環 境
適
性
を
考
慮
し
た
包 装
用
緩 衝 材
Cushioning
Materialsfor
Packag
}ngin
Considera
士ion
ofEnvironment
Adaptability
青 木
弘行
、
久 保光 徳、 寺 内
文 雄
、
大 塚剛。
、
鈴 木邁脳
Aokj
Hiroyuki,
Kubo
Mitsunori
,Terauchi
Fumio
,Otsuka
Tsuyoshi,
Suzuki
Tsutomu
千 葉 大 学
、
中 外 製 薬株式 会社※、
千葉工業大 学urKChiba Unlversity
,
Chugal Pharmacetical Co.
,
Chiba lnstitute of Technolegy1 .
包 装用 緩衝材に お ける問 題 点現 在、 包装 用 緩 衝 材と して主 に使用 さ れて い るの
は発 泡ス チロ
ー
ル(EPS :Expanded polystylene)である。EPS は軽く
、
衝撃吸収 性に優れ、
価 格が 安 価であ る とい う長所を 有 してい るため に、多
くの 製品に対 し て用い ら れてい る。 しか し な が ら、
近年欧米の各
国 におい て EPS の使 用を規 制 する動き が活 発に なっ て きてい る % この理由は、
EPS が容 積が大 き く、
ま た 合 成 樹 脂であ る た め に 埋 め 立て て も 地 中で腐らず、
そのま ま残っ てし まうこ と にあ り、 埋 立 処 理が大 き な割 合を占めて い る欧米の各
国では、
深刻な 問題と なっ てい る。 ま た、
EPS は リサ イクル ルー
トが確立 さ れてい る と は書い難 く、 回収 さ れ た と して も、
再 生方 法、
質の低下、
再 生 材 料の用 途 開 発 問 題な ど か らリ サ イ クル は困 難である と さ れ てい る。 また、
日 本にお け る廃 棄 物 処 理は焼 却 処 理が 主 であるが、
EPS
は焼 却 時に高 熱を発 するため、
自治 体の設 備に よっ ては 処 理 が 困 難である場合が多い 。そ し て現 在、
この ようなEPS
の 問 題 点 に対 して、
い くつ かの 対 応 策が採ら れ るようになっ て きた。
使用の 禁 止、
回収 の義務、
再 生 化の 義務 な どの法規 制に加 えて、
使用 量の削 減、
他材 料へ の 変 更 な ど が 挙 げ ら れ る。 特に 環 境 問 題に厳しい 欧 州、 米 国 向 けの商 品には、
発 泡 プラス チ ッ ク緩 衝 材で の輸 出が難 しくなっ てきてお り、
代 替 材 料と し て、
パ ル プモー
ル ドや段ボー
ル な どの 木 質 繊 維 を素
材とする緩 衝 材 が 注目され、
使 用 さ れてい る。
ま た、
微生物に よっ て 分解さ れる生 分 解 性プラス チッ ク製 緩 衝 材も 開 発 さ れてい る。 外国 に おける特 殊 な 例では、
充 填 用 緩 衝 材 と して のポ ッ プコー
ン利用の検 討な どがあ げ られる2〕 。 しか し、
い ずれの例におい て も、
緩衝機能、
価 格 などの 面か ら、
包 装 用 緩 衝 材とし て必 ずし も優れ た代 替品で ある と は言い 難 く、
設 計 者は どの ような材 料 選 択を す れ ば 良い のか、
その 決 定に困 難を究めてい る のが現 状で あ る。
包 装 用 緩 衝 材 に おい て、EPS
が 廃棄 処理面で 問題 視 され、
代 替 品が用い ら れ る傾 向が強まっ て き てい る が、
この種の 問題は、
多 くの視 点から捉えら れ た総 合 的な判 断の もとで 評 価 さ れる必要が ある と 考 える。 そこ で、
包 装 用緩衝材設計におい て、
環境
適 性へ の 配 慮を含む総 合 的な対応策につ い て検 討 す ること を試み た。
2 .
