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学校教育で使える認知・行動療法~集団へのアプローチ

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Academic year: 2021

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日本認知・行動療法学会 第44回大会

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-学校教育で使える認知・行動療法~集団へのアプローチ

○(企画・話題提供者)宮秋 多香子1)(司会)別司 ちさと1)(話題提供者)太田 滋春2)(話題提供者)

永浦 拡3)(指定討論)松見 淳子4)

1 )京都ここてまる(BTCセンター京都)、 2 )さっぽろCBT counseling space こころsofa、 3 )神戸医療福祉大学、 4 )関 西学院大学 【企画趣旨】 学校教育現場では,児童・生徒の悩みや問題に直接 対応する個別面談や教員へのコンサルテーションに留 まらず,学校全体のヘルスプロモーション(社会的な 健康支援)普及への期待が心理職に対して年々高まっ ており,第一次予防としての心理教育や介入プログラ ムを集団へ実施する機会は増えている。 これまでも学校・学級に対する集団認知行動療法 は,抑うつの低減やソーシャルスキルの向上などを目 的にいくつも実施されており,個人の方略やスキルを 高めることが明らかになっている(例えば小関ら, 2007)。しかし集団認知行動療法の多くは外部のス タッフによる介入であり,介入効果の波及が期待され る教員やスクールカウンセラー(SC)など内部スタッ フによる報告は少ない(佐藤ら,2009)。さらに学校・ 学級の第一次予防を目的に,教員とSCが協働で実践し た集団への介入報告はほぼ見られない。 学校現場において集団へアプローチするのは,簡単 なことではない。人数や時間的な制約が多い中,教員 とSCが学校スタッフの一員という利点を活かし,どう 実施につなげているかは研究で明らかになりにくい点 である。 そこで本シンポジウムでは,学校教育に関わる心理 職として教員と協働し,学校集団へアプローチした取 り組みを予防・開発的介入の観点から紹介したい。今 回登壇するシンポジストは全員,文部科学省が提唱す る「チームとしての学校」の一員であるSCで,各学校 の抱える問題や児童・生徒の状況に合わせた,きめ細 やかな介入プログラムを実施している。その内容を紹 介し,児童・生徒間の相互交流や学校及び学級環境を 整えるために重要な要素や課題についても検討してい きたい。そして長く学校臨床に携わってこられた松見 先生には,指定討論として豊富な臨床経験と行動療法 の視点から考察いただき,議論を深めたい。 また指定討論やフロアとのやりとりを通し,学校教 育で活かせる認知・行動療法とは何か,発展的に検討 できれば幸いである。 【体験学習をベースとする心理教育・介入プログラム の実践】宮秋多香子 学校現場において心理教育や介入プログラムを集団 へ行う場合,教員が実施するものとSCなど学校に関わ る専門家が実施するものがある。 教員が実施する場合,時間や場所も確保しやすく, 児童・生徒がプログラムを通じて身につけた知識やス キルの活用を確認しつつ,適宜修正を行ったプログラ ム展開が可能となるため,介入効果の持続や波及が期 待できる利点がある。ただし教員が実施する際には, 新たにトレーニングを受けて行うなど学校現場では普 及しにくい現状がある。またSCが集団に対しプログラ ムを実施する場合,多くの対象者に専門的な知識やス キルを生かしたものを提供できる。しかしSCの勤務体 制から学校集団に実施することは容易ではなく,どう 集団に届けていくかは大きな課題である。そこで教員 とSCが連携して心理教育や介入プログラムを行うこと で,教員の負担が軽くなり,学校集団への実施が容易 になるメリットは大きい。 演者は心理職に就く以前から,小中学生や教員,企 業に対してコミュニケーションスキルやライフスキル の向上を目的とした,アドベンチャー体験教育プログ ラムを提供してきた。その後SCとして,小・中・高校 など学校集団だけでなくPTAなど地域社会に対して, 予防・開発的な介入プログラムを教員と連携し展開し てきた。実際,SCとして介入した学校では,プログラ ムの後に生徒からの相談行動が増えるだけでなく,教 員とも問題の共有化や解決に向けた協働意識が高ま り,生徒間や生徒と教員の相互交流に変化が起こって いる。さらに学校での心理教育や介入プログラムが奏 功すれば,地域に対するヘルスプロモーションが発展 することも可能である。 そこで本話題提供では,昨年度中学 1 年生を対象に 教員とSCが協働して体験学習をベースに作成した,性 教育と認知行動療法の予防・開発的介入プログラムに ついて,実践および有用性を報告する。またSCとして どのように学校集団や地域社会の需要を掘り起こし, 心理教育や介入プログラムの提案・取り組みを行って いるかについても紹介する。さらにまだ多く残る課題 について明確にし,ディスカッションしたい。 【中学校・高校でのこころのスキルアッププログラム の実践】太田滋春 演者は,地域の高校からの認知・行動療法のアイ ディアをベースにした心の健康教育プログラムを授業 の中で行いたいというニーズを受け,「こころのスキ 自主企画シンポジウム 4

