業他,金融業,不動産業。製造業では食品加工業(対製造業シェア26.7%), 金属加工業(同12.5%),石油化学工業(同10.6%)等(2016年値)。 観光業:観光収入(2016年)は,前年比8.5%増の860億ユーロ(GDP総額の18.9%)。 財の貿易赤字を観光業からの外貨収入が穴埋めする構造。 エネルギー,鉱物資源:天然ガス及び原油の国内生産割合は各々約5割と約2割で,残りを輸 入。他の鉱物資源は乏しい。 電力:約3~4割を輸入。クルシュコ原子力発電所(所在スロベニア)を同国と共有。 2014年値 GWh % 国内生産 13,553.8 77.4 水力 9,124.3 52.1 風力 730.0 4.2 太陽光 35.2 0.2 火力 3,664.3 20.9 輸入 6,777.1 38.7 うち原子力(クルシュコ) 3,030.2 17.3 輸出 2,824.2 16.1 国内総供給(国内生産+輸入-輸出) 17,506.7 100 出所:クロアチア経済省資料より当館作成

5.インフラ整備

(1)全国的に高速道路が整備されている。ウィーン、ブダペスト、ベオグラードなど周辺国の首都 まで高速道路が開通している。 (2)飛び地となっているドゥブロブニク地域の半島と本土とを結ぶペリェシャツ橋建設計画があり, 入札の結果,中国企業が落札し,総額346百万ユーロ,工期3年の予定で着工される見通し。本 プロジェクトの総事業費の85%は,EU基金が充当される予定。 (3)アドリア海沿岸にあるリエカ港は近代化・拡張工事が進められ、中・東欧地域へのゲートウエ ーとしての活用を目指した計画がある。

(4)

4 (4)老朽化した鉄道システムの近代化事業が進められており,EUの資金が導入されている。 (5)クルク島に浮体式LNGターミナルを建設してLNGを輸入するプロジェクトが進行中。また,ア ゼルバイジャンからのガスをパイプラインで運ぶ構想等あり。

6.クロアチア経済の長所と課題(日本のビジネスにとって)

(1)長所: ●国民は親日的であり,日本製品に対する信頼も高く,日本文化にも関心高い。 ●高い技能の技術者(ソフトウェア技術者を含む)やマネージャー・幹部クラス要員の供給で比較 優位がある。日本企業も技術者を雇用しての製品開発,高級船員雇用,マネージャーを活用して の近隣国での事業展開等を実施。 ●多くの若者やビジネス関係者が英語を問題なく話す。 ●国内での戦争終結から20年以上が経ち,また,テロ等も発生しておらず,治安に関しては基本 的に問題はない。 (2)課題: ●旧ユーゴスラビア時代は他の共和国に比較すると経済的に発展していたが,1990年代の内 戦(「祖国防衛戦争」)等に伴い,海外直接投資の誘致や製造業の振興が遅れている面がある。 ●許認可等の行政規制が多く,腐敗の問題が依然としてある等との指摘がある。また,税関によ る恣意的な対応等について相談が寄せられている。 ●経済に占める公営部門の比率が依然高く,非効率な国営企業を温存している部門がある。 ●権利関係が未整理な不動産も多く,また,土地登録制度が不完全。不動産を購入した外国投 資家が所有権を巡る問題に巻込まれる例あり。 ●固定資産税は一部を除き導入されておらず,不動産利用が非効率であり,未活用の土地・家屋 も多い。 ●クロアチア通貨クーナの対ユーロ為替相場は,実勢に比してややクーナ高に留まっていると言 われている。これを背景に,労働コストが近隣諸国と比較して高いとの指摘がある。 ●2013年のEU加盟に伴いEU基準に則した司法制度の見直しを行っている。なお,司法手続き に要する時間が長く,短縮化が求められるなどの課題が残っている。 ●世界銀行グループがまとめた「Doing Business 2018」によれば,ビジネスのしやすさの比較で, クロアチアは190カ国・地域の内,51位。

(5)

5

7.EU基金

クロアチアが2014~20年の7年の間に利用可能なEU基金は,約106.8億ユーロ。報道(2 016年1月)によれば,2015年にクロアチアは約40億クーナ(5億ユーロ余)のEU資金を得た。 EU基金は,他資金と合わせてその目的にあったプロジェクトに共同出資される。これらのプロジェ クトに要した経費に占めるEU資金の割合は,東欧では概ね50%以上となっており,クロアチアで も同程度となる見込み。 EU基金の種類 (ユーロ) ERDF(欧州地域発展基金) 4,321,499,587 CF (結束基金) 2,559,545,971 ESF (欧州社会基金) 1,516,033,074 EAFRD(欧州農業農村振興基金) 2,026,222,500 EMFF(欧州海運漁業基金) 252,643,138 総計 10,675,944,270 出所:クロアチア経済会議所資料より当館作成 (了)

参照

関連したドキュメント

事  業  名  所  管  事  業  概  要  日本文化交流事業  総務課   ※内容は「国際化担当の事業実績」参照 

(2011)

継続企業の前提に関する注記に記載されているとおり、会社は、×年4月1日から×年3月 31

・マネジメントモデルを導入して1 年半が経過したが、安全改革プランを遂行するという本来の目的に対して、「現在のCFAM

経済的要因 ・景気の動向 ・国際情勢

経済特区は、 2007 年 4 月に施行された新投資法で他の法律で規定するとされてお り、今後、経済特区法が制定される見通しとなっている。ただし、政府は経済特区の

平成28年度の日本経済は、緩やかな回復軌道を描いてきましたが、米国の保護主義的な政