包 装 用 緩 衝 材 設 計に お け る要因の解 明 包装 用 緩 衝 材設計に おい て考 慮 すべ き要 因に は、
一
般 的に保 護 機 能、
輸送性、
商品性な どが挙 げら れ、
さ ら にこれに環 境 適 性が加わるもの と考える こと が できる3) 。 し か し、
これ らの 諸 要 因は、
個々 に問題提 起 さ れ る場 合が多
く、
要 因 問の 関 係 は 不 明 確 なま ま である。そこ で、 まず 現状の 包 装 用 緩 衝材の種
類、
特 徴、
問題点 な ど を 整 理 し、
諸 々 の 要 因の 関 係 を視 覚 的に把 握 すること を試み た。
包装 用 緩 衝材設計に 関 わる設計 要 因を、
資 料、
文Wt4
}”
6)か ら 抽出 し、
設 計 要 因 問の構 造 構 造モ デル を構 築し た。 その結 果、
包 装 用緩衝 材設計に関する キー
ワー
ドは[情 報 源]、[要 求 事項
]、
[設計 解]の 3つ の項目に大 分 類さ れ、
晴
報 源]で は 【物 流 条 件}、
[製 品 条 件]、
[包 装 材 料 特 性]の 3つ の小 分 類 項 目、
[要求 事 項】で は[保 護 性]、
[環 境 適 性]、
【作 業 「生]、
[経 済性 ]、
[商 品 性 】の5
つ の 小 分類 項目、
[設計 解]で は [使 用 材 料]、[包 装形態 ]、
[緩 衝 形態]の3
つ の 小 分 類項 目に分 類できるこ とが 明 らか となっ た(図1
)。
図 1に 示し た設 計 要 因の構 造モ デル よ り、 1)包 装 用 緩 衝 材 設 計におい て[環 境 適 性 ]を改 善 目標とした 場合
、
同時に〔経 済 性]、
[作 業 性1
、
[保 護 性1
を 考 慮 する必 要が あ る。2
)[環 境 適 性 ]を向上する た めには、 包 装材の 使 用 量 を削 減 する、
梱包体をコ ン パ ク ト化する、
リ ター
ナ ブル 化 する、
廃 棄 処 理 性、
リ サ イク ル性に優れた材 料を選 択す る
、
製 品 条件、
物流条 件を 把握し、
設 計へ 反 映させ る な どの対応策が考 えら れ る 。 3)[包 装 材の使用量]の削 減
、
[輸 送・
保 管 性】の 向上16 sPECIAL IsSuE oF JsSD vol
.
4 No.
3 1997 デザ イン学 研 究 特 集 号は、[環境適性]、[経 済 性]、[作 業性 ]を向上 させるが
、
一
方、
[包 装材の使用量]の削 減は [保 護 性}、
(緩衝 性) を低下 させ る。 な どの知 見 を 得る こと がで きた。
3 .
包 装 用 緩 衝 材の現 状 分 析前 節の結果 を踏 ま えて包装 用緩衝材 料の
種
類や特 徴、 使 用の さ れ方な どの 面か ら複 数の包装 事 例を評 価 するこ とに よ り現 行包装用緩 衝 材を分 類 する こと を試みた。 資 料、
文 献 7}’
Y}から選 定した66 種類の 包 装 用緩 衝 材 事 例に対し、
前 節に おい て 明 ら か に し た 設計 要因 を も とに56
評 価 項 目を設 定し、数 量 化IH
類 に従っ て、 包 装用 緩 衝 材 事 例66
か ら なる評 価空間を 作成 した。 得られたサ ン プル スコ ア に よ り、
ク ラ ス ター
分 析を行い、
分 類した各々 の 緩衝 材グルー
プの 特 徴お よび特 徴間の関連 性につ い て検 討 を加 えた。
分 類結果 よ り
、
[プ ラス チ ック 成 形 緩 衝 材(
