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乳用牛の受精割合(案)

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山形県酪農・肉用牛生産近代化計画書

平成28年2月

山 形 県

計 画 期 間 平成28年度~平成37年度

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目 次

Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針 ・・・・・・・・・・1 Ⅱ 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標 1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標 ・・・・・・・・・・9 2 肉用牛の飼養頭数の目標 ・・・・・・・・・・10 Ⅲ 近代的な酪農経営方式及び肉用牛経営方式の指標 1 酪農経営方式 ・・・・・・・・・・・・・11 2 肉用牛経営方式 ・・・・・・・・・・・・・12 Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大に関する事項 1 乳牛 ・・・・・・・・・・・・・14 2 肉用牛 ・・・・・・・・・・・・・15 Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項 ・・・・・・・・・・・・・18 Ⅵ 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する事項 1 集送乳の合理化 ・・・・・・・・・・・・・19 2 乳業の合理化等 ・・・・・・・・・・・・・19 3 肉用牛及び牛肉の流通の合理化 ・・・・・・・・・・・・・21 Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項 1 担い手の育成と労働負担の軽減のための措置 ・・・・・・・・・ 24 2 畜産クラスターの推進方針 ・・・・・・・・・ 24

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Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針 1 酪農及び肉用牛生産の位置付けと展開方向 本県の酪農及び肉用牛生産は、県民の食生活に不可欠な、牛乳や牛肉という食料 を安定的に供給するという重要な役割を担っている。 同時に、稲作、果樹、野菜とともに本県農業の中核を担い、中山間地を含め地域 農業の活性化に寄与しているほか、飼料用米や稲発酵粗飼料(稲ホールクロップサ イレージ)など水田等をフル活用した飼料自給率の向上を通じて食料自給率の向上 にも貢献している。 また、堆肥の供給源として循環型農業の推進に大きな役割を果たしているなど、 本県農業の中で重要な地位を占めている。 さらに、生乳や肉用牛の加工、流通、販売等の関連産業は裾野が広いため、地域 における雇用創出の効果も有しており、地域経済の活性化にもつながっている。 一方、他国との経済連携協定の広がりなど国際化の進展に伴う安価な輸入畜産物 の増加、担い手の高齢化や後継者不足による家畜飼養戸数・頭数の減少、輸入飼料 価格の高止まり、地域における環境問題の顕在化、国内での悪性伝染病の発生など、 酪農・肉用牛生産を取り巻く内外の情勢が大きく変化してきており、その中で生産 基盤の脆弱化が進んでいるため、これらの変化に的確に対応しながら、持続的な本 県畜産の振興を図っていくことが求められている。 そこで、「第3次山形県総合発展計画」及び「山形県農林水産業振興計画」との 整合性を図りながら、次の項目を柱とする施策や取組みを展開することにより、本 県の酪農及び肉用牛の生産振興とブランド力の強化、また、国内外の産地間競争の 激化にも耐え得る畜産主産地としての競争力の強化を図っていく。 (1)畜産担い手の育成と生産基盤強化の推進 (2)自給飼料基盤に立脚した畜産経営の育成 (3)家畜改良の推進と新技術の開発・普及 (4)畜産物に係る安全・安心の確保 (5)実需者ニーズを踏まえた畜産物の生産・流通及び供給 (6)地域と共生する環境に配慮した畜産経営の推進 (7)地域ぐるみで収益力の向上を図る畜産クラスターの取組み推進 2 畜産担い手の育成と生産基盤強化の推進 (1)生産性の高い経営の実現 ア 乳用牛については、需要に即した計画的な生乳生産に努めることを基本に、脆 弱化している生産基盤の強化により生産性の高い酪農経営を確立するため、フリ ーストール・ミルキングパーラー方式や搾乳ロボットなど省力的飼養管理方式の

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導入と合わせて、飼養規模の拡大に必要な畜舎やTMR(混合飼料)調製等の効 率的機械の整備を促進する。 また、乳用牛群能力検定情報の活用により牛群検定の推進を図るとともに、雌 雄判別精液や受精卵移植技術を活用した高能力後継牛の確保及び和牛子牛等生 産による経営の安定化を一層推進する。 イ 肉用牛については、国際化の進展に伴う国内外の産地間競争の激化に対応して、 山形生まれ山形育ちの「総称山形牛」の生産拡大を図っていく。そのため、和牛 繁殖雌牛の増頭による生産基盤の充実強化と肥育素牛自給率の向上、キャトルセ ンターや畜舎、草地・飼料畑の整備による繁殖及び肥育経営の飼養規模の拡大と 生産コストの低減を図るとともに、地域内一貫生産体制及び経営内一貫経営の確 立を進める。 また、優良な和牛子牛の安定確保を図るため、酪農経営との連携による受精卵 移植技術を活用した和牛生産に係る体制整備を進める。 (2)畜産担い手の育成・確保と労働負担の軽減 畜産農家の高齢化が進み、担い手が減少傾向で推移する中、本県畜産業を担う意 欲ある経営体を育成・確保するため、県は市町村や農業協同組合及び公益社団法人 山形県畜産協会等関係団体と情報を共有しつつ、和牛塾や酪農経営塾等の担い手の 交流と技術研鑽の場を設けるなど、畜産経営の後継者、新規参入者などに対して、 随時情報提供や技術助言ができる支援体制を強化していく。 また、酪農及び肉用牛生産は、多額の設備投資や運転資金が必要になってくるこ とから、中長期的な経営計画について過大な投資に留意しつつ、飼養規模拡大のた めの畜舎等生産基盤の整備、繁殖雌牛や乳用牛の増頭、自給飼料生産基盤の整備を 支援するとともに、経営体質の強化を図るため経営改善の技術指導等を実施する。 併せて、周年拘束性が高い酪農経営や肉用繁殖経営の生産者を支援するため、酪 農ヘルパー、肉用牛ヘルパー、作業受託組織(以下「コントラクター」という。)、 TMR(混合飼料)センターなどによる労働負担の軽減支援について、地域の実情 に沿った支援体制を図る。 〔フリーストール・ミルキングパーラー方式〕 ○フリーストールとは、牛が自由に行動でき、列状に配置した牛床に牛が自由に横臥 できる、放し飼い方式の牛舎。 ○ミルキングパーラーとは、牛が自ら歩いて入る搾乳専用の施設。 ○フリーストールとミルキングパーラーの双方の組み合わせで用いられる。 〔一貫生産体制〕 ○子牛生産から肥育牛生産までを一貫して行う形態 地域内で行う地域内一貫と同一経営体内で行う経営内一貫経営がある。

