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室移動時における室温と色温度の変化が心理評価に及ぼす影響 空気調和 衛生工学会論文集 No. 253,2018 年 4 月 *1 杉浦優子 *3 吉田友紀子 *2 齋藤輝幸 久野中山 *2 覚 *4 浩 LED 照明は調光 調色が容易であるといった特徴を持ち, 色温度を変化させることで室内の快適性を

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LED 照明は調光・調色が容易であるといった特徴を持ち, 色温度を変化させること で室内の快適性を向上させることが考えられる。暖色寒色が温冷感に影響を与える Hue-heat 効果は, 過去の研究では必ずしも明確になっていない。本研究では各季節に おいて室移動による温熱非定常時の被験者実験を行い, LED 照明の色温度を変化させ ることによる執務環境の快適性への影響を「室内雰囲気評価」, 「温熱環境評価」, 「作 業性評価」の3観点から検討した。その結果, 温熱環境評価の経時変化では, 十分な 温熱ストレスを与えた後であれば, 室移動直後に Hue-heat 効果に則った色温度の影響 が見られた。 キーワード:実験・色温度・心理評価・LED 照明・Hue-heat 効果

じ め に

近年設備の省エネルギー化が非常に重要視されており, 照明技術においても, 長寿命・省電力・低環境負荷・省ス ペースであるLED(Light Emitting Diode)照明が普及してい

る。LED 照明には調光・調色が容易にできるといった特 徴があることから, このような特徴を利用し, 色温度を変 化させることで室内の快適性を向上することが考えられる。 温熱環境要素と非温熱環境要素の間の心理的・生理的複 合効果については, 今までにもさまざまな研究が行われて きた。特に色に関しては, 赤を主体とした空間は暖かく, 青 を主体とした空間は涼しく感じられるという, 暖色寒色が 温冷感に与える影響すなわちHue-heat 仮説1)の立証を目的 として多くの実験的研究が行われている。 Fanger ら2)は色のついた蛍光灯による赤と青の光を用い, 青い光の時よりも赤い光の時に被験者がやや低い室温を好 むことを示した。また木田ら3), Berry ら4), Flynn ら5)はそれ ぞれカラーフィルタ, カラーゴーグル, 波長の異なるラン プを用いて室温と色光の関係について研究を行っている。 Rohles ら6)は室温と室内の色彩および色彩装飾の複合効果 について研究を行った。この中でHue-heat 仮説を支持する 結果が出たのはFanger ら2)Rohles ら6)の研究のみである。 しかしこれらは極端な色彩刺激を与えており, 実用からは 大幅に隔たった条件を用いている。このことについて大野 7)は, Fanger らの場合には色光が, Rohles らの場合には明瞭 な色彩感がそれぞれ視覚的に情動を喚起しており, 色彩感 覚が温冷感覚に影響を与えるためには情動が強く喚起され ること, あるいはされていることが重要な要因であると指 摘している。そこでNakahara ら8) 9)は情動・覚醒系を賦活 させるものとして温度環境を設定し温熱非定常条件での実 験を行い, 居住者の温冷感覚への色彩効果が, 高温あるい は低温環境から中立温度条件への室温変化に伴い生理的に 非定常状態になり, 心理的には快適状態が喚起されている 変化後30 分までに現れるとした。これは実際の温熱環境と して, 空調機のスイッチを入れた際のランプ型変化や, 非 空調空間から空調している室へ入る際のステップ変化など に当てはめて考えることができる。特に冬期の寒い温度条 件から中立温度条件に変化する場合において, 温度変化の 終了直後にHue-heat 効果が見られると述べている。また赤 と青の色彩環境において室温をランプ型に変化させる実験 を行い, 暖色寒色感が室温により変化することを示した。 しかしこれらはいずれも蛍光灯やメタルハライドランプ等 を使用した実験であり, 調光・調色が容易な LED 照明の特 徴を活かした実験は行われていない。 近年では, Huebner ら10)LED 照明を用いて被験者実験 を行い, やや寒い気温においては色温度 6500K で照明した ときよりも2700K で照明した時の方が温熱快適性が高いと いうHue-heat 効果を支持する結果を示しているほか, Albers ら11)は航空機内においてLED 照明の色温度を変更す ることによりHue-heat 効果が見られ, 省エネルギーが期待 できるとしている。

