すでに10 月 6 日付ニュースリリース No.75でお伝えしたが、石積は9 月 28 日(水)の午前中、ソ ウル郊外の新展示会場 KINTEX のオープニング祝賀式に招かれ、その大きさ(東京ビッグサイトより 30%大きい会場面積)に衝撃を受けた。そのショックも冷めやらぬ中、彼は訪韓の第 1 の目的である「第 1回 日・中・韓 展示会フォーラム」に出席した。会場はソウル市内のグランド・インターコンチネン タル ホテルである。 このフォーラムの目的は、日本、中国、韓国の展示会協会、政府機関、経済団体の代表者が集まり、 ① 各国の動向を報告しあい、② 3国間の理解と協力を促進し、③ 3 カ国親睦を深めることである。い わば、史上初の「展示会産業の東アジアサミット」が開催されたのである。 第1回のサミットは、韓国の展示会協会(AKEI)、韓国政府 知識経済部(日本の経産省にあたる)、 韓国貿易協会(KITA: 日本の経団連にあたる)の三者が音頭をとって実現した。出席者は韓国から 70 人、中国からCCPIT(中国政府の国際貿易促進委員会)を中心に 30 人、日本からは日本展示会協会(日 展協)会長の石積をはじめ、16 人が出席した。参加者の人数は限られているが、全員が各国で最も影響 力のある展示会産業のリーダー達だ。 このサミットの冒頭、「日・中・韓 協力宣言」の調印式が行われた。日展協会長の石積、中国代表の
リード社長 石積の最新動向 (No.77, 11/10/27) 史上初 「日中韓 展示会サミット」 が韓国で開催
「日・中・韓 協力宣言」 に調印
日展協会長
石積
い し づ み
が 特別講演
日・中・韓の代表3名が協力宣言に調印。左から韓国政府 知識経済部(日本の経産省にあたる) Lee Woon Ho 貿易政策官、韓国展示会協会Cai Guofeng 社長、韓国代表の Park Chong Man 会長は、この歴史的な調印式を東アジアにおける展 示会産業発展への新たな1ページと捉え、喜びの表情を浮かべながらがっちりと握手をした。 調印式に続いて、各国から2 人の代表が、展示会産業の現状、問題点、将来展望および 3 カ国の協力 に関する提案・・・等を発表した。 石積はこれらの発表を聞いているうちに、少しずつ沈んだ気持ちになっていった。というのは、中国 や韓国が官民挙げて展示会産業の育成に全力を挙げている一方、日本の消極性や遅れ(展示会場の建設 が遅れていること、このような国際会議が韓国や中国が主導して開催されており、しかも日本からの参 加者が一番少ないこと)が誰の目にも明らかになってきたからだ。 最後に、日本の存在感が薄いにも関わらず、サミットのフィナーレを飾るべき、特別講演が日本代表 の石積によって行なわれるときがきた。彼は、「確かに居心地は悪い。しかしここは何としても、日本 の存在感をアピールするような講演を行なわなければ」と気合をいれ、「日本の展示会産業は今は遅れ ているが、近い将来、必ず目を覚まし、高い潜在能力を駆使して、中国・韓国を抜き、展示会大国にな るはずだ」と自らを奮い立たせて演台に立った。 そして石積は、普段の講演の時に比べて2倍くらい大きな声で「皆さんこんばんは、日展協会長の石 積です!」と第一声を放った。あまりに大きな声なので、全員がギクッとし、会場の空気が一挙に変わ った。その次に、一転して笑顔を 浮かべ、「私は会長や社長と紹介 されるより、将来Mr. Exhibition と紹介されるようになりたい。と いうのは、展示会は私にとって仕 事ではなく、人生そのものであり、 命をかけた趣味だからです。」と 冗談交じりに言うと、会場の雰囲 気が一挙になごんだ。 その後は、沈んでいた気持ちを 完全に払拭したように、いつもの 石積節があふれ出ていった。 彼の講演は、その前の週にサンフランシスコで行った内容とほぼ同じなので、ここでは全てを繰り返 さず、ほんのさわりだけを紹介しておこう。(詳しい内容を知りたい方は、弊社ホームページにて、10 月3 日付ニュースリリース No.74をご覧ください) 講演の主題は「大震災後、多くの展示会が中止になる中、我が社は震災のわずか3 日後には、1 ヵ月 後の『ファインテック』を予定通り開催することを発表、そしてその通り開催しただけでなく、大成功 に導いた。どのようにしてそれを成し遂げたのか?」である。
「存在感の薄い日本」 を
変える!
彼は中国人、韓国人に
何を語ったのか?