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3 自給飼料基盤に立脚した畜産経営の育成 (1)耕畜連携による飼料生産の拡大 生産コストの低減とともに、食料自給率の向上を通じた県土の有効活用、資源循 環型畜産の確立及び環境の保全を図るためには、輸入飼料への依存体質から脱却し、 自給飼料基盤に立脚した畜産経営の確立が重要である。そのため、草地改良による 永年性牧草や青刈とうもろこしを主体とする飼料生産、耕畜連携による飼料用米や 稲発酵粗飼料(稲ホールクロップサイレージ) をはじめとする水田をフル活用した 飼料生産、県産稲わらの飼料利用の促進により、自給飼料の安定確保に努めるとと もに、耕作放棄地など低・未利用地を有効活用し、地域の実情に応じた簡易放牧等 を推進する。 (2)効率的生産の推進 自給飼料の生産に係る労働力を確保し生産拡大を図るため、作業受託組織(コン トラクター)の育成と必要な機械・施設の整備を推進する。 (3)流通飼料の安定的な供給 配合飼料価格が高止まりしている中、国産濃厚飼料などの流通飼料をできるだけ 安価で、かつ安定的に確保し、畜産物の生産性の向上を図る観点から、エコフィー ド及び飼料用米の利用拡大を図り、生産費用の相当部分を占める飼料費を極力抑え、 畜産経営の安定に向けて支援していく。 稲作農家が生産する飼料用米の流通促進については、畜産農家の固定需要拡大を 図るとともに、畜産農家へ円滑に流通させるため、地域需給マッチング体制の整備 を支援していく。 4 家畜改良の推進と新技術の開発・普及 (1)乳用牛改良の推進 乳用牛の泌乳能力、繁殖性及び斉一性等の向上を図るため、県は一般社団法人山 形県ホルスタイン協会、山形県家畜改良協会などの関係団体と情報を共有し、乳用 〔コントラクター〕 ○農作業受託組織。畜産農家では、飼養頭数が増えるとすべてに手が回らなくなる。 そこで飼料の収穫などの作業を請け負う組織。 〔TMRセンター〕 ○粗飼料と濃厚飼料等を適切な割合で混合し、乳牛の養分要求量に合うように調製し た飼料(TMR:Total Mixed Rations)を地域の酪農家に供給する組織。

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牛群能力検定の積極的な活用による生涯乳量生産性の高い優良牛群の確保に努め るとともに、遺伝的に優れた種雄牛の計画的な利用を促進する。 (2)肉用牛改良の推進 肉用牛の改良については、産肉性や発育性及び斉一性等の向上を図るため、県は 公益社団法人全国和牛登録協会山形県支部、県内の食肉センター、山形県家畜改良 協会などの関係団体と情報を共有し、計画交配で生産された候補種雄牛の現場後代 検定よる産肉能力に優れた県産種雄牛の作出と、その積極的な利用に努めるととも に、枝肉情報に基づく育種価活用による優良な雌牛群の選抜・確保を促進する。 併せて、オレイン酸などの食味関連成分の含有量を分析し、牛肉の食味特性の数 値化による評価(見える化)を推進していく。 (3)受精卵移植技術等新技術の開発・普及 酪農経営において雌雄判別精液の有効活用により優良な乳用後継牛の確保を推 進するとともに、乳用牛への和牛受精卵移植技術を用いた和牛子牛の生産を推進し、 肉用牛資源の拡大を図る。 (4)家畜人工授精師及び受精卵移植技術者の養成・確保 酪農経営及び肉用牛繁殖経営における安定した経営の確立を支援するため、県は、 県が開催する家畜人工授精講習会などにより専門性の高い技術者を養成・確保する とともに、有資格者においても、技術向上研修会などを通して更なる繁殖技術の向 上を図る。 併せて、山形県家畜人工授精師協会などの関係団体と、より一層の連携を図り、 各地域における人工授精や受精卵移植の需要に十分対応できる体制を強化する。 5 畜産物に係る安全・安心の確保 消費者の食の安全や健康に対する関心が高まる中、県は、市町村や農業協同組合、 山形県農業共済組合連合会など関係団体との役割を明確にしながら、畜産農家の生 産現場における安全・安心の確保に向けた取組みについて、消費者に対する情報提 供などを行い理解醸成を図っていく。 (1)伝染性疾病の発生予防及びまん延防止体制の整備 平成22年4月の国内における口蹄疫の発生を踏まえ、口蹄疫などの家畜伝染性 疾病の発生予防及びまん延防止体制のため、関係者一丸となった危機管理体制の強 化に努める。 また、各種疾病の早期発見、飼養衛生管理の向上や畜産物の安全性を確保するた め、県は技術指導及び家畜衛生対策の徹底を図る。

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(2)動物用医薬品・農薬等の適正使用の推進及び畜舎衛生管理の徹底 県産畜産物の安全性を確保するため、県は関係機関と連携し、生産段階における 動物用医薬品の適正使用や生産履歴の記帳及び記録の保管等に関する指導を徹底 する。 また、日々の観察や記録、畜舎の清掃・消毒の励行、良質な飼料や水の給与、異 常家畜の早期通報等、飼養衛生管理基準の遵守を徹底することにより、健康で安全 な畜産物の生産につなげ、さらに生産性の向上に努めるよう指導する。 県内においては、農場HACCP認証制度に取り組む畜産農家も見られるように なっており、このような動きを後押ししていく。 (3)加工・流通段階における安全性確保 加工・流通段階における安全性を確保するため、県は、乳業者等の牛乳・乳製品 の製造及び食肉処理過程におけるHACCP手法を取り入れた衛生的処理とそれ に対応した施設設備の整備を支援する。 (4)産業動物診療獣医師などの養成・確保 BSE、高病原性鳥インフルエンザ、口蹄疫の発生を受け、安全で良質な畜産物 の安定的な供給に関して、産業動物診療獣医師や都道府県公務員獣医師に対する国 民の期待が高まっており、こうした獣医師の果たすべき責任が増大している。 産業動物分野の獣医師確保のため、県は山形県農業共済組合連合会など関係団体 と情報を共有し、獣医系大学の学生が産業動物診療や家畜衛生行政に触れる機会を 増やすことで、産業動物分野及び家畜衛生公務員への就業誘引を図る。 また、人工授精師、削蹄師などの専門性を必要とする資格者を確保すべく、国の 技術研修会などへの参加を通じて技術の習得や資質向上を図るとともに、畜産関係 の各機関・団体等がより一層連携を図ることにより、高度で多様な畜産経営体のニ ーズに十分対応できる指導体制を強化する。 〔HACCP手法〕