EPS ,
EPS
複合,
EPE ,
再 生EPS 等
)}、
[紙 系 緩衝 材(
段ボー
ル積層
,
段ボー
ル組立,
パ ル プモー
ル ド等 〉]、[充填型 緩 衝材(
EPS
バ ラ緩 衝材,
生分 解 性,
エ ア緩 衝 材,
木 毛等 )]、
[リ ター
ナ ブル 型緩 衝 材 (EPE,
EPP,
木 材 等 )] の4
つ の グルー
ピン グ を得た(図2
>。 以 下に各軸と緩 衝 材グルー
プの 関係につ い て要 約 する。・1
軸は、
プラス チ ッ ク成形 緩 衝 材お よび紙 系 緩衝 材の特 性の違い による影 響が強 く、
緩 衝 性の良さ とリサ イク ル性、
廃 棄 処 理 性の良さが相反する結 果となっ た。 この こ と と、
プ ラス チ ッ ク 成形 緩 衝 材およ び紙 系 緩衝材は事
例数も多
く現主 流で ある こ と を加 味す る と、
現 状におい て、
緩 衝 性の 良 さ と リ サ イク ル性お よ び廃 棄処 理 性の良さを同時に 満た した緩 衝 材は存在 し ない こと を示 してい る。II
軸は、
充 填型緩 衝 材の特 性による影 響が反 映 さ れてい る。 充 填 型 緩 衝 材は、
多 くの製 品へ の対 応 が可能である とい う使用 形 態 を表 す 特 徴を有して い る。
この ことか らも、II
軸は 汎 用性の 有 無を示 してい る と 理解で き る。 これ は汎 用 性が、
現 状の 緩 衝 材 選 択に おい て、
考 慮 すべ き重要 な 要 因であ 製 品 限 定 使 用 11 軸 汎 用 性 多 く の 製 品 に 対 応 人工材 料 プラス チッ ク ● 勝 饕 成形 緩 衝材 .’・−
03
.
鮎 气二
鐔
:
■ ムム 、 占・
紙 系 緩衝材 髄 ● リ ター
ナ ブル型 緩 衝 材 鋼 & o oo o o
.
O oO 充 填 型 緩 衝 材
9
1軸 処 理 性 天 然材 料 作 業性 環 境適 性 保謹性 経 済 性 材料 費 廃 棄処 理性 緩衝 性 包 装 材 の 使 用 量 輸 送・
保 管 性 リター
ナプ 1レ性 固定性 梱 包・
開梱性 成 形・
加工性 商品 性 包 装・
緩 衝 形態 リサイクル性 物 流条 件 対 象 製品条 件 使 用 材料 図 1 包装用緩 衝 材に お け る設 計要 因 図2−
t包 装 用 緩 衝 材の現 状 分 析 (処理性と汎用性 ) 閥 由 i亠
田〒
再 使 用 性 再 使 用7
5
1
人工材 料 天然材料 1 軸 処理性 図 2−
2包 装 用 緩 衝 材の現 状 分 析 (処 理 性 と 再 使 用 性 )/
含自
リ ター
ナブル 型緩 衝材 ムム
歪 へ覧
単
o の
冒
o 鰯 ◎ ● 0 鑵 鷹 つ_
」 」 ●・
−1
“ ■ 8 ’.
● 鸞 o o●
oo 8 0. o●
鐔畳
on
プラス チック 成形緩 衝材 『 充 填型緩 衝 材 卿゜
,
紙 系 緩衝材 ノデ ザ イ ン学研 究特集号 SPEClAL tSSUEOF JSSD vol
,
4 No,
3 1997 17る こ と を 示 して い る。 皿 軸は
、
リ ター
ナ ブル 型 緩 衝 材の 特 性によ る影 響 が強い 。 リター
ナ ブル型緩 衝 材は繰り返 し使用 す るとい う、
H 軸の汎 用 性と同 様に使 用 形 態を表 す 特 徴 を有 し てい る。 こ の ことは、
リター
ナ ブル であ ること が、 緩 衝 材 選 択 時に考 慮 すべ き重要な要因 で あるこ とを示 してい る。4 .
