( 東 女 医 大 誌 第54巻 第7
号
)
頁 581-594 昭和59年 7月トルエン・
2
,
4
.
ジ イ ソ シ ア ネ ー ト
(TD
I)による
赤血球形態変化に関する研究
ノ 野
打 高
東京女子医科大学生化学教室(主任:降矢焚教授〉純 恵
( 受 付 昭 和59年4月17日〕Studies on the Toluene 2
,
4・diisocyanate(TDI)-induced Shape Change of Human ErythrocytesSumieMANNO Department of Biochemistry(Director: Prof. Kei FURIYA) Tokyo Women's Medical College The biconcave discoid shape of normal human erythrocytes can be altered into cup-shaped cells by bifunctional reagent toluene 2,4-diisocyanate (TDI). Under the present experimental conditions the extent of TDI-induced shape change of erytherocytes seems to be correlative to the concentration of TDI. The resultant modified red cells were in progressive decrease in the filtrability as measured by microporous membrane and also an increase in resistance to hemolysis against water.
Isolated membranes obtained from TDI-treated cells showed cross-linking of membrane proteins and phospholipids, mainly of spectrin, phosphatidylethanolamine and phosphatidylserine, during shape change in different degree according to the concentration of TDI. Isolated erythrocyte ghosts underwent TDI -dependent shape change that was similar to intact cells. However, after treating control ghosts with trypsin, some bands, inc1uding spectrin, band 2.1 and 4.1 disappeared concomitant1y on polyacrylamide gel electrophoresis. From present observations it is con -c1uded that membrane proteins, cytoskeltal network under1ying erythrocyte membranes, are necessary for maintaining and changing the shape fo red cells. 緒 言 赤血球膜は生体膜系のモデ、ルとして膜の構築と 機能を把握する上で有用な材料であり,多くの研 究者が利用している.1972年, SingerとNicolson が提唱した流動モザイク膜モデル1)も赤血球膜を 主材料として考え出されたと言われている.一方, 赤血球はこのような膜系モデ、ルとしてばかりでな く,分離細胞であるという利点から,その特殊な 形態であるdiscocyteC両面中くぼみ円盤形〉の成 因保持因子を追求することにより,多くの変形赤 血球を有する疾患の病因の究明に有用な情報をも たらす材料でもある. 赤血球は種々の要因により形態変化をひきおこ すが,その内のーっとして薬物によるものがあり, SheetzとSingerらの“bi1ayer couple hypothe sis吋)~こより部分的に説明されている.すなわち, 陰イオン性薬物は脂質二重層の内層に存在する酸 性リン脂質に反携して外層にとどまることによ り,外層容積を増すために外方突出形を導き,陽 イオン性薬物はその逆に内層まで到達することに より内方陥没形をもたらすという考え方から,脂 質二重層の歪みにより形態変化が生ずるものと主 張されてきた.一方,赤血球膜蛋白質の研究から 細 胞 膜 裏 打 ち 蛋 白 質 を 主 体 と し た 細 胞 骨 格 系 Ccyto-skeltal structure)が形態をコントロールし ているとし、う報告3)もあり,赤血球の形態成立お 581
よび保持因子として,脂質あるいは蛋白質の何れ が主役となるかという点に関しては,今なお議論 の多いところである.
T
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司2
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e(TDI)
は分子量1
7
4
の低分子化合物であり,分子内に非常に反応性の 高いイソシアネート基を2
個有するこ価性架橋剤 である.産業的にはポリウレタンフォームとして プラスチック製品やマットレス,塗料などに幅広 く用いられ, これらの製造に携わる人々の間に端 息症状を主とした呼吸器障害が発症し社会問題と なっている4)-6) このTDI
哨息の発症機序につい ては多くの試みがなされてはいるが,未だにその 全容は解明されていない. 本研究では,TDI
の生体系への作用機序の解明 を念頭におきつつ,TDI
処理による赤血球膜への 作用を明らかにし,さらに処理赤血球の特殊な性 状および形態変化に寄与する膜内要素について検 討し,赤血球の内方陥没型変形誘起機構の追求を 目的として実験を行ない,興味ある知見を得たの で報告する. 実験方法 1.赤血球試料調製およびTDI
処理 赤血球試料調製:健常者の上腕静脈よりへパリ ン血として採取し, 40 Cで 赤 血 球 を 遠 心 分 離(700Xg
,1
0
分間〉した.等張緩衝液(120mMNaCl
を含む10mM
リン酸緩衝液,pH 7
.
4
)
で3
回洗浄 し,約24%
へマトクリット値になる様に同緩衝液 に浮遊した.TDI
処理7) :TDI(
東京化成)O.lml
を20mM
リン酸緩衝液(1
20mMNaCl
を含む,pH 7
.