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日本認知・行動療法学会 第44回大会 97 -ルアッププログラム」の実践を 8 年前に開始した。開 始してから他の学校からのニーズもあり, 8 年間で12 校(高校 4 校,中等教育学校 1 校,中学校 1 校,小学 校 7 校)で,約380セッション実践した。 8 年間の実施の中で,児童生徒が楽しんで取り組め るように,教職員の先生の関わりのヒントとなるよう に,こころのスキルのネーミングを工夫して児童生徒 や教職員の先生がついつい使いたくなるように,現場 の先生たちのみでも行えるように,試行錯誤しつつ展 開してきた。 テーマとしては,苦手を克服するこころのスキル (エクスポージャーと儀式妨害),こころのつぶやきを 見直そう(認知再構成),リラックススキル(筋弛緩 法など),ほめっせーじとだめっせーじ(コミュニケー ションスキルとしてのあたたかい言葉かけ)などを取 り扱ってきた。 試行錯誤として,ぱんだ先生というキャラクターの 活用,ほめっせーじとだめっせーじ・ドラゴンボール トレーニングなどのネーミング,専門家不在でも行え るようビデオ教材の作成などを行ってきた。また,こ ころのスキルアッププログラムの基本構造は,問題提 起,心理教育,ワーク,ホームワークという流れで展 開している。 当日は,中学校・高校でのこころのスキルアッププ ログラムの実践例,実践後の結果(感想や生徒の変化 など)を紹介し,今後のさらなる展開に向けての課題 を明確にしたい。 【教員とスクールカウンセラーの協働による心理教育 プログラムの実践】永浦拡 中央教育審議会(2015)が取りまとめた「チームと しての学校の在り方と今後の改善方策について」で は,学校や教員が心理や福祉等の専門スタッフ等と連 携・分担の重要性が謳われており,今後のわが国にお けるスクールカウンセラー(以下,SC)は,これまで 以上に教職員や学校全体と連携し,生徒指導・教育相 談の充実に寄与していくことが求められる。近年,児 童生徒を対象とした多くの心理教育プログラムの開 発・実践がなされているが(山崎ら,2013など),教 員のプログラム実施に対する効力感の問題や知識・情 報不足の問題や(越・安藤,2013),SCの多くが非常 勤体制で勤務日数に限りがあることなどから,SCが教 員と連携しプログラムを実践していくことが難しい場 合も少なくない。そこで本報告では,非常勤SCと教員 がさまざまな方式で連携を行ったストレスマネジメン ト教育の実践事例を報告する。 まず,プログラム実施時点でいじめ問題が継続して いる学校では,いじめ被害者・加害者双方のストレス に焦点を当てたストレスマネジメント教育を実施し, ストレスチェックをもとに担任とSCとの 5 分間面談か ら,いじめに関係している生徒への個別対応につなげ た。また,既に発表や刊行がなされているストレスマ ネジメント教育の授業案について,授業実践のプロで ある教員が中心となったアレンジを行うことで,各学 校の現状に応じたプログラムを実践することが可能と なった。さらに,プログラムの実施時間が確保できな いケースでは,校内研究とのコラボレーションとし て,SCが教員に文献紹介や授業デザインについて助言 を行い,教員が主体となりストレスマネジメント理論 に基づく効果的な指導を行い,実施前後のアンケート でも,肯定的な変化が確認された。 シンポジウムでは,各学校の状況に応じた心理教育 プログラムを実践する際の留意点について,意見を賜 りたい。 自主企画シンポジウム 4

参照

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