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生物の適応戦略

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Academic year: 2021

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1998年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

2−E−4

生物の適応戦略

有水研究所 有水 彊 ARIMIZUTuyoshi OlOO2150 小田中 敏男 ODANAKA Toshio

OlOO2500 武蔵工大 大槻 繁雄 00TUKIShigeo l.はじめに 生物の適応を定式化すると、近代制御理論を適用することが出来る。しかしこの 方法は物理学や科学のような自然現象の理解には余り使用されていない。その理由 はこれらの現象はそれをもたらすシステムを構成すると、意思決定の余地がないと されてきたことにある。この適応性こそが生命と非生命とを区別する一つの特性で あろう。 以下の各節では生物がその意思決定に際して適応戦略として選んでいると考えて 理解する試みを行う。成長とは栄養物質を諸器官に分配する過程と考えられる。こ の立場から第2節では成長の最適スケジュールを取り扱う。第3節では死亡率です ら生物の戦略として選ばれていると考えることによって、林業における間伐との関 連において、生活史初期の高い死亡率期のもつ適応的意義について論ずる。 2.栄養成長と繁殖成長(成長の戦略) 2.1 はじめに 多くの生物は成熟して繁殖期に入る前に必ず長い栄養成長の時期をもっている。 この事実は体の小さいうちに急いで繁殖にはいるよりも、充分に体を大きくしてか ら大きな出産率を持ったほうが有利であると解釈できる。次に繁殖の総量を増大さ せる成長パターンについて論じてみよう。 2.2 定式化 栄養器官と繁殖器官の部門の過程を考察しよう。任意の時点での成長過程の状態 が次の諸量により完全に規定されるとする。 ズt(り=ざ期における繁殖量の累積量 ズ2(り=と期における繁殖器官の重さ ズ3(り=と期における栄養量の累積量 ズ4(り=と期における栄養器官の重さ とを連続変量ととると、各時点に於いて次の三つの目的を実現するために、次の 各部門に栄養の配分量を決定しなければならない。 a.繁殖量、b.繁殖器官の拡充、C.栄養量の取得、d.栄養器官の拡充。 3.林業における最適間伐(死亡の戦略) 3.1 はじめに 集団全体として生き残ること、すなわち絶滅の危機をさけてより多くの世代を残 すことが適応であり、それは必ずしも個々の個体の生存を目指すものではない。・進 −172− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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化の方向は集団が適応するものだとして、死亡すら集団にとって適応的に定まって いると考えられる。 死亡が集団全体の再生産量を最大にするようになされていることを利用して、人 類は植物、動物の収穫量を最大にするよう環境を整備してきた。 一般的にいって、 生活史の前半で個体数の調節が行われ、後半はほぼ一定のかな り低い死亡率をとるという死亡パターンが適応的であるという法則を林業経営に応 用したのが林業における最適間伐法である。 4.おわりに 以上本章は数理生物学の諸問題を取扱った。これまでデータの処理や実験計申な どを扱う生物統計学において数学と生物学とは関連をもってきた。特に近年は、コ ンピュータの発達によってその綜合化が求められている。 しかし数学の役割は簡単なモデルを立てることによって、現象を説明する理論を 明確にすることである。他の利点は野外調査や室内実験では扱えない事柄に対して も、容易に思考実験が行えることである。更に全く異なると思えていた現象が、同 一の数式が適用できる場合も多い。たとえば経済学におけるボトルネック問題は生 物学における栄養器官と繁殖器官の増殖の方法と同一の数式で取扱うことが出来る ことを示した。最後にことばにするとかなり複雑な関係が、簡単な数式で表わされ る。遺伝的アルゴリズムも注目に値する。 5.参考文献

1)Y.Iwasa,“OptimalDeath Strategy of AnimalPopulations”,J.Theor.Biol. (1978),72,61卜626.

2)B.Naslund,“OptimalRation and Thinning”,Forest Science,Vol.15,No.4

(1969). 3)T.Arimizu,“RegulationoftheCutbyDynamicProgramming”,JORSJ,Vol.1,No.4 (1958). 4)A・Bensoussan,E・GeralHurstJr・,andB・Naslund,“ManagementApplications Of Modern ControITheory”,North−Holland/American−EIsevier(1974). 5)M・S・CyaTnOふski,“Dynamics University Press(1961). 6)有水彊,林業におけるダイナミックプログラミング,日林誌,41(11)59. 7)小田中敏男他,DPの林業への応用,経営科学(1959).

8)T・Arimizu and T.Odanaka,“Cleariness for Water Quality using ofAquatic

Macrophytes”,北海道情報大学紀要,Vol.7,No.2(1996).

ー173−

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