2009 年度 修士論文要旨
有限個の標本点における
Hermite
補間の近似特性
関西学院大学大学院理工学研究科
物理学専攻 北原研究室 岩井 直哉
与えられた関数を近似する有効な方法の一つとして補間というものがある.補間は近似関数
の集まりを定めておいて何個かの x 軸上の点(これを標本点という)において与えられた関数
の関数値と一致する近似関数で近似するという方法である.特に多項式で補間することを多項
式補間という.さらに,各標本点の関数値および指定された階数までの導関数値と同じ値をと
るような近似関数で近似する方法を Hermite 補間という.本論文では標本点数を無数に多くせ
ず,予め決められた有限個数の標本点における Hermite 補間の近似特性を得ることを目的とし
ている.
まず,与えられたデータ点に対する補間多項式の存在と一意性を示し,その表現形式として
の Lagrange 形式・Newton 形式を導入する.与えられた関数に対する補間多項式を考え,その
誤差を考える.導関数値も考慮した Hermite 補間多項式についてもその存在と一意性を示し,
差分商の一般化を行い,誤差について述べた.
つぎに距離として一様ノルムを用いて最良近似の存在と一意性を示し,Chebyshev 多項式の
性質を挙げ,Chebyshev 多項式の一様ノルム最小性について述べた.
以上の準備から,標本点数を一定にして重複度を増やして得られる Hermite 補間多項式列で
近似するという方法の近似特性について取り組んだ.つまり,次の2つの問題に取り組んだ.
1つは予め定められた有限個数の標本点における Hermite 補間多項式列で近似される関数を調
べた.今回は被近似関数が解析関数の範囲で考察した.もう1つは,被近似関数に対してある
条件をみたす Hermite 補間多項式の中で被近似関数との一様ノルムが最小となる多項式を求め
るプログラムを作成した.この問題については途中段階であり,その経過を述べた.最後に今
回の取り組みに対して,不十分なところを今後の課題として述べた.