4
)
2
0
ml
に加え,超音波発生操置(大岳製作所〉を用い て乳濁液を調製,直ちに一定量を赤血球浮遊液に 加え,氷浴中に1
5
分-30
分間放置した.2
.
低張溶血に対する抵抗性の測定TDI
処理赤血球浮遊液0
.
5
m
l
を脱イオン水5
.
0
ml
中に加え,氷浴中に1
5
分間放置した.700Xg
,1
0
分間遠心の上清中に溶出するヘモグロピン量を シアンメトヘモグロビン法的で測定し,未処理赤 血球浮遊液を同様に処理して得られたヘモグロビ ン量に対する比率で表わした.3
.
濃過能の測定TDI
処 理 赤 血 球 浮 遊 液0
.
4
m
l
に 等 張 緩 衝 液1
0
.
0
m
l
を 加 え , 自 然 落 下 に よ り1
0
分 間 に8μm
フィルター(25mmφ:N
omura Micro S
c
i
e
n
c
e
)
を通過する液量を測定した.4
.
指質分析9)TDI
処理赤血球浮遊液1ml
~こイソプロパノー ル1
1
m
l
を加え撹持,室温1
時間放置後,クロロホ ルム7ml
を加えて撹排,さらに1
時間放置して全 脂質を抽出し,0.9%NaCl4ml
を加え4
0C
一夜放 置した.下層に分配される脂質を減圧濃縮し,IA
TROSCAN (TH
・1
0
型:ヤトロン社〉を用いて 分析した.すなわちグロマロッドに塗布した脂質 をクロロホルム・メタノール・水(
7
0
:3
5
:
3.5V/
V)
を展開剤として1
8
0C
,2
0
分間展開し, ドライ ヤー乾燥の後,水素火焔内で燃焼,イオン化検出 器を用いて各成分の面積比を百分率で求めた.ま た架橋産物の検討のために赤血球より抽出した脂 質 を 小 胞 化 し た 後TDI
処 理 を 行 な い , 高 性 能TLC
プレート(HPTLC
プレートシリカゲノレ6
0:
Merck)
を用い,展開剤としてクロロホルム・メ タノール・酢酸・10%NaHC0
3(
5
0
:
2
0
:
6 :
1
.
5
V/V)
混液を用いて一次元展開を行なった.5
.
赤血球膜の調製TDI
処理赤血球膜蛋白質分析のための膜調製 はHanahan
らの方法10)に準じて行なった.すな わちTDI
処理赤血球に3
0
倍量の10mMT
r
i
s
-
塩酸 緩 衝 液(pH7
.
6
)
を 加 え 溶 血 さ せ た 後 , 遠 心(
2
0
,000Xg
,2
0
分間〉する.これを3
回くり返した 後,超遠心(
3
0
.
0
0
0Xg
,2
0
分間〉して得た膜を蛋 白質分析に用いた. 一方,赤血球ゴーストの形態恋化の観察のため に,健常者よりへパリン血として採取した血液を 血清分離後0.9%NaCl
で3
回洗浄した赤血球を 出発材料とし,2
0
倍量の10mM T
r
i
s
-
塩酸緩衝液(pH 7
.
6
)
を 加 え て 低 張 溶 血 を 行 な い 遠 心(
2
0
,000Xg
,2
0
分間〉してゴーストを分離した. 同緩衝液で3
回洗浄し出発血球容積とほぼ同容の 白いゴーストを得た.氷浴中に保存し調製後2
4
時 間以内のものを実験に供した.6
.
各種イソシアネー卜化合物による処理 ゴースト浮遊液0
.