改善
策の検 討・
提案 こ こ まで に得ら れ た 包 装 用 緩 衝 材 に関 す る 知 見の 整 理を行い、
現 状の問 題 点を改 善 するた めの対 応 策 を検 討 し、
改 善目標と 現状の対 応 策との 関係、
お よ び新 たな 改善 策の位置づ けを試み た。 現 状 に おい て 特 に重要な 問 題点は、
包装 用 緩衝 材の 主目的で ある 保 護 性 すな わ ち緩 衝1
生 と環 境適性が 両 立 で きてい な 図 3 環 境適 性 と緩 衝性の 両 立の た め の改善策 図 4−
1形 状 記 憶 樹 脂 を 利 用 し た リター
ナ ブル 緩 衝 材 い ことであ り、
この 問題 点を解 決 する方 法と して以 下の観 点に着 目した (図 3)。 ○[
包 装 材の使用量 削 減 ]と[緩 衝 性 】の両立[包装 材の 使用量]の 削減は
、
[環境
適性 ]、
[経 済 性 ]、
[作 業 性]を向上 させるが、
一
方、
[保 護 性 (緩 衝 性 )]を低 下 さ せ るとい う相 反 する特 徴 を持つ 。 こ の問題の改 善 策として 、 使 用 方 法の「
リ ター
ナ ブル化」
に着目 した。 繰 り返 し使 用可能と する こ とによ り、
使用量
の大 幅 削 減が期 待で きるの で、
繰 り返 し使 用におい て 衝撃吸収性 を維 持する こと がで きる材 料の選 択に よ り、[環 境 適 性]と [緩 衝 性]との両 立 が 図 れ る。
○ 【リ サ イ クル性・
廃 棄 処理性1
と【緩 衝 性 ]の両立[緩 衝 性]の良さと [リ サ イクル性
・
廃 棄処 理 性1
の良 さの 両 特 性 を 満た し た包 装 用 緩 衝 材は存 在 しない 。 この 問題に 対する使用材 料に お ける改 善 策 と して、
細い ガ ラス繊 維 による 綿 状 材 料であ るた め に、
その 材料 構 成に起因 する 空気 層によ る [緩 衝 性]が 期待で き るだけでな く、
高 回 収 率の ガ ラス 瓶と同じ組成 を持 つ こ とか ら[リ サ イクル性 ]に優れ てい る「グラス ウー
ル」に着 目し た。4 .
1
リ ター
ナ ブル緩 衝 材 現状 調 査より、
リ ター
ナ ブル 緩 衝 材の改 善 要 因と し て 「回収や積み重 ね時の形状・
機 構 等の 工夫 」が 重 要である こと が明ら か と なっ た。 そこ で、
こ の点 を考 慮 した特 微の異 なる 二 つ のリター
ナブ ル緩 衝 材 の提案を 行 っ た。1
)形 状 記 憶 樹 脂 製 リ ター
ナ ブル 緩衝 材(
図4−1)
外 装と製 品の 問に部 分的 に形状記 憶 樹 脂 を 用い、
固定、
緩 衝を行 う包 装形態 と する。
形 状 記 憶 樹 脂は、
低 温で固 く、
加 熱 する と軟ら か くなる とい う特 性を 図4−
2回 収し やすさ を考 慮 し た リ ター
ナブル 緩 衝 材18 sPEclAL IssuE oF JssD vol
.
4 No,
3 1997 デ ザ イン学 研 究 特 集 号持つ 。 さ らに
、
変 形 量が大 きい、
繰 り返 し変 形に対 する耐 久 性に優れ てい る、
軽 量である、
耐 候性・
耐 薬 品 性に優 れて い る とい う特 性 も兼ね備 えて い る1°,。
まず、 樹 脂に は あ ら か じ め 立方 体 形状 (ブロ ッ ク 状、
シー
ト状)を記 憶さ せてお く。 梱 包 時に樹 脂を加 熱 し、
製 品 形 状 に合わせて成形、
冷 却固化 をする。梱 包 さ れ た製 品は販 売 店、 消 費 者へ と輸 送さ れ る。 不 要となっ た時 点で再び加 熱を加える ともとの立方体 形 状 に戻る。 こ れ を回 収 する こ と に より、