室移動時における室温と色温度の変化が

心理評価に及ぼす影響

杉 浦 優 子

*1

久 野   覚

*2

吉 田 友紀子

*3

中 山   浩

*4

齋 藤 輝 幸

*2 *1 名古屋大学大学院環境学研究科 学生会員 *2 名古屋大学大学院環境学研究科 SHASE 技術フェロー

*3 Yoshida Environmental Design Associates, 大阪大学 正会員

*4 中部電力(株) 正会員

空気調和・衛生工学会論文集 No. 253 , 2018 年 4 月

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図-1 前室, 実験室, 控え室平面図

表-1 実験条件

我々の研究グループではオフィスにおけるLED 照明色 温度と室内環境の関係について複数の室温条件下での被験 者実験を行い, LED 照明色温度の違いによる執務環境の快 適性への影響を「室内雰囲気評価」, 「温熱環境評価」, 「作 業性評価」の3観点から検討した。これまでに室温一定で 色温度を変化させるという温熱定常実験を行い, 温熱スト レスが小さい時に色温度の違いによる評価差が出やすいこ とが明らかになった12)。しかし温熱定常実験では室内雰囲 気評価に対しては色温度の影響が見られたものの, 温冷感 や快適感などの温熱環境評価は室温条件に依存しており, 色温度の影響があまり見られなかった。 快適性については, Kuno ら13)が二次元温冷感モデルを提 案して消極的快適性と積極的快適性(pleasantness)の存在に ついて述べている。すなわち消極的快適性は「暑くも寒く もない」「不快のない」快適状態であるのに対し, pleasantness は「暑い」「寒い」という不快条件を脱却する際に「涼しい」 「暖かい」と感じるような快適状態を指す。またこのよう な熱推移状態(Thermal transient)においては、色などの非温 熱要素が温冷感情に影響しやすいと指摘した。温熱定常実 験では主に消極的快適性について検討したことになるが, あまり差が見られなかった。 また松原ら14)は定常不快温度条件下において極端でな い色彩が温冷感に影響すると述べているが, 快適温度付近 での色彩影響については明らかでない。 そこで次の段階として本稿では, pleasantness に対する照 明色温度の影響を検討するため温熱非定常実験を行った。 特に室温と照明色温度が同時変化する場合に着目し, 室移 動により熱的不快条件から快適条件に移るステップ変化に ついて検討する。 さらに心理反応には季節差が存在すると考えられるため 8)9)15)16), 年間を通じて行った被験者実験の結果を季節間で 比較した。

1.実験概要

1.1.実験室 実験は名古屋大学構内の実験室で行った。前室(344 号室), 実験室(348 号室内), 控室(350 号室)の平面図を図-1 に示す。 前室はブラインドで窓からの日射を遮り, 照明色温度 5000K の LED 照明により机上面照度 500lx に保たれた。前 室の空調は家庭用エアコンで行い, 夏期実験時のみ電気ヒ ータを併用した。 実験室は室内ドアで前室と繋がっており窓はない。実験 室内には幅1200mm×奥行き 750mm×高さ 700mm の机を 置き, その上にノートパソコンを 2 台設置した。机・壁面・ 天井・ドアは全て無彩色(天井 N9, 壁 N9, 床 N5)である。 実験室は調光・調色可能なLED 照明で机上面照度を 500lx に保った。空調は348 号室全体を空調するエアハンドリン グユニットで行い, 壁面の1辺に床から 200mm 幅の排気 用ガラリを設けた。 1.2.実験条件 被験者実験は2015 年冬期から 2017 年冬期までに 5 回行 った。表-1 に実験条件を示す。各季節の被験者数は8 名も しくは12 名としたが, 2016 年春期, 秋期, 冬期では条件に より1〜2 名分のデータが欠損している場合がある。着衣は, 春期・秋期では下着, 長袖シャツ, 長ズボン, 靴下, スリッ パとし, 冬期はその上に長袖ジャンパーを着せた。夏期は 長袖シャツを半袖に変更し, それ以外は春期と同様である。 推定clo 値は冬期 1.0, 春期・秋期 0.7, 夏期 0.6 である。 冬期の実験条件は非空調室から空調室に入室する場合を 想定し, 16℃の前室から温熱環境的に中立である 22℃, や や寒い20℃, やや暑い 24℃の 3 条件とした。 春期・秋期では, 実験室室温を春期・秋期において中立 温度である25℃とし, それよりも暑い 30℃, 寒い 20℃を前 室室温として実験を行った。夏期は非空調室を想定した 32℃の前室から, 中立温度の 26℃, やや暑い 28℃の実験室 に入室する条件とした。ここで「やや暑い/寒い」条件に ついては, PMV が±1 程度になるような室温を設定した。 1.3.実験方法 K 6 6 6 . /13 . /13 99 7 K % 6 6 6 . /13 K % 6 6 6 99 7 . K8 H % 6 6 6 /13 . 15 % - -204 /13 R K8 H 6 6 6 6 99 7 99 7 K ๓ᐊ ྕᐊ ྕᐊ ྕᐊ᥍ᐊ ᗯୗ ⿕㦂⪅ ࣇ࢕ࣝࢱ࣮ ᗋ࠿ࡽPPᖜࣃࣥࢳࣥࢢ࣓ࢱࣝ ᗋ࠿ࡽPP ᐙᗞ⏝࢚࢔ࢥࣥ      ⿕㦂⪅ %')+  ⿕㦂⪅$&(*            家庭用エアコン 被験者 A,C,E,G 廊下 前室 344 号室 348 号室 控室 350 号室 被験者 B,D,F,H 1 1 2 3 2 4 75 00 26 50 2460 3750 7500 実験室