「日本の展示会産業は将来 大発展する」と自分に言い聞かせながら、熱弁をふるった石積。講演の中で、聴衆が深く感動し、誰もがうなずいていた場面の一つは、石積がなぜファインテックを 中止にしなかったかを説明した時だった。 石積は「展示会は主催者だけの問題ではなく、出展社や来場者に何百億円ものビジネスチャンスをも たらし、関連業者や開催都市に1 回につき何十億円もの経済効果をもたらす。すなわち、数多くの展示 会が開催されることが、日本経済の復活、そして東北の復興にも大きく貢献することになる。また、出 展社の8 割を占める中小企業にとって、展示会は最大の営業の場である。今回、震災にあわれた東北か らの企業16 社も、会社の存亡をかけて出展する」と説明した。 さらに石積は結論づけた。「これらのことを考えた時、少しぐらい困難な状況でも、展示会は簡単に 中止していいものではないと確信した。だから震災の中、万難を排して開催したのだ!」 参加者は改めて、展示会の意義や重要さを深く認識したようだった。また、会場にはそれに賛同して うなづく様子や石積の信念に感動した雰囲気が流れていた。 石積の特別講演に対して、中国、韓国のリーダー達はどのように反応したのか?答えはその前の週に サンフランシスコで行い、展示会大賞を受賞した時の反応と全く同じだった。今回はスタンディング・ オベーションこそ無かったが、それは文化・習慣の違いに過ぎず、拍手の大きさ・長さは、サンフラン シスコの時と全く同じだった。 また、ほとんどの聴衆が、講演が終わると西洋人と同じように石積に駆け寄り、握手を求め、「展示会 が日本経済の復活と東北の復興に役立つという強い信念に、深い感動を覚えた。」「展示会を愛している ことがひしひしと伝わってきた。石積さんこそ、Mr. Exhibition だ」「自分の国がどんな災害にあって も、簡単に中止しないことに決めた」・・・等、数多くの感謝が寄せられた。このことは「震災後のフ ァインテック成功物語」(右参照→ http://www.reedexpo.co.jp/release/pdf/110509_newsrelease.pdf )
中国、韓国、日本のリーダー達が
大喝采
「展示会への深い愛情に感動」 「決断力に脱帽」
講演後、司会が制止するまで、会場からの拍手は鳴り止まなかった。拍手の大きさと長さは、サンフランシスコのときと同じだった。が、洋の東西を問わず、人々に重要なことを示唆し、感動を与えるということを証明しているのではな いだろうか。 石積の特別講演が終了した後、親睦を深めることを目的としたディナー・パーティーが催された。 パーティーの冒頭、各国代表に続いて、最後に乾杯の音頭をとった石積は次のように挨拶した。 「日本と中国、韓国の3 カ国は地理的、文化的に極めて深い関係にあり、現在では経済のパートナー としてお互いが不可欠の存在です。経済を活性化し発展させるための基本インフラが展示会、国際見本 市であることを考えれば、我々3 カ国が展示会サミットを開催したことは歴史的に意義ある出来事です。 今後も毎年一度、各国持ち回りで開催していくことが極めて重要だと信じています。日本もその実現に 最大の努力を注ぎます。我々は互いに競争相手ですが、それ以前に、同じ仕事に携わる同志です。お互 いが切磋琢磨し、発展しようではありませんか。それでは同志に乾杯!」 石積の乾杯を皮切りに、会場は一気に盛り上がった。どこのテーブルでも、中国語の「カンペイ」、 韓国語の「コンベイ」、日本語の「かんぱい」が繰り返されていた。 それが一段落すると、話題の中心は石積の講演のことになった。私は石積の講演の前までは、正直な ところ、日本の存在感が一番薄いと感じていたが、今はそんな空気は完全になくなったと感じた。ほと んどの出席者が石積に握手を求め、話しかけたため、彼は全く食事をとれなくなっていたが、それでも 「日本の存在感をアピールできた」という安堵感から、満面の笑顔を浮かべていた。
笑顔と感動で 日・中・韓が一つに
石積が 「同志に乾杯!」 と音頭
石積が 「同志に乾杯!」と元気よく発声。左から、CCPIT の Zhao Zhenge 展示副部長、KITA の Yee 海外マーケティング本部長、日 展協 石積会長、韓国主催者協会(KEOA)の Hong 会長
石積が全く食事を取ることができないほど、参加者のほとんどが握手を求め、話しかけていた。 特別講演の熱気がそのままパーティー会場に伝播 し、「カンペイ」 「コンベイ」 「かんぱい」 の声で大きく盛り上がっていた。
各国の首脳陣。左から CIEC Cai Guofeng 社長(中国)、Hallym 大学 Hwang 教授(韓国)、日展協 イブ国際化推進委員長(日本)、KITA Chun 展示 部長(韓国)、KEOA Hong 会長(韓国)、KITA Wayne Yee 海外マーケティング本部長(韓国)、日展協 石積会長(日本)、AKEI Jeong Yang-Whan 副 会長(韓国)、日展協 寺澤 国際化推進副委員長(日本)、CCPIT Zhao Zhenge 副展示部長(中国)、UBM Korea Oh 社長(韓国)。
最後に石積は次のように述べた。「今回、日本からの参加者は16 名と少なかったが、そのことに私は 少なからず残念な思いを感じざるを得なかった。ぜひ次回はもっと多くの人に参加してほしいと切に願 っている。というのは、展示会ビジネスに極めて真剣に取り組んでいる中国、韓国の方々と交流するこ とによって、各主催者、各会場、各支援企業が刺激を受け、今まで以上に努力するようになり、それが 各社の発展および日本の展示会業界の発展につながると確信しているからだ。 今年は、日展協のイブ氏と寺澤氏が日本のために頑張って立派な発表を行ってくれた。また、16 名の 方々が、KINTEX のオープニング式典に出席してくださった。皆さんの積極的な姿勢に改めて感謝申し 上げたい。次回は参加者が50 名にのぼることを願っている。」