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原子を探るサブフェムト秒の スカルプテッド光トランジェント

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2011.12 Laser Focus World Japan

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 アト秒(as)フォトニクスは急速に発 展しているツールであり、科学者がこ の極端に短い時間スケールで物質とエ ネルギーの挙動を研究するのに役立 つ。今や、最初に80asの光パルス発生 に成功した研究チームは新たなマイル ストーンに到着した。それは、0.3∼0.9 PHz周波数範囲をカバーする2.4fs時間 帯内の「光トランジェント」の整形と アト秒サンプリングだ。光トランジェ ントは1サイクルまたはせいぜい数サ イクル内に完全に閉じ込められた非反 復性のスカルプテッド(彫刻するように 整形された)波形である。  現在、カスタマイズされたフィール ド展開とサブフェムト秒の立ち上り時 間ならびに閉じ込めをもつオンデマン ド波形がペタヘルツスケールのフィー ルド合成によって可能になった。これ らの整形されたトランジェントは、物 理学者が原子内の電子の振る舞いを詳 細に調べるのに役立つ。

3つの光チャネル

 これらのトランジェントを生成する 第一段階では、25fs幅の780nm光パ ルスをネオンガスが充満する中空コア ファイバ内を伝搬させることによって スーパーコンティニウムを発生させる。 ネオンは3.5バールまで加圧されている ため、スペクトル広がりを引き起こし、 330∼1100nm(0.6PHz以上)帯域幅に わたって比較的均一なエネルギー分布 を生成する。  実在のトランジェントを創出するに はスーパーコンティニウムの複数部分 を別々に操作する能力が要求される。 チャープ多層ミラーを使って、スペク トルを3つのチャネル、すなわち350∼ 500nm、500 ∼ 700nm お よ び 700 ∼ 1000nmに分割する(図1)。ミラーチ ャープは、そのパルス内のチャープと 他の光学系によって導入されたチャー プを補償し、そのパルスをそれらの帯 域制限幅へと圧縮する。チャープ、キ ャリアエンベロープ位相、遅延、パル スエネルギーなどはすべて調整可能で あり、そのことがトランジェントを微 細に整形する能力に導く。  チャネル数は、必要ならば3つ以上に 増やすことも可能だと独マックスプラ

原子を探るサブフェムト秒の

スカルプテッド光トランジェント

アト秒フォトニクス

world

news

図1 フォトニックシステ ムは、原子内の電子の挙 動を探るために使用するカ スタム成形されたサブフェ ムト秒光トランジェントを 生成する。トランジェント を生成するには、まず、ス ーパーコンティニウムを3 つのチャネル(青、黄、赤) に分割する。各チャネルの ビームパラメータを、その 光を再結合(白)させる前 に操作する。(資料提供:E・ グーリールマーキス氏)

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Laser Focus World Japan 2011.12

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ンク量子光学研究所の研究チームリー ダのエレフテリオス・グーリールマーキ ス氏は語っている。彼は、「われわれ のチャネルの帯域幅は数フェムト秒の 時間窓に相当する」と指摘し、「われ われは、一般に数十から数千アト秒以 内に起こる電子動力学の制御を狙って いるため、この区分で事実上十分であ る。われわれは、合成を数オクターブ 以上に拡張し、ライトフィールドをア ト秒精度で整形する計画である。その 場合、深UV、真空UV、近IR成分を含 めるために、いくつかの追加のチャネ ルが必要になるだろう」と語っている。  既存のトランジェントをネオンガス ジェットに集光させ、極端紫外光を発 生させた。続いて帯域通過フィルタを 通して単一のアト秒パルスを生成し た。トランジェントと結果として生じ たアト秒パルス(調整可能な相対遅延 をもつ)の両方を別のネオンガスジェ ットに集光させ、飛行時間型電子スペ クトロメータで光電子スペクトルを遅 延の関数として測定し、トランジェン トの形状と持続時間を求めた。この光 トランジェント整形の実験結果は予測 と良く一致し、再現可能であった。  この技術を科学ツールとして使用 し、研究チームはトランジェントをク リプトンガスセルに集光させ、サブフ ェムト秒の電子運動をトリガーした。 彼らは、トランジェントの先端におい て負の吸収が電子遷移共鳴以下の光子 エネルギーで起こり、それ以上では正 の吸収が起こることを発見した。吸光 度プロファイルは時間とともに定常的 な形状へと発展した。  さらなる実験の結果、価電子波束が 創成されることが明らかになった。も う1人の研究者、エイドリアン・ウィル ト氏は、「価電子波束は強力なパルス を使ってクリプトン原子をイオン化 (すなわち、そこから価電子を除去)し たときに発射させることができた。量 子力学的処理によれば、この作用によ って、基底状態と第一励起状態のコヒ ーレントな重ね合せ状態にあるイオン が生じる。これが電子波束である。こ れらの状態に関係している電子軌道が 異なるため、残る電子密度(または 正 孔 密度)はそのトリガー後に周期的に 現れている。これは、電子運動とも呼 べるものだ」と語っている。  ウィルト氏は、光トランジェントは単 一の強いフィールドクレストの形に整 えられるため、イオンは半サイクルの 小部分においてだけ生成されると付け 加えた。結果として、電子運動のトリ ガーとして使用されたフィールドクレ ストは電子運動がそれに対して時間記 録される「時間ゼロ」マークにもなる。

原子核の運動

 グーリールマーキス氏は、「一般に数 十∼数千フェムト秒内に展開する分子 内の原子核運動の生成と制御がフェム ト科学の主題になった」と語っている。 「これらの運動をトリガーするために、 レーザを使って分子内振動量子準位の コヒーレントな重ね合せを生成した。 それは主にミリ電子ボルト間隔であっ た。われわれのライトフィールド合成 器における1チャネルのスペクトルバ ンド幅は適切なパルス整形器を使って 原子核運動を制御するに十分であろ う。われわれの新しいツール、すなわ ちスーパーオクターブライトフィール ド合成を使えば、原子核と電子の両運 動を制御し、物質の量子制御をその極 限へと前進させることも夢ではない」と 付け加えた。 (John Wallace) 参考文献

(1) A. Wirth et al., Sciencexpress, 1, 10.1126/

. ) 1 1 0 2 , 8 . t p e S ( 8 6 2 0 1 2 1 . e c n e i c s

LFWJ

参照

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