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図-2 実験プロトコル 表-2 評価項目 図-2 に実験プロトコルを, 表-2 に評価項目を示す。物理 量は前室・実験室それぞれ2 台の PMV 計(京都電子工業 AM-101)と, 上下温度を 3 台のワイヤレスデータロガ(エス ペックミック RSW-20S)で測定した。 被験者は2 人 1 組で実験を行った。被験者は控室で着替 え, 説明の後 15 分間控室に滞在してから廊下を通って前室 に入り, 着席して 30 分間順応した。その後室内のドアを通 って実験室に入室し, 着席して実験を行った。 図-3 に心理評価用紙を示す。心理評価にはSD 尺度を用 いた雰囲気評価20 項目と, 温熱環境評価 5 項目, 作業性評 価5 項目から成る心理アンケートを使用し, 前室で 15 分毎 に3 回, 実験室で 10 分毎に 7 回の計 10 回回答させた。温 冷感尺度としては寒暑・涼暖二次元尺度17)を採用した。筆 者らのグループは以前よりこの方法を使用している9)13)。 各評価は1〜7 の 7 段階で行わせ, 1 と 7 は「非常に〜」, 3 と5 は「やや〜」, 4 は「どちらでもない」としている。室 温希望については「下げてほしい」「そのままでよい」「上 げてほしい」の3 段階とした。パソコンの使いやすさの回 答時にはパソコンで軽くタイピングをさせた。 作業性の評価には内田クレペリン検査を1 回 5 分に短縮 したものを用い, アンケートの合間に計2回行った。また 図-3 心理評価用紙 表-3 前室・実験室の室温一覧 軽作業として4 分間のタイピングをさせ, 課題に合わせた 自由記述をさせた。 実験室内にはビデオカメラを設置し, 被験者の様子を室 外からモニタリングした。指示は実験室外より口頭で行っ た。実験中は, 飲食・お手洗い・室外への移動・衣服の着 脱・音や光の出る機器の使用を禁止とし, 空き時間での読 書や雑談は許可した。また実験室内のパソコンはタイピン グとパソコンの使いやすさのアンケート回答時以外は閉じ るように指示した。

2.物理環境測定結果

2015 年冬期実験では, 実験室室温 24℃目標時のみ実験回 ごとの温湿度のばらつきが大きくなってしまい, 実験室入 室直後の平均気温に3000K 条件と 5000K 条件間で 2℃程の 差が出てしまった。これにより心理評価の結果に影響が出 ることが考えられるため, 分析は 20℃, 22℃の 2 条件につ いて行うこととした。 2016 年春期, 夏期, 秋期, 2017 年冬期実験ではおおよそ 安定した温湿度環境が形成できていた。表-3 に室温の最大 No. A-1 氏名___________ 1. 室内の雰囲気として最も近いものに✔を入れてください 落ち着きのない 不潔な 居心地の悪い リラックスした 不調和な まぶしい まぶしくない はっきりした 疲労感を感じない 暗い 野暮ったい 洗練された 開放的である 閉鎖的である 不快な 快い つめたい あたたかい ぼんやりした 疲労感を感じる 明るい 軽い つまらない 好き 親しみやすい 清潔な 居心地の良い 緊張感のある 調和した 安全な かたい 落ち着きのある 重い たのしい 嫌い 親しみにくい 動的な 危険な やわらかい ど ち ら で も な い 非 常 に 非 常 に や や や や 静的な 気流を感じない 気流を感じる 快適 不快 今の気温についてお聞きします 上 げ て 欲 し い 下 げ て 欲 し い そ の ま ま で よ い ど ち ら で も な い 非 常 に 非 常 に や や や や 暑い 寒い 暖かい 涼しい 手で書類を書きやすい ここで、一度パソコンを開いてお答えください 書類を読みにくい 書類を読みやすい 手で書類を書きにくい パソコンを使いにくい パソコンを使いやすい ど ち ら で も な い 非 常 に 非 常 に や や や や 会話をしにくい 会話をしやすい 休憩しにくい 休憩しやすい 2. 室内の温熱環境として最も近いものに✔を入れてください 3. この室内で以下の行為をする場合、最も近いものに✔を入れてください 下 げ て 欲 し い 上 げ て 欲 し い そ の ま ま で よ い   M M M P 02 3 2- 2 2 3 1 V 室移動時における室温と色温度の変化が心理評価に及ぼす影響