○Hazard Analysis Critical Control Pointの頭文字をとったもので、危害分析重要管 理点と訳される。

○食品の原料の受け入れから製造・出荷までのすべての工程において、危害の発生を 防止するための重要ポイントを継続的に監視・記録する衛生管理手法。

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6 実需者ニーズを踏まえた畜産物の生産・流通及び供給 (1)県産畜産物の高品質化 本県の酪農及び肉用牛生産においては、食料に対する消費者嗜好が多様化する中、 国内外の産地間競争の激化にも対処していく必要があり、良質で安全な畜産物を安 定的に供給していくことが求められている。このため、県は優良な遺伝子の探索と 改良の促進、受精卵移植技術を活用した高能力牛の増殖、また、飼養管理技術の向 上と衛生対策の徹底などにより、県産畜産物の高品質化と産地ブランドの確立を推 進するとともに、生産基盤及び生産体制を強化し、県産畜産物の安定供給を図る。 (2)生乳流通コストの低減 生乳生産については、集乳区域の変化及び乳業の再編に的確に対応するとともに、 指定生乳生産者団体の広域化に伴う県の区域を越える生乳流通の進展にも対応し て、県は地域の実情を反映した効率的な集送乳路線の設定やクーラーステーション 等の集送乳施設の整備を進め、生乳流通コストの低減を支援していく。 (3)肉用牛及び牛肉の流通の合理化 家畜取引に係る地域の実情を踏まえ、県は全国農業協同組合連合会山形県本部、 山形県家畜商業協同組合などの関係団体と情報を共有し、家畜市場の再編整備を図 り、公正かつ円滑な取引及び適正な価格形成に努める。 食肉流通の拠点となる食肉センターについては、食肉流通コストの低減と食肉処 理加工機能の高度化を図るとともに、集畜体制の確立、稼働率の向上等により経営 の安定を図る。 (4)6次産業化の取組みに対する支援 酪農及び肉用牛生産の産業としての持続性を確保するためには、生産から加工、 販売までを取り込んだ6次産業化の取組みによる所得確保も必要である。 このため、県は意欲ある酪農及び肉用牛経営体が、加工や直接販売等に主体的に 進出し、経営を多角化、高度化する場合、流通・販売業者などの関係者と連携し、 必要な情報を提供、助言するなど、各地域・各経営体の実情に応じた支援を行って いく。 (5)牛肉輸出の促進 東南アジアなどの国・地域において、経済成長に伴う食料消費の質の変化により、 高品質で安全な日本食へのニーズが高まっており、牛肉の消費拡大、輸出の拡大が 期待されることから、県は全農山形県本部、県内の食肉センターなどの関係団体と 情報を共有し、輸出相手国ニーズ、輸出に関する実績・課題等の関連情報の把握を 行ない、販路開拓と輸出拡大を図る。

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(6)畜産における食育・地産地消の推進 畜産物の栄養や特性、心身の健康に与える影響等に加え、酪農及び肉用牛生産に 関する正しい理解を得るため、生産から流通・消費に至るまで(農場から食卓まで) の、各段階における生産者・流通業者の安全・安心確保に向けた努力や取組みに関 する情報提供を行う。 生産者と消費者の連携強化を図るため、インターネット等を活用した双方向の情 報交流とこれを通じた食料、農業及び食生活に対する相互理解の醸成を促す。 また、教育機関と連携し、地域の食材を活用した学校給食の実施や酪農教育ファ ームへの参加など、生産現場における体験学習等を通じた「食(地産地消)」や「生 命」、「心」に関する教育を進める。 7 地域と共生する環境に配慮した畜産経営の推進 (1)家畜排せつ物の管理の適正化推進 「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律(平成11年法律第 112号)」に基づき、県は家畜排せつ物の適正な管理をより持続的かつ効果的な ものにしていくための取組みを推進するとともに、経営規模や地域の実情に応じて、 堆肥舎等の施設整備を推進する。 (2)臭気防止・排水対策の推進と畜舎建設可能地の調査 畜産農家の大規模化や住宅地との混住化に伴い、畜産環境問題が深刻化している 場合は、脱臭装置等の機械や施設の整備を検討し、臭気の低減や汚水の浄化処理対 策を地域関係者全体で取り組んでいく。 また、やむを得ず畜舎の移転等を検討せざるを得ない例も見られることから、県 は市町村等と連携して、県内における畜舎建設可能地について調査を行い、地域住 民の理解のもと円滑に移転ができるような体制づくりを進めていく。 (3)堆肥の良質化と循環利用の推進 本県では、「山形県農林水産業振興計画」において、「環境にやさしい農業の推進」 を掲げ、その実現を図るため、環境に配慮した取組みを全県的に展開する「全県エ コエリア構想」を推進している。 本構想の基礎には「有機性資源を活用した土づくり」があり、畜産堆肥は貴重な 有機性資源として耕畜連携による利用促進を図っていくこととしている。 このため、県は、畜産農家がモミガラ等の水分調整材を活用しながら家畜排せつ 物の適正な処理を行い、良質な堆肥生産に努めていくよう情報提供などの支援を実 施していく。

