Title
宇宙往還機用のSiC/SiC系セラミックス基複合材料の製造技
術と強度評価( 内容の要旨(Summary) )
Author(s)
後藤, 淳
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 甲第194号
Issue Date
2003-03-25
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/1915
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位記号軍号 学位授与年月日 専 攻 学位論文患 目 後 藤 浮 (愛知県) 博 士(工学) 甲 第 194 号 平成15年 3月25日 生産開発システム工学専攻 宇宙往還機用のSiC/SiC系セラミックス基複 合材料の製造技術と強度評価 (KeYFd)ri以止ionPr∝eS$andStrength Ev&1u&tionof SiC/SiC CemJLic馳止ri王 Co卿SiteforSpaceRe-entryVbhicles) 学位論文審査委貞 (主査)教 授 戸 梶 志 郎 (副査)教 授 野 方 文 雄 教 授 堂 田 邦 明
論文内容の要旨
近年,連続繊維により強化されたセラミックス基複合材料(CMC)が,軽量およ び高耐熱性などの優れた特性から,宇宙機の機体材料やエンジン用耐熱材料として 盛んに研究されている.宇宙機では米国のスペースシャトルと同様に,日本でも宇宙との往還技術の確立を目的とした試験機(HOPE-X:H-ⅠIOrbiting
Plane-Experimental)が開発中である.その適用新材料のひとつとしてCMCが掲げられて おり,その材料開発と評価が急がれている. こうした背景に基づいて,本論文ではHOPE一Ⅹの構造材料として2次元繊維強化のSiC/SiC系CMCを取りあげ,大型平板構造用途に適した製造方法,クーポシ試
験による強度と耐熱性の評価,および最終的に実機模擬部品の試作と強度評価から 製造方法と材料両方の実機部品への適用性について検討している.第1章は緒論であり,航空宇宙機にお.ける耐熱複合材料の必要性とCMCと競合
する先行材料に関する調査・検討を行い,対象材料であるSiC/SiC系CMCの研究
の背景,動機および目的などを述べている.第2章では,CMCの大型・平板構造の実現のために開発した製造技術について述
べ,それによって製造されたSiC/SiC系CMCの基礎的な特性について検討してい
る.開廃した製造方法は,PMCのプリプレグ積層法とセラミックス前駆体の含浸/
焼成転化法を融合させたものであり,プリプレグの継ぎ合わせと従来のPMCの製
造設備を流用することにより,比較的簡単に大型平板構造を製造することができる
ものである.この方法における重要なパラメータは,ポーラスな状態のCMCをマ トリックスで充填する緻密化処理工程の回数であることから,この工程中の密度お よび強度の変化や内部空孔の分布状況の調査を実施している.その結果,密度や強 度の変化が緻密化処理中の内部空孔の状況変化によって定性的に説明できること, 緻密化処理の効率から標準緻密化回数を5回と定め,その場合の密度,曲げ強度お よび破壊じん性値がそれぞれ2.2×103kg/m3,380MPa,約10.5MPa√mであること,
1573Kの高温においても室温の9割程度の強度を保持することなどを認め,本材料
が優れた軽量耐熱性を有することを確認している.さらに,PMCで汎用的に使用さ
れている各種の方法により非破壊検査を実施し,周波数1M良zによる超音波透過法
が広範な条件において人工欠陥を識別することが可能であることを明らかにして いる. 第3章では,第2章で開発した大型平板構造部品に適した製造法によるSiC/SiC 系CMCについて,想定使用条件に基づいた環境暴露前後の強度評価,模擬部品の 試作と検査,および試作部晶の構造強度試験を行い,宇宙往還技術試験機HOPE一Ⅹ の表面耐熱部材としての適用性について検討している.まず本SiC/SiC系CMCは, HOPE-Ⅹの再突入時における減圧高温状態を模擬した環境暴露後も暴露前の8割以上の強度を維持し,暴露後の再高温試験でも強度劣化を示さないことから,耐熱性
の観点から優れた特性を有することを明らかにしている.次に,開発した製造方法 によって実機部品を想定した平面パネルおよび曲面パネルの試作を行い,所定形状 の模擬部品の製造が可能であることを確認している.ただし,模擬部品の密度は単 純平板よりやや低く,板厚も公称板厚よりも若干厚いことが判明したため,超音波透過法による非破壊検査を実施し,それによって試作部晶に有害な内部欠陥は存在
しないことを確認している.この結果から,厚肉で板厚が部品内で変化するプリプ レグ積層方式のCMC部品に対しても,超音波透過法が有効であることを示してい る.さらに最終的に,部品としての強度的な成立性を検討するために,構造要素と しての試作模擬部品に対する強度試験を実施し,クーポン試験片の強度に基づく有 限要素法による応力解析との比較を行い,試作部晶が単純平板の強度と比較して十分な強度を有すること,およびその破壊形態や強度が有限要素解析によりほぼ適切
に予測できることを明らかにしている. 第4章は結論であり,第2章と第3章の結果を総括している.論文審査結果の要旨
本論文は,宇宙往還技術試験機HOPE-Xの構造材料として2次元繊推強化SiC/SiC
系セラミックス基複合材料(CMC)を取りあげ,大型平板構造用途に適した製造方
法,クーポン試験による強度と耐熱性の評価および実機模擬部品の試作と強度評価から,製造方法と材料両方の実機部品への適用性たっいて検討したものである.本
研究で得られた結果は,宇宙往還技術試験機やそれに関連する航空宇宙分野におけ る最先端技術の実現に対して実用的にきわめて重要な貢献をなすものであり,また