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値・最小値・平均値・標準偏差(SD)の一覧を示す。

3.心理評価結果と考察

3.1.室内雰囲気評価 図-4 に2015 年冬期, 2016 年春期, 夏期, 秋期, 2017 年冬 期の心理プロフィール図を示す。これらの図の値は実験室 入室後30 分間に行った 4 回のアンケートの全被験者平均値 である。色温度条件間に有意差が認められたものに印(✳︎✳ 1%有意, ︎✳ 5%有意, ︎△ 10%有意)をつけている。グラフの上 段と下段にそれぞれの温度条件における有意差を印で示す。 各回の結果についても確認したが、平均値とおおよそ同様 の傾向であった。 2015 年冬期実験の室内雰囲気評価は, 前出高橋らの研究 12)と同様, 温熱環境的に中立である 22℃条件の時に色温度 の違いによる有意な評価差が多く出た。特に【あたたかい -つめたい】【親しみやすい-親しみにくい】【かたい-やわら かい】【リラックスした-緊張感のある】【はっきりした-ぼ んやりした】については20℃, 22℃両方の温度条件におい て5%以下の有意差が見られたことから, 色温度の違いに よる影響を大きく受ける項目であると思われる。 2017 年冬期実験でも同様の傾向が見られ, 上記の項目の うち【親しみやすい-親しみにくい】を除く 4 項目において 20℃, 22℃の両条件で 10%以下の有意差が見られた。 春期実験では前室20℃条件よりも 30℃条件での方が色 温度の違いによる有意な評価差が多く見られた。ただし, 前室20℃条件, 30℃条件の両方で 5%以下の有意な評価差 が見られたのは【親しみやすい-親しみにくい】の1項目の みであった。これは“3.2 温熱環境評価”で後述するように, 春期の前室20℃という条件があまり不快ではなかったこ とに起因すると考えられる。 夏期実験の室内雰囲気評価を見ると, 実験室室温が中立 温度である26℃条件時の方が, 色温度の違いによる 5%以 下の有意な評価差が多くの項目に認められた。これは前出 高橋らの研究結果12)や, 冬期実験の結果とも一致する傾向 である。【あたたかい-つめたい】の項目を見ると, 実験室 室温28℃条件では 3000K の照明を用いた室が【あたたか い】, 5000K が【つめたい】雰囲気だと評価されている一方 で26℃条件ではどちらも【つめたい】雰囲気であると評価 されている。これは, 26℃条件時には前室との間の気温差が 大きかったため, 雰囲気が温熱環境条件に影響を受けたも のと推察される。 秋期実験では前室20℃条件よりも 30℃条件での方が色 温度の違いによる有意な評価差が多く見られた。ただし前 室20℃条件, 30℃条件の両方で 5%以下の有意な評価差が 見られた項目は無く, 10%以下の有意な評価差が見られた のは【かたい-やわらかい】の1項目のみであった。これは 春期実験同様, 前室温熱条件があまり不快な条件ではなか (a) 2015 年冬期 (b) 2016 年春期 (c) 2016 年夏期 (d) 2016 年秋期 (e) 2017 年冬期 図-4 心理評価入室30 分間平均

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(a) 2015 年冬期 (c) 2016 年春期 (e) 2016 年秋期 (b) 2017 年冬期 (d) 2016 年夏期 図-5 項目別温熱環境評価 経時変化 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 20℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 20℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 20℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 22℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 22℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 22℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 20℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 20℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 20℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 22℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 22℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 22℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 前室20℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 前室20℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 前室20℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 前室30℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 前室30℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 前室30℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 26℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 26℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 26℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 28℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 28℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 28℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 前室20℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 前室20℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 前室20℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暑い ー寒い 経過時間[min] 前室30℃ 【暑いー寒い】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 暖か い ー涼し い 経過時間[min] 前室30℃ 【暖かいー涼しい】 3000K 5000K 1 2 3 4 5 6 7 0 15 30 30 40 50 60 70 80 90 快適ー不快 経過時間[min] 前室30℃ 【快適ー不快】 3000K 5000K 室移動時における室温と色温度の変化が心理評価に及ぼす影響