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また、堆肥センターなど優良な堆肥の生産貯蔵拠点施設の機能強化を図るととも に、高性能堆肥散布機の整備や農家に代わって堆肥の運搬・散布作業を行うコント ラクターの組織を育成することにより、優良な畜産堆肥を安定的に供給・利用する 仕組みを構築する。 (4)農業環境規範の普及・推進 県は関係機関・団体等と連携して、「エコエリアやまがた環境規範」の普及・推 進を図り、環境保全に向けた農業者の意識の向上とその着実な実践を促していくこ とにより、環境と調和のとれた畜産経営の確立を推進する。 8 地域ぐるみで収益力の向上を図る畜産クラスターの取組み推進 地域における畜産の生産基盤を強化するため、県は市町村・農業協同組合等の関係 機関と情報を共有するとともに、畜産農家も含め関係者が連携・協力して、地域の実 態を踏まえた創意工夫や自主的な取組みにより酪農及び肉用牛生産を振興し、地域全 体で畜産の収益力を向上させる畜産クラスターの取組みを推進していく。 〔全県エコエリア構想〕 ○畜産堆肥等の有機性資源を活用した土づくりを行いながら、化学肥料や化学合成農 薬を2,3割以上減らした農産物の生産を県内すべての地域で取組む構想。

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Ⅱ 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標 1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標 ※「現在」家畜の飼養頭数は平成26年2月1日、生乳生産量は平成25年度。 71,500 11,220 9,050 8,500 8,000 68,000 560 410 390 3,120 山形県 35市町村 12,600 10,200 9,600 7,448 庄内 鶴岡市、 酒田市の 2市 三川町、 庄内町、 遊佐町、 3町 660 450 430 3,170 置賜 米沢市、 長井市、 南陽市の 3市 高畠町、 川西町、 小国町、 白鷹町、 飯豊町の 5町 7,230 6,010 5,650 42,100 1,010 7,500 1,330 960 900 7,200 18,730 2,770 2,310 2,170 8,000 17,360 6,560 5,370 5,040 40,320 村山 山形市、 上山市、 天童市、 寒河江市、 村山市、 東根市、 尾花沢市の 7市 山辺町、 中山町、 河北町、 西川町、 朝日町、 大江町、 大石田町の 7町 3,150 2,670 2,510 7,448 最上 新庄市の 1市 金山町、 最上町、 舟形町、 真室川町の 4町 大蔵村、 戸沢村、 鮭川村の 3村 1,560 1,070     t    頭    頭    頭 ㎏     t 成牛頭数 経産牛 頭 数 経産牛1頭 当たり年間 搾 乳 量 生 乳 生産量    頭    頭    頭 ㎏ 区域名 区域の 範 囲 現 在 (平成25年度) 目 標 (平成37年度) 総頭数 成牛頭数 経産牛 頭 数 経産牛1頭 当たり年間 搾 乳 量 生 乳 生産量 総頭数

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2 肉用牛の飼養頭数の目標

計 頭 60 870 170 600 1,700 35,500 0 44,500 500 1,200 39,190 640 1,170 1,810 46,200 9,000 合計 35市町村 41,000 5,950 33,240 0 1,670 2,950 0 4,620 460 140 0 4,140 600 130 730 5,220 6,750 0 9,880 10 160 庄内 鶴岡市、 酒田市の 2市 三川町、 庄内町、 遊佐町、 3町 4,870 1,250 2,890 8,710 10 160 170 10,050 3,130 0 8,100 20 850 置賜 米沢市、 長井市、 南陽市の 3市 高畠町、 川西町、 小国町、 白鷹町、 飯豊町の 5町 8,880 2,290 6,420 0 20 840 860 8,970 2,440 5,660 21,900 10 50 最上 新庄市の 1市 金山町、 最上町、 舟形町、 真室川町の 4町 大蔵村、 戸沢村、 鮭川村の 3村 7,690 1,700 5,130 0 6,830 40 50 21,960 1,760 20,140 0    頭    頭 村山 山形市、 上山市、 天童市、 寒河江市、 村山市、 東根市、 尾花沢市の 7市 山辺町、 中山町、 河北町、 西川町、 朝日町、 大江町、 大石田町の 7町 19,560 710 18,800 0 19,510 10 頭    頭    頭    頭    頭    頭 交雑種    頭    頭    頭    頭    頭    頭    頭 計 繁殖雌牛 肥育牛 その他 計 乳用種 繁殖雌牛 肥育牛 その他 計 乳用種 交雑種 区域名 区域の 範 囲 現 在 (平成25年度) 目 標 (平成37年度) 肉用牛 総頭数 肉専用種 乳用種等 肉用牛 総頭数 肉専用種 乳用種等

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Ⅲ 近代的な酪農経営方式及び肉用牛経営方式の指標  1 酪農経営方式    単一経営 ( ha) kg 稲WCS 3,000 34.2 6,660 (2,220) 17,763 15,999 1,714 588 コントラ クター 牧草 37 57 2 38 T M R 給 与 - 9,500 3.7 青刈とう もろこし 7,000 20 3,692 3,292 400 - 400 搾乳ロボッ ト、コント ラクターの 活用等によ り省力化し つつ規模拡 大を図ると ともに、経 営の維持性 を確保する 法人経営 法 人 ( 1 戸 1 法 人 も 含 む ) 150 フ リ ー ス ト ー ル 搾 乳 ロ ボ ッ ト パ ー ラ ー ( ア ブ レ ス ト ) 酪 農 ヘ ル パ ー 公 共 牧 場 ( 育 成 ) コ ン ト ラ ク タ ー 40 60 2 30 72.2 2,887 (1,444) 8,500 4.0 混播牧草5,000 21 コントラ クター 稲WCS 自給飼料生 産に立脚 し、性判別 技術などを 活用した乳 用後継牛確 保を図り収 益性の向上 を図る家族 経営 家 族 40 つ な ぎ ・ パ イ プ ラ イ ン 搾 乳 ユ ニ ッ ト 自 動 搬 送 装 置 T M R 給 与 万円 % % 割 円(%) 方式名 (特徴とな る取組の概 要) 経営概要 生産性指標 主たる 従事者 1人当 たり所 得 頭 kg 産次 ha 経営内 堆肥 利用割 合 生産コスト 労働 経営 生乳1kg当 たり費用合 計 経産牛 1頭当 たり飼 養労働 時間 総労働時 間(主た る従事者 の労働時 間) 粗収入 経営費 農業所 作付体 系及び 単収 備考 経営 形態 飼養形態 牛 飼料 人 経産牛 頭数 酪 農 ヘ ル パ ー コ ン ト ラ ク タ ー 飼料自 給率 粗飼料 給与率 飼養 方式 外部化 給与 方式 放牧 利用 (放牧 地面 積) 経産牛 1頭当た り 乳量 更新 産次 作付 延べ 面積 ※放牧 利用を 含む 外部化 (種 類) 購入国 産飼料 (種 類) hr hr 万円 万円 万円