3
m
l
に対し次に示す各イソシ-582-TDI
Toluene .2.4.DiisocyanateTH131socyanJM1719lsocyanate内 び
ω
HDI
HexamethyleneDiisocyanate OCN(CH2)SNCO。
向 。
HMI
Hexyl Isocyanate 図l 各種イソシアネート化合物 CH3(CH2)5NCO アネート化合物溶液を氷浴中で、2-4μ1加え,ただ ちにボルテックスミキサーを用いて撹枠した.使 用 し た イ ソ シ ア ネ ー ト 化 合 物 はTDIの他にp -Tolyl Isocyanate (TMI-p :東京化成), o-Tolyl Isocyanate (TMI-o:関東化学), Hexameth-ylene Diisocyanate (HDI:東京化成〉および Hexyl Isocyanate (HMI :関東化学〉であり各々 の構造式を図1
に示す. 7. 卜リプシン消化 ゴースト浮遊液0.4mlに ト リ プ シ ン (500ng: Miles-Seravac)を加え, 27'C温浴中で最高10分間 温置した.反応はトリプシンインヒピター (500 μg: I-S type: Sigma)を加え,さらに10分間温 置を継続した後停止した. 8. SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 TDI処理赤血球より得た膜,各イソシアネート 化 合 物 お よ び ト リ プ シ ン 消 化 し た ゴ ー ス ト を SDS存在下でジチオスレイトールを用いて還元 し, Laemmliの方法11)に従って蛋白質の電気泳動 を行なった.分離用ゲルは5.5%T, 2.75%C
に 調製した.泳動後クーマシーブリリアントフソレ-R・250で染色し,泳動パターンはクロマトスキャ ナー(DENSITOROLDMU・2:東洋理化〉を用い て564nmでの吸収を追跡した. 9.形態の観察 1)赤血球 TDI処理赤血球浮遊液約3
滴を 1%グルタル アルデヒド (O.lNリン酸緩衝液pH7.4)中に滴 下し,室温で20分間放置して固定する.固定後低 速遠心 (40Xg,10分間〉により血球を集め,緩衝 液で洗浄をくり返す.あらかじめポリカチオン溶 液(硫酸プロタミン注射液:清水製薬〉で処理し たスライドガラス上にのせ,エタノール脱水後臨 界点乾燥し,金蒸着の後目立HHS-2R走査電子顕 徴鏡により形態を観察した. 2)ゴースト ゴーストの形態は固定せずにそのままスライド ガラス上に約lμlを滴下し,カバーガラスを軽く 被せた後,暗視野顕徴鏡(TIYODA)を用いて通 常1,000倍で観察した. 実験結果 1.赤血球形態変化 健常者における赤血球形態はdiscocyteである がTDI処理により典型的な内方陥没型に変化す る(付図,写真1).この変化はTDI濃度依存的で ある(写真2).このTDI処理による形態変化をあ らかじめ種々の濃度のグルタルアルデ、ヒドで処理 した後に観察したところ, (1)グルタルアルデヒ ド単独により固定可能な濃度 (200μmole/ml以 上〉ではTDIの影響をうけないが, (2)グルタル アルデ、ヒド単独では固定不可能で、ある場合 (20μ mol/ml以下),TDIによる補足的な効果が期待で きる反面,形態が変化する.また, (3)TDI単独 処理により固定可能であるが,赤血球は形態変化 した(写真3).2
.
赤血球の物理的性質に対する影響 1)浸透圧脆弱性試験 通常,赤血球を低張溶液内におくと,浸透圧に583-よって内部に入り込む水の圧力により膜の小子しが 拡大され,ヘモグロビンを始めとする内容物が流 出し,いわゆる溶血現象を示す.そこで水に対す る溶血の態度を赤血球の外部へ流出してくるヘモ グロビン量を尺度として調べた.TDI未処理赤血 球がすべて溶血すると仮定し,これより流出する ヘモグロビン量を100%として各濃度のTDIで処 理した赤血球より流出するヘモグロビン量を測定 した(図2入 TDI濃度の増加に伴いヘモグロビン 流出量が急減する.すなわち赤血球をTDIで処理 すると水に対する溶血抵抗性を増し,実験条件下 における最高濃度では全く溶血しない赤血球が得 られた. 2) 変形性に対する影響 赤血球は外力に応じて一過的に形を不規則に変 え,外力がなくなればただちにもとの形に戻るこ とができる.自らの直径よりも細し、毛細血管を素 早く通り抜けることができるのはこのためであ る.ところでこれは膜構造の変化に基づく形態変 化とは区別されて考えるべき現象であり,可変性 Cdeformability) , 可 塑 性 Cplasticity), 柔 軟 性 Cflexibility)などとよばれている.この測定には各 種の方法が知られているが,一定の小孔を有する 膜の通過量を測定する櫨過能(臼trability)でこれ を表わした.直径8μmの小孔を有する膜を実験に 用いた理由は,自然落下の条件の際に赤血球自ら
%
100 ω.
.
.
偲 主 句。
+"'若
50 E 間一白﹀ - o Z ﹄ @ 工o
14 28 42 56 70 TOI concμmOI/ml ofpacked cell 図2 浸 透 圧 脆 弱 性 試 験 a E L E l a‘ ,
l m O.••
.
.