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ったことに起因すると考えられる。 全ての季節を通して, 【あたたかい-つめたい】【親し みやすい-親しみにくい】【かたい-やわらかい】【リラッ クスした-緊張感のある】【はっきりした-ぼんやりした】 の5 項目は色温度の違いによる評価差が出やすい傾向に あった。 3.2.温熱環境評価 図-5 に2015 年冬期, 2017 年冬期, 春期, 秋期, 夏期の 項目別温熱環境評価の経時変化を示す。実験室において 色温度条件間に有意差が見られたものに印をつけている。 経時変化を見ると, 30 分間の平均値では差が見られなか った場合でも実験室入室直後に色温度の違いによる評価 差が多く現れ, 色温度も影響を与えていることが分かる。 2015 年冬期の結果を見ると, 実験室室温 20℃条件時 の入室後の快適感において, 色温度 5000K の時には「4: どちらでもない」であるのに対し3000K の時には「3:や や快適」となっている。同様に寒暑感についても入室直 後の寒さ感が色温度3000K で有意に緩和されており, こ れは色温度の影響により室内の快適性が向上したためと 考えられる。 また実験室室温22℃条件の入室 10 分後の快適感にお いて, 3000K の色温度条件時の方が快適であるとの有意 な評価差が出ている。快適感については入室後60 分が経 っても両色温度条件下で評価平均値に差が見られたこと から, 色温度の影響を受けやすく, 持続もしやすい項目 であると考えられる。 2017 年冬期実験では, 実験室入室後の寒暑感が 22℃ 条件時にほぼ中立となり, 狙い通りの温熱環境が形成で きた。20℃条件では中立よりもやや寒い環境と評価され, 涼暖感も22℃条件にのみ暖感が見られた。またわずかで はあるが, 入室 40 分後の涼暖感の平均値を見ると 3000K 条件の方が5000K 条件よりも暖感が継続していることが 分かる。 春期実験の涼暖感は実験室への入室直後に前室20℃ 条件の時では暖かい, 30℃条件の時では涼しい側に評価 がふれている。また快適感では特に前室30℃条件におい て, 実験室入室直後に大きく快適側の評価が出ている。 これはやや寒い室内, あるいはやや暑い室内から中立室 温の部屋に移動した際に積極的快適性13)が得られたた めであると考えられる。30℃条件ではそれに加え, 色温 度5000K 時の方が 3000K 時よりも快適であるとの有意な 評価差が認められ, Hue-heat 効果が確認できた。この効果 は入室後60 分後であっても平均値の差として現れてい ることから, 不快な温度条件から中立温度に移行する際 の色温度の違いによる影響はある程度の持続性があるも のと思われる。前室20℃条件における快適感申告を見る と, 前室での評価がほぼ中立の「4:どちらでもない」で あり, 不快感をあまり感じていない。室内雰囲気評価に おいても前室20℃条件では 30℃条件に比べ色温度間に 差が見られない。これらの結果は春期において20℃とい う条件設定が十分に寒い条件ではなく, 実験室入室時の ギャップが小さかったことを示していると考えられる。 秋期実験においても, 春期と同様に実験室入室前後の 温熱ギャップが不十分であったと示唆された。秋期実験 では前室20℃条件だけでなく, 30℃条件でも十分な不快 条件が形成できなかったものと考えられ, 温熱不快状態 を意図した前室での快適感評価において快適側の申告を する被験者が複数見られた。 夏期実験の結果を見ると, 実験室室温 26℃, 28℃のど ちらも実験室入室後の寒暑感はほぼ中立であった。涼暖 感を見ると, 26℃条件では実験室入室後 60 分が経過して も「5:やや涼しい」〜「6:涼しい」である一方, 28℃条件 では入室後20 分程度でほぼ中立の「4:どちらでもない」 という評価になっている。しかしどちらも入室直後は「6: 涼しい」という評価であることから, 入室後 20 分程度で あれば設定温度を上げても温熱環境への評価はあまり影 響を受けないことが示唆される。また快適感については 実験室入室直後に大きく快適側の評価が見られ, 入室 60 分後であっても実験室室温26℃, 28℃の両条件で「3:や や快適」との評価が継続している。色温度の違いによる 快適感評価の差は入室直後にわずかに現れたのみであっ た。これは前室の照明が5000K であったことから, 5000K の照明を用いた実験室に入室しても印象に差が出にくく, 涼しいという評価が得難かったためと考えられる。 季節の違いを見てみると, 冬期・春期・秋期に比べ夏 期では前室での暑さ感が強く, 入室直後の快適感も大き く現れた。これは齋藤ら15)の研究の結果とも合致してい る。 また全ての季節を通じて, 実験室入室直後に色温度の 違いによる有意な評価差が多く現れた。特に2015 年冬期, 春期, 夏期には, 入室に伴って暖感や涼感が感じられた 時に快適感が喚起され, Hue-heat 効果が見られている。反 対に秋期実験では前室で不快感があまり得られず, 実験 室入室後の快適感に色温度間の評価差があまり出なかっ た。このことから大野7)が述べたように, 前室で十分な 温熱ストレスがあり, ‘入室時に心理的に快適状態が喚起 されている時’ に色温度の効果が現れるものと考えられ る。 しかし春期30℃条件における色温度間の評価差に比 べ, 夏期, 冬期の評価差は小さかった。これは非常に暑 い・寒い室から中立温度の室に移動するという条件設定 や, 夏期や冬期における生理的・心理的な季節順応の影