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 2 肉用牛経営方式   (1)肉専用種繁殖経営 ( ha) kg 299 放牧場や省 力化技術を 活用した効 率的な経営 30 牛群管理 - 分離給与 12.8 24.5 家族 88 88 粗収入 経営費 8 275 4725 (4,000) 1,288 690 6 混播牧草 4,000 - -出荷月 齢 出荷時 体重 ヶ月 kg 経営 子牛1頭当 たり費用合 計 598 hr hr 万円 万円 万円 % % 割 円 2.5 494,000 70 万円 1 方式名 (特徴とな る取組の概 要) 経営概要 頭 ヶ月 ヶ月 生産性指標 子牛1 頭当た り飼養 労働時 間 総労働時 間 ha 備考 経営 形態 飼養形態 飼料 人 飼養 頭数 飼養 方式 外部化 給与 方式 放牧 利用 (放牧 地面 積) 分娩間 隔 初産月 齢 作付体 系及び 単収 作付 延べ 面積 ※放牧 利用を 含む 外部化 (種 類) 購入国 産飼料 (種 類) 飼料自 給率 (国産 飼料) 粗飼料 給与率 経営内 堆肥 利用割 合 生産コスト 労働 農業所 得 主たる 従事者 1人当 たり所 得 牛

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  (2)肉牛用(肥育・一貫)経営 kg (注)1.繁殖部門との一貫経営を設定する場合には、肉専用種繁殖経営の指標を参考に必要な項目を追加すること。 2.「肥育牛1頭当たりの費用合計」には、もと畜費は含めないものとする。 392 24 -混播牧草 4000 6 稲わら 500 5 コントラ クター 2,276 346 8 29 21 770 0.77 50 70 2000 (2,000) 2,100 (2,000) 44 44 4 690,000 0.77 稲わら 500 11 コントラ クター 乾牧草・ 飼料用米 家族 専業 100 肥育 専業 繁殖30 牛房群飼 給与 水田資源活 用による肥 育経営 分離 牛房群飼 給与 繁殖・肥育一貫 によるもと畜費 を低減した経営 (24.5) (12.8) 家族 肥育60 群 分離 8 29 21 770 392 15 2.5 425,000 30 3000 (2,000) 5,555 5,163 1,584 692 % % hr 万円 ha 頭 ヶ月 ヶ月 ヶ月 kg kg 万円 経営内 堆肥 利用割 合 生産コスト 労働 経営 肥育牛1頭 当たり費用 合計 牛1頭 当たり 飼養労 働時間 総労働時 間 粗収入 経営費 農業所 得 主たる 従事者 1人当 たり所 得 万円 割 円 hr 万円 方式名 (特徴とな る取組の概 要) 経営概要 備考 経営 形態 飼養形態 飼料 人 飼養 頭数 飼養 方式 給与 方式 肥育 期間 出荷時 体重 1 日 当たり 増体量 作付体 系及び 単収 作付 延べ 面積 ※放牧 利用を 含む 外部化 (種 類) 購入国 産飼料 (種 類) 飼料自 給率 (国産 飼料) 粗飼料 給与率 生産性指標 牛 肥育開始 時月齢 (分娩間隔) 出荷 月齢 (初産 月齢)

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Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大に関する事項 1 乳牛 (1)区域別乳牛飼養構造 区域名 ① 総農家 戸数 ② 飼養農家 戸数 ②/① 乳牛頭数 1戸当たり 平均飼養頭数 ③/② ③ 総数 ④ うち成牛頭数 村山 現在 戸 18,100 戸 106 % 0.6 頭 3,152 頭 2,550 頭 29.7 目標 93 2,770 2,310 29.8 最上 現在 5,532 45 0.8 1,565 1,267 34.7 目標 39 1,330 960 34.1 置賜 現在 7,944 145 1.8 7,226 5,853 49.8 目標 127 6,560 5,370 51.7 庄内 現在 9,255 26 0.3 657 530 25.3 目標 23 560 410 24.3 合計 現在 40,831 322 0.8 12,600 10,200 39.1 目標 282 11,220 9,050 39.8 (2)乳牛の飼養規模の拡大のための措置 本県の酪農は、全国平均より小規模な家族経営が大部分を占めているが、法人経営に よる大規模飼養形態が増加傾向にある。畜舎整備や草地など自給粗飼料の生産基盤を強 化しながら安定的な生乳生産を図るために、中核的な担い手の育成や飼養管理技術の高 度化などの技術支援を重点的に推進する。 ア 生産性の向上を図るため、乳用牛群能力検定情報を活用した計画的な乳牛の選 抜・淘汰を行うとともに、優秀種雄牛の性判別精液の交配による優良乳牛群を整備 することにより、高品質生乳生産を推進し、生産性の高い酪農経営体を育成する。 イ 自給飼料基盤に立脚した土地利用型酪農を推進するため、県内に適応した優良多 収品種の導入や、堆肥の施用による土づくり、飼料基盤の整備により、自給飼料の 生産性向上を進める。また、飼料用米や稲発酵粗飼料(稲ホールクロップサイレー ジ) などの水田を活用した飼料作物の生産拡大を図るとともに、栽培・収穫・調整 等に係る労働力を確保するため、コントラクターを育成し、飼料生産の外部化を推 進する。 ウ ゆとりある酪農経営の確立を促進するため、酪農ヘルパー制度の充実に努めると ともに、フリーストール・ミルキングパーラー方式、搾乳ロボットの導入、TMR (混合飼料)給与方式など省力管理方式の導入を進め、労働時間の短縮を図る。