繰 り返 し 再 利 用 が 可 能 となる。
形状記 憶樹 脂 を用い る こ とに よ る大き な利 点は、
異な る形状の製 品にも対応 が 可 能 なことである。 形 状記憶 樹 脂に は様々 な種 類がある が、
振 動 吸 収 性能に優れて い る という
点で、
ポリエ チ レン と シ ク ロペ ン タ ジエ ンか ら 得 ら れ るノ ル ボル ネン・
ポ リ マー
liL12 }が 包 装 用 緩 衝 材 に 適 してい る と考 えら れ る。
こ の樹 脂は、
室 温 状 態では任 意の形 状を保ち、40
℃ 以 上の温 度 範 囲では弾 性 率が大 き く低下するとい う 特 徴を持つ 。 その た め、
家 庭で お風 呂の お湯につ け る だ けで形状が復元する こ とが で きる。 2)
回 収 し やすい リター
ナ ブル緩 衝 材(
図4 −2
) 梱 包され た製品の外 側、
つ ま り外 装の外 側か ら サ イ ド あ るい は コー
ナー
に緩 衝材 を取り付ける包装形 態 とす る。
緩 衝材に は繰 り返 し使用 に 対 する耐 久 性の 高い
、
低発泡倍 率の発 泡樹 脂(EPS ,
EPE ,
EPP 等)を 用い る。
そ れ ぞ れの 緩 衝 材 同 士 はベ ル ト状 あるい は ひ も状のもの で連 結 する。 ベ ル トは緩 衝 材内部へ の 巻き込み方 式と し、
ベ ル トの 自由 度を調 節で き るス トッパー
を取 り付ける。 つ まり、
使用 されない 場 合 に は、
ス トッパー
を外すこ と でベ ル ト が緩 衝 材の 中 に巻か れて入 り込み、
そ れ ぞ れの 緩 衝 材が コ ン パ ク トに ま と め ら れ る。
ま た、
使用 時には、
外 装 に 取 り 付 けた後、 ベ ル トがゆ る ま ない ようにス トッ パー
で 固定 さ れ る。 これ によ り、
外 装 をコ ン パ ク ト化で き、
輸送・
保管
効率が向
上 する。 また、
回収 時の 緩 衝 材 の コ ン パ クト化は、
作 業 性 (回収の しやすさ)を向上 さ せる もの と考える。 以上、
リター
ナ ブル緩 衝 材の提 案 を行っ た が、
い ずれ もワ ン ウェ イの緩 衝 材 に 対 し、
材料コ ス トが 高 くなる と考え ら れ る。 リター
ナ ブル緩 衝 材を経 済的 表1
包 装 用 緩 衝 材の製 造お よび 廃 棄 処理費用Materia1
Cost
($
/tton )Polystyrene
Vergin
boxboard
Recycled
boxboard
Verging
[assRecycled
glass
$
620
$382
$247
$
157$127
120 110(Tellus Institute researched )
*包 装 さ れ た製 品 が 耐 え 得 る 衝 撃 加 速 度の限 界 oo go
(
σ)
遡 姻 員 馴 80 7D123456789 厚 さ (cm ) 図5
受圧面 積一
定 と し た場 合の衝 撃 加 速 度の 変 化 120 “o§
1・G豐
騨
9。 80 7D *包 装 さ れ た 製 品 が 耐 え得る 衝 撃 加 速 度 の 限 界 1 2 34 5 6 7 8 9 厚さ (cm > 図6
重 量一
定と し た 場合の衝 撃 加 速度の変化デザ イン学 研 究 特 集 号 sPECIAL IssuE oF JssD vol
.
4 No.
3 199719
一
に適し たもの にするた めには
、
繰 り返し使 用可能な 性 能を持た せ、
使用 回数を増やすこ と と、
回収 率を 高く す ること が 必 要 と なる。
4 .