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表-4 平均外気温 最大・最小・平均値 (a) 回答数(色温度比較・室温比較) (b) 正答率(色温度比較・室温比較) 図-6 夏期 クレペリン 響15)から温熱刺激に意識が向きやすいことに起因する と考えられる。すなわち照明色温度の温冷感への影響は 温熱環境ほど顕著なものではないため, 夏期や冬期にお いては目立った効果を現し難いことが示唆される。 表-4 に各実験日の平均外気温の最高値、最低値、平均 値を示す。涼暖感や快適感などの心理量について齋藤ら 15)は, 中間期では生理的に移行しつつあっても, 心理的 にはその直前の順応期の影響を強く残していると述べて おり, 春期には冬期の影響を受け暖感を, 秋期には夏期 の影響を受け涼感を感じやすいとしている。本実験の秋 期涼暖感の評価結果を見ると, 実験室入室直後の評価は 前室20℃条件, 30℃条件ともに「やや涼しい」「やや暖か い」であるのに対して, 入室後 40 分以降では暖感よりも 涼感の方が感じられており, 秋期において夏期の順応の 影響を引きずっていることが確認された。一方で春期実 験の結果を見ると, 前室 30℃条件における涼感の方が大 きく現れている。これは実験時期が4 月中旬〜下旬と遅 めであったことから, 冬期からの移行期を過ぎ, 夏期に 順応しつつあることが原因であると考えられる。同様に 二度の冬期実験を比較すると, 実験室室温 22℃条件では 2015 年冬期の結果よりも 2017 年冬期の実験結果の方で 暖感が長く維持されている。2017 年冬期実験は 1 月下旬 に行ったのに対し, 2015 年冬期実験は 12 月中旬に行った ため, 2015 年冬期実験時は十分に冬型に順応する前であ ったことが示唆される。 これらの結果から, 中間期においては夏型・冬型への 順応の影響に応じて涼感や暖感が感じられ, 冬期におい ても身体が十分に冬型に順応していない時期では暖感が 維持され難いと言える。さらに快適感は涼暖感の発露と 対応して見られたことから, 色温度の違いによる評価差 を考える際には季節順応の影響も加味する必要があると 考えられる。 3.3.作業性評価 図-4 を見ると作業性評価はどの季節においても, 色温 度の違いにより評価が異なる一定の傾向は見られなかっ た。各回の結果についても同様であった。 異なる季節・条件間でもあまり差が見られず, 全ての 条件においておおよそ同程度の評価であったことから, 作業性には本実験で設定した温熱環境や照明色温度環境 ではあまり影響しないものとみられる。

4.内田クレペリン検査結果

クレペリン回答数, 正答率については, 夏期実験時に わずかに回答数に有意差が見られたのみであった。図-6 に夏期のクレペリン回答数, 正答率の全被験者平均値を 示す。個人プロフィルを見ても個人内の差は顕著でなか ったため, 平均値を用いた。 図-6 を見ると回答数には色温度よりも比較的温熱環 境の違いによる差が大きく出ているが, 正答率には差が 見られない。クレペリン検査においては回答数の個人差 が大変大きく, 色温度, 前室室温, 実験室室温の違いに よる影響は小さいと考えられる。

5.まとめ

室移動により温熱・照明色温度の同時変化を与えた場 合の「室内雰囲気評価」, 「温熱環境評価」, 「作業性 評価」について, 男子学生を対象とする被験者実験によ り検討を行った。結果についてまとめると以下の通りで ある。 1) 室内雰囲気評価では, 室温の違いによる評価差よ りも色温度の違いによる評価差の方が大きく見られ た。全ての季節を通じて【あたたかい-つめたい】【親 しみやすい-親しみにくい】【かたい-やわらかい】【リ ラックスした-緊張感のある】【はっきりした-ぼんや りした】の5 項目は色温度の違いによる評価差が出 やすい傾向にある。 2) 温熱環境評価は, 特に入室直後において色温度の 影響が評価差に現れた。春期実験の前室30℃条件や 夏期実験に見られるように, 前室で十分な温熱スト レスがあれば快適感の喚起に伴ってHue-heat 効果が 現れると考えられる。これは環境の刺激による情動 340 350 360 370 380 390 400 3000K 5000K 回答数 クレペリン回答数 26℃ 28℃ △ 340 350 360 370 380 390 400 26℃ 28℃ 回答数 クレペリン回答数 3000K 5000K 99.3 99.4 99.5 99.6 99.7 99.8 99.9 100 26℃ 28℃ 正答率 [%] クレペリン正答率 3000K 5000K 99.3 99.4 99.5 99.6 99.7 99.8 99.9 100 3000K 5000K 正答率 [%] クレペリン正答率 26℃ 28℃ 4 7 457 4 7 4 7 4 7 60 62 3. 89 1 7 室移動時における室温と色温度の変化が心理評価に及ぼす影響

