生活単元学習学習指導案
紙粘土でプレゼントをつくろう
【 第○学年1名 第○学年1名 授業者 ○○○○ 介助者 ○○○○ 】 1 日 時 平成17年 9月 27日(火) 第5校時 2 場 所 ○○学級(一部家庭科室) 3 単元について ○本学級の児童は,○年生男児(A児)1名,○年生男児(B児)1名の計2名である。 A児は,日頃から,体力を高めるためにトランポリン・散歩・台車おし・腹筋・背筋運動をし たり,手・腕・肩の力や巧緻性を高めるために積木・紙ちぎりをしたり,感覚を刺激するために 砂場遊び・粘土遊び・水遊び等に楽しみながら取り組んでいる。しかし,A児は日によって興味 関心の対象が異なる。昨日興味津々で取り組んだことも,翌日には殆ど関心を示さないことがあ る。この時の対応としては,無理に進めず本人の意欲を大切にするように専門機関からアドバイ スを受けており,児童の体調や気分などにも配慮しながら指導を早めに切り上げたり,内容を入 れ替えたり意欲的に活動に取り組めるようにしている。 また,これらの活動の中で言葉の習得にも取り組んでいる。必要に応じて指導者が言葉をかけ たり,児童が要求したいことを指導者が言語化してまねさせたり,歌をうたったり,絵本を読み 聞かせたりすることで言葉を少しずつ習得している。しかし,指導者が活動の中で,特定の言葉 を教えるという事にこだわりすぎると,訓練的になり楽しさや児童の実態に合わせた柔軟な指導 に欠けたものになりがちなものとなる。このような時は,A児の活動意欲も低下してしまう。A 児が自然な形で発語できるように,リラックスした楽しい雰囲気作りが必要である。 B児は,感情の起伏が激しく場に応じた言動が取りにくい。4月当初は,A児に対しても積極 的に関わりを持とうとしたが,A児にとって快いという関わり方ができなかった。そこで,A児 が快いと感じるやさしい声かけや接し方について繰り返しソーシャルスキルトレーニングを続け た結果,A児との関係も少しずつ友好的な関係になってきている。 また,B児は,レシピを読んで調理をする活動を繰り返している。この活動を通して,説明文 を読解して,その内容を実行する力が育ってきている。また,工作活動にも意欲的に取り組むこ とができる。これまで「焼き物 「木工 「写真たて」などを制作してきた。調理したものや制」 」 作したものをプレゼントして相手に喜んでもらうことは,達成感や自己肯定感を高めることにも つながっている。 ○「紙粘土でプレゼントをつくろう」は,紙粘土をつくる活動と紙粘土を使ってプレゼントを製 。 , , , , 作する活動に大きく分かれる 紙粘土作りは A児にとっては 材料の紙をちぎる 水と混ぜる こねる等の活動を通して,遊びながら手先や腕の機能性を高めたり,さらに感覚を刺激したりす ることができる。また,複数の活動を通して「びりびり 「べちゃべちゃ」等の擬態音や「ちぎ」 ろうね。」「ま∼ぜ,まぜ 」などの言葉をかける機会も多いことから言葉の習得が期待できる。。 B児にとっては,必要な材料を調べたり,購入したり,活動に必要な道具を準備したりと,調 理活動で習得した力を工作という新しい場で活用する学習となる。さらに,作った作品をプレゼントすることで,人から肯定的評価を得やすい。これらのことから,プレゼントを作りたいとい う意欲を高めやすく,達成感と自己肯定感を育てることもできる。さらに,A児との共通の活動 を通して触れあい,自然な形でコミュニケーションとることも可能である。以上のことからこの 単元を設定した。 ○指導に当たっては,以下のように取り組みたい。
A児に対して
A児には活動自体を楽しむ「遊びの場」として活動に参加させたい。そのために,興味・関心 を高める工夫,自由に活動できる工夫を取り入れる必要がある。「興味関心を高める工夫」として