2
グ ラス ウー
ル 製 包装 用緩衝材 グ ラ ス ウー
ルは、
一
般 的に建 築 用の断 熱 材や音 響 機器の吸 音材と し て 用い ら れてい る。 グ ラス ウー
ル は 生産エ ネル ギー
が少な く、
低 質カ レッ ト(ガラス を 砕い たもの)で も生 産 可 能であるた め、
リ ター
ナ ブル ガ ラス瓶 として利 用 され た後、
グ ラ ス ウー
ル とし て 包装 用緩 衝 材に用い る とい う利用方 法が考え られ る。 現 在ガラス 瓶な どの回収か ら得ら れ た カレッ トが 利 用 されずに余 剰してい る こと か ら も、 資 源の有 効 活 用 が望め る こともあ り、
高い リ サ イクル性が期 待で きる材料である。 また、
グ ラス ウー
ルを 用い る利 点 と して、
他の 包 装 材 料と比 較して コス トが安 価であ るこ と が 挙 げ ら れ る。表 1
は、
包装 材 料 に 関する 1 ト ン 当た りの製 造お よ び廃 棄 処理費用 を示し てい る。 ガ ラス はポ リス チレン に 比べ て約 4分の 1、
段ボー
ル に比べ て約2
分の1
の費用であ り、
経 済的に優れてい る こと が理解で きる。 グ ラス ウー
ル は ガラス繊 維 間に空気 層を含み、
こ の特 性に よ り衝撃を吸 収できる と考
えら れ る。 そ こ で、
グ ラ ス ウー
ル の包 装 用 緩 衝 材と して の可 能 性を 検討
する た め に、
その重 要 な要 因となる緩 衝 性 能に 関 する 基礎的 な衝 撃圧 縮試,
Wt
13)・
14)行
い (図5,
図6
)、
衝 撃 加速度が許 容加速度まで に減少
するた めの緩 衝形 態を探っ た。 ま た、
EPS におい ても グラス ウー
ル と 同様の条 件下で実 験 を行っ た。実 際の製 品 包 装(テ レ ビ)を想 定して実験結 果の比較
を行っ た。 製 品 形 状 は 重量10kg
、 製 品形状は40
× 40× 40cm の 立方 体で あ り、
緩 衝 形 態は8
ピー
ス コー
ナー
パ ッ ト と し た(図7
)。 比 較 検 討より以 下の こと が明ら か と なっ た。1
)EPS
と 同受圧面 積の グラ ス ウー
ルEPS
と 同受圧 面積の グ ラスウー
ル で は、
EPS と 比口
EPS
轗
圜
、P繍 蠡
。彰
目
、罎
骸
彰
製品 緩 衝 材 〈8
ピ一
スコー
ナー
パット〉 製品形状 ;40
×40
×40
(cm ) 製 品 重 量 ;10
(kg
) 503×100
550
圜
100
△100
翼
100
△(
EPS
を100
と した 場 合)
100
空 間 容積 率
490
鬮
1
100使 用 重量
使 用 容積
42
×42
×鬮
國
國
図7 実 製 品 を 想 定 し た場 合の EPS と グ ラス ウー
ル と の 比較20 sPECIAL ISSuEoF JSSD voL 4 No
,
3 1997 デザ イン学 研 究 特 集 号較した場 合
、
空間容 積 率15 }は半 分 近 く縮 減さ れる 。 し か し、
使用重 量がEPS
の約 5 倍 とい う欠 点がある。 ま た、
こ の場 合厚さが 小 さい た め に、
内容物の“
底づ き”
が 生 じる可能 性が あ り、
密 度や厚さの調 節が必 要である。2 )
EPS
と 同重 量の グラス ウー
ルEPS
と 同重 量の グラス ウー
ル で は、
空間 容 積率
は 等 しい もの の 、 緩 衝 材 使 用 容 積がさらに縮 減さ れ る こと が 明 ら か と なっ た。 し か し、
こ の グ ラス ウー
ル を実 際に使用 する こ とを考
えた場 合、
受圧 面 積が小 さ く、 縦 長の形状にな り、扱
い に く く、
固 定しにく い。 従っ て、
同様に密 度の調 節や受圧面 積を広 くす る必要 性がある。以 上の こ とを
考慮
すると、
テレ ビ の 製品包装 を想 定し た場 合に、
グラス ウー
ル は緩衝材厚
さ5cm
か ら8cm
間の形状 に より使用 さ れる こ とが 望 ま し く、
そ れ以 上やそれ以下 になると、
重 量や固 定 性 に問 題 が 生 じて くる こ と が予 想で きる。 し か し、
い ずれの場 合に お い ても、
緩 衝 材の使 用 容 積はEPS
より少 量と なる の で、
実 際の製 品包 装を想 定した場 合、
グ ラス ウー
ル を 用い る こ と に よっ て、
緩 衝 材の減 容 化が期 待で きる。 ま た、
梱 包 容 積に関して も、
EPS におけ る現 状 サ イ ズ以下に縮減で きる可能 性が あると考え る。 しか し な が ら、
グ ラス ウー
ルの 欠 点として、
飛 散 し た グラス ウー
ル が 製 品 を傷つ け た り、
人体に影 響を及ぼ危 険性 を持っ て い る。 今 後は こ れ らの問題 点 を 解 決 するた めに、1
)グラス ウー
ル の 基 本 的 特 性 を解 明 する た めの密 度、
質をパ ラ メー
タ と し た詳細 実 験、
2)緩 衝 形 態の検 討、3
)製 品 用 途の検 討を行 うこ とが 必 要である と考 える。5 .