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2 肉用牛 (1)区域別肉用牛飼養構造 ◆ 肉専用種の繁殖経営 区域名 ① 総農家 戸数 ② 飼養農家 戸数 ②/① 肉用牛飼養頭数 総数 肉専用種 計 繁殖雌牛 肥育牛 村山 現在 戸 18,100 戸 13 % 0.1 頭 170 頭 170 頭 170 頭 ― 目標 10 525 525 525 最上 現在 5,532 169 3.1 1,380 1,380 1,380 目標 110 1,750 1,750 1,750 置賜 現在 7,944 167 2.1 1,910 1,910 1,910 目標 120 2,400 2,400 2,400 庄内 現在 9,255 79 0.9 860 860 860 目標 50 1,050 1,050 1,050 合計 現在 40,831 428 1.0 4,320 4,320 4,320 目標 290 5,400 5,400 5,400 ◆ 肉専用種の一貫経営(繁殖及び肥育) 区域名 ① 総農家 戸数 ② 飼養農 家 戸数 ②/① 肉用牛飼養頭数 総数 肉専用種 計 繁殖雌牛 肥育牛 村山 現在 戸 18,100 戸 30 % 0.2 頭 7,690 頭 7,690 頭 540 頭 7,150 目標 20 9,800 9,800 1,560 8,240 最上 現在 5,532 11 0.3 3,140 3,140 320 2,820 目標 10 3,950 3,950 690 3,260 置賜 現在 7,944 25 0.5 1,990 1,990 380 1,610 目標 15 2,580 2,580 730 1,850 庄内 現在 9,255 20 0.2 1,170 1,170 390 780 目標 15 1,470 1,470 620 850 合計 現在 40,831 86 0.3 13,990 13,990 1,630 12,360 目標 60 17,800 17,800 3,600 14,200

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◆ 肉専用種の肥育経営 区域名 ① 総農家 戸数 ② 飼養農家 戸数 ②/① 肉用牛飼養頭数 総数 肉専用種 計 繁殖雌牛 肥育牛 村山 現在 戸 18,100 戸 79 % 0.4 頭 11,650 頭 11,650 頭 ― 頭 11,650 目標 50 11,900 11,900 11,900 最上 現在 5,532 22 0.4 2,310 2,310 2,310 目標 20 2,400 2,400 2,400 置賜 現在 7,944 80 1.0 4,810 4,810 4,810 目標 50 4,900 4,900 4,900 庄内 現在 9,255 36 0.4 2,110 2,110 2,110 目標 20 2,100 2,100 2,100 合計 現在 40,831 217 0.5 20,880 20,880 20,880 目標 140 21,300 21,300 21,300 【参考】 ◆ 乳用種・交雑種の肥育経営 区域名 ① 総農家 戸数 ② 飼養農家 戸数 ②/① 肉用牛飼養頭数 総数 乳用種等 計 乳用種 交雑種 村山 現在 戸 18,100 戸 10 % 0.1 頭 50 頭 50 頭 10 頭 40 目標 10 51 51 15 36 最上 現在 5,532 10 0.2 860 860 20 840 目標 10 870 870 20 850 置賜 現在 7,944 10 0.1 170 170 10 160 目標 10 170 170 10 160 庄内 現在 9,255 20 0.2 730 730 600 130 目標 15 600 600 460 140 合計 現在 40,831 50 0.1 1,810 1,810 640 1,170 目標 45 1,700 1,700 500 1,200

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(2) 肉用牛の飼養規模の拡大のための措置 肉用牛については、飼料自給率の向上、飼養管理・経営管理技術の改善による県産 牛肉の安定的な出荷、中核的な担い手や後継者等意欲的な農業者に対する規模拡大 を積極的に推進していく。 ア 肉専用種繁殖経営 安定的な肉専用種繁殖経営については、県産種雄牛「貴福久」、「満開1」など を活用した市場評価の高い優良子牛の生産拡大を図るとともに、育種価等の活用 による優良繁殖雌牛の経営内・地域内保留を推進する。 また、哺乳ロボットの導入や耕作放棄地等における簡易放牧の実施により、省 力化と生産コストの低減を図る。 イ 一貫経営 繁殖雌牛と肥育牛の飼育管理技術については、その飼育方法が大きく異なるこ とから、それぞれの適正な飼育管理、効率的な畜舎の配置や畜舎内の牛の配置に 留意しつつ、各経営体の実情に応じた繁殖から肥育までの肉専用種一貫生産を推 進する。 特に肥育素牛価格の高騰により、大規模な肥育経営が繁殖部門を導入する意向 が高まっていることから、関係機関が連携した支援により、各地域の実情に応じ た地域一貫生産体制を確立するとともに、子牛及び肥育牛の生産の効率化と経営 の安定化を進め、肥育素牛の県内自給率の向上を図る。 ウ 肉専用種肥育経営 肉専用種肥育については、出荷した枝肉成績や血液検査データなどの解析に基 づいた飼養管理の巡回指導を行い、技術力や経営感覚に優れた経営体の育成を推 進しながら、県産牛肉の更なる高品質化を図っていく。 また、耕畜連携による稲わらの有効活用や省力・効率的生産方式の導入、肥育 期間の短縮などを推進し、生産コストの低減を図る。 エ 乳用種及び交雑種の肥育経営 乳用種及び交雑種肥育経営については、輸入牛肉と質の面で競合することから、 肥育期間の短縮など肥育管理技術の改善等により生産効率を高め、一層の生産コ ストの低減を図る。

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Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項 1 飼料の自給率の向上 現在 目標(平成 37 年度) 飼料自給率 乳用牛 34.4 % 44.3 % 肉用牛 21.0 % 33.1 % 飼料作物の作付延べ面積 6,930 ha 8,930 ha 2 具体的措置 (1)牧草の作付面積については概ね現状維持の 5,200ha とする。単収について は、優良品種を活用した草地改良等の実施により、2,850kg/10a から 3,140kg/10a へ増加させる。 (2)青刈とうもろこし等の高栄養作物の作付面積については概ね現状維持の 640ha とする。単収については、4,660kg/10a から 4,730kg/10a へ向上さ せる。 (3)飼料イネについては、飼料用米や稲発酵粗飼料の畜産農家の需要に応じた 品種等を選定し、稲発酵粗飼料は 1,040ha、飼料用米は 6,500ha の作付面 積を目指す。 (4)稲作農家との連携による県内産稲わらの収集推進及び稲わらサイレージの 利用拡大を図る。 (5)コントラクターを活用した省力的・集約的な収穫作業及び安定的な供給を 推進する。 (6)耕作放棄地など低・未利用地や水田への肉用繁殖牛の放牧を推進し、放牧 面積 50ha を目指す。 (7)飼料用米の生産・利用を一層拡大するため、畜産農家における保管施設・ 加工調製設備の整備を行うとともに、籾米SGS加工・利用等の流通経費 を抑えた地域完結型の取組みを推進する。