と 5 ﹄団﹄恒一 -Lo
14 28 42 56 70 TDI concμmol/ml of packed cell 図3i
慮過能の測定 の直径を与えるためで、ある.結果を図3
~こ示す. 赤血球を処理する TDIの濃度を増すにつれ,t
慮過 能は低下する.実験条件下における最高濃度では 通過液量はほとんどなく,試料溶液は粘性を増し, 処理赤血球により小孔がふさがれた様に観察され Tこ 3.赤肌球膜内のTDI反応性物質の検討 1) 膜脂質に対する影響 赤血球中の脂質はほぼすべて膜に存在し, リン 脂質とコレステロールを主成分として二重層を形 成している.この内TDI処理によって,アミン系 リン脂質すなわちホスファチジルセリン CPS)と ホスファチジルエタノーノレアミン CPE)が影響を 受け,ホスファチジルコリンC
P
C
)
,スフィンゴミ エリンCSph)などのコリン系リン脂質は影響を受 けずにそのままの形で残存する.TDI濃度依存的 に消失するアミン系リン脂質は,さらにRf値の 高いスポットを与える物質が出現することから, TDIによりアミノ基CPSの〉または第一級アミン CPEの〉が架橋されることが考えられる.さらに この新しいスポットが脂質由来であることを確認 するために,赤血球膜より抽出した脂質から緩衝 液存在下で超音波処理をして得られた小胞につい て同様の実験を行なった結果を図4に示す.近似 したRf値をもっスポットが出現し,これはTDI 処理濃度依存的に増加した.またTDI処理濃度の 増加に伴う両アミノリン脂質残存量の比率を求め-584-ド
4
.
2
の影響も認められる.4
.
調製ゴース卜赤血球を低張条件C1
0
m M
T
r
i
s
.
塩酸緩衝液〉の 下で溶血し,洗浄をくり返して得たゴーストは球 状型を示し(写真5-a),TDI処理により内方陥没TOI conc.μmol/ml of packed cell
図5 TDI処理赤血球膜中の残存PEのPSに対する 比率 70
5
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A
九
割
7
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>>,
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56 写真4の ク ロ マ ト グ ラ ム 42 6 28川
川
14 図6 T i l i -a T I l l -- ム E p q , ‘。
。.斜伺﹄的色 ¥ 凶 色 3 -585ー 円 、 ぎ 凶 ・ F 由 O N O S n g 工 m z g F ・ υ ︽ ・ 5 ・ υ た.PE/PS比は未処理で1.83:
t
O. 36であるのに対 し,実験最高濃度ではO
.
6
9
:
t
O
.
1
4
まで減少する. もし両アミノリン脂質がTDIに対し同様に反応 すると仮定するならば,この比率は変化せず,残 存量のみが減少するはずである.残存量が減少し 同時にこの比率が減少する傾向は,すなわち, PE の方がより PSよりも影響を受ける可能性が大で あることを示すものである(図5). 2)膜査自質に対する影響 TDI処理濃度が増加するにつれ膜が低張溶血 に対し抵抗性を増すことを先に述べたが, これは 低張溶血・洗浄をくり返すことにより膜を調製す るにあたり障害となる.そこでより低いTDI濃度 範囲での比較に限定し, SDS.ポリアクリルアミド 電気泳動法で分析した(写真4).TDI濃度の増加 に従い分離ゲル内に泳動できない高分子成分が出 現し,それに呼応して主としてパンドlと2(ス ベクトリン〉が徐々に減少して消失する傾向が認 められた.これらのデンシトメトリーの結果を図 6に示す.スベクトリ ン以外のパンド特にトリト ン殻すなわち細胞骨格の構成成分と考えられてい るパンド2
.
1Cアンキリン),パンド4
.
1
およびパン 図4 架 橋 産 物 の 薄 層Pロ マ ト グ ラ ム 1 :標準PS,2:標準PE,3: TDI処理赤血球脂質 抽出物,4 :赤血球脂質小胞, 5-8・TDI処理赤血 球脂質小胞(TDI濃度は,それぞれ14,28, 42, 56 μmole/ml脂質小胞液) c--.クロロホノレム, M…メタノーノレ, Ac" 氷酢酸 傘 -, 一.
e
7
義
務 特 6事
4
匝5
続 鎗量帯血事 盆 量 事e ?
︽3
2
事
1型に形態が変化する(写真5-b). 一方,低張緩衝液で得たゴーストを等張条件 CO.15M
NaCl
を含む10mMTris-塩酸緩衝液〕中 に浮遊すると直ちに突起を生じるものがあらわれ る(写真5-c).さらに等張で3TC
,1時間の温置 ですべてのゴーストが突起を持つ様になる(写真 5-d).このような突起を持つゴーストも又TDI処 理によって突起を残したまま内側に陥没する(写 真5-e).すなわち,等張条件で生じる外方突出(突 起〉と TDI処理による内方陥没は互いに措抗しな いことを示す. このようにして,ゴーストは赤血球形態変化を 再現することができる.そこで以下の実験には形 態の変化をとらえやすい低張ゴースト(以下ゴー ストと略す〉を使用した.5
.
