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<シンポジウム10>神経機能画像の進歩オーバービュー

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Academic year: 2021

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49:921

<シンポジウム 10>神経機能画像の進歩

オーバービュー

座長

東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学 京都大学医学研究科附属高次脳機能総合研究センター

悦朗

福山 秀直

(臨床神経,49:921, 2009) 脳機能画像の進歩は,これまでの機能的 MRI や PET の脳 賦活試験のみならず,神経疾患における病態の解明から治療 の評価まで,広汎な進歩を示している.本シンポジウムでは, 機能的 MRI などの注意点として,もっとも基本となる 2X2 のパラダイムを考案することが重要であることを,東北大学 の藤井俊勝先生にわかりやすく解説していただいた.これは, 重要な点で,脳がなにもしないということはないので,きちん とした脳機能を見るためには,rest ではなく,差分をとったば あい,目的となる現象が残るようなパラダイムを作成するこ とが必要である. さらに,東北大学の岡村信行先生には,BF227 から PIB の脳アミロイドイメージングを説明していただいた.とくに, BF227 は日本で開発されたトレーサーで,PIB が原始プラー クも画像化するのに対し,BF は老人斑をイメージングする ので,確実にアルツハイマー病の診断できる特徴がある.アル ツハイマー病などに関連して,浜松医科大学の尾内康臣先生 は, ミクログリアの画像化を PK11195 をもちいておこない, 神経変性疾患といわれていたものも,軽度の炎症反応をとも なっており,ミクログリアが生体予防的に働いているか,生体 攻撃的に働くか,区別できるトレーサーが開発されていない が,これが可能になれば,疾患の治療にも役立つ可能性を示唆 した. 放医研の樋口真人先生は,アルツハイマー病の病態を分子 イメージング手法で研究した成果から,APP の分解に関与す る QC と呼ばれる酵素が,ネプリライシンとはことなった代 謝経路の分解に関与しており,その阻害作用をもつ PBP150 を使うことで,ベータアミロイドへ分解代謝が変化している のを,正常化できる可能性を示し,これからの新しいアルツハ イマー病の治療の可能性を示唆した. これまでは,脳の機能局在や相互の結合などに研究の主眼 が置かれていたが,これからは,疾患モデル動物・ヒトを対象 にして,病態の本質に迫る研究の一翼を担うことができるこ とが示唆された.PET ではオートラジオグラフィーとことな り,経時的な変化を追うことが可能であり,また,非常に高感 度,高分解能の機器が利用できるようになったことが大きな 要因であり,また,放射性化合物合成手法の進歩も大きな原因 である.かかる医工連携の成果として,今後さらに大きな発 展,発見があることが期待される分野であり,多くの研究者の 注目するところとなっている. (受付日:2009 年 5 月 22 日)

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