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Ⅵ 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する事項 1 集送乳の合理化 指定生乳生産者団体においては、県内における集送乳体制の見直し及び整備を 行うことにより、生乳流通コストのより一層の低減を推進していく。具体的には、 県内5つのクーラーステーション(CS)を4つのCSへ再編する。 2 乳業の合理化 (1)乳業施設の合理化 本県の乳業施設は、飲用牛乳を主に製造する工場からなっており、設備の老 朽化が見られるほか、飲用牛乳の消費の低迷の影響もあり、各施設における稼 働率も低い状況にある。また、平成20年度現在、1日当たり生乳処理量が約 1万kgを超えている乳業工場は5社で生乳処理の約95%のシェアを占め ており、これら以外は中小事業者である。 今後は、次に掲げる需要の拡大策を図りながら、併せて、乳業施設の統廃 合、効率的な施設への転換等乳業施設の合理化を推進することにより、牛乳・ 乳製品製造コストの低減を図り、あわせて一工場当たりの稼働率の向上を目 指していく。 工場数 (1日当たり 生乳処理量 2トン以上) 1日当たり 生乳処理量 ① 1日当たり 生乳処理能力 ② 稼働率 ①/②×100 備考 山 形 県 平成 25 年 現在 飲用牛乳を 主に製造 する工場 5工場 合計 ㎏ 68,731 ㎏ 157,470 % 44 1工場 平均 13,746 31,494 44 平成 37 年 目標 飲用牛乳を 主に製造 する工場 3~4工場 合計 65,366 93,380 70 1工場 平均 16,341 ~21,788 23,345 ~31,127 70 (注)1.「1 日当たり生乳処理量」は、年間生乳処理量を 365 日で除した数値。 2.「1 日当たり生乳処理能力」は、6 時間稼働した場合に処理できる生乳処理量(kg)の合計。 (2)具体的措置 指定生乳生産者団体においては、講習会・研修会等の開催、巡回指導を実 施することにより、乳質改善を積極的に推進するとともに、チェックシート への記帳の取組を行い、生産資材等の適正使用や生産履歴の記録等に関する 指導を強化していく。 また、牛乳・乳製品の安全性を高めるため、生産段階、製造段階で次の事項 が必要であり、今後とも生産者や農業団体、乳業者等による自主的な取組を推 進していく。 ア 生産段階 ポジティブリスト制度に対応し、全国的に実施されるチェックシートへ の記帳の取組を活用し、生産資材等の適正使用や生産履歴の記録等に関す る指導を強化していく。

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また、指定生乳生産者団体における抗菌性物質の簡易迅速検査の実施な どの、安全な生乳を供給するための仕組み作りを推進していく。 イ 製造段階 平成25年度現在、飲用牛乳を主に製造する工場のうち2工場でHAC CP承認を受けているが、平成37年度までにはすべての工場でHACC P手法が導入されるように推進を図り、衛生管理の徹底や食品事故の発生 防止対策の徹底、事故発生時の的確な対処に向けた危機管理体制の構築を 推進していく。

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3 肉用牛及び牛肉の流通の合理化 (1)肉用牛の流通合理化 ア 家畜市場の現状 現在まで家畜市場の整理統合が進み、全国農業協同組合連合会山形県本部 等が最上地方と置賜地方で開設する2つの市場と、山形県家畜商業協同組合 が開設する1市場の計3市場が運営されている。 名 称 開 設 者 登 録 年月日 年間開催日数 年間取引頭数(平成 25 年度) 肉専用種 乳用種等 肉専用種 乳用種等 子牛 成牛 初生牛 子牛 成牛 子牛 成牛 初生牛 子牛 成牛 (日) (日) (日) (日) (日) 頭 頭 頭 ( ) 頭 ( ) 頭 ( ) 最上家 畜市場 全国農業協同組 合連合会 山形県本部 平成 6 年 6 月 3 日 10 10 ― ― ― 1,807 ― ― ― ― 置賜家 畜市場 昭和 63 年 8 月 1 日 6 6 ― ― ― 1,244 ― ― ― ― 山形中 央家畜 市場 山形県家畜商業 協同組合 昭和 35 年 12 月 20 日 51 51 51 51 51 21 24 6,987 (5,117) 35 (4) 1,371 (1) 計 3 ヵ所 67 51 51 51 51 3,072 24 6,987 (5,117) 35 (4) 1,371 (1) (注)1.初生牛とは生後 1~4 週間程度のもの、子牛とは生後 1 年未満のもの(初生牛を除く)、成牛とは 生後 1 年以上のもの。 2.乳用種等の( )書きは交雑種で内数。 イ 具体的措置 繁殖農家の戸数・頭数の減少等を背景に、全国的に家畜市場の統廃合が進 むなど、市場を取り巻く状況が大きく変化している。このため、肉用牛の流 通関係者の主体的な取組を基本として、市場規模の適正化を図るため、さら に再編整備を推進し、公正かつ円滑な取引を図るとともに、市場の活性化に よる適正な価格形成を確保する。