各イソシアネー卜化合物によるゴーストの 形態変化 TDIによる赤血球およびゴーストの内方陥没 型変形誘起にはTDI分子の構造上どの部分が必 要であるかを検討するために,図u
こ示した各イ ソシアネート化合物で処理したゴーストの形態変 化を観察した(写真6
).写真中央は未処理ゴース トであり, これは写真左側の TDIおよびHDI処 理によって内方陥没型に変化する.一方,写真右 側のTMI-p,TMI-oおよびHMIは分子内にイソシアネート基を
1
個含む一価性薬物であり,これ らによる処理は内方陥没を誘起せずコントロール と同様に球状のまま又は突出を思わせるものの存 在も認められる. そこで,これらの処理による膜蛋白質の変動をSDS
を含むポリアクリノレアミド電気泳動法を用 いて分析した(写真7).内方陥没を誘起するニ価 性の場合,すなわちTDIおよびHDI処理では両 者に共通してゲノレ内への泳動が不可能な高分子成 分の存在が認められ,それに並行してスベクトリ ン(パンド1, 2)の消失が観察された.一方,一 価性 CTMI-p,TMI-oおよびH MI)の場合はコン トロールとほぼ同様の泳動パターンを示し,高分 子成分の存在は認められなかった. 以上のことから,内方陥没を誘起する TDI分子 は同様の形態変化をもたらすHDI分子との比較 -586 から,必ずしもトルエン骨格を必要としないが, 反 応 官 能 基 に つ い て はTMI-p,TMI-oお よ び HMIとの比較から 1分子内に2個を有するこ 価性であることが要求される.すなわち,ゴース トにおいては,二価性の反応官能基によるスペク トリンの架橋重合化により内方陥没が成立するも のと推測される. 6. トリプシン消化後のTDI処理 トリプシン消化を行なったゴーストの蛋白質電 気泳動像を写真8に示す.2TC
,3
0
秒間の温置に よりスペクトリン(特にバンド1)の減少傾向が 認められ 3分間以上の温置によりスペクトリン 同様裏打ち蛋白の1
っと考えられているバンド4
.
1
が消失する.写真9
に,トリプシン消化におけ る ゴ ー ス ト の 形 態 の 推 移 と 各 々 の ゴ ー ス ト の TDI処理による形態変化を示す.ゴーストはトリ プシン消化の進行に従いベジクルを遊離している ように観察され,元のゴーストよりやや小さめな 球型となる.TDIによるゴーストの形態変化は1 分間以内の消化によって既に認められ 3分聞を 経過するともはや形態変化能力を失う.この消化 時間は裏打ち蛋白の消化による消失と一致する. すなわち, TDIによる形態変化は,スペクトリン およびバンド4
.
1
を含む裏打ち蛋白の関与が必須 条件の1
つであることを思わせる. 考 察 赤血球形態に異常を生ずる因子は,赤血球・赤 血球内物質・赤血球代謝のいずれか,またはこれ らが複合した変化の中に求めることができる.そ こで形態変化のみられた赤血球を詳細に分析する ことにより,原因となり得る機作について推論す ることを試みた.さらに形態変化を阻止したり, 異なる条件下で再現することが可能であるなら ば,それらの結果,赤血球の特殊な形態であるd
i
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の成因保持因子の追求に有用な情報を もたらすことが可能であろう. 薬 物 に よ る 赤 血 球 形 態 変 化 はS
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お よ びS
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らによる“b
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カミら 脂質二重層の歪みにその原因を求めた.彼らはe
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をもたらす薬剤とs
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を生 じる薬剤を適当量組み合わすと両方の作用が相殺高 野 論
文
付
図
I
A
B
写真1
T
D
I
処理赤血球の走査電子顕微鏡像A
:
未処理赤血球,B
:
T
D
I
処理により内方陥没した赤血球O
1428
42
56
70
TDJ conc.川 oJ/mJof packed celJ
写真
2 T
D
I
濃度依存的な赤血球形態変化I
I
図
付
文
論
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GA→TDI treat円、ent 2000ぷ
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1