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の喚起が異系間相互作用の引き金となっているとい う, 大野ら7)の考え方と一致するものである。 3) 季節差は主に涼暖感と快適感の評価に見られた。 夏期は中間期に比べて実験室入室時の快適感が大き い一方, 色温度間の評価差はあまり大きくない。こ れは夏期・冬期においては温熱ストレスが大きいた め温熱刺激そのものに意識が向きやすく, 色温度の 効果が薄れてしまうことに因ると考えられる。 4) 実験時期によって前後の季節への順応の度合いが 異なり, 快適感は涼暖感の発露と対応して見られた ことから, 色温度の違いによる評価差を考える際に は季節順応の影響も加味する必要があると考えられ る。 5) 作業性評価については, 全ての条件においておお よそ同程度の評価であったことから, 本実験で設定 した温熱環境や照明色温度環境よりも, 室内装飾や 個人差による影響が大きいと考えられる。 照明色温度の変更による視覚的な刺激は, Fanger ら2) やRohles ら6)の研究に比べてより実空間に即したものと 言える。視覚的な刺激が小さい分, 定常状態では温冷感 に影響を与えづらいが, 非定常の環境において今回のよ うに同時に刺激を与えることで色温度の影響も現れるこ とが明らかになった。

Huebner ら10)Albers ら11)LED 照明を用いた実験

においてHue-heat 効果を支持する結果を示したが, 彼ら はいずれも室温を一定とし, 20℃〜25℃程度の中立温度 から大きく隔たらない範囲の気温条件を用いて実験を行 った。Huebner ら10)の実験は春期に行われており, Albers ら11)の実験は実験時期がはっきりとしない。それに対し て今回は夏期・冬期実験でそれぞれ前室を32℃, 16℃と 暑い・寒い環境に設定しており, このような温度条件の 場合には温熱環境評価に対して温熱要素が優勢となり, 照明色温度は強い影響を与えなかったものと見られる。 今回の結果から, 空調している室に入室してから 10 分程度までの短時間であれば, 照明色温度を適切に使用 することで室内の快適性を向上させられると考えられる。 具体的には銀行などの窓口や, コンビニエンスストアの ような長時間滞在を意図しない店舗などでの使用が有用 であろう。 特に春期・秋期には色温度の効果が比較的得られやす いと考えられる。そこで必ずしも空調を運転せず, 照明 色温度の設定を変更することで不快感を緩和させられる かもしれない。また中間期は日較差が大きいことから, 日や時間に合わせて照明を適切に運用することで空調負 荷の低減が図れる可能性がある。

お わ り に

本研究では年間を通じて被験者実験を行い, 温熱条件 と色温度条件がともに非定常である場合の心理評価につ いての結果を報告した。 いくつかの条件下でHue-heat 効果が見られたが, 本研 究でのサンプル数は8〜12 名と少ないため, より詳細な 検討のためにはさらに実験を重ねる必要があるだろう。 また温熱環境評価結果などから, 本実験において前室 の不快条件が十分でなかったことが考えられる。今後は 前室温熱条件を変更し, さらに強い温熱ストレスを与え た場合での心理評価を検討する予定である。

謝 辞

本研究においては, 中部電力(株)中石京太氏, 高橋大 剛氏(当時大学院生), 東芝ライテック(株)中川貴博氏に 多大なるご協力を頂きました。 参 考 文 献

1) Bennett C. A. and Rey P.: What’s so Hot about Red? , Human Factors, Vol.14-No.2(1972-4), p.149-154

2) Fanger P. O., Breum N. O. and Jerking E.: Can colour and Noise Influence Man’s Thermal Comfort?, Ergonomics, Vol.20-No.1(1977-1), p.11-18

3) 木田光郎, 鈴木初恵, 古賀一男, 苧阪良二: 環境温度の評

価と弁別閾値-照明の効果について-, 名古屋大学環境医 学研究所年報, Vol.33(1982-3), p.68-70

4) Berry P. C.: Effect of Colored Illumination upon Perceived Temperature, Journal of Applied Psychology,