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地域内一貫生産の推進 現 在 (平成25年度) 目 標 (平成37年度) ① 子牛 生産 頭数 生産子牛の仕向 肥育牛 出荷頭 数 ① 子牛生 産 頭数 生産子牛の仕向 肥育牛 出荷頭 数 県内 仕向 ② うち 区域 内仕 向 県外 仕向 ②/① 県内 仕向 ② うち 区域 内仕 向 県外 仕向 ②/① 肉 専 用 種 県 一 円 雄 2,209 1,566 1,566 643 70.9 3,853 3,185 2,230 2,230 955 70.0 4,008 雌 1,940 1,796 1,796 144 92.6 15,412 2,940 2,808 2,808 132 95.5 16,034 計 4,149 3,362 3,362 787 82.8 19,265 6,125 5,038 5,038 1,087 82.3 20,042 乳 用 種 県 一 円 雄 1,813 362 362 1,451 20.0 480 753 151 151 602 20.0 320 雌 88 18 18 70 20.0 120 2,146 429 429 1,717 20.0 80 計 1,901 380 380 1,521 20.0 600 2,899 580 580 2,319 20.0 400 交 雑 種 県 一 円 雄 2,742 625 625 2,117 22.8 467 2,260 610 610 1,650 27.0 406 雌 2,379 542 542 1,837 22.8 405 2,088 564 564 1,524 27.0 352 計 5,121 1,167 1,167 3,954 22.8 872 4,348 1,174 1,174 3,174 27.0 758 合 計 県 一 円 雄 6,764 2,553 2,553 4,211 37.7 4,800 6,198 2,991 2,991 3,207 48.3 4,734 雌 4,407 2,356 2,356 2,051 53.5 15,937 7,174 3,801 3,801 3,373 53.0 16,466 計 11,171 4,909 4,909 6,262 43.9 20,737 13,372 6,792 6,792 6,580 50.8 21,200 (2) 牛肉の流通の合理化 ア 食肉処理加工施設の現状 食肉処理加工施設については、国産食肉の円滑な供給を図ることで、畜産 業・畜産経営の安定はもとより、食生活の安定に重要な役割を担っており、 近年、肥育牛の飼養頭数の増加、国際化の進展及び部分肉流通の増加に対応 して、食肉流通コストの低減や高度な衛生管理、処理加工機能の充実強化が 求められている。 このため、本県では、と畜場の処理能力の拡大や食肉処理加工施設の設備の 高度化、HACCP導入を推進し、県内食肉流通の効率化、円滑化を推進する。 名 称 設置者 (開設) 設置 (開設) 年月日 年間 稼動 日数 と畜処理 部分肉処理 能力 1日当たり 実績 1日当たり 稼働率 ②/① % 能力 1日当たり 処理実績計 稼働率 ④/③ % ① うち 牛 ② うち 牛 ③ うち 牛 ④ うち 牛 山形県総合 食肉流通 センター (株)山形県 食肉公社 昭和 54 年 2 月 1 日 250 800 280 672 248 84.0 360 80 353 56 98.1 米沢市営 と畜場 米沢市 昭和 39 年 8 月 25 日 247 230 80 177 61 77.0 130 30 94 10.7 72.3 庄内食肉流 通センター 庄内広域 行政組合 平成 13 年 10 月 1 日 251 1,130 80 1,053 8 93.2 440 40 264 3 60.0 計 3 ヵ所 748 2,160 440 1,902 317 88.1 930 150 711 69.7 76.5 (注)1.食肉処理施設とは、食肉の処理加工を行う施設であって、と畜場法(昭和 28 年法律第 114 号)第 4 条第 1 項の都道府県知事の許可を受けたものをいう。 2.頭数は、豚換算(牛 1 頭=豚 4 頭)で記載している。「うち牛」についても同じ。

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イ 食肉処理加工施設の再編整備目標 県内の食肉公社の施設の老朽化が進んでおり、今後、再編も検討しながら 施設整備を推進する。 ウ 肉用牛(肥育牛)の出荷先 ※ 乳用種は去勢(相対取引) エ 具体的措置 県産牛の消費拡大に向けた取組については、山形肉牛協会を中心として実 施されており、一定基準以上の品質の県産和牛に対して「総称山形牛」の認証 を行い、「産地証明書」や「山形牛シール」の発行、「山形牛取扱指定登録店」 の設置などにより、消費者が安心して購入できるシステムの構築を図っている。 今後、トレーサビリティシステムによる生産履歴情報の発信を継続し、引 き続き安全と安心を確保しながら、山形生まれ、山形育ち、県産飼料にこだ わった畜産物の生産を進め、おいしい山形推進機構1)とも連携して事業展開 を図っていく。 1)おいしい山形推進機構;「山形県農産物等流通戦略推進指針(平成13年2月)」に基づき、県産農林 水産物の評価向上及び消費拡大を図るため設立された団体 区 分 区域名 現 在 (平成 25 年度) 目 標 (平成 37 年度) 出荷 頭数 ① 頭 出 荷 先 ②/ ① % 出荷 頭数 ③ 頭 出 荷 先 ④/ ③ % 県 内 県外 頭 県 内 県外 頭 食肉処 理加工 施 設 ② 頭 家 畜 市 場 頭 そ の 他 頭 食肉処 理加工 施 設 ④ 頭 家 畜 市 場 頭 そ の 他 頭 山 形 県 肉専用種 19,265 15,848 - - 3,417 82.3 20,042 17,036 - - 3,006 85.0 乳用種 600 502 - - 98 83.7 400 320 - - 80 80.0 交雑種 872 159 - - 713 18.2 758 228 - - 530 30.0 計 20,737 16,509 - - 4,228 79.6 21,200 17,584 - - 3,616 82.9

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Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項 1 担い手の育成と労働負担の軽減のための措置 飼料価格の上昇等による厳しい経営環境や経済連携への不安を背景に、担い手の 高齢化や後継者不足等による離農も増加し、酪農及び肉用牛生産の飼養戸数は減少 が続いている。 平成 22 年から 26 年までの4年間で、乳用牛飼養戸数は 19%、肉用牛飼養戸数も 同様に 19%減少している。 飼養戸数の減少を抑制するためには、職業としての酪農及び肉用牛生産の魅力、 ブランド化を高め、後継者による継承や新規参入を促すとともに、離農農家を含む 生産者の経営資産を後継者や若年層に円滑に継承することが重要である。 また、中山間地域では雇用の確保が困難となっており、労働負担を軽減するため、 外部支援組織の活用による分業化、放牧や機械化による飼養管理の省力化の推進が 課題となっている。 そのため、先進的な畜産技術(搾乳ロボットや自動給餌システム等)の総合パッ ケージ化による低コスト、省力化の経営モデルの実践を支援し、畜産の担い手の拡 大を図る。 2 畜産クラスターの推進方針 山形県の畜産を取り巻く環境は、担い手不足や飼料・資材価格の高止まり等で一 層厳しさを増している。 県が定めた新農林水産業元気再生戦略においては、畜産産出額500億円(加工 による付加価値向上等を含む)を掲げており、担い手への集中的な支援による畜産 の活性化が求められる状況にある。 このため、本県畜産の収益力向上及び畜産産出額と農家の所得を増やすことを目 的に、県、関係団体及び意欲ある畜産経営体による協議会を設立し、生産性の向上 や新技術の活用、自給飼料生産拡大等の計画を策定しながら、取組を推進するもの である。 特に、畜産クラスターの取組を展開しながら、和牛繁殖雌牛の増頭、飼養管理の 省力化(搾乳ロボットの導入等)、飼料用米の活用等を推進していく。

参照

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