紙粘土の材料としてトイレットペーパーを使用する。トイレットペーパーは,ちぎりやすく, 水に溶けやすい。力の弱いA児にとっても操作することに適した材料である。また,トイレット ペーパーを,教室内につり下げておくことによって,A児が紙をちぎるだけでなく,紙をどんど ん引っ張り出したり,引っ張って歩いたりと活動が自然に広がっていくことにも対応できるよう にしたい。「自由に活動ができる工夫」として
大きなたらいを床に用意してぬるま湯と混ぜるようにする。床に置くことでしゃがんで両手が 使いやすくなるし,気分が高まった時には,たらいの中にのめり込んだり,中に入って歩いたり 様々な活動を楽しむことができる。A児にとっては遊びなので,必要以上に混ぜることだけを要 求しないでA児の活動の意欲に沿った支援をしていきたい。また,ぬれてもいいように水着を用 意しておく。B児に対して
B児には,A児とコミュニケーションを深めるための工夫とプレゼントを意欲的に作るための 工夫が必要となる。「A児とコミュニケーションを深めるための工夫」として
A児とB児との活動の目的が異なることを事前に伝えておき,A児の活動を過度に制止せずに A児ができなかったところはB児がカバーして行くように指導しておきたい。B児は,作り方の 順にそって活動し,活動ごとにA児に「次は,○○○をするよ。」「がんばっているね。」「楽し いね 」と声かけを促したり,A児の当日の状況を見ながらA児の活動を手伝ったり,遊んでい。 るA児にB児がつきあったりするような場を設定し,A児の体験を共有しながらA児への理解と 関わり方を深めていきたい。「プレゼントを意欲的に作るための工夫」として
生活単元学習「1∼3年生とのお楽しみ会」を10月に企画している。この時のゲームの賞品 として本単元の作品をプレゼントするようにしたい。昨年度の「お楽しみ会」では,マカロニで 飾り付けをした写真立てを作った。このときプレゼントした相手から喜んでもらったり,作品の 出来映えを褒めてもらったりして自己肯定感を高めることにもつながった 「お楽しみ会」で,。 紙粘土を使ったペン立てをプレゼントする事を伝え紙粘土作りの必要性とプレゼント制作に向け ての意欲付けとしたい。4 単元の目標 A 児 B 児 ・ちぎる,引っ張る,混ぜる,こねることを ・必要な材料を調べたり,購入したり,活動に 通して,手先や腕の機能性を高めたり,感 必要な道具を準備する。 覚刺激を楽しむ。 ・作り方を読みながら紙粘土を意欲的に作る。 ・A児の要求を指導者が言語化し,それをま ・ 児と友好的な関わりがもてる。A ねて発語できる。 ・プレゼント作りに意欲的に取り組む。 ・指導者が活動の中に表現する「擬態音・形 容詞」に注意を向けたり,発語ができる。 ・作った粘土で粘土遊びに意欲的に取り組 む。 5 指導計画 (A児 全4時間 B児 全10時間) 次 時 学 習 活 動 A 児 B 児 1 1 『紙粘土でプレゼントをつくろう』の学習計画を立てる。 2 ・紙粘土の作り方を読み取り,必要な材料を選 び出す。 2 3 ・材料を購入する。 4 ・紙粘土作りに必要な道具の準備をする。 5 ・A児との関わり方についてソーシャルスキル トレーニングをする。 3 ・トイレットぺーパーを使って,A児にどんな 遊びができそうか考える。 6 ・小麦粉のりを作る。 7 紙 粘 土 を つ く る (本 時) 粘 土 遊 び プ レ ゼ ン ト 作 り 8 9 『紙粘土でプレゼントをつくろう』のまとめを 4 10 する。 6 準備物 トイレットペーパー(シングル)3個,小麦粉(中力粉)1袋,小なべ,ぬるま湯,市販の紙粘 土1個,針金,たらい大1,ふろしき(ポリエステル製 ,洗濯機,バケツ,タオル,ティシュ) ペーパー, A児の水着,ビニル袋,ビニルシート