O = ω U 百 州 立 U 虫 u h。
-E ¥一 。
E ユ U E O U ︽。 670 70 35 O TDIconcμmol/ml of packed cell グノレタノレアノレデヒド (GA)前処理後のTDI処理による赤血球形態変化 Aゅ必蹴~ 仰 いd でで二斗一 "町一男唄期開""",'~''^山 band1制酬制 酬 苫 2輔 蜘 欄 ぽ 榊 同j 2.1 3 M U 写真3 写真4 TDI処理赤血球膜蛋白質のSDS-ポリアクリノレアミド電気泳動像 l 未処理赤血球, 2 -8 : TDI処理赤血球(TDI濃度はそれぞれ5.1,10.2,15.4, 20.5, 25.8, 30.7, 35.8μmol/ml packed cell), band名はFairbanksの命名法12) tこよる.高 野 論 文 付 図
1
1
1
写真5 ゴーストの陪視野顕微鏡像 a:未処理ゴースト, b:TDI処理ゴースト, c:等張緩衝液中のゴース,ト d:cと 同一条件下で3TC1時間温置後のゴースト, e: dをTDI処理TOI
な
ぎ
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TMI-p
TMI
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HOI
写真6 各種イソシアネート処理ゴーストの形態変化 -589ー高 野 論 文 付 図
IV
bandl2
糊 酬2
1: 前<=Jt1 2 3 4 5 6
写真7 各 種 イ ソ シ ネ ー ト 処 理 ゴ ー ス ト の 蛋 白 質 の SDS-ポリアクリノレアミド電気泳動像ロ
ト 1 :未処理ゴースト, 2: TDI処理ゴースト, 3・ HDI処理ゴースト, 4・TMI-p処理ゴースト, 5: TMI-o処理ゴースト, 6: HMI処理ゴースト Trypsin treatment 昨日nO
臨彊
0
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5
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1
35
10 写真9 トリプシン消化後TDI処 理 し た ゴ ー ス ト の 形 態 変 化5 6
写真8 トリプシン消化ゴーストの蛋白質のSDS-ポ ノレアクリノレアミド電気泳動像 1:消化時間0分間, 2 : 0_5分間, 3:1分間, 4 : 3分間, 5: 5分間, 6:10分 間 写真10 トリニトロベンゼンスノレホン酸 (TNBS)処 理 赤 血 球 (A)とゴースト (B)され赤血球は
d
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s
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o
c
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e
の形態を保つ13)14)とし, 藤井ら同 t工短鎖レシチン,リゾレシチン,脂肪酸を 用いた実験からこの仮説を支持している.TDI
は その分子構造からも推察されるように脂溶性な薬 物であり,膜内に容易に取り込まれることが考え られ,この仮説を基にT
D
I
による赤血球の形態変 化に至る機構を検索した.TDI
を等張緩衝液中で 超音波発生装置を用いてエマルジョン化した後赤 血球浮遊液に加えると,すみやかに膜内に取り込 まれた.このことはT
D
I
がエマルジョン化後の放 置時間延長に伴い水分子との反応により,有機溶 剤不溶性のポリマーを形成し白濁する16)ことか ら,この白濁の残存を基準に確認した.すなわち, このエマルジョンを調製後長時間(少なくとも20-30
分間以上〉放置した後に赤血球浮遊液に加 えると外液に白濁が残存し,調製直後の添加では 透明であることを確認した.TDI
処理赤血球は水 に対する溶血抵抗性を増し,小孔を通過する変形 能を失う,換言すれば堅固な赤血球となる.溶血 抵抗性を指標として,赤血球に対するT
D
I
の反応 をo
.
C
で経時的に測定したところ5
分間ですで に完了しておりほぼ瞬時であることを思わせる. 取り込まれたT
D
I
は上記の赤血球機能を低下さ せると共に濃度依存的に形態を変化させた.そこ で膜成分の分析を行なったところ,TLC
上アミノ リン脂質であるPE
とP
S
のスポットが消失し, それに伴いより極性の低い新しいスポットが出現 した.これは赤血球より抽出した脂質から調製し た小胞を用いた実験結果から,指質由来であるこ とが確認され,脂質問の架橋重合が予想された. また,SDS
ポリアクリノレアミド電気泳動法による 膜蛋白質の分析から,細胞骨格系であるスベクト リン,アンキリン,パンド4
.
