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中学校理科における粒子概念の形成を促進する授業のあり方 -学習コンテンツの開発と活用を通して-

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Academic year: 2021

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中学校理科における粒子概念の形成を促進する授業のあり方 一学習コンテンツの開発と活用を通してー 学 校 教 育 専 攻 授業開発コース 栗 田 清 史 1 主題設定の理由と研究の目的 従来から粒子概念は、その難しさ、教える内 容の量とそれをこなす時間の問題、教科書の内 容に対して生徒は未知であるという先入観か ら、教師がトップダウン的に教えるという授業 スタイノレが多かった。この方法は、表面的には 時間を効果的に利用し、学習者が該当内容に対 して未知で、あったり、既有の知識や考えとあま りにかけ離れている場合には効果的であると考 えられる。しかし、受験などの外発的動機づけ がなされない限り、学習に対する必然性は起こ りにくい。 これらの原因により、粒子概念を理解するこ となく知識や問題解決の方法を記櫨することを 目的とした学習が進められてきた結果、授業そ のものに楽しさや喜びを見いだせない、学ぶこ との有用性を実感できない、知識のカプセル化 が生じるなどの問題点が現れてきた。 そこで本研究では、生徒は何らかの粒子概念 をすでに形成しているという立場に立ち、原子 や分子の存在をボトムアップ的に導入し、生徒 が自らの知識や考えに限界を感じた時点で科学 概念をトップダウン的に教えるというスタイル の授業と、知識のカプセル化を克服するために インタラクティブな特性を活かした学習コンテ ンツの開発を目的とした。 指 導 教 官 川 上 綾 子 2 実態調査 教科書学習を中心として、「原子・分子と化 学変化jの学習を終えた2年生について、身近 な科学変化に対する見方や考え方、本単元の学 習における問題点を明らかにすることを目的と して実態調査を実施した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 -原子や分子概念の学習を終えているにもかか わらず、ほとんどの生徒が身近な物質変化の 事象を微視的に認識していなかった。 -物質変化の事象を微視的に考えられる生徒ほ ど、誤概念が少なく適切な認識をもっている 傾向があった。 3 授業と学習コンテンツの開発 (1)授業開発 生徒の既有の知識や考えを調査し、それを使 っていくつかの現象についてしくみを考えさせ たり討論をさせ、生徒が自分の既有の知識や考 えに行き詰まったところで科学的な粒子概念を 導入するよう授業を構成した。従来は、粒子概 念について生徒が未知で、ある、ということを前 提にしていたため、それを教え込むという学習 形態がとられていた。しかし、素朴ではあって も何らかの知識や考えを生徒はもっていると考 えられるので、それを基礎にして授業を構成し、 学習の必然性を引き出そうとした。 つ 臼 円 hU

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学習コンテンツの開発 既有の知識と学校で学んだ知識を関連づける ことにより知識のカプセル化を克服するため に、インタラクティブな特性を取り入れた学習 コンテンツを開発した。インタラクティブな学 習環境では、これまでもっていた知識を使うこ とによって、その知識自体が検討の対象になっ ていき、新たな知識の獲得は既有の知識の修正 を必然的に伴い、知識のカプセル化を防ぐこと になると考えられる。 4 捜業及び学習コンテンツの評価 (1)捜業の評価 開発した授業やコンテンツによる学習実施前 後に、理科やコンピュータに関する情意面の調 査を実施した。その結果、学習の意味を実感し 興味や関心が高まっている生徒が増えた。また、 使用した学習コンテンツが好意的に受け入れら れ、粒子概念を学習する上で有効だと感じてい る生徒が増えた。 (2)学習コンテンツの評価 学習コンテンツを使った授業の後、各コンテ ンツに関する操作性や機能の有効性、学習内容 の理解度を把握するために調査を行ったo その 結果、すべてのコンテンツについて概ね良好な 結果が示された。特に、学習への学習の動機づ けや原子の存在感の認識を高めることに効果的 で、あった。 (3)粒子観に関する調査 本授業実践前後で粒子観の変容がみられるか どうか調査した結果、気体の分子運動や水の三 態変化、金属の酸化において巨視的現象を微視 的視点で捉えていた生徒が増えた。 5 研究の成果と今後の課題 (1)研究の成果 開発した授業及びコンテンツを利用した授業 実践を行った結果、理科の学習に対する興味・ 関心、その有用性などが高まったo 学習コンテンツは、学習への動機づけや原子 や分子概念のイメージ化を図る上で、有効であっ た。また、コンピュータに対する難しいイメー ジがやや使いやすいイメージに変化した。 日常生活中で起こる気体の分子運動や水の三 態変化など現象において粒子観の変容が示され た。 (2)今後の課題 本研究では、粒子概念をボトムアップ的に導 入したことにより、実際に生徒が学習の必然性 を感じるようになったか否かはデータとして明 らかにすることができなかった。 生徒のもつ概念は、常に自分に都合がよいよ うに変わる傾向が強い。そのため、粒子概念の 形成を促進するためにより効果的な現象や題材 を吟味しコンテンツに活かしたり、授業を構成 したりする必要がある。 個々の生徒の粒子概念が形成され、本当に身 に付いているのかどうかは、今後も追跡調査を 続けなければならない。 本コンテンツをどこでどのように利用するか は、指導する教師の工夫が必要で、あり、そのー っとして“コンテンツで学習した内容はすぐ忘 れてしまう"という可能性を少しでも減じるよ うな利用のあり方を考えていく必要がある。 q U F O

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