ま と め こ こまで述べ て きた検 討よ り、
環 境適性へ の配 慮 も含めた総 合 的 な 評 価 基 準に よ る包 装 用 緩 衝 材の材 料選択に 対する一
つ の ガイ ドラ イン を 紹 介 すること がで き た もの と考える。 特に、 材 料 単 体の特 性のみ で の適1
生・
不 適 性 を評 価 基 準とする の で はな く、
材 料の 製 造から廃棄 処 理・
リ サ イ クル に代表
され る材 料の ライフサ イクル および その 材 料の 使用 法・
流 通 法まで を考 慮 して、
は じめて本 質的 な 適性 評 価が 可 能と なるもの と考えてい る。 今 後さ らに総 合 的な評 価 指 標の確 立 を 目指して、
検 討を継 続して行 く予定 で あ る。 参 考 文 献 と補 足 1) 水口真一
:エ コ ロ ジー
の 発 生と対 応 する基 本 的考
え方,
機能包装実用事
典,1141−1167,1994
2
)Hans
Peter
Gottf
「ied,
Dr.
Monika
Ka
βman :Gehort
Popcern und
Starke
die
Zukunft
,
Neue
Veny)ackung ,47, 9
,
19943
) 大塚剛 :環
境
適性 を考慮
し た包装 用 緩衝 材に 関 する研 究,
千 葉 大 学 大 学 院修士論 文,
1995 4) 東レ リ サー
チ セ ン ター
調 査 研 究 部 門 :緩 衝 包 装の新 展開
一
材 料か ら緩 衝設計 技 術 まで, 東レリ サー
チセン ター
,1994
5
) 豊 田實
:緩衝包装技 術の 発展 経過,
包装技 術 別 冊,88,7,2−8
6) 木 村 年 治 :緩 衝包装 設 計の理論,
包 装技 術 別 冊,
88,
7,
9−23
7) 浦 中朝一
:緩 衝 設 計 法(3) 前 提 条件,
包 装 技術,
28,
3,
330
−
336,1990 8) 豊田實 :緩 衝 材 料の 緩 衝 性 能評 価
,
包 装 技 術,
25,
3,
186−
193,
19879
) 森 清1
緩 衝 包 装 材 料につ い て, 包 装 技 術,25
,8
,42−46
,1987
10)町 田輝 史 :熱 誘 起 変 形 現象
を利 用 する熱可 塑 性プ ラス チ ッ クの 加工
,
工 業 材 料,33,5,38−43,
1990
11)ニ ュー
マ テ リア ル研 究 会 :形 状 記 憶 樹 脂の応 用,
工業 材 料, 36
,
7,
80−
81, 1988 12)工業 材 料編集 部 :形状 記 憶 素 材を活用 し た製 品開発
,
工業 材 料,41,10,31−33,
1993
13) 日 本 工業規 格 (JISZO234
),
包装 用 緩 衝 材料の静 的 圧 縮 試 験 方 法,
197614
) 日本工業 規 格(JISZO235
),
包 装用緩 衝 材 料の動 的 圧縮 試験 方 法,1976
15
)空 間 容 積 率と は、 外 装 段ボー
ル 容 積に対 する外 装 段ボー
ル と内 容 物との隙 間の占め る割 合の こ とで、
以 下の 式に よ り算出 さ れる。
空 間容積率
二
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製 品容 積)!梱
包 容 積}デ ザ イ ン学研究 特 集 号 sP∈cIAL lssuEOF JssD vol