1
等の重合化が明らか となった.PE
,P
S
は主に膜の内層に存在し17) 21), スペクトリン等も同様に内側に存在する22)矧こと から,TDI
は膜の内層に到達したことは明らかで ある.しかし,T
D
I
が蛋白質と反応すること,反 応が共有結合と考えられ不可逆的であることおよ び脂質とも反応することから,先の仮説に基づく 差し込みによる脂質ニ重層の歪みだけではT
D
I
による形態変化を説明することは困難で、あろう. 膜蛋白質の分析の為に,T
D
I
処理赤血球より調 製した膜はT
D
I
濃度依存的に赤色度を増し,T
D
I
分子とヘモグロビン分子との間に何らかの反応の 惹起が予想された.膜調製にあたって低張下にお いた赤血球は,三次元的網目構造から小孔をあけ て内容物を流出するが,これは低張液に接触して から約1
0
秒前後に起こり ,25-250
秒間位で再び閉 じられるとL、う刊.TDI
は脂溶性物質であり,一 旦膜に溶け込んだ後再び水系で、ある細胞質側に移 行することは考えにくしまた膜成分が架橋重合 し水に対してさえ溶血抵抗性を示すTDI
処理赤 血球は,充分な三次元的網目構造ないし孔を開け ることができず,そのためヘモグロビンを流出し きれずに赤色の膜が調製されたものと推測され る.ここでTDI
により変化を受ける物質として膜 成分のみに焦点を絞ることが可能となり,細胞内 成分を除いたゴーストにT
D
I
処理を施した.低張 緩衝液を用いて調製したゴーストは球状の形態を 示し,S
h
e
e
t
z
ら25)も同様に報告している.中尾 ら26)は,赤血球およびゴーストのATP
による形 態変化を追求しており,彼らの用いたゴーストを 等張条件で3
7'C
温置を行なうと,ATP
濃度の減 少から外方突出を起こすことを報告した.この形 態の変化は外液にアデニン・イノシンを添加する と回復することから,ATP
によるスペクトリン のリン酸化が形態をコントロールしていると主張 している.他方,脂質二重層の歪みに原因を求め るB
e
n
-
B
a
s
s
a
t
ら27)は,赤血球の薬物による内方 陥没型の形態変化は赤血球内のATP
減少の状態 では誘起されないことを報告している.司本実験で は,神部らの方法28)に従って赤血球内のATP
を 減少さぜ外方突出を起こしたゴーストでも突起を 残したまま内方陥没を起こすことが認められた. このことから間接的ではあるが,ATP
存在下を 条件とする脂質二重層の歪みのみでTDI
による 形態変化を説明しきれないもう一つの根拠となる であろう.そこで赤血球の形態変化に寄与する細 胞骨格系の関与の重要性を調べるため, トリプシ ンによる消化実験を行なった.ゴーストはトリプ シンを用いて消化した後も袋状の形態を保ってい る.O
.
C
で短時間(
2
0
秒間〉トリプシンで処理す591-26 ると,アンキリンのみの消化がみられるが,
3TC
ではスペクトリンやノミンド3にも影響が認められ るという2蜘 0) 本実験では, ATP濃度の減少によ る影響を避け,しかも細胞骨格系の消化を目的と したので、2TC
温置とし,最高10分間までの加温を 試みた.経時的にスペグトリン,ノ〈ンド4.1の消化 が明らかにみられたが, このような骨格系を失っ たゴース卜も球状の形態を示した.TDIの反応機 構が単に差し込みであると仮定するならばこの球 状ゴーストに対しても陥没が誘起されるはずであ る.しかし, ゴーストをトリプシンを用いて消化 した場合,短時間である場合はTDIにより形態変 化を起こすが,充分なトリヅシン消化を行なった 場合はTDIによる形態変化が認められなかった. すなわち, TDIによる赤血球の形態変化には,細 胞骨格系C
C
y
t
o
s
k
e
l
t
a
ls
t
r
u
c
t
u
r
e
)
の関与が必須 な条件の 1つであることが明らかとなった. 以上のように,赤血球およびゴーストの細胞骨 格系に作用することにより内方陥没形を誘起する TDI分子の反応について,種々のイソシアネート 化合物を用いて検討を加えた.はじめに, トルエ ン 骨 格 の 必 要 性 に つ い て HDIと比較したとこ ろ,ゴーストはHDI処理によっても内方陥没す る.HDI処理赤血球も又溶血抵抗性を増すことが 観察され, TDIによる赤血球の溶血抵抗性の増加 を起こす作用には必ずしもトルエン骨格を必要と しないことが明らかとなった次に,赤血球に内 方陥没を誘起する作用とイソシアネート基の必要 性との関連について検討した.イソシアネート基1
個を有するT
M
I
-
p
,T
M
I
-
o
を用いてゴースト を処理しても,球状型のゴーストは内方陥没をお こすことなく,むしろ外方突出を思わせる形態変 化を誘起する.G
u
i
d
o
ら31)は,トリニトロベンゼン スルホン酸をゴーストに作用させると,膜不透過 性であるため,外層に存在するPE