7 本時の目標と学習の展開 A 児 B 児 ・ちぎる,引っ張る,混ぜる,こねること ・作り方を読みながら紙粘土を意欲的に を楽しむ。 作る。 目 ・A児の要求を指導者が言語化し,それを ・必要のなくなった道具・材料を順次片 まねて発語できる。 付けてから次の作業に移ることができ 標 ・指導者が活動の中に表現する「擬態音・ る。 形容詞」に注意を向けることができる。 ・A児と友好的に関わりがもてる。 全体へ支援 個人の活動(○) 個への支援(・) 評価(☆) 学習活動 A 児 B 児 1 . 始 ま り ○礼をする。 ○号令をかける。 のあいさつ ・自分からできないときに 「これから紙粘土をつくり は,礼をするように指示をす ます。姿勢。礼 」。 る。 紙 粘 土 を つ く ろ う 導 入 2 . 本 時 の 目 当 て の 確 A児のめあて B児のめあて 5 認 ・ちぎる,引っ張る,混ぜ ・紙粘土の作り方を読ん 分 る こねることを楽しむ, 。 で作る。 (B児に読ませてA児の目 ・いらなくなったものは 当てを確認する )。 片付ける。 ・A児にやさしくする。 3 . 紙 粘 土 ○トイレットペーパー1つを ○トイレットペーパーを引 ・児童のが を作る。 引っ張る,ちぎる等の活動を っ張り出し,たらいの中に んばりはそ 楽しむ。 入れる。 の場ですぐ 展 ・A児が興味を示さない場合 ・A児が活動に興味を示し に 評 価 す には,B児が考えておいた, ていない場合には事前に考 る。 。 ちぎる,引っ張って歩く,ち えておいた遊び方を教える , ぎったものをたらいに入れる ・B児の活動が終わったら 等の行動を示させ,トイレッ A児の活動に参加したり, 開 トペーパーを使った活動に興 A児がたらいの中に入れら 味を持たせるようにする。 れなかったペーパーを拾っ 3 ・A児が興味を持った活動を たりするように声かけをす 7 途中で中断し,A児が言葉で る。 分 要求しなければならない場面 を作る。
☆トイレットペーパーを使っ ☆A児といっしょに活動で た活動に取り組めたか。 きたり,手伝うことができ ☆要求を言語化することがで たか。 きたか。 ○まぜる活動を楽しむ。 ○たらいに手を入れ,まぜ ・ ぐちゃぐちゃ 「どろど「 」 てパルプをつくる 「ぐち。 ろ 「ぬるい」等の言葉にA」 ゃぐちゃ 「どろどろ」と」 児が注意を向けやすいよう A児が言葉が覚えられるよ に,ゆっくり,はっきり,短 うにいっしょに言いながら い文で言う。 混ぜる。 ・指導者が言った言葉に反応 ・A児が上手にまぜている したら,しっかりと褒める。 ときには励ましの声をかけ ☆言葉に対して反応を示した るように促す。 り 発語することができたか, 。 ☆A児に共感しながら活動 ・途中で活動に集中できなく することができたか。 なったときには,介助者がト ○バケツにふろしきをひき ランポリンをさせたりや絵本 パルプを入れてふろしきを を読み聞かせ,作り方6(買 しばる。 。 ってきた紙粘土とよく混ぜ ○30秒間脱水機にかける る)のところで再度参加する (家庭科室に移動する) , ように促す。 ○パルプをたらいに入れて 小麦粉のりとよく混ぜる。 ○買ってきた紙粘土とよく 混ぜる。 ○ビニル袋に入れて保存す る。 ・片付けができていないと きには,声かけをする。 ☆作り方に沿って,意欲的 。 に取り組むことができたか ○片付けをする。 ま 4 . 活 動 の ○目当てについて振り返り それぞれの と 振り返り をする。 がんばりを め ☆自己肯定感を持つことが 認めて自己 3 できたか。 肯定感を高 分 ○次時の活動の確認をする。 める。