Vol.45-No.4(1961-8), p.248-250

5) Flynn J. E. and Spencer T. J.: The Effects of Light Source Color on User Impression and Satisfaction, Journal of Illuminating Engineering Society, Vol.6-No.3(1977-4), p.167-179

6) Rohles F. H., Bennett C. A., and Milliken G. A.: The effects of lighting, color, and room decor on thermal comfort, ASHRAE Transactions, Vol.87-part2(1981), p.511-527 7) 大野秀夫: 温熱環境を主とする室内環境の複合的・動的評 価の研究, 名古屋大学博士論文, (1988) 8) 大野秀夫, 久野覚, 木田光郎, 中原信生: 居住者の温冷感 覚におよぼす温熱環境と色彩環境の複合効果に関する研 究, 日本建築学会計画系論文報告集, 第 374 号(1987), p.8-18

9) Nakahara N., Ohno H. and Kuno S.: Hue-Heat Impressions and Thermal Sensations of Occupants in a Transient Environment, ASHRAE Transactions, Vol.93-part2(1987), p.429-448 10) Huebner G. M., Shipworth D. T., Gauthier S., Witzel C.,

(9)

Raynham P. and Chan W.: Saving energy with light? Experimental studies assessing the impact of colour temperature on thermal comfort, Energy Research & Social Science, Vol.15 (2016-5), p.45-57

11) Albers F., Maier J. and Marggraf-Micheel C.: In search of evidence for the hue-heat hypothesis in the aircraft cabin, Lighting Research & Technology, Vol.47-4 (2015-6), p.483-494 12) 高橋大剛, 吉田友紀子, 久野覚, 宮岡洋一, 中山浩, 加藤直 樹, 中川貴博, 野口瑶子: オフィス室内環境の心理評価に 対する気温とLED 色温度の相互効果,平成 27 年度空気調 和・衛生工学会中部支部学術研究発表会論文集, 第 17 号 (2016-3), p.109-112

13) Kuno S., Ohno H. and Nakahara N.: A Two-Dimentional Model Expressing Thermal Sensation in Transitional Conditions, ASHRAE Transactions, Vol.93-part2(1987), p.396-406

14) 松原斎樹, 伊藤香苗, 藏澄美仁, 合掌顕, 長野和雄: 色彩 と室温の複合環境に対する特異的及び非特異的評価, 日本 建築学会計画系論文報告集, 第 535 号(2000-09), p.39-45 15) 齋藤輝幸, 久野覚, 大野秀夫, 木田光郎, 中原信生: 室温 が不快条件から中立条件へ変化するときの生理・心理反応 の季節差, 日本建築学会計画系論文報告集, 第 441 号 (1992-11), p.33-42 16) 垣鍔直, 室 恵子, 堀越 哲美: 心理・生理反応から評価した 好みの色温度と室温の組み合わせに関する実験的研究:そ の3 照度が 1,500 ルクスの場合の中年女性の好みの色温度 の季節差, 日本建築学会計画系論文報告集, 第 568 号 (2003-06), p.77-81 17) 一般社団法人日本建築学会: 日本建築学会環境基準 AIJES-H0004-2014 温熱心理・生理測定法規準・同解説, 第 1版(2014), p.10 (平成 29.11.8 原稿受付)

The Influence of Changing Air Temperature and Color Temperature

on Psychological Evaluations when Moving Between Chambers

by Yuko S

UGIURA*1

, Satoru K

UNO*2

, Yukiko Y

OSHIDA*3

, Hiroshi N

AKAYAMA*4

and Teruyuki S

AITO*2

Key Words:Experiment, Color Temperature, Psychological Evaluation, LED Lighting, Hue-heat Effect

Synopsis : LED lighting with easily controlled brightness and color temperature might be useful for improving indoor comfort by changing its color temperature setting. The hue-heat effect is the impact that warm and cool colors have on thermal sensation, such as feeling warm in red surroundings, or cool in blue surroundings. This effect is not well understood, so in this

study we investigated the influence of color temperature with different air temperatures on indoor comfort by conducting subject experiments every season from three points of view: “indoor atmosphere evaluation,” “thermal environment evaluation,” and “workability evaluation.” As part of the study, we clarified the thermal step-change condition that occurred when subjects moved between chambers. The result showed that only if subjects received a large thermal stress in the ante-room, then the color temperature influenced the evaluation of thermal environment corresponding to the hue-heat hypothesis immediately after entering the chamber.

(Received November 8, 2017) *1 Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University,

Student Member

*2 Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University, Fellow Engineer

*3 Yoshida Environmental Design Associates, Department of Environment and Energy Management, Osaka University, Member *4 Chubu Electric Power Co., Inc., Member

参照

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