と反応するこ とを報告している.同条件による追試(写真10) も同様の結果が観察され,同モノイソシアネート 化合物は外層のPE
のみと反応しているものと推 測される.従って,赤血球に内方陥没をおこさせ るイソシアネート化合物として, TDIのように2 個のイソシアネート基を有するものであることが 要求されよう. 最近,A
l
l
o
i
s
i
o
ら3叫土,球状のゴーストを脂質小 胞(Iip
i
dv
e
s
i
c
l
e
)
と共に温置すると,スペクトリ ンを主体とする高分子ボリマーが出現し,形態は 内方陥没型を示すことを報告している.スペクト リンのリン酸化および脱リン酸化が赤血球の形態 を コ ン ト ロ ー ル し て い る と 主 張 す るB
i
r
c
h
m
e
i
r
ら33)も, この脱リン酸化によりスペグトリン複合 体が解重合をおこし,その結果として外方突出を 惹起するものと考えている.スペクトリン自体は 自己会合能をもち34),等張下,高蛋白質濃度で多量 体を形成する性質をもっ.本実験でみられたTDI による赤血球形態変化の要因としては,細胞骨格 の裏打ち構造,すなわち膜の脂質層を内側から補 強している蛋白複合体の変化と膜の脂質層の変化 が考えられる.細胞骨格の基本骨格はトリトン殻 であり,パンド 1,2, 2. 1, 4. 1, 5,および少 量のバンド 3と4.2から成っているが,これらのう ちバンド1と2はスベクトリンと称されており, 赤血球を TDIで処理すると内方陥没をおこし,化 学的にはスペグトリン,バンド2.1,4.1などから 高分子物質が生成され,本来のこれらの蛋白質量 が減少する傾向がみられた.さらに調製した球状 のゴーストをTDIで処理すると内方陥没をおこ すが,ゴーストをトりプシンで処理してスペクト リン,バンド4.1を除去LたのちTDIで処理して も内方陥没をおこさず,形態変化を表わす能力の 喪失がみられた.以上のことから, TDI処理によ る赤血球の形態変化は,膜の脂質層の架橋よりも, 主としてスペクトリン,ノミンド4.1を含む裏打ち構 造をつくる蛋白質の架橋重合に起因するものと考 えることヵ:で、きる. ま と め TDIによる赤血球の内方陥没型変形誘起機構 の解明を目的として本実験を行なった.その結果, 次のことが明らかとなった. 1)TDIは濃度依存的に赤血球を内方陥没型に 変化させる. 2) TDIで処理した赤血球は, TDI濃度依存的 な変形能の消失がみられ,水に対する溶血抵抗性 が増加する.592-3)赤 血 球 よ り ヘ モ グ ロ ビ ン を 主 成 分 と し た 細 胞 内 可 溶 成 分 を 取 り 除 い た 形 質 膜 ( ゴ ー ス ト 〉 で も 同 様 の 形 態 の 変 化 の 再 現 が 可 能 で あ る . 4)赤 血 球 膜 内 のTDI反 応 物 質 は , ア ミ ノ リ ン 脂 質 お よ び 裏 打 ち 蛋 白 質 ( 特 に ス ベ ク ト リ ン 〉 で あり, TDIは こ れ ら を 単 独 又 は 他 の も の と 架 橋 重 合化させる. 5)膜蛋白質をトリプシン消化することにより, 球 状 の ゴ ー ス ト の 形 態 変 化 は 阻 止 さ れ る . 以上の結果より, TDIは 赤 血 球 膜 を 架 橋 重 合 化 し , 形 態 を 内 方 陥 没 型 に 変 化 さ ぜ る . こ の 変 形 に は , 少 な く と も 膜 蛋 白 質 の 関 与 を 必 須 な 条 件 と す る こ と が 明 ら か で あ る . す な わ ち , 赤 血 球 形 態 の 成 立 お よ び 保 持 因 子 は 膜 の 脂 質 よ り は む し ろ 蛋 白 質 が 中 心 と な る こ と を 支 持 す る 結 果 が 得 ら れ た . 稿を終わるに臨み,終始,御懇篤な御指導・御校聞 を賜りました降矢焚教授に深甚なる謝意を表します. また,本実験の遂行にあたり,御助言御指導を賜りま した堀川│博朗博士に深謝するとともに,御協力いただ いた本教室の皆様,電子顕微鏡研究室北重夫室長およ び微生物学研究室の皆様に心から御礼申し上げます. 本論文の要旨は,第12回国際生化学会議 0982年 8 月,オーストラリア・パース〉および第56回日本生化 学会大会 (1983年9月,福岡)において報告した. 文 献 1)Singer, S.J. and G.L. Nicolson: The fiuid mosaic model of the structure of cell mem-branes. Science 175 720-731 (1972) 2) Sheezs
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